JP2004182631A - アルキルフェニルエーテル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で取扱い易いアルコールをエーテル化剤として用いて、従来よりも高い反応速度及び選択率を実現できる効率的なアルキルフェニルエーテル類の製造方法を提供する。
【解決手段】1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させる工程を含んでなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法であって該反応工程は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で、酸塩基両機能性触媒の存在下に反応させてなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させる工程を含んでなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法であって該反応工程は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で、酸塩基両機能性触媒の存在下に反応させてなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコールを用いてアルキルフェニルエーテル類を製造する方法に関する。アルキルフェニルエーテル類は、医薬、農薬及び香料の原料として、また抗酸化剤等として、有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、メチルフェニルエーテル類を製造する方法としては、例えば、フェノール類にジメチル硫酸を強アルカリ性下で反応せしめる方法やフェノール類にハロゲン化メチルを水酸化アルカリ水溶液の存在下で反応せしめる方法等が知られている。しかし、何れの方法を用いても有毒物質を取り扱う安全衛生上の問題や原料が高価であること、副生する多量の無機物(硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等)含有廃水の処理に多大なコストを有する等の問題を有している。
【0003】
これらの問題点を解決すべく、安価で取扱い易いメタノールをエーテル化剤として用いるメチルフェニルエーテル類の製造方法が種々検討されている。
例えば、気相反応の例として、リン酸ホウ素触媒又はアルミニウム、ホウ素及びリンからなる触媒を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)、カオリン触媒を用いる方法(例えば、特許文献2参照。)及びゼオライト系触媒を用いる方法(例えば、特許文献3参照。)がそれぞれ開示されている。また、特定の構造を有するフェノール類と超臨界状態の一価アルコールとを、ゼオライト触媒または金属ハロゲン化物触媒の存在下に反応する方法(例えば、特許文献4参照。)が開示されているが、これらの触媒を使用する方法では、副生成物である核メチル化物が副生するため、メチルフェニルエーテルと核メチル生成物の分離に多段の精留塔が必要であるため、設備的にもコスト的にも割高となる問題がある。
【0004】
そのため、アルカリ金属元素とケイ素とを含有してなる酸化物触媒の存在下に、気相条件で反応することにより、核メチル化物を副生しないメチルフェニルエーテル類を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この方法では、エーテル化選択率には優れているものの触媒活性が低いため、大きな反応装置が必要となり、工夫の余地があった。特に第3成分としてリンを含有する触媒を用いた場合には、その傾向が顕著である。高い反応速度が得られる高温度での実施は、エーテル化選択率の低下を招いて核メチル体が副生してしまうからである。
【0005】
以上のように、従来のフェノール類とメタノールとを原料に用いるメチルフェニルエーテル類の製造方法は工業的に満足できるものではなかったので、反応速度が速く高い生産性を有し、なおかつ高い選択率でメチルフェニルエーテル類を製造し得る方法が望まれている。また、フェノール類をメチル化してメチルフェニルエーテル類を製造することに限らず、アルキル化してアルキルフェニルエーテル類を製造することにより、より多くの分野に適用されることとなるように工夫する余地もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭52−36634号公報(第1、2頁)
【特許文献2】
特公昭56−25213号公報(第1〜3頁)
【特許文献3】
独国特許発明DD第267034A1号明細書(第1〜4頁)
【特許文献4】
特開2001−335523号公報(第1頁)
【特許文献5】
特許第2865165号明細書(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、高い反応速度及び選択率を実現できる効率的なアルキルフェニルエーテル類の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フェノール類とアルコールとからアルキルフェニルエーテル類を製造するに際し、触媒として酸塩基両機能性触媒の存在下に、フェノール類とアルコールとをアルコールの亜臨界又は超臨界条件下で反応させることにより、低い反応温度領域においても反応速度が著しく向上し、なおかつオルトクレゾール類等の核アルキル化物が副生せずに極めて高い選択率でアルキルフェニルエーテル類が生成することを見出した。すなわち、通常では、気相触媒(Cs−Si)をそのまま使うと、超臨界条件下では核メチル化物等が副生するのに対して、例えば、触媒としてアルカリ金属及びリン及びケイ素を含有する複合酸化物を使うと、気相条件では活性が低いが、亜臨界又は超臨界条件下では活性向上が認められ、気相よりも反応速度が向上して工業的に有用な化合物であるアルキルフェニルエーテル類を効率的に製造することができるという有利な効果を奏することを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、亜臨界又は超臨界状態となる条件下においては、触媒表面のコーキングを抑制できることから、触媒のライフ(寿命)を延ばし、触媒を再生しないで使用することができるようになることも見出した。また、このような条件下においては、反応容器をコンパクトにすることが可能となり、この点においても有利な効果を奏するものである。
【0009】
すなわち本発明は、1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させる工程を含んでなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法であって、上記反応工程は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で、酸塩基両機能性を有する触媒、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、かつ、N、P、As、Sb、Bi、S、B、V、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、なおかつ、Al、Si、Ti及びZrからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物触媒、より好ましくは、アルカリ金属−リン−ケイ素を有する複合酸化物触媒の存在下に反応させてなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法である。
以下に、本発明を詳述する。
【0010】
本発明の製造方法においては、1価フェノール類化合物とアルコールとを酸塩基両機能性触媒の存在下に接触させることにより、これらを反応させることとなる。
本発明の方法における一方の原料であるフェノール類は、特に限定されないが、芳香環上にアルキル基を有していても良い1価フェノール類化合物が用いられる。具体例としては、フェノール、ナフトール等の1価フェノール類;p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類;2,6−キシレノール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノール、2,3−キシレノール、ジエチルフェノール、ジイソプロピルフェノール、ジブチルフェノール等のジアルキルフェノール類;2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類が挙げられる。なかでも、フェノール、モノアルキルフェノール類又はキシレノール類が好ましく、特には、フェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾールが好ましい。
【0011】
本発明におけるアルコールとしては、水酸基を1個有するものであればよく、例えば、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の脂肪族アルコールであることが好ましい。これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2,2−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール等が好適である。これらの中でも、メタノール、エタノール、2−プロパノールが好ましく、メタノールがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなアルコールは、反応媒体かつアルキル化剤として用いられることとなる。
このようなアルコールは、反応媒体かつアルキル化剤として用いられることとなる。
【0012】
本発明は、アルコールの亜臨界又は超臨界状態となる条件下で行うことを特徴とする。本発明におけるアルコールの超臨界条件とは、アルコールの臨界温度(Tc)と臨界圧力(Pc)とを越えた条件であり、また、亜臨界条件とは、アルコールの臨界点近傍の臨界温度及び/又は臨界圧力より低い条件領域(亜臨界条件)である。本発明において、アルコールの亜臨界又は超臨界条件は、反応温度がアルコールの臨界温度(ケルビン温度)の0.90倍以上で反応圧力がアルコールの臨界圧力の0.50倍以上の領域となるようにすることが好ましい。これにより、本発明の作用効果がより充分に発揮されることとなる。反応温度としては、より好ましくは、アルコールの臨界温度(ケルビン温度)の0.90倍以上であり、また、1.50倍以下であり、更に好ましくは、0.95倍以上であり、また、1.40倍以下であり、特に好ましくは、1.00倍以上であり、また、1.30倍以下であり、最も好ましくは、1.05倍以上であり、また、1.25倍以下である。また、反応圧力としては、より好ましくは、アルコールの臨界圧力の0.50倍以上であり、また、4.50倍以下であり、更に好ましくは、0.70倍以上であり、また、3.70倍以下であり、更に好ましくは、0.80倍以上であり、また、3.10倍以下であり、最も好ましくは、1.00倍以上であり、また、2.50倍以下である。
これら亜臨界又は超臨界条件のアルコールは気体と液体との中間的な性質をもち、既存の溶媒には認められない様々な特徴を有することとなる。
【0013】
本発明においては、例えば、アルコールとしてメタノールを用いる場合、超臨界条件は、メタノールの臨界温度である239℃と臨界圧力である8.1MPaを超えた条件であり、亜臨界条件は、温度190℃以上、かつ、圧力4MPa以上の条件である。反応温度としては、215℃以上であることが好ましく、また、450℃以下であることが好ましい。より好ましくは、240℃以上であり、また、400℃以下である。更に好ましくは、265℃以上であり、また、365℃以下である。また、反応圧力としては、4MPa以上であることが好ましく、また、40MPa以下であることが好ましい。より好ましくは、5.7MPa以上であり、また、30MPa以下であり、更に好ましくは、6.5MPa以上であり、また、25MPa以下である。最も好ましくは、8MPa以上であり、また、20MPa以下である。
【0014】
上記反応条件において、反応温度が高すぎると核アルキル化反応等の副反応やアルコールの分解反応が進行し、エーテル化選択率が低下するおそれがある。更に触媒のコーキングが進行し、触媒寿命が短縮されるおそれがある。一方、反応温度が低すぎると、反応速度の低下や液相に近い条件での物質移動過程の影響が大きくなる場合があり好ましくない。反応圧力が高すぎると高圧設備が必要になるため設備コストが高くなるうえ、反応速度が低下するため好ましくない。一方、圧力が低すぎると、気相状態に近くなって、反応物の露点の問題から濃度を低くする必要があるため生産性が悪くなる場合があり、なおかつアルコールの分解や触媒劣化が顕著になる場合があり工業的に不利となるおそれがある。
本発明では、上記亜臨界又は超臨界条件で反応させることにより反応速度を早めることができると共にアルコールの分解を抑制することができ、また反応装置を小型化することができる。
【0015】
本発明における酸塩基両機能性触媒は、固体酸として作用する部分と固体塩基として作用する部分とを共に有することになるものであればよく、1つの化合物上に酸性触媒としての活性点と塩基性触媒としての活性点の両方を有する形態、例えば酸性化合物と塩基性化合物とが一体となった複合酸化物であることが好ましい。
上記酸塩基両機能性触媒としては、例えば、塩基性化合物としては、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、かつ、酸性化合物としては、N、P、As、Sb、Bi、S、B、V、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、なおかつ、Al、Si、Ti及びZrからなる群より選ばれる1種以上の元素を有する化合物であることが好ましい。さらには、アルカリ金属元素とリンとケイ素を含有する複合酸化物が好適に用いられる。
このような酸塩基両機能性酸化物の酸度関数(HO関数)は、例えば、+4.0〜+12.0の範囲にあり、好ましくは、+5.0〜+10.0の範囲であり、さらには、+6.0〜+9.0の範囲であることが好ましい。
上記酸度関数とは、ハメットの酸度関数であり、中性塩基(B)の特定の指示薬群を用いて、ある物質がこれらの指示薬にプロトンを移動させる傾向を、その指示薬の変色の度合で定義したものである。指示薬の酸型BH+の解離定数をKBH+とすると、ハメットの酸度関数HOは、下記式で定義される。
h0=KBH+(CBH+/CB)
HO=−logh0
(式中、h0は、物質の酸度であり、CBH+/CBは、指示薬の共役酸BH+とその共役塩基Bの濃度比である。)
【0016】
本発明の好適な実施形態においては、酸塩基両機能性を示すアルカリ金属−リン−ケイ素を有する複合酸化物触媒、すなわちアルカリ金属原子とリン原子とケイ素原子とを有する複合酸化物触媒の存在下にエーテル化反応を実施する。本発明の方法に用いる触媒は、このような複合酸化物触媒であれば特に制限されないが、これら3成分の組成比は、下記一般式(1);
M1SixPy (1)
で表されることが好ましい。式中、Mは、アルカリ金属元素を表す。用いられるアルカリ金属にも制限はないが、カリウム、ルビジウム、セシウムが反応活性及び選択性の観点から好ましい。xは、通常1〜200であり、好ましくは、1.5〜100であり、更には、2〜50が好ましく用いられる。yは、通常0.1〜5であり、好ましくは、0.2〜4であり、更には、0.4〜2が好ましく用いられる。
本発明においては、リン成分を含有する触媒であることが最も好ましい。リン成分を有しない場合には、気相条件では高選択性を示す触媒でも、亜臨界又は超臨界条件下では選択率が低下し、核アルキル化物が副生してしまうからである。
【0017】
本発明の触媒は、BET比表面積が0.2〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは1.0〜50m2/gである。BET比表面積が100m2/gを越えるものは性能面で活性及び選択性の低下が大きいおそれがある。一方、0.2m2/g未満の低い表面積の触媒では、活性が低く収率を向上させることができないおそれがある。
【0018】
本発明で好ましく使用される触媒は、アルカリ金属原子、リン原子及びケイ素原子以外の1種以上の成分を添加することによって、触媒の成型性や熱的な安定性を制御することができる。添加できる成分としては、他のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、貴金属、カルコゲン元素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、砒素、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム等の各元素又はその化合物を例示することができる。
【0019】
本発明におけるエーテル化反応は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で行うため、反応系内に存在する触媒以外の反応原料や生成物等の各成分が、それぞれ全量又は一部が亜臨界又は超臨界アルコールに溶解していることが好ましい。従って、本発明におけるエーテル化反応は、アルコールと1価フェノール類化合物とのモル比を、2/1以上、また、200/1以下とすることが好ましい。より好ましくは、6/1以上、また、150/1以下であり、更に好ましくは、10/1以上、また、100/1以下である。アルコールのモル分率が高いほど生産性及び収率が向上するが、未反応のアルコール回収コストが大きくなるおそれがある一方、アルコールのモル分率が低いと、エーテル化収率が低下するうえ、触媒寿命が短くなる場合があるからである。
【0020】
本発明の方法において、反応形式は流通式によることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、触媒の形状は特に限定するものではなく、粉末を使用することもできるし、必要に応じてペレット、ビーズ、リング、タブレットや破砕型等の形状に圧縮成型したもの、又は、アルミナゾル、シリカゾル等の無機及び/又は有機バインダーにより成型したものを用いても良い。流通式で行う場合には、固定床式、流動床式のいずれの方式でも用いることができるが、固定床式反応装置が簡便なため好ましい。この際、所望の転化レベルを達成するために必要な実際の接触時間は、容器の大きさ、触媒への助触媒、又は、反応温度及び反応圧力等の要因に依存して広い範囲内で適宜選択することができる。
【0021】
上記反応工程を流通式により行う場合、反応器出口のガスはアルコールの臨界温度以下まで冷却して凝縮させた後、適当な圧力又は常圧まで減圧後、アルコール溶液(凝縮液)として回収される。凝縮液中には、溶媒であるアルコールの他に生成したエーテル化生成物類と水、場合によっては未反応原料のフェノール類、又は、少量の副生成物が含まれており、蒸留等の一般的な分離精製方法によってこれらを分離し、目的とするエーテル化生成物を得ることができる。生成物の溶解度が低い場合には凝縮液は二相に分離するが、このような場合でも通常の液一液分離や蒸留操作等によって容易に分離精製することができる。
【0022】
本発明の製造方法における反応の一例を下記反応式に示す。
【0023】
【化1】
【0024】
上記反応式では、アルコールとしてメタノールが用いられ、フェノールがエーテル化されて、メトキシベンゼン(アニソール)が得られている。
本発明においては、1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させることにより選択的にアルキルフェニルエーテル類を製造することになるが、アルキルフェニルエーテル類を生成する選択率が90モル%以上となるように反応条件等を設定することが好ましい。より好ましくは、92モル%以上である。なお、反応で消費された1価フェノール類化合物の全モル数を100モル%とし、そのうちのアルキルフェニルエーテル類のモル%を上記選択率とする。このように選択率を設定することにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することができ、例えば、本発明により製造されるアルキルフェニルエーテル類を、医薬、農薬及び香料の原料として、また、抗酸化剤等としてより有用なものとすることができることとなる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
また、転化率、収率、選択率は以下の式により計算した。
転化率=(1−(反応管出口での未反応フェノールのモル流量/反応器入口部におけるフェノールのモル流量))×100%
アルキルフェニルエーテル収率=(反応管出口のアルキルフェニルエーテル生成モル流量/反応器入口部におけるフェノールのモル流量)×100%
選択率=((アルキルフェニルエーテル収率)/(転化率))×100%
また、反応活性を評価する際の目安となるLHSVは以下の式で算出される。
LHSV(hr−1)
=(反応管入口での原料液供給速度(mL/hr)/触媒体積(mL))
【0027】
(触媒調製例1)
硝酸セシウム(27.1g)とリン酸二水素アンモニウム(12.8g)とを蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Aとする。得られた触媒AのBET比表面積は、7m2/gであった。また、触媒Aの組成は原子比で、Cs:Si:P=1:5:0.8であった。
【0028】
(比較例:触媒調製例2)
硝酸セシウム(27.1g)を蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Bとする。得られた触媒BのBET比表面積は、5m2/gであった。また、触媒Bの組成は原子比で、Cs:Si:P=1:5:0であった。
【0029】
(比較例:触媒調製例3)
リン酸二水素アンモニウム(12.8g)を蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Cとする。
得られた触媒CのBET比表面積は、70m2/gであった。また、触媒Cの組成は原子比で、Cs:Si:P=0:5:0.8であった。
【0030】
実施例1
内径10mm長さ135mmのSUS−316製直管反応管の下部にガラスウール2mLを充填し、その上に触媒Aを5mL(3.3g)充填した。反応器出口には空冷式冷却管を介してフィルターと背圧弁を取り付けて、圧力制御できるようにした。精密高圧定量ポンプを使用してフェノールのメタノール溶液(メタノール/フェノールモル比=20/1)を0.667mL/minの流量(LHSV=8.0hr−1)で反応器下部より上向きに流通させながら、背圧弁で反応管内の圧力を8.2MPaに設定した。反応管部分をGCオーブンを使用して外部から加熱し、温度を300℃に設定した。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は34%であり、アニソール収率33%、アニソール選択率は99%であった。
【0031】
実施例2
反応管内の圧力を10MPaに変更した以外は実施例1と同様に反応させた。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は34%であり、アニソール収率34%、アニソール選択率は100%であった。
【0032】
実施例3
流量を0.333mL/min(LHSV=4.0hr−1)に変更した以外は実施例1と同様にして反応させた。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は40%であり、アニソール収率37%、アニソール選択率は93%であった。
【0033】
実施例4
メタノールとフェノールのモル比を40/1に変更した以外は実施例3と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は49%であり、アニソール収率48%、アニソール選択率は98%であった。
【0034】
実施例5
メタノールとフェノールのモル比を100/1に変更した以外は実施例3と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は71%であり、アニソール収率65%、アニソール選択率は92%であった。
【0035】
比較例1
反応圧力を0MPa(常圧)に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は3%であり、アニソール収率3%、アニソール選択率は97%であった。
【0036】
比較例2
触媒Aのかわりに触媒B(5mL/2.5g)を使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は10%であり、アニソール収率5%、アニソール選択率は50%であった。選択率10%でオルトクレゾール等の核メチル化生成物が副生した。
【0037】
比較例3
触媒Aのかわりに触媒C(5mL/2.2g)を使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応開始後速やかに発熱を伴って活性劣化した。反応開始後1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は2%であり、アニソール収率1%、アニソール選択率は58%であった。選択率20%でオルトクレゾール及びキシレノールが副生した。
【0038】
上記した実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従えば、フェノール類とメタノールとからメチルフェニルエーテル類が従来になく極めて高い選択率及び収率で得られ、更に、気相条件(比較例1)に比べて亜臨界又は超臨界条件下では劇的に反応速度が向上するので、生産性が極めて高くなる。従って、本発明の方法はメチルフェニルエーテル類を工業的に製造する方法として優れたものである、ということができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明のアルキルフェニルエーテル類の製造方法は、上述のような構成からなり、安価で取扱い易いアルコールをエーテル化剤として用いて、1価フェノール類化合物から選択的にアルキルフェニルエーテル類を製造することにより、核メチル化物等の副反応生成物を抑制して、高い反応速度及び選択率で、効率的にアルキルフェニルエーテル類を製造することができる方法である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコールを用いてアルキルフェニルエーテル類を製造する方法に関する。アルキルフェニルエーテル類は、医薬、農薬及び香料の原料として、また抗酸化剤等として、有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、メチルフェニルエーテル類を製造する方法としては、例えば、フェノール類にジメチル硫酸を強アルカリ性下で反応せしめる方法やフェノール類にハロゲン化メチルを水酸化アルカリ水溶液の存在下で反応せしめる方法等が知られている。しかし、何れの方法を用いても有毒物質を取り扱う安全衛生上の問題や原料が高価であること、副生する多量の無機物(硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等)含有廃水の処理に多大なコストを有する等の問題を有している。
【0003】
これらの問題点を解決すべく、安価で取扱い易いメタノールをエーテル化剤として用いるメチルフェニルエーテル類の製造方法が種々検討されている。
例えば、気相反応の例として、リン酸ホウ素触媒又はアルミニウム、ホウ素及びリンからなる触媒を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)、カオリン触媒を用いる方法(例えば、特許文献2参照。)及びゼオライト系触媒を用いる方法(例えば、特許文献3参照。)がそれぞれ開示されている。また、特定の構造を有するフェノール類と超臨界状態の一価アルコールとを、ゼオライト触媒または金属ハロゲン化物触媒の存在下に反応する方法(例えば、特許文献4参照。)が開示されているが、これらの触媒を使用する方法では、副生成物である核メチル化物が副生するため、メチルフェニルエーテルと核メチル生成物の分離に多段の精留塔が必要であるため、設備的にもコスト的にも割高となる問題がある。
【0004】
そのため、アルカリ金属元素とケイ素とを含有してなる酸化物触媒の存在下に、気相条件で反応することにより、核メチル化物を副生しないメチルフェニルエーテル類を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この方法では、エーテル化選択率には優れているものの触媒活性が低いため、大きな反応装置が必要となり、工夫の余地があった。特に第3成分としてリンを含有する触媒を用いた場合には、その傾向が顕著である。高い反応速度が得られる高温度での実施は、エーテル化選択率の低下を招いて核メチル体が副生してしまうからである。
【0005】
以上のように、従来のフェノール類とメタノールとを原料に用いるメチルフェニルエーテル類の製造方法は工業的に満足できるものではなかったので、反応速度が速く高い生産性を有し、なおかつ高い選択率でメチルフェニルエーテル類を製造し得る方法が望まれている。また、フェノール類をメチル化してメチルフェニルエーテル類を製造することに限らず、アルキル化してアルキルフェニルエーテル類を製造することにより、より多くの分野に適用されることとなるように工夫する余地もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭52−36634号公報(第1、2頁)
【特許文献2】
特公昭56−25213号公報(第1〜3頁)
【特許文献3】
独国特許発明DD第267034A1号明細書(第1〜4頁)
【特許文献4】
特開2001−335523号公報(第1頁)
【特許文献5】
特許第2865165号明細書(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、高い反応速度及び選択率を実現できる効率的なアルキルフェニルエーテル類の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フェノール類とアルコールとからアルキルフェニルエーテル類を製造するに際し、触媒として酸塩基両機能性触媒の存在下に、フェノール類とアルコールとをアルコールの亜臨界又は超臨界条件下で反応させることにより、低い反応温度領域においても反応速度が著しく向上し、なおかつオルトクレゾール類等の核アルキル化物が副生せずに極めて高い選択率でアルキルフェニルエーテル類が生成することを見出した。すなわち、通常では、気相触媒(Cs−Si)をそのまま使うと、超臨界条件下では核メチル化物等が副生するのに対して、例えば、触媒としてアルカリ金属及びリン及びケイ素を含有する複合酸化物を使うと、気相条件では活性が低いが、亜臨界又は超臨界条件下では活性向上が認められ、気相よりも反応速度が向上して工業的に有用な化合物であるアルキルフェニルエーテル類を効率的に製造することができるという有利な効果を奏することを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、亜臨界又は超臨界状態となる条件下においては、触媒表面のコーキングを抑制できることから、触媒のライフ(寿命)を延ばし、触媒を再生しないで使用することができるようになることも見出した。また、このような条件下においては、反応容器をコンパクトにすることが可能となり、この点においても有利な効果を奏するものである。
【0009】
すなわち本発明は、1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させる工程を含んでなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法であって、上記反応工程は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で、酸塩基両機能性を有する触媒、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、かつ、N、P、As、Sb、Bi、S、B、V、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、なおかつ、Al、Si、Ti及びZrからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む複合酸化物触媒、より好ましくは、アルカリ金属−リン−ケイ素を有する複合酸化物触媒の存在下に反応させてなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法である。
以下に、本発明を詳述する。
【0010】
本発明の製造方法においては、1価フェノール類化合物とアルコールとを酸塩基両機能性触媒の存在下に接触させることにより、これらを反応させることとなる。
本発明の方法における一方の原料であるフェノール類は、特に限定されないが、芳香環上にアルキル基を有していても良い1価フェノール類化合物が用いられる。具体例としては、フェノール、ナフトール等の1価フェノール類;p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のモノアルキルフェノール類;2,6−キシレノール、2,5−キシレノール、2,4−キシレノール、2,3−キシレノール、ジエチルフェノール、ジイソプロピルフェノール、ジブチルフェノール等のジアルキルフェノール類;2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類が挙げられる。なかでも、フェノール、モノアルキルフェノール類又はキシレノール類が好ましく、特には、フェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾールが好ましい。
【0011】
本発明におけるアルコールとしては、水酸基を1個有するものであればよく、例えば、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の脂肪族アルコールであることが好ましい。これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2,2−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール等が好適である。これらの中でも、メタノール、エタノール、2−プロパノールが好ましく、メタノールがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなアルコールは、反応媒体かつアルキル化剤として用いられることとなる。
このようなアルコールは、反応媒体かつアルキル化剤として用いられることとなる。
【0012】
本発明は、アルコールの亜臨界又は超臨界状態となる条件下で行うことを特徴とする。本発明におけるアルコールの超臨界条件とは、アルコールの臨界温度(Tc)と臨界圧力(Pc)とを越えた条件であり、また、亜臨界条件とは、アルコールの臨界点近傍の臨界温度及び/又は臨界圧力より低い条件領域(亜臨界条件)である。本発明において、アルコールの亜臨界又は超臨界条件は、反応温度がアルコールの臨界温度(ケルビン温度)の0.90倍以上で反応圧力がアルコールの臨界圧力の0.50倍以上の領域となるようにすることが好ましい。これにより、本発明の作用効果がより充分に発揮されることとなる。反応温度としては、より好ましくは、アルコールの臨界温度(ケルビン温度)の0.90倍以上であり、また、1.50倍以下であり、更に好ましくは、0.95倍以上であり、また、1.40倍以下であり、特に好ましくは、1.00倍以上であり、また、1.30倍以下であり、最も好ましくは、1.05倍以上であり、また、1.25倍以下である。また、反応圧力としては、より好ましくは、アルコールの臨界圧力の0.50倍以上であり、また、4.50倍以下であり、更に好ましくは、0.70倍以上であり、また、3.70倍以下であり、更に好ましくは、0.80倍以上であり、また、3.10倍以下であり、最も好ましくは、1.00倍以上であり、また、2.50倍以下である。
これら亜臨界又は超臨界条件のアルコールは気体と液体との中間的な性質をもち、既存の溶媒には認められない様々な特徴を有することとなる。
【0013】
本発明においては、例えば、アルコールとしてメタノールを用いる場合、超臨界条件は、メタノールの臨界温度である239℃と臨界圧力である8.1MPaを超えた条件であり、亜臨界条件は、温度190℃以上、かつ、圧力4MPa以上の条件である。反応温度としては、215℃以上であることが好ましく、また、450℃以下であることが好ましい。より好ましくは、240℃以上であり、また、400℃以下である。更に好ましくは、265℃以上であり、また、365℃以下である。また、反応圧力としては、4MPa以上であることが好ましく、また、40MPa以下であることが好ましい。より好ましくは、5.7MPa以上であり、また、30MPa以下であり、更に好ましくは、6.5MPa以上であり、また、25MPa以下である。最も好ましくは、8MPa以上であり、また、20MPa以下である。
【0014】
上記反応条件において、反応温度が高すぎると核アルキル化反応等の副反応やアルコールの分解反応が進行し、エーテル化選択率が低下するおそれがある。更に触媒のコーキングが進行し、触媒寿命が短縮されるおそれがある。一方、反応温度が低すぎると、反応速度の低下や液相に近い条件での物質移動過程の影響が大きくなる場合があり好ましくない。反応圧力が高すぎると高圧設備が必要になるため設備コストが高くなるうえ、反応速度が低下するため好ましくない。一方、圧力が低すぎると、気相状態に近くなって、反応物の露点の問題から濃度を低くする必要があるため生産性が悪くなる場合があり、なおかつアルコールの分解や触媒劣化が顕著になる場合があり工業的に不利となるおそれがある。
本発明では、上記亜臨界又は超臨界条件で反応させることにより反応速度を早めることができると共にアルコールの分解を抑制することができ、また反応装置を小型化することができる。
【0015】
本発明における酸塩基両機能性触媒は、固体酸として作用する部分と固体塩基として作用する部分とを共に有することになるものであればよく、1つの化合物上に酸性触媒としての活性点と塩基性触媒としての活性点の両方を有する形態、例えば酸性化合物と塩基性化合物とが一体となった複合酸化物であることが好ましい。
上記酸塩基両機能性触媒としては、例えば、塩基性化合物としては、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、かつ、酸性化合物としては、N、P、As、Sb、Bi、S、B、V、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、なおかつ、Al、Si、Ti及びZrからなる群より選ばれる1種以上の元素を有する化合物であることが好ましい。さらには、アルカリ金属元素とリンとケイ素を含有する複合酸化物が好適に用いられる。
このような酸塩基両機能性酸化物の酸度関数(HO関数)は、例えば、+4.0〜+12.0の範囲にあり、好ましくは、+5.0〜+10.0の範囲であり、さらには、+6.0〜+9.0の範囲であることが好ましい。
上記酸度関数とは、ハメットの酸度関数であり、中性塩基(B)の特定の指示薬群を用いて、ある物質がこれらの指示薬にプロトンを移動させる傾向を、その指示薬の変色の度合で定義したものである。指示薬の酸型BH+の解離定数をKBH+とすると、ハメットの酸度関数HOは、下記式で定義される。
h0=KBH+(CBH+/CB)
HO=−logh0
(式中、h0は、物質の酸度であり、CBH+/CBは、指示薬の共役酸BH+とその共役塩基Bの濃度比である。)
【0016】
本発明の好適な実施形態においては、酸塩基両機能性を示すアルカリ金属−リン−ケイ素を有する複合酸化物触媒、すなわちアルカリ金属原子とリン原子とケイ素原子とを有する複合酸化物触媒の存在下にエーテル化反応を実施する。本発明の方法に用いる触媒は、このような複合酸化物触媒であれば特に制限されないが、これら3成分の組成比は、下記一般式(1);
M1SixPy (1)
で表されることが好ましい。式中、Mは、アルカリ金属元素を表す。用いられるアルカリ金属にも制限はないが、カリウム、ルビジウム、セシウムが反応活性及び選択性の観点から好ましい。xは、通常1〜200であり、好ましくは、1.5〜100であり、更には、2〜50が好ましく用いられる。yは、通常0.1〜5であり、好ましくは、0.2〜4であり、更には、0.4〜2が好ましく用いられる。
本発明においては、リン成分を含有する触媒であることが最も好ましい。リン成分を有しない場合には、気相条件では高選択性を示す触媒でも、亜臨界又は超臨界条件下では選択率が低下し、核アルキル化物が副生してしまうからである。
【0017】
本発明の触媒は、BET比表面積が0.2〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは1.0〜50m2/gである。BET比表面積が100m2/gを越えるものは性能面で活性及び選択性の低下が大きいおそれがある。一方、0.2m2/g未満の低い表面積の触媒では、活性が低く収率を向上させることができないおそれがある。
【0018】
本発明で好ましく使用される触媒は、アルカリ金属原子、リン原子及びケイ素原子以外の1種以上の成分を添加することによって、触媒の成型性や熱的な安定性を制御することができる。添加できる成分としては、他のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、貴金属、カルコゲン元素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、砒素、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム等の各元素又はその化合物を例示することができる。
【0019】
本発明におけるエーテル化反応は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で行うため、反応系内に存在する触媒以外の反応原料や生成物等の各成分が、それぞれ全量又は一部が亜臨界又は超臨界アルコールに溶解していることが好ましい。従って、本発明におけるエーテル化反応は、アルコールと1価フェノール類化合物とのモル比を、2/1以上、また、200/1以下とすることが好ましい。より好ましくは、6/1以上、また、150/1以下であり、更に好ましくは、10/1以上、また、100/1以下である。アルコールのモル分率が高いほど生産性及び収率が向上するが、未反応のアルコール回収コストが大きくなるおそれがある一方、アルコールのモル分率が低いと、エーテル化収率が低下するうえ、触媒寿命が短くなる場合があるからである。
【0020】
本発明の方法において、反応形式は流通式によることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、触媒の形状は特に限定するものではなく、粉末を使用することもできるし、必要に応じてペレット、ビーズ、リング、タブレットや破砕型等の形状に圧縮成型したもの、又は、アルミナゾル、シリカゾル等の無機及び/又は有機バインダーにより成型したものを用いても良い。流通式で行う場合には、固定床式、流動床式のいずれの方式でも用いることができるが、固定床式反応装置が簡便なため好ましい。この際、所望の転化レベルを達成するために必要な実際の接触時間は、容器の大きさ、触媒への助触媒、又は、反応温度及び反応圧力等の要因に依存して広い範囲内で適宜選択することができる。
【0021】
上記反応工程を流通式により行う場合、反応器出口のガスはアルコールの臨界温度以下まで冷却して凝縮させた後、適当な圧力又は常圧まで減圧後、アルコール溶液(凝縮液)として回収される。凝縮液中には、溶媒であるアルコールの他に生成したエーテル化生成物類と水、場合によっては未反応原料のフェノール類、又は、少量の副生成物が含まれており、蒸留等の一般的な分離精製方法によってこれらを分離し、目的とするエーテル化生成物を得ることができる。生成物の溶解度が低い場合には凝縮液は二相に分離するが、このような場合でも通常の液一液分離や蒸留操作等によって容易に分離精製することができる。
【0022】
本発明の製造方法における反応の一例を下記反応式に示す。
【0023】
【化1】
【0024】
上記反応式では、アルコールとしてメタノールが用いられ、フェノールがエーテル化されて、メトキシベンゼン(アニソール)が得られている。
本発明においては、1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させることにより選択的にアルキルフェニルエーテル類を製造することになるが、アルキルフェニルエーテル類を生成する選択率が90モル%以上となるように反応条件等を設定することが好ましい。より好ましくは、92モル%以上である。なお、反応で消費された1価フェノール類化合物の全モル数を100モル%とし、そのうちのアルキルフェニルエーテル類のモル%を上記選択率とする。このように選択率を設定することにより、本発明の作用効果をより充分に発揮することができ、例えば、本発明により製造されるアルキルフェニルエーテル類を、医薬、農薬及び香料の原料として、また、抗酸化剤等としてより有用なものとすることができることとなる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
また、転化率、収率、選択率は以下の式により計算した。
転化率=(1−(反応管出口での未反応フェノールのモル流量/反応器入口部におけるフェノールのモル流量))×100%
アルキルフェニルエーテル収率=(反応管出口のアルキルフェニルエーテル生成モル流量/反応器入口部におけるフェノールのモル流量)×100%
選択率=((アルキルフェニルエーテル収率)/(転化率))×100%
また、反応活性を評価する際の目安となるLHSVは以下の式で算出される。
LHSV(hr−1)
=(反応管入口での原料液供給速度(mL/hr)/触媒体積(mL))
【0027】
(触媒調製例1)
硝酸セシウム(27.1g)とリン酸二水素アンモニウム(12.8g)とを蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Aとする。得られた触媒AのBET比表面積は、7m2/gであった。また、触媒Aの組成は原子比で、Cs:Si:P=1:5:0.8であった。
【0028】
(比較例:触媒調製例2)
硝酸セシウム(27.1g)を蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Bとする。得られた触媒BのBET比表面積は、5m2/gであった。また、触媒Bの組成は原子比で、Cs:Si:P=1:5:0であった。
【0029】
(比較例:触媒調製例3)
リン酸二水素アンモニウム(12.8g)を蒸留水(110g)に均一に溶解させた。この水溶液中に、シリカビーズ(富士シリシア化学社製、キャリアクトQ−30,10−20メッシュ、商品名)41.7gを浸漬した。90℃湯浴上でよく攪拌しながら蒸発乾固させた後、空気気流下で120℃6時間、引き続いて500℃3時間焼成した。これを触媒Cとする。
得られた触媒CのBET比表面積は、70m2/gであった。また、触媒Cの組成は原子比で、Cs:Si:P=0:5:0.8であった。
【0030】
実施例1
内径10mm長さ135mmのSUS−316製直管反応管の下部にガラスウール2mLを充填し、その上に触媒Aを5mL(3.3g)充填した。反応器出口には空冷式冷却管を介してフィルターと背圧弁を取り付けて、圧力制御できるようにした。精密高圧定量ポンプを使用してフェノールのメタノール溶液(メタノール/フェノールモル比=20/1)を0.667mL/minの流量(LHSV=8.0hr−1)で反応器下部より上向きに流通させながら、背圧弁で反応管内の圧力を8.2MPaに設定した。反応管部分をGCオーブンを使用して外部から加熱し、温度を300℃に設定した。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は34%であり、アニソール収率33%、アニソール選択率は99%であった。
【0031】
実施例2
反応管内の圧力を10MPaに変更した以外は実施例1と同様に反応させた。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は34%であり、アニソール収率34%、アニソール選択率は100%であった。
【0032】
実施例3
流量を0.333mL/min(LHSV=4.0hr−1)に変更した以外は実施例1と同様にして反応させた。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は40%であり、アニソール収率37%、アニソール選択率は93%であった。
【0033】
実施例4
メタノールとフェノールのモル比を40/1に変更した以外は実施例3と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は49%であり、アニソール収率48%、アニソール選択率は98%であった。
【0034】
実施例5
メタノールとフェノールのモル比を100/1に変更した以外は実施例3と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は71%であり、アニソール収率65%、アニソール選択率は92%であった。
【0035】
比較例1
反応圧力を0MPa(常圧)に変更した以外は実施例1と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は3%であり、アニソール収率3%、アニソール選択率は97%であった。
【0036】
比較例2
触媒Aのかわりに触媒B(5mL/2.5g)を使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。温度と圧力が安定してから1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は10%であり、アニソール収率5%、アニソール選択率は50%であった。選択率10%でオルトクレゾール等の核メチル化生成物が副生した。
【0037】
比較例3
触媒Aのかわりに触媒C(5mL/2.2g)を使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。反応開始後速やかに発熱を伴って活性劣化した。反応開始後1.5時間後の反応器出口におけるフェノール転化率は2%であり、アニソール収率1%、アニソール選択率は58%であった。選択率20%でオルトクレゾール及びキシレノールが副生した。
【0038】
上記した実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従えば、フェノール類とメタノールとからメチルフェニルエーテル類が従来になく極めて高い選択率及び収率で得られ、更に、気相条件(比較例1)に比べて亜臨界又は超臨界条件下では劇的に反応速度が向上するので、生産性が極めて高くなる。従って、本発明の方法はメチルフェニルエーテル類を工業的に製造する方法として優れたものである、ということができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明のアルキルフェニルエーテル類の製造方法は、上述のような構成からなり、安価で取扱い易いアルコールをエーテル化剤として用いて、1価フェノール類化合物から選択的にアルキルフェニルエーテル類を製造することにより、核メチル化物等の副反応生成物を抑制して、高い反応速度及び選択率で、効率的にアルキルフェニルエーテル類を製造することができる方法である。
Claims (4)
- 1価フェノール類化合物とアルコールとを反応させる工程を含んでなるアルキルフェニルエーテル類の製造方法であって、
該反応工程は、アルコールの亜臨界又は超臨界条件下で、酸塩基両機能性触媒の存在下に反応させてなる
ことを特徴とするアルキルフェニルエーテル類の製造方法。 - 前記酸塩基両機能性触媒が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、かつ、N、P、As、Sb、Bi、S、B、V、Nb、Ta、Mo及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素を含み、なおかつ、Al、Si、Ti及びZrからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む
ことを特徴とする請求項1記載のアルキルフェニルエーテル類の製造方法。 - 前記反応工程の反応条件は、反応温度がアルコールの臨界温度(ケルビン温度)の0.90〜1.50倍であり、かつ、反応圧力がアルコールの臨界圧力の0.50〜4.50倍である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のアルキルフェニルエーテル類の製造方法。 - 前記アルコールと1価フェノール類化合物とのモル比は、2/1以上である
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアルキルフェニルエーテル類の製造方法。
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