JP2004182313A - 保持具およびこの保持具を用いた包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い寸法精度を必要とせずに、物品をしっかり保持することができる保持具を提供することと、物品を簡単に収納できる包装容器を提供することである。
【解決手段】可撓性を有する一対の板状部材20a,20bを対向させるとともに、これら板状部材の周囲を互いに接続する一方、上記板状部材に設けた孔12,13と、この孔12,13を覆う弾性を有する保持膜14,15と、上記一対の板状部材20a,20bの周囲に設けた1または複数の開口部18,19と、この開口部18,19に設けた一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bとを備え、上記開口部18,19から板状部材20a,20b間に物品Aを入れるとともに、この物品を保持膜14,15の張力によって保持する一方、上記一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げると、開口部18,19のたわみが規制されて、開口部18,19の間隔が一定に維持される。
【選択図】 図7
【解決手段】可撓性を有する一対の板状部材20a,20bを対向させるとともに、これら板状部材の周囲を互いに接続する一方、上記板状部材に設けた孔12,13と、この孔12,13を覆う弾性を有する保持膜14,15と、上記一対の板状部材20a,20bの周囲に設けた1または複数の開口部18,19と、この開口部18,19に設けた一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bとを備え、上記開口部18,19から板状部材20a,20b間に物品Aを入れるとともに、この物品を保持膜14,15の張力によって保持する一方、上記一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げると、開口部18,19のたわみが規制されて、開口部18,19の間隔が一定に維持される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、弾性膜の張力を利用して、物品を保持する保持具およびこの保持具を用いた包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性膜の張力を利用して、物品を保持する包装容器として、例えば特許文献1に示すものが従来から知られている。
この従来の包装容器は、図15に示すように、収容部材aと蓋部材bとからなり、収容部材aには凹部1を形成し、蓋部材bにも凹部2を形成している。そして、これら凹部1の開口部および凹部2の開口部に、それぞれ伸縮可能な弾性膜3,4を張り渡している。
【0003】
また、上記収容部材aは、その凹部1の外周に、溝5を形成している。そして、図16に示すように、蓋部材bの縁6を上記溝5にはめ込むと、そのはめ込んだ分だけ弾性膜3,4が引っ張られるために、弾性膜3,4の張りが確保される。このように張りを確保した状態で、弾性膜3,4の間に物品cを挟み込むようにしている。
このように弾性膜3,4によって物品cを挟み込むと、物品cの厚みの分だけさらに弾性膜3,4が引っ張られる。そして、この弾性膜3,4の張力によって、物品cがしっかり保持されることになる。このように弾性膜3,4の張力を利用して物品cを保持することで、外部からの衝撃が、物品cに直接作用しないようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3078536号公報(第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、弾性膜3,4の張りを確保するために、収容部材a側の溝5に蓋部材bの縁6をはめ込む構成にしているが、これら両者の寸法というのは、高い精度で管理する必要がある。なぜなら、少しでも寸法に狂いがあると、溝5に縁6をはめ込むことができず、物品cをしっかり保持させることができなくなるからである。
しかし、このように寸法精度を高く維持すると、その分、製造コストがかかるため、製品単価も高くなるという不都合があった。
【0006】
一方、上記のように溝5と縁6との寸法が厳密に管理されていると、縁6を溝5にはめ込む作業にも手間がかかり、物品cを収納する作業に手間がかかるという不都合もあった。
この発明の目的は、高い寸法精度を必要とせずに、物品をしっかり保持することができる保持具を提供することと、物品を簡単に収納することのできる上記保持具を用いた包装容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、可撓性を有する一対の板状部材を対向させるとともに、これら板状部材の周囲を互いに接続する一方、上記板状部材に設けた孔と、この孔を覆う弾性を有する保持膜と、上記一対の板状部材の周囲に設けた1または複数の開口部と、この開口部に設けた一対の折り曲げ片とを備え、上記開口部から板状部材間に物品を入れるとともに、この物品を保持膜の張力によって保持する一方、上記一対の折り曲げ片を折り曲げると、開口部のたわみが規制されて、開口部の間隔が一定に維持される構成にしたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、保持膜を透明あるいは半透明にしたことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に記載された保持具を、箱体に収納するとともに、この箱体の内壁によって、保持具を構成する板状部材および折り曲げ片をガイドする構成にしたことを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、箱体に窓孔を備え、この箱体に収納した保持具の孔が、箱体の窓孔に対向する構成にしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図10にこの発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、窓孔10,11を有する箱体B内には、物品Aを収納している。この物品Aは、図2に示す保持具Hに保持させている。
上記保持具Hは、図3に示すように、孔12,13を有する厚紙製の板状部材20と、孔12,13を覆う透明で弾性を有する保持膜14,15とからなり、ライン16の部分で二つ折りにすることによって、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとを対向させるようにしている。そして、図4に示すように、上側半分20bに設けた連結片17を折り曲げることによって、それを下側半分20aに接着している。
【0012】
上記のようにした保持具Hは、図中左右の対向面を接続せずに、そこを開口部18,19としている。そして、一方の開口部18側に、一対の折り曲げ片21a,22aを設け、他方の開口部19側にも、一対の折り曲げ片21b,22bを設けている。そして、これら折り曲げ片21a,21b,22a,22bは、それぞれ折り曲げライン31a,31b,32a,32bの位置において、折り曲げることができるようにしている。
また、上記のように板状部材20を二つ折りにしてその下側半分20aと上側半分20bとを対向させると、孔12と孔13とが一致するようにしている。
【0013】
上記のようにした保持具Hは、厚紙製であるために可撓性を有している。したがって、図5に示すように、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとをたわませることができ、このようにたわませることによって、開口部18,19の隙間を広げることができる。そして、このように開口部18,19の隙間を広げると、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとの間にスペースが形成される。このスペースが、物品を収納するための収納部であり、この収納部には、開口部18または開口部19を介して物品を入れるようにしている。
【0014】
図6は、上記収納部Sに物品Aを入れた状態の断面図である。図示するように、収納部Sに物品Aを入れると、その物品Aの厚みによって保持膜14,15が引っ張られる。そのため、物品Aは、その両側から保持膜14,15によって挟み付けられる。
ただし、板状部材20が可撓性を有しているために、このままの状態だと、板状部材20がたわみ、開口部18,19も開いてしまう。開口部18,19が開いてしまうと、保持膜14,15の張りも保てないので、物品Aをしっかり保持することができない。
【0015】
そこで、上記のように収納部Sに物品Aを入れたら、図7に示すように、折り曲げ片21a,22aおよび21b,22bを、互いに離れる方向に折り曲げる。折り曲げ片21a,22a、21b,22bを折り曲げると、図8に示すように、折り曲げライン31a,31b,32a,32bのたわみがなくなって、その部分が直線状になる。折り曲げライン31a,31b,32a,32bが直線状になれば、図8に示すように、開口部18,19の隙間が最小になる。つまり、開口部18,19が閉じた状態になる。
【0016】
上記のように開口部18,19を閉じると、保持膜14,15の両端が互いに近づく方向に引っ張られるため、これら保持膜14,15間にある物品Aが、その両側から挟み付けられる。つまり、折り曲げ片21a,22aおよび21b,22bを折り曲げると、保持膜14,15の張力によって、物品Aが保持されるようにしている。そして、このように物品Aを保持する保持膜14,15の張力すなわち張りとういうのは、開口部18,19を塞ぐことによって維持されている。したがって、開口部18,19を開かない限り、物品Aを保持した状態に保ち、この物品Aの移動を規制することができる。また、開口部18,19が閉じている限り、物品Aが収納部Sから外に出ることもない。
【0017】
上記のように折り曲げ片21a,22a,21b,22bを90度に折り曲げて保持状態にした保持具Hを、図1に示したように箱体Bに収納する。この箱体Bは、図9,図10に示すように、その内側の長さL1,幅W1、及び高さH1を、開口部18,19を閉じた状態の保持具Hの長さL2、幅W2、及び高さH2とほぼ同じに大きさにそれぞれ設定している。したがって、保持具Hを箱体Bに収納することによって、この保持具Hの開口部18,19が閉じた状態に維持される。つまり、箱体B内においても、保持具H内の物品Aは、保持膜14,15の張力によって所定の位置に保たれている。
【0018】
また、箱体Bに収納した保持具Hは、この箱体B内の移動を規制されているが、保持具Hに収納した物品Aは、弾性を有する保持膜14,15によって弾性的に保持されているので、外部からの振動などが作用しても、その振動が緩和されて物品Aに伝達される。つまり、クッション材などを用いなくても、保持膜14,15がクッション材として機能する。そのため、物品Aがガラスなどの割れ物であっても、外部からの衝撃に耐えることができる。
【0019】
また、箱体Bに保持具Hが収納された状態において、保持具Hに形成した孔12,13が、箱体Bに形成した窓孔10,11にそれぞれ対向するように設定している。したがって、図1に示したように、保持具Hを箱体B内に収納した状態でも、窓孔10,11を介して外から物品Aを見ることができる。つまり、この収納容器は、ディスプレイとしての機能も有している。
【0020】
以上のように、この第1実施形態によれば、開口部18または19から物品Aを収納部Sに入れた状態で、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げるだけで、保持膜14,15の張りを保つことができる。そのため、簡単な作業で、物品Aをしっかり保持することができ、溝に縁をわざわざはめ込まなければならない前記従来例に比べて、物品を簡単に収納することができる。
また、折り曲げ片21a,22a,21b,22bをまっすぐの状態に戻すだけで、開口部18,19が広がるので、物品Aの取り出しも簡単である。
さらに、この実施形態では、前記従来例のような嵌合構造がないので、寸法精度を高く管理する必要性がなく、その分、製造コストを安くすることができる。
【0021】
ところで、上記実施形態では、二枚の保持膜14,15によって物品Aを両側から挟み込んで保持するようにしているが、図11に示すように、一枚の保持膜14によって物品Aを板状部材20に押しつけるようにしてもよい。このようにすれば、一枚の保持膜14だけでも、物品Aを保持することができる。
また、上記実施形態では、開口部を二カ所設けているが、図12に示すように、開口部18を一カ所にしてもよい。そして、図13に示すように、折り曲げ片21a,22aを折り曲げた状態で立てることにより、物品を陳列するディスプレイ器具としても用いることができる。
さらに、図14に示すように、折り曲げ片21a,22aを台座として用いれば、保持具全体の向きを変えて設置することもできる。
【0022】
なお、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げると、折り曲げライン31a,31b,32a,32bががたわみにくくなるのは、折り曲げることによって折り曲げライン31a,31b,32a,32bにおける断面二次モーメントが増加するからである。この断面二次モーメントは、曲げこわさに比例するものであり、折り曲げ片を曲げる角度によって変化するが、90度に折り曲げたときに最大になる。
したがって、この実施形態のように、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを直角に折り曲げた場合には、折り曲げライン31a,31b,32a,32bがもっともたわみにくくなる。そして、このように折り曲げライン31a,31b,32a,32bがたわみにくいということは、保持膜14,15の張力も強くなるので、その分、強い保持力を得ることができる。なお、この実施形態では、一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bを互いに離れる方向に90度に折り曲げているが、一対の折り曲げ片を同じ方向に折り曲げてもよく、また、その折り曲げる角度は90度より大きくても小さくてもよい。
【0023】
一方、上記実施形態では、保持膜14,15の有する弾性を利用して、物品Aを保持しているので、保持する物品の形状を問わない。そして、このように物品の形状を問わないので、保持するときの物品の姿勢も自由に選択することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、板状部材20として厚紙を用いているが、厚紙の代わりに、可撓性を有する樹脂などを用いてもよい。つまり、板状部材は、可撓性を有するものであれば、その材質は問わない。
また、この実施形態では、保持膜として透明なものを用いているが、この透明の保持膜は、無色透明でも有色透明でもよい。また、半透明の素材を保持膜として用いてもよい。そして、ディスプレイとしての機能を必要としない場合には、保持膜は不透明なものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明によれば、開口部から板状部材間に物品を入れてから、一対の折り曲げ片を折り曲げることで保持膜の張りを保ち、物品をしっかり保持する構成にしたので、溝に縁をはめ込む必要性のあった前記従来例に比べて、物品を簡単に収納することができる。
また、第1の発明によれば、前記従来例のようなはめ込み構造がないので、寸法精度を高く管理する必要性がなく、その分、製造コストを安くすることができる。
【0026】
第2の発明によれば、保持膜を透明あるいは半透明にしたので、保持している物品を、孔を介して外部から確認することができる。
【0027】
第3の発明によれば、箱体に保持具を収納することによって、保持具の開口部を閉じた状態に保つことができる。
【0028】
第4の発明によれば、箱体に設けた窓孔と、この箱体に収納した保持具の孔とを対向する構成にしたので、窓孔を介して外部から保持している物品を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の斜視図である。
【図2】実施形態の組み込む状態を示す斜視図である。
【図3】保持具の展開図である。
【図4】保持具Hの斜視図である。
【図5】開口部18,19を広げた状態の保持具Hの斜視図である。
【図6】物品Aを収納した状態を示す保持具Hの断面図である。
【図7】物品Aを収納した状態の保持具Hの斜視図である。
【図8】開口部18,19を閉じた状態を示す保持具Hの断面図である。
【図9】保持具Hを箱体Bに収納した状態を示す断面図である。
【図10】保持具Hを箱体Bに収納した状態を示す断面図である。
【図11】他の保持具Hを示す断面図である。
【図12】他の保持具Hを示す断面図である。
【図13】他の保持具の斜視図である。
【図14】他の保持具の斜視図である。
【図15】従来例の組立前の状態を示す断面図である。
【図16】従来例の組み付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10,11 窓孔
12,13 孔
14,15 保持膜
18,19 開口部
20 板状部材
21a、22a 折り曲げ片
21b,22b 折り曲げ片
A 物品
B 箱体
H 保持具
【発明の属する技術分野】
この発明は、弾性膜の張力を利用して、物品を保持する保持具およびこの保持具を用いた包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性膜の張力を利用して、物品を保持する包装容器として、例えば特許文献1に示すものが従来から知られている。
この従来の包装容器は、図15に示すように、収容部材aと蓋部材bとからなり、収容部材aには凹部1を形成し、蓋部材bにも凹部2を形成している。そして、これら凹部1の開口部および凹部2の開口部に、それぞれ伸縮可能な弾性膜3,4を張り渡している。
【0003】
また、上記収容部材aは、その凹部1の外周に、溝5を形成している。そして、図16に示すように、蓋部材bの縁6を上記溝5にはめ込むと、そのはめ込んだ分だけ弾性膜3,4が引っ張られるために、弾性膜3,4の張りが確保される。このように張りを確保した状態で、弾性膜3,4の間に物品cを挟み込むようにしている。
このように弾性膜3,4によって物品cを挟み込むと、物品cの厚みの分だけさらに弾性膜3,4が引っ張られる。そして、この弾性膜3,4の張力によって、物品cがしっかり保持されることになる。このように弾性膜3,4の張力を利用して物品cを保持することで、外部からの衝撃が、物品cに直接作用しないようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3078536号公報(第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、弾性膜3,4の張りを確保するために、収容部材a側の溝5に蓋部材bの縁6をはめ込む構成にしているが、これら両者の寸法というのは、高い精度で管理する必要がある。なぜなら、少しでも寸法に狂いがあると、溝5に縁6をはめ込むことができず、物品cをしっかり保持させることができなくなるからである。
しかし、このように寸法精度を高く維持すると、その分、製造コストがかかるため、製品単価も高くなるという不都合があった。
【0006】
一方、上記のように溝5と縁6との寸法が厳密に管理されていると、縁6を溝5にはめ込む作業にも手間がかかり、物品cを収納する作業に手間がかかるという不都合もあった。
この発明の目的は、高い寸法精度を必要とせずに、物品をしっかり保持することができる保持具を提供することと、物品を簡単に収納することのできる上記保持具を用いた包装容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、可撓性を有する一対の板状部材を対向させるとともに、これら板状部材の周囲を互いに接続する一方、上記板状部材に設けた孔と、この孔を覆う弾性を有する保持膜と、上記一対の板状部材の周囲に設けた1または複数の開口部と、この開口部に設けた一対の折り曲げ片とを備え、上記開口部から板状部材間に物品を入れるとともに、この物品を保持膜の張力によって保持する一方、上記一対の折り曲げ片を折り曲げると、開口部のたわみが規制されて、開口部の間隔が一定に維持される構成にしたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、保持膜を透明あるいは半透明にしたことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に記載された保持具を、箱体に収納するとともに、この箱体の内壁によって、保持具を構成する板状部材および折り曲げ片をガイドする構成にしたことを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、箱体に窓孔を備え、この箱体に収納した保持具の孔が、箱体の窓孔に対向する構成にしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図10にこの発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、窓孔10,11を有する箱体B内には、物品Aを収納している。この物品Aは、図2に示す保持具Hに保持させている。
上記保持具Hは、図3に示すように、孔12,13を有する厚紙製の板状部材20と、孔12,13を覆う透明で弾性を有する保持膜14,15とからなり、ライン16の部分で二つ折りにすることによって、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとを対向させるようにしている。そして、図4に示すように、上側半分20bに設けた連結片17を折り曲げることによって、それを下側半分20aに接着している。
【0012】
上記のようにした保持具Hは、図中左右の対向面を接続せずに、そこを開口部18,19としている。そして、一方の開口部18側に、一対の折り曲げ片21a,22aを設け、他方の開口部19側にも、一対の折り曲げ片21b,22bを設けている。そして、これら折り曲げ片21a,21b,22a,22bは、それぞれ折り曲げライン31a,31b,32a,32bの位置において、折り曲げることができるようにしている。
また、上記のように板状部材20を二つ折りにしてその下側半分20aと上側半分20bとを対向させると、孔12と孔13とが一致するようにしている。
【0013】
上記のようにした保持具Hは、厚紙製であるために可撓性を有している。したがって、図5に示すように、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとをたわませることができ、このようにたわませることによって、開口部18,19の隙間を広げることができる。そして、このように開口部18,19の隙間を広げると、板状部材20の下側半分20aと上側半分20bとの間にスペースが形成される。このスペースが、物品を収納するための収納部であり、この収納部には、開口部18または開口部19を介して物品を入れるようにしている。
【0014】
図6は、上記収納部Sに物品Aを入れた状態の断面図である。図示するように、収納部Sに物品Aを入れると、その物品Aの厚みによって保持膜14,15が引っ張られる。そのため、物品Aは、その両側から保持膜14,15によって挟み付けられる。
ただし、板状部材20が可撓性を有しているために、このままの状態だと、板状部材20がたわみ、開口部18,19も開いてしまう。開口部18,19が開いてしまうと、保持膜14,15の張りも保てないので、物品Aをしっかり保持することができない。
【0015】
そこで、上記のように収納部Sに物品Aを入れたら、図7に示すように、折り曲げ片21a,22aおよび21b,22bを、互いに離れる方向に折り曲げる。折り曲げ片21a,22a、21b,22bを折り曲げると、図8に示すように、折り曲げライン31a,31b,32a,32bのたわみがなくなって、その部分が直線状になる。折り曲げライン31a,31b,32a,32bが直線状になれば、図8に示すように、開口部18,19の隙間が最小になる。つまり、開口部18,19が閉じた状態になる。
【0016】
上記のように開口部18,19を閉じると、保持膜14,15の両端が互いに近づく方向に引っ張られるため、これら保持膜14,15間にある物品Aが、その両側から挟み付けられる。つまり、折り曲げ片21a,22aおよび21b,22bを折り曲げると、保持膜14,15の張力によって、物品Aが保持されるようにしている。そして、このように物品Aを保持する保持膜14,15の張力すなわち張りとういうのは、開口部18,19を塞ぐことによって維持されている。したがって、開口部18,19を開かない限り、物品Aを保持した状態に保ち、この物品Aの移動を規制することができる。また、開口部18,19が閉じている限り、物品Aが収納部Sから外に出ることもない。
【0017】
上記のように折り曲げ片21a,22a,21b,22bを90度に折り曲げて保持状態にした保持具Hを、図1に示したように箱体Bに収納する。この箱体Bは、図9,図10に示すように、その内側の長さL1,幅W1、及び高さH1を、開口部18,19を閉じた状態の保持具Hの長さL2、幅W2、及び高さH2とほぼ同じに大きさにそれぞれ設定している。したがって、保持具Hを箱体Bに収納することによって、この保持具Hの開口部18,19が閉じた状態に維持される。つまり、箱体B内においても、保持具H内の物品Aは、保持膜14,15の張力によって所定の位置に保たれている。
【0018】
また、箱体Bに収納した保持具Hは、この箱体B内の移動を規制されているが、保持具Hに収納した物品Aは、弾性を有する保持膜14,15によって弾性的に保持されているので、外部からの振動などが作用しても、その振動が緩和されて物品Aに伝達される。つまり、クッション材などを用いなくても、保持膜14,15がクッション材として機能する。そのため、物品Aがガラスなどの割れ物であっても、外部からの衝撃に耐えることができる。
【0019】
また、箱体Bに保持具Hが収納された状態において、保持具Hに形成した孔12,13が、箱体Bに形成した窓孔10,11にそれぞれ対向するように設定している。したがって、図1に示したように、保持具Hを箱体B内に収納した状態でも、窓孔10,11を介して外から物品Aを見ることができる。つまり、この収納容器は、ディスプレイとしての機能も有している。
【0020】
以上のように、この第1実施形態によれば、開口部18または19から物品Aを収納部Sに入れた状態で、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げるだけで、保持膜14,15の張りを保つことができる。そのため、簡単な作業で、物品Aをしっかり保持することができ、溝に縁をわざわざはめ込まなければならない前記従来例に比べて、物品を簡単に収納することができる。
また、折り曲げ片21a,22a,21b,22bをまっすぐの状態に戻すだけで、開口部18,19が広がるので、物品Aの取り出しも簡単である。
さらに、この実施形態では、前記従来例のような嵌合構造がないので、寸法精度を高く管理する必要性がなく、その分、製造コストを安くすることができる。
【0021】
ところで、上記実施形態では、二枚の保持膜14,15によって物品Aを両側から挟み込んで保持するようにしているが、図11に示すように、一枚の保持膜14によって物品Aを板状部材20に押しつけるようにしてもよい。このようにすれば、一枚の保持膜14だけでも、物品Aを保持することができる。
また、上記実施形態では、開口部を二カ所設けているが、図12に示すように、開口部18を一カ所にしてもよい。そして、図13に示すように、折り曲げ片21a,22aを折り曲げた状態で立てることにより、物品を陳列するディスプレイ器具としても用いることができる。
さらに、図14に示すように、折り曲げ片21a,22aを台座として用いれば、保持具全体の向きを変えて設置することもできる。
【0022】
なお、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを折り曲げると、折り曲げライン31a,31b,32a,32bががたわみにくくなるのは、折り曲げることによって折り曲げライン31a,31b,32a,32bにおける断面二次モーメントが増加するからである。この断面二次モーメントは、曲げこわさに比例するものであり、折り曲げ片を曲げる角度によって変化するが、90度に折り曲げたときに最大になる。
したがって、この実施形態のように、折り曲げ片21a,22a,21b,22bを直角に折り曲げた場合には、折り曲げライン31a,31b,32a,32bがもっともたわみにくくなる。そして、このように折り曲げライン31a,31b,32a,32bがたわみにくいということは、保持膜14,15の張力も強くなるので、その分、強い保持力を得ることができる。なお、この実施形態では、一対の折り曲げ片21a,22a,21b,22bを互いに離れる方向に90度に折り曲げているが、一対の折り曲げ片を同じ方向に折り曲げてもよく、また、その折り曲げる角度は90度より大きくても小さくてもよい。
【0023】
一方、上記実施形態では、保持膜14,15の有する弾性を利用して、物品Aを保持しているので、保持する物品の形状を問わない。そして、このように物品の形状を問わないので、保持するときの物品の姿勢も自由に選択することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、板状部材20として厚紙を用いているが、厚紙の代わりに、可撓性を有する樹脂などを用いてもよい。つまり、板状部材は、可撓性を有するものであれば、その材質は問わない。
また、この実施形態では、保持膜として透明なものを用いているが、この透明の保持膜は、無色透明でも有色透明でもよい。また、半透明の素材を保持膜として用いてもよい。そして、ディスプレイとしての機能を必要としない場合には、保持膜は不透明なものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】
第1の発明によれば、開口部から板状部材間に物品を入れてから、一対の折り曲げ片を折り曲げることで保持膜の張りを保ち、物品をしっかり保持する構成にしたので、溝に縁をはめ込む必要性のあった前記従来例に比べて、物品を簡単に収納することができる。
また、第1の発明によれば、前記従来例のようなはめ込み構造がないので、寸法精度を高く管理する必要性がなく、その分、製造コストを安くすることができる。
【0026】
第2の発明によれば、保持膜を透明あるいは半透明にしたので、保持している物品を、孔を介して外部から確認することができる。
【0027】
第3の発明によれば、箱体に保持具を収納することによって、保持具の開口部を閉じた状態に保つことができる。
【0028】
第4の発明によれば、箱体に設けた窓孔と、この箱体に収納した保持具の孔とを対向する構成にしたので、窓孔を介して外部から保持している物品を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の斜視図である。
【図2】実施形態の組み込む状態を示す斜視図である。
【図3】保持具の展開図である。
【図4】保持具Hの斜視図である。
【図5】開口部18,19を広げた状態の保持具Hの斜視図である。
【図6】物品Aを収納した状態を示す保持具Hの断面図である。
【図7】物品Aを収納した状態の保持具Hの斜視図である。
【図8】開口部18,19を閉じた状態を示す保持具Hの断面図である。
【図9】保持具Hを箱体Bに収納した状態を示す断面図である。
【図10】保持具Hを箱体Bに収納した状態を示す断面図である。
【図11】他の保持具Hを示す断面図である。
【図12】他の保持具Hを示す断面図である。
【図13】他の保持具の斜視図である。
【図14】他の保持具の斜視図である。
【図15】従来例の組立前の状態を示す断面図である。
【図16】従来例の組み付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10,11 窓孔
12,13 孔
14,15 保持膜
18,19 開口部
20 板状部材
21a、22a 折り曲げ片
21b,22b 折り曲げ片
A 物品
B 箱体
H 保持具
Claims (4)
- 可撓性を有する一対の板状部材を対向させるとともに、これら板状部材の周囲を互いに接続する一方、上記板状部材に設けた孔と、この孔を覆う弾性を有する保持膜と、上記一対の板状部材の周囲に設けた1または複数の開口部と、この開口部に設けた一対の折り曲げ片とを備え、上記開口部から板状部材間に物品を入れるとともに、この物品を保持膜の張力によって保持する一方、上記一対の折り曲げ片を折り曲げると、開口部のたわみが規制されて、開口部の間隔が一定に維持される構成にした保持具。
- 保持膜を透明あるいは半透明にしたことを特徴とする請求項1記載の保持具。
- 請求項1または2に記載の保持具を、箱体に収納するとともに、この箱体の内壁によって、保持具を構成する板状部材および折り曲げ片をガイドする構成にした包装容器。
- 箱体に窓孔を備え、この箱体に収納した保持具の孔が、箱体の窓孔に対向する構成にしたことを特徴とする請求項3記載の包装容器。
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JP2002353652A JP2004182313A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 保持具およびこの保持具を用いた包装容器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-12-05 JP JP2002353652A patent/JP2004182313A/ja active Pending
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