JP2004180524A - 湯葉の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良く、均一な厚さの湯葉を製造可能な湯葉の製造方法を提案すること。
【解決手段】湯葉の製造装置1は、湯葉鍋3の上側開口部を開閉可能な開閉蓋4を備えており、この開閉蓋4の裏面には赤外線放射部として機能する加熱管本体5が組みつけられている。湯葉鍋3に豆乳を入れて、開閉蓋4を閉じ、この状態で湯葉鍋3を下側から加熱すると共に、開閉蓋4の裏面に取り付けた加熱管本体5から放射される赤外線により豆乳10の表面を加熱する。豆乳表面も同時に加熱することにより、短時間のうちに所定厚さの湯葉を形成できる。開閉蓋4によって湯葉鍋3が覆われるので、密閉した作業場を必要とすることなく、風などによって邪魔されることなく均一厚さの湯葉を製造できる。
【選択図】 図1
【解決手段】湯葉の製造装置1は、湯葉鍋3の上側開口部を開閉可能な開閉蓋4を備えており、この開閉蓋4の裏面には赤外線放射部として機能する加熱管本体5が組みつけられている。湯葉鍋3に豆乳を入れて、開閉蓋4を閉じ、この状態で湯葉鍋3を下側から加熱すると共に、開閉蓋4の裏面に取り付けた加熱管本体5から放射される赤外線により豆乳10の表面を加熱する。豆乳表面も同時に加熱することにより、短時間のうちに所定厚さの湯葉を形成できる。開閉蓋4によって湯葉鍋3が覆われるので、密閉した作業場を必要とすることなく、風などによって邪魔されることなく均一厚さの湯葉を製造できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短時間で効率良く均一な厚さの湯葉を製造可能な湯葉の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において、湯葉の製造は次のように行われている。まず、湯葉鍋に豆乳を張り、湯葉鍋の底面および側面を温水、水蒸気などによって加熱して一定の温度状態に保持する。この状態で湯葉が豆乳表面に自然に形成されるまで待つ。所定の厚さの湯葉が表面に形成された後は、所定の取り上げ用の治具を用いて、出来上がった湯葉を豆乳表面から取り上げるようにしている。ここで、湯葉が形成される間に、風などが豆乳表面に当たると、湯葉の形成が阻害され、また、均一な厚さの湯葉が形成されない惧れがある。このために、湯葉の製造は、密閉された作業場で行われているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における湯葉の製造においては次のような解決すべき課題がある。
【0004】
第1に、湯葉鍋を一定温度に保持した状態で、豆乳表面に湯葉が形成されるのを待つ必要がある。製造効率を高めるためには、所定厚さの湯葉が形成される時間を短縮すればよいが、従来においてはそのための方法が何ら提案されていない。
【0005】
第2に、風が湯葉に当たらないようにする必要があるので、湯葉の製造は密閉された作業場で行われいる。従って、作業環境が極めて悪いという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、湯葉製造時間を短縮可能な湯葉の製造方法および製造装置を提案することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、密閉された作業場を必要とすることなく、均一な厚さの湯葉を製造可能な湯葉の製造方法および製造装置を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による湯葉の製造方法は、豆乳を入れた湯葉鍋を加熱すると共に、湯葉鍋の豆乳表面を上方から赤外線加熱することを特徴としている。
【0009】
豆乳表面を加熱することにより、従来のように湯葉鍋のみを加熱する場合に比べて、湯葉の出来上がり時間を2/3〜1/2程度に短縮できることが確認された。また、従来における湯葉の製造に必要な豆乳温度に比べて、本発明の方法により必要とされる豆乳温度は低くてもよいことが確認された。従って、本発明によれば、効率良く、高品質の湯葉を製造することができる。
【0010】
ここで、前記湯葉鍋の豆乳表面の上方を覆った状態で、当該豆乳表面を赤外線加熱することが望ましい。このようにすれば、豆乳表面に形成されている湯葉に風が当たることがないので、密閉された作業場を必要とすることなく、均一な厚さの湯葉を効率良く製造することができる。
【0011】
次に、本発明の方法により湯葉を製造するための湯葉の製造装置は、
上方が開口部となっている湯葉鍋と、
この湯葉鍋を加熱する鍋加熱手段と、
前記湯葉鍋に入れた豆乳表面に上方から赤外線を照射して加熱する赤外線加熱手段とを有していることを特徴としている。
【0012】
ここで、前記湯葉鍋の前記開口部を覆うために、開閉可能な開閉蓋を有していることが望ましい。この場合、この開閉蓋の裏面に前記赤外線加熱手段の赤外線放射部を取り付ければよい。
【0013】
また、この場合には、豆乳表面への赤外線放射効率を高めるために、前記開閉蓋の裏面を、赤外線を反射するための赤外線反射面とすることが望ましい。
【0014】
前記赤外線放射部としては、複数本の筒状体と、各筒状体の表面に塗布した所定の赤外線放射率を備えた耐熱塗料とを備えた構成のものを用いることができる。この場合には、各筒状体を経由して水蒸気などの熱媒を循環させればよい。
【0015】
この代わりに、前記赤外線放射部を、赤外線放射ランプ、または、赤外線放射塗料が塗布された電気ヒータを備えた構成のものとしてもよい。
【0016】
次に、前記赤外線反射面は、アルミニウム、銅またはステンレススチールの表面に形成されたものとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した湯葉の製造装置の実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る湯葉の製造装置の外観斜視図である。この図に示すように、湯葉の製造装置1は、装置架台2と、この装置架台2の上面に形成された一定深さの長方形の凹部により規定される湯葉鍋3と、この湯葉鍋3の上側開口部を開閉するための開閉蓋4とを有している。開閉蓋4の裏面には、赤外線放射部として機能する加熱管本体部5が組みつけられている。
【0019】
湯葉鍋3の底面および側面は、装置架台2の内部に引き回されている蒸気配管(図示せず)に外部の蒸気供給源(図示せず)から供給管5を介して供給される水蒸気によって加熱されるようになっている。従って、これら蒸気配管、外部の蒸気供給源および供給管5によって湯葉鍋加熱手段が構成される。
【0020】
図2(a)〜(c)は開閉蓋4を示す平面図、正面図および側面図である。本例の開閉蓋4は、一定高さの垂直な前板部分41、後板部分42および左右の側板部分43、44と、左右の端から中央部分に向けて上方に傾斜している天板部分45とを備え、天板部分45の中央は前後方向に延びる矩形断面の突起部分が形成されている。左右の側板部分43、44の内側には、上下にスライド可能な間隔調整板47、48がそれぞれ取り付けられている。ここで、本例の開閉蓋4はアルミニウム製であり、その内周面は赤外線反射率の大きな赤外線反射面となっている。
【0021】
図3(a)〜(c)は、開閉蓋4の裏面に組みつけられている赤外線放射部として機能する加熱管本体部5を取り出して示す裏面図、側面図および背面図である。放熱管本体部5は、幅方向に平行に延びている前側蒸気配管51および後側蒸気配管52と、これらの蒸気配管51、52の下側において前後方向に架け渡されている左側の蒸気配管54および右側の復水管55とを備えている。また、蒸気配管51、52の間には、上下二段で千鳥状に配列された前後方向に延びる複数本の赤外線放熱用の蒸気配管53が架け渡されている。さらに、左側の蒸気配管54および右側の復水管55の後端は、後側配管52を越えて開閉蓋4の後板部分42を貫通して後ろ側に延びており、これらの後端には幅方向に延びる円筒形状の配管56が連結されている。
【0022】
配管56は、その中央位置において左右に仕切られており、左側半分が蒸気配管部分56aとされ、右側半分が復水管部分56bとされている。外部の水蒸気供給源(図示せず)からの水蒸気がこの配管56の蒸気配管部分56aに供給される。この蒸気配管部分56aに供給された水蒸気は、左側の蒸気配管54を経由して、前後の蒸気配管51、52に供給され、これらから、複数本の赤外線放射用の蒸気配管53に供給される。各蒸気配管53からの復水は、前後の蒸気配管51、52から、右側の復水管55および配管56の右側の復水管部分56bを経由して排出される。
【0023】
蒸気配管53は例えばステンレススチール製の薄肉管であり、その表面には、赤外線放射率の大きな耐熱塗料が塗布されている。同様に、前後の蒸気配管51、52の外周表面にも赤外線放射率の大きな赤外線塗料が塗布されている。水蒸気が供給されると、各蒸気配管、特に赤外線放射用の各蒸気配管56から赤外線が放射される。従って、加熱管本体5と、ここに水蒸気を供給する外部の水蒸気供給源とによって赤外線加熱手段が構成される。
【0024】
ここで、図1、図2(c)に示すように、湯葉鍋3の後端側の開口縁部分3aには左右一対の取り付け用ブラケット7、8が立設されており、これらによって、蒸気配管56が回転自在の状態で水平に支持されている。また、図2(b)、図3に示すように、加熱管本体部5は、その前側蒸気配管51および後側蒸気配管52の両端部分が、それぞれ取り付け用ブラケット57、58と59、60によって開閉蓋4の天板部分45に連結されている。従って、開閉蓋4は、ブラケット7、8によって支持されている蒸気配管56を中心として開閉可能である。
【0025】
(湯葉の製造手順)
このように構成した湯葉の製造装置1による湯葉の製造手順を説明する。まず、図1に示すように、開閉蓋4を開けて、湯葉鍋3に所定量の豆乳10を張る。次に、開閉蓋4を図2(c)に示すように閉じ、外部の水蒸気供給源から水蒸気を供給することにより、湯葉鍋3の底面および側面を加熱して所定の温度状態に保持すると共に、加熱管本体部5に対しても水蒸気を供給して、湯葉鍋3の豆乳表面に対して上側から赤外線を放射して当該表面を加熱する。
【0026】
このように、上下から湯葉鍋3の豆乳を加熱することにより、豆乳表面には短時間のうちに湯葉が形成される。また、開閉蓋4によって、湯葉鍋3が実質的に封鎖された状態で湯葉が形成されるので、従来のように密閉された作業場で湯葉を製造する必要がなくなる。よって、良好な作業環境のもとで均一な厚さの湯葉を製造できる。
【0027】
本発明者等の実験によれば、湯葉の出来上がる時間を、1枚当たり10分掛かっていたものを6分に短縮できることが確認された。また、豆乳温度を従来に比べても約3度程度下げることが出来ることも確認された。さらには、湯葉の色付きが従来に比べて良くなることが確認された。
【0028】
(その他の実施の形態)
なお、上記の湯葉の製造装置では、水蒸気を熱源としているが、熱源としては熱媒油などの他の熱媒を用いることもできる。また、赤外線放熱部としては、上記のような配管を用いる代わりに、赤外線放射ランプを用いても良い。あるいは、電気ヒータに赤外線放射塗料を塗布した構成のものを用いることもできる。
【0029】
次に、上記の開閉蓋はアルミニウム製であるが、銅製あるいはステンレススチール製としてもよい。この場合には、開閉蓋の裏面に研磨加工を施して赤外線反射面を形成すればよい。
【0030】
一方、本発明は、表面に湯葉が一体形成された構成の豆腐(湯葉豆腐)の製造にも利用することができる。冷やした豆乳に凝固剤を混ぜて加熱して豆腐を製造する際に、その表面を赤外線加熱することにより湯葉豆腐を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の湯葉の製造方法および製造装置においては、湯葉鍋を加熱すると共に、その上側から豆乳表面を赤外線により加熱するようにしている。従って、従来に比べて、短時間のうちに湯葉を効率良く製造することが可能になる。
【0032】
また、本発明では、湯葉鍋の開口部を覆った状態で豆乳表面を赤外線により加熱するようにしている。従って、密閉された作業場を必要とすることなく、良好な作業環境の下で、均一厚さの湯葉を効率良く製造することが可能になる。
【0033】
さらに、本発明では、湯葉鍋の開口部を覆っている開閉蓋の裏面に赤外線放射部を組み付け、開閉蓋の裏面を赤外線反射面としてあるので、効率良く、豆乳表面を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した湯葉の製造装置を示す外観斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ、開閉蓋を示す平面図、正面図および側面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、開閉蓋の裏面に組みつけられている赤外線放射部として機能する加熱管本体部を取り出して示す裏面図、側面図および背面図である。
【符号の説明】
1 湯葉の製造装置
2 装置架台
3 湯葉鍋
4 開閉蓋
5 加熱管本体(赤外線放射部)
6 供給管
7、8 ブラケット
10 豆乳
51、52、53、54 蒸気配管
55 復水管
56 配管
56a 蒸気配管部分
56b 復水管部分
57、58、59、60 ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、短時間で効率良く均一な厚さの湯葉を製造可能な湯葉の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において、湯葉の製造は次のように行われている。まず、湯葉鍋に豆乳を張り、湯葉鍋の底面および側面を温水、水蒸気などによって加熱して一定の温度状態に保持する。この状態で湯葉が豆乳表面に自然に形成されるまで待つ。所定の厚さの湯葉が表面に形成された後は、所定の取り上げ用の治具を用いて、出来上がった湯葉を豆乳表面から取り上げるようにしている。ここで、湯葉が形成される間に、風などが豆乳表面に当たると、湯葉の形成が阻害され、また、均一な厚さの湯葉が形成されない惧れがある。このために、湯葉の製造は、密閉された作業場で行われているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における湯葉の製造においては次のような解決すべき課題がある。
【0004】
第1に、湯葉鍋を一定温度に保持した状態で、豆乳表面に湯葉が形成されるのを待つ必要がある。製造効率を高めるためには、所定厚さの湯葉が形成される時間を短縮すればよいが、従来においてはそのための方法が何ら提案されていない。
【0005】
第2に、風が湯葉に当たらないようにする必要があるので、湯葉の製造は密閉された作業場で行われいる。従って、作業環境が極めて悪いという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、湯葉製造時間を短縮可能な湯葉の製造方法および製造装置を提案することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、密閉された作業場を必要とすることなく、均一な厚さの湯葉を製造可能な湯葉の製造方法および製造装置を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による湯葉の製造方法は、豆乳を入れた湯葉鍋を加熱すると共に、湯葉鍋の豆乳表面を上方から赤外線加熱することを特徴としている。
【0009】
豆乳表面を加熱することにより、従来のように湯葉鍋のみを加熱する場合に比べて、湯葉の出来上がり時間を2/3〜1/2程度に短縮できることが確認された。また、従来における湯葉の製造に必要な豆乳温度に比べて、本発明の方法により必要とされる豆乳温度は低くてもよいことが確認された。従って、本発明によれば、効率良く、高品質の湯葉を製造することができる。
【0010】
ここで、前記湯葉鍋の豆乳表面の上方を覆った状態で、当該豆乳表面を赤外線加熱することが望ましい。このようにすれば、豆乳表面に形成されている湯葉に風が当たることがないので、密閉された作業場を必要とすることなく、均一な厚さの湯葉を効率良く製造することができる。
【0011】
次に、本発明の方法により湯葉を製造するための湯葉の製造装置は、
上方が開口部となっている湯葉鍋と、
この湯葉鍋を加熱する鍋加熱手段と、
前記湯葉鍋に入れた豆乳表面に上方から赤外線を照射して加熱する赤外線加熱手段とを有していることを特徴としている。
【0012】
ここで、前記湯葉鍋の前記開口部を覆うために、開閉可能な開閉蓋を有していることが望ましい。この場合、この開閉蓋の裏面に前記赤外線加熱手段の赤外線放射部を取り付ければよい。
【0013】
また、この場合には、豆乳表面への赤外線放射効率を高めるために、前記開閉蓋の裏面を、赤外線を反射するための赤外線反射面とすることが望ましい。
【0014】
前記赤外線放射部としては、複数本の筒状体と、各筒状体の表面に塗布した所定の赤外線放射率を備えた耐熱塗料とを備えた構成のものを用いることができる。この場合には、各筒状体を経由して水蒸気などの熱媒を循環させればよい。
【0015】
この代わりに、前記赤外線放射部を、赤外線放射ランプ、または、赤外線放射塗料が塗布された電気ヒータを備えた構成のものとしてもよい。
【0016】
次に、前記赤外線反射面は、アルミニウム、銅またはステンレススチールの表面に形成されたものとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した湯葉の製造装置の実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る湯葉の製造装置の外観斜視図である。この図に示すように、湯葉の製造装置1は、装置架台2と、この装置架台2の上面に形成された一定深さの長方形の凹部により規定される湯葉鍋3と、この湯葉鍋3の上側開口部を開閉するための開閉蓋4とを有している。開閉蓋4の裏面には、赤外線放射部として機能する加熱管本体部5が組みつけられている。
【0019】
湯葉鍋3の底面および側面は、装置架台2の内部に引き回されている蒸気配管(図示せず)に外部の蒸気供給源(図示せず)から供給管5を介して供給される水蒸気によって加熱されるようになっている。従って、これら蒸気配管、外部の蒸気供給源および供給管5によって湯葉鍋加熱手段が構成される。
【0020】
図2(a)〜(c)は開閉蓋4を示す平面図、正面図および側面図である。本例の開閉蓋4は、一定高さの垂直な前板部分41、後板部分42および左右の側板部分43、44と、左右の端から中央部分に向けて上方に傾斜している天板部分45とを備え、天板部分45の中央は前後方向に延びる矩形断面の突起部分が形成されている。左右の側板部分43、44の内側には、上下にスライド可能な間隔調整板47、48がそれぞれ取り付けられている。ここで、本例の開閉蓋4はアルミニウム製であり、その内周面は赤外線反射率の大きな赤外線反射面となっている。
【0021】
図3(a)〜(c)は、開閉蓋4の裏面に組みつけられている赤外線放射部として機能する加熱管本体部5を取り出して示す裏面図、側面図および背面図である。放熱管本体部5は、幅方向に平行に延びている前側蒸気配管51および後側蒸気配管52と、これらの蒸気配管51、52の下側において前後方向に架け渡されている左側の蒸気配管54および右側の復水管55とを備えている。また、蒸気配管51、52の間には、上下二段で千鳥状に配列された前後方向に延びる複数本の赤外線放熱用の蒸気配管53が架け渡されている。さらに、左側の蒸気配管54および右側の復水管55の後端は、後側配管52を越えて開閉蓋4の後板部分42を貫通して後ろ側に延びており、これらの後端には幅方向に延びる円筒形状の配管56が連結されている。
【0022】
配管56は、その中央位置において左右に仕切られており、左側半分が蒸気配管部分56aとされ、右側半分が復水管部分56bとされている。外部の水蒸気供給源(図示せず)からの水蒸気がこの配管56の蒸気配管部分56aに供給される。この蒸気配管部分56aに供給された水蒸気は、左側の蒸気配管54を経由して、前後の蒸気配管51、52に供給され、これらから、複数本の赤外線放射用の蒸気配管53に供給される。各蒸気配管53からの復水は、前後の蒸気配管51、52から、右側の復水管55および配管56の右側の復水管部分56bを経由して排出される。
【0023】
蒸気配管53は例えばステンレススチール製の薄肉管であり、その表面には、赤外線放射率の大きな耐熱塗料が塗布されている。同様に、前後の蒸気配管51、52の外周表面にも赤外線放射率の大きな赤外線塗料が塗布されている。水蒸気が供給されると、各蒸気配管、特に赤外線放射用の各蒸気配管56から赤外線が放射される。従って、加熱管本体5と、ここに水蒸気を供給する外部の水蒸気供給源とによって赤外線加熱手段が構成される。
【0024】
ここで、図1、図2(c)に示すように、湯葉鍋3の後端側の開口縁部分3aには左右一対の取り付け用ブラケット7、8が立設されており、これらによって、蒸気配管56が回転自在の状態で水平に支持されている。また、図2(b)、図3に示すように、加熱管本体部5は、その前側蒸気配管51および後側蒸気配管52の両端部分が、それぞれ取り付け用ブラケット57、58と59、60によって開閉蓋4の天板部分45に連結されている。従って、開閉蓋4は、ブラケット7、8によって支持されている蒸気配管56を中心として開閉可能である。
【0025】
(湯葉の製造手順)
このように構成した湯葉の製造装置1による湯葉の製造手順を説明する。まず、図1に示すように、開閉蓋4を開けて、湯葉鍋3に所定量の豆乳10を張る。次に、開閉蓋4を図2(c)に示すように閉じ、外部の水蒸気供給源から水蒸気を供給することにより、湯葉鍋3の底面および側面を加熱して所定の温度状態に保持すると共に、加熱管本体部5に対しても水蒸気を供給して、湯葉鍋3の豆乳表面に対して上側から赤外線を放射して当該表面を加熱する。
【0026】
このように、上下から湯葉鍋3の豆乳を加熱することにより、豆乳表面には短時間のうちに湯葉が形成される。また、開閉蓋4によって、湯葉鍋3が実質的に封鎖された状態で湯葉が形成されるので、従来のように密閉された作業場で湯葉を製造する必要がなくなる。よって、良好な作業環境のもとで均一な厚さの湯葉を製造できる。
【0027】
本発明者等の実験によれば、湯葉の出来上がる時間を、1枚当たり10分掛かっていたものを6分に短縮できることが確認された。また、豆乳温度を従来に比べても約3度程度下げることが出来ることも確認された。さらには、湯葉の色付きが従来に比べて良くなることが確認された。
【0028】
(その他の実施の形態)
なお、上記の湯葉の製造装置では、水蒸気を熱源としているが、熱源としては熱媒油などの他の熱媒を用いることもできる。また、赤外線放熱部としては、上記のような配管を用いる代わりに、赤外線放射ランプを用いても良い。あるいは、電気ヒータに赤外線放射塗料を塗布した構成のものを用いることもできる。
【0029】
次に、上記の開閉蓋はアルミニウム製であるが、銅製あるいはステンレススチール製としてもよい。この場合には、開閉蓋の裏面に研磨加工を施して赤外線反射面を形成すればよい。
【0030】
一方、本発明は、表面に湯葉が一体形成された構成の豆腐(湯葉豆腐)の製造にも利用することができる。冷やした豆乳に凝固剤を混ぜて加熱して豆腐を製造する際に、その表面を赤外線加熱することにより湯葉豆腐を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の湯葉の製造方法および製造装置においては、湯葉鍋を加熱すると共に、その上側から豆乳表面を赤外線により加熱するようにしている。従って、従来に比べて、短時間のうちに湯葉を効率良く製造することが可能になる。
【0032】
また、本発明では、湯葉鍋の開口部を覆った状態で豆乳表面を赤外線により加熱するようにしている。従って、密閉された作業場を必要とすることなく、良好な作業環境の下で、均一厚さの湯葉を効率良く製造することが可能になる。
【0033】
さらに、本発明では、湯葉鍋の開口部を覆っている開閉蓋の裏面に赤外線放射部を組み付け、開閉蓋の裏面を赤外線反射面としてあるので、効率良く、豆乳表面を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した湯葉の製造装置を示す外観斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ、開閉蓋を示す平面図、正面図および側面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、開閉蓋の裏面に組みつけられている赤外線放射部として機能する加熱管本体部を取り出して示す裏面図、側面図および背面図である。
【符号の説明】
1 湯葉の製造装置
2 装置架台
3 湯葉鍋
4 開閉蓋
5 加熱管本体(赤外線放射部)
6 供給管
7、8 ブラケット
10 豆乳
51、52、53、54 蒸気配管
55 復水管
56 配管
56a 蒸気配管部分
56b 復水管部分
57、58、59、60 ブラケット
Claims (8)
- 豆乳を入れた湯葉鍋を加熱すると共に、
湯葉鍋の豆乳表面を上方から赤外線加熱する湯葉の製造方法。 - 請求項1において、
前記湯葉鍋の豆乳表面の上方を覆った状態で、当該豆乳表面を赤外線加熱することを特徴とする湯葉の製造方法。 - 上方が開口部となっている湯葉鍋と、
この湯葉鍋を加熱する鍋加熱手段と、
前記湯葉鍋に入れた豆乳表面に上方から赤外線を照射して加熱する赤外線加熱手段とを有している湯葉の製造装置。 - 請求項3において、
前記湯葉鍋の前記開口部を開閉可能な開閉蓋を有し、
この開閉蓋の裏面に前記赤外線加熱手段の赤外線放射部が取り付けられていることを特徴とする湯葉の製造装置。 - 請求項4において、
前記開閉蓋の裏面は赤外線を反射するための赤外線反射面とされていることを特徴とする湯葉の製造装置。 - 請求項4または5において、
前記赤外線放射部は、複数本の筒状体と、各筒状体の表面に塗布した所定の赤外線放射率を備えた耐熱塗料とを備えており、各筒状体を経由して水蒸気などの熱媒が循環するようになっていることを特徴とする湯葉の製造装置。 - 請求項4または5において、
前記赤外線放射部は、赤外線放射ランプ、または、赤外線放射塗料が塗布された電気ヒータを備えていることを特徴とする湯葉の製造装置。 - 請求項5、6または7において、
前記赤外線反射面は、アルミニウム、銅またはステンレススチールの表面に形成されたものであることを特徴とする湯葉の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348334A JP2004180524A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 湯葉の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348334A JP2004180524A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 湯葉の製造方法および製造装置 |
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-
2002
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Cited By (3)
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WO2006075640A1 (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-20 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 湯葉 |
JPWO2006075640A1 (ja) * | 2005-01-17 | 2008-06-12 | 日清オイリオグループ株式会社 | 湯葉 |
CN102940049A (zh) * | 2012-11-22 | 2013-02-27 | 廖福存 | 自动控制恒温电热腐竹煮浆锅 |
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