JP2004185710A - 原盤露光装置、そのトラックピッチ評価装置、トラックピッチ評価方法及び原盤製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1トラック前((N−1)トラック)の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値CNT[m,N−1]と現トラック((N)トラック)の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値CNT[m,N]との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算することにより、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチをトラックピッチ偏差として正確に評価可能とした。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原盤露光装置、そのトラックピッチ評価装置、トラックピッチ評価方法及び原盤製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク原盤露光においては、微小構造のプリフォーマットによるトラックを形成するわけであるが、記憶容量の増大化の要求により、今後益々、狭ピッチ化、小ピット化が求められることとなる。このようなことから、例えば、スピンドルモータ1回転毎に、スパイラルの開始半径位置、トラック数及びスパイラルトラックピッチにより定まる理想的線路長に比例した数の基本クロックのパルス列を分周して生成したスピンドル回転指令パルス列及びスライダ移動指令パルス列によりスピンドルモータ及びスライダの駆動を制御するようにした提案例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、現実には、原盤露光時の光ディスク原盤の回転・移動には変動があり、理想通りにトラック溝が形成されないため、その評価が必要となる。
【0004】
このような評価に関して、例えば、以下のような従来例がある。第1に、制御対象を位置指令に従って位置決めする場合、偏差レジスタから出力される位置偏差データと評価基準である異常位置偏差判定値とを比較回路において比較し、位置偏差データが異常位置偏差判定値よりも大きい場合、即ち、実際の位置誤差が異常位置偏差判定値を超えた場合にハイレベルの比較信号を出力して、その回数をカウンタでカウントし、このカウントデータを出力装置で表示、プリントアウトするようにした提案例がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
第2に、グルーブ部分とランド部分とを表面に有する基板からなる光学的記録媒体において、レーザ光を、基板表面又はその型であるスタンパに照射した時に生じる回折光の回折角のばらつきを測定することでグルーブのピッチむらを測定するようにした提案例がある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
第3に、一般的に行われている例として、制御対象を位置指令に従って位置決めする場合、偏差レジスタから出力される位置偏差データをデジタル・アナログ変換し、そのアナログ信号の大きさで位置偏差を評価する方式がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−143376公報
【特許文献2】特開平9−62362号公報
【特許文献3】特開平8−180467号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般的に行われている方式は、偏差レジスタから出力される位置偏差データをデジタル・アナログ変換した信号の大きさで評価し、アナログに変換した位置偏差信号もやはり理想トラック位置決めからのずれを評価しているが、位置偏差データのデジタル・アナログ変換の分解能は一般的に高く、位置偏差アナログ信号はノイズに埋もれてしまい高精度な評価は困難である。
【0008】
この点、特許文献2は、位置偏差レジスタからのデジタル信号で評価する方法であり、一般的に行われている位置偏差データをデジタル・アナログ変換した信号の評価方式よりノイズに埋もれることなく精度良く評価できるものの、偏差データは理想位置決め(理想トラック)からのずれを評価しており、トラック間の正確な評価とはなっていない。
【0009】
また、特許文献3では、露光後の光ディスク原盤を回折光の回折角のばらつきを測定して評価して良好な媒体を選別するための方法であり、原盤露光中のトラックピッチに異常があってもその場で対応することができない。
【0010】
つまり、光ディスク原盤露光においては高精度のトラックピッチを形成することが最大の目的であり、位置偏差信号を小さくする制御だけでは限界がある。特に、光ディスク原盤のように回転と移動とを協調制御してスパイラル状のトラック溝を形成する装置では、エアースピンドルを使ったターンテーブルを回転させる回転系の剛性は高くできるので高安定制御が可能であるものの、移動系は回転系を移動させる移動機構に使用するボールネジやこのボールネジと駆動モータとのカップリング等により剛性を回転系ほど高くできない。従って、実際に移動系を駆動させ移動制御系の最適チューニングが必須となっている。このチューニングの時、位置偏差信号をモニターしながら最適化調整を行うこととなる。
【0011】
しかし、前述のように位置偏差信号は理想トラック位置決めからのずれを評価しており、かつ、移動系は高剛性にできないので、或る程度の位置偏差信号が発生するが、この位置偏差信号を見ながらスパイラル状のトラック間のピッチを安定させる調整を行うのは困難である。仮に位置偏差信号を小さくできても光ディスク原盤全面に渡ってトラックピッチ精度が保証されるとは限らない。
【0012】
本発明の目的は、光ディスク原盤露光におけるスパイラル状のトラック間のピッチ、即ち、トラックピッチを正確に測定・評価し、光ディスク原盤の移動制御系の最適チューニングや、光ディスク原盤露光時のトラックピッチモニタとして使用可能な原盤露光装置のトラックピッチ評価装置、トラックピッチ評価方法、さらには、原盤露光装置、原盤製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、トラックピッチの形成度合いを視覚的に評価しやすくすることである。
【0014】
本発明の目的は、トラックピッチ良否の判定結果が否の場合に適切な対処を採れるようにすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置は、光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置において前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号を計数するカウンタと、前記原盤露光装置において前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセット手段と、現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存手段と、現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算手段と、この差分演算手段の演算結果を出力する出力手段と、を備える。
【0016】
従って、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算することにより、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記出力手段は、演算結果をアナログ信号に変換して出力するD/A変換器を備える。
【0018】
従って、演算結果をD/A変換器によりアナログ信号に変換して出力させることにより、評価者は隣接トラック間のトラックピッチの形成状態を評価しやすくなる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記D/A変換器から出力される演算結果を表示する表示器を備える。
【0020】
従って、D/A変換器からアナログ信号として出力される演算結果をオシロスコープ等の表示器に表示させることで、評価者は隣接トラック間のトラックピッチの形成状態を視覚的に認識でき評価やすくなる。また、スライドモータによる光ディスク原盤の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することも可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記出力手段から出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定手段を備える。
【0022】
従って、出力手段から出力される演算結果を良否判定手段により所定値と比較してトラックピッチの良否を判定することにより、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省ける。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記良否判定手段による良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させる結果保存手段を備える。
【0024】
従って、良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させることにより、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することができる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記良否判定手段による判定結果が否の場合、前記原盤露光装置による露光処理を停止させる露光工程停止手段を備える。
【0026】
従って、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させることにより、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程に供する等、工程の無駄を省ける。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記差分演算手段が演算する所定の回転位置信号のタイミングは、1回転相当の原点パルス間を複数に等分割したタイミングである。
【0028】
従って、光ディスク原盤の1回転内を複数に等分割したタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算して評価することにより、高ピッチ化対応で高周波化された場合の隣接トラック間のトラックピッチの変動を検出しやすくなり、適正なトラックピッチの評価が可能となる。
【0029】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記差分演算手段は、演算結果に対して見掛け上の拡大処理を施す。
【0030】
従って、1回転相当の原点パルス間を複数に等分割したタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算する場合、その差分データは非常に小さくなりノイズに埋もれてしまう可能性があるが、演算結果に対して見掛け上の拡大処理を施して出力させることにより、ノイズに埋もれることなく高精度な測定・評価が可能となる。
【0031】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記差分演算手段が演算する所定の回転位置信号のタイミングは、1回転相当の原点パルスの発生タイミングである。
【0032】
従って、光ディスク原盤が1回転した原点パルス毎のタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算して評価することにより、広範囲のトラックに関して各々のトラックピッチの測定・評価を同時に行える。
【0033】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記カウンタの計数値を逐次アナログ変換して出力する計数値用D/A変換器を備える。
【0034】
従って、計数値用D/A変換器によりカウンタの計数値を逐次アナログ変換して出力させることで、評価者は隣接トラック間のトラックピッチの形成状態に関して計数値の変化の仕方によっても評価可能となる。
【0035】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記計数値用D/A変換器から出力される演算結果を表示する表示器を備える。
【0036】
従って、計数値用D/A変換器からアナログ信号として逐次出力されるカウンタの計数値をオシロスコープ等の表示器に表示させることで、評価者は理想的な鋸歯状波形からの崩れの度合いを見て隣接トラック間のトラックピッチの形成度合いを視覚的に評価することが可能となる。また、スライドモータによる光ディスク原盤の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することも可能となる。
【0037】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、前記原盤露光装置が備える前記リニアエンコーダ及び前記ロータリエンコーダは、当該原盤露光装置において移動制御用のリニアエンコーダ及び回転制御用のロータリエンコーダとは別個に設けられて分解能の異なる計測専用のエンコーダである。
【0038】
従って、光ディスク原盤露光における制御用と計測用とでは最適な分解能が異なる場合があるが、各々の目的に応じて別個のエンコーダを利用することで、各々のエンコーダに最適な分解能を設定でき、トラックピッチ計測側ではその計測に適した分解能の下に計測動作を行わせることができる。
【0039】
請求項13記載の発明は、光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置において、前記光ディスク原盤を回転させるスピンドルモータと、前記光ディスク原盤に露光光を照射するレーザ光源を含む露光光学系と、この露光光学系による前記露光光の照射位置を前記光ディスク原盤の半径方向に移動させるスライド機構と、前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号をパルス信号として発生するリニアエンコーダと、前記スピンドルモータの回転に応じて前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号をパルス信号として発生するロータリエンコーダと、請求項1ないし11の何れか一記載のトラックピッチ評価装置と、を備える。
【0040】
従って、請求項1ないし11の何れか一記載のトラックピッチ評価装置を備えるので、原盤露光動作を行いながら、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に測定・評価することができる。
【0041】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の原盤露光装置において、前記リニアエンコーダ及び前記ロータリエンコーダが、移動制御用のリニアエンコーダ及び回転制御用のロータリエンコーダとは別個に設けられて分解能の異なる計測専用のエンコーダである。
【0042】
従って、光ディスク原盤露光における制御用と計測用とでは最適な分解能が異なる場合があるが、各々の目的に応じた別個のエンコーダを備えるので、各々のエンコーダに最適な分解能を設定でき、移動制御側ではその移動制御に適した分解能の下に制御動作を行わせることができるとともに、トラックピッチ計測側ではその計測に適した分解能の下に計測動作を行わせることができる。
【0043】
請求項15記載の発明は、光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置のトラックピッチ評価方法であって、前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号をカウンタにより計数する計数ステップと、前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセットステップと、現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存ステップと、現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算ステップと、この差分演算ステップの演算結果を出力する出力ステップと、を備える。
【0044】
従って、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算することにより、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価可能となる。
【0045】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、前記出力ステップから出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定ステップを備える。
【0046】
従って、出力ステップから出力される演算結果を良否判定ステップにより所定値と比較してトラックピッチの良否を判定することにより、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省ける。
【0047】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、前記良否判定ステップによる良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させる結果保存ステップを備える。
【0048】
従って、良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させることにより、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することができる。
【0049】
請求項18記載の発明は、請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記原盤露光装置による露光処理を停止させる露光工程停止ステップを備える。
【0050】
従って、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させることにより、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程を供する等、工程の無駄を省ける。
【0051】
請求項19記載の発明の原盤製造方法は、ガラス原盤を洗浄する洗浄工程と、洗浄された前記ガラス原盤上にフォトレジスト膜を塗布するレジスト処理工程と、前記ガラス原盤上に前記フォトレジスト膜が塗布された光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する光ディスク原盤露光工程と、露光処理された前記光ディスク原盤の前記フォトレジスト膜を現像する現像工程と、現像処理された前記光ディスク原盤の前記フォトレジスト膜表面に対して導体化のためのメッキ処理を施すメッキ工程と、メッキ処理により導体化された前記光ディスク原盤表面の金属膜を析出させる電鋳工程と、析出された金属膜を剥離する金属原盤剥離工程と、前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号をカウンタにより計数する計数ステップと、前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセットステップと、現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存ステップと、現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算ステップと、この差分演算ステップの演算結果を出力する出力ステップと、この出力ステップから出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定ステップと、を前記光ディスク原盤露光工程と並行して実行するトラックピッチ評価工程と、を備える。
【0052】
従って、光ディスク原盤露光工程と並行して、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算し、その演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定するトラックピッチ評価工程を実行することにより、光ディスク原盤露光動作中に光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価することができ、そのトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、スタンパ製造工程の無駄を省ける。
【0053】
請求項20記載の発明は、請求項19記載の原盤製造方法において、前記トラックピッチ評価工程は、前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記ディスク原盤露光工程による露光処理を停止させる露光工程停止ステップを備える。
【0054】
従って、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチ評価による良否判定の結果、トラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させることにより、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程を供する等、工程の無駄を省ける。
【0055】
請求項21記載の発明は、請求項20記載の原盤製造方法において、前記洗浄工程は、前記ガラス原盤表面に残存した残存物を洗浄し除去する再生処理工程と、この再生処理工程で残存した前記ガラス原盤表面上の付着物の除去並びに前記ガラス原盤表面の微細な凹凸を平坦化する研磨処理を行うポリシング工程と、このポリシング工程による前記ガラス原盤表面上の研磨剤を洗浄して乾燥させる本洗浄工程とを含み、前記トラックピッチ評価工程は、前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記ディスク原盤露光工程による露光処理を停止させるとともに前記再生処理工程に戻す。
【0056】
従って、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチ評価による良否判定の結果、トラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させることにより、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再生処理工程からの再工程を供することにより、当該光ディスク原盤に対する原盤製造工程をやり直しさせることができ、工程の無駄を省ける。
【0057】
請求項22記載の発明は、請求項21記載の原盤製造方法において、前記再生処理工程に戻された場合、前記ポリシング工程を省略して前記本洗浄工程に移行させる。
【0058】
従って、再工程の供する上で、当該光ディスク原盤はガラス原盤表面には微細な凹凸が形成されていないので、ポリシング工程を省略する等、工程を簡略することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。図1はトラックピッチ評価装置1を備える原盤露光装置2を示すブロック構成図である。
【0060】
まず、原盤露光装置2の主要部の概略構成及びその概略動作について説明する。ターンテーブル3上に搭載された光ディスク原盤4を回転させるスピンドルモータ5と、この光ディスク原盤4に露光光を照射するレーザ光源としてのKrレーザ光源6を含む露光光学系7とが設けられている。露光光学系7は、例えば、Krレーザ光源6から出射されたレーザ光を光ディスク原盤4側に向けて偏向させるミラー8と、偏向されたレーザ光を露光光として光ディスク原盤4の表面に集光させる対物レンズ9とを備える構成とされている。
【0061】
また、露光光学系7による露光光の照射位置を光ディスク原盤4の半径方向に移動させるスライド機構10が設けられている。このスライド機構10は、スピンドルモータ5を搭載して光ディスク原盤4の半径方向に直線的にスライド移動自在なスライダ11と、このスライダ11をスライド移動させるスライドモータ12とにより構成されている。
【0062】
ここに、スピンドルモータ5に対してはスピンドルモータ制御手段13が接続され、スライドモータ12にはスライドモータ制御手段14が接続されている。そこで、所定のフォーマット情報に基づきKrレーザ光源6を発光させて光ディスク原盤4に露光光を照射させながら、協調制御手段15から出力される指令パルス列信号SPP,SLPに基づいてスピンドルモータ5、スライドモータ12を制御することで光ディスク原盤4上にスパイラル状のトラック溝が形成される。
【0063】
また、光ディスク原盤4の移動位置に関する移動位置信号をパルス信号LEAとして発生するリニアエンコーダ16と、スピンドルモータ5の回転に応じて光ディスク原盤4の回転位置に関する回転位置信号をパルス信号REAとして発生するロータリエンコーダ17とが設けられている。なお、ロータリエンコーダ17は1回転相当の原点パルス信号REZも出力する。パルス信号LEAはスライドモータ制御手段14にフィードバックされ、パルス信号REA,REZはスピンドルモータ制御手段13にフィードバックされ、各々フィードバック制御がなされる。
【0064】
図2は、現トラックである(N)トラックと1トラック前の(N−1)トラックとを露光した場合に形成されるスパイラル状のトラック溝の様子を示す模式的である。この図2の(N)トラックと(N−1)トラックのような隣接トラック間のトラックピッチを計測し評価するのが、図1中に示すトラックピッチ評価装置1である。
【0065】
このトラックピッチ評価装置1は、CPU21、制御プログラム等を搭載したROM22及びワークメモリ等として用いられるRAM23を有するマイクロコンピュータを備えるもので、リニアエンコーダ16から出力されるパルス信号LEAを計数するカウンタ24と、リニアエンコーダ16から出力されるパルス信号LEAをカウンタ24の能力に合わせた分周値で分周する分周器(分周1)25とが設けられている。カウンタ24の計数値はデータバス26を介してCPU21に取り込み可能とされている。また、このカウンタ24はCPU21からのリセット信号RSTによりリセットされるように構成されている。また、ロータリエンコーダ17から出力されるパルス信号REAを回転角度の分解能に合わせた分周値で分周してCPU21に取り込ませる分周器(分周2)27が設けられている。ロータリエンコーダ17からの原点パルス信号REZはCPU21のI/Oポートに直接取り込まれる。CPU21はこの原点パルス信号REZを取り込んだ時点でリセット信号RSTを出力して前記カウンタ24をリセットする。
【0066】
さらに、CPU21の出力側I/Oポートには、CPU21により逐次読み取られるカウンタ24の計数値をアナログ信号に変換して出力する計数値用D/A変換器(D/A1)28が接続されている。同様に、CPU21の出力側I/Oポートには、CPU21により後述のように演算処理された演算結果をアナログ信号に変換して出力するD/A変換器(D/A2)29も接続されている。これらのD/A変換器28,29には表示器としてのオシロスコープ30が接続されている。
【0067】
このような構成において、原盤露光動作中におけるトラックピッチ評価装置1の動作例について説明する。
【0068】
まず、原盤露光動作中において、光ディスク原盤4の移動位置を示すリニアエンコーダ16からのパルス信号LEAは分周器25により分周されカウンタ24に入力される。このカウンタ24の計数値は随時CPU21に取り込まれるが、光ディスク原盤4の1回転毎に発生するロータリエンコーダ17からの原点パルス信号REZによりリセット信号RSTが生成されてリセットされる。即ち、カウンタ24は1回転相当のタイミングでリセットされる。ここに、光ディスク原盤4の移動に伴いリニアエンコーダ16から出力されるパルス信号LEAはカウンタ24により積算計数される。CPU21はこのカウンタ24の計数値を逐次読み込みI/Oポートを介して計数値用D/A変換器(D/A1)28に与えている。
【0069】
そこで、この動作を計数値用D/A変換器(D/A1)28の出力側に接続されたオシロスコープ30で観察すると、理想的には、図3(a)に示すようになる。即ち、理想的なスパイラル状のトラックを形成している場合、計数値用D/A変換器(D/A1)28の出力はリニアな増加を繰り返し、1トラック毎(1回転毎)に計数値用D/A変換器(D/A1)28の出力はゼロとなる。また、リニアな増加のピーク値は全て同じ大きさとなる(理想1トラックのラインに並ぶ)。
【0070】
しかし、現実には、原盤露光時の光ディスク原盤4の回転・移動には変動がある。特に、移動の場合は、回転系を移動させるスライド機構10に使用するボールネジやこのボールネジとスライドモータ12とのカップリング等により剛性を回転系ほど高くできないので移動の変動は顕著に現れる。この様子を示すのが、図3(b)である。即ち、計数値用D/A変換器(D/A1)28の出力はリニアな増加を繰り返すことはなくなり、増加のピーク値も変化している。
【0071】
従って、計数値用D/A変換器(D/A1)28からアナログ信号として逐次出力されるカウンタ24の計数値をオシロスコープ30に図3(b)のように表示させることで、評価者は図(a)に示したような理想的な鋸歯状波形からの崩れの度合いを見て隣接トラック間のトラックピッチの形成度合いを視覚的に評価することが可能となる。また、スライドモータ12による光ディスク原盤4の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することも可能となる。
【0072】
次に、隣接トラックである(N)トラックと(N−1)トラックとのトラックピッチ偏差を求めて評価する動作について説明する。前述のように、光ディスク原盤4の回転位置を示すロータリエンコーダ17からのパルス信号REAは分周器(分周2)27により回転角度の分解能に合わせた分周値で分周されCPU21のI/Oポートに入る。このパルス信号REAに同期してCPU21はカウンタ24の計数値を読み込み、RAM23に順次保存する。
【0073】
いま、1トラック前の(N−1)トラックと現トラックである(N)トラックとに関して保存されたカウンタ24の計数値をCNT[m,N−1],CNT[m,N]とする。この様子を示したのが図4(a)である。例えば、1回転を10等分に分割すると、CNT[m,N−1]とCNT[m,N]とのデータは、36×m(m=0〜9)度毎に保存された(N−1)トラックと(N)トラックの計数値となる。ここで、
C[m,N]=CNT[m,N]−CNT[m,N−1](m=0〜9)
なる計数値の差分を演算する。この演算の結果、得られるC[m,N]はトラックピッチ偏差データとなり、CPU21のI/Oポートを介してD/A変換器(D/A2)29に与えてオシロスコープ30でD/A変換器(D/A2)29の出力を観察すると、図4(b)に示すように、一定の回転角度毎(例えば、36度毎)変化するトラックピッチ偏差となる。
【0074】
ところで、演算結果なるトラックピッチ偏差データC[m,N]をCPU21のI/Oポートを介してD/A変換器(D/A2)29に与える場合に、本実施の形態では、以下のような見掛け上の拡大処理を施す工夫を行っている。即ち、(N)トラックの計数値CNT[m,N]と比較して演算結果のトラックピッチ偏差データC[m,N]は非常に小さくなる。このままC[m,N]をD/A変換した場合、トラックピッチ偏差のアナログ信号はノイズに埋もれてしまい高精度な評価は困難である。この場合、例えば12ビットのD/A変換器(D/A2)29(例えば、出力は0〜10V)にデータを与える場合、C[m,N]をK倍して、DATA=800H(16進数)+KxC[m,N]とし、DATAの最大値がFFFH(16進数)を超えないようにKを選ぶ。この結果、トラックピッチ偏差のアナログ信号はノイズに埋もれることなく高精度測定が可能になる。
【0075】
このような処理例を含めて、ROM22に搭載された制御プログラムに従いCPU21により実行されるトラックピッチ評価処理制御例を図5に示す概略フローチャートを参照して説明する。ここでは、ターンテーブル3の1回転を10分割したタイミングで、50000トラック分に関して測定・評価する例で示す。
【0076】
まず、動作開始時の初期処理として、トラック変数N、角度変数m、トラックピッチ偏差良否判定の所定値D0を超えた回数(NG回数)Cngを各々初期値0に設定し(ステップS1)、トラックピッチ偏差の良否判定の所定値D0をセットし(S2)、カウンタ24の計数動作を開始させる(S3)。
【0077】
その後、原点パルスREZと10分割用の分周REA信号とがない場合(S5のN,S7のN)、カウンタ24の計数値をRAM23に保存する(計数値保存手段)とともに、カウンタ24の計数値を計数値用D/A変換器(D/A1)28へ逐次出力する処理(S4)を繰り返し、原点パルスREZでリセット信号RSTが発生しカウンタ24がリセットされる(S6)。ステップS6の処理がリセット手段又はリセットステップとして実行される。計数値用D/A変換器(D/A1)28へ出力された場合、図3を用いて前述したような処理が行われる。
【0078】
分周REA信号が入力されると(S7のY)、その時点での計数値をRAM23に取り込んでCNT[m,N]=カウンタ値として確定し(S8)、分周REA信号に応じた同一角度のトラックピッチ間の偏差(C[m,N])を、
C[m,N]=CNT[m,N]−CNT[m,N−1]
なる演算処理により求める(S9)。このステップS9の処理が差分演算手段、差分演算ステップとして実行される。求められたトラックピッチ間の偏差C[m,N]は、D/A変換器(D/A2)29へ出力され(S10)、アナログ変換されて図4等で説明したようにオシロスコープ30に表示される。ステップS10の処理が出力手段又は出力ステップとして実行される。
【0079】
一方、求められたトラックピッチ間の偏差C[m,N]は、トラックピッチ偏差の良否判定用の所定値D0と比較される(S11)。このステップS11の処理が良否判定手段又は良否判定ステップとして実行される。
【0080】
トラックピッチ間の偏差C[m,N]が所定値D0を超えていなければ(S11のY)、判定結果は良であり、角度変数mをインクリメントし(m=m+1)(S12)、1回転していなければ(m≦9)(S13のN)、ステップS4に戻る。1回転した場合には(m=10)(S13のY)、トラック変数Nをインクリメントし(N=N+1)、かつ、角度変数をリセット(m=0)する(S16)。
【0081】
一方、良否判定の結果、トラックピッチ間の偏差C[m,N]が所定値D0を超えていた場合(S11のN)、システムを停止させる仕様の場合であれば(S14のY)、そのまま原盤露光工程を終了させる。このシステムを停止させる仕様が、露光工程停止手段又は露光工程停止ステップとして実行される。このように、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省ける。
【0082】
システムを停止させる仕様となっていなければ(S14のN)、所定値D0を超えた数をカウントする場合であればトラックピッチ偏差の良否判定カウント数Cngをインクリメントする(Cng=Cng+1)(S15)。トラックピッチ偏差良否判定の所定値D0を超えた回数(NG回数)Cngはトラックピッチ偏差データC[m,N]とともにRAM23に保存される。この処理が結果保存手段又は結果保存ステップとして実行される。従って、良否判定結果が否の場合、露光動作を停止させなくても、その判定結果を演算結果とともにRAM23に保存させることにより、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することができる。
【0083】
これらの動作を繰り返してトラックピッチ偏差データC[m,N]を測定し、所定のトラック本数(50000)を超えた場合(S17のY)、測定・評価を終了する。
【0084】
図6に(N−1),(N),(N+1)トラックの計数値用D/A変換器(D/A1)28とD/A変換器(D/A2)29との出力をオシロスコープ30で測定した信号の様子を示す。
【0085】
従って、本実施の形態によれば、基本的に、1トラック前の光ディスク原盤4の移動位置を示すカウンタ24の計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタ24の計数値との差分をロータリエンコーダ17が発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算することにより、光ディスク原盤4上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価することができる。特に、光ディスク原盤4の1回転内を10分割のように複数に等分割したタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算して評価することにより、高ピッチ化対応で高周波化された場合の隣接トラック間のトラックピッチの変動を検出しやすくなり、適正なトラックピッチの評価が可能となる。さらには、D/A変換器(D/A2)29からアナログ信号として出力される演算結果をオシロスコープ30に表示させることで、評価者は隣接トラック間のトラックピッチの形成状態を視覚的に認識でき評価やすくなる。また、この場合も、スライドモータ12による光ディスク原盤4の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することも可能といえる。
【0086】
本発明の第二の実施の形態を図7および図8に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態においても同様とする)。
【0087】
第一の実施の形態では、光ディスク原盤4の1回転中に10等分された角度のタイミングで隣接トラック間の計数値の差分(トラックピッチ偏差)を求めるようにしたが、本実施の形態では、光ディスク原盤4が1回転する原点パルスREZのタイミングで隣接トラック間の計数値の差分(トラックピッチ偏差)を求めるようにしたものである。この場合、図5の処理との対比では、ロータリエンコーダ17から得られる角度信号である分周REA信号は不要であり、原点パルスREZのみが利用される。
【0088】
本実施の形態のトラックピッチ評価処理制御例を図7に示す概略フローチャートを参照して説明する。ここでは、50000トラック分に関して測定・評価する例で示す。
【0089】
まず、動作開始時の初期処理として、トラック変数N、トラックピッチ偏差良否判定の所定値D0を超えた回数(NG回数)Cngを各々初期値0に設定し(ステップS21)、トラックピッチ偏差の良否判定の所定値D0をセットし(S22)、カウンタ24の計数動作を開始させる(S23)。
【0090】
その後、原点パルスREZがない場合(S25のN)、カウンタ24の計数値をRAM23に保存する(計数値保存手段)とともに、カウンタ24の計数値を計数値用D/A変換器(D/A1)28へ逐次出力する処理(S24)を繰り返す。計数値用D/A変換器(D/A1)28へ出力された場合、図3を用いて前述したような処理が行われる。
【0091】
原点パルスREZが入力されると(S25のY)、その時点での計数値をRAM23に取り込んでCNT[N]=カウンタ値として確定するとともに(S26)、原点パルスREZでリセット信号RSTが発生しカウンタ24をリセットする(S27)。ステップS27の処理がリセット手段又はリセットステップとして実行される。そして、トラックピッチ間の偏差(C[N])を、
C[N]=CNT[N]−CNT[N−1]
なる演算処理により求める(S28)。このステップS28の処理が差分演算手段、差分演算ステップとして実行される。求められたトラックピッチ間の偏差C[N]は、D/A変換器(D/A2)29へ出力され(S29)、アナログ変換されてオシロスコープ30に表示される。ステップS29の処理が出力手段又は出力ステップとして実行される。
【0092】
一方、求められたトラックピッチ間の偏差C[N]は、トラックピッチ偏差の良否判定用の所定値D0と比較される(S30)。このステップS30の処理が良否判定手段又は良否判定ステップとして実行される。
【0093】
トラックピッチ間の偏差C[N]が所定値D0を超えていなければ(S30のY)、判定結果は良であり、トラック変数Nをインクリメントする(N=N+1)(S33)。
【0094】
一方、良否判定の結果、トラックピッチ間の偏差C[N]が所定値D0を超えていた場合(S30のN)、システムを停止させる仕様の場合であれば(S31のY)、そのまま原盤露光工程を終了させる。このシステムを停止させる仕様が、露光工程停止手段又は露光工程停止ステップとして実行される。このように、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省ける。
【0095】
システムを停止させる仕様となっていなければ(S31のN)、所定値D0を超えた数をカウントする場合であればトラックピッチ偏差の良否判定カウント数Cngをインクリメントする(Cng=Cng+1)(S32)。トラックピッチ偏差良否判定の所定値D0を超えた回数(NG回数)Cngはトラックピッチ偏差データC[m,N]とともにRAM23に保存される。この処理が結果保存手段又は結果保存ステップとして実行される。従って、良否判定結果が否の場合、露光動作を停止させなくても、その判定結果を演算結果とともにRAM23に保存させることにより、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することもできる。
【0096】
これらの動作を繰り返してトラックピッチ偏差データC[N]を測定し、所定のトラック本数(50000)を超えた場合(S34のY)、測定・評価を終了する。
【0097】
図8に(N−1),(N),(N+1)トラックの計数値用D/A変換器(D/A1)28とD/A変換器(D/A2)29との出力をオシロスコープ30で測定した信号の様子を示す。
【0098】
本実施の形態の場合も、第一の実施の形態の場合と同様な効果が得られるが、特に、1回転毎(1トラック毎)のトラックピッチ偏差なので広い範囲のトラックピッチ偏差を同時に観測することができる。
【0099】
本発明の第三の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態では、前述のリニアエンコーダ16及びロータリエンコーダ17を各々移動制御用、回転制御用専用とし、これらのエンコーダ16,17とは別に分解能を異ならせたリニアエンコーダ31及びロータリエンコーダ32をトラックピッチ評価装置1による計測専用として追加して別個に設けたものである。これにより、光ディスク原盤4の移動位置を示すリニアエンコーダ31からのパルス信号LEA2はカウンタ24の能力に合わせた分周値の分周器(分周1)25で分周されてカウンタ24に入力される。また、光ディスク原盤4の回転位置を示すロータリエンコーダ32からのパルス信号REA2は回転角度の分解能に合わせた分周値の分周器(分周2)27で分周されCPU21のI/Oポートに入力される。その他は、図1の場合と同様であり、動作説明は省略する。
【0100】
このような本実施の形態は、制御用と計測用とではその分解能の最適値が異なることがあるためである。例えば、DVDフォーマットの原盤露光でのトラックピッチは0.74μmとなっており、リニアエンコーダ16の分解能を0.0027μmとするとリニアエンコーダ16からのパルス信号は0.0027μmの精度を持つ。スライドモータ12による移動においては±3パルス以内を目標に制御される。その結果、トラックピッチは0.74±0.01μmが保証される。しかし、DVDの高精度化でスライドモータ12による移動において±1パルス以内の制御が要求されることもあり、この場合、前記分解能では計測用リニアエンコーダに使用できない。そこで、新たに高分解能なリニアエンコーダ31を追加して計測用に使用するようにしたものである。
【0101】
このように、本実施の形態によれば、光ディスク原盤露光における制御用と計測用とでは最適な分解能が異なる場合がある点を考慮し、各々の目的に応じて別個のエンコーダ16,17、31,32を利用するようにしたので、各々のエンコーダ16,17、31,32に最適な分解能を設定でき、トラックピッチ評価装置1によるトラックピッチ計測側ではその計測に適した分解能の下に計測動作を行わせることができる。
【0102】
本発明の第四の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、光ディスク原盤露光工程に、並行して実行される前述した実施の形態のようなトラックピッチ評価工程を含む、原盤製造工程全体への適用例を示す。
【0103】
一般に、光ディスクを作製する場合、ガラス原盤を用いて光ディスクの金属原盤(スタンパ)を作製する原盤製造工程と、金属原盤(スタンパ)を用いて所定の基板上に複製を行うディスク化工程とを経ることにより、複数の光ディスクが製造される。
【0104】
ここに、原盤製造工程を図10に示す。まず、ガラス原盤を洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程は、再生処理工程とポリシング工程と本洗浄工程とよりなる。ガラス原盤は、原盤製造工程が終了して金属原盤が作製された後に、再び金属原盤の作製に使用されるため、ガラス原盤の表面に残存したニッケル及びレジストを洗浄し除去する(再生処理工程)。次いで、再生処理工程では除去しきれずガラス原盤表面に残存した付着物の除去及びガラス原盤の表面に形成された微細な凹凸の平坦化のために研磨を行う(ポリシング工程)。そして、このようなガラス原盤の表面に残存する研磨材をスクラバーで洗浄し、さらに超音波洗浄を行なって当該ガラス原盤を乾燥させる(洗浄工程)。
【0105】
洗浄工程の後、所定のフォトレジストをガラス原盤の表面に塗布しフォトレジスト膜を形成する(レジスト塗布工程)。次いで、このようなガラス原盤に熱処理を施して当該ガラス原盤表面のフォトレジスト膜の安定化を図る(ベーキング工程)。
【0106】
引き続き、このようなフォトレジスト層に対して図1又は図9に示したような原盤露光装置を用いて所定の潜像を形成する(光ディスク原盤露光工程)。
【0107】
次に、潜像が形成されたフォトレジスト膜に対して現像を施すことにより、フォトレジスト膜上に凹凸のレリーフパターンを顕在化させる(現像工程)。続いて、このようなレリーフパターンを金属原盤へ転写するための電鋳を行うにはレジスト層表面の導体化が必要であるため、無電解メッキ法等の手法を用いて、ニッケルや銀等のメッキを施す(メッキ前処理工程、メッキ工程)。
【0108】
その後、導体化されたフォトレジスト膜の表面を陰極としニッケルを陽極としてスルファミン酸ニッケル浴中で通電させてガラス原盤上に金属ニッケルを析出させ(電鋳工程)、ガラス原盤から金属ニッケル膜を剥離することにより、ニッケルマスターを作製し(原盤剥離工程)、金属原盤(スタンパ)が完成する。
【0109】
金属原盤は金属原盤検査装置で表面の欠陥検査、トラックピッチ等の形状検査、及び記録フォーマットの検査が行われる(原盤検査工程)。
【0110】
その後、上述の如く、金属原盤の作製後にガラス原盤は再度金属原盤の作製に供されることになる。
【0111】
ところで、このような原盤製造工程中の原盤露光工程において、トラックピッチ異常の不良が発生した場合、金属原盤(スタンパ)検査工程で検査を行わないとわからない。そのため、不良があった場合、最初の再生処理工程から実行し直している。この点、本実施の形態では、光ディスク原盤露光工程で前述の実施の形態で説明したようなトラックピッチ評価工程を並行して実行しており、この評価工程によるトラックピッチ良否判定の結果、トラックピッチ異常があった場合、その時点で原盤露光工程を停止させて原盤再生処理工程へ戻すものである。これにより、トラックピッチ異常があるまま、光ディスク原盤露光工程以降の工程を続行させる無駄をなくすことができる。また、原盤再生処理工程へ戻す上でも、ガラス原盤にはレジストが塗布されただけであり電鋳工程に進んでいないので、再生処理工程もレジスト除去のみで簡単になり、かつ、ガラス原盤の表面に微細な凹凸も形成されないのでポリシング工程をも省くことができる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置によれば、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算するようにしたので、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価することができる。
【0113】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、演算結果をD/A変換器によりアナログ信号に変換して出力させるようにしたので、評価者にとって隣接トラック間のトラックピッチの形成状態を評価しやすくすることができる。
【0114】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、D/A変換器からアナログ信号として出力される演算結果をオシロスコープ等の表示器に表示させるようにしたので、評価者にとって隣接トラック間のトラックピッチの形成状態を視覚的とし評価やすくすることができ、かつ、スライドモータによる光ディスク原盤の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することも可能となる。
【0115】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、出力手段から出力される演算結果を良否判定手段により所定値と比較してトラックピッチの良否を判定するようにはしたので、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省くことができる。
【0116】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させるようにしたので、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することができる。
【0117】
請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させるようにしたので、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程に供する等、工程の無駄を省くことができる。
【0118】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、光ディスク原盤の1回転内を複数に等分割したタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算して評価するようにしたので、高ピッチ化対応で高周波化された場合の隣接トラック間のトラックピッチの変動を検出しやすくなり、適正なトラックピッチの評価を行うことができる。
【0119】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、1回転相当の原点パルス間を複数に等分割したタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算する場合、その差分データは非常に小さくなりノイズに埋もれてしまう可能性があるが、演算結果に対して見掛け上の拡大処理を施して出力させるようにしたので、ノイズに埋もれることなく高精度な測定・評価が可能となる。
【0120】
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、光ディスク原盤が1回転した原点パルス毎のタイミングで隣接トラック間の計数値の差分を演算して評価するようにしたので、広範囲のトラックに関して各々のトラックピッチの測定・評価を同時に行うことができる。
【0121】
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし9の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、計数値用D/A変換器によりカウンタの計数値を逐次アナログ変換して出力させるようにしたので、評価者は隣接トラック間のトラックピッチの形成状態に関して計数値の変化の仕方によっても評価することができる。
【0122】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、計数値用D/A変換器からアナログ信号として逐次出力されるカウンタの計数値をオシロスコープ等の表示器に表示させるようにしたので、評価者は理想的な鋸歯状波形からの崩れの度合いを見て隣接トラック間のトラックピッチの形成度合いを視覚的に評価することが可能となる上に、スライドモータによる光ディスク原盤の移動制御の最適チューニング用モニタに利用することもできる。
【0123】
請求項12記載の発明によれば、請求項1ないし11の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置において、光ディスク原盤露光における制御用と計測用とでは最適な分解能が異なる場合があるが、各々の目的に応じて別個のエンコーダを利用することで、各々のエンコーダに最適な分解能を設定でき、トラックピッチ計測側ではその計測に適した分解能の下に計測動作を行わせることができる。
【0124】
請求項13記載の発明によれば、請求項1ないし11の何れか一記載のトラックピッチ評価装置を備えるので、原盤露光動作を行いながら、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に測定・評価することができる。
【0125】
請求項14記載の発明によれば、請求項13記載の原盤露光装置において、光ディスク原盤露光における制御用と計測用とでは最適な分解能が異なる場合があるが、各々の目的に応じた別個のエンコーダを備えるので、各々のエンコーダに最適な分解能を設定でき、移動制御側ではその移動制御に適した分解能の下に制御動作を行わせることができるとともに、トラックピッチ計測側ではその計測に適した分解能の下に計測動作を行わせることができる。
【0126】
請求項15記載の発明によれば、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算するようにしたので、光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価することができる。
【0127】
請求項16記載の発明によれば、請求項15記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、出力ステップから出力される演算結果を良否判定ステップにより所定値と比較してトラックピッチの良否を判定するようにしたので、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、工程の無駄を省くことができる。
【0128】
請求項17記載の発明によれば、請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させるようにしたので、原盤露光工程終了後に当該保存データを元にトラックピッチの品質管理等に利用することができる。
【0129】
請求項18記載の発明によれば、請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法において、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させるようにしたので、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程を供する等、工程の無駄を省くことができる。
【0130】
請求項19記載の発明の原盤製造方法によれば、光ディスク原盤露光工程と並行して、1トラック前の光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値と現トラックの光ディスク原盤の移動位置を示すカウンタの計数値との差分をロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミング、即ち、同一の回転角度位置で演算し、その演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定するとらっくピッチ評価工程を実行するようにしたので、光ディスク原盤露光動作中に光ディスク原盤上に形成されるスパイラル状のトラックの隣接トラック間のトラックピッチを正確に評価することができ、そのトラックピッチに異常があった場合には、露光動作を停止させる等の適切な対応を素早く採ることができ、スタンパ製造工程の無駄を省くことができる。
【0131】
請求項20記載の発明によれば、請求項19記載の原盤製造方法において、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチ評価による良否判定の結果、トラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させるようにしたので、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再工程を供する等、工程の無駄を省くことができる。
【0132】
請求項21記載の発明によれば、請求項20記載の原盤製造方法において、光ディスク原盤露光動作中にトラックピッチ評価による良否判定の結果、トラックピッチに異常があった場合には、その時点で直ちに露光動作を停止させるようにしたので、不良品となってしまう無駄なスタンパの製造を未然に防止できるとともに、再生処理工程からの再工程を供するようにしたので、当該光ディスク原盤に対する原盤製造工程をやり直しさせることができ、工程の無駄を省くことができる。
【0133】
請求項22記載の発明によれば、請求項21記載の原盤製造方法において、再工程の供する上で、当該光ディスク原盤はガラス原盤表面には微細な凹凸が形成されていないので、ポリシング工程を省略する等、工程を簡略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】スパイラル状のトラック溝の様子を示す模式図である。
【図3】D/A1の出力をオシロスコープで観察した場合を示す波形図である。
【図4】隣接トラック間のカウンタ値の変化の様子及びその差分を示す説明図である。
【図5】トラックピッチ評価処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図6】オシロスコープで観察される波形を示す波形図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態のトラックピッチ評価処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図8】オシロスコープで観察される波形を示す波形図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態を示す原盤製造工程を順に示す工程図である。
【符号の説明】
1 トラックピッチ評価装置
4 光ディスク原盤
6 レーザ光源
7 露光光学系
10 スライド機構
16 リニアエンコーダ
17 ロータリエンコーダ
24 カウンタ
28 計数値用D/A変換器
29 D/A変換器
30 表示器
31 計測専用のリニアエンコーダ
32 計測専用のロータエンコーダ
Claims (22)
- 光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置において前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号を計数するカウンタと、
前記原盤露光装置において前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセット手段と、
現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存手段と、
現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算手段と、
この差分演算手段の演算結果を出力する出力手段と、
を備える原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。 - 前記出力手段は、演算結果をアナログ信号に変換して出力するD/A変換器を備える請求項1記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記D/A変換器から出力される演算結果を表示する表示器を備える請求項2記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記出力手段から出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定手段を備える請求項1ないし3の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記良否判定手段による良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させる結果保存手段を備える請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記良否判定手段による判定結果が否の場合、前記原盤露光装置による露光処理を停止させる露光工程停止手段を備える請求項4記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記差分演算手段が演算する所定の回転位置信号のタイミングは、1回転相当の原点パルス間を複数に等分割したタイミングである請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記差分演算手段は、演算結果に対して見掛け上の拡大処理を施す請求項7記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記差分演算手段が演算する所定の回転位置信号のタイミングは、1回転相当の原点パルスの発生タイミングである請求項1ないし6の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記カウンタの計数値を逐次アナログ変換して出力する計数値用D/A変換器を備える請求項1ないし9の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記計数値用D/A変換器から出力される演算結果を表示する表示器を備える請求項10記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 前記原盤露光装置が備える前記リニアエンコーダ及び前記ロータリエンコーダは、当該原盤露光装置において移動制御用のリニアエンコーダ及び回転制御用のロータリエンコーダとは別個に設けられて分解能の異なる計測専用のエンコーダである請求項1ないし11の何れか一記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価装置。
- 光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置において、
前記光ディスク原盤を回転させるスピンドルモータと、
前記光ディスク原盤に露光光を照射するレーザ光源を含む露光光学系と、
この露光光学系による前記露光光の照射位置を前記光ディスク原盤の半径方向に移動させるスライド機構と、
前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号をパルス信号として発生するリニアエンコーダと、
前記スピンドルモータの回転に応じて前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号をパルス信号として発生するロータリエンコーダと、
請求項1ないし11の何れか一記載のトラックピッチ評価装置と、
を備えることを特徴とする原盤露光装置。 - 前記リニアエンコーダ及び前記ロータリエンコーダが、移動制御用のリニアエンコーダ及び回転制御用のロータリエンコーダとは別個に設けられて分解能の異なる計測専用のエンコーダである請求項13記載の原盤露光装置。
- 光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する原盤露光装置のトラックピッチ評価方法であって、
前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号をカウンタにより計数する計数ステップと、
前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセットステップと、
現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存ステップと、
現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算ステップと、
この差分演算ステップの演算結果を出力する出力ステップと、
を備える原盤露光装置のトラックピッチ評価方法。 - 前記出力ステップから出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定ステップを備える請求項15記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法。
- 前記良否判定ステップによる良否判定結果を演算結果とともに記憶装置に保存させる結果保存ステップを備える請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法。
- 前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記原盤露光装置による露光処理を停止させる露光工程停止ステップを備える請求項16記載の原盤露光装置のトラックピッチ評価方法。
- ガラス原盤を洗浄する洗浄工程と、
洗浄された前記ガラス原盤上にフォトレジスト膜を塗布するレジスト処理工程と、
前記ガラス原盤上に前記フォトレジスト膜が塗布された光ディスク原盤に露光光を照射して所定の情報をスパイラル状に記録することによりトラックを形成する光ディスク原盤露光工程と、
露光処理された前記光ディスク原盤の前記フォトレジスト膜を現像する現像工程と、
現像処理された前記光ディスク原盤の前記フォトレジスト膜表面に対して導体化のためのメッキ処理を施すメッキ工程と、
メッキ処理により導体化された前記光ディスク原盤表面の金属膜を析出させる電鋳工程と、
析出された金属膜を剥離する金属原盤剥離工程と、
前記光ディスク原盤の移動位置に関する移動位置信号を発生するリニアエンコーダからのパルス信号をカウンタにより計数する計数ステップと、前記光ディスク原盤の回転位置に関する回転位置信号を発生するロータリエンコーダの1回転相当の原点パルスに基づき前記カウンタをリセットするリセットステップと、現トラックに対して1トラック前の前記カウンタの計数値を保存する計数値保存ステップと、現トラックの前記カウンタの計数値と1トラック前の前記カウンタの計数値との差分を前記ロータリエンコーダが発生する所定の回転位置信号のタイミングで演算する差分演算ステップと、この差分演算ステップの演算結果を出力する出力ステップと、この出力ステップから出力される演算結果を所定値と比較してトラックピッチの良否を判定する良否判定ステップと、を前記光ディスク原盤露光工程と並行して実行するトラックピッチ評価工程と、
を備える原盤製造方法。 - 前記トラックピッチ評価工程は、前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記ディスク原盤露光工程による露光処理を停止させる露光工程停止ステップを備える請求項19記載の原盤製造方法。
- 前記洗浄工程は、
前記ガラス原盤表面に残存した残存物を洗浄し除去する再生処理工程と、
この再生処理工程で残存した前記ガラス原盤表面上の付着物の除去並びに前記ガラス原盤表面の微細な凹凸を平坦化する研磨処理を行うポリシング工程と、
このポリシング工程による前記ガラス原盤表面上の研磨剤を洗浄して乾燥させる本洗浄工程とを含み、
前記トラックピッチ評価工程は、前記良否判定ステップによる判定結果が否の場合、前記ディスク原盤露光工程による露光処理を停止させるとともに前記再生処理工程に戻す請求項20記載の原盤製造方法。 - 前記再生処理工程に戻された場合、前記ポリシング工程を省略して前記本洗浄工程に移行させる請求項21記載の原盤製造方法。
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