JP2004180642A - ビリルビン非δ画分の選択的測定法 - Google Patents
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Abstract
【課題手段】芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、からなる群から少なくとも1種選択される化合物及び好ましくはさらにアニオン型界面活性剤を共存させてpH6〜11でビリルビンオキシダーゼを反応させることにより、検体中のビリルビン非δ画分を精度良く測定することができる。
【選択図】なし
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビリルビンオキシダーゼを用いてビリルビンの非δ画分を選択的に測定する方法及びそれに用いる試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビリルビンは、生体中において胆汁中に最も多く存在する色素で、ピロール骨格を持つことから、診断分野においては含窒素成分の主要な項目として捉えられている。
老廃赤血球が、骨髄、胸腺、肝臓などで分解、代謝されるとき、主要構成成分であるヘモグロビンから非抱合ビリルビンが生成される。最も多く代謝される胸腺から肝臓に輸送された非抱合ビリルビンは、そのカルボキシル基の1つまたは2つがグルクロン酸と結合した抱合ビリルビンに変化して胆道へ排泄される。一方、抱合ビリルビンが胆道閉塞などで肝臓から胆道へ正常に排泄されない場合、血流中へと逆流して胆道閉塞性黄疸となる。血中でビリルビンは、非酵素的にアルブミンと共有結合する。血中に増加した抱合ビリルビンの一部はアルブミンと共有結合したδビリルビンへと変化する。δビリルビンの寿命は、アルブミン代謝速度とほぼ同じ2週間程度で、他のビリルビンよりも非常に遅い特徴がある。
【0003】
溶血性黄疸では、非抱合ビリルビンの上昇が著しく、特に肝臓の未発達な新生児黄疸では、アルブミンから遊離した非抱合ビリルビン (遊離ビリルビン)がビリルビン脳症の成立と密接な関係があると考えられている。このようなビリルビンの体内における動向をもとに、新生児においては、ビリルビン脳症の予防、成人においては肝・胆道系疾患の鑑別および病態の把握、先天性ビリルビン代謝異常症の診断や溶血性疾患の発見、更に近年肝移植後の状態把握などにビリルビンの測定が行われている。特に、胆道系疾患の病態把握や肝移植後の状態把握には、抱合ビリルビン/δビリルビン比や抱合ビリルビン量が鋭敏な指標となり得ることが明らかにされた(例えば、非特許文献1参照 )。
【0004】
ビリルビンの測定法は、1916年、van den Berghらによって開発されたジアゾ法が広く普及しており、血清ビリルビンはジアゾ試薬に対する反応性の相違から2種類に大別されている。即ちジアゾ試薬単独で発色するビリルビンを直接(型)ビリルビンといい、ある種の有機溶媒又は界面活性剤あるいはカフェイン等の反応促進試薬を加えることによって発色するビリルビンを間接(型)ビリルビンという。さらに直接及び間接ビリルビンの合計を総ビリルビンと称する。
【0005】
一般的なジアゾ法(例えば、非特許文献2参照)における問題点は、ジアゾ試薬の不安定性であり、ジアゾ試薬とモノグルクロナイド体(直接型ビリルビンの一部)との反応性の低さである。反応時間を適切に設定しないと直接型ビリルビンを正確に測定することはできない。また後述するように、直接型は2種のグルクロン酸抱合ビリルビンとδビリルビンからなり、間接型は非抱合ビリルビンからなることが解明されて、胆道系疾患の病態把握の指標に直接型ビリルビンが有用なのか疑問が生じている。
【0006】
上記の化学的分析手段とは全く異なる物理的分析手段として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による血清中ビリルビンの分析がラウフらにより報告された(例えば、非特許文献3参照)。それによると、血清中のビリルビンは、主にα:非抱合ビリルビン、β: モノグルクロナイドビリルビン、γ:ジグルクロナイドビリルビン、δ:δビリルビンの4画分に分けられる。各画分の含量又はそれらの比と疾患の関係 が解明され(例えば、非特許文献、1、4など)、関連した分析法についても多数のグループからの報告がある(例えば、非特許文献4、5、6参照 )。しかしながら、HPLC法は、装置が高価なこと、一度に多数の検体を処理できないこと、処理速度を向上させるために血清を直接カラムに供するとカラム劣化が早まりランニングコストが高くなることなどの問題があった。
【0007】
ジアゾ法に替わる化学的測定法として、酵素を用いたビリルビンの定量法が開発された。ミロセシウム属(Myrothecium)由来のビリルビンオキシダーゼを用いる総ビリルビンの測定法(例えば、特許文献1、2参照)や直接ビリルビンの測定法(例えば、特許文献3参照)が報告されている。いずれも従来のジアゾ法に比べ、簡便性や試薬安定性に優れた方法であった。酵素法によるビリルビン画分の測定に関しては、陰イオン型界面活性剤を共存させ特定pH領域で抱合ビリルビンを選択的に測定する方法(例えば、特許文献4、5参照)、特定の界面活性剤を共存させpH4.5〜6で抱合ビリルビンを測定する方法(例えば、特許文献6参照)、キレート剤を共存させpH4.4〜6で抱合ビリルビンを測定する方法(例えば、特許文献7参照)、界面活性剤を共存させpH6.5以下で非抱合ビリルビンを測定する方法(例えば、特許文献8参照)、陽イオン又は陰イオン型界面活性剤の共存により非δもしくはδビリルビンを測定する方法(例えば、特許文献9参照)が報告されている。
【0008】
【特許文献1】
特公昭60−12031号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
第2880209号公報(第2−3頁)
【特許文献3】
特公平6−17911号公報(第2頁)
【特許文献4】
特公平5−9066号公報(第2頁)
【特許文献5】
特公平5−68240号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開平9−149794号公報(第2頁)
【特許文献7】
特開2000−166595号公報(第2−3頁)
【特許文献8】
特開平11−123099公報(第2−3頁)
【特許文献9】
特開平10−234397号公報(第2頁)
【0009】
【非特許文献1】
中井昌弘 肝臓 32 P51〜62 (1991)
【非特許文献2】
金井泉:臨床検査法提要 金原出版 P XII−24 (昭和53年)
【非特許文献3】
John J. Lauff, J Chromatogr, 226, P391〜402 (1981)
【非特許文献4】
Adachi Y, Clin Chem 34 P385〜388(1988)
【非特許文献5】
Ohnishi S, Biochem J 190 P527〜532 (1980)
【非特許文献6】
Nakamura H, Bunsekikagaku 36 P352〜355(1987)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の酵素法に安価で迅速かつ正確にビリルビンの主要画分α〜δ(各種ビリルビン)を測定する方法は存在しない。本発明はこのような従来の課題に着目してなされたものであって、液体試料(検体)中ビリルビンの非δ画分を正確に測定する選択的方法および試薬を提供することを目的とする。更に、総ビリルビン測定値との差からビリルビンδ画分値を、抱合ビリルビン測定値との差から非抱合ビリルビン値を算出するなどビリルビンの各種画分測定法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類を共存させ、pH6〜11でビリルビンオキシダーゼを作用させることにより、ビリルビン非δ画分をはじめとする各種ビリルビンを精度良く測定できることを見出し本発明に至った。
【0012】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
各種ビリルビンに対するビリルビンオキシダーゼの反応性は、その由来、pH、緩衝液の種類により異なることが知られている。現在、入手が容易なミロセシウム属(Myrothecium)由来のビリルビンオキシダーゼは、1)δビリルビンに対し、pH4.8付近で最も高い反応性を示すが、pH6以上での反応性は低くなる、2)抱合ビリルビンに対し、pH5〜11までほぼ一定の反応性を示し、pH6.0〜6.5付近で最大の反応性を有する、3)非抱合ビリルビンに対し、pH6.5付近で最大の反応性を有する。緩衝液については、クエン酸緩衝液や2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジル]エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液よりも2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液の方が高い反応性を示す。
【0013】
エビタケ属(Trachyderma tsunodae)由来のビリルビンオキシダーゼは、1)δビリルビンに対してpH4.8付近において最高の反応性、6.0以上では非常に低い反応性を示し、2)抱合ビリルビンに対して、pH6.0〜6.5付近において最高の反応性を示が、pH9.2以上では殆ど反応しない、3)非抱合ビリルビンに対しては、pH5.5〜6.0で最高の反応性を示すが、pH9以上では殆ど反応しない。また、緩衝液の種類による反応性の差は、殆ど認められない。
【0014】
このような性状の酵素を用いてpHや緩衝液を適宜選択しても、ビリルビン非δ画分を測定することはできない。δビリルビンに対する反応性を完全に抑制するpH条件では、抱合ビリルビンおよび非抱合ビリルビンの反応性も一部抑制されてしまうためである。
【0015】
本発明は、ビリルビン非δ画分(又はδ画分)を選択的に測定するための分別剤として、芳香族スルホン酸又は硫酸塩類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、さらに好ましくはアニオン型界面活性剤をビリルビンオキシダーゼと共存させることにより、上記問題点を解決したものである。即ち、この分別剤は、ビリルビンオキシダーゼのδビリルビンに対する反応性が低いpH領域で、抱合ビリルビンおよび非抱合ビリルビンの反応性を向上させる効果を有している。
【0016】
ビリルビン非δ画分を選択的に測定するための芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類は、ベンゼンスルホン酸、フェニルリン酸、安息香酸の骨格を有する化合物である限り、公知の中から適宜選択することができる。その具体例としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−nプロピルベンゼンスルホン酸、p−イソプロピルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼン硫酸、p−トルエン硫酸、フェニルリン酸、p−メチルフェニルリン酸、安息香酸、サリチル酸、メチルサリチル酸、メトキシサリチル酸、スルホサリチル酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−プロポキシ安息香酸、クミニン酸、4−イソプロポキシ安息香酸、4−n−ブチル安息香酸、4−n−ブトキシ安息香酸、4−イソブチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、4−n−アミル安息香酸、4−n− ヘキシル安息香酸、4−n−ヘプチル安息香酸、4−n−オクチル安息香酸およびそのアルカリ金属塩が挙げられる。
【0017】
これら、添加物の濃度は、0.1mM〜200mMの範囲であることが好ましく、より好ましくは、10mM〜50mMの範囲である。濃度が、0.1mM以下の時は、非抱合ビリルビンが充分反応しない。濃度200mM以上では、δビリルビンの反応性が増強される。
【0018】
また、胆汁酸類も公知のものの中から適宜選択することができる。その具体例としては、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、リトコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸またはそのアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。これら胆汁酸類の濃度は、0.01%〜0.8%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.02〜0.4%の範囲である。濃度が、0.01 %以下の時は、非抱合ビリルビンが充分反応せず、濃度0.8%以上では、δビリルビンの反応性が増強される。
【0019】
さらに、アニオン型界面活性剤も公知のものの中から適宜選択できるが、炭素鎖5〜16のアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩又はカルボン酸塩から選択するのが好ましい。その具体例としては、1−ペンタンスルホン酸、1−へキサンスルホン酸、n−ヘキシル硫酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、n−オクチル硫酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ウンデカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ドデシル硫酸、1−トリデカンスルホン酸、トリデシル硫酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、セチル硫酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−オクテン酸、n−ノナン酸、2−ノネン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、オレイン酸が挙げられる。
【0020】
これらアニオン型界面活性剤の濃度は、0.01〜0.2%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.02〜0.1%の範囲である。濃度が、0.01 %以下の場合は、非抱合ビリルビンが充分反応せず、濃度0.2%以上では、δビリルビンの反応性が増強され、更に非抱合ビリルビンの反応性は低下する。
【0021】
本発明試薬の反応pHは、6〜11の範囲であることが好ましく、より好ましくはpH6.5〜9.0の範囲である。pHが6よりも低いとδビリルビンの反応性が増強し、pH11以上では非δビリルビンが殆ど反応しない。本発明で使用可能な緩衝液は、pHを上記範囲内に維持できるものであれば特に制限はなく、公知の緩衝液の中から適宜選択することができる。グッド緩衝液やリン酸緩衝液が好適である。
【0022】
本発明においてビリルビン非δ画分を測定する検体は、ビリルビンを含有する液状試料が一般的であり、例えば、血清、血漿、胆汁などが挙げられる。これら検体は、必要に応じて、希釈しても前処理を加えてもよい。また、本発明に用いるビリルビンオキシダーゼは、一般にビリルビンオキシダーゼとして流用されている酵素であれば、いずれでもよい。入手し易さを考慮すると、ミロセシウム属(Myrothecium)由来およびエビタケ属(Trachyderma tsunodae)由来の酵素を使用することが好ましい。その使用濃度は、由来により若干異なるものの、0.02〜10単位/mL、好ましくは、0.1〜1.0単位/mLの範囲内である。
【0023】
本発明は、芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、好ましくはさらにアニオン型界面活性剤を緩衝液 (第1試薬)及び/又はビリルビンオキシダーゼ溶液 (第2試薬)に添加した2試薬系のビリルビン非δ画分測定用試薬を提供することができる。第1試薬と第2試薬に同一の上記化合物を同一濃度添加してもよく、第1試薬と第2試薬にそれぞれ異なる化合物を異なる濃度で添加してもよい。本発明においては特に必要ではないものの、フェノールなどの反応促進剤、非イオン型界面活性剤、アルブミンなどの蛋白質を第1試薬及び/又は第2試薬に適宜添加してもよい。
【0024】
本発明によるビリルビン非δ画分の最も一般的な測定法は、芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、好ましくはさらにアニオン型界面活性剤を含む緩衝液 (第1試薬)を検体に加え、インキュベーション後吸光度を測定し、続いてビリルビンオキシダーゼ溶液 (第2試薬)を加えて酵素反応を行い 、その結果生ずる吸光度の減少(ビリルビン非δ画分の減少)を測定することにより行われる。第1試薬を緩衝液のみとし、第2試薬を芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、好ましくはさらにアニオン型界面活性剤を含むビリルビンオキシダーゼ溶液としても、測定結果は変わらない。
【0025】
本発明の第2試薬(ビリルビンオキシダーゼ溶液)作用後に測定される吸光度は、検体中のδビリルビン量に基づくものである。しかしながら、これには検体中の他の成分に基づく吸光度も含まれるため、この吸光度から直接δビリルビン値を求めることは好ましくない。正確なδビリルビン値は、別途測定した総ビリルビン値から本発明の非δビリルビン測定値を減じることで得られる。また、別途測定した抱合ビリルビン値から本発明の非δビリルビン測定値を減じれば、非抱合ビリルビン値を得ることができる。
【0026】
【 発明の効果】
本発明の方法により、特に分離手段を要さずに直接、検体中のビリルビン非δ画分を正確に測定することができる。測定は中性〜アルカリ性のpH領域(pH6〜11)で行われるため、分析装置や同時測定他項目へ悪影響を与えない。ビリルビン非δ画分と同時に総ビリルビン及び包合ビリルビンを測定すれば、δビリルビン及び非抱合ビリルビン等の各種ビリルビン画分値を得ることが可能である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0028】
実施例1: 各種ビリルビンに対する反応性
0.1% トリトンX−305を含有する100mMリン酸緩衝液(pH7.2)に、20mMの芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類、0.1%の胆汁酸類又は0.05%のアニオン型界面活性剤をそれぞれ添加した第1試薬及びミロセシウム属由来ビリルビンオキシダーゼを1単位/mLの濃度で10mM N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(pH9.0)に溶解した第2試薬をそれぞれ調整し、日立7170形自動分析装置を用いて各種ビリルビンに対する反応性を検討した。試料には、濃度5mg/dLの合成δビリルビン(渭原博 医学検査 43 1253〜55 (1994))、ジタウロビリルビン(第一化学薬品社製)及び非抱合ビリルビン(シグマ社製)を用いた。
測定方法:第1試薬0.24mL及び試料8μLを37℃、5分間インキュベーションし、第2試薬0.06 mLを加えてさらに5分間インキュベーションする。第1試薬による5分間のインキュベーション後の吸光度(波長450nm)及び第2試薬添加5分後の吸光度の差を求め、標準品の吸光度を対照にビリルビン値を算出し、検体中の理論ビリルビン値に対する割合(%)を比較した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類を添加した試薬は、δビリルビンに対して3〜6%、ジタウロビリルビン及び非抱合ビリルビンに対して95〜100%の反応性を示した。胆汁酸類および炭素鎖5以上のアニオン型界面活性剤を添加した試薬は、δビリルビンに対して3〜8%、ジタウロビリルビン及び非抱合ビリルビンに対して88〜100%の反応性を示した。これらのことから、人工的に調製した試料においてビリルビン非δ画分が特異的に測定されることが認められた。
【0031】
実施例2: 反応pHと各種ビリルビンに対する反応性
20mMのp−トルエンスルホン酸を含む100mMリン酸緩衝液及び100mMホウ酸緩衝液のpHを5.0〜11.0に調整した第1試薬を用いて、各種ビルルビンの反応性を比較した。第2試薬にはエビタケ属由来ビリルビンオキシダーゼ(4単位/mL)も加えた。その他の条件及び測定方法は実施例1と同様である。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
ミロセシウム属ビリルビンオキシダーゼを用いた場合、pH6〜9ではδビリルビンに対して1〜12%、ジタウロビリルビンおよび非抱合ビリルビンに対して97〜100%の反応性を示し、pH6.0未満ではδビリルビンに対して15〜20%、ジタウロビリルビンおよび非抱合ビリルビンに対して70〜75%の反応性を示し、pH9.0以上では、δビリルビンに対して1%、ジタウロビリルビンおよび非抱合ビリルビンに対して90〜96%の反応性を示した。一方、エビタケ属ビリルビンオキシダーゼを用いた場合には、pH6〜9においてδビリルビンに対して1〜15%、ジタウロビリルビンおよび非抱合ビリルビンに対して90〜100%の反応性を示し、pH6未満ではδビリルビンに対して95〜100%、ジタウロビリルビンおよび非抱合ビリルビンに対して70〜75%の反応性を示し、さらにpH9以上ではδビリルビンに対して1%、ジタウロビリルビン及び非抱合ビリルビンに対して4〜35%の反応性を示した。
使用する酵素種で異なるが、人工的試料においてpH6〜11の範囲でビリルビン非δ画分が特異的に測定されることが示された。
【0034】
実施例3: 各種ビリルビンに対する反応性のHPLCによる分析
分別剤として20mM p−トルエンスルホン酸を用いた実施例1の第1試薬0.45mLと血清検体15μLを37℃で5分間インキュベーション後、実施例1の第2試薬を0.112mL加えて、更に37℃で5分間インキュベーションした。この反応液に3g/dL のフッ化ナトリウム水溶液0.03mL及び10g/dLのアスコルビン酸水溶液0.01mLを加えて酵素反応を停止し、その反応液0.1mLをHPLCに供した。
HPLC条件は、溶離液−1に0.05g/dLのフッ化ナトリウムおよび0.2g/dLのアスコルビン酸を添加したこと、カラムにリクロスフェア−100RP−18(メルク社製)及びHPLC装置に東ソー8020分析装置を用いたこと以外は、ラウフら(非特許文献John J. Lauff, J Chromatogr., 226, 391〜402 (1981))に準じて行った。尚、第1試薬と検体とを37℃で5分間予備加熱後、フッ化ナトリウム水溶液およびアスコルビン酸水溶液を添加し、次いで第2試薬を加え、ビリルビンオキシダーゼ反応を抑制した反応液中の各種ビリルビンを対照とした。
【0035】
その結果、図1に示すように、本試薬におけるビリルビンオキシダーゼ反応により、ジグルクロナイドビリルビン、モノグルクロナイドビリルビンおよび非抱合ビリビンに相当するピークが消失し、δビリルビンに相当するピークは、98%残存していることが認められた。このことから、本発明による試薬は、血清検体中のビリルビン非δ画分を特異的に測定していることが示された。
【0036】
実施例4: 本発明法による測定値とHPLC法測定値との相関
実施例3の第1試薬及び第2試薬を用いて日立7170形自動分析装置によって血清検体(12例)のビリルビン値を測定した。測定条件は実施例1と同様である。
HPLCは、日本臨床衛生検査技師会, ビリルビン測定法の標準化ワーキンググループ報告(1999年)の方法に準じて行った。カラムにバイオプティックAV2, 溶離液に50mMリン酸緩衝液(pH6.5)とアセトニトリルの10対3混合液を、HPLC装置に東ソー8020分析装置を使用した。各検体の450nmにおけるクロマトグラムから、ジグルクロナイドビリルビン、モノグルクロナイドビリルビンおよび非抱合ビリビンに相当するピーク面積を算出し、米国標準技術協会(NIST)標準品SRM916aを対照として検体中のビリルビン非δ画分の値を求めた。更に、HPLC法と本発明法による測定値との相関図を作成した。
その結果、図2に示す通り、HPLCと本発明法の相関係数は0.99、一次回帰式の傾きは1.03、切片は0.06と非常に良好な相関があることが示された。
【0037】
実施例5: 算出したδビリルビン値又は非抱合ビリルビン値とHPLC法との相関
エクディアL’栄研’ T−BIL(商品名:栄研化学製)及びエクディアL’栄研’ D−BIL(商品名:栄研化学製)を用いて日立7170形自動分析装置によって実施例3と同一検体(12例)の総ビリルビン値及び抱合ビリルビン値を測定した。測定条件は、該キットの能書に準じた。これらの測定値と実施例4で測定した本発明法の測定値(非δビリルビン)からδビリルビン値及び抱合ビリルビン値を算出し、実施例4のHPLC法による画分値との相関を求めた。総ビリルビン値から実施例4の本発明法の測定値を減じた数値がδビルビン値に相当し、実施例4の本発明法の測定値から抱合ビリルビンの測定値を減じた数値が非抱合ビリルビン(αビリルビン)値に相当する。
【0038】
δビリルビンの相関図を図3に、抱合ビリルビンの相関図を図4に示す。δビリルビンにおけるHPLC法と本発明の測定値(算出値)との相関係数は、0.99であり、一次回帰式の傾きは0.99、切片は0.03と極めて良好に相関していることが示された。また、非抱合ビリルビンにおけるHPLC法と本発明の測定値との相関は、相関係数=0.99、一次回帰式の傾き1.05、切片0.05と非常に良好であることが示された。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】各種ビリルビンの反応性をHPLC分析した結果を示すグラフである。
【図2】本発明法によるビリルビン非δ画分測定値とHPLC法測定値の相関を示すグラフである。
【図3】総ビリルビン測定値から本発明法によるビリルビン非δ画分測定値を減ずることより求めたδビリルビン値とHPLC法測定値の相関を示すグラフである。
【図4】本発明法によるビリルビン非δ画分測定値から抱合ビリルビン値を減ずることより求めた非抱合ビリルビン値とHPLC法測定値の相関を示すグラフである。
Claims (16)
- 芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類及びそれらの塩からなる群から少なくとも1つ選択された化合物の共存下にビリルビンオキシダーゼを作用させるビリルビン非δ画分の測定方法
- さらに、アニオン型界面活性剤を共存させる請求項1記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- 芳香族スルホン酸類が、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−n−プロピルベンゼンスルホン酸、p−イソプロピルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸又はそのアリカリ金属塩である請求項1〜2記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- 芳香族カルボン酸類が、安息香酸、サリチル酸、メチルサリチル酸、メトキシサリチル酸、スルホサリチル酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸、4−プロポキシ安息香酸、クミニン酸、4−イソプロポキシ安息香酸、4−n−ブチル安息香酸、4−n−ブトキシ安息香酸、4−イソブチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、4−n−アミル安息香酸、4−n− ヘキシル安息香酸、4−n−ヘプチル安息香酸、4−n−オクチル安息香酸またはそのアルカリ金属塩である請求項1〜2記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- フェニルリン酸類が、フェニルリン酸、p−メチルフェニルリン酸又はそのアリカリ金属塩である請求項1〜2記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- 胆汁酸類が、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、リトコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸またはそのアルカリ金属塩である請求項1〜2記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- アニオン型界面活性剤が、炭素鎖5〜16のアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩又はカルボン酸塩である請求項2記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- 炭素鎖5〜16のアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩又はカルボン酸塩が、1−ペンタンスルホン酸、1−へキサンスルホン酸、n−ヘキシル硫酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、n−オクチル硫酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ウンデカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、ドデシル硫酸、1−トリデカンスルホン酸、トリデシル硫酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、セチル硫酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−オクテン酸、n−ノナン酸、2−ノネン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれかである請求項7記載のビリルビン非δ画分の測定方法。
- pH6〜11の範囲でビリルビンオキシダーゼを作用させる請求項1〜8記載のビリルビン非δ画分測定方法。
- 芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類が0.1mM〜200mMの濃度範囲で使用される請求項1〜9記載のビリルビン非δ画分測定方法。
- 胆汁酸類が、0.01%〜0.8%の濃度範囲で使用される請求項1及び6記載のビリルビン非δ画分測定方法。
- アニオン型界面活性剤が、0.01〜0.2%の濃度範囲で使用される請求項1〜11記載のビリルビン非δ画分測定方法。
- 請求項1の方法による非δビリルビン画分値を同じ検体の総ビリルビン測定値から減じて求めるδビリルビン値の算出方法。
- 請求項1の方法による非δビリルビン画分値から同じ検体の抱合ビリルビン値を減じて求める非抱合ビリルビン値の算出方法。
- 芳香族スルホン酸類、芳香族カルボン酸類、フェニルリン酸類、胆汁酸類及びそれらの塩からなる群から少なくとも1つ選択された化合物を含むビリルビン非δ画分測定試薬
- さらに、アニオン型界面活性剤を含有させる請求項15記載のビリルビン非δ画分測定試薬
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