JP2004184158A - 鋼心アルミより線の接続部の良否判定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】標準比較方式を採用した相互誘導型コイル11と、この誘導出力を所定の位相で検波する位相検波回路12から構成した検出手段10を、移動手段13によりACSR1の接続部に沿って移動させ、判定回路14により位相検波出力を所定の標準値と比較し、アルミスリーブ7に対する鋼スリーブ4の長手方向位置及びその良否、アルミ巻線5の有無、及びアルミスリーブ7の圧縮状態の良否による接続不良の有無を判定する。また、アルミスリーブ7上の鋼スリーブ両端対応位置にマーカ16によってマークを付し、目視確認する。
【選択図】 図3
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、鋼心アルミより線(以下ACSRという)を鋼スリーブ及びアルミスリーブを圧縮して接続した当該接続部の施工の良否判定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ACSRは、亜鉛メッキした鋼線の周囲にアルミ線をより線状態で巻付け1本の電線としたもので、アルミ線を主導体とし、亜鉛メッキで耐腐食性を持たせた鋼線で引っ張り強度を与えている。このACSRは電気鉄道を含む送配電設備に幅広く利用され、特に電車線路のトンネル内において、電力供給用のき電線、き電吊架線及びこれらの電線が地絡事故等を起した場合に早期検出するためのAT保護線、地絡導線等に用いられる。
【0003】
このACSRは、送電線では通常300m程度毎に支持され、鉄道のき電線では、一般には50m間隔で支持し1000m毎に接続して使用される。
【0004】
ACSRの接続は次のようにして行われる。初めに図8に示すように、接続しようとするACSR1の端部のアルミより線2を切断して鋼心3を露出させる。次に図9に示すように、鋼スリーブ4に、露出させた端部の鋼心3を両側から突き合わせるように挿入し、鋼スリーブ4を油圧圧縮器等によって圧縮して、内部の鋼心3と鋼スリーブ4と密着一体化させる。さらに、図10に示すように鋼スリーブ4とアルミより線2の隙間にアルミ線5を密着巻きして埋める。この密着巻きの前に、同図に示すように、アルミ製の圧縮表示片6をアルミより線2の切断端に引っ掛けるように嵌めておく。
この圧縮表示片6は、鋼心3に嵌まる切欠孔6aを持つ円板状基部6bの両側から、アルミより線2の外側面に沿い、その長手方向に延びる一対の細い帯片6c,6cを延長形成したもので、帯片6cの端部には位置合わせ用の目印6dが印刷されている。
【0005】
次に、図11に示すように、この接続部にアルミスリーブ7を被せ、アルミスリーブ7の端縁を圧縮表示片6の目印6dに一致させ、ダイス等によって圧縮して、アルミより線2とアルミスリーブ7を密着一体化する。
【0006】
この後、図12に示すように、アルミスリーブ7の中央部の一側に形成された注入用ネジ穴7aから充填用接着剤であるジンクロメート8を内部の隙間に注入する。これは、内部の隙間をなくし、水の内部侵入を防止して腐蝕を防止すると共に、内部のガタつきをなくして機械的強度を高めるためのものである。この作業は、初めに図示しないジンクロメート入りチューブのねじ付きノズルをネジ孔7aにネジ込み、内部の隙間がなくなるまでジンクロメートを注入する。次に、閉鎖用のアルミねじ9aをネジ穴7aにねじ込み、そのつまみ9bを折り取る。これによって接続作業を終了する。
【0007】
このような手順で施工された接続部の良否判定を非破壊検査法によって実行する方法と装置が特許文献1に記載されている。この方法は、交流磁界を発生する標準比較方式の検出コイルを鞍型とし、該鞍型の内側に検出対象物である鋼心アルミより線の接続部を位置させて検出コイルを所定間隔を保って沿うように移動させ、そのとき発生する渦電流による検出コイルの出力を、所定の位相で検波して得た検波出力を標準値と比較することにより接続部の内部状態を検出し、接続部の良否判定を行うものである。
この方法では、測定した鋼スリーブの両端の位置が、アルミスリーブ上に目視可能にマーキングされることがないので、接続部における実際の鋼スリーブの両端位置を容易に知ることができないという問題点がある。
【特許文献1】特開2000−304727号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はACSR接続工事後に、非破壊検査法によって、アルミスリーブ内の接続状態の良、不良を検出でき、検知した鋼スリーブの両端の位置をアルミスリーブ上に目視可能にマーキングすることができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1にかかる鋼心アルミより線の接続部の良否判定方法は、接続しようとする鋼心アルミより線の各端部の鋼心を、外周のアルミより線を切断除去して露出させ、この鋼心を鋼スリーブ内に突き合わせ挿入し、鋼スリーブを圧縮することにより鋼心同士を接続し、さらに、前記鋼スリーブの外周に、両側のアルミより線の外周に延びるようにアルミスリーブを嵌め、アルミスリーブを圧縮してアルミより線同士を接続した鋼心アルミより線の接続部の良否を判定する方法であって、交流磁界を発生する標準比較方式の検出コイルとエンコーダを検出対象物である鋼心アルミより線に沿うように移動させ、前記エンコーダで移動距離を計測し、かつ移動時に発生する渦電流による検出コイルの出力を、所定の位相で検波して得た検波出力を標準値と比較することにより接続部の内部状態を検出すると共に、検波出力の鋼スリーブ位置に対応するほぼ台形状波形における立ち上がりの終点付近及び立ち下がりの始点付近を検知して鋼スリーブの両端位置を検出し、この検出信号とエンコーダの移動距離信号に基づいて、アルミスリーブ上の鋼スリーブの両端対応位置でマーカを起動させ、アルミスリーブ上にマークを付して、接続部の良否判定を行うことを特徴とする。
【0010】
上記本発明方法は、標準比較方式の渦電流探傷試験法を応用し、鋼心アルミより線の接続状態を検出する。標準比較方式は、検出対象物に交流磁界を作用させ、そのとき発生する渦電流による誘導出力を所定の位相で検波し、これと同じ条件で、標準物を検出したときの検波出力とを比較して、検出対象物の状態を観測するもので、高い検出精度が得られるという特長を持つ。上記所定の位相で検波するとは、検波位相を固定することを意味し、これによって検出回路を簡素化することができる。この位相は、例えばアルミスリーブ内の鋼スリーブに対して最大感度となる位相を用いる。また検波出力の台形状波形から鋼スリーブの両端位置を検知してエンコーダからの距離情報と併せて、アルミスリーブ上でマーカを起動させ、鋼スリーブの両端対応位置にマークを付す。これで目視による良否判定も可能となる。
【0011】
本発明の請求項2にかかる発明は、上記請求項1の方法を装置として具体化したもので、交流磁界を発生する標準比較方式の鞍型検出コイルと、この検出コイルに隣接して設けられたマーカ駆動手段及びこの駆動手段の動作時にアルミスリーブ上にマークを付すマーカと、鞍型検出コイルの内側に検出対象物である鋼心アルミより線の接続部を位置させて検出コイルを所定間隔を保って沿うように移動させる移動手段と、移動距離を計測するエンコーダと、移動時に発生する渦電流による検出コイルの出力を所定の位相で検波する検波回路と、この検波出力を標準値と比較することにより接続部の内部状態を検出し、接続部の良否を判定する判定回路と、検波回路の検波出力を受け、その出力における鋼スリーブの位置に対応するほぼ台形状波形の立ち上がりの終点付近及び立ち下がりの始点付近を検知して鋼スリーブの両端位置を検出し、前記エンコーダの移動距離信号に基づいて、前記アルミスリーブ上の鋼スリーブの両端対応位置でマーカを起動させるマーキング処理回路とを具備する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における検出原理を説明する。例えば、図1に示すように、鋼心アルミより線1に対し検出位置をA,B,Cと変え、位相を変化させて、最大出力が得られる位相と、そのときの電圧振幅を調べ、二次平面に示すと図2に示すようになる。図2(a)は一次コイルの励磁周波数が低い場合、図2(b)は励磁周波数が高い場合である。同図において、a1はアルミスリーブ7を介して鋼スリーブ4を測定した値、b1はアルミスリーブ7を介してアルミより線2を測定した値、c1はアルミスリーブ7を介してアルミ巻線5を測定した値である。
【0013】
また、アルミスリーブ7が圧縮不良のため、鋼心アルミより線の接続部との間に隙間がある場合に、上記A,B,Cの位置で同様に位相検波したときの出力は、a2,b2,c2となる。さらに、アルミスリーブ7の圧縮は正常であるがアルミ巻線が巻かれていない鋼スリーブ4とアルミより線2の隙間の位置を位相検波したときの出力はc3となる。
【0014】
図2(a)(b)は励磁周波数が異なるので、最大出力が得られる検波位相は異なるが、アルミスリーブ7とその内部の接続部との間に隙間があると、最大出力が得られる位相が、ずれることがわかる。隙間の有無に拘らず、アルミスリーブを介して鋼スリーブ4を測定した値a1,a2と、アルミスリーブを介してアルミより線2を測定した値b1,b2と、アルミスリーブ7を介してアルミ巻線5を測定した値c1,c2とは振幅が明確に異なる。アルミ巻線5が巻かれていない鋼スリーブ4とアルミより線2の隙間を位相検波したときの出力c3は、(a)のときは振幅が他の部分と明確に異なるが、位相の変化は少ない。(b)のときは位相が明確に異なるが、振幅の変化は少ない。この結果より、振幅を検出するときと、位相を検出するときで、夫々に適した励磁周波数があることがわかる。
【0015】
そこで、励磁周波数を適当な値に選定して、アルミスリーブ7が正常に圧縮・固定された鋼心アルミより線に対し、線径の異なるもの毎に、予め上記a1,b1,c1,c3を測定し、夫々の値を標準値として記録しておく。そして、検出コイルを、試験対象物である鋼心アルミより線接続部のアルミスリーブに沿って移動させ、検波位相を変化させて、最大出力が得られるときの位相と振幅を調べ、これを標準値と比較する。例えば、振幅の比較によってアルミスリーブ7に対する鋼スリーブ4の両端位置を決定し、その位置の良否判定を行うと同時に、アルミ巻線5の有無を判定することができる。また、位相の比較によって、アルミスリーブ7の圧縮の良否による接続不良の有無も判定することができる。
【0016】
上記方法は、検波位相を変化させるものを示したが、標準値と振幅比較だけを行う場合は、検波位相を固定することにより、検波回路及び判定回路の構成を簡素化し、低コスト化が可能になる。
【0017】
この固定された検波位相は、例えばアルミスリーブ7内の鋼スリーブ4の検出感度が最大になる位相とする。このとき、図2(c)に示すように、空芯の検出出力を原点Oに取り、この原点Oからa1に延ばしたベクトルTが、アルミスリーブ内の鋼スリーブに対して最大感度となる位相検波出力となる。このとき、この位相で、アルミスリーブ内のアルミより線2、アルミスリーブ内のアルミ巻線5、巻き忘れたアルミ巻線5の位置を測定すると、その位相検波出力は、夫々、前記b1点,c1点,c3点のベクトルTへの射影となり、この振幅のみで、各部分の識別が可能である。
【0018】
図3に本発明方法を実施する装置の一実施形態を示す。図3において、10は検出手段で、相互誘導型コイル11と位相検波回路12から構成される。13は移動手段で、検出手段10を鋼心アルミより線接続部のアルミスリーブ7に所定間隔を保って沿うように移動させる。14は判定回路で、所定のしきい値によって、検出手段10の出力から、鋼スリーブの長手方向位置及びその良否判定、アルミスリーブ内のアルミ巻線の有無判定、及びアルミスリーブ7の圧縮の良否による接続不良の有無判定を行う。
【0019】
上記相互誘導型コイル11は、例えば図5に示した構成のものを使用する。このコイルは、例えば、図6(a)に示すように、各コイルL1,L2,L3,L4の夫々を長径と短径の比が大きい長円形状に巻回形成した後に重ね、さらに図6(b)に示すように、コイルL2,L4を、鋼心アルミより線を所定間隔を保って囲むように、逆U字状に屈曲した鞍型に組立られる。空心状態に保たれるコイルL1,L3も、コイルL2,L4と同一構造にする。なお、図6(c)は、0点調整のため、コイルL1,L3と、コイルL2,L4の双方を空心状態にしたものを示す。このような巻回構造は、鋼心アルミより線を全周から励磁して感度を向上するためのもので、この実施形態は、相互誘導型コイル11を採用しているので、自己誘導型コイルを使用した場合に比べ安定した精度の高い検査が可能である。
【0020】
コイル巻き構造は、図6(d)に示すような平面型の構造としても良い。これは、径が比較的小さい鋼心アルミより線の接続部の試験をするのに適した構造である。
【0021】
上記検出コイルは、2次コイルL3,L4に可変抵抗器R1,R2をブリッジ接続し、各対を空心状態に保って0点調整を行っておく。重ねて巻いた他方の対L2,L4を検出対象物(又は標準物)に対向させ、重ねて巻いた一方の対L1,L3を空心状態に保ち、低周波(1Hz 〜10KHz )の交流電源から1次コイルL1,L2に通電して、検出対象物を励磁して渦電流を発生させ、2次コイルL3,L4に現われる誘導出力の差分を取り出し、所定の位相で位相検波する。この検波出力は、標準物を測定したとき得られた検波出力と比較することにより、検出対象物の状態を検出できる。
【0022】
なお、この標準比較方式の検出コイルは、この他に図7に示すような自己誘導型コイルを採用することもできる。これは、1つのコイルで励磁と誘導の両作用を行なわせるもので、空心状態に保たれるコイルL5と、検出対象物(標準物)に対向させるコイルL6を用いる。このコイルL5,L6には、可変抵抗器R3,R4を接続してブリッジを構成し、低周波交流電源から低周波電圧を加える。両コイルを空心状態に保ち、可変抵抗器R3,R4によって0点調整をした後に、一方のコイルL6に検出対象物を対向させて測定を行なうと、対向する物質の相違によりインピーダンスの不均衡が生じ、これが電圧として取り出される。この電圧を所定の位相で位相検波し、標準物を測定して得た検波出力と比較して検出対象物の状態を検出することができる。
【0023】
この相互誘導型コイル11には、検出範囲のACSRの鋼材部分を磁気飽和させることにより、非磁性体材料であるアルミと同一条件で渦電流による検出を行うために、図示しない磁気飽和装置を併設する場合がある。
【0024】
位相検波回路12は、位相回路12aと検波回路12bから構成され、2次コイルL3,L4に発生する誘導出力の差分を、検波位相を固定する場合は、例えばアルミスリーブ内の鋼スリーブを検出したとき最大出力が得られる位相で検波する。また、検波位相を変化させる場合は、予め設定した角度範囲内で検波位相を変化させる。
【0025】
移動手段13は、鋼心アルミより線1との間隔を一定に保つためのガイドローラを持ち、例えば作業員によってアルミスリーブ7の一端から他端に移動させられる。この移動手段13に、移動距離を表わす信号を発生するエンコーダ15を取り付け、この信号を鋼心アルミより線接続部の検出位置を特定するための基準信号として用いる。また移動手段13に、アルミスリーブ7上の鋼スリーブの両端対応位置にマークを付すためのマーカ16及びその駆動手段17を取り付ける。
【0026】
判定回路14は、位相検波回路12の出力を、所定のしきい値と比較し、前記移動手段13の出力する基準信号に基づいて、アルミスリーブに対する鋼スリーブ4の長手方向位置及びその良否判定と、アルミ巻線5の有無判定、及びアルミスリーブ7の圧縮の良否による接続不良の有無判定を行う。
【0027】
判定回路14によるアルミスリーブ7に対する鋼スリーブ4の長手方向位置及びその良否判定、アルミ巻線5の有無判定は、図1及び図2(c)に示すようにアルミスリーブ7の各部位で得られた検波出力の振幅を標準値と比較することにより、鋼スリーブ4の両端位置を特定して行われる。
【0028】
判定回路14によるアルミスリーブ7の圧縮の良否判定は、検波位相を変化させたときの最大出力が得られる位相が、例えば図2(c)に示すように変化することを利用し、この位相変動の大きさから良否判定を行う。この位相比較は、アルミスリーブの各部位の測定値に対して行うこともできるが、例えば、鋼スリーブの検波出力a1,a2のみを用いて行うこともできる。
【0029】
これら判定出力は、単なる良否判定の他に、検波出力値としても出力・表示され、必要に応じ記録計に記録される構成とすることができる。
【0030】
マーキング処理回路18は、位相検波回路12からの出力とエンコーダ15の出力から、マーカ16がアルミスリーブ7上の鋼スリーブ両端対応位置に到達したことを検知して、マーカ駆動手段17に駆動信号を送出する。マーカ16は、鋼スリーブ両端対応位置で動作して、アルミスリーブ7上にマークを付す。このマークを作業員が目視確認して鋼スリーブの位置の適否を判定することができる。
即ち、検出コイル11を接続部に沿って移動させたときの検波回路12の出力波形は、図4(a)に示すとおり、アルミより線2の部分でほぼ出力0であり、その端部から全体として傾斜しながら立ち上がり、鋼スリーブの先端においてほぼ最高出力P0に達した後、これを維持し、後端において傾斜しながら先端部分とほぼ対称に立ち下がる。この波形を拡大すると図4(b)に示すとおりであり、高周波部分が含まれている。マーキング処理回路18は、エンコーダ15の出力を利用して、移動距離1mm毎の検波出力のサンプリングを行いながら、次式の要領で部分的な変動分を判別する。
(1)Pi/P0<1・・・・(a) Pi/P0=1・・・・(b)
(2)(a)であればサンプリング区間をスムージングして図4(c)に示す台形の波形を得る。この波形の10mm毎の傾きを計算し、傾きが0から斜辺に至って正の値になり、上底に至って再び0になった箇所M1を第1のマーク点とし、他方の斜辺に至って負の値になった箇所M2を第2のマーク点として検出する。マーカ16は移動方向に対して測定位置より所定距離後方に配置されているので、マーキング処理回路18は、マーク点から所定距離進んだ位置でマーカ駆動手段17に動作信号を発する。これによりマーカ16が起動してアルミスリーブ7上に、鋼スリーブ4の両端位置を示すマークを付す。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1にかかる発明は、標準比較方式によって、所定の検波位相で鋼心アルミより線の接続部におけるアルミスリーブに対する鋼スリーブの位置の検出を、非破壊検査法によって精度高く行うことができ、施工状態の悪い接続部をマークにより目視確認できるという効果を有する。
【0032】
本発明の請求項2にかかる発明は、上記請求項1の方法を装置として具体化したもので、この構成によって、具体的な検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって鋼心アルミより線の接続部を検査する場合の検出位置と、その位相検波出力の標準値を示す図である。
【図2】鋼心アルミより線の接続部を位相検波したとき、最大出力が得られる位相と電圧振幅を、2次元電圧平面に表した図である。
【図3】本発明装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明によって鋼心アルミより線の接続部を検査する場合の検出位置と、その位相検波出力及びマーキング処理回路の動作を示す図である。
【図5】標準比較方式の相互誘導コイルの例を示す図である。
【図6】図4のコイル構造を説明する図である。
【図7】標準比較方式の自己誘導コイルの例を示す図である。
【図8】端部のアルミより線を切断除去した鋼心アルミより線を示す図である。
【図9】鋼スリーブによる鋼心の接続を説明する図である。
【図10】鋼スリーブによって接続された鋼心アルミより線において、鋼スリーブの両側にアルミ線を巻いた状態を示す図である。
【図11】本発明の試験対象とする鋼心アルミより線の接続部の断面図である。
【図12】鋼心アルミより線の接続部の内部の隙間に接着剤を注入する方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 鋼心アルミより線(ACSR)
2 アルミより線
3 鋼心
4 鋼スリーブ
5 アルミ巻線
7 アルミスリーブ
10 検出手段
11 相互誘導型コイル
12 位相検波回路
13 移動手段
14 判定回路
15 エンコーダ
16 マーカ
17 マーカ駆動手段
18 マーキング処理回路
a1:アルミスリーブ内の鋼スリーブの位相検波出力(正常圧縮)
a2:アルミスリーブ内の鋼スリーブの位相検波出力(圧縮不十分)
b1:アルミスリーブ内のアルミより線の位相検波出力(正常圧縮)
b2:アルミスリーブ内のアルミより線の位相検波出力(圧縮不十分)
c1:アルミスリーブ内のアルミ巻線の位相検波出力(正常圧縮)
c2:アルミスリーブ内のアルミ巻線の位相検波出力(圧縮不十分)
c3:巻き忘れたアルミ巻線位置の位相検波出力
Claims (2)
- 接続しようとする鋼心アルミより線の各端部の鋼心を、外周のアルミより線を切断除去して露出させ、この鋼心を鋼スリーブ内に突き合わせ挿入し、鋼スリーブを圧縮することにより鋼心同士を接続し、さらに、前記鋼スリーブの外周に、両側のアルミより線の外周に延びるようにアルミスリーブを嵌め、アルミスリーブを圧縮してアルミより線同士を接続した鋼心アルミより線の接続部の良否を判定する方法であって、交流磁界を発生する標準比較方式の検出コイルとエンコーダを検出対象物である鋼心アルミより線に沿うように移動させ、前記エンコーダで移動距離を計測し、かつ移動時に発生する渦電流による検出コイルの出力を、所定の位相で検波して得た検波出力を標準値と比較することにより接続部の内部状態を検出すると共に、前記検波出力の鋼スリーブ位置に対応するほぼ台形状波形における立ち上がりの終点付近及び立ち下がりの始点付近を検知して鋼スリーブの両端位置を検出し、この検出信号と前記エンコーダの移動距離信号に基づいて、前記アルミスリーブ上の鋼スリーブの両端対応位置でマーカを起動させ、アルミスリーブ上にマークを付して接続部の良否判定を行うことを特徴とする鋼心アルミより線の接続部の良否判定方法。
- 接続しようとする鋼心アルミより線の各端部の鋼心を、外周のアルミより線を切断除去することにより露出させ、この鋼心を鋼スリーブ内に突き合わせ挿入し、鋼スリーブを圧縮することにより鋼心同士を接続し、さらに、前記鋼スリーブの外周に、両側のアルミより線の外周に延びるようにアルミスリーブを嵌め、アルミスリーブを圧縮してアルミより線を接続した鋼心アルミより線の接続部の良否を判定する装置であって、 交流磁界を発生する標準比較方式の検出コイルと、この検出コイルに隣接して設けられたマーカ駆動手段及びマーカ駆動手段の動作時にアルミスリーブ上にマークを付すマーカと、前記検出コイルの内側に検出対象物である鋼心アルミより線の接続部を位置させて検出コイルを所定間隔を保って沿うように移動させる移動手段と、移動距離を計測するエンコーダと、移動時に発生する渦電流による検出コイルの出力を所定の位相で検波する検波回路と、検波回路の出力を標準値と比較することによって接続部の内部状態を検出し接続部の良否判定を行う判定回路と、前記検波回路の出力を受け、その出力における鋼スリーブの位置に対応するほぼ台形状波形の立ち上がりの終点付近及び立ち下がりの始点付近を検知して鋼スリーブの両端位置を検出し、前記エンコーダの移動距離信号に基づいて、前記アルミスリーブ上の鋼スリーブの両端対応位置でマーカを起動させるマーキング処理回路とを具備したことを特徴とする鋼心アルミより線の接続部の良否判定装置。
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