JPH05126799A - 三層金属線材の腐食劣化判定法 - Google Patents

三層金属線材の腐食劣化判定法

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JPH05126799A
JPH05126799A JP3196601A JP19660191A JPH05126799A JP H05126799 A JPH05126799 A JP H05126799A JP 3196601 A JP3196601 A JP 3196601A JP 19660191 A JP19660191 A JP 19660191A JP H05126799 A JPH05126799 A JP H05126799A
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健夫三 島田
Tadashi Kohida
正 小比田
Goro Yokota
五郎 横田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ACSRのように強磁性体金属と2種の非磁
性体金属を積層した三層金属線 材の腐食劣化判定を、
腐食後の残存量を各金属層ごとに個別に検出して行な
う。 【構成】 過流探傷試験法により、三層金属線材を励磁
しその2次誘導出力を位相検波するとき、非磁性体金属
部分の過電流による出力が無視できるように低周波で励
磁し、その2次誘導出力から、強磁性体金属部分の残存
量を知る。さらに、非磁性体金属の一方(他方)に対応
する出力成分が最大となる位相と90°の位相差を持つ
位相で位相検波を行ない、他方(一方)の非磁性体金属
と強磁性体金属の出力成分の合成ベクトルを得る。そし
て、この2つの合成ベクトル出力の各々について、先に
検出した強磁性体金属の残存量をベクトル的に減算し
て、2種の非磁性体金属の残存量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼心アルミより線(以
下ACSRと呼称する)のように心線の周囲を異種金属
で覆った三層金属線材の腐食劣化判定法に関し、特に心
線と被覆層の腐食後の残存量を、三種の金属について個
別に検出できるものを提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】ACSR(Aluminium Cable Steel Rein
forced)は、亜鉛メッキした鋼線の周囲にアルミ線をよ
り線状態で巻付け1本の電線としたもので、アルミ線を
主導体とし、亜鉛メッキで耐腐食性を持たせた鋼線で引
っ張り強度を与えている。このACSRは電気鉄道を含
む送配電設備に幅広く利用され、特に電車線路のトンネ
ル内において、電力供給用のき電線、き電吊架線及びこ
れらの電線が地絡事故等を起した場合に早期検出するた
めのAT保護線、地絡導線等に用いられる。このACS
Rは外気に晒されているので、腐食による断線事故防止
のため、定期的にまたは必要に応じて腐食の程度を検査
し、取替え時期を判断する必要がある。
【0003】金属線材の腐食劣化検査法として、渦流探
傷試験法(特開平2−54166等)が知られている。
しかし、従来の検査対象は、線材がアルミのみ、或いは
銅のみといった単一の素材からできているものに限ら
れ、ACSRのように、異種金属を積層したものには使
用できなかった。
【0004】このため、本出願人は、この渦流探傷試験
法の原理を応用・発展させて、二層金属線材の腐食劣化
を判定する方法を発明し、先に出願している(特開平3
−72506号)。
【0005】この二層金属線材の腐食劣化判定法につい
て簡単に説明する。過流探傷試験法は、一般に、試験体
に交流磁界を作用させて渦流を発生させ、この渦流の大
きさによって試験体のインピーダンスを知り、これから
傷の大きさ等を判断する。具体的には渦流によって検出
コイルに生じる誘導電圧を、所定の位相で位相検波して
検知出力とする。この検波回路は、例えば作用磁界の周
波数と同一の周波数で信号成分が最大値になる所定の位
相で、半周期(180°)ずつ正負のFET(電界効果
トランジスタ)を交互に導通させ、これを通過する電圧
の平均値を算出する。なお、この位相は試験体の素材
(例えば亜鉛、鋼)に固有の値を持つ。
【0006】このような探傷試験法によって、二層金属
線材を測定して得られる出力を、図10に示すように、
位相と振幅で表される2次元平面上のベクトルLで表す
と、このベクトルLは、この積層金属線材の異なる金属
部分を単独で取り出し、夫々を個別に検出したときのベ
クトルM,Nの合成となっている。
【0007】したがって、一方の金属の検出成分がゼロ
となる位相m′またはn′(その成分の出力が最大とな
る位相と90°の位相差を持つ位相)で位相検波すれ
ば、積層状態であっても他方の金属の成分のみが取り出
せ、このような位相検波を、2種の金属毎に行なうこと
により積層状態のまま2種の金属を個別に測定して、夫
々の腐食劣化判定が行なえる。これが、本出願人が先に
提案した方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は、
二層金属線材の腐食劣化判定方法であり、上述したAC
SRのような三層金属線材の腐食劣化判定には使用でき
ない。このため、亜鉛めっき鋼線等の二層金属線材につ
いては、目視検査に変えて精度の高い実測検査が行なえ
るようになったが、ACSRについては相変わらず、人
がはしご、タワー、保守用車等に乗り、活線状態あるい
は停電状態の線に接近し目視して腐食劣化判定をするし
かなかった。
【0009】この目視検査において、ACSRの取替え
時期の推定は、電流を流すアルミより線部分の腐食量
と、鋼線の表面に施された亜鉛めっき層の腐食量と、強
度を保つ鋼線部分の腐食量から総合的に判断する必要が
ある。ところが目視による検査方法は外観で判断するた
め、内部への腐食の進行程度が把握し難く、取替時期の
推定を誤り易い。例えば、表面のアルミより線部分に損
傷が発見されなくても、内部において腐食防止の亜鉛メ
ッキ層を破って強度保持用の鋼線部分が大きく腐食され
て、ACSRの引っ張り強度が大きく低下している場合
がある。この誤認の結果として、断線事故が発生した
り、まだ十分使用可能な線の取替を実施してしまう等の
問題があった。したがって、電気鉄道では4日に1回程
度の巡視および2年に1回の検査を行なっているが、適
切な管理は困難であった。
【0010】一方、この目視による検査作業は、高い位
置にあるACSRに人が接近する必要のため保守用車等
に乗る高所作業であり、全面を検査するには反対側から
も見る必要があり手間がかかる。さらに、保守用車の操
作要員等も必要であり、このACSRはかなりの距離に
敷設されていることから、多数の人手を要し、作業コス
トは非常に高いものとなっていた。
【0011】そこで、本発明は、ACSRのような3種
の金属の積層線材の腐食劣化を、各金属部分ごとに個別
に、容易かつ確実に判定できる方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が提供する三層金
属線材の腐食劣化判定法は、強磁性体金属と2種の非磁
性体金属を積層した3層金属線材の外周に沿って、低周
波磁界を作用させる低周波励磁コイル及び、この励磁に
より発生する誘導電流による磁界変化の検出コイルを持
つ低周波検出回路と、高周波磁界を作用させる高周波励
磁コイル及び、この励磁により発生する過流による磁界
変化の検出コイルを持つ高周波検出回路を有する検出器
を移動させ、低周波検出回路の検出コイルに発生する誘
導電圧を所定の位相で検波し、その出力から強磁性体金
属の残存量を知り、一方(他方)の非磁性体金属の単体
を位相検波したとき最大出力が得られる位相と90°異
なる位相で、高周波検出回路の検出コイルの出力を位相
検波したときの出力から他方(一方)の非磁性体金属に
対応する出力と強磁性体金属に対応する出力のベクトル
合成値を知り、この合成値から前記強磁性体金属の残存
量をベクトル的に減算して他方(一方)の非磁性体金属
の残存量を知ることにより、3種の金属の残存量を個別
に算出することを特徴とする。
【0013】
【作用】上記方法において、低周波検出回路で位相検波
すると、強磁性体金属部分の電磁誘導による2次出力
が、過流による出力成分に比べて極めて大きくなり、非
磁性体金属の存在量にかかわりなく、強磁性体金属の残
存量を検出できる。
【0014】また高周波検出回路で、位相検波すると
き、その位相を適当な角度に設定すると、一方(他方)
の非磁性体金属による出力成分をカットして、他方(一
方)の非磁性体金属と強磁性体金属の各々の残存量に応
じた2次合成ベクトル出力を得ることができる。そこ
で、強磁性体金属の出力成分を含む各非磁性体金属の検
出値から、先に検出した強磁性体金属の残存量を減算す
ることにより、3種金属の残存量を個別に算出すること
ができる。
【0015】なお、検出器の出力と各金属の残存量との
対応関係は、予め実測しておくものとし、上記減算は、
各金属の基準ベクトル(最大出力が得られる位相角を持
つ長さ1のベクトル)と位相検波を行なった位相成分と
の内積を利用した換算値にて行う。
【0016】
【実施例】次に、具体的な測定装置および測定方法につ
いて説明する。測定に用いる検出器1の回路構成を図1
に示す。この構成は、主として過電流を用いて測定する
高周波検出回路2と、過電流による出力成分を極力小さ
くして測定する低周波回路3を併せ持つ。各検出回路
2、3は、精度向上のために、一般的な過流探傷試験法
で採用されている自己誘導型コイルに換え相互誘導型コ
イルを使用している。
【0017】はじめに高周波検出回路2を説明する。こ
の回路において、L1,L2は直列接続された一次コイル
で、検査対象の三層金属線材に応じて選択される所定周
波数の励磁用交流電源eが接続されている。L3,L4
直列接続された2次側検出コイルで、2個の抵抗R1
2およびバランス用の可変抵抗R3とブリッジ接続され
ている。L1とL3は図2、図3に示す検出用の鞍型ボビ
ン4の内側に重なって巻かれ、検出対象の三層金属線材
であるACSR5を磁気回路として相互に磁気結合され
る。コイルL2とL4は、0点調整のため常に空心状態と
される鞍型ボビン6の内側に重なって巻かれ、空心状態
で相互に磁気結合される。このブリッジ回路7の出力
は、2次側検出コイルL3,L4の中点とバランス用の抵
抗R3の可動接点から取り出され、処理回路8に出力さ
れる。処理回路8は励磁用交流電源eから、図示しない
移相回路によって交流電源eと所定の位相差を持つ位相
信号を生成して位相検波を行なう。この検波出力は、各
金属の残存量を算出する低周波検出回路3と共通の演算
回路9に出力される。演算結果は表示器10で表示され
る。この高周波検出回路2は、非磁性体金属の残存量を
検出することを主目的としているので、非磁性体金属に
過流が十分に流れるように励磁用交流電源eの周波数
を、例えば1kHz〜250kHzと高く選び、各コイル
1,L2,L3,L4の共振周波数を、この周波数に一致
させてある。また各非磁性体金属について行なわれる位
相検波の位相は、他方(一方)の非磁性体金属の出力成
分がゼロになるようにするため、他方(一方)の非磁性
体金属の単体を検出したときに位相検波出力が最大にな
る位相と90°の差を持つ位相に選定される。
【0018】次に低周波検出回路3について説明する。
低周波検出回路3も高周波検出回路2と同様の回路構成
を持つので、対応関係を持つ構成要素にダッシュ(′)
を付けて示す。各コイルL1′,L2′,L3′,L4′は
検出用の鞍型ボビン4と0点調整用の鞍型ボビン6に、
高周波検出回路2のコイルL1,L2,L3 ,L4の外側
位置で高周波用のコイルと同様に重なって巻かれてい
る。この低周波検出回路3は、強磁性体金属の残存量の
みを検出することを目的としているので、一次コイルL
1′,L2′に接続される励磁用交流電源e′の周波数
は、強磁性体金属における誘導電流による2次出力に対
して、非磁性体金属の過流による2次出力が無視できる
程度に小さくなるような低周波(例えば1Hz〜100
Hz)に選定され、処理回路8′で使用する検波位相
は、強磁性体金属の検出感度が最大となる位相としてい
る。
【0019】図4〜図6に、上記回路が組み込まれる検
出器1の機械的構成例を示す。図4及び図5に示す11
は、検出器1のセンサ部で、ボックス型のケース12内
に、低周波用と高周波用のコイルL1〜L4,L1′〜
4′を巻いた上記鞍型ボビン4,6を内装している。
また、このケース12には、ACSR5の上を走行させ
るための、2個のガイドローラ13、14が設けられ、
長い絶縁棒15で検査員がACSR5上を牽引・移動さ
せるのを可能にする。さらにACSR5をガイドローラ
13、14に押さえ付けるピンチローラ17、18が設
けられ、コイルL1,L3,L1′,L3′を巻いた鞍型ボ
ビン4がACSR5と常に一定の間隔を保つことを保障
し、この間隔の変化による検出誤差を防止する。
【0020】図6に示す19は、検査員が肩に掛けて持
ち運ぶことができる検出器本体で、励磁用交流電源e,
e′、移送回路、位相検波回路等からなる前記処理部
8,8′、3種の金属別の表示器10等を持ち、伸縮自
在なスパイラル線20によりセンサ部11と接続されて
いる。このような構成によって作業性が極めて向上す
る。また場所によっては、はしご、タワー、保守用車等
を用いず、検査員が架線の下を歩くだけで腐食劣化検査
を行うことも可能である。
【0021】次に具体的な使用方法を説明する。検査に
先立ち、鞍型ボビン4、6の内部及び、その周囲に金属
がない状態で、高周波検出回路2と低周波検出回路3の
各ブリッジ回路7、7′の出力が0になるように可変抵
抗R3、R3′を動かしてゼロ点調整する。この後、セン
サ部11を、上方から降ろしてACSR5に吊り下げ
る。この時ピンチローラ17、18は、図示しない回転
式の支持機構によりACSR5に下から自動的に押し当
てられる。この状態で、コイルL2,L4およびL2′,
4′の磁気回路部分は常に空心状態であり、他方のコ
イルL1,L3およびL1,3′は近接したACSR5
を磁気回路としている。
【0022】そして、絶縁棒15で牽引し、ACSR5
の上にセンサ部11を低速で移動させながら、高周波検
出回路2による検出と低周波検出回路3による検出を同
時に行なう。同時に行なっても、各回路2、3の周波数
は、例えば1000倍程度と大きく異なっており、相互
干渉を起こさない。
【0023】低周波による位相検波は、上述したように
単体の鋼線を検出したとき最大の出力が得られる位相で
行なう。この出力は、図7に示すように、検査対象のA
CSRの鋼線部分のみを単独で取り出して検査したとき
と同等になる。すなわち、位相検波の出力ベクトルF
は、鋼線が腐食によって減少するにつれて、同一位相で
振幅が減少し、鋼線がなくなると、振幅はゼロになる。
このとき、非磁性体金属の亜鉛及びアルミによる出力
は、低周波で励磁しているため無視できる程度に小さ
い。したがって、鋼線の残存量と出力ベクトルFの大き
さfとの対応関係表を作成しておき、記憶装置に記憶さ
せておけば、位相検波の出力値から演算して、直ちにA
CSR5中の鋼線の残存量を表示器10に表示させるこ
とができる。
【0024】高周波による位相検波は、図8に示すよう
にACSRの一方の非磁性体金属(亜鉛)を単独で取り
出し位相検波したとき最大出力が得られる位相(亜鉛軸
イ)に対して90°の位相差を持つ位相ロ(亜鉛による
出力をカットする位相)と、図9に示すようにACSR
5の他方の非磁性体金属(アルミ)を単独で取り出し位
相検波したとき最大出力が得られる位相(アルミ軸ハ)
に対して90°の位相差を持つ位相ニ(アルミによる出
力をカットする位相)で、それぞれ位相検波される。各
検波出力は、別個に取り出され処理回路8で演算・処理
される。
【0025】このような高周波検出回路2による位相
ロ,ニによる位相検波は、強磁性体金属(鋼線)と2種
の非磁性体金属(亜鉛、アルミ)の3種金属の内で、非
磁性体金属の一方(亜鉛またはアルミ)の出力成分が表
れないように位相検波しようとするものである。
【0026】アルミの残存量を算出する原理と手順を、
次に説明する。新品のACSRについて、その鋼線部分
のみ、アルミ部分のみ、および亜鉛部分のみを夫々取り
出して位相検波したときの出力を、図8に示す2次元平
面上に位相と振幅で表わすと、ベクトルA、ベクトル
B、ベクトルCのようになる。これらのベクトルA,
B,Cの大きさは、各々の量が減少するに従い同一位相
でゼロに近づく。また新品のACSRを位相検波する
と、その出力の位相と振幅は、これらのベクトルA,
B,Cの合成ベクトルDとなり、鋼線、アルミ、亜鉛の
各部分が減少していくと夫々のベクトル成分が減少し、
合成ベクトルDもこれにしたがって変化する。
【0027】亜鉛による出力成分をカットするため、上
記亜鉛のベクトルAと直交する方向に大きさ1の位相検
波用の基準ベクトルαを考え、その位相でACSRを位
相検波すると、その時の出力の大きさgは上記合成ベク
トルDと基準ベクトルαとの内積となり、これはベクト
ルBと基準ベクトルαの内積(B・cosθ=i)と、
ベクトルCと基準ベクトルαの内積(C・cosφ=
h)の和となる。そこで、先に低周波で検出されている
強磁性体金属(鋼線)の出力電圧値fを高周波検出回路
2で検出した場合の出力電圧値cに換算するため、予め
同一の鋼線について低周波検出回路3と高周波検出回路
2で同一位相にて位相検波して得た出力電圧の比p=
c′/f′を掛け、さらにcosφを掛けて基準ベクト
ルα方向の大きさに換算して、検出方向の成分の大きさ
h=f・p・cosφを得て、上記位相検波出力gから
減算すればアルミの出力成分iが算出できる。さらに、
これをcosθで割ればアルミ軸ハ上の大きさが得られ
る。そして、先に鋼線の残存量測定で説明したのと同様
に、アルミの残存量と出力ベクトルBの大きさとの対応
関係表を作成しておき、記憶装置に記憶させておけば、
演算回路9で演算して、直ちにアルミの残存量を表示器
10に表示させることができる。
【0028】また、亜鉛についても図9に示すようにア
ルミ軸ハと直交する位相ニで、位相検波し、前記同様に
換算値にて鋼線の成分を減算する等の演算を行なうこと
により、亜鉛のベクトルA上の成分が求められ、亜鉛の
残存量を算出表示させることができる。
【0029】以上の測定及び演算によって得たデータ
は、その場で表示器10に表示させる他、記録計に記録
させることもでき、このデータによるACSRの交換時
期の予測は、試験されたACSRの周囲環境等の架線状
況を勘案しながら、過去のデータと照して行なう。
【0030】本発明法は、上述した原理に基づいて測定
を行うものであって、測定時に誘導電流および渦電流を
生じさせるため交流磁界を加える手段、および検出コイ
ルの構造、2次出力の処理方法は、検出対象の三層金属
線材(ACSRに限られない)に応じ、上記方法を実施
できる範囲で適宜に選べる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ACSR等の三層金属
線材の腐食状態の把握を、簡便な操作で、正確に行える
ようになる。したがって、ACSRの保全方法を、従来
採用されていた目視検査による不正確な時間基準保全か
ら、設備診断機器を使用する正確な状態保全基準に移行
できる。そのため、検査周期が延伸でき、毎年のACS
Rの検査要員を減少できるとともに、使用可能なACS
Rの取替を行うこともなくなり、ACSRの保守経費を
減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出器の電気回路の構成例を示す図
【図2】励磁コイルおよび検出コイルのボビンへの配置
例を示す図
【図3】センサ部がACSRにガイドされる状態を示す
【図4】センサ部の外観構成図
【図5】絶縁棒によってセンサ部をACSR上を移動さ
せる状態を示す図
【図6】検出器全体の外観構成例を示す図
【図7】本発明の低周波検出回路の出力例を示す図
【図8】本発明法の高周波検出回路でアルミを検出した
場合の出力例を示す図
【図9】本発明法の高周波検出回路で亜鉛を検出した場
合の出力例を示す図
【図10】本発明の前提となったニ層金属線材の腐蝕劣
化判定法を説明する図
【符号の説明】
1 検出器 2 高周波検出回路 3 低周波検出回路 4、6 鞍型ボビン 5 三層金属線材(ACSR) 7、7′ ブリッジ回路 8、8′ 処理回路 9 演算回路 10 表示器 11 センサ部 L1〜L4 高周波用コイル L1′〜L4′低周波用コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小比田 正 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人 鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 横田 五郎 京都府京都市右京区山ノ内御堂殿町13番地 の1 株式会社エレクトロニクスキヨート 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体金属と2種の非磁性体金属を積
    層した3層金属線材の外周に沿って、 低周波磁界を作用させる低周波励磁コイル及び、この励
    磁により発生する誘導電流による磁界変化の検出コイル
    を持つ低周波検出回路と、高周波磁界を作用させる高周
    波励磁コイル及び、この励磁により発生する過流による
    磁界変化の検出コイルを持つ高周波検出回路を有する検
    出器を移動させ、 低周波検出回路の検出コイルに発生する誘導電圧を所定
    の位相で検波し、その出力から強磁性体金属の残存量を
    知り、 一方(他方)の非磁性体金属の単体を位相検波したとき
    最大出力が得られる位相と90°異なる位相で、高周波
    検出回路の検出コイルの出力を位相検波したときの出力
    から他方(一方)の非磁性体金属に対応する出力と強磁
    性体金属に対応する出力のベクトル合成値を知り、この
    合成値から前記強磁性体金属の残存量をベクトル的に減
    算して他方(一方)の非磁性体金属の残存量を知ること
    により、3種の金属の残存量を個別に算出することを特
    徴とする三層金属線材の腐食劣化判定法。
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