JP2004182598A5 - - Google Patents

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WDM光学フィルター用ガラス基板、WDM光学フィルター
本発明は、光通信分野における光の波長分割多重化(wavelength division multiplexing、略してWDM)に使用される光学フィルター用のガラス基板、光学フィルター、並びに波長分割多重化用の光合分波器に関する。又、上記光学フィルター用ガラス基板に用いられるガラスの製造方法に関する。
波長多重光通信では、波長が僅かに異なる光を合波したり、逆に、複数の波長成分を含んだ光から、特定波長光を選択的に取り出す(分波)ことが行われている。このような合分波に用いられる光学フィルターは、WDM(wavelength division multiplexing)用光学フィルターと呼ばれており、特開平10−3398825号公報(特許文献1)、特表平10−512975号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。
これらの公報に記載された光学フィルターは、ガラス基板上に、SiO、TiO、Ta等の誘電体多層膜を形成した構成になっており、この誘電体多層膜に、特定波長の光を選択的に透過したり、反射したりする機能を付与することでバンドパスフィルターとしての機能を与えている。ここで、誘電体多層膜が形成されている基板には、石英等のガラス材料が使用されている。
特開平10−3398825号公報 特表平10−512975号公報
ところで、近年、この種の光学フィルターにおいて、バンドパスの中心波長が、温度変化によりドリフトすることが報告されている。又、温度ドリフトは、ガラス基板と誘電体多層膜の各熱膨張係数に依存することも報告されている。(Haruo Takahashi, Applied Optics, vol.34[4], pp.667-675, 1995)。
この文献では、ガラス基板の熱膨張係数が誘電体多層膜の熱膨張係数等によって決まる所定の範囲より小さい場合、単位温度あたりのバンドパス中心波長のドリフトは正方向(長波長方向)になること、一方、ガラス基板の熱膨張係数が誘電体多層膜の熱膨張係数等によって決まる所定の範囲より大き過ぎる場合、バンドパス中心波長のドリフトは負方向(短波長方向)となることが、報告されている。
ドリフトが大きい場合、使用温度の変動により、光学フィルターのフィルター特性、即ち、透過波長が変化してしまい、所望のフィルター特性が得られないと言う不都合が生じる。特に、光通信の波長多重伝送技術に用いられる光合分波器のように狭帯域のバンドパスフィルターとして用いる場合には、ドリフトによるフィルター特性の変動が伝送密度を制限してしまい、影響が大きい。
波長多重の高密度化に伴い、より温度変動に対して安定な特性を有する光学フィルター、これを用いた光合分波器の要求が高い。
温度安定性を高めるには、光学フィルターに温度調整装置をとりつけ制御する手法があるが、構成が複雑になり、そのため長期信頼性確保の困難さが増し、更に高価な素子・機器にならざるを得ない問題点がある。
今日では、上述したようなバンドパスの中心波長の温度ドリフトが、光通信における高密度化を阻害する要因の一つになっている。
さらに、光学フィルターは、ガラス基板上に、誘電体多層膜を形成した構成を有しているが、温度変化により、ガラス基板上に形成された誘電体多層膜が剥離しやすいという問題もある。
このような背景の下、本発明は、バンドパスの中心波長の温度ドリフトを低減し、誘電体多層膜の剥離を防止するため、所定の線熱膨張係数、組成を有する新規のガラス基板、及び、バンドパスの中心波長の温度ドリフトを低減した信頼性の高い光学フィルター並びに光合分波器を提供することを目的とする。
又、本発明の他の目的は、特定のガラス成分の含有量を調整し、波長分割多重化用光学フィルターの基板材料として好適な線熱膨張係数を有するガラスを製造する方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のための光学フィルターとするためのガラス基板であって、SiOを含み、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/K であるガラスからなることを特徴とするものである。
第2の発明は、表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のための光学フィルターとするためのガラス基板であって、必須成分として、SiO、RO(ただし、Rはアルカリ金属元素を示す。)、TiOを含み、前記必須成分の合量が60モル%以上であるガラスからなることを特徴とするものである。
第3の発明は、表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のための光学フィルターとするためのガラス基板であって、必須成分として、SiO、RO(ただし、Rはアルカリ金属元素を表す。)、TiOを含み、前記必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量が多いガラスよりなることを特徴とするものである。
第4の発明は、第2の発明、第3の発明において、前記ガラスが、
SiO 38〜58モル%、
TiO 7〜30モル%、
Al 0〜12モル%、
及び合量で15〜40モル%のRO、
を含むことを特徴とするものである。
第5の発明は、第4の発明において、ROとして、
NaO 10〜25モル%、
O 4〜15モル%、
を含むことを特徴とするものである。
第6の発明は、第2の発明、第3の発明において、前記ガラスが、
SiO 38〜55モル%、
NaO 13〜25モル%、
O 2〜15モル%、
TiO 10〜25モル%、
Al 0.5〜8モル%、
を含むことを特徴とするものである。
第7の発明は、第2〜6の発明において、前記ガラスが、アルカリ土類金属酸化物又は酸化亜鉛よりなる群より選ばれた一種又は複数種の酸化物R′Oを含むことを特徴とするものである。
第8の発明は、第7の発明において、前記R′Oの合量が2〜15モル%であることを特徴とするものである。
第9の発明は、第7の発明、第8の発明において、前記R′Oとして、
MgO 0〜13モル%、
CaO 0〜10モル%、
SrO 0〜 8モル%、
BaO 0〜6モル%、
ZnO 0〜10モル%、
を含むことを特徴とするものである。
第10の発明は、第7〜9の発明において、前記ガラスが、
MgO 1〜13モル%、
ZnO 0.5〜10モル%、
Sb 0〜1モル%、
を含むことを特徴とするものである。
第11の発明は、第2〜10の発明において、前記ガラスが、
ZrO 0〜2モル%、
HfO 0〜2モル%、
La 0〜2モル%、
0〜2モル%、
を含むことを特徴とするものである。
第12の発明は、第2〜11の発明において、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kであることを特徴とするものである。
第13の発明は、第12の発明において、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が105×10−7〜120×10−7/Kであることを特徴とするものである。
第14の発明は、第1〜13の発明において、ヌープ硬さが455MPa以上であることを特徴とするものである。
第15の発明は、第1〜14の発明のガラス基板と、前記基板上に形成された光学多層膜を備えた光合分波器用の光学フィルターである。
第16の発明は、第15の発明において、バンドパス中心波長の温度ドリフトが±0.0025nm/K以内であることを特徴とするものである。
第17の発明は、第15の発明、第16の発明の光学フィルターを有する波長分割多重化用の光合分波器である。
第18の発明は、表面に密着固定するようにバンドパスフィルター機能を有する光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のための光学フィルターとするためのガラス基板に用いるガラスの製造方法において、ガラス成分であるアルカリ金属酸化物ROとTiOの含有量を調整し、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kのガラスを得ることを特徴とするものである。
第19の発明は、第18の発明において、光学フィルターの使用温度域に合わせて、前記温度域において前記光学多層膜のバンドパス中心波長の温度ドリフトが極小となるように、ROとTiOの含有量を調整してガラスを製造することを特徴とするものである。
本発明によれば、硬く、耐候性に優れ、所定の平均線膨張係数を有し、波長分割多重化用光学フィルターの基板として好適なガラス基板、及び、バンドパス中心波長の温度ドリフトが小さく、温度変化に対して高い信頼性を有する波長分割多重化用の光学フィルター並びに光合分波器を得ることができる。
さらに、本発明によれば、基板材料であるガラスの特定成分の量を調整してガラスを作ることにより、光学フィルターとして使用する温度域における上記温度ドリフトを極小にすることができる。
最初に、ガラス基板の発明に関する実施の形態について説明する。
ガラス基板は、その表面に高屈折率を有する誘電体薄膜と低屈折率を有する誘電体薄膜を積層し、干渉によって入射光のうち特定波長の光を透過するバンドパス機能を有する光学多層膜を形成して光学フィルターにするために使用されるものである。
先に説明したように、波長分割多重化ではバンドパスの中心波長の温度ドリフトを低減する必要があるが、バンドパス機能は多層膜中における光の干渉を利用して得られるものなので、温度ドリフトを低減するには、温度変化に対する光学多層膜の光路長の変化を低減しなければならない。光路長の変化は、多層膜を構成する各薄膜の屈折率変化と膜厚変化によって生じるものと考えられる。
光学フィルターが温度変化に晒されると、光学多層膜だけでなく、ガラス基板も膨張あるいは収縮する。光学多層膜は、ガラス基板表面に密着固定されており、多層膜とガラス基板の線熱膨張係数に差があれば、ガラス基板の膨張、収縮によって、光学多層膜はガラス基板より応力を受けることになる。この応力により、光学多層膜の膜厚、屈折率が僅かに変化することになるが、この膜厚、屈折率の変化と、光学多層膜の膨張、収縮による膜厚変化などが相殺されれば、温度変化による光学多層膜中の光路長変化を低減できる。後述する実用的な光学多層膜を使用した場合、上記変化を相殺し、上記光路長変化を低減し、上記温度ドリフトを低減するには、−30〜+70℃におけるガラス基板の平均線膨張係数を100×10−7〜130×10−7/K、好ましくは105×10−7〜120×10−7/Kとすればよいことが、本発明者らによって見出された。
以上、説明したように、温度変化による光路長変化を低減するためには、ガラス基板と光学多層膜との密着固定された面で応力を発生させる必要があるものと考えられる。ガラス基板はガラス製であるがゆえに、誘電体薄膜を積層した光学多層膜よりも柔らかい。そのため、上記応力によって光学多層膜が密着固定されているガラス基板表面が、光学多層膜側にむしり取られるようにして光学多層膜が剥離してしまい、高信頼性が得られにくいという問題がある。
第1の態様は、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/K、好ましくは105×10−7〜120×10−7/Kであり、SiOを含むガラス基板である。平均線熱膨張係数を上記範囲にすることにより、バンドパス中心波長の温度ドリフトを低減することができ、SiOを含有することにより、ガラスの硬さが増加し、光学多層膜が剥離しにくいガラス基板を提供することができる。
なお、第1の態様では、SiOがガラス網目形成材になっていることが好ましい。SiOがガラス網目形成材となっているかどうかは、次のようにして判別することができる。まずガラスがB及びPなど、網目形成材となりうる他の成分を含まない場合、SiOはガラス網目形成材になっているものと見なすことができる。ガラスがB又はPなどを含有している場合は、SiOの含有量がこれより充分多量(たとえば2倍以上)であれば、SiOがガラス網目形成材になっているものと見なすことができる。SiOがガラス網目形成材になることによって、ガラス基板の硬さは更に増加し、温度変化時の光学多層膜剥離の問題を防止することができる。ガラス基板の硬さは、ヌープ硬さで455MPa以上が好ましく、460MPa以上がより好ましく、500MPa以上がさらに好ましい。
第2の態様は、基板の平均線熱膨張係数を温度範囲−30℃から+70℃において100×10−7〜130×10−7/K、好ましくは105×10−7〜120×10−7/Kにするとともに、十分な硬さを得るための組成を有するガラス基板であり、この基板を構成するガラスは、必須成分として、SiO、RO(ただし、Rはアルカリ金属元素を示す。)、TiOを含み、これら必須成分の合計含有量が60モル%以上のガラス、又は、必須成分として、SiO、RO(ただし、Rはアルカリ金属元素を示す。)、TiOを含み、これら必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量(ただし、ROの含有量とは、アルカリ金属酸化物の合計含有量を意味する。)が多いガラスである。以下、これらのガラスをSiO−RO−TiO系ガラスと呼ぶことにする。
第2の態様においても、ガラス基板の硬さは、ヌープ硬さで455MPa以上が好ましく、460MPa以上がより好ましく、500MPa以上がさらに好ましい。
上記SiO−RO−TiO系ガラスにおいて、SiOはガラスを硬くし、ガラスの耐候性を向上させる成分である。ROは、SiO含有ガラスの平均線熱膨張係数を上記所定範囲の平均線熱膨張係数に近づけるための成分であり、TiOは、上記所定範囲の平均線熱膨張係数を得るための成分であり、SiOと同様、優れた耐候性を得るための成分でもある。
SiO−RO−TiO系ガラスでは、ROとTiOの置換の度合いを制御しながら、ガラスの−30〜+70℃における平均線熱膨張係数を所定の範囲内で、基板表面に設けられる光学多層膜に応じて高精度に調整することができる。すなわち、使用温度域(例えば室温)において上記温度ドリフトが極小(最もゼロに近いことを意味する。)になるよう、ROとTiOの置換の度合いを調整して、ガラスの平均線熱膨張係数を好適な値に合わせ込むことができる。ROとTiOの置換の度合いは、各々の原料の量を調節し、ガラスの溶融を行うことにより制御することができる。
なお、SiO−RO−TiO系ガラスは、光通信で使用される1.3〜1.6μmの波長域で透明であり、光学ガラスとしても高品質なものである。
次に、SiO−RO−TiO系ガラスにおけるガラス成分の含有量について説明する。
SiOについては、その含有量が38モル%未満になると、ガラスの耐候性が低下するとともに、ガラスの硬さが低下して光学多層膜の剥離が起こりやすく、58モル%を超えると平均線熱膨張係数が上記所定の範囲よりも小さくなり、温度ドリフトが大きくなってしまう。したがって、SiOの含有量は、好ましくは38〜58モル%、より好ましくは38〜50モル%、さらに好ましくは38〜48モル%、特に好ましくは42〜48モル%である。
アルカリ金属酸化物ROについては、それらの合量が15モル%未満になると、先に説明した効果が得にくくなり、40モル%を超えるとガラスの耐候性が低下しやすくなる。よってアルカリ金属酸化物の合計含有量は、15〜40モル%が好ましく、22〜32モル%がより好ましい。
アルカリ金属酸化物としては、NaO、KOが好ましく、前記両成分を含むことがより好ましく、含有されるアルカリ金属酸化物が、NaO及びKOからなることがさらに好ましい。
NaOの含有量は、10〜25モル%が好ましく、13〜25モル%がより好ましく、15〜22モル%がさらに好ましい。
Oの含有量は、2〜15モル%が好ましく、4〜15モル%がより好ましく、5〜15モル%がさらに好ましく、6〜15モル%が一段と好ましく、6〜10モル%が特に好ましい。
TiOについては、その含有量が7モル%未満になるとガラスの耐候性が低下しやすくなるとともに、上記所定範囲の平均線熱膨張係数が得にくくなり、30モル%を超えても上記所定範囲の平均線熱膨張係数が得にくくなる。したがって、TiOの含有量は、7〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましく、10〜22モル%がさらに好ましく、12〜22モル%が一段と好ましく、12〜20モル%が特に好ましい。
Alについては、SiO−RO−TiO系ガラスにおいて任意成分であり、ガラスの耐候性を向上させるとともに、ガラスを硬くする成分である。しかし、その含有量が12モル%を超えると、上記所定範囲の平均線熱膨張係数が得にくくなる。したがって、Alの含有量は、0〜12モル%が好ましく、0.5〜12モル%がより好ましく、0.5〜8モル%がさらに好ましく、1〜8モル%が一段と好ましく、2〜8モル%が一層好ましく、2〜6モル%が特に好ましい。
なお、AlはSiOとともに耐候性を向上させ、ガラスを硬くする成分であって、任意成分としては特別な成分なので、必須成分とすることが望ましく、その場合、上記各成分の含有量は、
SiO 38〜58モル%、
NaO 13〜25モル%、
O 2〜15モル%、
TiO 10〜25モル%、
Al 0.5〜8モル%、
とすることがより好ましい。この組成で、特にROの合量を規定する必要はないが、ROの合量を上記組成と同様、好ましくは15〜40モル%、より好ましくは22〜32モル%としてもよい。
第2の態様の基板を構成するガラスは、上記各成分に加えて、アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛からなる酸化物の群より選ばれた一種又は複数種の酸化物を含むことが好ましく、なかでもMgO及びZnOを含むことが好ましい。アルカリ土類酸化物及び酸化亜鉛は、化学的耐久性を大きく損なうことなく、耐失透性及び溶融性を向上させる成分である。これら2価成分を含有させることにより、ガラスの液相温度を下げ、ガラスの製造、成形を容易に行うことができる。またMgOは、ガラスをより硬くし、光学多層膜剥離防止に効果のある成分でもある。アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛の何れかを含む場合、これら2価成分の合量を、上記効果を得るために2モル%以上とすることが好ましく、耐候性を低下させないために15モル%以下とすることが好ましい。
さらに、優れた耐失透性及び溶融性を得つつ、耐候性を低下させないという観点から、
ZnOの含有量を0〜10モル%、
MgOの含有量を0〜13モル%、
CaOの含有量を0〜10モル%、
SrOの含有量を0〜 8モル%、
BaOの含有量を0〜6モル%、
とすることがより好ましく、さらに、
MgOの含有量を1〜13モル%、
ZnOの含有量を0.5〜10モル%、
とすることが一層好ましい。
上記SiO−RO−TiO系ガラスには、脱泡剤を加えてもよい。脱泡剤としては、Sbなどを例示することができ、その含有量としては、0〜0.1モル%が好ましい。
上記SiO−RO−TiO系ガラスには、耐候性を向上させるために、ZrO,HfO,La,Yからなる群より選ばれた一種又は複数種の酸化物を含有させることもできるが、上記所定範囲よりも平均線熱膨張係数が小さくならないために、ZrO,HfO,La,Yの各成分の含有量は、0〜2モル%にすることが好ましく、0〜1.2モル%とすることがより好ましい。なお、これら各成分は、各々0.2モル%以上含有させることにより、耐候性向上の効果が顕著に現れる。
なお,本発明の目的から外れない限り、数%のLi,ランタニド、Nb、Ta、W、B、Ga、In、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Teの各酸化物を添加して、ガラスの屈折率、ガラス転移点、加工性等を調整することも可能である。又、本発明の目的から外れない限り、構成酸化物成分の内、数%をフッ化物に置換することも可能である。
しかし、耐候性、ガラスの硬さ、平均線熱膨張係数の諸性質から考え、SiO、NaO、KO、TiO、Al、MgO、ZnOからなるガラス、又は、このガラスに脱泡剤としてSbを加えたガラスが最も好ましい。
第1、第2の態様のガラス基板は、一般的に使用されるガラスより、熱膨張係数が大きいため、炭素鋼(熱膨張係数 120×10−7/K),ステンレス鋼[タイプ410](同110×10−7/K)など、工業的に広く用いられる金属材料をその固定材料に用いた場合でも、これら材料との熱膨張差が小さいために、温度変動により固定治具との間に生じる応力による光学的な歪みが軽微である。プラスチック材料についても、重合度・架橋剤を選ぶことによりポリエチレン,ポリスチレン,ポリメタクリル酸メチルなど工業的に広く用いられる材料でも熱膨張係数が 90〜150×10−7/Kであるものを利用することができるので、同様の利点がある。
上記SiO−RO−TiO系ガラスを光学要素に用い、上記のように炭素鋼,ステンレス鋼[タイプ410]、ポリエチレン,ポリスチレン,ポリメタクリル酸メチルなどの材料からなる固定部材に固定した光学素子を使用して構成された光学機器は、熱の変動に対する光学的歪みが小さく安定性が良好である。また、耐候性に優れるため広範な使用環境での利用が可能である利点を持つ。
次に、光学フィルターの実施の形態について説明する。
本発明の光学フィルターは、波長分割多重化するための光合分波器に用いられるものであり、上述のガラス基板上に、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜を堆積、積層して多層化、光学多層膜とし、この光学多層膜に光の干渉によるバンドパス機能を付与したものである。光学多層膜は、その構造を変えたり、屈折率を変えたりすることによってバンドパス中心波長を適宜、変化、調整することができる。
上記高屈折率誘電体薄膜の材料としては、TiO,Ta,HfO,ZrO,CeO,Al,Y,ZnS,MgO,La,CdS,Siを上げることができ、他方、低屈折率誘電体薄膜材料としては、SiO,MgF,ThFをあげることができる。上記した高屈折率誘電体薄膜の材料のうち、Ta、TiOがより好ましく、また、低屈折率誘電体薄膜の材料としては、SiOがより好ましい。
光学フィルターのバンドパス中心波長の温度ドリフトは、用いる基板材料の平均線熱膨張係数を適切に調整することで小さくすることが可能である。勿論、堆積する膜の特性・作成条件にも依存するが、およそ100×10−7〜130×10−7/Kの範囲内で適切な平均線熱膨張係数を持つ基板を用いることでフィルターのバンドパス中心波長の温度ドリフトを、±0.0025nm/K以内と非常に小さくすることが可能である。そのため、広範な温度範囲での使用が可能である。また、基板材料の耐候性が優れているため、研磨等加工時に表面劣化の問題が生じることがなく、広範な使用環境での利用が可能であるという利点を持つ。
波長1.5μm帯域の波長分割多重化において、合分波される波長成分の間隔が100GHz(波長間隔で0.8nm)の場合、温度ドリフトが2.5pm(0.0025nm)/Kを超えると、光学フィルターの高透過率を示す帯域のバンド幅が0.2nm程度のために、100℃(例えば−30〜+70℃)程度の温度変化で信号光波長がフィルターの不透過帯に位置することになるので不都合である。
合分波される波長成分の間隔が50GHz(波長間隔で0.4nm)の場合、温度ドリフトが0.5pm(0.0005nm)/Kを超えると、光学フィルターの高透過率を示す帯域のバンド幅が0.1nm程度のために、100℃(例えば−30〜+70℃)程度の温度変化で信号光波長がフィルターの不透過帯に位置する可能性が大きく、これもまた不都合である。
上記光学フィルターによれば、バンドパス中心波長の温度ドリフトを±0.0025nm/K以内、好ましくは、±0.0005nm/K以内に抑えることができ、通常の使用によって生じる可能性のある温度変化によって、信号光波長が光学フィルターの不透過帯に位置することを防止することができ、高い信頼性を得ることができる。
さらに、光学フィルターに使用されているガラス基板のヌープ硬さが455MPa以上なので、温度変化(例えば100℃)に対しても、光学多層膜とガラス基板の熱膨張差による光学多層膜の剥離を防止することができ、温度ドリフトの低減とともに高い信頼性を有する光学フィルターを得ることができる。
このような光学フィルターを使用した光分波器は、光学フィルターに波長多重化された信号光を導光する出射端部を備えた光ファイバーと、光学フィルターから光学多層膜を透過した波長成分を受ける入射端部を備え、当該波長成分を伝送する光ファイバーとを有し、前述した光ファイバーの出射端部及び入射端部を光学フィルターに対して位置決め保持することによって構成されている。
また、光合波器は、光学フィルターに対して、光学多層膜を透過する波長成分と光学多層膜により反射される波長成分をそれぞれ導光する光ファイバーの出射端部を位置決め保持する一方、光学多層膜を透過した波長成分、及び、光学多層膜により反射した波長成分を合波できるように、光学フィルターに対して入射端部を位置決め保持された光ファイバーとを備え、合波された光は、光ファイバーの入射端部から当該光ファイバーを通して、伝送できるように構成されている。波長多重化の度合いに応じて、バンドパス中心波長が異なる光学フィルターを複数用いて、各光学フィルターによって、波長成分の合波、分波を行うようにしてもよい。
上記光分波器、光合波器(一括して光合分波器と呼ぶ。)は、上述したように信頼性の高い光学フィルターを備えているので、温度変化が著しい環境においても高い信頼性を有している。
以下、本発明の実施例に係るガラス基板を更に詳しく説明する。
(実施例1〜22)
本発明のWDMフィルター用ガラス基板に係る実施例1〜22の各組成及び−30〜+70℃における平均線熱膨張係数、ヌープ硬さを表1に示す。表の各成分の含有量は、モル%表示である。又、線熱膨張係数の単位は、10−7/Kである。又、R′Oは、2価成分(アルカリ土類金属酸化物と酸化亜鉛)の合計含有量である。
本発明のガラスは、各成分の原料としてそれぞれ相当する酸化物,炭酸塩,硝酸塩等を使用し、表1に記載した組成になるように、所定の割合で秤量し十分に混合してガラス原料とする。この原料を白金製るつぼに投入して電気炉を用いて1200〜1450℃で溶融し,攪拌・清澄・均質化の後,適当に予熱された型内に鋳込んで固化し、徐冷して作成された。
Figure 2004182598
すなわち実施例1の組成のガラスを例に取れば、上記手順に従い、秤量され十分に混合された原料は白金製るつぼに投入され、予め1350℃に保持された電気炉内で2時間溶融された。
何れの実施例でもバッチの溶融・均質化は容易に行うことができ、作成したガラスに失透は観察されなかった。
このように作製したガラスを、30mmφ−1mm厚に加工し両面に研磨を施し、WDMフィルター用ガラス基板を作成した。
各実施例のガラスとも、上記平均線熱膨張係数は100×10−7/Kを超える値を有している。なお、平均線熱膨張係数の測定には、レーザー光を用いた光干渉法による熱膨張計(laser interferometry type thermal expansion meter)を用いた。
又、これらのガラスを粉末にして白金製かごに入れ、フラスコ中の純水中に浸漬し沸騰水浴中で1時間処理後、その重量減を計測したところ、何れのガラスでも減量は0.1%以下であり,良好な化学的耐久性を有していることが確認された。
1mm厚の研磨ガラス基板試料にTaとSiOを交互に堆積させた誘電体多層膜をコートした。誘電体多層膜の形成方法は、通常の光学薄膜形成で用いられている方法を採用することができる。例えば、IAD(Ion Assisted Deposition)法などを用いてもよい。
この時,Taをガラス基板表面と接触するよう配置し、多層膜の厚さは24μmとした。
上記多層膜を形成した面及び非コーティング面に対して,85℃−85%(相対湿度)で500時間保持する高温/高湿試験を施した。この高温/高湿試験の手法は、当該技術分野においては典型的な試験方法である。この試験の後,表面反応,劣化を評価するため,肉眼及び顕微鏡による観察を行った。ガラス基板試料の非コーティング面には曇りが観察されなかった。また、光学多層膜の膜下のガラスの表面反応も観察されなかった。また,ガラス表面からの光学多層膜の剥離も観察されなかった。
(参考例)
フツリン酸塩ガラスとして20モル%P−20モル%AlF−24モル%CaF−20モル%SrF−16モル%BaOなる組成を有するガラス、及びアルカリシリケートガラスとして30モル%NaO−70モル%SiOなる組成を有するガラスを作成した。手順は上記実施例1〜22と同様であるが,溶融温度はフツリン酸塩ガラスでは1050℃,アルカリシリケートガラスでは1250℃で行った。平均線熱膨張係数はフツリン酸塩ガラスでは125×10−7/K,アルカリシリケートガラスでは112×10−7/Kであった。
これらのガラスを粉末にし白金製かごに入れ,フラスコ中の純水中に浸漬し沸騰水浴中で1時間処理後,その重量減を計測したところ、減量は前者では0.25%、後者では5%であり、上述の各実施例のガラスに比べ、化学的耐久性が低いことが確認された。
(実施例23)
実施例5に示した組成を有する、バルク状のガラスを1×1×1cmに加工し、対向する2面を研磨後、図3に示す固定ジグにはさんで固定した。固定部材はSUS410(平均線熱膨張係数 110×10−7/K)で作成した。部品1A、B及び部品2A,Bは貫通穴に通したボルトを用いて固定され、ガラスを狭持する構造である。部品1A,Bの寸法は1×2×2.5cm,部品2A,Bの寸法は1×1×1cmである。
ガラスを治具に固定後、日本光学硝子工業会規格「JOGIS 14−1975 光学ガラスのひずみの測定方法」に従い,室温(23℃)において内部歪みが生じていないことを確認した後、ガラス及び固定治具を−25℃まで冷却した。この時のガラス内部に発生した歪みを同様に評価したところ、1nmが得られ、ガラスと固定ジグとの熱膨張係数の差に起因する温度変化によって誘起された歪みが非常に小さいことが確認された。
(比較例1)
ボロシリケート系光学ガラスBK7(SiOが74モル%、Bが9モル%、NaOが11モル%、KOが6モル%)を1×1×1cmに加工し、対向する2面を研磨後、実施例23と同様に図3に示す固定治具にはさんで固定した。このガラスの平均線熱膨張係数は75×10−7/Kである。実施例23と同様にガラス及び固定治具を冷却し、この時のガラス内部に発生した歪みを同様に評価したところ、8nmが得られ、この温度変化によって大きな歪みが誘起されたことが確認された。
(実施例24)
表1に示した各組成のWDMフィルター用ガラス基板の表面に、高屈折率材料にTa、低屈折率材料にSiOを用い、ファブリ−ペロー型の1.55μmバンドパスフィルターを作成した。膜構成はガラス基板/(HL)L(HL)H/空気とした(Hは高屈折率誘電体薄膜、Lは低屈折率誘電体薄膜を示している。)。
上記した膜構成は、ガラス基板表面側から高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄膜が交互に各7層ずつ、計14層積層され、その上に、高屈折率誘電体薄膜が2層、低屈折率誘電体薄膜1層、さらに高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄膜が交互に各7層ずつ、計14層積層、そしてその上に高屈折率誘電体薄膜が1層積層されることによって構成されていることを示す。
ここで、低屈折率誘電体薄膜の出発原料をSiO,高屈折率誘電体薄膜の出発原料をTaとし,基板温度は350℃とした。
−20〜+40℃の間での光学フィルターのバンドパス中心波長の温度依存性を測定したところ、実施例10の組成のガラスを例にとると、+0.0002nm/Kの値が得られ、温度安定性が非常に良好であることが確認された。その他の組成のガラスについても同様の評価を行ったところ、表1に示したとおり、−0.0008nm/K〜+0.0020nm/Kの値が得られ、温度安定性が非常に良好であることが確認された。
なお、入射光に対する透過及び反射特性は,積層構造を形成する各層の屈折率及び厚さから求めることができ,入射光の波長及び偏光に依存する。光学多層膜を構成する各層は、通常、1/4波長(λ/4)、或いは、その整数倍の光学的厚さを有する。
高屈折率材料は典型的にはTiO,Ta,HfO,ZrO,CeO,Al,Y,ZnS,MgO,La,CdS,Siである。低屈折率材料は典型的にはSiO,MgF,ThFである。
この光学多層膜は、ファブリ−ぺロー型の干渉フィルターであり、狭い波長範囲で高い透過性を有するとともに、その近接波長範囲の光を高反射で取り除く機能を有し、この光学多層膜を有する光学フィルターは、WDM用光学フィルターとして好適に用いられる。
(実施例25)
この実施例25では、46.5モル%SiO−3.3モル%Al−19.6モル%NaO−7.0モル%KO−16.6モル%TiO−5.2モル%MgO−1.8モル%ZnOの組成を有するガラスによって構成され、直径50mm−厚さ12mmを備えた基板を用意した。当該基板の両面を研磨し,片面に波長1544nm、50GHz用(高透過帯域の間隔(透過中心周波数の間隔)が50GHz、0.4mm)のファブリ-ペロー型干渉フィルター構造を有する光学多層膜を施した。この多層膜は、TaとSiOの100層以上の交互堆積からなり、全厚さが30〜40μmである。
光学多層膜を形成した後,非コーティング面からガラス基板を1mm厚さまで薄化した。そして、光学多層膜が形成された面の裏面(光学研磨面)に、1544nmの無反射コーティングを施した。この後、基板ガラスをこの応用分野で典型的なサイズである1.4mm×1.4mmに切り出し、複数個の光学フィルターを得た。そして、各フィルターの透過中心波長の温度安定性を評価した。
図4は、0℃から60℃における透過中心波長の変化を示している。この温度域は、フィルターの特性を評価する上で重要である。25℃以下では負の温度ドリフト,30℃以上では正の温度ドリフトが観察されが、その量は極めて小さく、この測定温度範囲における平均の温度ドリフトが非常に小さいことが確認された。
このように、温度ドリフトの符号が変化する付近の温度では、温度ドリフトを実質的にゼロと見なせる。この温度を主たる使用温度(室温)に設定することにより、実際の使用環境(特に過酷ではない通常の環境)で極めて安定した温度特性が得られる。上述したように、ガラス基板に含まれるROとTiOの量を調整することにより、室温において光学フィルターの温度ドリフトを実質的にゼロにすることができる。
なお,図示した温度ドリフトは測定点近傍の狭い温度領域での値を示す。実施例24と同様の評価による−20℃〜+40℃の間での平均値としては,−0.0004nm/Kの値が得られた。
また,このガラスの−30℃〜+70℃における平均線膨張係数は112.5×10−7/Kであった。
なお、図5は、WDM用光学フィルターの構造を模式的に示した図であり、前述したガラス基板上に、Ta膜及びSiO膜を交互に積層した構成を備えていることが判る。
図6は、実施例1〜22のガラス基板を用いて光学フィルターを作成した場合におけるガラス基板の平均線熱膨張係数とバンドパス中心波長の温度ドリフトの関係を示した図である。
(比較例2)
ボロシリケート系光学ガラスBK7を基板ガラスに用い、実施例24と同様にバンドパスフィルターを作成した。
実施例24と同様にバンドパスの中心波長の温度依存性を測定したところ、0.0055nm/Kの値が得られ,本発明のフィルターに比べて温度安定性が劣ることが確認された。
(実施例26)
次に、本発明の他の実施形態に係る光合分波器について説明する。図1は、光合分波器の機能を説明するための模式図である。
実施例1〜22のうち、任意のガラスを用いたガラス基板上に誘電体多層膜を形成して、透過波長λ,λ,λを有し、他波長を反射する光学フィルター(4A,4B,4C)を作成する。これらの光学多層膜に波長λ,λ,λからなる信号光を入力すると、各フィルター通過後の信号光を波長λ,λ,λにそれぞれ分波することができる。すなわち、このような構成で複数の波長成分からなる光を波長ごとに分波する素子として機能する。光進行方向を図1と逆にすれば、波長λ,λ,λの信号を合波する素子として機能することもできる。
図2は、4つの波長成分を含む信号光から各波長成分を分離して取り出す光合分波器の概略図である。
実施例1〜22のうち、任意のガラスを用いたガラス基板上に誘電体多層膜を形成して得られた光学フィルター(5A,5B,5C,5D)を、信号光波長域で透明な基材6に図2のように固定して光分波器を構成する。各フィルターの透過波長はλ,λ,λ,λとする。シングルモードファイバー9から出力される信号光(波長:λ,λ,λ,λが合波されたもの)をレンズ8でコリメートした後、 図2のように光分波器に入射させる。波長λ光は光学フィルター5Aを透過し、レンズ7Aでシングルモードファイバー10Aに結合され、チャンネルAから出力される。波長λ,λ,λ光は、光学フィルター5Aで反射され、図示のように光学フィルター5Bに入射する。光学フィルター5Bでは,上記同様に波長λ光が分波されてチャンネルBから出力される。以下同様にチャンネルC,Dからは波長λ,λ光が出力される。
波長多重伝送において、本光合分波器のシングルモードファイバー9を送信側、シングルモードファイバー10A〜Dを受信側に配置すると、信号を波長に応じて分解する光分波器として機能する。また、光進行方向を図2と逆にすれば、多波長信号を合波する光合波器として機能することもできる。何れの場合においても、各波長成分に対して、温度ドリフトが±0.0025nm/K以下という高い信頼性の光合分波器を得ることができる。上記光合分波器は、特に、波長成分が近接し、高密度化された波長多重通信において高い信頼性を発揮する。
本発明は光波長多重化に用いられる光学フィルター用ガラス基板、当該ガラス基板を使用した光学フィルター、並びに、当該ガラス基板を含む光合分波器に適用できる。
図1は、本発明に係る光学フィルターの使用状態を示す模式図である。 図2は、本発明の応用例である光合分波器を示す模式図である。 図3は、ガラスにおける歪みを測定する状態を示す図である。 図4は、実施例25の光学フィルターにおけるバンドパス中心波長の温度ドリフトと温度の関係を示した図である。 図5は、実施例24の光学フィルターの構造を示す模式図である。 図6は、実施例1〜22のガラス基板を用い、実施例24で得られた光学フィルターのバンドパス中心波長の温度ドリフトと平均線熱膨張係数の関係を示す図である。
符号の説明
4A,4B,4C、5A,5B,5C,5D 光学フィルター
6 基材
7A〜7D、8 レンズ
9、10A〜10D シングルモードファイバー

Claims (4)

  1. ガラス基板表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のためのWDM光学フィルターと、前記フィルターを固定する固定部材を備えた光学素子において、
    前記基板が、
    SiO、TiO、及びRO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)を含み、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kであるガラス、
    必須成分としてSiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分の合量が60モル%以上であるガラス、
    必須成分として、SiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量が多いガラスのいずれかよりなり、
    前記固定部材が炭素鋼、ステンレス鋼[タイプ410]、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリタメクリル酸メチルのいずれかの材料からなることを
    特徴とするWDM光学フィルター用ガラス基板。
  2. ガラス基板表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のためのWDM光学フィルターであって、
    前記基板が、
    SiO、TiO、及びRO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)を含み、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kであるガラス、
    必須成分としてSiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分の合量が60モル%以上であるガラス、
    必須成分として、SiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量が多いガラスのいずれかよりなり、
    前記光学多層膜が高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体膜を堆積、積層して多層化されたものであって、
    前記高屈折率誘電体薄膜がTiO、Ta、HfO、ZrO、CeO、Al、Y、ZnS、MgO、La、CdS、Siのいずれかよりなる薄膜であり、
    前記低屈折率誘電体薄膜がSiO、MgF、ThFのいずれかよりなる薄膜であることを特徴とするWDM光学フィルター。
  3. ガラス基板表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のためのWDM光学フィルターであって、
    前記基板が、
    SiO、TiO、及びRO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)を含み、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kであるガラス、
    必須成分としてSiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分の合量が60モル%以上であるガラス、
    必須成分として、SiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量が多いガラスのいずれかよりなり、
    前記光学多層膜が波長1.5μm帯域のバンドパスフィルターであることを特徴とするWDM光学フィルター。
  4. ガラス基板表面に密着固定するように光学多層膜を形成し、光の波長分割多重化のためのWDM光学フィルターであって、
    前記基板が、
    SiO、TiO、及びRO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)を含み、温度範囲−30℃から+70℃における平均線熱膨張係数が100×10−7〜130×10−7/Kであるガラス、
    必須成分としてSiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分の合量が60モル%以上であるガラス、
    必須成分として、SiO、RO(但し、Rはアルカリ金属元素を示す。)、及び、TiOを含み、前記必須成分以外の各成分の含有量よりも前記各必須成分の含有量が多いガラスのいずれかよりなり、
    前記光学多層膜が透過中心周波数の間隔が50GHzまたは100GHzのファブリーペロー型干渉フィルター構造を有することを特徴とするWDM光学フィルター。
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