JP2004182478A - バリウム系無機化合物粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末の製造方法および該バリウム系無機化合物粉末が得られるハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とするバリウム系無機化合物粉末の製造方法。ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させることを特徴とするハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とするバリウム系無機化合物粉末の製造方法。ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させることを特徴とするハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン含有量の少ないバリウム系無機化合物粉末の製造方法およびハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バリウム系無機化合物粉末はセラミックコンデンサー、PTCサーミスター、圧電素子、フェライト磁石等の電子部品の材料として広く用いられている。バリウム系無機化合物粉末の中でもチタン酸バリウム粉末は、積層セラミックコンデンサー用の材料として有用である。
【0003】
しかし、例えば、従来のチタン酸バリウム粉末は、チタンやバリウムの塩化物を出発原料として工業的に製造されているため、ハロゲン、特に塩素が多く含有されている。塩素を多く含有したチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサーを製造すると、チタン酸バリウムを含有する焼結体からなる誘電体層の電気絶縁性が低下するという問題を生じる。これは、コンデンサーの電極に用いられている銀が塩素の作用によりイオン化して誘電体層の中に移動するためとされている。
【0004】
ここで、チタン酸バリウム粉末に代表されるバリウム系無機化合物粉末に従来含有されていたハロゲンは、通常は該粉末の粒子表面に存在するので、水で洗浄することにより除去することは可能である。しかし、水で洗浄することにより、ハロゲンと同時に該粉末中のバリウムも溶出することが知られている。そして、例えば、Ba/Ti比を化学量論比の1に合わせたチタン酸バリウム粉末を得ても、水で洗浄することによりバリウムが溶出して減少し、バリウムが化学量論比より少ないチタン酸バリウム粉末となり、それを用いてコンデンサーを製造した場合、コンデンサーの電気容量が小さくなるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られる製造方法が求められていた。
【0006】
バリウムの溶出を抑えて水に接触させて洗浄する工程を含むチタン酸バリウム粉末の製造方法として、塩酸を添加した水で洗浄する工程を含む製造方法が従来より提案されている(例えば、非特許文献1参照。)が、バリウムの溶出を抑える効果は不十分であり、Ba/Ti比が化学量論比の1より小さい0.94のチタン酸バリウム粉末が得られていた。
【0007】
【非特許文献1】
エム・シー・ブランコ・ロペツ(M.C.Blanco Lopez)、ジー・フォーラリス(G.Fourlaris)、エフ・エル・リレー(F.L.Rilay)、チタン酸バリウム粉末の水性媒体との相互作用(Interaction of Barium Titanate Powders with an Aqueous Suspending Medium)、「ジャーナル・オブ・ジ・ヨーロピアン・セラミック・ソサエティー」(”Journal of the European Ceramic Society”)、(英国)、エルゼビア・サイエンス・リミテッド(Elsevier Science Limited)、1998年、Vol.18、p.2183−2192
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末の製造方法および該バリウム系無機化合物粉末が得られるハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末から、バリウムの含有量が化学量論比に近く、ハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末を製造する方法について鋭意検討した結果、炭酸塩を含有する水溶液とハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を接触させることにより、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からハロゲンを除去することができ、しかもバリウム系無機化合物粉末からのバリウムの溶出を抑えることができ、その結果バリウムの含有量が化学量論比に近く、かつハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とするバリウム系無機化合物粉末の製造方法を提供する。また本発明は、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させることを特徴とするハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のハロゲン除去方法においては、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、従来提案されている塩酸とは全く異なる炭酸塩を含有する水溶液に接触させ、ハロゲンを該水溶液に溶出させて除去する。そして、該工程を含むことにより、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量の少ないバリウム系無機化合物粉末を製造することができる。
【0012】
本発明で用いられる炭酸塩は水に対する溶解度が高いものが望ましく、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。中でも、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムなどのアンモニウム炭酸塩は、ハロゲン除去後の粉末に不純物金属イオンが残留することが少ないため好ましい。なお、市販の炭酸アンモニウムはカルバミン酸アンモニウム(NH4CO2NH2)と炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)の複塩であり、工業的には炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムを厳密に区別することが困難であることから、本発明においては前記三つの物質をアンモニウム炭酸塩と総称する。
【0013】
ここで、本発明で使用する水溶液に含まれる炭酸塩の合計量は通常は、炭酸塩が含まれていない水または水溶液に接触させてハロゲンを溶出させた場合に、該水または該水溶液に溶出するバリウムのモル量以上である。洗浄に使用する水溶液に含まれる炭酸塩の濃度は0.01モル/L以上であることが好ましく、0.05モル/L以上であることがさらに好ましい。炭酸塩の濃度が低過ぎると、バリウムの溶出量低減効果が減少するおそれがある。なお、洗浄により微量副生した炭酸バリウムは、ハロゲン除去工程後の水溶液を乾燥させ、その析出物を焼成するにより回収することができる場合がある。
【0014】
このような水溶液にハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を接触させる方法は特に限定されないが、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に分散させ、得られたスラリーを濾過してケーキとする方法、あるいは同様にして得られたケーキに炭酸塩を含有する水溶液をさらに注ぐ方法が工業的に容易に実施できる。ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を一旦スラリーとすることなく濾過装置に設置し、炭酸塩を含有する水溶液を注いでろ過することもできる。また、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末をカラムに充填して炭酸塩を含有する水溶液をカラム内に通す方法を用いることもできる。
【0015】
ここで、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる操作は、得られるバリウム系無機化合物粉末中のハロゲンの含有量が通常は200ppm(この「ppm」は「重量ppm」であり、以下すべて「ppm」は「重量ppm」である。)以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下になるまで実施する。塩素を200ppm以上含有したチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサーを製造すると、コンデンサーの誘電体層の電気絶縁性が低下するという問題が生じるおそれがある。
【0016】
次に、バリウム系無機化合物粉末およびそれに含有されるハロゲンについて説明する。
本発明におけるバリウム系無機化合物粉末としては、コンデンサー用途ではBaTiO3(チタン酸バリウム)、BaSnO3、BaZrO3、BaHfO3、BaFe0.5Ta0.5O3、Ba0.5N6O3、Ba0.5TaO3等;PTCサーミスター用途ではBa0.9Sr0.1TiO3、Ba0.8Sr0.2TiO3、Ba0.85Pb0.15TiO3、Ba0.4Pb0.6TiO3等;圧電体用途ではBa0.88Pb0.08Ca0.04TiO3等;フェライト磁石用途ではBaO−6Fe2O3等の粉末を挙げることができる。本発明においては水溶液と接触させるため、水溶性の化合物には本発明の方法を用いることはできず、本発明におけるバリウム系無機化合物粉末は非水溶性である。
【0017】
ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末の製造方法は特に限定されないが、金属元素を含む化合物を所定の組成となるように秤量し、混合した後に焼成することにより製造することができる。例えば、BaTiO3を製造する場合は、TiO2を水に分散させ、その分散液に、所定の組成となるように秤量した塩化バリウム水溶液とアンモニア水を滴下してバリウムを水酸化バリウムとして析出させ、濾過後に焼成することにより製造することができる。焼成は空気中で900〜1300℃で保持することにより行うことができる。
【0018】
ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末に含有されるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。この中でも塩素は、バリウム含有無機化合物粉末の出発原料として工業的に通常用いられる塩化バリウムに由来する場合が多い。また、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末がチタン酸バリウム粉末の場合、含有されるハロゲンは、チタン酸バリウムを製造するための出発原料として工業的に通常用いられる四塩化チタンに由来する場合があり、塩素は他のハロゲン元素よりも多量に含まれているのが通常である。
【0019】
本発明の方法により得られたバリウム系無機化合物粉末は、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ない。特に本発明の方法をチタン酸バリウム粉末に用いた場合、コンデンサーに好適なチタン酸バリウム粉末が得られる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例の分析は以下の方法により行なった。
塩素分析:試料をピロ燐酸で溶解し、水蒸気蒸留後、ダイオネックス製イオンクロマト装置(DX−120型)を使用して定量した。
Ba溶出量の定量:Zn−EDTAを用いた置換滴定により実施した。
Ba/Ti比の測定:フィリップス社製XRF(PW1480)を用いて蛍光X線分析法にて実施した。
【0021】
実施例1
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)323.41g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるFO3(商品名)790.78gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。焼成開始後200℃までの20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、200℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末の塩素量は5400ppmであった。この粉末20gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で9回(合計900mLを用いた。)洗浄した。得られた粉末の塩素量は140ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは0.2mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.002モル%)であった。Ba/Ti比は0.99であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0022】
実施例2
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)322.06g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるLC−1(商品名)798.04gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。昇温開始後、200℃までの焼成雰囲気は窒素100体積%、200℃から400℃まで20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、400℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末20gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は≦10ppm(検出限界値以下)であり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは1mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.008モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0023】
実施例3
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)80.15g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるFO3(商品名)200.00gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。焼成開始後200℃まで20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、200℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末5gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は109ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは3mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.10モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0024】
実施例4
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)322.06g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるLC−1(商品名)798.04gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。窒素100体積%の雰囲気で昇温し、850℃で2時間保持を行った。保持中、最初20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、その後空気100体積%に切り替えた。焼成後に得られた粉末5gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は≦20ppm(検出限界値以下)であり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは3mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.10モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0025】
比較例1
実施例1と同様にして焼成して得られた粉末20gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの純水で7回洗浄(合計700mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は150ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは298mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの2.53モル%)であり、化学量論比ではバリウムが保有されなかった。
【0026】
比較例2
実施例3と同様にして焼成して得られた粉末5gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後、30分間攪拌し、その後ろ過した。洗浄により溶出したBaは62mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの2.11モル%)であった。
【0027】
比較例3
実施例3と同様にして焼成して得られた粉末5gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後、30分間攪拌し、その後ろ過した。洗浄により溶出したBaは46mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの1.56モル%)であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られ、特にチタン酸バリウム粉末に用いた場合、コンデンサーに好適なチタン酸バリウム粉末が得られるので、工業的に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン含有量の少ないバリウム系無機化合物粉末の製造方法およびハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バリウム系無機化合物粉末はセラミックコンデンサー、PTCサーミスター、圧電素子、フェライト磁石等の電子部品の材料として広く用いられている。バリウム系無機化合物粉末の中でもチタン酸バリウム粉末は、積層セラミックコンデンサー用の材料として有用である。
【0003】
しかし、例えば、従来のチタン酸バリウム粉末は、チタンやバリウムの塩化物を出発原料として工業的に製造されているため、ハロゲン、特に塩素が多く含有されている。塩素を多く含有したチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサーを製造すると、チタン酸バリウムを含有する焼結体からなる誘電体層の電気絶縁性が低下するという問題を生じる。これは、コンデンサーの電極に用いられている銀が塩素の作用によりイオン化して誘電体層の中に移動するためとされている。
【0004】
ここで、チタン酸バリウム粉末に代表されるバリウム系無機化合物粉末に従来含有されていたハロゲンは、通常は該粉末の粒子表面に存在するので、水で洗浄することにより除去することは可能である。しかし、水で洗浄することにより、ハロゲンと同時に該粉末中のバリウムも溶出することが知られている。そして、例えば、Ba/Ti比を化学量論比の1に合わせたチタン酸バリウム粉末を得ても、水で洗浄することによりバリウムが溶出して減少し、バリウムが化学量論比より少ないチタン酸バリウム粉末となり、それを用いてコンデンサーを製造した場合、コンデンサーの電気容量が小さくなるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られる製造方法が求められていた。
【0006】
バリウムの溶出を抑えて水に接触させて洗浄する工程を含むチタン酸バリウム粉末の製造方法として、塩酸を添加した水で洗浄する工程を含む製造方法が従来より提案されている(例えば、非特許文献1参照。)が、バリウムの溶出を抑える効果は不十分であり、Ba/Ti比が化学量論比の1より小さい0.94のチタン酸バリウム粉末が得られていた。
【0007】
【非特許文献1】
エム・シー・ブランコ・ロペツ(M.C.Blanco Lopez)、ジー・フォーラリス(G.Fourlaris)、エフ・エル・リレー(F.L.Rilay)、チタン酸バリウム粉末の水性媒体との相互作用(Interaction of Barium Titanate Powders with an Aqueous Suspending Medium)、「ジャーナル・オブ・ジ・ヨーロピアン・セラミック・ソサエティー」(”Journal of the European Ceramic Society”)、(英国)、エルゼビア・サイエンス・リミテッド(Elsevier Science Limited)、1998年、Vol.18、p.2183−2192
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末の製造方法および該バリウム系無機化合物粉末が得られるハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末から、バリウムの含有量が化学量論比に近く、ハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末を製造する方法について鋭意検討した結果、炭酸塩を含有する水溶液とハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を接触させることにより、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からハロゲンを除去することができ、しかもバリウム系無機化合物粉末からのバリウムの溶出を抑えることができ、その結果バリウムの含有量が化学量論比に近く、かつハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とするバリウム系無機化合物粉末の製造方法を提供する。また本発明は、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させることを特徴とするハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のハロゲン除去方法においては、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、従来提案されている塩酸とは全く異なる炭酸塩を含有する水溶液に接触させ、ハロゲンを該水溶液に溶出させて除去する。そして、該工程を含むことにより、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量の少ないバリウム系無機化合物粉末を製造することができる。
【0012】
本発明で用いられる炭酸塩は水に対する溶解度が高いものが望ましく、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。中でも、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムなどのアンモニウム炭酸塩は、ハロゲン除去後の粉末に不純物金属イオンが残留することが少ないため好ましい。なお、市販の炭酸アンモニウムはカルバミン酸アンモニウム(NH4CO2NH2)と炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)の複塩であり、工業的には炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウムを厳密に区別することが困難であることから、本発明においては前記三つの物質をアンモニウム炭酸塩と総称する。
【0013】
ここで、本発明で使用する水溶液に含まれる炭酸塩の合計量は通常は、炭酸塩が含まれていない水または水溶液に接触させてハロゲンを溶出させた場合に、該水または該水溶液に溶出するバリウムのモル量以上である。洗浄に使用する水溶液に含まれる炭酸塩の濃度は0.01モル/L以上であることが好ましく、0.05モル/L以上であることがさらに好ましい。炭酸塩の濃度が低過ぎると、バリウムの溶出量低減効果が減少するおそれがある。なお、洗浄により微量副生した炭酸バリウムは、ハロゲン除去工程後の水溶液を乾燥させ、その析出物を焼成するにより回収することができる場合がある。
【0014】
このような水溶液にハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を接触させる方法は特に限定されないが、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に分散させ、得られたスラリーを濾過してケーキとする方法、あるいは同様にして得られたケーキに炭酸塩を含有する水溶液をさらに注ぐ方法が工業的に容易に実施できる。ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を一旦スラリーとすることなく濾過装置に設置し、炭酸塩を含有する水溶液を注いでろ過することもできる。また、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末をカラムに充填して炭酸塩を含有する水溶液をカラム内に通す方法を用いることもできる。
【0015】
ここで、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる操作は、得られるバリウム系無機化合物粉末中のハロゲンの含有量が通常は200ppm(この「ppm」は「重量ppm」であり、以下すべて「ppm」は「重量ppm」である。)以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下になるまで実施する。塩素を200ppm以上含有したチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサーを製造すると、コンデンサーの誘電体層の電気絶縁性が低下するという問題が生じるおそれがある。
【0016】
次に、バリウム系無機化合物粉末およびそれに含有されるハロゲンについて説明する。
本発明におけるバリウム系無機化合物粉末としては、コンデンサー用途ではBaTiO3(チタン酸バリウム)、BaSnO3、BaZrO3、BaHfO3、BaFe0.5Ta0.5O3、Ba0.5N6O3、Ba0.5TaO3等;PTCサーミスター用途ではBa0.9Sr0.1TiO3、Ba0.8Sr0.2TiO3、Ba0.85Pb0.15TiO3、Ba0.4Pb0.6TiO3等;圧電体用途ではBa0.88Pb0.08Ca0.04TiO3等;フェライト磁石用途ではBaO−6Fe2O3等の粉末を挙げることができる。本発明においては水溶液と接触させるため、水溶性の化合物には本発明の方法を用いることはできず、本発明におけるバリウム系無機化合物粉末は非水溶性である。
【0017】
ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末の製造方法は特に限定されないが、金属元素を含む化合物を所定の組成となるように秤量し、混合した後に焼成することにより製造することができる。例えば、BaTiO3を製造する場合は、TiO2を水に分散させ、その分散液に、所定の組成となるように秤量した塩化バリウム水溶液とアンモニア水を滴下してバリウムを水酸化バリウムとして析出させ、濾過後に焼成することにより製造することができる。焼成は空気中で900〜1300℃で保持することにより行うことができる。
【0018】
ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末に含有されるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。この中でも塩素は、バリウム含有無機化合物粉末の出発原料として工業的に通常用いられる塩化バリウムに由来する場合が多い。また、ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末がチタン酸バリウム粉末の場合、含有されるハロゲンは、チタン酸バリウムを製造するための出発原料として工業的に通常用いられる四塩化チタンに由来する場合があり、塩素は他のハロゲン元素よりも多量に含まれているのが通常である。
【0019】
本発明の方法により得られたバリウム系無機化合物粉末は、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ない。特に本発明の方法をチタン酸バリウム粉末に用いた場合、コンデンサーに好適なチタン酸バリウム粉末が得られる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例の分析は以下の方法により行なった。
塩素分析:試料をピロ燐酸で溶解し、水蒸気蒸留後、ダイオネックス製イオンクロマト装置(DX−120型)を使用して定量した。
Ba溶出量の定量:Zn−EDTAを用いた置換滴定により実施した。
Ba/Ti比の測定:フィリップス社製XRF(PW1480)を用いて蛍光X線分析法にて実施した。
【0021】
実施例1
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)323.41g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるFO3(商品名)790.78gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。焼成開始後200℃までの20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、200℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末の塩素量は5400ppmであった。この粉末20gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で9回(合計900mLを用いた。)洗浄した。得られた粉末の塩素量は140ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは0.2mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.002モル%)であった。Ba/Ti比は0.99であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0022】
実施例2
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)322.06g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるLC−1(商品名)798.04gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。昇温開始後、200℃までの焼成雰囲気は窒素100体積%、200℃から400℃まで20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、400℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末20gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は≦10ppm(検出限界値以下)であり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは1mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.008モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0023】
実施例3
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)80.15g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるFO3(商品名)200.00gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。焼成開始後200℃まで20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、200℃からは空気100体積%に切り替えた。焼成温度は850℃、保持時間は2時間とした。焼成後に得られた粉末5gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は109ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは3mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.10モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0024】
実施例4
チタン化合物として石原テクノ製の高純度TiO2であるPM−401M(商品名)322.06g、バリウム化合物として日本化学工業製の高純度炭酸バリウムであるLC−1(商品名)798.04gを秤量し、鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより乾式混合した。得られた混合物を石英ガラス製ボートに充填し、石英ガラス製炉芯管を有する管状炉で焼成した。窒素100体積%の雰囲気で昇温し、850℃で2時間保持を行った。保持中、最初20分間の焼成雰囲気は塩化水素3体積%+窒素97体積%とし、その後空気100体積%に切り替えた。焼成後に得られた粉末5gを0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの濃度0.1モル/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液で4回洗浄(合計400mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は≦20ppm(検出限界値以下)であり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは3mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの0.10モル%)であった。Ba/Ti比は1.01であり、ほぼ化学量論比でバリウムが含有され、塩素含有量の少ないチタン酸バリウム粉末が得られた。
【0025】
比較例1
実施例1と同様にして焼成して得られた粉末20gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後30分間攪拌し、その後ろ過した。さらにウェットケーキを100mLの純水で7回洗浄(合計700mLを用いた。)した。得られた粉末の塩素量は150ppmであり塩素が低減した。洗浄により溶出したBaは298mg(20gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの2.53モル%)であり、化学量論比ではバリウムが保有されなかった。
【0026】
比較例2
実施例3と同様にして焼成して得られた粉末5gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後、30分間攪拌し、その後ろ過した。洗浄により溶出したBaは62mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの2.11モル%)であった。
【0027】
比較例3
実施例3と同様にして焼成して得られた粉末5gを純水100mLに入れ、超音波分散を10分間した後、30分間攪拌し、その後ろ過した。洗浄により溶出したBaは46mg(5gのチタン酸バリウムに含有されるバリウムの1.56モル%)であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、バリウムの含有量が化学量論比に近く、しかもハロゲン含有量が少ないバリウム系無機化合物粉末が得られ、特にチタン酸バリウム粉末に用いた場合、コンデンサーに好適なチタン酸バリウム粉末が得られるので、工業的に有用である。
Claims (6)
- ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とするバリウム系無機化合物粉末の製造方法。
- ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に接触させることを特徴とするハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末からのハロゲンの除去方法。
- ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末を、炭酸塩を含有する水溶液に分散させ、得られたスラリーを濾過してケーキとし、ケーキを洗浄する工程を含む請求項1または2に記載の方法。
- ハロゲン含有バリウム系無機化合物粉末がチタン酸バリウムの粉末である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 炭酸塩がアンモニウム炭酸塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- ハロゲンが塩素である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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