JP2004184173A - Icテストハンドラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クランプ装置10は、固定節11から第1及び第2の回り対偶部P1,P2で連結した一対のクランク節12,13及びこれらを第3及び第4の回り対偶部P3,P4で相互連結した連接節14を備える平行リンク機構と、節13をソケット面Sへ倒す向きの旋回方向に常時付勢するためのスプリング15と、この付勢力に抗してコンタクトトランスファの昇降変位に伴い節12,13を反旋回方向に駆動する力を受けるための操作部16と、ソケット1上のIC3に離接し面Sに平行なIC離接面Fを具えて連接節14から一体的に垂下したIC押え部14aとを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テストすべきICをICテスターのソケットに移送するためのIC移送手段を備えるICテストハンドラに関し、特に、戻り動作するIC移送手段の代りに、ソケットに移送されたICを押え続けるためのICクランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般のICテストハンドラにおけるコンタクトトランスファ(IC移送手段)は、テストすべきICを保持してICテスターのソケットへ下降移送し、ICの多数端子をソケットに整合接触させ、テスト結果が判明するまでその状態を保ち、テスト結果の判明後にテスト済みICを保持して上昇復帰する。しかし、テスト所要時間が数分間を超える高集積度スタックドICなどでは、テスト工程のスループットを高めるために、コンタクトトランスファがICの多数端子をソケットに整合接触状態で捨て置いてから直ちに上昇復帰し、別のテストすべきICを取り扱うことが望まれている。斯かる場合、戻り動作するコンタクトトランスファの代りに、ソケットに移送されたICを押え続けるためのICクランプ装置を必要としている。
【0003】
このICクランプ装置としては、例えば図4に示す如く、ソケット1の脇に旋回可能に支持されてIC上面Tに対し離接するIC離接部2aを持つ梃部材2と、IC離接部2aをソケット面S側へ倒す向きの旋回方向に常時弾力付勢するための弾性手段(図示せず)とを有する構成とすることができる。なお、梃部材2と弾性手段とは板バネとして兼用可能である。コンタクトトランスファ(図示せず)がソケット1へ下降接近すると、梃部材2が弾性手段の付勢力に抗して旋回して退避するので、ソケット1上方が開放され、コンタクトトランスファによるIC3の多数端子3aのソケット1への整合接触が許容される。逆に、コンタクトトランスファがソケット1から上昇離反すると、梃部材2が弾性手段の付勢力により倒れてIC離接部2aがIC上面Tに接触するので、コンタクトトランスファの代りに、ソケット2上のIC3を押え続ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のICクランプ装置にあっては次のような不具合を有している。
【0005】
即ち、図4に示すような高集積度スタックドICなどはICパッケージの裏面に半田ボールの多数の端子3aを有しているものであるから、IC離接部2aは端子3aを直接押さえ込むことができず、ICパッケージ上面Tの一所に対して離接する必要があり、梃部材2の支点OとIC離接部2aと間にある程度の腕の長さが存在する。IC離接部2aがICパッケージ上面Tに接触し、ソケット面Sを沈み込み量だけ押さえ込む過程では、IC離接部2aの内側端が最初に点接触し、ICパッケージ上面Tを斜め下方へ押し込み続けるので、整合定置したIC3に対し横ずらし力がどうしても作用し、例えば0.5mm端子ピッチ以下のICでは端子間隔が0.2mm以下であるため、狭端子ピッチのIC3では端子接触不良等が生じ易い。
【0006】
図4に示す如く、腕の長さをr,沈み込み量をd、沈み込み過程で腕の動く角度をθとすると、以下の関係が成立している。
d=r・sinθ≒rθ …(1)
IC離接部がIC上面を摺動する軌跡長tは、
t=d・tanθ≒dθ=rθ2 …(2)
ここで、この軌跡長tはθの平方に比例しているため、横ずらし量(≦t)を抑えるべく、軌跡長tを短くするには、腕の長さrを長くしてθを僅小値に設定するのが有効である。ところが、腕の長さrを長くできる程の余裕スペースは隣接ソケット等を持つテスター側には通常残されておらず、またIC移送手段が下降する際にIC離接部2aをソケット外へ退避移動させる際の障害となる。更に、腕の長さrを長くすると、逆側腕部の長さが短くなるため、梃の原理によりIC移送手段側から付与すべき押さえ込みを解除するための作用力fを増強せざるを得ない不都合が生じる。
【0007】
図4に示すクランプ装置では、IC3の横ずらし量が0.1mmオーダーで不可避的に発生してしまう不都合が判明したため、ソケット2の両側に左右一対のクランプ装置を設け、横ずらし力を相殺する手法を採用した。しかしながら、斯かる相殺方法では、左右のクランプ装置の動作に同調性を持たせた場合でも、同調精度,部品精度、及び組み付け精度等を加味すると、完全相殺は不可能であることから、狭端子ピッチの裏面端子を持つIC3の取扱上では実用に供し難い。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、ICクランプ過程でのICの横ずらし量を抑制でき、狭端子ピッチの裏面端子を持つICでも端子接触不具合等の発生を防止できるICクランプ装置を備えたICテストハンドラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るICテストハンドラは、ICを保持しながら下降しICテスターのソケットにICの多数端子を整合接触させてから上昇復帰するIC移送手段を有し、また、IC移送手段のソケットへの下降接近に伴いソケット上方から退避してIC移送手段による多数端子の整合接触を許容し、逆に前記IC移送手段のソケットからの上昇離反に伴いIC移送手段に代りソケット上のICを押さえ込むためのICクランプ装置を備えている。
【0010】
このICクランプ装置は平行運動機構と弾性手段と操作部とIC押え部とを有する。即ち、平行運動機構は、固定節から第1及び第2の回り対偶を以って連結した一対のクランク節及びこれらを第3及び第4の回り対偶を以って相互連結した連接節を備える。弾性手段は、クランク節をソケット面へ倒す向きの旋回方向に常時弾力付勢する。操作部は、弾性手段による付勢力に抗してIC移送手段の昇降変位に伴いクランク節を反旋回方向に駆動する力を受ける。IC押え部は、ソケット上のICに離接しソケット面に平行なIC離接面を具えて連接節から一体的に垂下している。
【0011】
斯かる構成において、平行運動機構の連接節は固定接に対して常に平行移動するため、IC押え部は常に同姿勢で円弧軌跡を描き、IC離接面もソケット面に対し常に平行状態で円弧軌跡を描く。このため、ICクランプ過程ではIC離接面がソケット上のICに常に面的接触するので、斜め下方向への押さえ込み力がICに作用せず、ICの横ずらし量を抑制できる。
【0012】
ここで、IC離接面の旋回中心をソケット面の延長面上に略位置させ、IC離接面のICとの接触状態では当該IC離接面の旋回中心に対して張る角度を略零度に設定することが望ましい。IC離接面がソケット上のICを押し込み、ICが所定長だけ沈み込む過程では、IC離接面の軌跡がIC上面の法線上に略収まるため、IC上面の沿面方向の軌跡長を略零にでき、ICの横ずらし量を殆ど無くすことができる。
【0013】
操作部としては、いずれか一方のクランク節から固定節側へ張り出た腕部に回転自在に支承され、IC移送手段の一所面が当接する回転体であることが望ましい。IC移送手段の一所面が操作部に当接しながら上昇する過程ではクランク節が旋回し、操作部が横方向にも移動するが、回転体が回転するため、操作部には鉛直方向の力が印加し、平行運動機構自体には撓み等の変形が発生し難く、IC押え部の姿勢変形を招かず、このため、機構運動自体に伴う微小な横ずらし量を抑えることができる。
【0014】
なお、ICクランプ装置としては、ソケットの左側及び左側にそれぞれ設けても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明のICテストハンドラにおけるICクランプ装置の一例を示す拡大正面図、図2(a)〜(c)はそのICクランプ装置の動作順序態様を示す説明図、図3はそのICクランプ装置のIC離接面の軌跡を示す説明図である。
【0016】
本例のICテストハンドラも、IC3を保持しながら下降しICテスターのソケット1にICの多数端子3aを整合接触させてから上昇復帰するコンタクトトランスファ(図示せず)と、コンタクトトランスファのソケット1への下降接近に伴いソケット上方から退避してコンタクトトランスファによる多数端子3aの整合接触を許容し、逆にコンタクトトランスファのソケットからの上昇離反に伴いコンタクトトランスファに代りソケット上のIC3を押さえ込むためのICクランプ装置10とを備えている。
【0017】
このICクランプ装置10はベースブロック20上でソケット1の左側及び左側にそれぞれ設けられている。各ICクランプ装置10は、ソケット面Sに対して角度α(図3参照)の傾斜姿勢の固定節11から第1及び第2の回り対偶部P1,P2で連結した一対のクランク節12,13及びこれらを第3及び第4の回り対偶部P3,P4で相互連結した連接節(コンロッド)14を備える平行リンク機構と、クランク節13をソケット面Sへ倒す向きの旋回方向に常時弾力付勢するためのコイルスプリング(弾性手段)15と、このコイルスプリング15による付勢力に抗してコンタクトトランスファの昇降変位に伴いクランク節12,13を反旋回方向に駆動する力を受けるための操作部16と、ソケット1上のIC3に離接しソケット面Sに平行なIC離接面Fを具えて連接節14から角度β(=90°−α)で屈折して一体的に垂下した鉛直姿勢のIC押え部14aとを有する。なお、30はテスター基板である。
【0018】
コイルスプリング15は、下側のクランク節13の回り対偶部P4の近傍にあるスプリング掛け13aとベースブロック20のスプリング掛け20aとに掛け渡れている。
【0019】
操作部16としては、上側のクランク節12から固定節11側へ張り出た腕部に回転自在に支承され、コンタクトトランスファの一所面が当接するローラ(図示せず)である。
【0020】
そして、図3に示すように、IC離接面Fの旋回中心(例えば、IC離接面Fに含まれる点P1の旋回中心O1,点P2の旋回中心O2など)はソケット面Sの延長面上に略位置し、また、IC離接面FのIC3との接触状態では当該IC離接面Fの旋回中心に対して張る角度(立体角)が略零度に設定されている。
【0021】
図2(a)に示す如く、ICを保持したコンタクトトランスファ(図示せず)が徐々に降下してその一所面Uが操作部16に作用力f1を印圧すると、平行運動機構はコイルスプリング15の付勢力に抗して図2(b)に示す如く図示右回りに旋回し、やがて図2(c)に示す如く、ストッパー部16aが固定節11に当たるため、平行リンク機構の旋回動が停止する共に、ICがソケット上に載置される。次いでコンタクトトランスファが上昇すると、図2(b)に示す如く平行リンク機構が図示左回りに旋回し、IC離接面FがIC上面Tに接近し、更に、コンタクトトランスファが上昇すると、図2(a)に示す如く、IC離接面FがIC上面Tに接触してこれを押さえ込む。なお、作用力は、f1<f2<f3の関係にある。
【0022】
このようなICクランク装置10においては、平行リンク機構の連接節14は固定接11に対して常に平行移動するため、IC押え部14aは図3に示す如く常に垂直姿勢を維持しながら円弧軌跡を描き、IC離接面Fもソケット面Sに対し常に平行状態で円弧軌跡を描く。このため、ICクランプ過程ではIC離接面Fがソケット上のICに常に面的接触をするので、斜め下方向への押さえ込み力がICに作用せず、ICの横ずらし量を抑制できる。
【0023】
特に、図3に示す如く、IC離接面Fの旋回中心(例えば、点P1の旋回中心O1,点P2の旋回中心O2など)はソケット面Sの延長面上に略位置し、また、IC離接面FのIC3との接触状態では当該IC離接面Fの旋回中心に対して張る角度(立体角)が略零度に設定されているため、IC離接面がソケット上のICを押し込み、ICの沈み込む量dの過程では、IC離接面Fの軌跡がIC上面Tの法線上に略収まるため、IC上面Tの沿面方向の軌跡長を略零にでき、ICの横ずらし量を殆ど無くすことができる。
【0024】
更に、操作部16はローラとして構成されているため、作用力f1〜f3は常に鉛直方向の力として印加し、平行リンク機構自体には撓み等の変形が発生し難く、IC押え部14aの姿勢変形を招かない。このため、機構運動自体に伴う微小な横ずらし量を抑えることができる。
【0025】
なお、上記実施例では狭端子ピッチの裏面端子を持つICの取扱いについて説明したが、パッケージから端子がはみ出たICでも取り扱うことができ、IC離接部はIC上面に対して離接する必要がなく、はみ出し端子に対して離接するように構成することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ICクランプ過程でのICの横ずらし量を抑制でき、狭端子ピッチの裏面端子を持つICでも端子接触不具合等の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICテストハンドラにおけるクランプ装置の一例を示す拡大正面図である。
【図2】(a)〜(c)は同クランプ装置の動作順序態様を示す説明図である。
【図3】同クランプ装置のIC離節面の軌跡を示す説明図である。
【図4】ICテストハンドラにおける従来クランプ装置を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
1…ソケット
3…IC
3a…端子
10…ICクランプ装置
11…固定節
12,13…クランク節
13a,20a…スプリング掛け
14…連接節
14a…IC押え部
15…コイルスプリング
16…操作部
16a…ストッパー部
20…ベースブロック
30…テスター基板
S…ソケット面
P1…第1の回り対偶部
P2…第2の回り対偶部
P3…第3の回り対偶部
P4…第4の回り対偶部
F…IC離接面
O1,O2…旋回中心
P1,P2…IC離接面上の点
U…コンタクトトランスファの一所面
f1〜f3…作用力
d…沈み込み量
Claims (4)
- ICを保持しながら下降しICテスターのソケットに前記ICの多数端子を整合接触させてから上昇復帰するIC移送手段と、前記IC移送手段の前記ソケットへの下降接近に伴い前記ソケット上方から退避して前記IC移送手段による前記多数端子の整合接触を許容し、逆に前記IC移送手段の前記ソケットからの上昇離反に伴い前記IC移送手段に代り前記ソケット上の前記ICを押さえ込むためのICクランプ装置とを備えたICテストハンドラであって、
前記ICクランプ装置は、ソケット面に対して傾斜姿勢の固定節から第1及び第2の回り対偶を以って連結した一対のクランク節及びこれらを第3及び第4の回り対偶を以って相互連結した連接節を備える平行運動機構と、前記クランク節を前記ソケット面へ倒す向きの旋回方向に常時弾力付勢するための弾性手段と、前記弾性手段による付勢力に抗して前記IC移送手段の昇降変位に伴い前記クランク節を反旋回方向に駆動する力を受けるための操作部と、前記ソケット上の前記ICに離接し前記ソケット面に平行なIC離接面を具えて前記連接節から一体的に垂下したIC押え部とを有することを特徴とするICテストハンドラ。 - 請求項1において、前記ICクランプ装置は、前記IC離接面の旋回中心が前記ソケット面の延長面上に略位置し、前記IC離接面の前記ICとの接触状態では当該IC離接面の前記旋回中心に対して張る角度が略零度に設定されて成ることを特徴とするICテストハンドラ。
- 請求項1又は請求項2において、前記操作部は、前記いずれか一方のクランク節から前記固定節側へ張り出た腕部に回転自在に支承され、前記IC移送手段の一所面が当接する回転体であることを特徴とするICテストハンドラ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記ICクランプ装置は、前記ソケットの左側及び左側にそれぞれ具備して成ることを特徴とするICテストハンドラ。
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- 2002-12-02 JP JP2002350056A patent/JP4210105B2/ja not_active Expired - Fee Related
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