JP2017090185A - 渦電流探傷プローブ及び渦電流探傷装置 - Google Patents

渦電流探傷プローブ及び渦電流探傷装置 Download PDF

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平田 勝弘
Katsuhiro Hirata
勝弘 平田
昇 新口
Noboru Niiguchi
昇 新口
覚 蓬莱
Satoru Horai
覚 蓬莱
孝敏 越智
Takatoshi Ochi
孝敏 越智
靖史 井戸本
Yasushi Idomoto
靖史 井戸本
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Abstract

【課題】本発明は、探傷精度を高めると共に探傷深さを深くすることができ、小型化を達成できる渦電流探傷プローブ及びこれを具えた渦電流探傷装置を提供する。【解決手段】本発明に係る渦電流探傷プローブ10は、磁性材料からなり、先端が同方向に突出する第1脚部22及び第2脚部24と、前記第1脚部と前記第2脚部を磁気的に接続する連繋部26と、前記連繋部から前記第1脚部及び前記第2脚部と同方向に突出するとともに、前記第1脚部と前記第2脚部の間に形成されるティース部28とを含むコア20と、前記ティース部に対して前記第1脚部側に巻回される第1励磁コイル30と、前記ティース部に対して前記第2脚部側に巻回される第2励磁コイル32と、前記ティース部に巻回される検知コイル34と、を具える。【選択図】図5

Description

本発明は、磁性材料を含む管体などの被検部材を非破壊で検査する渦電流探傷装置用の渦電流探傷プローブに関するものであり、より具体的には、探傷精度を高め、小型化を達成することのできる渦電流探傷プローブ及びこれを具えた渦電流探傷装置に関するものである。
磁性材料を含む被検部材の欠陥を非破壊で検査する方法として、渦電流探傷法が知られている。渦電流探傷法では、1つの励磁コイルを巻回したコ字状のコアとコアの脚部間に被検部材に接近するよう配置された磁気センサとを具えるプローブが用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1では、被検部材上でプローブを走査させしながら、励磁コイルに直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加して被検部材を通る磁気回路を形成する。そして、被検部材を通過する磁束に接近して磁気センサを配置し、被検部材に存する欠陥に起因して生ずる漏洩磁束と被検部材に生ずる渦電流の変化を磁気センサによって検出している。
特開2013−160739号公報
たとえば地中に埋設された水道管は、外面は地中に接しているため検査は内面から行なわなければならない一方、その内面には非磁性材料からなるモルタル等のライニングが施されている。従って、磁気センサを水道管の内面に接近した状態で走査しても、この非磁性材料部分がエアギャップとなって漏洩磁束や渦電流が減衰し、検出を難しくする問題があった。
また、水道管などの管体の検査では、水道管に連繋された空気弁からプローブを挿入し、水道管の内周方向及び長さ方向にプローブを走査させる必要がある。従って、プローブの大きさは、空気弁の内径や水道管の直径に制約を受けるから、プローブの小型化且つ高性能化が求められている。
本発明は、探傷精度を高めると共に探傷深さを深くすることができ、小型化を達成できる渦電流探傷プローブ及びこれを具えた渦電流探傷装置を提供することを目的とする。
本発明に係る渦電流探傷プローブは、
磁性材料からなり、先端が同方向に突出する第1脚部及び第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部を磁気的に接続する連繋部と、前記連繋部から前記第1脚部及び前記第2脚部と同方向に突出するとともに、前記第1脚部と前記第2脚部の間に形成されるティース部とを含むコアと、
前記ティース部に対して前記第1脚部側に巻回される第1励磁コイルと、
前記ティース部に対して前記第2脚部側に巻回される第2励磁コイルと、
前記ティース部に巻回される検知コイルと、
を具える。
前記コアの長さLと前記ティース部の長さL1は、L>L1であることが望ましい。
前記ティース部は、前記コアの長さ方向中央に形成することができる。
前記ティース部は、前記コアの長さ方向に所定間隔を存して複数形成され、
各ティース部に前記検知コイルが巻回される構成とすることができる。
前記ティース部は、前記コアの長さ方向の両端から離れた位置に形成することができる。
前記ティース部は、先端が幅方向に拡大した拡大部を有しており、
前記検知コイルは、前記連繋部と前記拡大部との間に巻回することができる。
前記第1励磁コイルは、前記第1脚部と前記ティース部との間の連繋部に巻回され、
前記第2励磁コイルは、前記第1脚部と前記ティース部との間の連繋部に巻回することができる。
前記コアは、電磁鋼板を長さ方向に複数積層して構成され、前記電磁鋼板は、前記第1脚部、前記連繋部及び前記第2脚部の形成された第1電磁鋼板と、前記第1脚部、前記連繋部、前記第2脚部及び前記ティース部の形成された第2電磁鋼板を含んでおり、
前記ティース部の突設されている部分は、前記第2電磁鋼板を積層して構成され、それ以外は前記第1電磁鋼板を積層して構成することができる。
前記第1脚部、前記第2脚部及び前記ティース部の少なくとも何れか1つの先端は、被検部材となる管体の内面形状に合わせた円弧形状とすることができる。
また、本発明の渦電流探傷装置は、
上記記載の渦電流探傷プローブと、
前記第1励磁コイル及び前記第2励磁コイルに直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を同方向、同位相で印加する電源部と、
前記検知コイルに生ずる前記第1励磁コイルと前記第2励磁コイルの誘起電圧差分を検出する検出部と、
を具える。
上記記載の渦電流探傷装置は、管体に挿入される管調査装置であって、
前記管調査装置は、調査装置本体から管体の内面に向けて伸縮するアームを有し、
前記アームの先端に前記渦電流探傷プローブを具える構成とすることができる。
本発明の渦電流探傷プローブによれば、2つの励磁コイルによって被検部材に形成される磁気領域中に、コアに磁気的に接続されたティース部を配置している。そして、ティース部を通過する磁束を、ティース部に巻回された検知コイルによって直接検出するようにしているから、検出精度の向上を図ることができる。
また、本発明では、励磁コイルを2つとしているから、各々の励磁コイルを小型化して励磁コイルに生ずる抵抗の影響を小さくすることができ、渦電流探傷プローブの小型化を達成できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る渦電流探傷プローブを装着した管調査装置の断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る渦電流探傷プローブの斜視図である。 図3は、コアの斜視図であって、一部を破断して示している。 図4は、コアのティース部を通る長さ方向に沿う渦電流探傷プローブの断面図である。 図5は、コアのティース部を通る幅方向に沿う渦電流探傷プローブの断面図である。 図6は、コアを電磁鋼板の積層体により製作する要領を説明する図であって、図6(a)は第1電磁鋼板、図6(b)は第2電磁鋼板、図6(c)は渦電流探傷プローブの長さ方向に沿う断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る渦電流探傷装置の回路図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る渦電流探傷装置における渦電流探傷プローブの検出原理を示す説明図である。 図9は、図8に続く説明図である。 図10は、図9の状態における被検部材表面の磁束の流れを説明する図である。 図11は、図9に続く説明図である。 図12は、ティース部を複数形成した渦電流探傷プローブの実施形態を示す断面図である。 図13は、実施例1の測定結果を示すグラフである。 図14は、実施例2に用いた渦電流探傷プローブ(コアのみ図示)の底面図である。 図15は、実施例2の第1ティース部の測定結果を示すグラフである。 図16は、実施例2の第2ティース部の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、図1に示すように、被検部材50は、内面にセメントモルタルライニング54の施された水道管52を例示するが、被検部材50はこれに限定されるものではない。
まず、本発明の渦電流探傷プローブ10の使用例について説明する。図1は、渦電流探傷プローブ10を装着した渦電流探傷装置12の一実施形態である管調査装置60の断面図である。図に示すように、管調査装置60は、調査装置本体61から水道管52の内面に向けて回動及び伸縮するアーム62の先端に装着される。管調査装置60は、たとえば空気弁(図示せず)から水道管52に挿入され、前方の空気弁と後方の空気弁間でワイヤ64によって牽引することで、水道管52内を回転しながら進行可能となっている。
渦電流探傷プローブ10は、アーム62に回動可能に支持されており、アーム62を展開した状態で渦電流探傷プローブ10が水道管52の内面に当接し、ワイヤ64の牽引により水道管52の内面を走査する。なお、図示の管調査装置60は、一例であり、その構成等は本発明を限定するものではない。
本発明の渦電流探傷プローブ10の概要とその検出原理を簡単に説明する。詳細な説明は後述する。
本発明の一実施形態に係る渦電流探傷プローブ10を図2乃至図5に示す。渦電流探傷プローブ10は、磁性材料からなるコア20に励磁コイル30,32、ティース部28に検知コイル34(図4及び図5)を直接巻回して構成することができる。なお、図では、渦電流探傷プローブ10の要部構成のみを示し、管調査装置60への取付構造や渦電流探傷プローブ10に必要に応じて設けられるカバー等は省略している。また、図3では励磁コイル30,32は図示していない。
コア20は、図3乃至図5に示すように、先端が同方向に突出する第1脚部22と第2脚部24を連繋部26によって磁気的に接続している。コア20の第1脚部22と第2脚部24との間には、連繋部26から脚部22,24と同方向にティース部28が磁気的に接続された状態で突設されている。
励磁コイル30,32と検知コイル34は、図7に示すような回路に組み込まれ、各励磁コイル30,32に電圧を印加することで、励磁コイル30,32を流れる電流により磁界を形成し、図5及び図8に示すように、磁束H1と磁束H2を発生させる。これら磁束H1,H2は、コア20と被検部材50(図示せず)を周回し、連繋部26に対して同方向に流れる磁束H(図9)を形成する。
励磁コイル30,32に大きな直流電圧と微小振幅の高周波交流電圧を重畳させて印加することで、コア20には、図9に示すように、大きな直流磁界と交流磁界が重畳した磁束Hが生じる。その結果、この大きな直流磁界によって第1脚部22と第2脚部24との間の被検部材50には、後述する図10に符号αで示すように、磁気飽和領域が形成される。
一方、この磁気飽和領域αと対向する範囲にコア20と磁気的に接続されたティース部28が配置されている。当該箇所では、直流磁化によって被検部材50が磁気飽和している。このため、被検部材50の透磁率が低くなり、被検部材50を通過する磁束Hを構成する磁束H1,H2の一部が、磁気抵抗の低いティース部28を通過することになる。そして、ティース部28を流れる磁束H1,H2の差分の磁束H’によって生ずる渦電流が、検知コイル34に誘起電圧を発生させ、検知コイル34にてその電圧値を測定することで、被検部材50の欠陥の有無とその位置を特定する。
以下、渦電流探傷プローブ10の具体的実施形態について説明する。
まず、コア20について説明する。
コア20は、磁性材料から形成する。コア20に採用される磁性材料は、被検部材50よりも最大透磁率μの高い材料とすることが望ましい。コア20の磁性材料として、被検部材50よりも最大透磁率μが70000H/m以上高い材料や、最大透磁率μが被検部材50の10000%以上である材料を例示できる。コア20に好適な磁性材料として、電磁鋼板や軟磁性粉末材料等を挙げることができる。
コア20は、図2乃至図5に示すように、同方向に突出する第1脚部22及び第2脚部24が連繋部26によって接続された外観視略コ字状形状を例示できる。第1脚部22と第2脚部24は、コア20の長さ方向の全長に亘って設けることができ、望ましくは、コア20は断面対称形状となるように構成する。
コア20の全体形状として、図3に示すように励磁コイル30,32の巻回方向(図中矢印βで示す)に沿うコア20の長さをL、幅をWとしたときに、L>Wとすることが望ましく、L>2Wとすることがさらに望ましい。Lを長く採ることで、後述する磁気飽和領域αは励磁コイル30,32の巻回方向βを長くなるから、ティース部28を確実に磁気飽和領域αに対向させることができる。また、Wを短くすることで、第1脚部22と第2脚部24との間隔を狭めることができ、被検部材50中の磁束の通過距離を短くして磁束の減衰を防止できる。
ティース部28は、上記したとおり、第1脚部22と第2脚部24との間の連繋部から突設される。ティース部28は、コア20の長さ方向全長に亘って設けるのではなく、図3に示すように、コア20の長さをL、ティース部28の長さをL1としたときにL>L1となるように構成することが好適である。また、ティース部はコアの長さ方向の両端から離れた位置に形成されることが好適である。これは、ティース部28を磁気飽和領域α内に位置させて、被検部材50からティース部28又はティース部28から被検部材50に磁束H1,H2を好適に通過させるためである。L1は、検出したい欠陥Fの最小の大きさと同程度の長さとすることがより望ましい。
なお、ティース部28をコア20に1つのみ設ける場合には、図3及び図4に示すように、ティース部28は、コア20の長さ方向の略中央に形成することが好適である。ティース部28をコア20の両端から離して磁気飽和領域α内に確実に位置させるためである。一方、ティース部28を複数設ける場合については、図12を参照して後で説明するがこの場合であっても、コア20の長さ方向の両端にはティース部28を設けず、コア20の両端から離し、第1脚部22と第2脚部24との間に形成される磁気飽和領域α内にティース部28がすべて位置するようにし、漏れ磁束の影響を低減することが望ましい。
ティース部28は、図3及び図5に示すように、先端が幅方向に拡大した拡大部29を有する形状とすることが望ましい。拡大部29を形成することで、被検部材50との対向面積を大きくできるから、ティース部28から被検部材50又は被検部材50からティース部28に侵入する磁束を増大させることができる。また、ティース部28は、連繋部26と拡大部29との間を細径化できるから、通過する磁束の密度を高めることができ、検知コイル34による検知精度を向上させることができる。さらに、ティース部28を細径化することで、ティース部28と第1脚部22、第2脚部24の間隔を広げることができるから、励磁コイル30,32の巻回できるスペースを大きく採ることができる利点もある。
なお、第1脚部22、第2脚部24及びティース部28は、被検部材50にできる限り接近し、被検部材50との間に不要なギャップが形成されないことが望ましい。従って、被検部材50が水道管52のように円環状である場合、第1脚部22、第2脚部24及びティース部28は、被検部材50の内面形状に合わせて、図5に示すように、先端を円弧状に加工することが好適である。なお、これらの形状や曲率は、被検部材50に適宜合わせて決定すればよい。
コア20の作製方法として、図6に示すように、形状の異なる2種類の電磁鋼板70,72を積層する方法を例示できる。図6(a)は、連繋部26から第1脚部22と第2脚部24が同方向に突出するよう打ち抜かれた第1電磁鋼板70であり、図6(b)は、第1脚部22と第2脚部24との間にティース部28が突出するよう打ち抜かれた第2電磁鋼板72である。そして、図6(c)に示すように、ティース部28を形成する部分L1には、第2電磁鋼板72を積層し、それ以外の部分は、第1電磁鋼板70を積層すればよい。電磁鋼板70,72どうしは夫々接着、圧着、かしめ等によって接合できる。このようにコア20を作製することにより、コア20の長さLやティース部28の長さL1、さらにはティース部28の数、間隔を自在に調整することができる。なお、コア20は、磁性材料粉末の圧粉成形等、他の方法によっても形成できることは勿論である。
続いて、励磁コイル30,32及び検知コイル34について説明する。励磁コイル30,32及び検知コイル34は、導電線を絶縁被覆した線材を巻回して構成できる。
第1脚部22とこれに連続する連繋部26(以下「第1脚部側」と称する)には、図3の矢印β方向に沿って図2、図4及び図5に示すように、第1励磁コイル30が巻回される。また、第2脚部24とこれに連続する連繋部26(以下「第2脚部側」と称する)には、第2励磁コイル32が巻回される。また、ティース部28には検知コイル34が直接巻回される。
第1励磁コイル30は、第1脚部側の連繋部26のみに巻回し、第2励磁コイル32は、第2脚部側の連繋部26のみに巻回することが好適である。これにより、渦電流探傷プローブ10の高さは高くなるが、幅を狭くすることができ、水道管52の渦電流探傷において、空気弁を通過できるサイズとすることができる。
そして、第1励磁コイル30と第2励磁コイル32には、同方向に電流が流れるように電圧を印加し、第1励磁コイル30によって第1脚部22に発生する磁束H1と、第2励磁コイル32によって第2脚部24に発生する磁束H2が、ティース部28では同じ大きさで逆向きに通過するように電圧を設定する。
その結果、第1励磁コイル30は、印加された電圧により第1脚部側に図5及び図8に示すように磁束H1が発生する。また、第2励磁コイル32は、印加された電圧により第2脚部側に図5に示すように磁束H2が発生する。励磁コイル30,32によって発生した磁束H1,H2は合成されて磁束H(図9参照)となり、第1脚部22から被検部材50、第2脚部24及び連繋部26を通って同方向に周回し、被検部材50には、磁気飽和した磁気飽和領域α(図10参照)が形成される。
磁束H1は、被検部材50がティース部28と対向している位置、磁束H2は、連繋部26からティース部28が分岐している位置で、夫々一部がティース部28に流入する。そのティース部28に流入する磁束H1と磁束H2の差分H’(図11参照)を次に説明する検知コイル34で検知する。
検知コイル34は、ティース部28に直接巻回され、ティース部28に生ずる磁束の変化によって検知コイル34に生ずる誘起電圧、すなわち、第1励磁コイル30と第2励磁コイルの誘起電圧の差分を直接検出するコイルである。検知コイル34は、ティース部28に拡大部29を設けている場合には、連繋部26と拡大部29の間に巻回する。検知コイル34は、上記した励磁コイル30,32に比べて線径の細い材料を採用することで、その検知精度を高めることができる。
励磁コイル30,32と検知コイル34は、図7に示すような回路に接続されて、渦電流探傷装置12が構成される。励磁コイル30,32は夫々、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加可能な電源部であるバイポーラ電源40に抵抗42を介して接続される。バイポーラ電源40は、発振器44に接続され、重畳電圧の交流波形の位相が一致するように調整する。また、バイポーラ電源40又は抵抗42の調整によって、励磁コイル30,32に印加される重畳電圧の大きさが同じになるように設定する。
また、検知コイル34は、抵抗46と並列に接続されて検出部となる電圧計48に連繋され、検知コイル34に生じた誘起電圧を検知可能となっている。電圧計48の測定結果は、図示省略するパソコン等に入力され、被検部材50の欠陥の有無や位置の判断に用いることができる。
上記構成の渦電流探傷プローブ10について、その検出原理を図8乃至図11を参照して説明する。
まず、図8に示すように、渦電流探傷プローブ10を被検部材50に当接させる。そして、励磁コイル30,32にバイポーラ電源40,40から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加すると、励磁コイル30,32の誘導電流によって、第1励磁コイル30では、第1脚部22、被検部材50及び第1脚部側の連繋部26を通る環状の磁束H1が発生する。また、第2励磁コイル32では、第2脚部24、第2脚部側の連繋部26及び被検部材50を通る環状の磁束H2が発生する。これら磁束H1,H2は、励磁コイル30,32の巻回方向や印加される電圧の向きを揃えることで合成されて、図9に示すように同方向に周回する磁束Hからなる磁気回路が構成される。
なお、図8等では、渦電流探傷プローブ10を被検部材50に当接させているが、渦電流探傷プローブ10は、検出能を発揮できる範囲において被検部材50に当接させずに近接させてもよい。
この磁束Hは、図10に示すように、被検部材50に対し、第1脚部22と第2脚部24との間で直流磁化によって磁気飽和した磁気飽和領域αを形成する。なお、磁気飽和領域αの周囲には漏れ磁束が発生している。
ティース部28は、被検部材50よりも透磁率μの高い材料で構成されているから、磁気抵抗の低いティース部28には、被検部材50を通過する磁束Hの一部が通過することになる。ティース部28を通過する磁束H’は、第1励磁コイル30及び第2励磁コイル32により生ずる磁束H1,H2が同じ大きさで被検部材50を通過することで、ティース部28では、これら磁束H1,H2が同じ大きさで逆向きに通過することになり打ち消し合う。すなわち、被検部材50に欠陥Fがなければ、図9に示すように、ティース部28を通過する磁束は実質的にゼロになる。このとき、検知コイル34では誘起電圧は生じないから電圧計48の値もゼロである。
一方、被検部材50に欠陥Fがあり、ティース部28に流入する磁束H1と磁束H2に差が生じると、図11に示すようにティース部28には磁束H1と磁束H2の差分に応じた向きの磁束H’が発生し、この磁束によって生ずる渦電流により、検知コイル34に誘起電圧が発生する。本発明によれば、この誘起電圧を測定することで、被検部材50により生ずる磁束H1と磁束H2の変化を検知することができる。
より具体的には、磁束H1と磁束H2が互いに打ち消し合うよう構成された渦電流探傷プローブ10を被検部材50上で走査させる。たとえば、図11に示すように被検部材50に欠陥Fがあった場合、欠陥Fによって被検部材50の断面積が減少するから、磁気飽和領域αに欠陥Fが入ると、欠陥F近傍の磁束密度が増加し、透磁率が減少する。これにより、磁束H2が減少して、磁束H1とのバランスが崩れる。その結果、磁束H1は、磁束H2よりも相対的に大きくなるから、ティース部28には、図11に示すように磁束H1と磁束H2の差分の磁束H’が生ずる。検知コイル34には、この磁束H’の変化によって誘導電圧が発生し、その生じた誘導電圧(第1励磁コイル30と第2励磁コイル32の誘起電圧差分)が電圧計48によって測定されることになる。そして、誘導電圧の変化とその大きさ及びそのときの渦電流探傷プローブ10の位置によって、欠陥Fの大きさと位置を特定することができる。
本発明では、励磁コイル30,32を2つとすることで、励磁コイル30,32に生ずる抵抗の影響を小さくすることができ、より大きな電圧を印加することが可能となる。
加えて、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより、発生する磁束を被検部材50の深い位置まで通過させることができる。すなわち、交流電圧のみの印加であると、表皮効果の影響によって被検部材50の表層のみまでしか磁束は到達しないが、直流電圧と交流電圧の重畳電圧により、被検部材50の外面まで磁束を到達させることができる。また、被検部材50とコア20との間にライニングなどの磁気的にエアギャップとなるような層があっても、磁束を通過させることができる。従って、探傷深さを深くできると共に、探傷精度を高めることができる。
<異なる実施形態>
図12は、複数のティース部28をコア20に形成した実施形態である。図に示すように、ティース部28は、所定間隔L2毎に複数突設されている。コア20の長さLは、ティース部28がN本存在する場合、ティース部28どうしの間隔L2のN×L2+(N−1)×L1倍以上とすることが好適である。コア20の端部での磁束の回り込みにより、端部に位置するティース部28での検知性能の低下を防止するためである。また、この場合、図11で示した磁束密度の高い磁気飽和領域αにすべてのティース部28が配置されるように、両側のティース部28は、コア20の端部から離れた位置に配置することが望ましい。複数のティース部28には、夫々検知コイル34を直接巻回し、夫々の誘導電圧を測定することで、欠陥Fの検知精度をより高めることができる。
以下の要領で渦電流探傷プローブ10を作製して渦電流探傷装置12を構成し、被検部材50の渦電流探傷を行なった。
<コア>
長さL:200.2mm
幅W:62mm
磁性材料:35A300製(JIS C2252)の電磁鋼板(厚さ0.35mm)を572毎積層
ティース部28の長さL1:10.15mm(Lの約5%)
<励磁コイル30,32>
材質:銅(ポリイミドなどの樹脂の絶縁被覆)
線径:1.0mm
巻き数:170ターン
占積率(WR):51%
抵抗:2.0Ω
<検知コイル34>
材質:銅(ポリイミドなどの樹脂の絶縁被覆)
線径:0.2mm
巻き数:100ターン
占積率(WR):68%
抵抗:2.3Ω
渦電流探傷装置12のバイポーラ電源40は以下の仕様である。
<バイポーラ電源40>
最大出力:±60V/±30A(60Ap−p
設定周波数範囲:DC〜150kHz
直流印加電流:18A
交流印加電流:振幅0.1Ap−p、周波数1000Hz
また、被検部材50として以下の水道管52を使用した。
<被検部材50>
種類:水道管
長さ:400mm
呼び径:500mm
材質:ダクタイル鋳鉄(FCD450、最大透磁率:約900H/m)
厚さ:9mm
ライニング材質:セメントモルタルライニング(CL)
ライニング厚さ:6mm
なお、水道管52は、欠陥Fがないもの、外面に深さ2.5mm、直径10mmの欠陥Fがあるもの、深さ5.0mm、直径10mmの欠陥Fがあるものを3種類準備した。
そして、夫々の水道管52に対して、渦電流探傷プローブ10の長手方向が水道管52の長さ方向と一致するよう配置し、円周方向に±8°の範囲を走査し、検知コイル34に発生した誘起電圧を計測した。なお、欠陥Fありの場合、0°に欠陥Fが位置するようにしている。
結果を図13に示す。図13(a)を参照すると、欠陥Fなしの場合、交流バイアスのノイズ成分(約0.008V)が現れているが、検知範囲において誘起電圧はほぼ一定していることがわかる。一方、欠陥Fがある場合、図13(b)及び図13(c)に示すように、欠陥Fから±約2°〜5°離れた位置で最大(最小)となる誘起電圧が検出された。なお、欠陥Fによる誘起電圧は、実測値から交流バイアスのノイズ成分を除した値となる。深さ2.5mmの欠陥Fの場合、欠陥Fによって0.002Vrmsのピークトゥピーク電圧が検出されたことがわかる。また、深さ5.0mmの欠陥Fの場合、同様に0.004Vrmsのピークトゥピーク電圧が検出されたことがわかる。
以上から、本発明の渦電流探傷プローブ10及びこれを具えた過電流探傷装置12によって、透磁率の高い水道管52の外面に形成された欠陥Fを検出できることがわかる。また、検知コイル34により検出される誘起電圧を参照することで、その欠陥Fの大きさや深さも試算できることがわかる。
次に、図14に示すように、ティース部281,282を2箇所に設けた渦電流探傷プローブ(コア20のみを図示)を準備し、深さ5.0mm、直径10mmの欠陥Fのある水道管52(図11参照)を用いて、上記と同様の試験を行なった。なお、ティース部281、282(以下、「第1ティース部281、第2ティース部282」と称する。)は、コア20の一端から100mm(第1ティース部281)、50mm(第2ティース部282)の位置に中心が位置するように形成した。
試験は、図14に示すように、(a)欠陥F上を第1ティース部281が通過したとき、(b)第1ティース部281と第2ティース部282の間を欠陥Fが通過したとき、(c)欠陥F上を第2ティース部282が通過したときの3種類について、夫々第1ティース部281と第2ティース部282の誘起電圧を測定した。
第1ティース部281の測定結果を図15、第2ティース部282の測定結果を図16に示す。なお、上記した図14の(a)〜(c)と図15及び図16の(a)〜(c)は夫々対応している。
図15を参照すると、第1ティース部281が欠陥F上を通過した図15(a)について、誘起電圧の差分が最大となっており、欠陥Fから離れるにつれて、図15(b)及び図15(c)に示すように、誘導電圧の差が小さくなっていることがわかる。
同様に、図16を参照すると、第2ティース部282についても、欠陥Fから離れた位置を通過する図16(a)及び図16(b)に比べて、欠陥F上を通過する図16(c)は誘導電圧の差分が大きくなっていることがわかる。
以上より、複数のティース部281,282を設けることで、1回の走査で欠陥Fの位置が何れのティース部281,282に近いかを判別でき、欠陥Fの位置をより正確に特定できることがわかる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
たとえば、上記実施形態では、励磁コイル30,32に直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加しているが、本発明の渦電流探傷プローブ10は、交流電圧のみを印加して測定を行なうこともできる。
10 渦電流探傷プローブ
12 渦電流探傷装置
20 コア
22 第1脚部
24 第2脚部
26 連繋部
28 ティース部
30 第1励磁コイル
32 第2励磁コイル
34 検知コイル

Claims (11)

  1. 磁性材料からなり、先端が同方向に突出する第1脚部及び第2脚部と、前記第1脚部と前記第2脚部を磁気的に接続する連繋部と、前記連繋部から前記第1脚部及び前記第2脚部と同方向に突出するとともに、前記第1脚部と前記第2脚部の間に形成されるティース部とを含むコアと、
    前記ティース部に対して前記第1脚部側に巻回される第1励磁コイルと、
    前記ティース部に対して前記第2脚部側に巻回される第2励磁コイルと、
    前記ティース部に巻回される検知コイルと、
    を具えることを特徴とする、渦電流探傷プローブ。
  2. 前記コアの長さLと前記ティース部の長さL1は、L>L1である、
    請求項1に記載の渦電流探傷プローブ。
  3. 前記ティース部は、前記コアの長さ方向中央に形成される、
    請求項2に記載の渦電流探傷プローブ。
  4. 前記ティース部は、前記コアの長さ方向に所定間隔を存して複数形成され、
    各ティース部に前記検知コイルが巻回される、
    請求項1又は請求項2に記載の渦電流探傷プローブ。
  5. 前記ティース部は、前記コアの長さ方向の両端から離れた位置に形成される、
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の渦電流探傷プローブ。
  6. 前記ティース部は、先端が幅方向に拡大した拡大部を有しており、
    前記検知コイルは、前記連繋部と前記拡大部との間に巻回される、
    請求項1乃至請求項5の何れかに記載の渦電流探傷プローブ。
  7. 前記第1励磁コイルは、前記第1脚部と前記ティース部との間の連繋部に巻回され、
    前記第2励磁コイルは、前記第1脚部と前記ティース部との間の連繋部に巻回される、
    請求項1乃至請求項6の何れかに記載の渦電流探傷プローブ。
  8. 前記コアは、電磁鋼板を長さ方向に複数積層して構成され、前記電磁鋼板は、前記第1脚部、前記連繋部及び前記第2脚部の形成された第1電磁鋼板と、前記第1脚部、前記連繋部、前記第2脚部及び前記ティース部の形成された第2電磁鋼板を含んでおり、
    前記ティース部の突設されている部分は、前記第2電磁鋼板を積層して構成され、それ以外は前記第1電磁鋼板を積層して構成される、
    請求項1乃至請求項7の何れかに記載の渦電流探傷プローブ。
  9. 前記第1脚部、前記第2脚部及び前記ティース部の少なくとも何れか1つの先端は、被検部材となる管体の内面形状に合わせた円弧形状である、
    請求項1乃至請求項8の何れかに記載の渦電流探傷プローブ。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の渦電流探傷プローブと、
    前記第1励磁コイル及び前記第2励磁コイルに直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を同方向、同位相で印加する電源部と、
    前記検知コイルに生ずる前記第1励磁コイルと前記第2励磁コイルの誘起電圧差分を検出する検出部と、
    を具えることを特徴とする渦電流探傷装置。
  11. 請求項10に記載の渦電流探傷装置は、管体に挿入される管調査装置であって、
    前記管調査装置は、調査装置本体から管体の内面に向けて伸縮するアームを有し、
    前記アームの先端に前記渦電流探傷プローブを具える管調査装置。
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