JP2004183237A - 作業機の作業用バケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体部2と両側部3を有し、本体部の底部前端に複数の爪7を有する作業用バケットにおいて、爪7の下方に、ブレード8をボルト9によって着脱自在に装着した。前記爪7は、上方に大径のボルト挿通孔7aと、下方に小径の雌ねじ部7bとを有し、前記ブレード8は、前記ボルト挿通孔7aおよび雌ねじ部7bに対応する位置に雌ねじ部8aを有し、前記ボルト9は、頭部9aと雄ねじ部9bと頭部9aに穴9cとを有し、この穴9cにソケットレンチを挿入して、ボルト9を爪7のボルト挿通孔7aおよび雌ねじ部7bを通して、ブレード8の雌ねじ部8aに螺合することによって、爪7にブレード8を着脱自在に装着した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業機の作業用バケットに関し、詳しくは、リフトアーム先端部に取り付けられて土砂などを掘削または運搬する作業用バケットにおける機能拡大を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、前部に作業部が取り付けられる作業機10の本体車両20と、作業部40の側面図である。
【0003】
本体車両20は、左右両側に作業部40を取り付けるための連結ブラケット21と、作業部40の油圧シリンダを作動させる図示しない油圧装置およびバッテリとを有する。
【0004】
一方、前記作業部40は、本体車両20の左右両側に架設されたリフトアーム41と、リフトアーム41の先端に揺動自在に取り付けられる作業用バケット42と、リフトアーム41の基端に取り付けられる連結フレーム43とを有する。リフトアーム41は、基端側に設けられリフトアーム41の昇降を操作するリフトシリンダ44と、先端側に設けられ作業用バケット42の昇降を操作するダンプシリンダ45と、リフトアーム41を支持するスタンド機構46とを有する。
【0005】
そして、前記本体車両20の左右の連結ブラケット21と、作業部40の左右の連結フレーム43とを着脱自在に連結し、油圧装置のコネクタおよび電気コネクタを接続すると、図12に示すように、本体車両20の前方にリフトアーム41を介して、作業用バケット42が位置するようになる。
【0006】
この状態で、リフトシリンダ44および/またはダンプシリンダ45を操作すると、図13に示すように、リフトアーム41および/または作業用バケット42を揺動させて、作業用バケット42で土砂を掬い上げたり、運搬したり、他のダンプカーなどに積み込んだりすることができる(例えば、特許文献1参照。)。なお、図13では、作業用バケット42の位置および姿勢の例を、代表的に42,42’および42″で示している。また、それぞれの位置で作業用バケット42を揺動させた場合の、作業用バケット42の上端部を示している。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−27225号公報(従来技術、図6〜図8)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の作業用バケット42には、図14(a)に示すように、底部42aの前端部42bが直線状になった作業用バケット42Aや、図14(b)に示すように、底部42aの前端部に複数の爪42cを有する構造の作業用バケット42Bがある。前者の底部42aの前端部42bが直線状になった作業用バケット42Aは、例えば、平らな地面から土砂を掬い上げる場合には好都合であるが、反面、硬い地面を掘削する場合は作業性が悪いという問題点があり、一方、後者の爪42cを有する構造の作業用バケット42Bは、硬い地面を掘削する場合の作業性は良いが、反面、平らな地面から土砂を掬い上げる場合には不都合であるといった解決すべき課題があった。
【0009】
そのため、土木作業現場では、前者の本体部42aの前端部42bが直線状になった作業用バケット42Aを装着した作業機と、後者の本体部42aの前端部に複数の爪42cを有する作業用バケット42Bを装着した作業機との両方を配備するか、あるいは、前者の本体部42aの前端部42bが直線状になった作業用バケット42と、後者の本体部42aの前端部に複数の爪42cを有する作業用バケット42Bとを用意しておいて、土砂などを掬い上げる場合は、前者の作業用バケット42Aを装着した作業機を、また、硬い地面を掘削する場合は、後者の作業用バケット42Bを装着した作業機を使用するか、1台の作業機の本体車両に、前者の作業用バケット42Aまたは後者の作業用バケット42Bを付け替えて使用するようにしていた。
【0010】
ところが、そのように2種類の専用の作業用バケット42A,42Bを使い分けることは、一つの作業現場に、それぞれの作業用バケット42A,42Bを装着した複数の作業機を配備するか、それぞれの作業用バケット42A,42Bを1台の作業機に作業内容に応じて付け替える必要があり、コストアップの要因になるのみならず、交通不便な山間部などの作業現場では、多数の作業機や多種類の作業用バケットを作業現場まで運送するのも大変であるし、足場が悪い場所で、複数の作業機を作業内容によって交代して使用するのも困難であり、また、リフトアーム41の先端部に重量物である作業用バケットを付け替える作業も困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、単一の爪付き作業用バケットを、簡単に底部の前端部が直線状の作業用バケットに変更して機能を拡大することが可能な、作業機の作業用バケットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の作業機の作業用バケットは、作業機の上下方向に揺動可能なリフトアームの先端部に着脱自在に装着される作業用バケットにおいて、前方下方部に複数の爪を有し、この爪にブレードを着脱自在に取り付けるようにしたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0013】
上記の作業機の作業用バケットによれば、底部前端部の爪にブレードを着脱自在に取り付けるようにしたので、ブレードを装着していない状態では、爪を利用して硬い地面を容易に掘削することができるし、爪からブレードを取り外した状態では、平らな地面から土砂などを容易に掬い上げることができる。しかも、ブレードは作業用バケットに比較して、格段に小型、かつ軽量であるため、爪へのブレードの着脱は、リフトアームへの作業用バケットの着脱に比較して、著しく簡単、かつ、短時間で実施できる。
【0014】
なお、本発明の作業機の作業用バケットは、前記ブレードを、爪の下面に着脱自在に取り付けるようにすることが望ましいものである。
【0015】
上記の作業機の作業用バケットによれば、ブレードを爪の下面に取り付けるようにしたので、ブレードを取り付けた状態でも、爪付きの作業用バケットであることが一目瞭然であり、爪付きの作業用バケットとして使用する場合に、ブレードを取り外す作業用バケットの見分けが容易に行える。
【0016】
また、本発明の作業機の作業用バケットは、前記爪にボルト挿通用孔を設け、前記ブレードにボルト螺合用の雌ねじ部を設け、前記爪のボルト挿通用孔に挿通したボルトをブレードの雌ねじ部に螺合したことを特徴とするものである(請求項2)。
【0017】
上記の作業機の作業用バケットによれば、爪の下方にブレードを配置しておき、爪のボルト挿通孔を通してブレードの雌ねじ部にボルトを螺合することによって、簡単、かつ短時間でブレードを装着することができるし、逆に、ボルトを外せば、簡単、かつ短時間でブレードを爪から取り外すことができる。
【0018】
また、本発明の作業機の作業用バケットは、前記ブレードが複数に分割されていることを特徴とするものである(請求項3)。
【0019】
上記の作業機の作業用バケットによれば、ブレードが複数に分割されているので、個々のブレードがより一層小型、かつ軽量になり、爪への着脱作業が、より一層簡単になる。
【0020】
また、本発明の作業機の作業用バケットは、前記ブレードの少なくとも前端上面が傾斜面に形成されていることを特徴とするものである(請求項4)。
【0021】
ここで、「ブレードの少なくとも前端上面が傾斜面に形成されている」なる用語は、ブレードの前端上面のみが傾斜面に形成されている場合と、ブレードの前端上面および後端上面の両方が傾斜面に形成されている場合とを含むものである。
【0022】
上記の作業機の作業用バケットによれば、前記ブレードの前端上面が傾斜面に形成されているので、土砂などの掬い上げ作業時に、平らな地面上からでも土砂などをバケット内に容易に掬い上げることができる。なお、前記ブレードの前端上面および後端上面の両方が傾斜面に形成されている場合は、ブレードの前端部が摩耗したときに、ブレードを水平面内で180度回転させて、前後端部を入れ替えることによって、ブレードを長寿命化することができ、経費低減ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業機の作業用バケットの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前端部」とは作業用バケットの開口した側の端部側をいい、「後方部」とは開口した側と反対側をいう。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る作業用バケット1の斜め前方からの斜視図を示し、図2は斜め後方からの斜視図を示す。図3は作業用バケット1の拡大側面図、図4は拡大断面図、図5は拡大平面図、図5は拡大正面図を示す。また、図6(A)(B)は爪の拡大平面図および拡大側面図を示す。また、図7(A)(B)は爪に着脱自在に取り付けられたブレードの平面図および側面図、図8は爪とブレードの組付部の拡大断面図を示す。
【0025】
この作業用バケット1は、前側が略U字状に開口した本体部2と、略扇形の両側部3とを有し、この本体部2と両側部3とによって、土砂などを掬い上げて収容する凹部を構成している。本体部2の後方部には、リフトアームに取り付けられる連結部材4を有し、この連結部材4のピン孔5,6に連結ピン(図示省略)を挿入・取り外しすることによって、リフトアームおよびダンプシリンダに着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0026】
前記本体部2の底部前端部には、複数の爪7が一体に形成されるか固着されている。これらの爪7には、図6(a)(b)に示すように、それぞれ上方に大径のボルト挿通孔7aと、下方に小径の雌ねじ部7bとを有する。
【0027】
また、前記爪7の下部には、ブレード8が着脱自在に装着されている。このブレード8には、図7(a)(b)に示すように、前記爪7のボルト挿通孔7aおよび雌ねじ部7bに対応する位置に、雌ねじ部8aが設けられている。また、前端部上面には、傾斜面8bが形成されている。
【0028】
そして、図4および図8に示すように、各爪7のボルト挿通孔7aにボルト9を挿通して、爪7の雌ねじ部7bおよびブレード8の雌ねじ部8aに螺合することによって、爪7にブレード8が着脱自在に装着されている。
【0029】
前記ボルトは、図8(a)(b)に示すように、頭部9aと雄ねじ部9bと頭部9aに六角形の穴9cとを有するもので、穴9cに六角形のレンチを挿入して、爪7のボルト挿通孔7aから雌ねじ部7bおよびブレード8の雌ねじ部8aに螺合することによって、爪7にブレード8を着脱自在に装着している。ボルト9が完全に螺合された状態では、頭部9aが爪7のボルト挿通孔7aにほぼ入り込んで、土砂などの掬い上げの際にボルト9の頭部9aが、土砂などの移動の邪魔にならないようにしている。
【0030】
以上の構成によれば、爪7にブレード8を装着していない状態では、爪7を利用して硬い地面などを掘削することができるし、爪7にブレード8を装着すれば、ブレード8の直線状の前端部およびその傾斜面8bを利用して、平らな地面上の土砂などを容易に掬い上げることができ、爪付き作業用バケットの機能を拡大することができる。しかも、ブレード8は、作業用バケット1に比較すると、格段に小型、かつ、軽量であるため、大型、大重量の作業用バケットをリフトアームへ着脱する場合に比較すると、着脱作業が著しく容易である。
【0031】
また、爪7に大径のボルト挿通孔7bおよび小径の雌ねじ部9bを設けて、ブレード8を爪7の上方からボルト9で着脱自在に取り付けるようにしたので、爪7へのブレード8の装着作業時に、爪7の大径のボルト挿通孔7bおよび雌ねじ部9bを通して下方に位置するブレード8の雌ねじ部8aを確認し易いため、ブレード8の装着作業が容易になると共に、万一、ボルト9が緩んでブレード8が脱落することがあっても、ボルト9の頭部9aが大径のボルト挿通孔7bと雌ねじ部9bとの段部に係止され、かつ、その雄ねじ部9bが爪7の雌ねじ部7bに螺合された状態が保持されるので、小さいボルト9が散逸することがないという利点がある。
【0032】
なお、上記各実施形態は、特定の構成について説明したが、本発明はこれらの実施形態の構成に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、次のようにしてもよい。
【0033】
上記実施形態では、ブレード8が、図9(a)に示すように、本体部2の前側の幅寸法に一致する長さを有する1枚物の場合について説明したが、より小型、かつ、軽量化するために、図9(b)に示すように、1個のセンターブレード81と2個のサイドブレード82の3分割式、または、図9(c)に示すように、2個のセンターブレード83と2個のサイドブレード84の4分割式、あるいは、図9(d)に示すように、2個のセンターブレード85と2個のサイドブレード86の4分割式など、各種の変形が可能である。図9(d)に示すように、サイドブレード86の幅寸法が小さい場合は、雌ねじ部8aが幅方向に1個しか設けられないが、雌ねじ部8aが1個だけではサイドブレード86がボルト9を中心にして回転する可能性があるので、長さ方向に沿って2個の雌ねじ部8aを設ける。
【0034】
また、上記実施形態では、ブレード8の前端部の上面に傾斜面8bを形成する場合について説明したが、図10に示すように、前端部上面に傾斜面8bを形成すると共に、後端部上面にも傾斜面8cを形成してもよい。このようにすれば、ブレード8の使用によって、ブレード8の前端部が摩耗した場合に、ブレード8を水平面内で180度回転させて、その前後を入れ替えることによって、ブレード8を長寿命化することができる。
【0035】
また、上記実施形態では、爪7に大径のボルト挿通孔7bおよび小径の雌ねじ部9bを設けて、ブレード8,8A〜8Cを爪7の上方からボルト9で着脱自在に取り付けるようにしたが、このようにすれば、前述のように、爪7へのブレード8の装着作業が容易になると共に、万一、ボルト9が緩んでブレード8が脱落することがあっても、小さいボルト9が散逸することがないという利点があるが、爪7の雌ねじ部7bは省略してもよいし、あるいは、ブレード8を爪7の下方からボルトなどによって取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、上記各実施形態ではリフトアームおよび作業用バケットよりなる作業部が、本体車両の前側に装着される構成のものについて説明したが、作業部が本体車両の後部に装着されるもの、あるいは作業部が本体車両の前部および後部に装着されるものにも同様に実施することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の作業機の作業用バケットは、作業機の上下方向に揺動可能なリフトアームの先端部に着脱自在に装着される作業用バケットにおいて、前方下方部に複数の爪を有し、この爪にブレードを着脱自在に取り付けるようにしたことを特徴とするものであるから、ブレードを装着していない状態では、爪を利用して硬い地面を容易に掘削することができるし、爪にブレードを装着した状態では、平らな地面から土砂などを容易に掬い上げることができる。しかも、ブレードは作業用バケットに比較して、格段に小型、かつ軽量であるため、爪へのブレードの着脱は、リフトアームへの作業用バケットの着脱に比較して、著しく簡単、かつ、短時間で実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業機の作業用バケットにおける斜め前方からの斜視図である。
【図2】本発明の作業機の作業用バケットにおける斜め後方からの斜視図である。
【図3】本発明の作業機の作業用バケットの拡大側面図である。
【図4】本発明の作業機の作業用バケットの拡大部分平面図である。
【図5】本発明の作業機の作業用バケットの拡大部分正面図である。
【図6】(a)は本発明の作業機の作業用バケットにおける爪の拡大平面図、
(b)はその拡大側面図である。
【図7】(a)は本発明の作業機の作業用バケットにおけるブレードの拡大部分平面図、
(b)はその拡大側面図である。
【図8】(a)は本発明の作業機の作業用バケットにおける爪とブレードとの結合部の拡大断面図、
(b)はボルトの拡大平面図である。
【図9】(a)〜(d)は本発明の作業機の作業用バケットにおけるブレードの異なる実施形態の斜視図である。
【図10】本発明の作業機の作業用バケットにおけるブレードのさらに異なる実施形態の側面図である。
【図11】従来の作業機の概略側面図である。
【図12】本体車両の前側にリフトアームを介して作業用バケットを取り付けた状態を示す作業機の部分側面図である。
【図13】従来の作業機におけるリフトアームおよび作業用バケットの動作を説明する側面図である。
【図14】(a)は従来の作業用バケットの斜視図、
(b)は従来の他の作業用バケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 作業用バケット
2 本体部
3 側部
4 取付部材
5,6 ピン孔
7 爪
7a ボルト挿通孔
7b 雌ねじ部
8,8A〜8C ブレード
8a 雌ねじ部
8b,8c 傾斜面
9 ボルト
9a 頭部
9b 雄ねじ部
9c 穴
Claims (4)
- 作業機の上下方向に揺動可能なリフトアームの先端部に着脱自在に装着される作業用バケットにおいて、
前方下方部に複数の爪を有し、この爪にブレードを着脱自在に取り付けるようにしたことを特徴とする作業機の作業用バケット。 - 前記爪にボルト挿通用孔を設け、前記ブレードにボルト螺合用の雌ねじ部を設け、前記爪のボルト挿通用孔に挿通したボルトをブレードの雌ねじ部に螺合したことを特徴とする請求項1に記載の作業機の作業用バケット。
- 前記ブレードが複数に分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の作業機の作業用バケット。
- 前記ブレードの少なくとも前端上面が傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の作業機の作業用バケット。
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