JP2004179944A - 超音波振動放射体 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな振動放射面を有する超音波振動放射体を提供する。
【解決手段】複数個の同一形状の共振体部材1を有し、互いに隣接する共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材2により所定の間隙をもって結合されていることを特徴とする超音波振動放射体とした。互いに隣接する共振体部材においては一方の共振体部材が伸びたときに他方の共振体部材が縮む、いわゆる逆位相で共振するようになるので、互いに隣接する共振体部材においては同変位でかつ互いに逆位相で共振するように各共振体部材の振動入力面8に超音波振動を与えるようにすれば、各共振体部材の振動放射面7は互いに逆位相ながら同変位で振動することとなる。これにより、複数個の共振体部材1からなる大きな振動放射面7を有する超音波振動放射体を提供することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動テ−ブル、ホ−ン型洗浄、超音波分散等の超音波振動を利用した装置に使用される超音波振動放射体に関し、特に、入力される超音波振動の1/4波長よりも大きい振動放射面を有する超音波振動放射体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、超音波振動子とこの超音波振動子に連結された共振体部材(ホーン)とを用い、共振体部材の振動放射面に載置されたワークあるいは振動放射面に連結された工具を振動させ、これにより超音波加工を行う超音波加工装置が知られている。縦方向に1/2波長で共振する共振体部材の横断寸法が縦振動の1/4波長を超えて大きくなると、振動放射面の振動振幅分布が一様でなくなることは周知の通りである。なお、ここでいう共振体部材の横断寸法とは、共振体部材において振動放射面と平行な断面の寸法をいい、例えば断面が正方形の場合はその一辺の長さをいう。しかし、超音波応用加工や液中の強力超音波応用分野等では、横断寸法が縦振動の1/4波長より大きな振動放射面を持ち、かつ超音波振動子を保護するための液密構造を有する超音波振動放射体(複数個の共振体部材から構成される構造体)が要求される場合がある。また、用途によっては、高精度の寸法と高剛性、大きな振動振幅、及び振動放射面の振幅分布の均一性なども要求される場合がある。
【0003】
例えば、プラスチック溶着では、横断寸法すなわち正方形の振動放射面の一辺の寸法が縦振動の1/4波長よりも大きい振動放射体を用いて溶着を行っているが、一般に振動放射体はその横断寸法が縦振動の1/4波長よりも大きくなると、振動放射体を伝播する音速が分散して、断面中で音速の速いところと遅いところがでてくるので、振動放射面における振動振幅が均一にならなくなるという問題が生じる。そのため、プラスチック溶着においては、横断寸法が縦振動の1/4波長よりも大きい振動放射体を用いるに際しては、振動放射面の振動振幅の均一化を図るために、例えば、特許文献1に開示されているように、1/4波長以下の横断寸法を有する共振体部材が縦振動の入力端と放射端の両端で繋がった状態になるように、縦方向にスロットを入れた構造を有する振動放射体としている。係る構成としたことにより、この振動放射体は、高精度の寸法と高剛性、大きな振動振幅、及び振動放射面の振幅分布の均一性などの前述した要求を満たしたものになるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−315334号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されているものは、各共振体部材(単位ホーン)同士は分離しているため、各共振体部材間の相互作用はなく、むしろ隔絶体にて各共振体部材相互の振動を隔絶するなどして支持機構を工夫することにより、共振体部材を並列に並べる構造とした振動放射体となっている。しかし、この特許文献1に開示されている振動放射体は、フランジは両側面に付いているので全周保持ではなく、さらにスロット状の窓がありこの窓から液体が漏れるなど、振動放射体としては液密構造に対応したものとはなっていない。
【0006】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、大きな振動放射面を有する超音波振動放射体を提供することを目的とする。また、本発明は、液密が必要とされる用途にも適用可能な超音波振動放射体を提供することを目的とする。また、本発明は、高精度で高剛性な超音波振動放射体を提供することを目的とする。また、本発明は、振動放射面の振動振幅分布が均一で、高振幅振動が可能な超音波振動放射体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
縦方向に1/2波長で共振する共振体部材は、振動により共振体部材が縦方向に伸びると共振体部材の縦方向中央のノード位置は横方向に縮み、一方、共振体部材が縦方向に縮むとノード位置は横方向に伸びる関係にある。出願人は、縦方向に同一の1/2波長で共振する2つの共振体部材がそのノード位置で結合されると、一方の共振体部材が伸びたときに他方の共振体部材が縮む、いわゆる逆位相で共振することを見出すに至った。そこで、本知見に基づいて、本発明では、前述した目的を達成するために、以下の構成を有する超音波振動放射体を提供することにした。
【0008】
すなわち、請求項1に係る発明では、複数個の同一形状の共振体部材を有し、互いに隣接する共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材により所定の間隙をもって結合されていることを特徴とする超音波振動放射体を提供した。ここで、ノード位置とは、共振体部材の振動入力面に入力される超音波振動の波長をλとすると、振動入力面からλ/4の位置である。言い換えれば、縦方向に1/2波長で共振する共振体部材においては、振動入力面と振動放射面との中間位置がノード位置となる。また、所定の間隙とは、各共振体部材が超音波振動による振動を生じた場合にも、隣接する共振体部材同士が接触によるカジリを生じない程度以上の間隙をいう。
【0009】
この請求項1に係る構成としたことにより、互いに隣接する共振体部材においては一方の共振体部材が伸びたときに他方の共振体部材が縮む、いわゆる逆位相で共振するようになるので、互いに隣接する共振体部材においては同変位でかつ互いに逆位相で共振するように各共振体部材の振動入力面に超音波振動を与えるようにすれば、各共振体部材の振動放射面は互いに逆位相ながら同変位で振動することとなる。そのため、複数個の共振体部材からなる大きな振動放射面を有する超音波振動放射体を提供することができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明では、複数個の同一形状の共振体部材を有し、互いに隣接する共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材により所定の間隙をもって結合され、連結された共振体部材全体のノード位置外周にフランジを有することを特徴とする超音波振動放射体を提供した。このように、連結された共振体部材全体のノード位置外周にフランジを設けたことにより、液密が必要とされる用途にも超音波振動放射体を適用することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る発明では、請求項2に係る発明において、結合部材及びフランジを共振体部材と同一の材質とした。係る構成としたことにより、共振体部材、結合部材及びフランジを一体構造とすることが可能になるので、これらを含む超音波振動放射体を既存の機械工作法により容易に加工することができるようになる。そのため、高精度で高剛性な超音波振動放射体となる。
【0012】
また、請求項4に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において、共振体部材個々の振動放射面の横断寸法を振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長以下とした。ここで、共振体部材個々の振動放射面の横断寸法とは、共振体部材個々の振動放射面の形状が正方形である場合は、この正方形の一辺の長さである。前述したように、振動放射体はその横断寸法が縦振動の1/4波長よりも大きくなると、振動放射体を伝播する音速が分散して、断面中で音速の速いところと遅いところがでてくるので、振動放射面における振動振幅が均一にならなくなるという問題が生じる。本発明では、この請求項4に係る構成としたことにより、仮に超音波振動放射体としての振動放射面全体の横断寸法が振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長を超えるものであったとしても、超音波振動放射体を構成する共振体部材個々の振動放射面の横断寸法は超音波振動の1/4波長以下となっているので、共振体部材個々の振動放射面の振動振幅は均一となり、よって超音波振動放射体としての振動放射面全体の振動振幅も均一となる。したがって、振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長より大きな横断寸法をもつ振動放射面を有しながらも、超音波振動に際して高振幅の振動も可能な超音波振動放射体を提供することができるものとなる。
【0013】
ところで、本発明では、前述したように、互いに隣接する共振体部材においては一方の共振体部材が伸びたときに他方の共振体部材が縮む、いわゆる逆位相で共振するようになるので、互いに隣接する共振体部材においては同変位でかつ互いに逆位相で共振するように各共振体部材の振動入力面に超音波振動を与えるようにすれば、各共振体部材の振動放射面は互いに逆位相ながら同変位で振動することとなる。そこで、請求項5に係る発明では、複数個の共振体部材の全ての振動入力面に超音波振動子を接続し、同変位でかつ互いに隣接する共振体部材同士は逆位相に振動するように超音波振動子を駆動するようにした。一方、請求項6に係る発明では、同位相で振動可能な共振体部材にのみその振動入力面に超音波振動子を接続し、接続した全ての超音波振動子を同変位でかつ同位相で駆動するようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態における超音波振動放射体の平面図とそのA−A矢視断面図を示したものである。本実施形態は、図1に示すように、上端に正方形の振動放射面7a、7b、7c、7dを有する同一形状寸法の4個の共振体部材1a、1b、1c、1dを有している。各共振体部材1a、1b、1c、1dのそれぞれの下端には、振動放射面7a、7b、7c、7dに対向して、正方形の振動入力面8a、8b、8c、8dがある。このように、各共振体部材1a、1b、1c、1dの形状は、各振動放射面7a、7b、7c、7dを上面とし、各振動入力面8a、8b、8c、8dを底面とする直方体形状となっている。したがって、振動放射面と平行な断面の寸法である各共振体部材の横断寸法は、正方形の各振動放射面7a、7b、7c、7dそれぞれの一辺の長さと同一になる。前述した振動放射体を伝播する音速の分散に起因する振動放射面の振動振幅の不均一を防止するために、各共振体部材の横断寸法は振動入力面8a、8b、8c、8dに入力される超音波振動の1/4波長以下としている。
【0015】
振動入力面8a、8b、8c、8dのそれぞれには、超音波振動子5a、5b、5c、5dが取り付けられている。これら超音波振動子5a、5b、5c、5dを駆動することにより、各超音波振動子5a、5b、5c、5dからの振動エネルギが、各振動入力面8a、8b、8c、8dを介して、各共振体部材1a、1b、1c、1dに伝達され、さらに振動放射面7a、7b、7c、7dを介して、振動放射面7a、7b、7c、7d上に載置された図示しないワーク等の部材に与えられることになる。なお、各共振体部材1a、1b、1c、1dの各振動放射面7a、7b、7c、7dと各振動入力面8a、8b、8c、8dとの間の寸法Lは、振動入力面8a、8b、8c、8dに入力される超音波振動の波長λに対してほぼλ/2に設定されている。
【0016】
この第1の実施形態においては、図1の平面図に示すように、配置したときの振動放射面7の全体形状が正方形となるように、各共振体部材1a、1b、1c、1dが配置されている。このときの振動放射面7全体の横断寸法すなわち全体形状が正方形となるように配置された振動放射面7の正方形の一辺の長さは、振動入力面8に入力される超音波振動の1/4波長より大きくしている。
【0017】
各共振体部材1a、1b、1c、1dについて、互いに隣接する共振体部材間は、間隙3a、3b、3c及び図示しない3dをもって、共振体部材とは同一の材質の結合部材2によって結合されている。この結合部材2は振動入力面8に入力される超音波振動のノード位置に設けられている。具体的には、振動入力面8に入力される超音波振動の波長をλとすると、振動入力面8からλ/4の位置に結合部材2が設けられている。さらに、前述のノード位置には共振体部材1a、1b、1c、1dの外周に共振体部材とは同一の材質のフランジ4が設けられている。すなわち、各共振体部材1a、1b、1c、1dは、超音波振動子5の振動入力面8に入力される超音波振動のノード位置に、隣接する共振体部材間を結合させる結合部材2とフランジ4とを有していることになる。
【0018】
このように、連結された共振体部材全体のノード位置外周にフランジ4を設けたことにより、液密が必要とされる用途にも超音波振動放射体を適用することが可能となる。また、これら結合部材2及びフランジ4を共振体部材とは同一の材質とし一体構造とすることにより、これらを含む超音波振動放射体を既存の機械工作法により容易に加工することができるようになる。なお、フランジ4はベース6にボルト等にて固定され、このベース6が超音波振動放射体が搭載される図示しない装置等に結合されることになる。また、前述した間隙3a、3b、3c、3dの大きさは、各共振体部材1a、1b、1c、1dが超音波振動による振動を生じた場合にも、隣接する共振体部材同士が接触によるカジリを生じない程度以上とすればよい。
【0019】
以上のように、本発明に係る超音波振動放射体は、複数個の共振体部材がそのノード位置に設けられた結合部材により互いに隣接する共振体部材同士が所定の間隙をもって結合され、さらに連結された共振体部材のノード位置外周にはフランジが設けらた構造となっている。
【0020】
次に、図2を参照して、前述の第1の実施形態に係る超音波振動放射体の原理について説明する。図2は、図1のA−A矢視断面における共振体部材1a、1bと超音波振動子5の振動による変位を示した説明図である。この第1の実施形態のものにおいて、隣接する共振体部材間を結合させる結合部材2とフランジ4とが設けられた位置がノード位置になるような超音波振動が、超音波振動子5の振動入力面8に入力されると、共振体部材1a、1b及び超音波振動子5には図2に示すような変位が生じる。
【0021】
すなわち、共振体部材1aについては両端面間すなわち振動入力面8aと振動放射面7aとの間が縦方向に伸びる変位を持つと、共振体部材1aのノード位置近傍の横断寸法9aはポアソン比により縮む変位となる。一方、共振体部材1aのノード位置近傍の横断寸法9aが前述したように縮む変位となることにより、共振体部材1aに隣接する共振体部材1bについては、結合部材2を介してノード位置近傍の横断寸法9bが伸びる方向に作用を受けるので、両端面間すなわち振動入力面8bと振動放射面7bとの間が縦方向に縮む変位が生じることになる。また、共振体部材1bと同様に共振体部材1aに隣接する共振体部材1cについても、両端面間すなわち振動入力面8cと振動放射面7cとの間が縦方向に縮む変位が生じることになる。さらに、この振動変位の作用原理を共振体部材1dに適用すると、共振体部材1dについてはこれに隣接する共振体部材1b、1cとは動作が逆となり、共振体部材1aと同様の変位となる。
【0022】
当然のことながら、前述した振動変位の作用原理を適用すれば、前述の場合とは逆に、共振体部材1aについて両端面間すなわち振動入力面8aと振動放射面7aとの間が縦方向に縮む変位を持つと、共振体部材1aに隣接する共振体部材1b、1cの両端面間すなわち振動入力面8b、8cと振動放射面7b、7cとの間は縦方向に伸びる変位が生じ、その一方、共振体部材1aの対角にある共振体部材1dの両端面間すなわち振動入力面8dと振動放射面7dとの間は縦方向に縮む変位が生じることになる。
【0023】
以上のことから、本実施形態に係る超音波振動放射体においては、互いに対角に配置された共振体部材については振動変位は互いに同位相となり、一方、互いに隣接して配置された共振体部材については振動変位は互いに逆位相となることになる。さらに、各共振体部材1a、1b、1c、1dの形状寸法は同一としているので、各振動放射面7a、7b、7c、7dの振動変位についても互いに同一となる。したがって、各共振体部材1a、1b、1c、1dに対して超音波振動を与える超音波振動子5は、互いに対角に配置された共振体部材については互いに同位相の超音波振動を与え、一方、互いに隣接して配置された共振体部材については互いに逆位相の超音波振動を与えればよいことになる。このような超音波振動を与えることにより、各共振体部材1a、1b、1c、1dの各振動放射面7a、7b、7c、7dは、互いに逆位相ながら同変位で振動することとなる。
【0024】
この第1の実施形態に係る超音波振動放射体においては、以下の効果がある。すなわち、前述したように共振体部材1a、1b、1c、1dと結合部材2とフランジ4とが一体構造であり、既存の機械工作法によって容易に加工が可能であるので、剛性を高く、寸法精度を高精度に製作することができる。また、フランジ構造を有しているので、液密が必要とされる用途にも適用可能である。また、振動放射面7全体の横断寸法は超音波振動の1/4波長よりも大きくしているが、共振体部材個々の振動放射面7a、7b、7c、7dの横断寸法は超音波振動の1/4波長以下となっているので、各振動放射面7a、7b、7c、7dの振動振幅は均一となり、よって超音波振動放射体の振動放射面7全体の振動振幅も均一となる。したがって、超音波振動に際して高振幅の振動も可能となる。
【0025】
前述した第1の実施形態のものは共振体部材を平面図でみて縦と横を同数に配置することにより全体として正方形状の振動放射面を構成するようにしていたが、以下に述べる第2の実施形態のものは共振体部材を平面図でみて縦と横を異数に配置することにより全体として矩形状の振動放射面を構成するようにしている。
【0026】
すなわち、図3は本発明の第2の実施形態における超音波振動放射体の平面図とそのA−A矢視断面図を示したものである。この第2の実施形態における超音波振動放射体は、前述の第1の実施形態における超音波振動放射体に対して、前述の共振体部材1a、1b、1c、1dと同一の形状寸法を有する共振体部材1e、1fを増設配置した形態となっている。そして、この第2の実施形態においては、共振体部材1a、1b、1c、1d、1e、1fを図3の平面図でみて縦と横を異数に配置したことにより、超音波振動放射体の振動放射面7の全体形状が長方形の形状となっている。このときの振動放射面7全体の横断寸法すなわち全体形状が長方形となるように配置された振動放射面7の長方形の長辺の長さは、振動入力面8に入力される超音波振動の1/4波長より大きくしている。なお、これらの構成以外の構成については、前述の第1の実施形態における超音波振動放射体と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0027】
この第2の実施形態において前述の第1の実施形態における振動変位の作用原理を拡張して適用すると、互いに対角に配置された共振体部材1a、1d、1eについては振動変位は互いに同位相となり、一方、互いに隣接して配置された共振体部材(例えば1aと1cや1dと1f)については振動変位は互いに逆位相となる。言い換えれば、それぞれ同位相振動する共振体部材1a、1d、1eのグループと共振体部材1b、1c、1fのグループとは互いに逆位相の関係で振動し、各共振体部材1a、1b、1c、1d、1e、1fの振動放射面7の振動変位は均一となる。したがって、各共振体部材1a、1b、1c、1d、1e、1fに対して超音波振動を与える超音波振動子5は、前述の第1の実施形態と同様に、互いに対角に配置された共振体部材については互いに同位相の超音波振動を与え、一方、互いに隣接して配置された共振体部材については互いに逆位相の超音波振動を与えればよいことになる。この第2の実施形態に係る超音波振動放射体における効果は、前述した第1の実施形態に係る超音波振動放射体における効果と同様である。
【0028】
以上、本発明に係る2つの実施形態について説明した。本発明によれば、必要とする数の共振体部材を配置することにより、大小種々の振動放射面を有する超音波振動放射体を構成することができる。
【0029】
ところで、前述した2つの実施形態は、いずれも、超音波振動放射体を構成する全ての共振体部材に超音波振動子を接続し、同位相と逆位相の関係を考慮して、全ての共振体部材に超音波振動を与えるものであった。しかし、本発明は、超音波振動放射体を構成する共振体部材の中で、同位相振動する共振体部材グループのみに超音波振動子を接続して同位相駆動を行い、他の逆位相の共振体部材グループの振動を励起するようにすることも可能である。具体的には、前述した第2の実施形態における超音波振動放射体においては、図4に示すように、同位相振動する共振体部材グループ1a、1d、1eにのみ超音波振動子を接続して同位相駆動を行うようにすれば、他の逆位相の共振体部材グループ1b、1c、1fの振動が励起されることになり、超音波振動放射体を構成する全ての共振体部材に超音波振動子を接続した場合と同様の機能を得ることができる。
【0030】
また、本発明に係る前述した実施形態を拡張すれば、図5に示すようにノード位置外周にフランジを設けない構成とすることも可能である。係る構成は、超音波振動放射体として液密対応の必要ない用途への使用や振動位相変換体としての用途への使用に適用することができる。
【0031】
なお、本発明に係る超音波振動放射体を含む加工装置を製作したところ、この超音波振動放射体の振動放射面においては約27kHzの振動周波数で最大値約30μmの振動振幅となったときの振幅量のバラツキは僅か2μmであり、振動放射面における振動振幅が均一な高精度の超音波振動放射体であることを確認した。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、複数個の同一形状の共振体部材を有し、互いに隣接する共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材により所定の間隙をもって結合されていることを特徴とする超音波振動放射体としたので、互いに隣接する共振体部材においては一方の共振体部材が伸びたときに他方の共振体部材が縮む、いわゆる逆位相で共振するようになる。そのため、互いに隣接する共振体部材においては同変位でかつ互いに逆位相で共振するように各共振体部材の振動入力面に超音波振動を与えるようにすれば、各共振体部材の振動放射面は互いに逆位相ながら同変位で振動することとなり、その結果として大きな振動放射面を有する超音波振動放射体とすることができるものとなった。
【0033】
また、本発明によれば、連結された共振体部材全体のノード位置外周にフランジを設けるようにしたので、液密が必要とされる用途にも超音波振動放射体を適用することが可能となった。
【0034】
また、本発明によれば、結合部材及びフランジを共振体部材と同一の材質としたので、共振体部材、結合部材及びフランジを一体構造とすることが可能になった。そのため、共振体部材、結合部材及びフランジを含む超音波振動放射体を既存の機械工作法により容易に加工することができるようになったので、高精度で高剛性な超音波振動放射体となった。
【0035】
さらに、本発明によれば、共振体部材個々の振動放射面の横断寸法を振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長以下としたので、仮に超音波振動放射体としての振動放射面全体の横断寸法が振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長を超えるものであったとしても、共振体部材個々の振動放射面の振動振幅は均一となり、よって超音波振動放射体としての振動放射面全体の振動振幅も均一となった。したがって、振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長より大きな横断寸法をもつ振動放射面を有しながらも、超音波振動に際して高振幅の振動も可能な超音波振動放射体を提供することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における超音波振動放射体の平面図とそのA−A矢視断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る超音波振動放射体について、その作用原理について説明するための断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における超音波振動放射体の平面図とそのA−A矢視断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態において、同位相振動する共振体部材グループにのみ超音波振動子を接続した場合の構成を示した断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る超音波振動放射体について、ノード位置外周にフランジを設けない構成とした場合の断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d、1e、1f 共振体部材
2 結合部材
3a、3b、3c、3d 間隙
4 フランジ
5、5a、5b 超音波振動子
6 ベース
7、7a、7b、7c、7d 振動放射面
8、8a、8b 振動入力面

Claims (6)

  1. 複数個の同一形状の共振体部材を有し、互いに隣接する前記共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材により所定の間隙をもって結合されていることを特徴とする超音波振動放射体。
  2. 複数個の同一形状の共振体部材を有し、互いに隣接する前記共振体部材同士がノード位置に設けられた結合部材により所定の間隙をもって結合され、連結された共振体部材全体のノード位置外周にフランジを有することを特徴とする超音波振動放射体。
  3. 前記結合部材及び前記フランジを前記共振体部材と同一の材質としたことを特徴とする請求項2に記載の超音波振動放射体。
  4. 前記共振体部材個々の振動放射面の横断寸法を振動入力面に入力される超音波振動の1/4波長以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波振動放射体。
  5. 前記複数個の共振体部材の全ての振動入力面に超音波振動子を接続し、同変位でかつ互いに隣接する共振体部材同士は逆位相に振動するように前記超音波振動子を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波振動放射体。
  6. 同位相で振動可能な前記共振体部材にのみその振動入力面に超音波振動子を接続し、接続した全ての超音波振動子を同変位でかつ同位相で駆動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波振動放射体。
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