JP2004185570A - プログラマブルコントローラ及びプログラマブルコントローラのノイズ検知用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】プログラマブルコントローラにおいて、ハードウェアで吸収不可能な仕様範囲を超えたノイズが重畳した場合にも誤動作をしない技術の提供。
【解決手段】ノイズ検知用信号のループバック系を形成し、該ループバック系中で、ノイズ検知手段に通電したアナログON/OFF信号等のノイズ検知用信号をデジタル信号に変換し、該デジタル信号に基づき、ノイズ検知用信号のON状態等第1の状態またはOFF状態等第2の状態等予め設定した所定状態の認識可否を判定し、該所定状態の認識が不可能と判定されるとき、そのノイズ検知手段のノイズ検知用信号には許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳しているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力の停止、またはシーケンス制御系からの該ノイズ発生源部の切離しを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】ノイズ検知用信号のループバック系を形成し、該ループバック系中で、ノイズ検知手段に通電したアナログON/OFF信号等のノイズ検知用信号をデジタル信号に変換し、該デジタル信号に基づき、ノイズ検知用信号のON状態等第1の状態またはOFF状態等第2の状態等予め設定した所定状態の認識可否を判定し、該所定状態の認識が不可能と判定されるとき、そのノイズ検知手段のノイズ検知用信号には許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳しているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力の停止、またはシーケンス制御系からの該ノイズ発生源部の切離しを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プログラマブルコントローラにおいては、重畳したノイズに対しては、特に検知等は行わずに、該ノイズのレベルが仕様値として決められた許容範囲内のレベルであれば、入出力ユニット内の回路またはCPU(Central Processing Unit)内でマイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)(以下、MPUという)などにより吸収される。仕様レベル範囲を超える場合には、プログラマブルコントローラは誤動作をする。また、一般の電子機器においても、ノイズが仕様範囲内レベルのときは、ハードウェアが正常動作を行えるようになっている場合が多い。また、ソフトウェアも例えば、特に重要な信号などの場合には、該信号のノイズ状態の確認を複数回行った後、該確認結果に基づきはじめてその信号処理に入るようになっている。
また、本発明に関連する技術としては、特開2001−273001号公報(特許文献1)、特開平10−303991号公報(特許文献2)及び特開平08−237099号公報(特許文献3)に記載されたものがある。特開2001−273001号公報には、マイクロコンピュータのA/D変換用入力端子に接続されたラインによりノイズを検出し、ノイズ検出時にアクチュエータ制御を切り替える構成が記載されている。特開平10−303991号公報には、外部装置との間の通信データや電源にノイズが混入したことを報知する表示器として、ノイズ検知回路で所定の電圧値を超えるノイズの混入を検知し、CPUが該検知信号に基づき、液晶表示部にノイズの混入を示すマークを表示させる構成が記載されている。特開平08−237099号公報には、外来ノイズによる集積回路の誤動作を防止するノイズ検出装置として、外部からのデータ信号を遅延させる遅延回路と、該遅延させたデータ信号を保持する保持回路とを備え、外来ノイズがない場合は、該保持回路が、該遅延回路が現在出力しているデータ信号を集積回路内に供給し、外来ノイズがある場合には、アンテナ線にノイズ信号が発生した時点から該保持回路が、該ノイズ発生時点で該遅延回路が出力していたデータ信号を保持して集積回路内に供給し、ノイズ発生の場合にもノイズを含まないデータ信号を該集積回路内に供給可能にする構成が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−273001号公報(段落番号0034、図4)
【特許文献2】
特開平10−303991号公報(段落番号0011、0014、0015、0016、図1、図3、図4)
【特許文献3】
特開平08−237099号公報(段落番号0020〜0030、図1、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプログラマブルコントローラにおいては、重畳したノイズが仕様レベル範囲を超え、ハードウェアで吸収不可能な場合には、CPU内のMPUなどで信号レベルの認識を誤り、その結果、MPUなどが誤動作して異常なシーケンス制御信号を形成し、負荷装置を誤って制御してしまう場合が多い。MPU内部の処理は、「0」または「1」のデジタル値で行われる。このため、プログラマブルコントローラに仕様レベル範囲を超えるノイズが影響した場合には、MPUは、本来「0」である値を「1」として扱ってしまったり、逆に、本来「1」である値を「0」として扱ってしまったりして誤動作する。MPUが誤動作している場合、プログラマブルコントローラとしては、異常シーケンス制御信号を出力し続け、負荷装置を非正常な状態において制御する。MPUが正常動作している場合においても、MPUに接続された素子に対しノイズによる誤った情報が伝達されたり、該素子からMPUに対してノイズによる誤った情報が入力されたりした場合にも、プログラマブルコントローラとしては、ノイズ重畳の影響を受けたまま動作を継続し、異常シーケンス制御信号を出力し続けることになる。
また、上記各公報に記載された技術はいずれも、複数の入出力ユニットまたは複数の負荷装置に対応したノイズ検知やシーケンス制御信号の供給制御を行う構成ではない。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、プログラマブルコントローラにおいて、ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも、異常なシーケンス制御信号を出力しないようにし、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の誤動作、故障などを防止できるようにすることである。本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題点を解決するために、本発明では、基本的に、負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラとして、ノイズ検知手段に通電するアナログON/OFF信号等のノイズ検知用信号をA/D変換したデジタル信号に基づき、該ノイズ検知用信号のON状態、またはOFF状態等予め設定した所定状態の認識の可否を判定することでノイズ検知を行い、該所定状態の認識が不可能と判定されるとき、そのノイズ検知手段のノイズ検知用信号には許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳しているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。具体的には、プログラマブルコントローラとして、(1)ノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)側から入力されるアナログのノイズ検知用信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記ノイズ検知手段への上記ノイズ検知用信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記切換え手段を制御するとともに、上記デジタル信号に基づき上記ノイズ検知用信号の予め設定した所定状態の認識の可否を判定する制御手段(該当実施例:符号3)とを備え、該制御手段が、上記ノイズ検知用信号の上記所定状態を認識不可能と判定したとき、該ノイズ検知用信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。(2)ノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記ノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記負荷装置をシーケンス制御するためのシーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記アナログのON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有して成る制御手段(該当実施例:符号3)とを備え、該制御手段が、上記ON/OFF信号の上記ON状態または上記OFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。(3)複数の負荷装置との間に接続され装置制御用のシーケンス制御信号またはこれに基づく制御信号を出力する複数の入出力ユニット(該当実施例:符号8a、8b、8c)と、該入出力ユニットのそれぞれに設けられアナログのON/OFF信号が通電されノイズ検知を行う複数のノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)と、該ノイズ検知手段側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記複数のノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を、該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換え可能な切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記シーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記アナログのON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有する制御手段(該当実施例:符号3)と、少なくとも上記判定結果に基づく表示を行う表示手段(該当実施例:符号11)とを備え、上記制御手段から出力された上記アナログON/OFF信号がデジタル信号として該制御手段に入力されるループバック系を形成し、該制御手段が、上記複数のノイズ検知手段のうちの少なくともいずれかからの上記ON/OFF信号につき、そのON状態またはOFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、上記複数の入出力ユニットのうち該ノイズ重畳したON/OFF信号が通電されたノイズ検知手段に対応する入出力ユニットに対する上記シーケンス制御信号の出力を停止または該入出力ユニットの接続を切離すとともに、上記表示手段がこれに基づく表示を行う構成とする。(4)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第3の手段を、上記複数のノイズ検知手段が1個ずつ順に、上記複数のノイズ検知手段への上記アナログON/OFF信号の供給もしくは非供給の切換え、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続の切換えを制御する構成とする。(5)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第4の手段を、上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を、レベル可変の判定基準により判定する構成とする。(6)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第2の手段、上記第3の手段及び上記第4の手段を、CPUのマイクロプロセッサユニット内に構成する。(7)上記(1)、(2)または(3)において、上記ノイズ検知手段を、線状導体またはパターン状導体で形成する。また、(8)プログラマブルコントローラのノイズ検知用プログラムとして、コンピュータに、ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号を形成し入出力ユニット毎に設けた複数のノイズ検知手段に供給する手順と、上記ノイズ検知手段から出力されるON/OFF信号をA/D変換手段によりデジタル信号に変換する手順と、該デジタル信号に基づき、上記ON/OFF信号におけるON状態またはOFF状態の認識可否を判定する手順と、上記複数のノイズ検知手段への上記ノイズ検知用のON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換えてノイズ発生源部を特定する手順と、該特定されたノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力の停止または該ノイズ発生源部の切離しを行う手順と、上記判定結果と上記特定結果とに基づき表示指示を行う手順とを実行させる構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の第1の実施例の説明図である。図1は本発明の実施例としてのプログラマブルコントローラの構成例、図2は、ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号で、(a)はMPUの出力部からの出力、(b)はA/D変換器への入力、図3は、A/D変換器に入力されるアナログのON/OFF信号波形であってノイズの重畳がない、またはノイズがハードウェア的に吸収され、波形上に現れていない場合の信号波形、図4は、A/D変換器に入力されるアナログのON/OFF信号波形であってノイズがハードウェア的に吸収されず、かつ許容レベルを超えたノイズが重畳されている場合の信号波形である。
図1において、1はプログラマブルコントローラ、2は、プログラマブルコントローラ1のCPU、3は、CPU2内の制御手段としてのMPU、4はMPU3の出力部、5はMPU3の入力部、6は、MPU3への入力信号をデジタル化するCPU2内のA/D変換器、7はプログラマブルコントローラ1の電源部、8a、8b、8cは、負荷装置に接続され、負荷装置との間で信号のやり取りを行う入出力ユニット、9、9a、9b、9cはそれぞれ、切換え手段としてのスイッチ、10a、10b、10cはそれぞれ、入出力ユニット8a、8b、8cに重畳するノイズを検知するノイズ検知手段としての信号線、11はノイズの検知結果を表示する表示手段としての表示部、12、12a、12b、12cはそれぞれ、CPU2、入出力ユニット8a、同8b、同8cのそれぞれに、電源部7の電力を供給する電源電力供給部である。スイッチ9は、信号線10a、10b、10cへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10a、10b、10cの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9aは、信号線10aへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10aの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9bは、信号線10bへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10bの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9cは、信号線10cへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10cの接続もしくは非接続を切換える。上記各スイッチ9、9a、9b、9cは、MPU3により制御されることで、上記信号線への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線の接続もしくは非接続を切換える。信号線10a、10b、10cは、線状導体、または基板上に形成されたパターン状導体により構成されるものとする。MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、同9c、信号線10a、同10b、同10c及びA/D変換器6は、上記アナログON/OFF信号を一巡させて通電するループバック系を形成し、(1)スイッチ9、同9a、同9b、同9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10a、10b、10cを接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(2)スイッチ9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(3)スイッチ9bが、上記A/D変換器6に対し信号線10bを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(4)スイッチ9aが、上記A/D変換器6に対し信号線10aを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。また、(5)スイッチ9b、同9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10b、同10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(6)スイッチ9c、同9aが、上記A/D変換器6に対し信号線10c、同10aを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(7)スイッチ9a、同9bが、上記A/D変換器6に対し信号線10a、同10bを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(8)スイッチ9が、上記A/D変換器6に対し信号線10a、10b、10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。かかる構成において、MPU3の出力部から出力されたノイズ検知用のアナログON/OFF信号は、上記(1)から(8)のいずれかのループバック系中を通電される。
【0007】
MPU3は、スイッチ9、9a、9b、9cを個別に制御することで、上記(1)から(8)のようにループバック系を変化させノイズ検知を行う。ノイズ検知としては、ノイズのレベル判定、ノイズ発生源の特定、及び該判定結果及び該特定結果に基づく表示指示を行う。ここで、各スイッチ9、9a、9b、9cそれぞれが、信号線10a+10b+10c、10a、10b、10cのそれぞれをA/D変換器6に接続または該信号線それぞれに上記ON/OFF信号を供給する状態をスイッチONの状態、反対に、各スイッチ9、9a、9b、9cそれぞれが、信号線10a+10b+10c、10a、10b、10cのそれぞれをA/D変換器6に非接続、または、該信号線それぞれに上記ON/OFF信号を非供給とする状態をスイッチOFFの状態と呼ぶこととする。上記構成において、MPU3がループバック系を上記(1)、(2)、(3)、(4)、(8)の順序で自動的に変化させるとし、(1)のループバック系すなわち各スイッチ9、9a、9b、9cの全部がスイッチONの状態のときノイズが検知され、(2)のループバック系すなわちスイッチ9、9a、9bがスイッチON、スイッチ9cのみがスイッチOFFの状態のとき、上記ノイズが検知されなかった場合は、上記(1)のループバック系が上記(2)のループバック系に変化することすなわちスイッチ9cがスイッチOFFの状態となり、信号線10bがA/D変換器6に対し非接続状態とされたためにノイズが検知されなくなったとし、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は信号線10bであり、さらに該信号線10bのノイズの原因は入出力ユニット8bにおけるノイズ重畳であると特定される。該特定制御もMPU3が行う。MPU3は該結果に基づき、入出力ユニット8bへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の供給を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8bを切離すとともに、表示部11に対し該ノイズ検知結果の表示指示を行う。表示部11ではこれによる表示を行う。同様に、(1)のループバック系すなわち各スイッチ9、9a、9b、9c全部がスイッチONの状態のときノイズが検知され、(2)のループバック系及び(3)のループバック系でもノイズが検知され、(4)のループバック系ではじめてノイズが検知されなくなったときは、MPU3は、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は信号線10aであり、さらに該信号線10aのノイズの原因は入出力ユニット8aにおけるノイズ重畳であると特定し、該結果に基づき、入出力ユニット8aへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の供給を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8aを切離すとともに、表示部11に対して該ノイズ検知結果の表示指示を行う。さらに、(1)のループバック系のときノイズが検知され、(2)、(3)及び(4)のループバック系でもノイズが検知され、(8)のループバック系ではじめてノイズが検知されなくなったときは、MPU3は、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は、少なくとも信号線10a、10b、10cではなく、A/D変換器6またはMPU3自体であると判断し、該結果に基づき、入出力ユニット8a、8b、8cへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の出力を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8a、8b、8cを切離すとともに、表示部11に対し該ノイズ検知結果の表示指示を行う。上記の他、MPU3がループバック系を上記(1)、(5)、(6)、(7)、(8)の順序で自動的に変化させる場合も上記とほぼ同様である。さらに、ループバック系は、上記(8)、(5)、(2)、(1)の順序で変化させるようにしてもよい。(8)のループバック系でノイズ検知されれば、ノイズ発生源は、A/D変換器6またはMPU3自体であり、(5)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8aであり、(2)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8bであり、(1)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8cであると判断される。
【0008】
ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号の例を図2に示す。図2(a)はMPU2の出力部からの出力としてのON/OFF信号、図2(b)は、A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号であって、例えば上記(1)のループバック系における場合の例である。該図2(b)のON/OFF信号は一般に、各信号線の回路定数や、入出力ユニット8a、8b、8cなどの影響により、図2(a)のON/OFF信号に比べ、立上がり部と立下り部で波形がだれた状態となる。
【0009】
図3は、上記A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号の波形例である。該A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号は、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3のそれぞれに重畳ノイズがない場合、または、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3において、重畳ノイズはあるが、該重畳ノイズのレベルが低いために、ノイズが、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3でそれぞれにおいてハードウェア的に吸収される場合の例を示す。図3において、ts1はOFFレベルからONレベルに至る波形立上がり部の静定時間、ts2は立上がり後ONレベルが継続する時間であってON状態の認識の可否を判定可能な判定時間、tj1はONレベルからOFFレベルに至る波形立下り部の静定時間、tj2は立下り後OFFレベルが継続する時間であってOFF状態の認識の可否を判定可能な判定時間である。ノイズの検知は、判定時間ts2または判定時間tj2におけるON波形、OFF波形の乱れの程度によりノイズレベルを判定して行う。
【0010】
図4は、上記図3の、A/D変換器6に入力されるループバック系におけるアナログON/OFF信号波形において、ハードウェア的に吸収されないレベルのノイズが、少なくとも入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、MPU3のいずれかで発生したために波形乱れが発生し、判定時間ts2におけるON波形及び判定時間tj2におけるOFF波形においてそれぞれ、許容レベルを超える波形乱れが発生している場合の例である。図4において、A1はON波形のON状態認識の判定基準としての乱れの許容レベル範囲、A2はOFF波形のOFF状態認識の判定基準としての乱れの許容レベル範囲、N1は判定時間ts2におけるON波形における許容レベルを超える波形乱れ、N2は判定時間tj2におけるOFF波形における許容レベルを超える波形乱れである。許容レベル範囲A1、A2はそれぞれ、設定を適宜変えられるようになっているとする。かかる波形のアナログON/OFF信号がA/D変換器6に入力されると、該A/D変換器6では、これをデジタル信号に変換し、MPU3の入力部5に向け出力する。MPU3では、該デジタル信号に基づき、ノイズレベルが所定値を超えるレベルであることを判定し、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識とOFF状態の認識とがいずれも不可能であることを判定する。該判定と併せ、MPU3では、上記図1で説明した各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換えと、該切換えによる、上記所定値を超えるレベルのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該部分の切離しと、これら判定結果や特定結果の表示指示とを行う。また、判定時間ts2におけるON波形における許容レベルを超える波形乱れN1のみがある場合は、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識が不可能であることが判定される。同様に、判定時間tj2におけるOFF波形における許容レベルを超える波形乱れN2のみがある場合は、上記アナログON/OFF信号におけるOFF状態の認識が不可能であることが判定される。上記アナログON/OFF信号におけるON状態、OFF状態のいずれか一方の認識が不可能と判定された場合にも、該判定と併せ、MPU3では、上記のような、各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換えと、該切換えによる、上記所定値を超えるレベルのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該特定された部分の切離しと、これら判定結果や特定結果の表示指示とを行う。ON/OFF信号のループバック系への供給と、これら、ON/OFF信号におけるON状態またはOFF状態の認識可否の判定、各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換え、ノイズ発生源となっている入出力ユニット等の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止または該特定された部分の切離し、及び表示指示の各手順は、MPU3がノイズ検知用プログラムにより自動的に実行する。
【0011】
上記実施例によれば、プログラマブルコントローラにおいて、回路等ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも、そのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分を自動的に特定し、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該部分の切離しを行うことができる。これによって、シーケンス制御信号の異常化や、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の誤動作も防止することができる。その結果、さらに、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の故障や破損の防止、安全性の確保等が可能となる。
【0012】
なお、上記実施例では、スイッチ9をA/D変換器6の入力側に設けているが、本発明はこれに限定されず、例えば、スイッチ9は、MPU3の出力部4と入出力ユニット8a、8b、8cとの間に設けてもよい。また、上記実施例ではA/D変換器6をCPU2内のものを用いる構成としたが、本発明はこれにも限定されず、A/D変換器6はCPU2の外部に設けてもよい。また、各スイッチの切換え制御は、例えばCPU中においてMPU3以外の制御手段によって行ってもよい。また、ループバック系中には増幅器などの信号処理手段を適宜設けるようにしてもよい。さらに、ループバック系のノイズ検知手段に通電するノイズ検知用信号としては、ON/OFF信号以外の信号であってもよい。さらに、入出力ユニットや信号線は複数備わっていなくともよい。
【0013】
また、本発明の基本構成は、プログラマブルコントローラ以外の電子機器にも適用可能である。図5は、本発明を用いた別の電子機器の構成例である。図5において、3はMPU、4はMPU3の出力部、5はMPU3の入力部、6はA/D変換器、10はノイズ検知用の信号線、11は表示部、101は電子機器である。本構成においては、MPU3、信号線10、及びA/D変換器6によりループバック系が形成される。MPU3の出力部4から出力されたアナログのON/OFF信号が、信号線10を通ってA/D変換器6に入力され、デジタル信号に変換され、MPU3に入力される。信号線10にノイズが重畳した場合、MPU3内ではデジタル信号に基づき、ノイズレベルが所定値を超えるレベルであることを判定し、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識またはOFF状態の認識のいずれか一方または両方が不可能であることを判定する。また、該判定と併せ、MPU3では、電子機器の駆動部への駆動信号供給の停止または駆動制御系からの該駆動部の切離しと、これら判定結果の表示指示とを行う。本構成の電子機器においても、誤動作を防止することができ、機器の安全性を確保することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、プログラマブルコントローラにおいて、回路等ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも誤動作を防止することができる。負荷装置の安全性も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としてのプログラマブルコントローラの構成例を示す図である。
【図2】MPUから出力されるノイズ検知用のON/OFF信号の波形例である。
【図3】A/D変換器に入力されるON/OFF信号の波形例である。
【図4】許容レベルを超えたノイズが重畳されたON/OFF信号の波形例である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…プログラマブルコントローラ、 2…CPU、 3…MPU、 4…MPUの出力部、 5…MPUの入力部、 6…A/D変換器、 7…プログラマブルコントローラの電源部、 8a、8b、8c…入出力ユニット、 9、9a、9b、9c…スイッチ、 10a、10b、10c…信号線、 11…表示部、12、12a、12b、12c…電源電力供給部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プログラマブルコントローラにおいては、重畳したノイズに対しては、特に検知等は行わずに、該ノイズのレベルが仕様値として決められた許容範囲内のレベルであれば、入出力ユニット内の回路またはCPU(Central Processing Unit)内でマイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)(以下、MPUという)などにより吸収される。仕様レベル範囲を超える場合には、プログラマブルコントローラは誤動作をする。また、一般の電子機器においても、ノイズが仕様範囲内レベルのときは、ハードウェアが正常動作を行えるようになっている場合が多い。また、ソフトウェアも例えば、特に重要な信号などの場合には、該信号のノイズ状態の確認を複数回行った後、該確認結果に基づきはじめてその信号処理に入るようになっている。
また、本発明に関連する技術としては、特開2001−273001号公報(特許文献1)、特開平10−303991号公報(特許文献2)及び特開平08−237099号公報(特許文献3)に記載されたものがある。特開2001−273001号公報には、マイクロコンピュータのA/D変換用入力端子に接続されたラインによりノイズを検出し、ノイズ検出時にアクチュエータ制御を切り替える構成が記載されている。特開平10−303991号公報には、外部装置との間の通信データや電源にノイズが混入したことを報知する表示器として、ノイズ検知回路で所定の電圧値を超えるノイズの混入を検知し、CPUが該検知信号に基づき、液晶表示部にノイズの混入を示すマークを表示させる構成が記載されている。特開平08−237099号公報には、外来ノイズによる集積回路の誤動作を防止するノイズ検出装置として、外部からのデータ信号を遅延させる遅延回路と、該遅延させたデータ信号を保持する保持回路とを備え、外来ノイズがない場合は、該保持回路が、該遅延回路が現在出力しているデータ信号を集積回路内に供給し、外来ノイズがある場合には、アンテナ線にノイズ信号が発生した時点から該保持回路が、該ノイズ発生時点で該遅延回路が出力していたデータ信号を保持して集積回路内に供給し、ノイズ発生の場合にもノイズを含まないデータ信号を該集積回路内に供給可能にする構成が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−273001号公報(段落番号0034、図4)
【特許文献2】
特開平10−303991号公報(段落番号0011、0014、0015、0016、図1、図3、図4)
【特許文献3】
特開平08−237099号公報(段落番号0020〜0030、図1、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプログラマブルコントローラにおいては、重畳したノイズが仕様レベル範囲を超え、ハードウェアで吸収不可能な場合には、CPU内のMPUなどで信号レベルの認識を誤り、その結果、MPUなどが誤動作して異常なシーケンス制御信号を形成し、負荷装置を誤って制御してしまう場合が多い。MPU内部の処理は、「0」または「1」のデジタル値で行われる。このため、プログラマブルコントローラに仕様レベル範囲を超えるノイズが影響した場合には、MPUは、本来「0」である値を「1」として扱ってしまったり、逆に、本来「1」である値を「0」として扱ってしまったりして誤動作する。MPUが誤動作している場合、プログラマブルコントローラとしては、異常シーケンス制御信号を出力し続け、負荷装置を非正常な状態において制御する。MPUが正常動作している場合においても、MPUに接続された素子に対しノイズによる誤った情報が伝達されたり、該素子からMPUに対してノイズによる誤った情報が入力されたりした場合にも、プログラマブルコントローラとしては、ノイズ重畳の影響を受けたまま動作を継続し、異常シーケンス制御信号を出力し続けることになる。
また、上記各公報に記載された技術はいずれも、複数の入出力ユニットまたは複数の負荷装置に対応したノイズ検知やシーケンス制御信号の供給制御を行う構成ではない。
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、プログラマブルコントローラにおいて、ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも、異常なシーケンス制御信号を出力しないようにし、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の誤動作、故障などを防止できるようにすることである。本発明の目的は、かかる課題点を解決できる技術の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題点を解決するために、本発明では、基本的に、負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラとして、ノイズ検知手段に通電するアナログON/OFF信号等のノイズ検知用信号をA/D変換したデジタル信号に基づき、該ノイズ検知用信号のON状態、またはOFF状態等予め設定した所定状態の認識の可否を判定することでノイズ検知を行い、該所定状態の認識が不可能と判定されるとき、そのノイズ検知手段のノイズ検知用信号には許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳しているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。具体的には、プログラマブルコントローラとして、(1)ノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)側から入力されるアナログのノイズ検知用信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記ノイズ検知手段への上記ノイズ検知用信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記切換え手段を制御するとともに、上記デジタル信号に基づき上記ノイズ検知用信号の予め設定した所定状態の認識の可否を判定する制御手段(該当実施例:符号3)とを備え、該制御手段が、上記ノイズ検知用信号の上記所定状態を認識不可能と判定したとき、該ノイズ検知用信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。(2)ノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記ノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記負荷装置をシーケンス制御するためのシーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記アナログのON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有して成る制御手段(該当実施例:符号3)とを備え、該制御手段が、上記ON/OFF信号の上記ON状態または上記OFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成とする。(3)複数の負荷装置との間に接続され装置制御用のシーケンス制御信号またはこれに基づく制御信号を出力する複数の入出力ユニット(該当実施例:符号8a、8b、8c)と、該入出力ユニットのそれぞれに設けられアナログのON/OFF信号が通電されノイズ検知を行う複数のノイズ検知手段(該当実施例:符号10a、10b、10c)と、該ノイズ検知手段側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段(該当実施例:符号6)と、上記複数のノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を、該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換え可能な切換え手段(該当実施例:符号9、9a、9b、9c)と、上記シーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記アナログのON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有する制御手段(該当実施例:符号3)と、少なくとも上記判定結果に基づく表示を行う表示手段(該当実施例:符号11)とを備え、上記制御手段から出力された上記アナログON/OFF信号がデジタル信号として該制御手段に入力されるループバック系を形成し、該制御手段が、上記複数のノイズ検知手段のうちの少なくともいずれかからの上記ON/OFF信号につき、そのON状態またはOFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、上記複数の入出力ユニットのうち該ノイズ重畳したON/OFF信号が通電されたノイズ検知手段に対応する入出力ユニットに対する上記シーケンス制御信号の出力を停止または該入出力ユニットの接続を切離すとともに、上記表示手段がこれに基づく表示を行う構成とする。(4)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第3の手段を、上記複数のノイズ検知手段が1個ずつ順に、上記複数のノイズ検知手段への上記アナログON/OFF信号の供給もしくは非供給の切換え、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続の切換えを制御する構成とする。(5)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第4の手段を、上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を、レベル可変の判定基準により判定する構成とする。(6)上記(1)、(2)または(3)において、上記制御手段の上記第2の手段、上記第3の手段及び上記第4の手段を、CPUのマイクロプロセッサユニット内に構成する。(7)上記(1)、(2)または(3)において、上記ノイズ検知手段を、線状導体またはパターン状導体で形成する。また、(8)プログラマブルコントローラのノイズ検知用プログラムとして、コンピュータに、ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号を形成し入出力ユニット毎に設けた複数のノイズ検知手段に供給する手順と、上記ノイズ検知手段から出力されるON/OFF信号をA/D変換手段によりデジタル信号に変換する手順と、該デジタル信号に基づき、上記ON/OFF信号におけるON状態またはOFF状態の認識可否を判定する手順と、上記複数のノイズ検知手段への上記ノイズ検知用のON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換えてノイズ発生源部を特定する手順と、該特定されたノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力の停止または該ノイズ発生源部の切離しを行う手順と、上記判定結果と上記特定結果とに基づき表示指示を行う手順とを実行させる構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
図1〜図4は、本発明の第1の実施例の説明図である。図1は本発明の実施例としてのプログラマブルコントローラの構成例、図2は、ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号で、(a)はMPUの出力部からの出力、(b)はA/D変換器への入力、図3は、A/D変換器に入力されるアナログのON/OFF信号波形であってノイズの重畳がない、またはノイズがハードウェア的に吸収され、波形上に現れていない場合の信号波形、図4は、A/D変換器に入力されるアナログのON/OFF信号波形であってノイズがハードウェア的に吸収されず、かつ許容レベルを超えたノイズが重畳されている場合の信号波形である。
図1において、1はプログラマブルコントローラ、2は、プログラマブルコントローラ1のCPU、3は、CPU2内の制御手段としてのMPU、4はMPU3の出力部、5はMPU3の入力部、6は、MPU3への入力信号をデジタル化するCPU2内のA/D変換器、7はプログラマブルコントローラ1の電源部、8a、8b、8cは、負荷装置に接続され、負荷装置との間で信号のやり取りを行う入出力ユニット、9、9a、9b、9cはそれぞれ、切換え手段としてのスイッチ、10a、10b、10cはそれぞれ、入出力ユニット8a、8b、8cに重畳するノイズを検知するノイズ検知手段としての信号線、11はノイズの検知結果を表示する表示手段としての表示部、12、12a、12b、12cはそれぞれ、CPU2、入出力ユニット8a、同8b、同8cのそれぞれに、電源部7の電力を供給する電源電力供給部である。スイッチ9は、信号線10a、10b、10cへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10a、10b、10cの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9aは、信号線10aへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10aの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9bは、信号線10bへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10bの接続もしくは非接続を切換える。スイッチ9cは、信号線10cへの上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線10cの接続もしくは非接続を切換える。上記各スイッチ9、9a、9b、9cは、MPU3により制御されることで、上記信号線への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換器6に対する信号線の接続もしくは非接続を切換える。信号線10a、10b、10cは、線状導体、または基板上に形成されたパターン状導体により構成されるものとする。MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、同9c、信号線10a、同10b、同10c及びA/D変換器6は、上記アナログON/OFF信号を一巡させて通電するループバック系を形成し、(1)スイッチ9、同9a、同9b、同9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10a、10b、10cを接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(2)スイッチ9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(3)スイッチ9bが、上記A/D変換器6に対し信号線10bを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(4)スイッチ9aが、上記A/D変換器6に対し信号線10aを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。また、(5)スイッチ9b、同9cが、上記A/D変換器6に対し信号線10b、同10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、信号線10a、スイッチ9a、同9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(6)スイッチ9c、同9aが、上記A/D変換器6に対し信号線10c、同10aを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、信号線10b、スイッチ9b、同9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(7)スイッチ9a、同9bが、上記A/D変換器6に対し信号線10a、同10bを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、同9a、同9b、同9c、信号線10c、スイッチ9c、同9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。(8)スイッチ9が、上記A/D変換器6に対し信号線10a、10b、10cを非接続状態とするときは、MPU3、スイッチ9、A/D変換器6、MPU3の順路のループバック系を形成する。かかる構成において、MPU3の出力部から出力されたノイズ検知用のアナログON/OFF信号は、上記(1)から(8)のいずれかのループバック系中を通電される。
【0007】
MPU3は、スイッチ9、9a、9b、9cを個別に制御することで、上記(1)から(8)のようにループバック系を変化させノイズ検知を行う。ノイズ検知としては、ノイズのレベル判定、ノイズ発生源の特定、及び該判定結果及び該特定結果に基づく表示指示を行う。ここで、各スイッチ9、9a、9b、9cそれぞれが、信号線10a+10b+10c、10a、10b、10cのそれぞれをA/D変換器6に接続または該信号線それぞれに上記ON/OFF信号を供給する状態をスイッチONの状態、反対に、各スイッチ9、9a、9b、9cそれぞれが、信号線10a+10b+10c、10a、10b、10cのそれぞれをA/D変換器6に非接続、または、該信号線それぞれに上記ON/OFF信号を非供給とする状態をスイッチOFFの状態と呼ぶこととする。上記構成において、MPU3がループバック系を上記(1)、(2)、(3)、(4)、(8)の順序で自動的に変化させるとし、(1)のループバック系すなわち各スイッチ9、9a、9b、9cの全部がスイッチONの状態のときノイズが検知され、(2)のループバック系すなわちスイッチ9、9a、9bがスイッチON、スイッチ9cのみがスイッチOFFの状態のとき、上記ノイズが検知されなかった場合は、上記(1)のループバック系が上記(2)のループバック系に変化することすなわちスイッチ9cがスイッチOFFの状態となり、信号線10bがA/D変換器6に対し非接続状態とされたためにノイズが検知されなくなったとし、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は信号線10bであり、さらに該信号線10bのノイズの原因は入出力ユニット8bにおけるノイズ重畳であると特定される。該特定制御もMPU3が行う。MPU3は該結果に基づき、入出力ユニット8bへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の供給を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8bを切離すとともに、表示部11に対し該ノイズ検知結果の表示指示を行う。表示部11ではこれによる表示を行う。同様に、(1)のループバック系すなわち各スイッチ9、9a、9b、9c全部がスイッチONの状態のときノイズが検知され、(2)のループバック系及び(3)のループバック系でもノイズが検知され、(4)のループバック系ではじめてノイズが検知されなくなったときは、MPU3は、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は信号線10aであり、さらに該信号線10aのノイズの原因は入出力ユニット8aにおけるノイズ重畳であると特定し、該結果に基づき、入出力ユニット8aへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の供給を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8aを切離すとともに、表示部11に対して該ノイズ検知結果の表示指示を行う。さらに、(1)のループバック系のときノイズが検知され、(2)、(3)及び(4)のループバック系でもノイズが検知され、(8)のループバック系ではじめてノイズが検知されなくなったときは、MPU3は、上記(1)のループバック系におけるノイズ発生源は、少なくとも信号線10a、10b、10cではなく、A/D変換器6またはMPU3自体であると判断し、該結果に基づき、入出力ユニット8a、8b、8cへの負荷装置制御用のシーケンス制御信号の出力を停止させるかまたはシーケンス制御系から該入出力ユニット8a、8b、8cを切離すとともに、表示部11に対し該ノイズ検知結果の表示指示を行う。上記の他、MPU3がループバック系を上記(1)、(5)、(6)、(7)、(8)の順序で自動的に変化させる場合も上記とほぼ同様である。さらに、ループバック系は、上記(8)、(5)、(2)、(1)の順序で変化させるようにしてもよい。(8)のループバック系でノイズ検知されれば、ノイズ発生源は、A/D変換器6またはMPU3自体であり、(5)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8aであり、(2)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8bであり、(1)のループバック系ではじめてノイズが検知されれば、ノイズ発生源は入出力ユニット8cであると判断される。
【0008】
ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号の例を図2に示す。図2(a)はMPU2の出力部からの出力としてのON/OFF信号、図2(b)は、A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号であって、例えば上記(1)のループバック系における場合の例である。該図2(b)のON/OFF信号は一般に、各信号線の回路定数や、入出力ユニット8a、8b、8cなどの影響により、図2(a)のON/OFF信号に比べ、立上がり部と立下り部で波形がだれた状態となる。
【0009】
図3は、上記A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号の波形例である。該A/D変換器6への入力としてのON/OFF信号は、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3のそれぞれに重畳ノイズがない場合、または、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3において、重畳ノイズはあるが、該重畳ノイズのレベルが低いために、ノイズが、入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、またはMPU3でそれぞれにおいてハードウェア的に吸収される場合の例を示す。図3において、ts1はOFFレベルからONレベルに至る波形立上がり部の静定時間、ts2は立上がり後ONレベルが継続する時間であってON状態の認識の可否を判定可能な判定時間、tj1はONレベルからOFFレベルに至る波形立下り部の静定時間、tj2は立下り後OFFレベルが継続する時間であってOFF状態の認識の可否を判定可能な判定時間である。ノイズの検知は、判定時間ts2または判定時間tj2におけるON波形、OFF波形の乱れの程度によりノイズレベルを判定して行う。
【0010】
図4は、上記図3の、A/D変換器6に入力されるループバック系におけるアナログON/OFF信号波形において、ハードウェア的に吸収されないレベルのノイズが、少なくとも入出力ユニット8a、8b、8c、A/D変換器6、MPU3のいずれかで発生したために波形乱れが発生し、判定時間ts2におけるON波形及び判定時間tj2におけるOFF波形においてそれぞれ、許容レベルを超える波形乱れが発生している場合の例である。図4において、A1はON波形のON状態認識の判定基準としての乱れの許容レベル範囲、A2はOFF波形のOFF状態認識の判定基準としての乱れの許容レベル範囲、N1は判定時間ts2におけるON波形における許容レベルを超える波形乱れ、N2は判定時間tj2におけるOFF波形における許容レベルを超える波形乱れである。許容レベル範囲A1、A2はそれぞれ、設定を適宜変えられるようになっているとする。かかる波形のアナログON/OFF信号がA/D変換器6に入力されると、該A/D変換器6では、これをデジタル信号に変換し、MPU3の入力部5に向け出力する。MPU3では、該デジタル信号に基づき、ノイズレベルが所定値を超えるレベルであることを判定し、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識とOFF状態の認識とがいずれも不可能であることを判定する。該判定と併せ、MPU3では、上記図1で説明した各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換えと、該切換えによる、上記所定値を超えるレベルのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該部分の切離しと、これら判定結果や特定結果の表示指示とを行う。また、判定時間ts2におけるON波形における許容レベルを超える波形乱れN1のみがある場合は、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識が不可能であることが判定される。同様に、判定時間tj2におけるOFF波形における許容レベルを超える波形乱れN2のみがある場合は、上記アナログON/OFF信号におけるOFF状態の認識が不可能であることが判定される。上記アナログON/OFF信号におけるON状態、OFF状態のいずれか一方の認識が不可能と判定された場合にも、該判定と併せ、MPU3では、上記のような、各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換えと、該切換えによる、上記所定値を超えるレベルのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該特定された部分の切離しと、これら判定結果や特定結果の表示指示とを行う。ON/OFF信号のループバック系への供給と、これら、ON/OFF信号におけるON状態またはOFF状態の認識可否の判定、各スイッチ9、9a、9b、9cの切換えによるループバック系の切換え、ノイズ発生源となっている入出力ユニット等の特定と、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止または該特定された部分の切離し、及び表示指示の各手順は、MPU3がノイズ検知用プログラムにより自動的に実行する。
【0011】
上記実施例によれば、プログラマブルコントローラにおいて、回路等ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも、そのノイズ発生源となっている入出力ユニット等の部分を自動的に特定し、該特定された部分へのシーケンス制御信号の停止またはシーケンス制御系からの該部分の切離しを行うことができる。これによって、シーケンス制御信号の異常化や、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の誤動作も防止することができる。その結果、さらに、プログラマブルコントローラ自身や負荷装置の故障や破損の防止、安全性の確保等が可能となる。
【0012】
なお、上記実施例では、スイッチ9をA/D変換器6の入力側に設けているが、本発明はこれに限定されず、例えば、スイッチ9は、MPU3の出力部4と入出力ユニット8a、8b、8cとの間に設けてもよい。また、上記実施例ではA/D変換器6をCPU2内のものを用いる構成としたが、本発明はこれにも限定されず、A/D変換器6はCPU2の外部に設けてもよい。また、各スイッチの切換え制御は、例えばCPU中においてMPU3以外の制御手段によって行ってもよい。また、ループバック系中には増幅器などの信号処理手段を適宜設けるようにしてもよい。さらに、ループバック系のノイズ検知手段に通電するノイズ検知用信号としては、ON/OFF信号以外の信号であってもよい。さらに、入出力ユニットや信号線は複数備わっていなくともよい。
【0013】
また、本発明の基本構成は、プログラマブルコントローラ以外の電子機器にも適用可能である。図5は、本発明を用いた別の電子機器の構成例である。図5において、3はMPU、4はMPU3の出力部、5はMPU3の入力部、6はA/D変換器、10はノイズ検知用の信号線、11は表示部、101は電子機器である。本構成においては、MPU3、信号線10、及びA/D変換器6によりループバック系が形成される。MPU3の出力部4から出力されたアナログのON/OFF信号が、信号線10を通ってA/D変換器6に入力され、デジタル信号に変換され、MPU3に入力される。信号線10にノイズが重畳した場合、MPU3内ではデジタル信号に基づき、ノイズレベルが所定値を超えるレベルであることを判定し、上記アナログON/OFF信号におけるON状態の認識またはOFF状態の認識のいずれか一方または両方が不可能であることを判定する。また、該判定と併せ、MPU3では、電子機器の駆動部への駆動信号供給の停止または駆動制御系からの該駆動部の切離しと、これら判定結果の表示指示とを行う。本構成の電子機器においても、誤動作を防止することができ、機器の安全性を確保することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、プログラマブルコントローラにおいて、回路等ハードウェアで吸収不可能なノイズが仕様範囲を超えて重畳した場合にも誤動作を防止することができる。負荷装置の安全性も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としてのプログラマブルコントローラの構成例を示す図である。
【図2】MPUから出力されるノイズ検知用のON/OFF信号の波形例である。
【図3】A/D変換器に入力されるON/OFF信号の波形例である。
【図4】許容レベルを超えたノイズが重畳されたON/OFF信号の波形例である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…プログラマブルコントローラ、 2…CPU、 3…MPU、 4…MPUの出力部、 5…MPUの入力部、 6…A/D変換器、 7…プログラマブルコントローラの電源部、 8a、8b、8c…入出力ユニット、 9、9a、9b、9c…スイッチ、 10a、10b、10c…信号線、 11…表示部、12、12a、12b、12c…電源電力供給部。
Claims (8)
- 負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラであって、
ノイズ検知手段側から入力されるアナログのノイズ検知用信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
上記ノイズ検知手段への上記ノイズ検知用信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段と、
上記切換え手段を制御するとともに、上記デジタル信号に基づき上記ノイズ検知用信号の所定状態の認識の可否を判定する制御手段と、
を備え、上記制御手段が、上記ノイズ検知用信号の上記所定状態を認識不可能と判定したとき、該ノイズ検知用信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成としたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラであって、
ノイズ検知手段側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
上記ノイズ検知手段への上記ON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を切換える切換え手段と、
上記負荷装置をシーケンス制御するためのシーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記ON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有して成る制御手段と、
を備え、上記制御手段が、上記ON/OFF信号の上記ON状態または上記OFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、該ノイズ検知手段に対応したノイズ発生源部への上記シーケンス制御信号の出力を停止または供給を断つ構成としたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラであって、
複数の負荷装置との間に接続され装置制御用のシーケンス制御信号またはこれに基づく制御信号を出力する複数の入出力ユニットと、
該入出力ユニットのそれぞれに設けられ、アナログのON/OFF信号が通電されノイズ検知を行う複数のノイズ検知手段と、
該ノイズ検知手段側から入力されるアナログのON/OFF信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
上記複数のノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を、該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換え可能な切換え手段と、
上記シーケンス制御信号を形成し出力する第1の手段と、上記アナログのON/OFF信号を形成して出力する第2の手段と、上記切換え手段の上記切換えを制御する第3の手段と、上記デジタル信号に基づき上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を判定する第4の手段とを有して成る制御手段と、
少なくとも上記判定結果に基づく表示を行う表示手段と、
を備え、上記制御手段から出力された上記アナログON/OFF信号がデジタル信号として該制御手段に入力されるループバック系を形成し、該制御手段が、上記複数のノイズ検知手段のうちの少なくともいずれかからの上記ON/OFF信号につき、そのON状態またはOFF状態の少なくともいずれかを認識不可能と判定したとき、該ON/OFF信号に許容範囲を超えるレベルのノイズが重畳されているとして、上記複数の入出力ユニットのうち該ノイズ重畳したON/OFF信号が通電されたノイズ検知手段に対応する入出力ユニットに対する上記シーケンス制御信号の出力を停止または該入出力ユニットの接続を切離すとともに、上記表示手段がこれに基づく表示を行う構成としたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 上記制御手段の上記第3の手段は、上記複数のノイズ検知手段が1個ずつ順に、上記複数のノイズ検知手段への上記アナログのON/OFF信号の供給もしくは非供給の切換え、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続の切換えを制御する構成である請求項1、2または3に記載のプログラマブルコントローラ。
- 上記制御手段の上記第4の手段は、上記ON/OFF信号のON状態とOFF状態のそれぞれにつき認識の可否を、レベル可変の判定基準に基づき判定する構成である請求項1、2または3に記載のプログラマブルコントローラ。
- 上記制御手段の上記第2の手段、上記第3の手段及び上記第4の手段は、CPUのマイクロプロセッサユニット内に形成される請求項1、2または3に記載のプログラマブルコントローラ。
- 上記ノイズ検知手段は、線状導体または基材上に形成されたパターン状導体で構成される請求項1、2または3に記載のプログラマブルコントローラ。
- 負荷装置をシーケンス制御するプログラマブルコントローラのノイズ検知用プログラムであって、
コンピュータに、
ノイズ検知用のアナログのON/OFF信号を形成し、入出力ユニット毎に設けた複数のノイズ検知手段に供給する手順と、
上記ノイズ検知手段から出力されるON/OFF信号をA/D変換手段によりデジタル信号に変換する手順と、
該デジタル信号に基づき、上記ON/OFF信号におけるON状態またはOFF状態の認識可否を判定する手順と、
上記複数のノイズ検知手段への上記ノイズ検知用のON/OFF信号の供給もしくは非供給、または、上記A/D変換手段に対する該ノイズ検知手段の接続もしくは非接続を該複数のノイズ検知手段毎に個別に切換えてノイズ発生源部を特定する手順と、
該特定されたノイズ発生源部へのシーケンス制御信号の出力の停止または該ノイズ発生源部の切離しを行う手順と、
上記判定結果と上記特定結果とに基づき表示指示を行う手順と、
を実行させることを特徴とするノイズ検知用プログラム。
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