JP2004186088A - 冷陰極放電管 - Google Patents
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Abstract
【課題】一対の電極の間隔を変更することなく、ガラスバルブの全長を短くすることができるようにした冷陰極放電管を提供する。
【解決手段】本冷陰極放電管は、ビードガラス10がガラスバルブ1の両端部に所定の長さで溶着され、かつ内面11が凹曲面とされている。そして、ビードガラス10に封止される第1金属体6が、所定の長さaをもって凹曲面とされたビードガラス10の内面11から突出し、その内端部に電極4を溶接している。ビードガラス10の内面11が凹曲面とされたことにより、窪んだ長さc分だけビードガラス10の内面11から突出している第1金属体6の長さdを短くすることができ、ガラスバルブ1の全長Lは窪んだ長さcの2倍分、従来よりも短くされる。
【選択図】 図2
【解決手段】本冷陰極放電管は、ビードガラス10がガラスバルブ1の両端部に所定の長さで溶着され、かつ内面11が凹曲面とされている。そして、ビードガラス10に封止される第1金属体6が、所定の長さaをもって凹曲面とされたビードガラス10の内面11から突出し、その内端部に電極4を溶接している。ビードガラス10の内面11が凹曲面とされたことにより、窪んだ長さc分だけビードガラス10の内面11から突出している第1金属体6の長さdを短くすることができ、ガラスバルブ1の全長Lは窪んだ長さcの2倍分、従来よりも短くされる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)などに備えられた液晶表示装置のバックライト光源として使用される冷陰極放電管に関し、詳しくは、発光領域が従来と同じとなるように、一対の電極の間隔を変更することなく、ガラスバルブの全長を短くすることができるようにした冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶テレビあるいは携帯情報端末(PDA)などには液晶表示装置が備えられている。この液晶表示装置のバックライト光源として冷陰極放電管が採用されている。
【0003】
ここで、従来の冷陰極放電管について図3および図4を参照しながら説明する。図3は従来の冷陰極放電管の断面正面図であり、図4は同じく要部拡大正面図である。
【0004】
従来の冷陰極放電管は図3に示すように、ガラスバルブ1の両端部に、棒状の導入金属体2,2がビードガラス3,3を介して封止され、ガラスバルブ1内の両端部付近に配置される一対の電極4,4が各導入金属体2,2の内端部に取り付けられ、ガラスバルブ1の内面に蛍光被膜5が形成され、そしてガラスバルブ1内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。
【0005】
導入金属体2は、ビードガラス3に封止される第1金属体6と、ガラスバルブ1の外側に配置される第2金属体7とが溶接部8を介して直列に接合された構成となっている。第1金属体6は、ビードガラス3と一体化を図るため、融点が高い例えばタングステンによって形成されている。第2金属体7は、柔らかくて折り曲げやすいといった作業性に優れ、しかも融点が低い例えばニッケルなどによって形成され、予備半田が付けられやすいようにされている。
【0006】
そして、導入金属体2は第1金属体6が上側、第2金属体7が下側となるような鉛直姿勢とされ、貫通孔を形成したビードガラス3が第1金属体6を外嵌する。ビードガラス3は溶接部8上に衝止された状態で加熱され、第1金属体6と溶着する。その後、第1金属体6の内端部に電極4が溶接される。
【0007】
この電極4は、例えばニッケルやニオブなどによって形成され、放電面積を大きくするため、ホロー形状とされている。ホロー形状の電極4は、その底部の外面が溶接によって第1金属体6の内端部に取り付けられている。
【0008】
以上のように構成された冷陰極放電管は、液晶表示素子(図示せず)の背面に配置された板状の導光体(図示せず)の端面に近接して配置され、第2金属体7が電源(図示せず)などを接続したリード線(図示せず)に接続される。そして、一対の電極4,4間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。
【0009】
この放電により、希ガスが電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜5によって可視光に変換され、この可視光がガラスバルブ1を通過して外部に放射され、導光体内に入射する。そして、この導光体内に入射した光は、導光体の表面全面から放射され、液晶表示素子を照明する。
【0010】
ところで、液晶表示素子を使用する例えばノートパソコンやPDAなどの装置では液晶表示素子の画面寸法を小さくすることなく、装置全体を小型化する要請が強くなっている。液晶表示素子が従来と同じ大きさであると、液晶表示素子を照明する冷陰極放電管は、発光に寄与する領域の一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとし、発光領域が狭くならないようにしなければならない。
【0011】
したがって、ノートパソコンやPDAなどの装置を小型化するには、ガラスバルブ1の全長Lを短くしなければならない。そのため例えば、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとしつつ、ビードガラス3の内面9から突出している第1金属体6の長さa(図4参照)を短くし、ビードガラス3の内面9を電極4に近接し、一対のビードガラス3,3の間隔を狭くすることにより、ガラスバルブ1の全長Lを短くするという手段が考えられる。(例えば、特許文献1参照)
【0012】
【特許文献1】
特開2001−332172号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaを短くすると、ビードガラス3を溶着した後に、第1金属体6と電極4とが溶接されるため、その溶接部分の熱がビードガラス3に伝わり、ビードガラス3に歪やクラックが生じてしまう。したがって、ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaを所定の長さより短くしてガラスバルブ1の全長Lを短くすることはできない。
【0014】
特開2001−332172号公報には前記の内容に鑑み、ビードガラスと第1金属体との溶着を第1金属体と電極の溶接後に行う手段が開示されている。しかしこの場合のビードガラスと第1金属体を溶着する際、電極には過度の熱負荷がかかったり酸化が起こるため、電極自体の強度が低下したり不純ガス発生の要因をも含むこととなり信頼性や性能が保証されなくなる。
【0015】
次に、ビードガラス3の長さb(図4参照)を短くすることにより、ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaと、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同一としつつ、ガラスバルブ1の全長Lを短くするという手段が考えられる。しかし、ビードガラス3はガラスバルブ1の両端部に溶着されるため、気密性を良好にして確実に一体化されるようにするためには、ビードガラス3の長さbを短くすることはできない。
【0016】
そこで本発明は、発光領域が従来と同じとなるように、一対の電極の間隔を従来と同じとしつつ、ガラスバルブの全長を従来よりも短くなるようにした冷陰極放電管を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷陰極放電管は、ガラスバルブの両端部に所定の長さで溶着されるビードガラスと、各ビードガラスに封止され、かつビードガラスの内面から所定の長さをもって突出している棒状の導入金属体と、該導入金属体の内端部に取り付けられ、ガラスバルブ内に配置され、所定の間隔をもって対向している一対の電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記ビードガラスは内面が凹曲面とされ、前記導入金属体が所定の長さをもって凹曲面とされた内面から突出し、前記一対の電極が所定の間隔をもって対向していることを特徴としている。
【0018】
この冷陰極放電管によれば、ビードガラスの内面が凹曲面とされたことにより、ビードガラスの内面が窪んだ長さ分だけ、導入金属体を短くすることができる。したがって、一対の電極の間隔は従来と同一としつつ、一対のビードガラスの間隔を従来よりも短くすることができ、この結果、ガラスバルブの全長を窪んだ長さの2倍分、従来よりも短くすることができる。
【0019】
しかも、電極とビードガラスの内面との間隔は、従来と同じであるため、電極と導入金属体の内端部とを溶接するときに、ビードガラスに歪やクラックが生じることがない。また、ビードガラスは所定の長さでガラスバルブの両端部に溶着されるため、ガラスバルブと確実に一体化される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷陰極放電管の一実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。図1は一実施形態の冷陰極放電管の断面正面図であり、図2は同じく要部拡大正面図である。なお、従来と同一部分は、同一符号を付して説明する。
【0021】
本実施形態の冷陰極放電管は従来と同様、ガラスバルブ1の両端部に、棒状の導入金属体2,2がビードガラス10,10を介して封止され、各導入金属体2,2の内端部にガラスバルブ1内に配置される電極4,4が取り付けられ、ガラスバルブ1の内面に蛍光被膜5が形成され、そしてガラスバルブ1内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。
【0022】
導入金属体2も従来と同様、ガラスバルブ1の両端部にビードガラス10を介して封止される第1金属体6と、ガラスバルブ1の外側に配置される第2金属体7とが溶接部8を介して直列に接合された構成となっている。また、第1金属体6は融点が高いタングステンなどによって形成され、ビードガラス10と一体化できるようにされている。他方、第2金属体7は、柔らかくて折り曲げ加工しやすく、融点が低いニッケルなどによって形成され、予備半田が付けられやすいようにされている。
【0023】
そして、本実施形態の冷陰極放電管は、前記のような一般的な構成に加えて、ビードガラス10の内面11を凹曲面としたことを特徴としている。ビードガラス10の内面11は、例えば、ビードガラス10を第1金属体6に溶着する際の、加熱された溶融時にエアーをビードガラス10の内面11中心部に吹き付ける。或いは、凸曲面を持った機具をビードガラス10の内面11に押しつけることによって凹曲面とすることができる。ビードガラス10の内面11が凹曲面とされることにより、第1金属体6の長さdは図2に示すように、窪んだ長さc分だけ短くすることができる。
【0024】
そして、この第1金属体6の内端部に電極4が溶接される。この電極4とビードガラス10の内面11との間隔は、ビードガラス10の内面11から突出している第1金属体6の長さaであり、従来と同一とされている。したがって、第1金属体6の内端部と電極4とが溶接されるときの溶接部分の熱は、従来より過分にはビードガラス10に伝わらず、ビードガラス10は歪やクラックが発生することがない。
【0025】
しかもビードガラス10の内面11が凹曲面とされても、ビードガラス10の長さbは従来と同じであり、ビードガラス10はガラスバルブ1の両端部に適切に溶着され、ガラスバルブ10と気密性を良好にして確実に一体化される。
【0026】
このように本実施形態の冷陰極放電管は、ビードガラス10の内面11が凹曲面とされることにより、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとしつつ、第1金属体6の長さdは、従来よりもビードガラス10の内面11が凹曲面の窪んだ長さc分短くされ、ガラスバルブ1の全長Lは、この凹曲面の窪んだ長さcの2倍の長さ分短くすることができる。
【0027】
そして、本実施形態の冷陰極放電管も、従来と同じ大きさの液晶表示素子(図示せず)の背面に配置された板状の導光体(図示せず)の端面に近接して配置され、第2金属体7が電源(図示せず)などを接続したリード線(図示せず)に接続される。ただし、ガラスバルブ1の全長Lが従来よりも凹曲面の窪んだ長さcの2倍分、短くされていることから、液晶表示素子や本冷陰極放電管などを備えた装置は小型化されている。
【0028】
そして、一対の電極4,4間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。一対の電極4,4の間隔Kは、従来と同じであるため、可視光が従来と同じ発光領域でガラスバルブ1から放射され、導光体内に入射する。導光体内に入射した光は導光体の表面から放射され、液晶表示素子を照明する。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々、変更することができる。例えば、電極4はホロー形状の電極に代え、焼結電極などであっても同様に実施することができる。また、導入金属体2は、第1金属体6と第2金属体7とを直列に接合したものに代え、一つの金属体によって構成されたものであっても、同様に実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ビードガラスの内面を凹曲面としたことにより、一対の電極の間隔を変更することなく、ガラスバルブの長さを短くすることができる。したがって、本発明の冷陰極放電管は、同じ大きさの液晶表示素子を照明することができつつ、この液晶表示素子を備えた装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極放電管の一実施形態を示す断面正面図
【図2】本発明の冷陰極放電管の一実施形態を示す要部拡大正面図
【図3】従来の冷陰極放電管の断面正面図
【図4】従来の冷陰極放電管の要部拡大正面図
【符号の説明】
1 ガラスバルブ
2 導入金属体
6 第1金属体
7 第2金属体
10 ビードガラス
11 内面
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)などに備えられた液晶表示装置のバックライト光源として使用される冷陰極放電管に関し、詳しくは、発光領域が従来と同じとなるように、一対の電極の間隔を変更することなく、ガラスバルブの全長を短くすることができるようにした冷陰極放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のようにパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、液晶テレビあるいは携帯情報端末(PDA)などには液晶表示装置が備えられている。この液晶表示装置のバックライト光源として冷陰極放電管が採用されている。
【0003】
ここで、従来の冷陰極放電管について図3および図4を参照しながら説明する。図3は従来の冷陰極放電管の断面正面図であり、図4は同じく要部拡大正面図である。
【0004】
従来の冷陰極放電管は図3に示すように、ガラスバルブ1の両端部に、棒状の導入金属体2,2がビードガラス3,3を介して封止され、ガラスバルブ1内の両端部付近に配置される一対の電極4,4が各導入金属体2,2の内端部に取り付けられ、ガラスバルブ1の内面に蛍光被膜5が形成され、そしてガラスバルブ1内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。
【0005】
導入金属体2は、ビードガラス3に封止される第1金属体6と、ガラスバルブ1の外側に配置される第2金属体7とが溶接部8を介して直列に接合された構成となっている。第1金属体6は、ビードガラス3と一体化を図るため、融点が高い例えばタングステンによって形成されている。第2金属体7は、柔らかくて折り曲げやすいといった作業性に優れ、しかも融点が低い例えばニッケルなどによって形成され、予備半田が付けられやすいようにされている。
【0006】
そして、導入金属体2は第1金属体6が上側、第2金属体7が下側となるような鉛直姿勢とされ、貫通孔を形成したビードガラス3が第1金属体6を外嵌する。ビードガラス3は溶接部8上に衝止された状態で加熱され、第1金属体6と溶着する。その後、第1金属体6の内端部に電極4が溶接される。
【0007】
この電極4は、例えばニッケルやニオブなどによって形成され、放電面積を大きくするため、ホロー形状とされている。ホロー形状の電極4は、その底部の外面が溶接によって第1金属体6の内端部に取り付けられている。
【0008】
以上のように構成された冷陰極放電管は、液晶表示素子(図示せず)の背面に配置された板状の導光体(図示せず)の端面に近接して配置され、第2金属体7が電源(図示せず)などを接続したリード線(図示せず)に接続される。そして、一対の電極4,4間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。
【0009】
この放電により、希ガスが電離および励起され、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光被膜5によって可視光に変換され、この可視光がガラスバルブ1を通過して外部に放射され、導光体内に入射する。そして、この導光体内に入射した光は、導光体の表面全面から放射され、液晶表示素子を照明する。
【0010】
ところで、液晶表示素子を使用する例えばノートパソコンやPDAなどの装置では液晶表示素子の画面寸法を小さくすることなく、装置全体を小型化する要請が強くなっている。液晶表示素子が従来と同じ大きさであると、液晶表示素子を照明する冷陰極放電管は、発光に寄与する領域の一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとし、発光領域が狭くならないようにしなければならない。
【0011】
したがって、ノートパソコンやPDAなどの装置を小型化するには、ガラスバルブ1の全長Lを短くしなければならない。そのため例えば、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとしつつ、ビードガラス3の内面9から突出している第1金属体6の長さa(図4参照)を短くし、ビードガラス3の内面9を電極4に近接し、一対のビードガラス3,3の間隔を狭くすることにより、ガラスバルブ1の全長Lを短くするという手段が考えられる。(例えば、特許文献1参照)
【0012】
【特許文献1】
特開2001−332172号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaを短くすると、ビードガラス3を溶着した後に、第1金属体6と電極4とが溶接されるため、その溶接部分の熱がビードガラス3に伝わり、ビードガラス3に歪やクラックが生じてしまう。したがって、ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaを所定の長さより短くしてガラスバルブ1の全長Lを短くすることはできない。
【0014】
特開2001−332172号公報には前記の内容に鑑み、ビードガラスと第1金属体との溶着を第1金属体と電極の溶接後に行う手段が開示されている。しかしこの場合のビードガラスと第1金属体を溶着する際、電極には過度の熱負荷がかかったり酸化が起こるため、電極自体の強度が低下したり不純ガス発生の要因をも含むこととなり信頼性や性能が保証されなくなる。
【0015】
次に、ビードガラス3の長さb(図4参照)を短くすることにより、ビードガラス3の内面から突出している第1金属体6の長さaと、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同一としつつ、ガラスバルブ1の全長Lを短くするという手段が考えられる。しかし、ビードガラス3はガラスバルブ1の両端部に溶着されるため、気密性を良好にして確実に一体化されるようにするためには、ビードガラス3の長さbを短くすることはできない。
【0016】
そこで本発明は、発光領域が従来と同じとなるように、一対の電極の間隔を従来と同じとしつつ、ガラスバルブの全長を従来よりも短くなるようにした冷陰極放電管を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷陰極放電管は、ガラスバルブの両端部に所定の長さで溶着されるビードガラスと、各ビードガラスに封止され、かつビードガラスの内面から所定の長さをもって突出している棒状の導入金属体と、該導入金属体の内端部に取り付けられ、ガラスバルブ内に配置され、所定の間隔をもって対向している一対の電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記ビードガラスは内面が凹曲面とされ、前記導入金属体が所定の長さをもって凹曲面とされた内面から突出し、前記一対の電極が所定の間隔をもって対向していることを特徴としている。
【0018】
この冷陰極放電管によれば、ビードガラスの内面が凹曲面とされたことにより、ビードガラスの内面が窪んだ長さ分だけ、導入金属体を短くすることができる。したがって、一対の電極の間隔は従来と同一としつつ、一対のビードガラスの間隔を従来よりも短くすることができ、この結果、ガラスバルブの全長を窪んだ長さの2倍分、従来よりも短くすることができる。
【0019】
しかも、電極とビードガラスの内面との間隔は、従来と同じであるため、電極と導入金属体の内端部とを溶接するときに、ビードガラスに歪やクラックが生じることがない。また、ビードガラスは所定の長さでガラスバルブの両端部に溶着されるため、ガラスバルブと確実に一体化される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷陰極放電管の一実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。図1は一実施形態の冷陰極放電管の断面正面図であり、図2は同じく要部拡大正面図である。なお、従来と同一部分は、同一符号を付して説明する。
【0021】
本実施形態の冷陰極放電管は従来と同様、ガラスバルブ1の両端部に、棒状の導入金属体2,2がビードガラス10,10を介して封止され、各導入金属体2,2の内端部にガラスバルブ1内に配置される電極4,4が取り付けられ、ガラスバルブ1の内面に蛍光被膜5が形成され、そしてガラスバルブ1内にネオンとアルゴンとの混合ガスおよび水銀が適切な分量だけ拡散封入された構成となっている。
【0022】
導入金属体2も従来と同様、ガラスバルブ1の両端部にビードガラス10を介して封止される第1金属体6と、ガラスバルブ1の外側に配置される第2金属体7とが溶接部8を介して直列に接合された構成となっている。また、第1金属体6は融点が高いタングステンなどによって形成され、ビードガラス10と一体化できるようにされている。他方、第2金属体7は、柔らかくて折り曲げ加工しやすく、融点が低いニッケルなどによって形成され、予備半田が付けられやすいようにされている。
【0023】
そして、本実施形態の冷陰極放電管は、前記のような一般的な構成に加えて、ビードガラス10の内面11を凹曲面としたことを特徴としている。ビードガラス10の内面11は、例えば、ビードガラス10を第1金属体6に溶着する際の、加熱された溶融時にエアーをビードガラス10の内面11中心部に吹き付ける。或いは、凸曲面を持った機具をビードガラス10の内面11に押しつけることによって凹曲面とすることができる。ビードガラス10の内面11が凹曲面とされることにより、第1金属体6の長さdは図2に示すように、窪んだ長さc分だけ短くすることができる。
【0024】
そして、この第1金属体6の内端部に電極4が溶接される。この電極4とビードガラス10の内面11との間隔は、ビードガラス10の内面11から突出している第1金属体6の長さaであり、従来と同一とされている。したがって、第1金属体6の内端部と電極4とが溶接されるときの溶接部分の熱は、従来より過分にはビードガラス10に伝わらず、ビードガラス10は歪やクラックが発生することがない。
【0025】
しかもビードガラス10の内面11が凹曲面とされても、ビードガラス10の長さbは従来と同じであり、ビードガラス10はガラスバルブ1の両端部に適切に溶着され、ガラスバルブ10と気密性を良好にして確実に一体化される。
【0026】
このように本実施形態の冷陰極放電管は、ビードガラス10の内面11が凹曲面とされることにより、一対の電極4,4の間隔Kを従来と同じとしつつ、第1金属体6の長さdは、従来よりもビードガラス10の内面11が凹曲面の窪んだ長さc分短くされ、ガラスバルブ1の全長Lは、この凹曲面の窪んだ長さcの2倍の長さ分短くすることができる。
【0027】
そして、本実施形態の冷陰極放電管も、従来と同じ大きさの液晶表示素子(図示せず)の背面に配置された板状の導光体(図示せず)の端面に近接して配置され、第2金属体7が電源(図示せず)などを接続したリード線(図示せず)に接続される。ただし、ガラスバルブ1の全長Lが従来よりも凹曲面の窪んだ長さcの2倍分、短くされていることから、液晶表示素子や本冷陰極放電管などを備えた装置は小型化されている。
【0028】
そして、一対の電極4,4間に電圧が印加されることにより、ガラスバルブ1内の希ガスに電圧が印加され、放電が発生する。一対の電極4,4の間隔Kは、従来と同じであるため、可視光が従来と同じ発光領域でガラスバルブ1から放射され、導光体内に入射する。導光体内に入射した光は導光体の表面から放射され、液晶表示素子を照明する。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々、変更することができる。例えば、電極4はホロー形状の電極に代え、焼結電極などであっても同様に実施することができる。また、導入金属体2は、第1金属体6と第2金属体7とを直列に接合したものに代え、一つの金属体によって構成されたものであっても、同様に実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ビードガラスの内面を凹曲面としたことにより、一対の電極の間隔を変更することなく、ガラスバルブの長さを短くすることができる。したがって、本発明の冷陰極放電管は、同じ大きさの液晶表示素子を照明することができつつ、この液晶表示素子を備えた装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極放電管の一実施形態を示す断面正面図
【図2】本発明の冷陰極放電管の一実施形態を示す要部拡大正面図
【図3】従来の冷陰極放電管の断面正面図
【図4】従来の冷陰極放電管の要部拡大正面図
【符号の説明】
1 ガラスバルブ
2 導入金属体
6 第1金属体
7 第2金属体
10 ビードガラス
11 内面
Claims (1)
- ガラスバルブの両端部に所定の長さで溶着されるビードガラスと、各ビードガラスに封止され、かつビードガラスの内面から所定の長さをもって突出している棒状の導入金属体と、該導入金属体の内端部に取り付けられ、ガラスバルブ内に配置され、所定の間隔をもって対向している一対の電極とが備えられている冷陰極放電管であって、前記ビードガラスは内面が凹曲面とされ、前記導入金属体が所定の長さをもって凹曲面とされた内面から突出し、前記一対の電極が所定の間隔をもって対向していることを特徴とする冷陰極放電管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002354104A JP2004186088A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 冷陰極放電管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002354104A JP2004186088A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 冷陰極放電管 |
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ID=32755223
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JP (1) | JP2004186088A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012204231A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Panasonic Corp | 閃光放電管 |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002354104A patent/JP2004186088A/ja active Pending
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JP2012204231A (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-22 | Panasonic Corp | 閃光放電管 |
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