JP2004182064A - 鉄道車両における乗客検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】乗客検知についての誤検知をなくし、検知の信頼性を高めることを可能とする。
【解決手段】鉄道車両の客室の天井面に客室内の一定の範囲を撮影する撮影手段3を設け、客室全体を撮影する。この撮影手段3よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客や立席乗客の有無を表示可能であるモニター6と、撮影手段3よりの信号を受け、前記一定の範囲を映像として映し出すモニターテレビ7とを備える。モニター6およびモニターテレビ7は、同一の車室内に並列に設け、同時に監視可能とされる。
【選択図】 図1
【解決手段】鉄道車両の客室の天井面に客室内の一定の範囲を撮影する撮影手段3を設け、客室全体を撮影する。この撮影手段3よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客や立席乗客の有無を表示可能であるモニター6と、撮影手段3よりの信号を受け、前記一定の範囲を映像として映し出すモニターテレビ7とを備える。モニター6およびモニターテレビ7は、同一の車室内に並列に設け、同時に監視可能とされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両において、自動検札システムなどで用いられる乗客検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、劇場あるいは列車等の指定席の利用状況を監視する監視装置として、指定席券に記載あるいは記録された情報を読みとるカードリーダーと着席(乗客)の有無を検知する着席センサーとによって、指定席の利用の正誤を検知するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数のマルチビームセンサを設置し、これらのマルチビームセンサを組み合わせて車両内部の多数の座席の利用状況で検知するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
そこで、これらの技術を、鉄道車両において、自動検札システムなどで用いられる乗客検知システムに適用することが考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−47880号公報(第1頁〜第3頁)
【特許文献2】
特開平8−235451号公報(第2頁〜第3頁、図2参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、各座席に設置された着座センサにより乗客の着座を検知するようにしているので、座席数分の着座センサが必要となる。また、着座センサによる検知では、荷物などの荷重物での誤検知が発生するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2の技術では、マルチビームセンサを用い、座席シート面から反射した反射光線をCCDイメージセンサで捉えることにより座席の着席/空席情報を検知するようにしているので、やはり誤検知が発生するおそれがある。
【0008】
この発明は、乗客検知についての誤検知をなくし、検知の信頼性を高めることを可能とした鉄道車両における乗客検知システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車室内に複数の座席が規則的に配設され、前記座席の乗客の有無を検知する鉄道車両における乗客検知システムにおいて、車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備えることを特徴とする。ここで、第1および第2のモニター手段は、2つのモニター手段を意味するのではなく、1つのモニター手段であっても、そのモニター画面が複数分割され、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客の有無を表示可能である部分と、前記一定の範囲を映し出す部分とを有する場合も含まれる。また、第2のモニター手段は、撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能であるものであるが、撮影手段にて撮影された映像を同時に表示する(映し出す)場合だけでなく、撮影手段の映像を切り換えて順次表示する場合も含まれる。
【0010】
このようにすれば、画像処理の結果に基づく座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段に加えて、車室内の一定の範囲を映し出す第2のモニター手段を設けているので、第2のモニター手段による映像により確認することで、検知精度が高まり(誤検知をなくすことができ)、業務負担が低減する。つまり、第2のモニター手段に表示される映像を目視することで、例えば車掌室にいながらにして乗客の有無を視覚により直接的に(画像処理によることなく)チェックすることができる。よって、乗客検知の信頼性を高めることが可能となる。また、第1のモニター手段と第2のモニター手段とを同時使用するようにすれば、第1のモニター手段だけを使用する場合よりも検知精度が高まり、業務負担が低減される。
【0011】
また、座席分に相当する数の着座センサが不要になるので、部品数の低減および車両内の布設配線数を低減することが可能になる。よって、メンテナンス性の向上が図れる。
【0012】
請求項2に記載のように、前記乗客判定手段は、前記撮影手段よりの信号に基づき画像処理をして、座席毎の画像処理データを検出するデータ検出手段と、このデータ検出手段よりの信号を受け、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データを記憶するメモリ手段と、前記データ検出手段およびメモリ手段よりの信号を受け、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データとメモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する比較判定手段とを有する構成とすることができる。
【0013】
このようにすれば、撮影手段よりの信号を用いて画像処理して、その結果を第1のモニター手段に表示すると共に、同じ撮影手段よりの信号を用いて第2のモニター手段に映像を映すようにしているので、撮影手段からの共通の信号を利用するだけであり、システムが複雑にならない。
【0014】
また、前記手法を用いて、通路や、客室以外の車室(例えば、乗降口が設けられ座席がある客室と仕切らされた部分)において立っている立席乗客も、座席に着座している乗客と共に検知することもできる。
【0015】
その場合には、請求項3に記載のように、車室内に複数の座席が規則的に配設されるとともに、乗客が通行する通路が設けられている鉄道車両における乗客検知システムにおいて、車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて通路および座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく通路および座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備える構成とされる。
【0016】
このようにすれば、乗客の着座の有無を検知するだけでなく、通路や客室以外の車室の立席乗客の有無も併せて検知することができる。
【0017】
請求項4に記載のように、第1および第2のモニター手段は、それらの表示画面が同時に監視可能に設けられていることが望ましい。ここで、「同時に監視可能」とは、表示画面が並列に設けられている場合だけでなく、車掌などが移動することなく監視できる場合も含むほか、前述したように共通の表示画面となっている場合も含む。
【0018】
このようにすれば、第1および第2のモニター手段の表示画面が同時に監視可能に設けられているので、例えば車掌室において車掌がそれらを同時に監視することができ、乗客の着座の有無を確実に検知することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の鉄道車両における乗客検知システムを、鉄道車両における自動検札システムに適用した例について、図面に沿って説明する。
【0020】
図1は本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムの一実施の形態を示す概略構成図、図2は前記乗客検知システムを適用する自動検札システムの概略構成図、図3(a)(b)はそれぞれ撮影手段の配置の説明図である。
【0021】
図1および図2に示すように、鉄道車両の客室内に複数の座席1が規則的に配設されている。前記座席1のアームレスト1aには、自動検札のためにチケット検札器2(例えば、磁気カードリーダ)が設けられている。また、客室(車室)内の天井面に複数の撮影手段3が、一定の角度を持って下向きに取り付けられている。
【0022】
チケット検札器2は、図2に示すように、例えばグリーン券(チケット)が投入されることで、有効期間、列車番号、有効区間、座席番号などのチケット読み取り情報を磁気情報として読み取り、制御ユニット9を介して情報処理装置4(第1の制御手段)に送るようになっている。
【0023】
この情報処理装置4において、前記チケット読み取り情報と、端末装置5(第2の制御手段)からの日付、列車番号、現在駅などの基本情報(後述する中央装置8から端末装置5に送られる)とに基づいて、チケットが有効であるか否か、すなわち検札が必要であるか否かの判断がなされる。また、情報処理装置4は、端末装置5に対し座席別に座席情報を伝達し、モニター6(第1のモニター手段)の車掌画面に、座席別に空席表示(乗客なし)、有効表示(正常乗車)、無効表示(要確認)が表示される。
【0024】
前記撮影手段の配置の一例を、図3(a)(b)に示す。すなわち、客室の車両長手方向における端部付近に設けられる第1および第2の撮影手段3A,3Bは、それぞれ、具体的に図示していないが、客室中央側に向けられる1つのCCDカメラが、透光可能な材料からなるカバー部材にて覆われるように構成されている。
【0025】
第1および第2の撮影手段3A,3Bの間には、ほぼ等間隔でもって第3および第4の撮影手段3C,3Dが配設されている。第3および第4の撮影手段3C,3Dは、それぞれ、2つのCCDカメラ3C1,3C2,3D1,3D2が、透光可能な材料からなるカバー部材にて覆われるように構成されている。CCDカメラ3C1,3D1は一方向(図3において右方向)に向けられ、CCDカメラ3C2,3D2は反対方向(図3において左方向)に向けられ、それらのCCDカメラ3C1,3D1と3C2,3D2とは車両前後方向において互いに反対方向に向けられている。各撮影手段3A〜3Dは、客室内の一定の範囲を撮影するように撮影範囲が確定されており、それらを選択することで客室内のすべての座席および通路を撮影することができるようになっている。
【0026】
鉄道車両11は、車両前後のいずれの方向にも進行可能なもので、その進行方向に対応する向きの第1の撮影手段3Aならびに第3および第4の撮影手段3C,3D(CCDカメラ3C1,3D1)、あるいは第2の撮影手段3Bならびに第3および第4の撮影手段3C,3D(CCDカメラ3C2,3D2)により撮影が行われる。つまり、第3および第4の撮影手段3C,3Dにおいて撮影するCCDカメラ3C1,3C2,3D1,3D2は、車両11の進行方向に応じて切り換えられるように構成されている。
【0027】
情報処理装置4は、第1〜第4の撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき、後述するように、必要な演算処理(画像処理を含む)を行い、座席1毎の乗客の有無および立席乗客の有無を検知し、その結果をモニター6の表示画面(例えば車掌画面)に表示させる乗客判定手段としても機能するように構成されている。よって、情報処理装置4は、撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき画像処理をして、座席毎の画像処理データを検出するデータ検出手段と、このデータ検出手段よりの信号を受け、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データを記憶するメモリ手段と、前記データ検出手段およびメモリ手段よりの信号を受け、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データとメモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する比較判定手段とを有する構成とされる。
【0028】
また、第1〜第4の撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき、モニター6と並列に設けられたモニターテレビ7(第2のモニター手段)に、映像そのものが表示される。モニター6とモニターテレビ7とは、例えばグリーン車11Bの車掌室に設けられ、それらの表示画面が同時に監視可能とされている。
【0029】
上記構成を、図4に基づいて説明すると、まず、先頭車11Aにマイクロコンピュータからなる中央装置8が設けられ、この中央装置8から、第1のグリーン車11Bの端末装置5を経て情報処理装置4に、日付、列車番号、現在駅などの基本情報が送られる。一方、各座席1毎に、チケット検札器2にてチケットからチケット読み取り情報(有効期間、列車番号、有効区間、座席番号など)が読み取られ、制御ユニット9を経て情報処理装置4に送られる。
【0030】
情報処理装置4において、基本情報と、チケット読み取り情報とが比較され、空席表示(乗客なし)、有効表示(正常乗車)、無効表示(要確認)の判断が座席毎になされ、車掌室のモニター6の車掌画面に表示される。
【0031】
その一方、第2のグリーン車11Cの客室に設けられた撮影手段3(3A〜3D)からの信号に基づき、車掌室のモニターテレビ7に、客室の映像が映し出され、着席監視に利用される。
【0032】
このように、第1のグリーン車11Bの車掌室において、モニター6の表示画面にて画像処理の結果に基づく座席毎に着座乗客の有無を表示する一方、モニターテレビ7にて前記撮影手段3よりの信号を受け、それの表示画面に前記一定の範囲を映し出す構成とされる。そして、車掌は、モニター6の無効表示の座席について、モニターテレビ7の表示画面で確認の上、検札に行けばよいことになり、検知精度が高まり、業務負担が低減される。
【0033】
尚、通路に立席乗客がいる場合や荷物などが置かれている場合には、通路についての画像処理で、モニター6の通路部分には何か物体があると表示される。この場合にも、車掌は、モニターテレビ7の表示画面で確認の上、検札に行けばよく、検知精度が高まるので、業務負担が低減される。
【0034】
続いて、座席1毎に乗客の有無および立席乗客の有無を、画像処理により判定する方法について具体的に説明する。なお、予め各撮影手段3によって、着座している乗客や立席乗客がいない状態で撮影した場合の画像(以下、初期画像という)を記憶しておく。
【0035】
図5および図6に示すように、まず、各撮影手段によって一定の範囲(座席および通路を含む)を撮影する。乗客検知は一座席毎および通路について行うため、座席毎の画像および通路の画像に分割して画像処理が行われる。なお、立席乗客の検知は通路に範囲を限定して行う。
【0036】
そして、画像処理にて、現在の画像と、初期画像とを比較して、着座乗客あるいは立席乗客があるか否かを判断する。
【0037】
画像処理は、例えば図7に示すように、撮影した画像データをデジタル化(数値化)し、その数値を減算して、乗客や立席乗客の有無を判定する。具体的には、着座乗客を検知する場合には、まず、誰も着座していないときの状態を撮影し、その撮影した画像データを座席毎に分割してデジタル化し(データ検出手段)、それを初期数値データとして記憶しておく(メモリ手段)。また、立席乗客を検知する場合には、通路に乗客がいないときの状態を撮影し、同様にデジタル化して、それも初期数値データとして記憶しておく(メモリ手段)。
【0038】
それから、撮影された現在の状態を、座席毎あるいは通路について画像処理にてデジタル化し、現在数値データとして検出する(データ検出手段)。
【0039】
それから、座席毎あるいは通路についての現在の状態をデジタル化した現在数値データから初期数値データを減算する。そして、この減算結果が0であれば、現在の状態は初期状態と同じであるから、着座乗客あるいは立席乗客がいないと判断され、減算結果が0でなければ、現在の状態が初期状態と異なっており、着座乗客あるいは立席乗客がいると判断される(比較判定手段)。
【0040】
この演算結果が着座情報あるいは立席情報として、情報処理装置4に送られ、自動検札に利用される。
【0041】
続いて、上記システムを自動検札システムに適用した例について、図8に沿って説明する。
【0042】
駅に到着して乗客が乗り込むことにより、スタートすることになる。
【0043】
乗客が着座すると、乗客によって座席毎に設けられたチケット検札器2にチケットが挿入される(ステップS1)。チケットに記録されているチケット読み取り情報(日付、座席番号、乗車区間などの磁気情報)をチケット検札器2によって検知する(ステップS2)。
【0044】
一方、撮影手段3にて客室内を撮影する(ステップS3)。この撮影した客室の画像を画像処理して、現在の状態についての着座情報を検知する(ステップS4)。このとき、一緒に立席情報も検知する。
【0045】
それから、前記チケット読み取り情報および着座情報を、図9に示すように処理し(この処理については後述する)、座席別に検札情報として、例えば車掌室のモニター6に出力し、それの表示画面に表示される(ステップS5)。検札情報は、次の通りである。なお、通路に物体を検知した場合も、立席情報として処理し、車掌室のモニター6に出力し、それの表示画面に表示される。
【0046】
モニター6の表示画面に表示される態様は、次の通りで、各座席および通路に対応して表示される。
(i) 有効表示:正常乗車(チケット正常、かつ着座)
(ii) 空席表示:乗客なし(チケットなし、かつ着座なし)
(iii)無効表示:(i)(ii)以外の場合すなわち(チケット不良、かつ着座)、(チケットなし、かつ着座)、(チケットあり、かつ着座なし)
(iv)要確認表示:通路に物体検知
そして、無効表示された座席をモニターテレビ7の映像を監視して確認することで、検札の要否を判断し(ステップS6)、不正乗車および立席乗客があれば、客室に確認(検札)に行くことになる(ステップS7)。
【0047】
ここで、前記検札情報(モニター6の車掌画面に表示されるもの)は、情報処理装置4において、図9に示すようにして作成され、端末装置5に送られ、モニター6に出力される。
【0048】
図9において、スタートすると、初期状態であるので、各座席については空席表示(上記(ii)に対応)とする(ステップS11)。
【0049】
それから、チケット検札器2にグリーン券(G券)が挿入されたか否かが判断され(ステップS12)、挿入されていれば、まず、期間・列車番号を読み取り(ステップS13)、中央装置8からの基本情報に基づき有効であるか否かが判断される(ステップS14)。
【0050】
有効であれば、続いて、区間・席番を読み取り(ステップS15)、グリーン券を返却する(ステップS16)。一方、有効でなければ、グリーン券を返却し(ステップS17)、無効表示(上記(iii)に対応)をし(ステップS18)、ステップS2に戻る。
【0051】
有効である場合には、区間情報を自己保持し(ステップS19)、現在駅情報と突き合わせて有効か否かが判断される(ステップS20)。有効であれば、有効表示(上記(i)に対応)をして(ステップS21)、ステップS19に戻る一方、無効であれば、無効表示(上記(iii)に対応)をして(ステップS22)、ステップS12に戻る。
【0052】
このモニター6に表示された検札情報と、モニターテレビ7の映像によって判別される。
【0053】
なお、空席表示、有効表示および無効表示はモニター6の車掌画面上に表示させるだけでなく、座席自体においても空席ランプ、有効ランプ、無効ランプなどの判別できるランプを点灯させるようにすることも可能である。
【0054】
また、立席乗客についても、通路についての画像処理によって検知されるが、通路に立席乗客を含む物体がある場合には、モニター6の車掌画面上には通路について要確認表示(上記(iv)に対応)がなされ、モニターテレビ7の映像により確認することで、判別される。
【0055】
本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムは、上述した場合に限定されることなく、次のように構成することも可能である。
(1)前記撮影手段は、客室内の天井前部又は天井後部に1つだけ設け、1つの撮影手段で、客室内全体を撮影する構成とすることも可能であり、撮影手段の数は特に制限されない。また、撮影手段を複数設ける場合には、撮影漏れの範囲が生じないようにそれらの撮影範囲が一部重複するようにすることが望ましい。
(2)前記撮影手段は、前後を除き、2つ1組で進行方向に応じて作動する撮影手段が切り換えられるように構成されているが、1つの撮影手段が進行方向に応じて、例えば180°回転することで向きを変え、撮影範囲を変更可能であるようにすることも可能である。
(3)前記撮影手段は、天井面に設ける必要はなく、座席や通路について一定の範囲を撮影することができる位置であれば、どこに設けてもよい。
(4)前記情報処理装置4において、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データのみをメモリ手段に記憶するようにしているが、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データもメモリ手段に記憶するようにし、比較判定手段を、メモリ手段よりの信号を受け、メモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データと現在の状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する構成とすることも可能である。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段に加えて、車室内の一定の範囲を映像として映し出す第2のモニター手段を設けているので、第1のモニター手段による判別結果に加えて、第2のモニター手段による映像により確認することで、検知精度を高め、業務負担を低減することができる。つまり、第2のモニター手段の映像を目視することで、乗客の有無を視覚により直接チェックすることができる。よって、乗客検知の信頼性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムの一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】前記乗客検知システムを適用する自動検札システムの概略構成図である。
【図3】(a)(b)はそれぞれ撮影手段の配置の説明図である。
【図4】前記システムが用いられる鉄道車両の制御系統を示すブロック図である。
【図5】前記システムにおける着座乗客を検知するための画像処理の説明図である。
【図6】前記システムにおける立席乗客を検知するための画像処理の説明図である。
【図7】画像処理の結果に基づき着席乗客の有無を判別する処理の説明図である。
【図8】本発明に係る乗客検知システムを利用した自動検札システムの処理の流れの説明図である。
【図9】自動検札の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 座席
2 チケット検札器
3,3A〜3D 撮影手段
3C1,3C2,3D1,3D2 CCDカメラ
4 情報処理装置(第1の制御手段)
5 端末装置(第2の制御手段)
6 モニター(第1のモニター手段)
7 モニターテレビ(第2のモニター手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両において、自動検札システムなどで用いられる乗客検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、劇場あるいは列車等の指定席の利用状況を監視する監視装置として、指定席券に記載あるいは記録された情報を読みとるカードリーダーと着席(乗客)の有無を検知する着席センサーとによって、指定席の利用の正誤を検知するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数のマルチビームセンサを設置し、これらのマルチビームセンサを組み合わせて車両内部の多数の座席の利用状況で検知するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
そこで、これらの技術を、鉄道車両において、自動検札システムなどで用いられる乗客検知システムに適用することが考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−47880号公報(第1頁〜第3頁)
【特許文献2】
特開平8−235451号公報(第2頁〜第3頁、図2参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、各座席に設置された着座センサにより乗客の着座を検知するようにしているので、座席数分の着座センサが必要となる。また、着座センサによる検知では、荷物などの荷重物での誤検知が発生するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2の技術では、マルチビームセンサを用い、座席シート面から反射した反射光線をCCDイメージセンサで捉えることにより座席の着席/空席情報を検知するようにしているので、やはり誤検知が発生するおそれがある。
【0008】
この発明は、乗客検知についての誤検知をなくし、検知の信頼性を高めることを可能とした鉄道車両における乗客検知システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車室内に複数の座席が規則的に配設され、前記座席の乗客の有無を検知する鉄道車両における乗客検知システムにおいて、車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備えることを特徴とする。ここで、第1および第2のモニター手段は、2つのモニター手段を意味するのではなく、1つのモニター手段であっても、そのモニター画面が複数分割され、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客の有無を表示可能である部分と、前記一定の範囲を映し出す部分とを有する場合も含まれる。また、第2のモニター手段は、撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能であるものであるが、撮影手段にて撮影された映像を同時に表示する(映し出す)場合だけでなく、撮影手段の映像を切り換えて順次表示する場合も含まれる。
【0010】
このようにすれば、画像処理の結果に基づく座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段に加えて、車室内の一定の範囲を映し出す第2のモニター手段を設けているので、第2のモニター手段による映像により確認することで、検知精度が高まり(誤検知をなくすことができ)、業務負担が低減する。つまり、第2のモニター手段に表示される映像を目視することで、例えば車掌室にいながらにして乗客の有無を視覚により直接的に(画像処理によることなく)チェックすることができる。よって、乗客検知の信頼性を高めることが可能となる。また、第1のモニター手段と第2のモニター手段とを同時使用するようにすれば、第1のモニター手段だけを使用する場合よりも検知精度が高まり、業務負担が低減される。
【0011】
また、座席分に相当する数の着座センサが不要になるので、部品数の低減および車両内の布設配線数を低減することが可能になる。よって、メンテナンス性の向上が図れる。
【0012】
請求項2に記載のように、前記乗客判定手段は、前記撮影手段よりの信号に基づき画像処理をして、座席毎の画像処理データを検出するデータ検出手段と、このデータ検出手段よりの信号を受け、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データを記憶するメモリ手段と、前記データ検出手段およびメモリ手段よりの信号を受け、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データとメモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する比較判定手段とを有する構成とすることができる。
【0013】
このようにすれば、撮影手段よりの信号を用いて画像処理して、その結果を第1のモニター手段に表示すると共に、同じ撮影手段よりの信号を用いて第2のモニター手段に映像を映すようにしているので、撮影手段からの共通の信号を利用するだけであり、システムが複雑にならない。
【0014】
また、前記手法を用いて、通路や、客室以外の車室(例えば、乗降口が設けられ座席がある客室と仕切らされた部分)において立っている立席乗客も、座席に着座している乗客と共に検知することもできる。
【0015】
その場合には、請求項3に記載のように、車室内に複数の座席が規則的に配設されるとともに、乗客が通行する通路が設けられている鉄道車両における乗客検知システムにおいて、車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて通路および座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく通路および座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備える構成とされる。
【0016】
このようにすれば、乗客の着座の有無を検知するだけでなく、通路や客室以外の車室の立席乗客の有無も併せて検知することができる。
【0017】
請求項4に記載のように、第1および第2のモニター手段は、それらの表示画面が同時に監視可能に設けられていることが望ましい。ここで、「同時に監視可能」とは、表示画面が並列に設けられている場合だけでなく、車掌などが移動することなく監視できる場合も含むほか、前述したように共通の表示画面となっている場合も含む。
【0018】
このようにすれば、第1および第2のモニター手段の表示画面が同時に監視可能に設けられているので、例えば車掌室において車掌がそれらを同時に監視することができ、乗客の着座の有無を確実に検知することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の鉄道車両における乗客検知システムを、鉄道車両における自動検札システムに適用した例について、図面に沿って説明する。
【0020】
図1は本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムの一実施の形態を示す概略構成図、図2は前記乗客検知システムを適用する自動検札システムの概略構成図、図3(a)(b)はそれぞれ撮影手段の配置の説明図である。
【0021】
図1および図2に示すように、鉄道車両の客室内に複数の座席1が規則的に配設されている。前記座席1のアームレスト1aには、自動検札のためにチケット検札器2(例えば、磁気カードリーダ)が設けられている。また、客室(車室)内の天井面に複数の撮影手段3が、一定の角度を持って下向きに取り付けられている。
【0022】
チケット検札器2は、図2に示すように、例えばグリーン券(チケット)が投入されることで、有効期間、列車番号、有効区間、座席番号などのチケット読み取り情報を磁気情報として読み取り、制御ユニット9を介して情報処理装置4(第1の制御手段)に送るようになっている。
【0023】
この情報処理装置4において、前記チケット読み取り情報と、端末装置5(第2の制御手段)からの日付、列車番号、現在駅などの基本情報(後述する中央装置8から端末装置5に送られる)とに基づいて、チケットが有効であるか否か、すなわち検札が必要であるか否かの判断がなされる。また、情報処理装置4は、端末装置5に対し座席別に座席情報を伝達し、モニター6(第1のモニター手段)の車掌画面に、座席別に空席表示(乗客なし)、有効表示(正常乗車)、無効表示(要確認)が表示される。
【0024】
前記撮影手段の配置の一例を、図3(a)(b)に示す。すなわち、客室の車両長手方向における端部付近に設けられる第1および第2の撮影手段3A,3Bは、それぞれ、具体的に図示していないが、客室中央側に向けられる1つのCCDカメラが、透光可能な材料からなるカバー部材にて覆われるように構成されている。
【0025】
第1および第2の撮影手段3A,3Bの間には、ほぼ等間隔でもって第3および第4の撮影手段3C,3Dが配設されている。第3および第4の撮影手段3C,3Dは、それぞれ、2つのCCDカメラ3C1,3C2,3D1,3D2が、透光可能な材料からなるカバー部材にて覆われるように構成されている。CCDカメラ3C1,3D1は一方向(図3において右方向)に向けられ、CCDカメラ3C2,3D2は反対方向(図3において左方向)に向けられ、それらのCCDカメラ3C1,3D1と3C2,3D2とは車両前後方向において互いに反対方向に向けられている。各撮影手段3A〜3Dは、客室内の一定の範囲を撮影するように撮影範囲が確定されており、それらを選択することで客室内のすべての座席および通路を撮影することができるようになっている。
【0026】
鉄道車両11は、車両前後のいずれの方向にも進行可能なもので、その進行方向に対応する向きの第1の撮影手段3Aならびに第3および第4の撮影手段3C,3D(CCDカメラ3C1,3D1)、あるいは第2の撮影手段3Bならびに第3および第4の撮影手段3C,3D(CCDカメラ3C2,3D2)により撮影が行われる。つまり、第3および第4の撮影手段3C,3Dにおいて撮影するCCDカメラ3C1,3C2,3D1,3D2は、車両11の進行方向に応じて切り換えられるように構成されている。
【0027】
情報処理装置4は、第1〜第4の撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき、後述するように、必要な演算処理(画像処理を含む)を行い、座席1毎の乗客の有無および立席乗客の有無を検知し、その結果をモニター6の表示画面(例えば車掌画面)に表示させる乗客判定手段としても機能するように構成されている。よって、情報処理装置4は、撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき画像処理をして、座席毎の画像処理データを検出するデータ検出手段と、このデータ検出手段よりの信号を受け、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データを記憶するメモリ手段と、前記データ検出手段およびメモリ手段よりの信号を受け、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データとメモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する比較判定手段とを有する構成とされる。
【0028】
また、第1〜第4の撮影手段3A〜3Dよりの信号に基づき、モニター6と並列に設けられたモニターテレビ7(第2のモニター手段)に、映像そのものが表示される。モニター6とモニターテレビ7とは、例えばグリーン車11Bの車掌室に設けられ、それらの表示画面が同時に監視可能とされている。
【0029】
上記構成を、図4に基づいて説明すると、まず、先頭車11Aにマイクロコンピュータからなる中央装置8が設けられ、この中央装置8から、第1のグリーン車11Bの端末装置5を経て情報処理装置4に、日付、列車番号、現在駅などの基本情報が送られる。一方、各座席1毎に、チケット検札器2にてチケットからチケット読み取り情報(有効期間、列車番号、有効区間、座席番号など)が読み取られ、制御ユニット9を経て情報処理装置4に送られる。
【0030】
情報処理装置4において、基本情報と、チケット読み取り情報とが比較され、空席表示(乗客なし)、有効表示(正常乗車)、無効表示(要確認)の判断が座席毎になされ、車掌室のモニター6の車掌画面に表示される。
【0031】
その一方、第2のグリーン車11Cの客室に設けられた撮影手段3(3A〜3D)からの信号に基づき、車掌室のモニターテレビ7に、客室の映像が映し出され、着席監視に利用される。
【0032】
このように、第1のグリーン車11Bの車掌室において、モニター6の表示画面にて画像処理の結果に基づく座席毎に着座乗客の有無を表示する一方、モニターテレビ7にて前記撮影手段3よりの信号を受け、それの表示画面に前記一定の範囲を映し出す構成とされる。そして、車掌は、モニター6の無効表示の座席について、モニターテレビ7の表示画面で確認の上、検札に行けばよいことになり、検知精度が高まり、業務負担が低減される。
【0033】
尚、通路に立席乗客がいる場合や荷物などが置かれている場合には、通路についての画像処理で、モニター6の通路部分には何か物体があると表示される。この場合にも、車掌は、モニターテレビ7の表示画面で確認の上、検札に行けばよく、検知精度が高まるので、業務負担が低減される。
【0034】
続いて、座席1毎に乗客の有無および立席乗客の有無を、画像処理により判定する方法について具体的に説明する。なお、予め各撮影手段3によって、着座している乗客や立席乗客がいない状態で撮影した場合の画像(以下、初期画像という)を記憶しておく。
【0035】
図5および図6に示すように、まず、各撮影手段によって一定の範囲(座席および通路を含む)を撮影する。乗客検知は一座席毎および通路について行うため、座席毎の画像および通路の画像に分割して画像処理が行われる。なお、立席乗客の検知は通路に範囲を限定して行う。
【0036】
そして、画像処理にて、現在の画像と、初期画像とを比較して、着座乗客あるいは立席乗客があるか否かを判断する。
【0037】
画像処理は、例えば図7に示すように、撮影した画像データをデジタル化(数値化)し、その数値を減算して、乗客や立席乗客の有無を判定する。具体的には、着座乗客を検知する場合には、まず、誰も着座していないときの状態を撮影し、その撮影した画像データを座席毎に分割してデジタル化し(データ検出手段)、それを初期数値データとして記憶しておく(メモリ手段)。また、立席乗客を検知する場合には、通路に乗客がいないときの状態を撮影し、同様にデジタル化して、それも初期数値データとして記憶しておく(メモリ手段)。
【0038】
それから、撮影された現在の状態を、座席毎あるいは通路について画像処理にてデジタル化し、現在数値データとして検出する(データ検出手段)。
【0039】
それから、座席毎あるいは通路についての現在の状態をデジタル化した現在数値データから初期数値データを減算する。そして、この減算結果が0であれば、現在の状態は初期状態と同じであるから、着座乗客あるいは立席乗客がいないと判断され、減算結果が0でなければ、現在の状態が初期状態と異なっており、着座乗客あるいは立席乗客がいると判断される(比較判定手段)。
【0040】
この演算結果が着座情報あるいは立席情報として、情報処理装置4に送られ、自動検札に利用される。
【0041】
続いて、上記システムを自動検札システムに適用した例について、図8に沿って説明する。
【0042】
駅に到着して乗客が乗り込むことにより、スタートすることになる。
【0043】
乗客が着座すると、乗客によって座席毎に設けられたチケット検札器2にチケットが挿入される(ステップS1)。チケットに記録されているチケット読み取り情報(日付、座席番号、乗車区間などの磁気情報)をチケット検札器2によって検知する(ステップS2)。
【0044】
一方、撮影手段3にて客室内を撮影する(ステップS3)。この撮影した客室の画像を画像処理して、現在の状態についての着座情報を検知する(ステップS4)。このとき、一緒に立席情報も検知する。
【0045】
それから、前記チケット読み取り情報および着座情報を、図9に示すように処理し(この処理については後述する)、座席別に検札情報として、例えば車掌室のモニター6に出力し、それの表示画面に表示される(ステップS5)。検札情報は、次の通りである。なお、通路に物体を検知した場合も、立席情報として処理し、車掌室のモニター6に出力し、それの表示画面に表示される。
【0046】
モニター6の表示画面に表示される態様は、次の通りで、各座席および通路に対応して表示される。
(i) 有効表示:正常乗車(チケット正常、かつ着座)
(ii) 空席表示:乗客なし(チケットなし、かつ着座なし)
(iii)無効表示:(i)(ii)以外の場合すなわち(チケット不良、かつ着座)、(チケットなし、かつ着座)、(チケットあり、かつ着座なし)
(iv)要確認表示:通路に物体検知
そして、無効表示された座席をモニターテレビ7の映像を監視して確認することで、検札の要否を判断し(ステップS6)、不正乗車および立席乗客があれば、客室に確認(検札)に行くことになる(ステップS7)。
【0047】
ここで、前記検札情報(モニター6の車掌画面に表示されるもの)は、情報処理装置4において、図9に示すようにして作成され、端末装置5に送られ、モニター6に出力される。
【0048】
図9において、スタートすると、初期状態であるので、各座席については空席表示(上記(ii)に対応)とする(ステップS11)。
【0049】
それから、チケット検札器2にグリーン券(G券)が挿入されたか否かが判断され(ステップS12)、挿入されていれば、まず、期間・列車番号を読み取り(ステップS13)、中央装置8からの基本情報に基づき有効であるか否かが判断される(ステップS14)。
【0050】
有効であれば、続いて、区間・席番を読み取り(ステップS15)、グリーン券を返却する(ステップS16)。一方、有効でなければ、グリーン券を返却し(ステップS17)、無効表示(上記(iii)に対応)をし(ステップS18)、ステップS2に戻る。
【0051】
有効である場合には、区間情報を自己保持し(ステップS19)、現在駅情報と突き合わせて有効か否かが判断される(ステップS20)。有効であれば、有効表示(上記(i)に対応)をして(ステップS21)、ステップS19に戻る一方、無効であれば、無効表示(上記(iii)に対応)をして(ステップS22)、ステップS12に戻る。
【0052】
このモニター6に表示された検札情報と、モニターテレビ7の映像によって判別される。
【0053】
なお、空席表示、有効表示および無効表示はモニター6の車掌画面上に表示させるだけでなく、座席自体においても空席ランプ、有効ランプ、無効ランプなどの判別できるランプを点灯させるようにすることも可能である。
【0054】
また、立席乗客についても、通路についての画像処理によって検知されるが、通路に立席乗客を含む物体がある場合には、モニター6の車掌画面上には通路について要確認表示(上記(iv)に対応)がなされ、モニターテレビ7の映像により確認することで、判別される。
【0055】
本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムは、上述した場合に限定されることなく、次のように構成することも可能である。
(1)前記撮影手段は、客室内の天井前部又は天井後部に1つだけ設け、1つの撮影手段で、客室内全体を撮影する構成とすることも可能であり、撮影手段の数は特に制限されない。また、撮影手段を複数設ける場合には、撮影漏れの範囲が生じないようにそれらの撮影範囲が一部重複するようにすることが望ましい。
(2)前記撮影手段は、前後を除き、2つ1組で進行方向に応じて作動する撮影手段が切り換えられるように構成されているが、1つの撮影手段が進行方向に応じて、例えば180°回転することで向きを変え、撮影範囲を変更可能であるようにすることも可能である。
(3)前記撮影手段は、天井面に設ける必要はなく、座席や通路について一定の範囲を撮影することができる位置であれば、どこに設けてもよい。
(4)前記情報処理装置4において、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データのみをメモリ手段に記憶するようにしているが、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データもメモリ手段に記憶するようにし、比較判定手段を、メモリ手段よりの信号を受け、メモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データと現在の状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する構成とすることも可能である。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように、画像処理の結果に基づく座席毎に乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段に加えて、車室内の一定の範囲を映像として映し出す第2のモニター手段を設けているので、第1のモニター手段による判別結果に加えて、第2のモニター手段による映像により確認することで、検知精度を高め、業務負担を低減することができる。つまり、第2のモニター手段の映像を目視することで、乗客の有無を視覚により直接チェックすることができる。よって、乗客検知の信頼性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両における乗客検知システムの一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】前記乗客検知システムを適用する自動検札システムの概略構成図である。
【図3】(a)(b)はそれぞれ撮影手段の配置の説明図である。
【図4】前記システムが用いられる鉄道車両の制御系統を示すブロック図である。
【図5】前記システムにおける着座乗客を検知するための画像処理の説明図である。
【図6】前記システムにおける立席乗客を検知するための画像処理の説明図である。
【図7】画像処理の結果に基づき着席乗客の有無を判別する処理の説明図である。
【図8】本発明に係る乗客検知システムを利用した自動検札システムの処理の流れの説明図である。
【図9】自動検札の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 座席
2 チケット検札器
3,3A〜3D 撮影手段
3C1,3C2,3D1,3D2 CCDカメラ
4 情報処理装置(第1の制御手段)
5 端末装置(第2の制御手段)
6 モニター(第1のモニター手段)
7 モニターテレビ(第2のモニター手段)
Claims (4)
- 車室内に複数の座席が規則的に配設され、前記座席の乗客の有無を検知する鉄道車両における乗客検知システムにおいて、
車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、
前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、
この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、
前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備えることを特徴とする鉄道車両における乗客検知システム。 - 前記乗客判定手段は、
前記撮影手段よりの信号に基づき画像処理をして、座席毎の画像処理データを検出するデータ検出手段と、
このデータ検出手段よりの信号を受け、予め乗客がいない初期状態についての座席毎の画像処理データを記憶するメモリ手段と、
前記データ検出手段およびメモリ手段よりの信号を受け、データ検出手段によって検出された現在の状態についての画像処理データとメモリ手段に記憶されている初期状態についての画像処理データとを比較して、座席毎の乗客の有無を判定する比較判定手段とを有する請求項1記載の鉄道車両における乗客検知システム - 車室内に複数の座席が規則的に配設されるとともに、乗客が通行する通路が設けられている鉄道車両における乗客検知システムにおいて、
車室内に取り付けられ車室内の一定の範囲を撮影する単数又は複数の撮影手段と、
前記撮影手段よりの信号に基づき、画像処理にて通路および座席毎の乗客の有無を判定する乗客判定手段と、
この乗客判定手段よりの信号を受け、画像処理の結果に基づく通路および座席毎の乗客の有無を表示可能である第1のモニター手段と、
前記撮影手段よりの信号を受け、前記撮影手段が撮影する一定の範囲の映像を表示可能である第2のモニター手段とを備えることを特徴とする鉄道車両における乗客検知システム。 - 第1および第2のモニター手段は、それらの表示画面が同時に監視可能に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両における乗客検知システム。
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- 2002-12-03 JP JP2002350937A patent/JP2004182064A/ja active Pending
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