JP7374032B2 - 電磁気測定による厚さ測定用マスターカーブの作成方法とその使用方法 - Google Patents

電磁気測定による厚さ測定用マスターカーブの作成方法とその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁気測定法を用いて被検体の厚さ測定が実行される現場で適用しやすいマスターカーブを作成する方法と、該マスターカーブを用いて単層又は二層の被検体の厚さを同定する測定方法に関する。
単層又は積層(二層)部材の厚さ評価が産業界のあらゆる場所で求められ、その評価方法として様々な手段が取られてきた。例えば、単層金属部材の厚さ測定の例としては、圧延現場が挙げられる。圧延された素材の厚みを測定するためにエックス線厚み計や、ガンマ線厚み計、レーザー厚み計が使用されている。これらの装置は圧延機と一体になって設置された大掛かりな装置で生産ラインでしか使用することができない。
一方、金属部材の厚み測定が必要とされる場面は、このような圧延現場のような設備の整った工場のみならず、橋梁、ビルディングなどの既設構造物の躯体や配管その他のメンテナンス、モニタリングなど実に様々な場所で求められている。このような場所では、検査部分の構造物は、金属母材に断熱材やメッキ、コーティングや溶射などが施されていたり、二種類の金属がクラッドされた二層部材が使用されているなど様々な部材が使用されている。しかも、このような場所は狭く或いは高所で、携帯可能で取り扱いが簡単な計測器が要求される。
その一つとして超音波厚み計がある(特許文献1)。超音波厚み計は接触式のため、例えば、タンクに接続され、断熱材に覆われた金属配管(このような場所では断熱材を剥離して金属配管を露出させる必要がある)や、上記のようなアクセスしにくい箇所、被計測部分が高温である場合などでは計測が困難であった。
また、被測定物が鋼材である場合、同じ鋼材でも鋼種によっては鋼材内を伝わる音速が異なり、実際の計測では音速調整(校正)を行う必要があり、非常に使いにくいという問題があった。
これに対して非接触で測定箇所を測定する方法として電磁気検査法が知られている。現有の電磁気式厚み計には、渦電流式のものや電磁式のものがあるが、前者の渦電流式厚み計は、現状では非磁性金属上の絶縁被膜の測定しか使えず、しかも母材の非磁性金属の導電率を事前に把握しておかなければならないという制約がある(特許文献2)。その上、被検体の導電率は製造メーカの違いや経年劣化で変化し、測定結果の信頼性が必ずしも高いとは言えないという問題があった。
後者の電磁式厚み計は、磁性金属母材上の非磁性金属層や有機・無機層の厚み測定しかできず、いずれも母材の厚み測定ができなかった。
特許第3857122号 特開2018-119795号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、検査箇所の材質の把握や電磁気特性(特に正確な導電率)の把握が不要で、現場での使い勝手のよいマスターカーブの作成方法と、該マスターカーブを用いた単層又は二層の被検体の厚さ測定方法の提供を課題とする。
請求項1は、以下のようにして単層標準試験体10の単層用マスターカーブ(図5)を作成する(図1の左半分の図)。
単層用のマスターカーブの作成方法(図24)は、
周波数掃引により、厚さ測定に使用されるコイル2の自己インピーダンスZO(ω)を計測するステップ1と、
厚さTの異なる単層標準試験体10上に前記コイル2を設置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電し、前記複数の単層標準試験体10に渦電流をそれぞれ発生させてそのインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
前記インピーダンスZ(ω)を正規化し、正規化インピーダンスZ nor (ω)を算出するステップ3と、
前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を算出するステップ4と、
前記周波数差分f(Znor)から特徴量となる極値を抽出し、前記特徴量と前記各単層標準試験体10の厚さTとをそれぞれ対応させ、前記標準試験体10の厚さTに関する単層用マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする。
請求項2は、請求項1における特徴量に関し、
前記特徴量を、複素数である前記周波数差分f(Znor)の虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを極値とすることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2における単層用マスターカーブを利用して検査箇所の単層被検体の厚さを同定する方法(図25)に関し、該方法は、
請求項1で作成した単層用マスターカーブを予め用意し、
単層被検体上にコイル2を配置し、
ステップ2 で、前記周波数掃引で前記コイル2に通電して単層被検体に渦電流を発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
ステップ3 で、前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記単層被検体の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し、
ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を算出し、
ステップ5 で、前記周波数差分f(Znor)から特徴量となる極値を抽出し、
前記特徴量を単層用マスターカーブに当て嵌めて前記単層被検体の厚さを同定することを特徴とする。
以下で述べる二層標準試験体20・30には2種類がある。二層標準試験体20・30の一方の層を構成するA部材の導電率をσで表し、他方のB部材の導電率をσで表す。導電率は、A部材の導電率σの方がB部材の導電率σより大とする(導電率σ>導電率σ)。
第1二層標準試験体20は、A部材(導電率σ)を上層とし、B部材(導電率σ)を下層として積層した(解析例では、上層σ(10MS/m)>下層σ(2MS/m)とした。)。
第2二層標準試験体30は第1二層標準試験体20の逆で、B部材(導電率σ)を上層とし、A部材(導電率σ)を下層として積層した(解析例では上層σ(2MS/m)<下層σ(10MS/m)とした。)。
請求項4は、第1二層標準試験体20の第1マスターカーブを作成する方法である(図24)。
該方法は、
周波数掃引にて測定に使用するコイル2の自己インピーダンスZO(ω)を計測するステップ1と、
上層部材の導電率σが下層部材の導電率σBより大きく、上層部材の厚さT下層部材の厚さT が異なり、上・下層部材の厚さの和が+T である複数の第1二層標準試験体20上に前記コイル2をそれぞれ配置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電し、第1二層標準試験体20に渦電流をそれぞれ発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記第1二層標準試験体20の正規化インピーダンスZ nor (ω)を算出するステップ3と、
ステップ3 で正規化された前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を演算するステップ4と、
前記周波数差分f(Znor)の高周波領域Hから特徴量となる周波数差分値df(Znor)の位相の最大値(最大位相)を抽出し、前記最大値(最大位相)である特徴量と前記上層部材の厚さTとを対応させ、
続いて、上層部材の厚さT毎に低周波領域Lから特徴量となる周波数差分f(Znor)の虚数部であるdf(Xnor)の最小値df(Xnor)minを抽出し、前記最小値である特徴量と前記下層部材の厚さTとを対応させて第1二層標準試験体20の上層部材及び下層部材の厚さT・Tに関する上層用と下層用の第1マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする。
請求項5は、請求項4において作成した第1二層標準試験体20の第1マスターカーブを利用して上層部材の導電率σが下層部材の導電率σより大である(上層σ>下層σ)ことが分かっている検査箇所の二層部材(被検体)の上層部材と下層部材の厚さをそれぞれ同定する方法(図25)に関し、該方法は、
請求項4で作成した第1二層標準試験体20における第1マスターカーブを予め用意し、
上層部材の導電率σが下層部材の導電率σより大である(上層σ>下層σ)ことが分かっている検査箇所における二層部材(被検体)の上層部材上にコイル2を配置し、
ステップ2 で、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電して前記検査箇所における二層部材に渦電流を発生させて、前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
ステップ3 で、前記インピーダンスZ(ω)を正規化して第1二層標準試験体20の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し、
ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を演算し、
ステップ5 で、前記周波数差分値df(Znor)の高周波領域Hから特徴量となる周波数差分f(Znor)の位相の最大値(最大位相)を抽出し、前記特徴量を上層用の第1マスターカーブに当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTを同定し、
前記周波数差分f(Znor)の低周波領域Lから特徴量となるその虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを抽出し、前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTに対応する下層用の第1マスターカーブに前記特徴量を当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の下層部材の厚さTを同定することを特徴とする。
請求項6は、下層部材の導電率σが上層部材の導電率σより大である(上層σ<下層σ)、第2二層標準試験体30の第2マスターカーブを作成する方法(図24)である。
該方法は、
周波数掃引にて測定に使用されるコイル2の自己インピーダンスZO(ω)を計測するステップ1と、
下層部材の導電率が上層部材の導電率より大きく、上層部材の厚さT下層部材の厚さT が異なり、上・下層部材の厚さの和が+T である複数の第2二層標準試験体30上に前記コイル2をそれぞれ配置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電して第2二層標準試験体30に渦電流をそれぞれ発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記第2二層標準試験体30の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出するステップ3と、
前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を算出するステップ4と、
前記周波数差分f(Znor)の高周波領域Hの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを第1の特徴量として抽出し、前記第1の特徴量と前記上層部材の厚さTとを対応させ、
続いて、上層部材の厚さT毎に前記周波数差分f(Znor)の低周波領域Lの虚数部の最小値df(Xnor)minを第2の特徴量として抽出し、前記第2の特徴量と前記下層部材の厚さTとを対応させて、第2二層標準試験体30の厚さT・Tに関する上層用と下層用の第2マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする。
請求項7は、請求項6において作成した第2二層標準試験体30の第2マスターカーブを利用して下層部材の導電率σが上層部材の導電率σより大である(上層σ<下層σ)ことが分かっている検査箇所の二層部材(被検体)の上層部材と下層部材の厚さT・Tをそれぞれ同定する方法(図25)に関し、該方法は、
請求項6で作成した第2二層標準試験体30における第2マスターカーブを予め用意し、
下層部材の導電率σが上層部材の導電率σより大きい(上層σ<下層σ)ことが分かっている検査箇所における二層部材(被検体)の上層部材上にコイル2を配置し、
ステップ2 で、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電して前記検査箇所における二層部材に渦電流を発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
ステップ3 で、第2二層標準試験体30の前記インピーダンスZ(ω)を正規化して第2二層標準試験体30の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し、
ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)を算出し、
ステップ5 で、前記周波数差分f(Znor)の高周波領域Hの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを、検査箇所における二層部材の第1の特徴量として抽出し、
前記周波数差分f(Znor)の低周波領域Lの虚数部の最小値を、検査箇所における二層部材の第2の特徴量として抽出し、
前記第1の特徴量を上層用及び下層用の第2マスターカーブに当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTを同定すると共に、前記上層部材の厚さTに対応する下層用の第2マスターカーブに前記第2の特徴量に当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の下層部材の厚さTを同定することを特徴とする。
本発明は上記構成から、検査箇所の被検体の材質が持つ電磁気特性(特に正確な導電率)の把握が不要となり、現場での使い勝手のよいマスターカーブを作成することができた。そしてこのマスターカーブを用いることで、測定困難な現場でも、単層や二層の検査箇所の上層・下層のそれぞれの厚さ測定を正確且つ簡単に行えるようになった。
本発明の検査装置による検査状態を示す概略正面図である。 厚さの異なる単層標準試験体の正規化インピーダンスを示すグラフである。 厚さの異なる単層試験体の正規化インピーダンスの周波数差分のリサージュ波形を示すグラフである。 周波数差分から極値{虚数部df(Xnor)の最小値}を抽出するためのグラフである。 周波数差分の極値と単層標準試験体の厚さとを対比させた単層用マスターカーブである。 第2実施形態における厚さの異なる第1二層標準試験体の正規化インピーダンスを示すグラフである。 正規化インピーダンスの周波数差分のリサージュ波形を示すグラフである。 周波数差分値の極値{高周波領域の周波数差分f(Znor)の位相の最大値}と第1二層標準試験体の上層の厚さとを対比させた二層用第1マスターカーブである。 周波数差分の極値{低周波領域の虚数部df(Xnor)の最小値}と、上層の厚さ毎に第1二層標準試験体の下層の厚さとを対比させたマスターカーブである。 本発明の第2及び3実施形態の実測例で使用される第1及び第2二層標準試験体の上層と下層の構成を示す表である。 第二実施形態の実測例の正規化インピーダンスのリサージュ波形を示すグラフである。 第二実施形態の実測例の正規化インピーダンスの周波数差分のリサージュ波形を示すグラフである。 正規化インピーダンスの周波数差分f(Znor)の極値{高周波領域Hfの周波数差分f(Znor)の位相の最大値}と実測例における第1二層標準試験体の上層の厚さとを対比させた二層用第1マスターカーブ(上層用)である。 正規化インピーダンスの周波数差分f(Znor)の極値{低周波領域Lfの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)min}と、上層の厚さ毎に実測例における第1二層標準試験体の下層の厚さとを対比させた二層用第1マスターカーブ(下層用)である。 第3実施形態における複数の第2二層標準試験体の正規化インピーダンスの周波数差分f(Znor)のリサージュ波形を示すグラフである。 正規化インピーダンスの周波数差分の虚数部の周波数に伴う変化を示すグラフである。 周波数差分f(Znor)の極値{高周波領域の虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)min}と第2二層標準試験体の上層の厚さとを対比させた二層用第1マスターカーブ(上層用)である。 周波数差分f(Xnor)の演算値の極値{低周波領域Lの周波数差分f(Xnor)の最小値df(Xnor)min}と、上層の厚さ毎に第2二層標準試験体の下層の厚さとを対比させた二層用第1マスターカーブ(下層用)である。 第3実施形態の実測例の正規化インピーダンスZ nor (ω)のリサージュ波形を示すグラフである。 図19の正規化インピーダンスZ nor (ω)の周波数差分値d f (Z nor )のリサージュ波形を示すグラフである。 図20の周波数差分の虚数部と周波数の関係を示すグラフである。 二層用第2マスターカーブ(上層用)を示すグラフである。 上層の厚さ毎の二層用第2マスターカーブ(下層用)を示すグラフである。 標準試験体を用いてマスターカーブを作成するフローチャートである。 現場での被検体の厚さ測定手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を図示実施形態に従って詳述する。本発明では、第1に既述のように様々な検査対象に適用するために電磁気特性が把握されていない測定現場の検査対象(被検体)の厚さを同定するためのマスターカーブ、換言すれば、電磁気信号と検査対象の肉厚とだけが対応するマスターカーブを作成する。
測定現場の検査対象にはさまざまなのもがあるが、本発明では単層部材と2種類の部材(A部材、B部材)を積層した二層部材とを対象とする。後者の場合は、上層と下層の肉厚をそれぞれ測定する。
二層部材では、標準試験体に使用される部材を上記のようにA部材、B部材とする。ただし、その正確な電磁気特性(特に、その導電率をそれぞれσ、σとする。)は把握されていない。導電率は渦電流の大きさに影響し、導電率が大きいと渦電流は大きくなり、逆に、導電率が小さいと渦電流も小さくなる。それ故、従来例で述べたように板厚測定では、測定対象の導電率が重要になるが、正確な測定対象の導電率の把握は困難なので、本発明では測定対象の導電率に影響を受けない測定方法を確立しようとするものである。なお、本発明の対象は非磁性体(金属)である。
添付したグラフにおけるA部材、B部材の上層・下層の厚さを符号T、Tで表し、それぞれの厚さT、Tを符号A、Bの数で表し、且つ左から部材の積層順を表す。A、B1文字は1mmを表す。例えば、AAであればA部材が単層で2mm、AABであれば、二層部材で上層が2mmのA部材、下層が1mmのB部材を示す。上記AAは、1mmのA部材が2枚積層している場合も考えられるが、このAAは同じ導電率であるから二層と識別できず、上記のように「2mmの単層A部材」と認識される。二層部材の全体の厚さは(T+T)となる。
二層部材では上層部材と下層部材とで材質が異なるため、上層部材と下層部材の導電率が異なっている。導電率の組み合わせでは、上層部材の導電率が下層部材の導電率より大である場合(上層部材の導電率>下層部材の導電率)と、これとは逆に上層部材の導電率が下層部材の導電率より小である場合(上層部材の導電率<下層部材の導電率)とがある。
(上層部材の導電率>下層部材の導電率)の場合、下層からの電磁気信号が上層を通ってコイル2にセンシングされにくいが、逆の、(上層部材の導電率<下層部材の導電率)の場合、下層からの電磁気信号が上層を通ってコイル2にセンシングされやすく、センシングのために別別の手段を取る必要があるためである。
標準試験体は測定現場の検査対象(被検物)に即して作成される。従って、厚さと材質の異なるのもの(即ち、導電率の異なるもの)が用いられる。
上記3グループ{単層/二層(上層部材の導電率>下層部材の導電率)/二層(上層部材の導電率<下層部材の導電率)}に付いては肉厚を検出するためには、それぞれグループ毎のマスターカーブを作成する必要があり、そのために測定現場の検査対象に合った標準検査体が必要となる。
単層の測定対象に対しては単層標準試験体10が用意される。
二層の測定対象で(上層部材の導電率>下層部材の導電率)の場合は、(上層部材の導電率>下層部材の導電率)となる二層標準試験体20が用意される。
二層の測定対象で(上層部材の導電率<下層部材の導電率)の場合は、(上層部材の導電率<下層部材の導電率)となる二層標準試験体30が用意される。
これら3グループに付いては肉厚を検出するためのパラメータが異なるので、
(1)単層部材の肉厚検出を(第1実施形態)、
(2)上層部材の導電率>下層部材の導電率を(第2実施形態)、
(3)上層部材の導電率<下層部材の導電率を(第3実施形態)として説明する。
本発明で使用される厚さ測定装置1の概略を図1に示す。厚さ測定装置1は、コイル2を収納したプローブ(図示せず)、周波数掃引測定器3、パーソナルコンピューター4及び電源(周波数掃引測定器3に一体化されているので、図示せず)で概略構成される。
コイル2は、ケーシングであるプローブ内に収納され、周波掃引測定器3に接続されている。そしてコイル2は、周波掃引測定器3からの出力を受け、測定対象に交番磁界を印加して渦電流を発生させる装置である。
本実施例では、コイル2はピックアップセンサとしても働き、測定対象に渦電流を発生させた状態でのインピーダンスZ(ω)をセンシングして周波掃引測定器3に出力する。コイル2の形状(内径、外径、高さ、巻数、リング型、矩形)には様々なものがあるが、検査対象に合わせて最適のものが使用される。本発明で使用されるコイル2はパンケーキ型の空芯コイルである。
なお、図示していないが、ピックアップセンサを別体としてコイルと同軸に、或いは近接させて設けるようにしてもよい。
コイル2は、測定対象に対してリフトオフして使用される。リフトオフ間隔はマスターカーブ作成時と現場での被検体の測定時とは同じ間隔Sが取られる。本発明では、例えば、0.5mmのリフトオフ間隔Sが採用されている。
周波掃引測定器3は、スタート周波数からストップ周波数まで、周波数が上昇または下降する方向にリニアまたはログ間隔で指定された掃引速度でその出力を変化させ、これをコイル2に出力すると共に測定対象に発生した渦電流によるインピーダンスZ(ω)を測定する計測器である。本発明では、周波数がログ等間隔で変化するように設定されている。
スタート周波数は、本発明では、例えば、スタート周波数は200Hz、ストップ周波数は200kHzである。スタート周波数からストップ周波数まで多周波数(例えば、200Hz,204.66Hz, ・・・2kHz・・20kHz・・200kHzの範囲で、対数スケールで300等間隔)で掃引する。掃引では正弦波が用いられる。計測値(インピーダンスZ(ω))は接続されているパーソナルコンピューター4に転送される。
パーソナルコンピューター4は、周波掃引測定器3からの出力(インピーダンスZ(ω))を受けて、決められた手順でデータ処理を行う。測定現場での厚さ測定では、必要なマスターカーブが予め記憶されており、現場での測定値をマスターカーブに当て嵌め、被検体の肉厚を測定する。
(第1実施形態:図1の左半分の図)
本発明の第1実施形態は、電磁気特性が把握されていない測定現場の単層部材(被検体)の厚さを同定するための単層用マスターカーブ(図5)を作成することである。
1:単層用マスターカーブの作成
ステップ1:コイル2の自己インピ―ダンスZ(ω)の測定
測定に用いられるコイル2を空中に配置し、この状態でコイル2にスタート周波数からストップ周波数まで対数等間隔で周波数掃引を行う。コイル2の自己インピーダンスZ(ω)は、(式1)で表示される。
ここで、ωは角周波数、Rはコイル2の自己インピーダンスの実数部、ωLは虚数部、Lはコイル2のリアクタンスである。理想のコイルにおいて、Rは0であるため、Z(ω)=R+jωL=jωLとなる。しかし、実際のコイルでは、巻き線に抵抗があるが、Rはほぼ周波数により変化しない値である。
ステップ2:各単層標準試験体10のインピーダンスZ(ω)の測定(図1)
単層用マスターカーブ作成の基準となる単層標準試験体10として、厚さTの異なる非磁性導電性単層板(例えば、アルミニウム板、SUS板)を複数枚用意する。単層標準試験体10の導電率σは事前に把握されていないが、厚さTは予め正確に把握されている。
コイル2は、単層標準試験体10に対してリフトオフ(隙間S)して配置される(図1)。この状態でコイル2に通電し、各単層標準試験体10に対してステップ1と同じ条件(同じ対数等間隔)で周波数掃引する。これにより単層標準試験体10に渦電流が発生し、ファラディの法則により、この渦電流はコイル2が発生した磁場の変化を妨げるように反磁束が発生させる。その結果、コイル2のインピーダンスが変わる。これをインピーダンス変化といいΔZ(ω)表す。この変化した渦電流測定信号(インピーダンス変化ΔZ(ω))に単層標準試験体10の厚さ変化が現れる。
Figure 0007374032000002
単層標準試験体10の存在によるインピーダンス変化ΔZ(ω)はインピーダンスZ(ω)とコイルの自己インピーダンスZ (ω)の差である
この渦電流測定信号(インピーダンスZ(ω))は単層標準試験体10の厚さT、コイル2の構造や励磁周波数の関数であるので、この渦電流測定信号(インピーダンスZ(ω))の分析によって、単層標準試験体10の厚さTとこの渦電流測定信号との対応関係を知ることができる。
ステップ3:インピーダンス信号の正規化
インピーダンスZ(ω)は、式(2)(3)に示すように、周波数の増大と共に大きくなり、これを1つの複素平面に収めると、分析しやすくなる。このプロセスがインピーダンス正規化である。
正規化インピーダンスZnorは、ステップ2 で測定したインピーダンスZ(ω)とコイルの自己インピーダンスの実数部、すなわち抵抗R の差である (Z(ω)-R )をコイル2の自己インピーダンスZ (ω)の虚数部であるωL で割ることで算出する(式4)。
ここで、Znor;正規化インピーダンス。
その虚数部は、(虚数部)jXnor=(jωΔL/ωL)+j
その実数部は、(実数部)R nor =(ΔR/ωL )である。
ステップ3 の正規化により、広い周波数範囲で掃引する信号を同じレベルにすることができ、1つの複素平面に描くことができる(図2)。図2の縦軸は、正規化インピーダンスZnorの虚数部、横軸は実数部である。
ステップ4:正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)の演算
各単層標準試験体10の正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)は、式5によりそれぞれ演算される。
(i=1,N-1) N:スタート周波数~ストップ周波数までの離散周波数の数
この各単層標準試験体10の周波数差分(Znor)を複素平面に表したもの(リサージュ曲線)が図3である。横軸が実数部、縦軸が虚数部である。図3では7つの厚さ(図3の右肩の数値はmm単位の各試験片の厚さT である)の各単層標準試験体10の周波数差分(Znor)を示す。
ステップ5:特徴量となる極値の抽出
ここでは周波数差分f(Znor)から各単層標準試験体10の特徴量となる極値を抽出する。
各単層標準試験体10の周波数差分f(Znor)の虚数部df(Xnor)の、掃引周波数に対する変化を示したのが図4である。縦軸が虚数部df(Xnor)、横軸が掃引周波数である。
図4の各曲線(図では7本の曲線)の虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minが各単層標準試験体10の厚さTに対応しており、この最小値d(Xnor)minが各単層標準試験体10の厚さT と関連する特徴量となる。
そして、前記特徴量と前記各単層標準試験体10の厚さTとを対応させて単層用標準試験体10の厚さTに関する単層用マスターカーブを作成する(図5)。横軸に単層標準試験体10の厚さTをとり、縦軸に各単層標準試験体10の演算値df(Znor)の虚数部df(Xnor)の最小値df(Znor)minを取った。
この単層用マスターカーブは測定現場の被検体の導電率に関係せず、厚さのみに関係し、且つ単調な曲線であるから現場での利便性が高い。換言すれば、正確な導電率が不明な測定対象についても正確な測定が可能であることを意味する。
上記図3~図5は、下記単層標準試験体10の実測結果である。
用意した単層標準試験体は以下の通りである。
SUS304板(150mm×150mm)厚さ(mm):1,2,3,4,5
SUS304板(100mm×100mm)厚さ(mm):3,4,5
Al板 (150mm×150mm)厚さ(mm):0.5,1,2
Al5052板(150mm×150mm)厚さ(mm):3,4,5,6
これら単層標準試験体には同じ周波数掃引測定を上記のように行った。
次にこの単層用マスターカーブを用いて測定現場における単層の被検体の厚さを同定する作業について説明する。
測定に使用されるコイル2は測定現場における単層部材(被検体)に最適のものが選ばれ、単層用マスターカーブも当然測定現場で使用されるコイル2を使ったものが用いられる。単層の被検体の導電率は不明である。
被検体の厚さの測定は、上記ステップ2~5に従って行われる。即ち、コイルは、単層用マスターカーブ作成に使われたものを使用する。そして前記測定用のコイルによる単層用マスターカーブは予め用意されており、パーソナルコンピューターに記憶をさせておく。
次に、被検体上にリフトオフ間隔を設けて上記コイルを配置する。リフトオフ間隔は単層用マスターカーブ作成時と同じ間隔にする。
そして、単層用マスターカーブ作成時と同じ周波数掃引で前記コイルに通電して被検体に渦電流を発生させる。
被検体の存在している場合のインピーダンスZ(ω)をコイルでセンシングし、パーソナルコンピューターに送る。
次に、式4に従って、このインピーダンスZ(ω)と予め記憶されているコイルの自己インピーダンスの実数部である抵抗R の差である(Z(ω)‐R )を自己インピーダンスの虚数部であるωL で割ることで、被検体のインピーダンスZ(ω)を正規化する。
そして、この正規化インピーダンス nor (ω)の周波数差分を演算し、周波数差分の虚数部から特徴量となる極値(虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)min)を抽出し、この特徴量(最小値)を予め記憶されている単層用マスターカーブに当て嵌めて被検体の厚さを同定する。
(第2実施形態)
1.二層用第1マスターカーブの作成(図1の右半分の図、図6~図9)
ここでは、測定対象の被検体(上層の導電率は下層の導電率より大である:上層σ>下層σ)に合わせて、第1二層標準試験体20の組み合わせを上層の導電率σが下層の導電率σより大になる(上層σ>下層σ)ようにその材質を選定する。そして、この第1二層標準試験体20を用いて測定現場の検査積層箇所(二層部材の被検体)の上層と下層のそれぞれの厚さT、Tを同定するための二層用第1マスターカーブを作成する。
ステップ1:第1実施形態と同じ方法で、測定に使用されるコイル2の自己インピ―ダンスZ(ω)を測定する。
次に、第1二層標準試験体20として、厚さTの上層部材と厚さTの下層部材が積層された二層部材20を用意する。
上層に配置されるA部材の導電率σ、下層に配置されるB部材の導電率σは上記のようにいずれも事前に把握されていないが、上層の厚さT、下層の厚さTは事前にそれぞれ正確に把握されている。
ステップ2:複数用意された第1二層標準試験体20の各インピーダンスZ(ω)の測定(図1の右の図)が第1実施形態と同じ方法で行われる。
第1二層標準試験体20の存在によるインピーダンスZ(ω)を第1実施形態と同様の手順でコイル2にてセンシングする。
ステップ3:インピーダンス信号Z(ω)の正規化
第1実施形態と同様、パーソナルコンピューター4では検出したインピーダンス信号Z(ω)とコイルの自己インピーダンスの実数部であるR の差である(Z(ω)‐R をコイル2の自己インピ―ダンスZ(ω)の虚数部であるωL で割ることでインピーダンス信号Z(ω)の正規化を行う。図6では5本の正規化インピーダンス信号 nor (ω)が示され、これらを結ぶと、同じ傾向を示す曲線(リサージュ波形)に纏まる。各曲線は板厚毎に曲線を形成する。
図中の符号A、Bで示す表は標準試験体20の板厚と積層順を示す。この5つの曲線の一番上の第1二層標準試験体20は符号AAで示され、最下段の部材は符号AAAで示されている。これは、2mm、3mmのA部材で構成された単層標準試験体で、2~4番目以降の二層部材との比較のために使用される。2~4番目は、上層が2mmのA部材で、残りが下層である。
ステップ4:第1実施形態と同様、上記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を演算する(図7)。
図7は周波数差分f(Znor)のリサージュ波形で、縦軸にその虚数部、横軸に実数部を取った複素平面である。
ステップ5:前記周波数差分f(Znor)の高周波領域Hから特徴量となる周波数差分f(Znor)の位相の最大値と、低周波領域Lから特徴量となる虚数部df(Xnor)の最小値とを抽出する(図7)。高周波領域H及び低周波領域Lにおける極値は図7に破線、及び実線でそれぞれ囲まれた部分で求められる。
ここでは、5本の曲線の特徴量となる高周波領域Hの周波数差分f(Znor)の位相の最大値(最大位相)と上層の厚さTとを対応させ、上層の厚さT毎にプロットしたのが図8である。
図8において、正規化インピーダンスZ nor (ω)の周波数差分f(Znor)の高周波領域Hの位相最大値(最大位相)は、上層の厚さTと良い相関を示している。
上層の厚さTが同定されると、次に下層の厚さTの同定に移る。下層は上層の厚さに影響されるため、上層の厚さT毎に下層の厚さTの算出が行われる。
図9の右肩の表で第1二層標準試験体20の上層の材質と厚さを示す。Aは、上層がA部材で厚さが1mm、・・・AAAAAは5mmである。
この場合は、まず、上層がA部材で厚さが1mmの第1二層標準試験体20の特徴量となる低周波領域Lの周波数差分f(Znor)の虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minと下層の厚さTとを対応させ、上層の厚さTU毎にプロットする。これを◆(塗潰し菱形)で示す。同様にして、上層がA部材で厚さが2mmの第1二層標準試験体20をプロットする。これを■(塗潰し正方形)で示す。これを5本示したのが図9である。なお、縦軸は虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)min、横軸は下層の厚さTである。
即ち、第1二層標準試験体20の下層の場合は、上層の厚みTごとに下層用のマスターカーブが描かれることになる。
(二層用第1マスターカーブの実測例)
測定用の二層標準試験体20(30)のA部材・B部材の選定は、現地の二層部材である被検体の上層と下層の導電率に合わせて図10の組み合わせによる。図10は、本発明で使用されるA部材、B部材の例である。組み合せに当たっては、A部材の導電率σの方がB部材の導電率σより大きくなるように選ばれる。導電率はAl>Al合金>SUSの順である。
ステップ1 ~3 上記組み合わせの標準試験体の正規化インピーダンスZnor(ω)のリサージュ波形を複素平面に描くと(図11)のようになる。
図11では、上層のリサージュ波形がその材質(アルミニウム、Al5052)に拘わらず、換言すれば導電率に拘わらず、厚みT(0.5、1、2,3、4,5mm)毎に描かれる。なお、厚みTは、曲線に重ねて書かれている数字である。
そしてステップ4 この正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を算出して上層の厚さT毎のリサージュ波形を複素平面に描くと図12のようになる。なお、厚みT は、曲線に重ねて書かれている数字である。
ステップ5 に従って、周波数差分値d f (Z nor )の高周波領域H と低周波領域L から特徴量図を抽出する。
図13は、二層部材の上層の厚さT と周波数差分値d f (Z nor )の高周波領域の特徴量の関係を示すプロットである。図14は上層の厚さT毎に下層の厚さT周波数差分値d f (Z nor )の低周波領域の特徴量の関係をプロットしたものである。図13では標準試験体の導電率の相違に拘わらず、板厚毎に点が一致している。図14も同様である。なお、図14の右肩の表で、塗潰し菱形(◆)Alを繋いだカーブは上層の厚さTが0.5mmのほぼ直線、塗潰し正方形(■)Alは同1mmのほぼ直線、塗潰し三角形(▲)Alは同2mmのほぼ直線、バツ印(×)Al5052は同3mmのほぼ直線である。バツに縦棒印・Al5052は同4mm、塗潰し丸印(●)Al5052は同5mmのほぼ直線である。この場合も導電率には左右されない。
次にこの二層用第1マスターカーブを用いて測定現場における二層部材である被検体の上層及び下層の厚さを同定する作業について説明する。
被検体は二層部材で、上・下層の導電率は不明である。ただし、上・下層の材質は把握されており、この場合は、A部材である上層の導電率σは、B部材である下層の導電率σより大であることは把握されている(上層σ>下層σ)。
従って作業者は、(上層σ>下層σ)用である二層用第1マスターカーブを用いることになり、パーソナルコンピューター4にこの条件に合う二層用第1マスターカーブが予め格納されることになる。なお、上記同様、測定に使用されるコイル2は測定現場における二層部材(被検体)に最適のものが選ばれ、二層用第1マスターカーブも当然測定現場で使用されるコイル2を使ったものが用いられる。
そして、被検体の厚さの測定は、上記ステップ2~5に従って行われる。即ち、
コイルは、上記のように二層用第1マスターカーブ作成に使われたものを使用する。そしてそのコイルによる二層用第1マスターカーブは予め用意されており、パーソナルコンピューターに記憶をさせておく。コイルの自己インピーダンスZ (ω)もパーソナルコンピューターに記憶をさせておく。
次に、被検体上にリフトオフ間隔を設けて上記コイルを配置する。リフトオフ間隔は二層用第1マスターカーブ作成時と同じ間隔にする。
そして、二層用第1マスターカーブ作成時と同じ周波数掃引(対数等間隔でスタート周波数もストップ周波数も同じ)で前記コイルに通電して被検体に渦電流を発生させる。
上記コイルで被検体が存在する時のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、パーソナルコンピューターに送る。
次に、ステップ3 の手順に従って、このインピーダンスZ(ω)とコイルの自己インピーダンスの実数部であるR の差である(Z(ω)‐R )をコイル2の自己インピ―ダンスZ (ω)の虚数部であるωL で割ることで、被検体のインピーダンスを正規化し、正規化インピーダンスZ nor (ω)を算出する
そして、ステップ4 の手順に従って、この正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を演算し、ステップ5 の手順に従って、前記周波数差分f(Znor)の高周波領域Hから特徴量となる周波数差分f(Znor)の最大位相df(Xnor)と、低周波領域Lから特徴量となる最小値df(Xnor)minとを抽出する。
抽出した高周波領域Hの周波数差分f(Znor)の最大位相である特徴量を図8の二層用第1マスターカーブ(上層用)に当て嵌め、被検体の上層の厚さを同定する。
同様に低周波領域Lfの最小値df(Xnor)である特徴量を図9の二層用第1マスターカーブ(下層用)から上層と同じ厚さのカーブを選び、このカーブに上記低周波領域Lfの最小値df(Xnor)である特徴量を当て嵌め、被検体の下層の厚さを同定する。これにより被検体の上・下層の厚さ同定が完了する。
(第3実施形態)
二層用第2マスターカーブの作成(図1の右の図、図15~図23)
この場合は、第2実施形態の逆で、第2二層標準試験体30の組み合わせを上層の導電率σが下層の導電率σより小になる(上層σ<下層σ)ようにその材質を選定する。電磁気特性は同様に把握されていない。そして、この第2二層標準試験体30を用いて測定現場の検査積層箇所(二層部材)の上層と下層のそれぞれの厚さを同定するための二層用第2マスターカーブを作成する。
ステップ1:第1又は第2実施形態と同じ方法でコイル2の自己インピ―ダンスZ(ω)を測定する。
次に、第2二層標準試験体30として、厚さTの上層部材と厚さTの下層部材の積層体を用意するが、これらの点は第2実施形態と同様である。しかしながら、上記のように導電率は(上層σ<下層σ)である。
ステップ2:複数用意された第2二層標準試験体30の各インピーダンスZ(ω)の測定
第2二層標準試験体30の各インピーダンスZ(ω)の測定(図1の右の図)が第2実施形態と同じ方法で行われ、インピーダンスZ(ω)を第2実施形態と同様の手順でコイル2にてセンシングし、パーソナルコンピューター4に送る。
ステップ3:インピーダンス信号Z(ω)の正規化
第2実施形態と同様、式4に従って、パーソナルコンピューター4でインピーダンス信号Z(ω)の正規化を行い、正規化インピーダンスZ nor (ω)を算出する。そこで、次のステップに進む。
ステップ4 正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)の演算
ここでは、式5に従って、第2実施形態と同様、正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)の演算を行う。図15は周波数差分値d(Znor)のリサージュ波形である。上層の導電率が下層の導電率より小さいため、上下層の情報が混じっており、この波形から特徴量が見いだせない。図15の標準試験体30の内、3つを使用して図16を作成した。虚数部df(Xnor)の周波数に伴変化を図16に示す。これにより、正規化インピーダンスZnor(ω)の変化を明確に表せるようになる。図16の縦軸が周波数差分d f (Z nor )の虚数部、横軸が周波数である。図16の左側が低周波領域L 、右側が高周波領域H である。高周波数H 及び低周波数L 領域には破線と実線の長円で囲まれた極小値df(Xnor)minが2箇所表れている。
ステップ5 :前記正規化インピーダンスZ nor (ω)の周波数差分値d (Z nor )の高周波領域H から特徴量となる虚数部d f (X nor )の極値(最小値d f (X nor )min)と低周波領域であるL から特徴量である虚数部d f (X nor )の極値(最小値d f (X nor )min)を抽出する(図16)
そしてこの図16の長円で囲んだ高周波領域Hの虚数部df(Xnor)の極値(最小値df(Xnor)min)を第1の特徴量として、上層の厚さを同定する。
続いて低周波領域Lの虚数部df(Xnor)の極値(最小値df(Xnor)min)を第2の特徴量として、上層の厚さ毎に下層の厚さを同定する。
図17は、第1の特徴量である高周波領域Hの虚数部d(Xnor)の極値(最小値df(Xnor)min)を抽出し、これらを縦軸に、上層の厚さTを横軸としてグラフにした図である。上層では複数の標準試験体30が示す極値(最小値)は、複数の標準試験体30の上層の厚さTの増加に対してほぼ単調に低減している。このグラフを第3実施形態の二層用第2マスターカーブ(上層用)とする。
図18は、第2の特徴量である低周波領域Lの虚数部df(Xnor)の極値(最小値df(Xnor)min)を抽出し、これらを縦軸に、下層の厚さTを横軸としてグラフにした図である。第2実施形態と同様、ここでも上層の厚さT毎にプロットされる。図18では、4つの上層厚の標準試験体30を用いた。図18の右肩の表で、塗潰し菱形(◆)Bを繋いだ右上がりの直線は上層の厚さTが1mm、塗潰し正方形(■)BBは同2mm、塗潰し三角(▲)BBBは同3mm、×印(×)BBBBは同4mmである。この場合も導電率には左右されない。グラフを二層用第2マスターカーブ(下層用)とする。
(二層用第2マスターカーブの実測例)
測定用の第2二層標準試験体30は、第2実施形態と同様、図10の組み合わせによる。
上記と同じ手順(ステップ1 ~3 で複数の第2二層標準試験体30の正規化インピーダンスZnor(ω)のリサージュ波形を複素平面に描く(図19)。このリサージュ波形は複雑すぎて特徴量を抽出できない。
そしてステップ4 に従って、この正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分f(Znor)を算出してそのリサージュ波形を複素平面に描くと図20のようになる。この場合もリサージュ波形が複雑すぎて特徴量を抽出できない。
そこで、正規化インピーダンスZnorの周波数差分f(Znor)の虚数部df(Xnor)と周波数との関係を取った(図21)。図21において、縦軸が周波数差分の虚数部、横軸が周波数である。図21における曲線は、図19、20の内の5本を示した。選択された第2二層標準試験体30は図18の右肩の表に示す。この5本の曲線は高周波領域H(破線長円で囲まれた部分)と低周波領域L(実線長円で囲まれた部分)において、それぞれ極値(最小値df(Xnor)min)を示す。
この高周波領域Hの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを第1の特徴量として抽出し、前記第1の特徴量と前記上層部材の厚さTとを対応させる。第1の特徴量である最小値df(Xnor)minと上層とを対応させたのが図22である。これを二層用第2マスターカーブ(上層用)とする。
そして、周波数差分f(Znor)の低周波領域Lの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)minを第2の特徴量として抽出し、前記第2の特徴量と上層の厚さT毎に下層部材の厚さTとを対応させたのが図23である。これを二層用第2マスターカーブ(下層用)とする。
二層用第2マスターカーブ(下層用)では、図中の表に示す上層(SUS304)の厚み(0.5、1、2、3、4mm)毎に下層(Al又はAl合金)のカーブが異なる。
次にこの二層用第2マスターカーブを用いて測定現場における二層部材である被検体の上層及び下層の厚さを同定する作業について説明する。この作業は第2実施形態とほぼ同じである。
被検体は二層部材で、この場合も上・下層の導電率は不明である。ただし、上・下層の材質は把握されており、この場合は、B部材である上層の導電率σは、A部材である下層の導電率σより小であることは把握されている(上層σ<下層σ)。
従って作業者は、(上層σ<下層σ)用である二層用第2マスターカーブを用いることになり、パーソナルコンピューター4に二層用第2マスターカーブが予め格納されることになる。なお、上記同様、測定に使用されるコイル2は測定現場における二層部材(被検体)に最適のものが選ばれ、二層用第2マスターカーブも当然測定現場で使用されるコイル2を使ったものが用いられる。
そして、被検体の厚さの測定は、上記ステップ2~5に従って行われる。
次に、被検体上にリフトオフ間隔を設けて上記コイルを配置する。リフトオフ間隔は二層用第2マスターカーブ作成時と同じ間隔にする。
そして、二層用第2マスターカーブ作成時と同じ周波数掃引(対数等間隔でスタート周波数もストップ周波数も同じ)で前記コイルに通電して被検体に渦電流を発生させる。
インピーダンスZ(ω)をコイルでセンシングし、
次に、予め記録されているコイルの自己インピーダンスを用いて、このインピーダンスZ(ω)を式4に従って演算し、正規化する。更にこの正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分の虚数部df(Xnor)から第1の特徴量(高周波領域における最小値df(Xnor)min)を抽出し、この第1の特徴量を二層用第2マスターカーブ(上層用)に適用して被検体の上層の厚さを同定する。
そして、第2の特徴量(低周波領域Lの虚数部df(Xnor)の最小値df(Xnor)min)を抽出し、同定した上層の厚さの二層用第2マスターカーブ(下層用)にこの第2の特徴量を適用して被検体の下層の厚さを同定する。これにより被検体の上・下層の厚さ同定が完了する。
1:厚さ測定装置
2:コイル
3:周波掃引測定器
4:パーソナルコンピューター
10:単層標準試験体
20:第1二層標準試験体
30:第2二層標準試験体
:単層標準試験体の厚さ
:二層標準試験体の上層の厚さ
:二層標準試験体の下層の厚さ
σ:A部材の導電率
σ:B部材の導電率
:高周波領域
:低周波領域
S:(リフトオフ)間隔
O(ω):コイルの自己インピーダンス
ΔZ(ω):インピーダンス変化
Z(ω):インピーダンス
nor(ω):正規化インピーダンス
f(Znor):正規化インピーダンスの周波数差分
f(Xnor):周波数差分f(Znor)のの虚数部
f(Xnor)min:周波数差分の虚数部の最小値

Claims (7)

  1. 周波数掃引により、厚さ測定に使用されるコイル2の自己インピーダンスZo(ω)を計測するステップ1と、
    厚さTの異なる単層標準試験体10上に前記コイル2を設置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電し、前記複数の単層標準試験体10に渦電流をそれぞれ発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
    前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記単層標準試験体10の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出するステップ3と、
    ステップ3 で正規化された前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)を算出するステップ4と、
    前記周波数差分(Znor)から特徴量となる極値を抽出し、前記特徴量と前記各単層標準試験体10の厚さTとをそれぞれ対応させ、前記単層標準試験体10の厚さTに関する単層用マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする厚さ測定用マスターカーブの作成方法。
  2. 前記特徴量を、複素数である前記周波数差分(Znor)の虚数部d(Xnor)の最小値d(Xnor)minを極値とすることを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定用マスターカーブの作成方法。
  3. 請求項1又は2で作成した単層用マスターカーブを予め用意し、
    測定現場における単層被検体上にコイル2を配置し、
    ステップ2 で、前記周波数掃引で前記コイル2に通電して単層被検体に渦電流を発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
    ステップ3 で、前記単層被検体のインピーダンスを正規化して前記単層被検体の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し、
    ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)を算出し、
    ステップ5 で、前記周波数差分(Znor)から特徴量となる極値を抽出し、
    前記特徴量を前記単層用マスターカーブに当て嵌めて前記単層被検体の厚さを同定することを特徴とする厚さ測定用マスターカーブを使用した測定現場での使用方法。
  4. 周波数掃引にて測定に使用するコイル2の自己インピーダンスZo(ω)を計測するステップ1と、
    上層部材の導電率σが下層部材の導電率σより大きく、上層部材の厚さT下層部材の厚さT が異なり、上・下層部材の厚さの和+T である複数の第1二層標準試験体20上に前記コイル2をそれぞれ配置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電し、第1二層標準試験体20に渦電流をそれぞれ発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
    前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記第1二層標準試験体20の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出するステップ3と、
    ステップ3 で正規化された前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分値d(Znor)を演算するステップ4と、
    前記周波数差分(Znor)の高周波領域Hから特徴量を抽出し、前記特徴量と前記上層部材の厚さTとを対応させ、
    続いて、上層部材の厚さT毎に低周波領域Lから特徴量を抽出し、前記特徴量と前記下層部材の厚さTとを対応させて第1二層標準試験体20の上層部材及び下層部材の厚さT・Tに関する上層用と下層用の第1マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする厚さ測定用マスターカーブの作成方法。
  5. 請求項4で作成した第1マスターカーブを予め用意し、
    上層部材の導電率σが下層部材の導電率σより大であることが分かっている検査箇所における二層部材(被検体)の上層部材上にコイル2を配置し、
    ステップ2 で、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電して前記検査箇所における二層部材に渦電流を発生させて、前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
    ステップ3 で、前記インピーダンスZ(ω)を正規化して第1二層標準試験体20の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し
    ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)を演算し、
    ステップ5 で、前記周波数差分(Znor)の高周波領域Hから特徴量となる前記周波数差分値(Znor)の位相最大値を抽出し、前記特徴量を上層用の第1マスターカーブに当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTを同定し、
    前記周波数差分(Znor)の低周波領域Lから特徴量となる前記周波数差分値(Xnor)最小値を抽出し、前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTに対応する下層用の第1マスターカーブに前記特徴量を当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の下層部材の厚さTを同定することを特徴とする厚さ測定用マスターカーブを使用した測定現場での使用方法。
  6. 周波数掃引にて測定に使用されるコイル2の自己インピーダンスZO(ω)を計測するステップ1と、
    下層部材の導電率が上層部材の導電率より大きく、上層部材の厚さT下層部材の厚さT が異なり、上・下層部材の厚さの和が+T である複数の第2二層標準試験体30上に前記コイル2をそれぞれ配置し、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電し第2二層標準試験体30に渦電流をそれぞれ発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングするステップ2と、
    前記インピーダンスZ(ω)を正規化して前記第2二層標準試験体30の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出するステップ3と、
    ステップ3 で正規化された前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分(Znor)を算出するステップ4と、
    前記周波数差分(Znor)の高周波領域Hの虚数部d(Xnor)の最小値d(Xnor)minを第1の特徴量として抽出し、前記第1の特徴量と前記上層部材の厚さTとを対応させ、
    続いて、上層部材の厚さT毎に前記周波数差分(Znor)の低周波領域Lの虚数部d(Xnor)の最小値d(Xnor)minを第2の特徴量として抽出し、前記第2の特徴量と前記下層部材の厚さTとを対応させて、第2二層標準試験体30の厚さT・Tに関する上層用と下層用の第2マスターカーブを作成するステップ5とで構成されることを特徴とする厚さ測定用のマスターカーブ作成方法。
  7. 請求項6で作成した第2マスターカーブを予め用意し、
    下層部材の導電率σが上層部材の導電率σより大きいことが分かっている検査箇所における二層部材(被検体)の上層部材上にコイル2を配置し、
    ステップ2 で、前記周波数掃引にて前記コイル2に通電して前記検査箇所における二層部材に渦電流を発生させて前記コイル2のインピーダンスZ(ω)をセンシングし、
    ステップ3 で、第2二層標準試験体30の前記インピーダンスZ(ω)を正規化して第2二層標準試験体30の正規化インピーダンスZnor(ω)を算出し、
    ステップ4 で、前記正規化インピーダンスZnor(ω)の周波数差分値d (Znor)を算出し、
    ステップ5 で、前記周波数差分(Znor)の高周波領域Hの虚数部の最小値を、検査箇所における二層部材の第1の特徴量として抽出し、
    前記周波数差分(Znor)の低周波領域Lの虚数部の最小値を、検査箇所における二層部材の第2の特徴量として抽出し、
    前記第1の特徴量を上層用及び下層用の第2マスターカーブに当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の上層部材の厚さTを同定すると共に、前記上層部材の厚さTに対応する下層用の第2マスターカーブに前記第2の特徴量に当て嵌めて前記検査箇所における二層部材の下層部材の厚さTを同定することを特徴とする厚さ測定用マスターカーブを使用した測定現場での使用方法。
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