JP2004184466A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムの取り出し及び搬送による傷の発生を防止し、傷が発生した場合でもその傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】この画像形成装置10は、フィルムFを搬送する搬送手段16aと、フィルムにレーザ露光を行い画像形成領域Fcに画像を形成する露光手段とを備え、搬送手段がフィルムを画像形成領域以外の部分でフィルムと接触して搬送し、画像形成領域における傷の発生を防止する。傷が発生したときは、フィルムに対するレーザ光の入射角度を傷が視認レベル以下となるように設定するか、またはレーザ光のスポット径を傷幅よりも大きく設定する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱現像感光フィルムなどのシート状の記録媒体を搬送し、その記録媒体にレーザ露光を行い画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光による走査露光でフィルム上に画像を形成する画像形成装置が公知である。かかる画像形成装置では、フィルムを所定位置から機械的に搬出する搬出手段を用いているが、搬出中にフィルムと機械的に接触するため、その表面に傷が不可避的に発生してしまう。病気診断のための放射線画像フィルムでは、シャーカステン上におかれて観察されるが、傷によっては濃度むらを誘発してしまい、この濃度むらのある画像を観察してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フィルムの取り出し及び搬送による傷の発生を防止し、傷が発生した場合でもその傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による画像形成装置は、シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い所定の画像形成領域に画像を形成する露光手段と、を備え、前記搬送手段が前記記録媒体を前記画像形成領域以外の部分で前記記録媒体と接触して搬送するように構成されたことを特徴とする。
【0005】
この画像形成装置によれば、搬送手段が記録媒体を搬送するとき、記録媒体に対し画像が形成される画像形成領域を避けて機械的接触をするので、画像形成領域において搬送手段との接触による傷の発生を防止することができる。これにより、安定した画質を得ることができる。
【0006】
この場合、前記搬送手段が前記記録媒体をその搬送方向の両端部分で前記記録媒体と接触して搬送することが好ましい。これにより、搬送手段が画像形成領域を避けて機械的接触をすることができる。
【0007】
また、前記搬送手段を前記露光手段の少なくとも上流側に配置することが好ましい。これにより、露光前の記録媒体における傷発生を抑制できるので、露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することで濃度変化の発生を抑えることができる。
【0008】
また、前記記録媒体を収納する収納部を備え、前記搬送手段が前記収納部から前記記録媒体を取り出す手段を含むことが好ましい。これにより、収納部から記録媒体を取り出すときにも画像形成領域において機械的接触を避けることができ、傷の発生を防止できる。
【0009】
また、前記搬送手段が前記記録媒体をその搬送方向の両端部分で挟むニップローラ対を備えることができる。これにより、記録媒体の搬送方向の両端部分以外における機械的接触を避けることができ、画像形成領域における傷発生を防止できる。
【0010】
本発明による別の画像形成装置は、シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い画像を形成する露光手段と、を備え、前記露光手段による前記記録媒体に対するレーザ光の入射角度を前記記録媒体のレーザ光照射面に発生する傷が視認レベル以下となるように設定することを特徴とする。
【0011】
この画像形成装置によれば、記録媒体のレーザ光照射面に傷が発生したとしても、レーザ光の入射角度を傷について視認レベル以下となるように設定し、露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することで濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0012】
例えば、前記レーザ光の入射角度を前記傷の深さ方向に一致しないように設定することが好ましい。これにより、露光のときに記録媒体に対する潜像エネルキを均一化できる。
【0013】
本発明による更に別の画像形成装置は、シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い画像を形成する露光手段と、を備え、前記露光手段により前記記録媒体のレーザ光照射面に形成されるレーザ光のスポット径を前記レーザ光照射面に発生する傷幅よりも大きく設定することを特徴とする。
【0014】
この画像形成装置によれば、記録媒体のレーザ光照射面に傷が発生したとしても、レーザ光のスポット径を傷幅よりも大きくすることで、露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することにより濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0015】
また、上記各画像形成装置において前記記録媒体は光エネルギに増感し熱現像される熱現像感光フィルムであることが好ましい。
【0016】
本発明による画像形成方法は、シート状の記録媒体の感光面に発生する傷を調査する工程と、前記記録媒体を搬送しレーザ露光を行い画像を形成する工程と、を含み、前記レーザ露光工程において前記記録媒体に対するレーザ光の入射角度を前記記録媒体の感光面に発生した傷が視認レベル以下となるように設定することを特徴とする。
【0017】
この画像形成方法によれば、記録媒体のレーザ光照射面に傷が発生したとしても、その傷の幅、深さ、傷の方向等を調査し、レーザ光の入射角度を傷について視認レベル以下となるように設定し、露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することで濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0018】
例えば、前記レーザ光の入射角度を前記傷の深さ方向に一致しないように設定することが好ましい。これにより、露光のときに記録媒体に対する潜像エネルキを均一化できる。
【0019】
本発明による別の画像形成方法は、シート状の記録媒体の感光面に発生する傷を調査する工程と、前記記録媒体を搬送しレーザ露光を行い画像を形成する工程と、を含み、前記レーザ露光工程において前記記録媒体の感光面上に形成されるレーザ光のスポット径を前記記録媒体の感光面に発生した傷幅よりも大きく設定することを特徴とする。
【0020】
この画像形成方法によれば、記録媒体のレーザ光照射面に傷が発生したとしても、その傷の幅等を調査し、レーザ光のスポット径を傷幅よりも大きくすることで、露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することにより濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0021】
また、上記各画像形成方法において前記記録媒体は光エネルギに増感し熱現像される熱現像感光フィルムであることが好ましい。この場合、前記熱現像感光フィルムに形成された前記傷の濃度差が所定値(例えば、0.1)以下となるように前記入射角度または前記スポット径を設定することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態による画像形成装置の正面図である。
【0023】
図1の画像形成装置10は、レーザビームによって潜像による画像形成がなされる前の熱現像感光材料である熱現像感光フィルム(以下、「フィルム」という。)を収納するための複数の収納部41,42を備え、更に、収納部41,42に収納された多数枚のフィルムを一枚ずつ吸盤で負圧により吸着し移動させることで取り出すフィルム供給機構を内部に備える。
【0024】
図4は、収納部41,42において複数の吸盤44がフィルムFを吸着する位置を示す平面図(a)及び正面図(b)である。図1の収納部41,42のフィルム供給機構に備えられた複数の吸盤44は、図4(a)のようにフィルムFの搬送方向J側のフィルムFの幅方向に延びる先端部FdでフィルムFを吸着し、図4(b)の積層されたフィルムから最上位のフィルムFを取り出して搬送する。フィルムFには、先端部Fd及び両端部Fa、Fbを除いた画像形成領域Fcに後述の図2のようにしてレーザ露光されて画像が形成される。複数の吸盤44は画像形成領域Fcには接触しない。
【0025】
画像形成装置10は、取り出されたフィルムを複数の搬送ローラ対16aで図1の下方向(1)に搬送するための下降搬送部16と、下降搬送部16から搬送されたフィルムの位置を規制して曲がりを補正しかつフィルムを複数の搬送ローラ対17aで水平方向(2)に搬送する位置規制部17と、位置規制部17から送り込まれ曲がりの補正されたフィルムを副走査方向(水平方向(2))に定速度で移動させる副走査部18とを有する。副走査部18は、後述の図5のように2つの搬送ローラ対等から構成される。
【0026】
また、画像形成装置10は、副走査部18においてフィルムに対し画像情報に基づいて変調されたレーザビームを露光しながら走査しフィルムに画像情報による潜像を形成する露光部19と、副走査部18で露光部19により潜像が形成されたフィルムを複数の搬送ローラ対20aで図1の上方向(3)に搬送する上昇搬送部20と、を有する。
【0027】
露光部19からレーザビームは図1のように下向きに副走査部18に対し照射されるようになっている。また、上昇搬送部20は、フィルムを副走査部18から装置本体の上部まで搬送するための長い搬送経路及び露光中のフィルムに衝撃を与えないため搬送ローラの待避機能等を備える。
【0028】
画像形成装置10は、上述のようにして潜像の形成されたフィルムを加熱し熱現像してから冷却し搬送する熱現像部30を装置本体の上部に有する。熱現像部30で熱現像され画像情報が可視化されたフィルムは冷却されて排出部22へ搬送され装置外部へ排出される。
【0029】
熱現像部30は、熱現像ドラムを含む熱現像ドラムユニット31と、熱現像後のフィルムを搬送しかつ冷却する冷却搬送ユニット32と、フィルムを排出部22に向け更に搬送する搬送部33と、フィルムの熱現像時に発生する有機ガスを取り除くための脱臭部34と、を有する。
【0030】
図1のように、画像形成装置10は、遮光枠体43内に上述のような副走査部18、露光部19及び熱現像部30等をほぼ遮光状態にして覆った状態で収納している。副走査部18及び露光部19は収納部41,42を介して熱現像部30の下方に配置されている。フィルムは、図1の1点鎖線で示す搬送路を通って上述のようにして収納部41,42から排出部22まで搬送される。
【0031】
次に、図2により図1の露光部19の光学系について説明する。図2は画像形成装置の露光部19の光学系等を概略的に示す図である。
【0032】
図2に示すように、露光部19は、画像信号Sに基づき強度変調されたレーザ光Lを回転多面鏡113によって偏向してfθレンズ114を介してフィルムF上を主走査するとともに、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向に相対移動させることにより副走査することでフィルムFに潜像を形成する。
【0033】
図2に示すように、画像信号出力装置121から出力された画像信号Sは、D/A変換部122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。かかるアナログ信号に基づき変調回路123で変調信号が生成される。この変調信号で光源である半導体レーザ110を駆動し、半導体レーザ110からレーザ光Lを照射させる。変調部123は半導体レーザ110から照射されたレーザ光を受光する光量センサ(図示省略)からの光量モニタ信号が入力されることでレーザ光Lの強度が一定になるように制御する。
【0034】
図2のように、半導体レーザ110から照射されたレーザ光Lは、レンズ112を通過した後、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図中矢印A方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射する。回転多面鏡113はレーザ光Lを主走査方向に反射し偏向し、この偏向されたレーザ光Lは、シリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、図1の副走査部18を構成する搬送ローラ対142により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面117上を画像形成領域Fcの範囲内(図4)で矢印X方向に繰り返し主走査される。これにより、レーザ光LはフィルムF上の被走査面117を画像形成領域Fcの範囲内で走査する。以上のようにして、露光部19からのレーザ光LによりフィルムFの画像形成領域Fcに画像信号Sに基づく潜像が形成されることで画像形成が行われる。
【0035】
次に、収納部41,42と副走査部18との間の下降搬送部16における搬送ローラ対16aについて図3を参照して説明する。図3は、下降搬送部16の搬送ローラ対16aを示す斜視図である。
【0036】
図3に示すように、各搬送ローラ対16aは、フィルムFの搬送方向(1)に直交する幅方向に分割されたニップローラ161,162と、左右のニップローラ161と161とを連結する回転軸163と、を有する。ニップローラ161,162はフィルムFの搬送方向(1)に平行な両端部Fa,FbにおいてフィルムFを挟むように設けられており、このため搬送方向(1)に平行の中央部分である画像形成領域Fcでは搬送ローラはフィルムFに接触しない。
【0037】
左右のニップローラ161はモータ(図示省略)により回転軸163を介して同期して回転駆動される。各ニップローラ162は従動回転可能に構成され、ニップローラ161とともにフィルムFを両端部Fa、Fbで挟んだ状態で搬送方向(1)へ搬送する。
【0038】
また、図2に示すように、図1の副走査部18を構成する搬送ローラ対142も図3と同様のニップローラ161,162と回転軸163とを有する。ニップローラ161,162はフィルムFの搬送方向(2)に平行な両端部Fa,FbでフィルムFを挟むように設けられ、画像形成領域Fcでは搬送ローラはフィルムFに接触しない。
【0039】
以上のように、フィルムFは搬送方向(1)、(2)に搬送されながら画像形成領域Fcに外部からの画像信号に基づいて潜像が形成される。このフィルムFにおける潜像形成について、図7により説明する。図7は、本実施の形態におけるフィルムFの断面図であり、上述のような露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。
【0040】
フィルムFはハロゲン化銀微粒子と、有機銀塩と、還元剤とを含有する熱現像感光材料とからなる。即ち、フィルムFは、PETからなる支持体(基層)上に、ポリビニルブチラールを主材とする感光層が形成され、更に、その上にセルロースブチレートからなる保護層が形成されている。感光層には、図7に示すように感光性ハロゲン粒子と、有機銀塩であるベヘン酸銀(Beh.Ag)と、銀イオン還元剤とを含有し、現像性の向上と最大濃度の向上と銀画像色調の向上のために、調色剤が配合されている。
【0041】
露光時に露光部19からレーザビームLがフィルムFに対して照射されると、図7に示すように、レーザビームLが照射された領域に、ハロゲン化銀粒子が感光し、潜像が形成される。
【0042】
次に、潜像の形成されたフィルムFは、次に、図1のように、上昇搬送部20の複数の搬送ローラ対20aにより熱現像部30の熱現像ドラムユニット31へと搬送される。熱現像ドラムユニット31はフィルムFを115℃以上135℃以下の所定温度で加熱し熱現像してから、フィルムFを冷却搬送ユニット32で冷却し搬送し、更に排出部22へ搬送し装置外部へ排出する。
【0043】
図8は、上述のような加熱時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した、図7と同様な断面図である。フィルムFは、40℃以下の温度では実質的に熱現像されないが、上述のようにフィルムFを最低現像温度以上の現像温度に加熱すると、熱現像される。これは、図8に示すように、ベヘン酸銀から銀イオン(Ag+)が放出され、銀イオンを放出したべヘン酸は、調色剤と錯体を形成して、銀イオンの拡散能力が高くなり、感光したハロゲン化銀粒子まで拡散し、感光したハロゲン化銀粒子を核として還元剤が作用し、化学的反応により銀画像が形成されるからと思われる。このようにして、図1の画像形成装置10では、フィルムFに潜像を形成し熱現像して可視像化することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置10によれば、図1〜図4のように、複数の吸盤44がフィルムFを取り出し搬送ローラ対16a、142がフィルムFを搬送するとき、各吸盤44及び各ニップローラ161,162は、フィルムFの搬送方向J、(1)、(2)の両端部Fa、Fb及び先端FdでフィルムFと接触し、フィルムFの画像が形成される画像形成領域である画像形成領域Fcを避けて機械的接触をするので、画像形成領域Fcでおいて吸盤及びニップローラとの機械的接触による傷の発生を防止できる。
【0045】
また、図1のように、収納部41,42、下降搬送部16及び副走査部18における吸盤44及びニップローラ161,162は、フィルムFにレーザ露光する前の上流側に位置するので、露光前のフィルムFにおける傷発生を回避できる。このため、フィルムFに対するレーザ露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することでフィルムFにおける濃度変化の発生を抑えることができる。
【0046】
次に、フィルムFの被走査面(レーザ光照射面)117に傷が発生した場合には、フィルムFにレーザ光が入射するときの入射角度を傷が視認レベル以下となるように設定することが好ましい。図5は、フィルムFに発生したフィルム傷とレーザ光束の入射角との関係を説明するためにフィルムFを図2の副走査方向Yに切断してみた模式的な断面斜視図であり、図6は図5のフィルム傷の模式的断面図である。
【0047】
図5に示すように、深さhで幅2dで表面に開口したエッジ状の傷90がフィルムFの感光面(図2の被走査面117)に発生したとすると、このエッジ状の傷90の傾斜面91または92と平行な方向にレーザ光束Lが入射しないように、レーザ光束LのフィルムFに対する入射角θを設定する。
【0048】
例えば、図6の断面図のように、エッジ状の傷90がフィルムFの法線に対し左右対称であるとすると、フィルムFの法線と傾斜面91との角度をαとし、
θ+α≠90°・・・(1)
を満足するように、レーザ光束LのフィルムFに対する入射角θを設定する。例えば、角度α(=arctan(d/h))は、図5のようにフィルムFに発生する傷90について予めその幅2dや深さhを調査し、α=arctan(d/h)から求めておくことができる。
【0049】
レーザ光Lの入射角θをフィルム傷に関し上述の式(1)を満足するように設定し、更に最適化するために、潜像を形成し熱現像したフィルム上で傷が視認レベル以下となるようにレーザ光Lの入射角θを設定する。例えば、フィルムの傷の濃度差0.1を基準とし、傷の濃度差が0.1以下となるようにすることで、現像後のフィルムをシャーカステンで観察した場合に傷が視認レベル以下となる。
【0050】
以上のように、フィルムFの表面に傷が発生したとしても、レーザ光束Lの入射角度θを上述の式(1)を満足しかつ傷について視認レベル以下となるように設定することで、レーザ露光のときに傷の凹凸によらずフィルムFに対する潜像エネルキを均一化でき安定でき、傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することで濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0051】
また、フィルムFの被走査面(レーザ光照射面)117に傷が発生した場合に、フィルムFに入射するレーザ光束のスポット径をフィルム傷幅よりも大きく設定することが好ましい。
【0052】
図5の破線に示すように、レーザ光束L’のスポット径wは、傷90の幅2dよりも大きく設定されている。例えば、フィルムFに発生する傷90について予めその幅2d等を調査し、レーザ光束のスポット径を次のようにして設定しておく。
【0053】
即ち、例えば図2のような光学系で得られるレーザ光束のスポット径は、λ/NA(ただし、λは半導体レーザ110の波長、NAは光学系の開口数)に比例するので、半導体レーザ110の波長及び光学系の開口数の少なくともいずれか一方を変えることで、図5のレーザ光束L’のスポット径wを設定することができる。
【0054】
また、上述と同様に、例えば、フィルムの傷の濃度差0.1を基準とし、傷の濃度差が0.1以下となるようにレーザ光L’のスポット径を設定することが好ましい。
【0055】
以上のように、レーザ光束のスポット径をフィルム傷幅よりも大きくすることにより、レーザ露光のときに傷における光の拡散を防止してエネルギむらを抑制することにより濃度変化の発生を抑えることができる。これにより、傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる。
【0056】
また、本発明者等の調査・研究によれば、フィルムに発生した傷に関し、図5,図6において、傷の幅2dは、5乃至10μm程度、深さhは、200乃至300nm程度であり、このレベルの傷に対しては、レーザ光束のスポット径が26μm以上であれば、傷による濃度差を0.1以下にできることが判明した。
【0057】
従来は、フィルム傷の視認レベルを定義できず、傷形状と視認レベルとの相関関係による判断基準が不明確であり、傷の深さ方向に入射したレーザ光が増感することで傷に不均一に照射され、濃度むらを誘発していたのに対し、本実施の形態では、傷の濃度差0.1を基準とし、この濃度差以下となるように、レーザ光束の入射角やスポット径を設定することで、フィルムにたとえ傷が発生した場合でも、現像後のフィルムをシャーカステンで観察する際に、その傷を視認レベル以下にでき、その傷の影響を抑制することができる。
【0058】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、記録媒体としては、熱現像感光フィルムに限定されずに、湿式現像感光フィルム等であってもよいことは勿論である。また、画像形成装置としては、図1のような熱現像部を備えない装置であってもよいことは勿論である。
【0059】
また、レーザ露光の後にフィルムFを搬送するために副走査部18の下流側に配置される搬送手段、例えば図1の搬送ローラ対20aを図3と同様のニップローラから構成するようにしてもよい。これにより、潜像形成後のフィルムFにおける搬送時の傷発生を防止できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状の記録媒体の取り出し及び搬送による画像形成領域における傷の発生を防止できる画像形成装置を提供できる。また、シート状の記録媒体に傷が発生した場合でもその傷の影響を排除し安定した画質を得ることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による画像形成装置の正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の露光部19の光学系等を概略的に示す図である。
【図3】図1の下降搬送部16の搬送ローラ対16aを示す斜視図である。
【図4】図1の収納部41,42において複数の吸盤44がフィルムFを吸着する位置を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【図5】本実施の形態におけるフィルムFに発生したフィルム傷とレーザ光束の入射角との関係を説明するためにフィルムFを図2の副走査方向Yに切断してみた模式的な断面斜視図である。
【図6】図5のフィルム傷の模式的断面図である。
【図7】本実施の形態におけるフィルムFの断面図であり、レーザ露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。
【図8】加熱時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した、図7と同様な断面図である。
【符号の説明】
10・・・画像形成装置
16a・・・搬送ローラ対
19・・・露光部
41,42・・・収納部
44・・・吸盤
90・・・フィルムの感光面に発生した傷
110・・・半導体レーザ
117・・・被走査面(感光面、レーザ光照射面)
142・・・搬送ローラ対
161,162・・ニップローラ
F・・・フィルム(シート状記録媒体)
Fa、Fb・・・フィルムの両端部
Fc・・・画像形成領域
Fd・・・フィルムの先端部

Claims (14)

  1. シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い所定の画像形成領域に画像を形成する露光手段と、を備え、
    前記搬送手段が前記記録媒体を前記画像形成領域以外の部分で前記記録媒体と接触して搬送するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送手段が前記記録媒体をその搬送方向の両端部分で前記記録媒体と接触して搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記搬送手段を前記露光手段の少なくとも上流側に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記録媒体を収納する収納部を備え、前記搬送手段が前記収納部から前記記録媒体を取り出す手段を含む請求項1,2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送手段が前記記録媒体をその搬送方向の両端部分で挟むニップローラ対を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い画像を形成する露光手段と、を備え、
    前記露光手段による前記記録媒体に対するレーザ光の入射角度を前記記録媒体のレーザ光照射面に発生する傷が視認レベル以下となるように設定することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記レーザ光の入射角度を前記傷の深さ方向に一致しないように設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. シート状の記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送される記録媒体にレーザ露光を行い画像を形成する露光手段と、を備え、
    前記露光手段により前記記録媒体のレーザ光照射面に形成されるレーザ光のスポット径を前記レーザ光照射面に発生する傷幅よりも大きく設定することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記記録媒体は光エネルギに増感し熱現像される熱現像感光フィルムであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. シート状の記録媒体の感光面に発生する傷を調査する工程と、
    前記記録媒体を搬送しレーザ露光を行い画像を形成する工程と、を含み、
    前記レーザ露光工程において前記記録媒体に対するレーザ光の入射角度を前記記録媒体の感光面に発生した傷が視認レベル以下となるように設定することを特徴とする画像形成方法。
  11. 前記レーザ光の入射角度を前記傷の深さ方向に一致しないように設定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. シート状の記録媒体の感光面に発生する傷を調査する工程と、
    前記記録媒体を搬送しレーザ露光を行い画像を形成する工程と、を含み、
    前記レーザ露光工程において前記記録媒体の感光面上に形成されるレーザ光のスポット径を前記記録媒体の感光面に発生した傷幅よりも大きく設定することを特徴とする画像形成方法。
  13. 前記記録媒体は光エネルギに増感し熱現像される熱現像感光フィルムであることを特徴とする請求項10,11または12に記載の画像形成方法。
  14. 前記熱現像感光フィルムに形成された前記傷の濃度差が所定値以下となるように前記入射角度または前記スポット径を設定することを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
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