JP2004179360A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズ吸収のためのフェライト層が形成された配線基板において、従来はフェライト層に非磁性材料であるガラス等の焼結助剤を添加したフェライトペーストを塗布して同時焼成していたため、透磁率が低下し、十分なノイズ吸収効果が得られない。
【解決手段】非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体3と、この配線導体3の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層2とが、絶縁基体1との同時焼成で形成されている配線基板である。フェライト層2の透磁率が高く、安定した透磁率を得ることができ、このフェライト層2で配線導体3を覆っていることにより、配線導体3を通過するノイズを効果的に吸収することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体3と、この配線導体3の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層2とが、絶縁基体1との同時焼成で形成されている配線基板である。フェライト層2の透磁率が高く、安定した透磁率を得ることができ、このフェライト層2で配線導体3を覆っていることにより、配線導体3を通過するノイズを効果的に吸収することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非磁性フェライトから成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に同時焼成による配線導体およびこの配線導体を覆うノイズ吸収のためのフェライト層を備える配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理装置は高性能化が急激に進展し、これに伴って情報処理装置に搭載実装される半導体装置や混成集積回路装置も高速駆動が行なわれ、ノイズの影響を極めて受けやすいものになってきた。そのため外部電気回路から高周波のノイズが入り込んだ場合、そのノイズはそのまま配線導体を通して半導体素子等の電子部品に入り込み、誤動作させてしまう危険がある。従って、そのような誤動作を防ぐためノイズ対策が必要とされる。
【0003】
従来の配線基板におけるノイズ対策としては、ノイズを吸収するフェライトビーズを配線基板の表面に実装する方法や、フェライト基板を配線基板の裏面に接合する方法が古くから行なわれてきた。
【0004】
しかしながら、この方法では小型化および実装の簡略化が困難であった。そこで、近年では配線基板そのものにノイズを吸収させることによる表面実装工程の簡略化および配線基板の小型化が図られている。
【0005】
その方法の一つとして、配線基板の内部にフェライト層を形成する方法が挙げられる。例えば絶縁基体そのものにフェライト粉末を混入させる方法や、絶縁基体の一部にフェライトを含む補助膜を形成する方法がある。これらの方法では配線基板の内部にフェライト層を形成するために、フェライト層と絶縁基体のセラミックスとを同時焼成している。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−77022号公報
【特許文献2】
特開平7−193369号公報
【特許文献3】
特開平11−163189号公報
【特許文献4】
特開2000−252385号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、フェライト層と絶縁基体の主成分であるガラスセラミックスとを同時焼成により密着させるために、またそれぞれの焼成収縮率を合わせるために、フェライト層にガラス粉末またはガラスセラミック粉末を添加しなければならなかった。これは、純粋なフェライト層をガラスセラミックスと同時焼成すると、フェライト層とガラスセラミックスとの充分な密着力が得られず、さらに、焼成時のフェライト層の収縮率とガラスセラミックスの収縮率とが異なると、焼成後にガラスセラミック基板が変形する、またはフェライト層がガラスセラミック基板から剥離するというような不具合が発生するからである。
【0008】
しかしながら、フェライト層に添加されるガラス粉末やガラスセラミック粉末は非磁性体であるため、これらはフェライト層中に非磁性の空間を形成することとなり、フェライト層中のフェライトの密度が低下してしまうという問題点があった。
【0009】
また、純粋なフェライト層は固相焼結にて焼結し、ガラスセラミックスは液相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動が異なり、焼成後にガラスセラミック基板が変形する、またはフェライト層がガラスセラミック基板から剥離するという問題点があった。
【0010】
さらに、フェライト層と絶縁基体のガラスセラミックスとの同時焼成では、フェライト層の熱膨張係数とガラスセラミックスの熱膨張係数とが異なるため、同時焼成過程においてフェライト層に応力がかかることにより磁歪が発生し、フェライト層の透磁率が急激に低下するという問題点があった。
【0011】
一般的に、フェライト等の磁性体のノイズ吸収力は透磁率(μ)を指標として表される。透磁率が高ければ、磁性体のノイズ吸収力が高くなる。ただし、透磁率は磁性体中に非磁性部分が存在すると、その非磁性部分の体積の3乗に比例して低下する。よって、前述のようにフェライト層にガラス粉末やガラスセラミック粉末を添加すると、フェライト層の透磁率が急激に低下するという問題点があった。
【0012】
そして、透磁率が低下するとノイズを充分に吸収できなくなり、その結果、外部電気回路から高周波のノイズが入り込んだ場合に、そのノイズが完全に吸収されず配線導体を通して半導体素子等の電子部品に入り込み、誤動作させてしまうという問題点があった。
【0013】
しかし、ノイズを充分に吸収するためにフェライト層を多量に形成すると、焼成後のフェライト層が剥離しやすくなるという問題点があった。これは、焼成時の収縮および熱膨張係数がフェライト層とガラスセラミックスとで異なるためであり、フェライト層が多量に形成されれば剥離の発生は顕著になる。また、フェライト層が増加すると相対的にガラスセラミックスが少なくなり、絶縁基体全体としての誘電率や絶縁特性がガラスセラミック基板本来のものと異なってくるという問題点があった。
【0014】
以上のような理由から、絶縁基体の内部のフェライト層は微小体積または低密度のものしか形成できず、また同じように作製したガラスセラミック基板間でのノイズ吸収効果のばらつきもあり、フェライト層を用いて十分なノイズ吸収特性を持った配線基板を得ることが困難であるという問題点があった。
【0015】
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、透磁率の高いフェライト層を備えており、そのノイズ吸収特性が高くかつ安定している配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層とが、前記絶縁基体との同時焼成で形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成ることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明の配線基板は、上記構成において、前記非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成ることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層とが、絶縁基体との同時焼成により形成されていることから、フェライト層の透磁率の低下を抑えることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体および配線導体と同時焼成によって形成されることから、絶縁基体および配線導体との十分な密着性を得ることができる。さらに、このフェライト層が配線導体の上下面を覆うことによってフェライト層によるノイズ吸収を効率良く安定して機能させることができるので、配線導体を通過するノイズが半導体素子等の電子部品へ侵入するのを効果的に防止することが可能となる。
【0020】
また、本発明の配線基板によれば、フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成る場合には、これらのフェライトの結晶相は高い透磁率を発現することから、これらのフェライトから成るフェライト層によって、より効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得ることができる。
【0021】
さらに、本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成る場合には、フェライト層と絶縁基体との間において熱膨張係数の差を小さくすることができ、これにより配線基板としたときのフェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、またフェライト層と絶縁基体との間において焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層の配線基板からの剥離を有効に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体、2はフェライト層、3は配線導体である。
【0024】
絶縁基体1は、例えば複数の非磁性フェライト層が積層されて構成されており、その内部および表面の少なくとも一方に、配線導体3と、その上面および下面を覆うフェライト層2とが、絶縁基体1との同時焼成で形成されている。
【0025】
非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1は、まず、非磁性フェライト組成の主成分および第1酸化物成分、または非磁性フェライト組成の主成分ならび第1酸化物成分および第2酸化物成分、さらに有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によって非磁性フェライト・グリーンシートを製作し、この非磁性フェライト・グリーンシートを複数積層した後、大気中または加湿窒素雰囲気中にて、800〜1100℃の温度で焼成して作製される。
【0026】
非磁性フェライト組成の主成分としては、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種との粉体を用い、これらを湿式混合し、次いで仮焼し、顆粒としてこれを粉砕した後、原料粉末とした。
【0027】
また、第1酸化物成分としては、MgO,BaO,SiO2およびB2O3の粉体を用いる。これらのMgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分は、ガラス成分として、非磁性フェライトの熱膨張係数を制御するために加えられる。
【0028】
また、第2酸化物成分としては、SnO2およびCaOの少なくとも1種の粉体を用いる。SnO2は、主にこのような組成物が、この配線基板を用いる装置の一部を蝕壊することを防止するために加えるものであるが、必要に応じて添加を省略してもよい。CaOは、主に熱膨張係数を高くするために添加するものであり、通常は添加をした方が好ましいが、非磁性フェライトから成る絶縁基体1とフェライト層2との熱膨張係数が同等の場合は、必要に応じて添加を省略してもよい。
【0029】
非磁性フェライト組成の主成分としてのFe2O3は、好ましくは46〜50質量%であり、CuOは、好ましくは2〜20質量%であり、ZnOは、好ましくは33〜52質量%の範囲である。
【0030】
非磁性フェライト組成の主成分に添加される第1酸化物成分、および第2酸化物成分のそれぞれの好ましい添加量は、MgOは0.25〜8質量%、BaOは0.4〜9質量%、SiO2は0.25〜7質量%、B2O3は0.1〜3質量%、SnO2は0〜0.7質量%、CaOは0〜8質量%で、その総計は1〜30質量%である。
【0031】
非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が1〜30質量%の場合には、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1とフェライト層2との熱膨張係数の差が3×10−6/℃以下となり、絶縁基体1およびフェライト層2との熱膨張係数差が好適に小さいことから、同時焼成過程においてフェライト層2にかかる応力が小さくなり、磁歪の発生が防止され、フェライト層2の透磁率低下を十分に抑えることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1とフェライト層2とは、ともに固相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層2の配線基板からの剥離が防止される。
【0032】
非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分の添加量、または第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が1質量%未満の場合には、絶縁基体1とフェライト層2との間における熱膨張係数の差が大きくなり、配線基板としたときのフェライト層2の透磁率が低下しやすく、また焼成後の配線基板の変形またはフェライト層2の配線基板からの剥離が発生しやすくなる。
【0033】
また、非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分の添加量、または第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が30質量%を超えると、非磁性フェライト組成の主成分に対して、ガラス成分として添加する第1酸化物成分および第2酸化物成分が、フェライト層2に拡散してしまうため、配線基板としたときにフェライト層2の透磁率が低下してしまいやすくなる。
【0034】
第1酸化物成分と第2酸化物成分とは、非磁性フェライト組成の主成分の粒界にガラスとして残存したり、非磁性フェライト組成の主成分の結晶粒内に拡散したりして存在する。
【0035】
フェライト層2は、配線導体3の上面および下面を覆うように、絶縁基体1の表面および内部の少なくとも一方に形成された配線導体3とともに形成されている。このフェライト層2には、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成るフェライトを用いることが、より効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得られる点で好ましい。
【0036】
フェライト層2の形成は、まずフェライト粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってフェライト・グリーンシートを製作する。次に、このフェライト・グリーンシートを所定の配線導体3を覆う形状にカットし、非磁性フェライト・グリーンシート上の配線導体3が形成される位置に配線導体3の上面および下面を覆うようにして載置する。このとき、配線導体3から侵入するノイズを完全に吸収するためには、配線導体3の上面および下面をフェライト層2で完全に覆う必要がある。また、より完全なノイズ吸収のためには、配線導体3の側面もフェライト層2で覆っておくことが好ましい。よって、そのような配線導体3およびフェライト層2を形成するためには、所定の非磁性フェライト・グリーンシートの表面に、下面のフェライト層2となるフェライト・グリーンシート,配線導体3となる導体ペーストのパターン,上面のフェライト層2となるフェライト・グリーンシートの順番に各層を形成して配置し、その際に上下のフェライト・グリーンシートで導体ペーストのパターンの側面も覆うようにするとよい。
【0037】
フェライト層2となるフェライト・グリーンシートを形成するのに用いるフェライト粉末は、仮焼済みのフェライト粉末で、粒径が均一で球形状に近い粒が望ましい。これは、均一な焼結状態を得ることができるからであり、例えばフェライト粉末で部分的に小さい粒径が存在した場合は、その部分のみ結晶粒の成長が低下してしまい、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しにくい傾向がある。
【0038】
また、フェライト層2を形成するには、フェライト粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製したフェライトペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により非磁性フェライト・グリーンシート表面に塗布し、これを非磁性フェライト・グリーンシートと同時に焼成して形成してもよい。
【0039】
配線導体3は、その一部がフェライト層2に上下面を覆われて絶縁基体1の内部および表面の少なくとも一方に形成されており、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等により非磁性フェライト・グリーンシート表面に塗布し、これを非磁性フェライト・グリーンシートと同時に焼成して形成される。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の配線基板を詳細に説明する。
【0041】
<実施例1>
本実施例では、図2に断面図で示すような、外径20mm,内径5mmのリング形状の評価用試験片を作製し、透磁率を測定した。なお、図2において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、1は非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体、2はフェライト層、3は配線導体である。透磁率の測定はヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザーHP−4291Aを用い、高周波電流電圧法にて測定した。
【0042】
まず、非磁性フェライト組成の主成分として、Fe2O3粉末49質量%,CuO粉末8質量%およびZnO粉末43質量%を使用した。この非磁性フェライト組成の主成分100質量%に、MgO粉末0.8質量%,BaO粉末1質量%,SiO2粉末0.85質量%およびB2O3粉末0.3質量%から成る第1酸化物成分を添加するとともに、SnO2粉末0.05質量%およびCaO粉末2質量%から成る第2酸化物成分を添加することにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を5質量%とし、さらに有機バインダとしてアクリル樹脂12質量%,フタル酸系可塑剤6質量%および溶剤としてトルエン30質量%を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmの非磁性フェライト・グリーンシートを成形した。
【0043】
次にフェライト・グリーンシートとして平均粒径0.5〜1μmのZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成される透磁率22.0、熱膨張係数12×10−6/℃の仮焼済みのフェライト粉末に、ブチラール樹脂10質量%、高分子量のアルコールを希釈剤として添加し、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ80μmのフェライト・グリーンシートを成形した。
【0044】
同様に、配線導体ペーストとしてCu粉末(平均粒径1.0μm)100質量%に対して非磁性フェライト・グリーンシートと同組成のガラス粉末2質量%、さらに所定量のエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合して、配線導体ペーストを作製した。
【0045】
なお、非磁性フェライト・グリーンシートおよびフェライト・グリーンシートは、ともに透磁率の評価用試験片形状である外径20mm,内径5mmのリング形状に加工しておいた。
【0046】
まず、非磁性フェライト・グリーンシート所定枚数を重ね合わせ、その上にフェライト・グリーンシートを重ね合わせた。さらに導体ペーストをフェライト・グリーンシート全面に塗布し乾燥を行なった。導体ペーストは20μmの厚みとした。その後、乾燥した導体ペースト上にフェライト・グリーンシート、非磁性フェライト・グリーンシート所定枚数、の順に重ね合わせて非磁性フェライト・グリーンシート積層体を得て、温度55℃,圧力20MPaで圧着して積層体を得た。
【0047】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、その上に重しを載せて約0.5MPaの荷重をかけつつ大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、窒素雰囲気中にて900℃で1時間焼成した。
【0048】
得られた非磁性フェライト基板の積層面内での収縮は0.5%以下であり、内層の全面にフェライト層2が形成されているものの、基板に反りや変形も認められなかった。
【0049】
また、このようにして作製した絶縁基体1の熱膨張係数は12×10−6/℃であり、フェライト層2の熱膨張係数は12×10−6/℃であった。
【0050】
このようにして作製した評価用試験片にて透磁率を測定し、また基板の反り、剥離および変形の評価(表1の外観の欄)を行なった。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1の結果より、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成される透磁率22.0のフェライトに対し、実施例1の場合は透磁率が21.4であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り,剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0053】
なお、表1においては、測定された透磁率と外観の結果とを、測定サンプルそれぞれについて記載している。また、後述の比較例のサンプルの測定結果も記載している。
【0054】
<実施例2>
非磁性フェライト・グリーンシートの材料として、第1酸化物成分の添加量をMgO粉末0.23質量%,BaO粉末0.27質量%,SiO2粉末0.2質量%およびB2O3粉末0.08質量%とし、第2酸化物成分の添加量をSnO2粉末0.01質量%およびCaO粉末0.21質量%とすることにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を1質量%とした以外は、実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0055】
このようにして作製した実施例2の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果も表1に記載した。
【0056】
表1の結果より、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を1質量%とした実施例2の場合は、透磁率が21.2であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り、剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0057】
<実施例3>
非磁性フェライト・グリーンシートの材料として、第1酸化物成分の添加量をMgO粉末7.96質量%,BaO粉末9.4質量%,SiO2粉末7.09質量%およびB2O3粉末2.76質量%とし、第2酸化物成分の添加量をSnO2粉末0.79質量%およびCaO粉末2質量%とすることにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を30質量%とした以外は、実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0058】
このようにして作製した実施例3の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果も表1に記載した。
【0059】
表1の結果より、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を30質量%とした実施例3の場合は、透磁率が21.3であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り,剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0060】
<比較例1>
絶縁基体1の材料として非磁性フェライト・グリーンシートの代わりにガラスセラミック・グリーンシートを用いた以外は実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0061】
ガラスセラミック・グリーンシートのガラスセラミックス成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60質量%,CaZrO3粉末20質量%,SrTiO3粉末17質量%およびAl2O3粉末3質量%を使用した。このガラスセラミック成分100質量%に有機バインダとしてアクリル樹脂12質量%,フタル酸系可塑剤6質量%および溶剤としてトルエン30質量%を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0062】
このようにして作製した比較例1の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果を表2に記載した。
【0063】
【表2】
【0064】
表2の結果より、絶縁基体1の材料として非磁性フェライト・グリーンシートの代わりにガラスセラミック・グリーンシートを用いた場合は、透磁率が15.5であり、透磁率が大きく低下していることが分かった。これは、絶縁基体とフェライト層2との熱膨張差によるフェライトの内部応力を緩和できず、フェライト層2に磁歪が発生したためである。また、外観においては、基板の反り,剥離および変形が発生した(表2中の外観の欄に×で示す)。これは、純粋なフェライト層は固相焼結にて焼結し、ガラスセラミックスは液相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動が異なり、焼成後のガラスセラミック基板の変形、またはフェライト層のガラスセラミック基板からの剥離が発生したためである。
【0065】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では配線導体4にCuを用いたが、配線導体4にAg,Au,Ag−Pd合金等を用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体からなるフェライト層とが、絶縁基体との同時焼成で形成されていることから、フェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、安定した透磁率を再現性良く得ることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体および配線導体と同時焼成によって形成されることから、絶縁基体および配線導体との十分な密着性を得ることができる。さらに、このフェライト層で配線導体の上下面を覆うことによってフェライト層によるノイズ吸収を効率良く安定して機能させることができるので、配線導体を通過するノイズが半導体素子等の電子部品へ侵入するのを効果的に防止することが可能となる。
【0067】
また、本発明の配線基板によれば、フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成る場合には、これらのフェライトの結晶相は高い透磁率を発現することから、これらのフェライトから成るフェライト層によってより効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得ることができる。
【0068】
また、本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成る場合には、フェライト層と絶縁基体との間において熱膨張係数の差を小さくすることができ、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種を含むフェライト層の変形を防止することができ、焼成時に非磁性フェライト・グリーンシート積層体を変形させることなく、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体と配線導体とフェライト層とを同時焼成して本発明の配線基板を得ることができる。これにより、配線基板としたときのフェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、またフェライト層と絶縁基体との間において焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層の配線基板からの剥離を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の透磁率測定に用いた評価用試験片を示す断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
2:フェライト層
3:配線導体
【発明の属する技術分野】
本発明は非磁性フェライトから成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に同時焼成による配線導体およびこの配線導体を覆うノイズ吸収のためのフェライト層を備える配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報処理装置は高性能化が急激に進展し、これに伴って情報処理装置に搭載実装される半導体装置や混成集積回路装置も高速駆動が行なわれ、ノイズの影響を極めて受けやすいものになってきた。そのため外部電気回路から高周波のノイズが入り込んだ場合、そのノイズはそのまま配線導体を通して半導体素子等の電子部品に入り込み、誤動作させてしまう危険がある。従って、そのような誤動作を防ぐためノイズ対策が必要とされる。
【0003】
従来の配線基板におけるノイズ対策としては、ノイズを吸収するフェライトビーズを配線基板の表面に実装する方法や、フェライト基板を配線基板の裏面に接合する方法が古くから行なわれてきた。
【0004】
しかしながら、この方法では小型化および実装の簡略化が困難であった。そこで、近年では配線基板そのものにノイズを吸収させることによる表面実装工程の簡略化および配線基板の小型化が図られている。
【0005】
その方法の一つとして、配線基板の内部にフェライト層を形成する方法が挙げられる。例えば絶縁基体そのものにフェライト粉末を混入させる方法や、絶縁基体の一部にフェライトを含む補助膜を形成する方法がある。これらの方法では配線基板の内部にフェライト層を形成するために、フェライト層と絶縁基体のセラミックスとを同時焼成している。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−77022号公報
【特許文献2】
特開平7−193369号公報
【特許文献3】
特開平11−163189号公報
【特許文献4】
特開2000−252385号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、フェライト層と絶縁基体の主成分であるガラスセラミックスとを同時焼成により密着させるために、またそれぞれの焼成収縮率を合わせるために、フェライト層にガラス粉末またはガラスセラミック粉末を添加しなければならなかった。これは、純粋なフェライト層をガラスセラミックスと同時焼成すると、フェライト層とガラスセラミックスとの充分な密着力が得られず、さらに、焼成時のフェライト層の収縮率とガラスセラミックスの収縮率とが異なると、焼成後にガラスセラミック基板が変形する、またはフェライト層がガラスセラミック基板から剥離するというような不具合が発生するからである。
【0008】
しかしながら、フェライト層に添加されるガラス粉末やガラスセラミック粉末は非磁性体であるため、これらはフェライト層中に非磁性の空間を形成することとなり、フェライト層中のフェライトの密度が低下してしまうという問題点があった。
【0009】
また、純粋なフェライト層は固相焼結にて焼結し、ガラスセラミックスは液相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動が異なり、焼成後にガラスセラミック基板が変形する、またはフェライト層がガラスセラミック基板から剥離するという問題点があった。
【0010】
さらに、フェライト層と絶縁基体のガラスセラミックスとの同時焼成では、フェライト層の熱膨張係数とガラスセラミックスの熱膨張係数とが異なるため、同時焼成過程においてフェライト層に応力がかかることにより磁歪が発生し、フェライト層の透磁率が急激に低下するという問題点があった。
【0011】
一般的に、フェライト等の磁性体のノイズ吸収力は透磁率(μ)を指標として表される。透磁率が高ければ、磁性体のノイズ吸収力が高くなる。ただし、透磁率は磁性体中に非磁性部分が存在すると、その非磁性部分の体積の3乗に比例して低下する。よって、前述のようにフェライト層にガラス粉末やガラスセラミック粉末を添加すると、フェライト層の透磁率が急激に低下するという問題点があった。
【0012】
そして、透磁率が低下するとノイズを充分に吸収できなくなり、その結果、外部電気回路から高周波のノイズが入り込んだ場合に、そのノイズが完全に吸収されず配線導体を通して半導体素子等の電子部品に入り込み、誤動作させてしまうという問題点があった。
【0013】
しかし、ノイズを充分に吸収するためにフェライト層を多量に形成すると、焼成後のフェライト層が剥離しやすくなるという問題点があった。これは、焼成時の収縮および熱膨張係数がフェライト層とガラスセラミックスとで異なるためであり、フェライト層が多量に形成されれば剥離の発生は顕著になる。また、フェライト層が増加すると相対的にガラスセラミックスが少なくなり、絶縁基体全体としての誘電率や絶縁特性がガラスセラミック基板本来のものと異なってくるという問題点があった。
【0014】
以上のような理由から、絶縁基体の内部のフェライト層は微小体積または低密度のものしか形成できず、また同じように作製したガラスセラミック基板間でのノイズ吸収効果のばらつきもあり、フェライト層を用いて十分なノイズ吸収特性を持った配線基板を得ることが困難であるという問題点があった。
【0015】
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、透磁率の高いフェライト層を備えており、そのノイズ吸収特性が高くかつ安定している配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層とが、前記絶縁基体との同時焼成で形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の配線基板は、上記構成において、前記フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成ることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、本発明の配線基板は、上記構成において、前記非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成ることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層とが、絶縁基体との同時焼成により形成されていることから、フェライト層の透磁率の低下を抑えることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体および配線導体と同時焼成によって形成されることから、絶縁基体および配線導体との十分な密着性を得ることができる。さらに、このフェライト層が配線導体の上下面を覆うことによってフェライト層によるノイズ吸収を効率良く安定して機能させることができるので、配線導体を通過するノイズが半導体素子等の電子部品へ侵入するのを効果的に防止することが可能となる。
【0020】
また、本発明の配線基板によれば、フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成る場合には、これらのフェライトの結晶相は高い透磁率を発現することから、これらのフェライトから成るフェライト層によって、より効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得ることができる。
【0021】
さらに、本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成る場合には、フェライト層と絶縁基体との間において熱膨張係数の差を小さくすることができ、これにより配線基板としたときのフェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、またフェライト層と絶縁基体との間において焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層の配線基板からの剥離を有効に防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体、2はフェライト層、3は配線導体である。
【0024】
絶縁基体1は、例えば複数の非磁性フェライト層が積層されて構成されており、その内部および表面の少なくとも一方に、配線導体3と、その上面および下面を覆うフェライト層2とが、絶縁基体1との同時焼成で形成されている。
【0025】
非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1は、まず、非磁性フェライト組成の主成分および第1酸化物成分、または非磁性フェライト組成の主成分ならび第1酸化物成分および第2酸化物成分、さらに有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によって非磁性フェライト・グリーンシートを製作し、この非磁性フェライト・グリーンシートを複数積層した後、大気中または加湿窒素雰囲気中にて、800〜1100℃の温度で焼成して作製される。
【0026】
非磁性フェライト組成の主成分としては、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種との粉体を用い、これらを湿式混合し、次いで仮焼し、顆粒としてこれを粉砕した後、原料粉末とした。
【0027】
また、第1酸化物成分としては、MgO,BaO,SiO2およびB2O3の粉体を用いる。これらのMgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分は、ガラス成分として、非磁性フェライトの熱膨張係数を制御するために加えられる。
【0028】
また、第2酸化物成分としては、SnO2およびCaOの少なくとも1種の粉体を用いる。SnO2は、主にこのような組成物が、この配線基板を用いる装置の一部を蝕壊することを防止するために加えるものであるが、必要に応じて添加を省略してもよい。CaOは、主に熱膨張係数を高くするために添加するものであり、通常は添加をした方が好ましいが、非磁性フェライトから成る絶縁基体1とフェライト層2との熱膨張係数が同等の場合は、必要に応じて添加を省略してもよい。
【0029】
非磁性フェライト組成の主成分としてのFe2O3は、好ましくは46〜50質量%であり、CuOは、好ましくは2〜20質量%であり、ZnOは、好ましくは33〜52質量%の範囲である。
【0030】
非磁性フェライト組成の主成分に添加される第1酸化物成分、および第2酸化物成分のそれぞれの好ましい添加量は、MgOは0.25〜8質量%、BaOは0.4〜9質量%、SiO2は0.25〜7質量%、B2O3は0.1〜3質量%、SnO2は0〜0.7質量%、CaOは0〜8質量%で、その総計は1〜30質量%である。
【0031】
非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が1〜30質量%の場合には、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1とフェライト層2との熱膨張係数の差が3×10−6/℃以下となり、絶縁基体1およびフェライト層2との熱膨張係数差が好適に小さいことから、同時焼成過程においてフェライト層2にかかる応力が小さくなり、磁歪の発生が防止され、フェライト層2の透磁率低下を十分に抑えることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体1とフェライト層2とは、ともに固相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層2の配線基板からの剥離が防止される。
【0032】
非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分の添加量、または第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が1質量%未満の場合には、絶縁基体1とフェライト層2との間における熱膨張係数の差が大きくなり、配線基板としたときのフェライト層2の透磁率が低下しやすく、また焼成後の配線基板の変形またはフェライト層2の配線基板からの剥離が発生しやすくなる。
【0033】
また、非磁性フェライト組成の主成分に対して添加される第1酸化物成分の添加量、または第1酸化物成分と第2酸化物成分との添加量が30質量%を超えると、非磁性フェライト組成の主成分に対して、ガラス成分として添加する第1酸化物成分および第2酸化物成分が、フェライト層2に拡散してしまうため、配線基板としたときにフェライト層2の透磁率が低下してしまいやすくなる。
【0034】
第1酸化物成分と第2酸化物成分とは、非磁性フェライト組成の主成分の粒界にガラスとして残存したり、非磁性フェライト組成の主成分の結晶粒内に拡散したりして存在する。
【0035】
フェライト層2は、配線導体3の上面および下面を覆うように、絶縁基体1の表面および内部の少なくとも一方に形成された配線導体3とともに形成されている。このフェライト層2には、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成るフェライトを用いることが、より効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得られる点で好ましい。
【0036】
フェライト層2の形成は、まずフェライト粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってフェライト・グリーンシートを製作する。次に、このフェライト・グリーンシートを所定の配線導体3を覆う形状にカットし、非磁性フェライト・グリーンシート上の配線導体3が形成される位置に配線導体3の上面および下面を覆うようにして載置する。このとき、配線導体3から侵入するノイズを完全に吸収するためには、配線導体3の上面および下面をフェライト層2で完全に覆う必要がある。また、より完全なノイズ吸収のためには、配線導体3の側面もフェライト層2で覆っておくことが好ましい。よって、そのような配線導体3およびフェライト層2を形成するためには、所定の非磁性フェライト・グリーンシートの表面に、下面のフェライト層2となるフェライト・グリーンシート,配線導体3となる導体ペーストのパターン,上面のフェライト層2となるフェライト・グリーンシートの順番に各層を形成して配置し、その際に上下のフェライト・グリーンシートで導体ペーストのパターンの側面も覆うようにするとよい。
【0037】
フェライト層2となるフェライト・グリーンシートを形成するのに用いるフェライト粉末は、仮焼済みのフェライト粉末で、粒径が均一で球形状に近い粒が望ましい。これは、均一な焼結状態を得ることができるからであり、例えばフェライト粉末で部分的に小さい粒径が存在した場合は、その部分のみ結晶粒の成長が低下してしまい、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しにくい傾向がある。
【0038】
また、フェライト層2を形成するには、フェライト粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製したフェライトペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により非磁性フェライト・グリーンシート表面に塗布し、これを非磁性フェライト・グリーンシートと同時に焼成して形成してもよい。
【0039】
配線導体3は、その一部がフェライト層2に上下面を覆われて絶縁基体1の内部および表面の少なくとも一方に形成されており、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等により非磁性フェライト・グリーンシート表面に塗布し、これを非磁性フェライト・グリーンシートと同時に焼成して形成される。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の配線基板を詳細に説明する。
【0041】
<実施例1>
本実施例では、図2に断面図で示すような、外径20mm,内径5mmのリング形状の評価用試験片を作製し、透磁率を測定した。なお、図2において、図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、1は非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体、2はフェライト層、3は配線導体である。透磁率の測定はヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザーHP−4291Aを用い、高周波電流電圧法にて測定した。
【0042】
まず、非磁性フェライト組成の主成分として、Fe2O3粉末49質量%,CuO粉末8質量%およびZnO粉末43質量%を使用した。この非磁性フェライト組成の主成分100質量%に、MgO粉末0.8質量%,BaO粉末1質量%,SiO2粉末0.85質量%およびB2O3粉末0.3質量%から成る第1酸化物成分を添加するとともに、SnO2粉末0.05質量%およびCaO粉末2質量%から成る第2酸化物成分を添加することにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を5質量%とし、さらに有機バインダとしてアクリル樹脂12質量%,フタル酸系可塑剤6質量%および溶剤としてトルエン30質量%を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmの非磁性フェライト・グリーンシートを成形した。
【0043】
次にフェライト・グリーンシートとして平均粒径0.5〜1μmのZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成される透磁率22.0、熱膨張係数12×10−6/℃の仮焼済みのフェライト粉末に、ブチラール樹脂10質量%、高分子量のアルコールを希釈剤として添加し、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ80μmのフェライト・グリーンシートを成形した。
【0044】
同様に、配線導体ペーストとしてCu粉末(平均粒径1.0μm)100質量%に対して非磁性フェライト・グリーンシートと同組成のガラス粉末2質量%、さらに所定量のエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合して、配線導体ペーストを作製した。
【0045】
なお、非磁性フェライト・グリーンシートおよびフェライト・グリーンシートは、ともに透磁率の評価用試験片形状である外径20mm,内径5mmのリング形状に加工しておいた。
【0046】
まず、非磁性フェライト・グリーンシート所定枚数を重ね合わせ、その上にフェライト・グリーンシートを重ね合わせた。さらに導体ペーストをフェライト・グリーンシート全面に塗布し乾燥を行なった。導体ペーストは20μmの厚みとした。その後、乾燥した導体ペースト上にフェライト・グリーンシート、非磁性フェライト・グリーンシート所定枚数、の順に重ね合わせて非磁性フェライト・グリーンシート積層体を得て、温度55℃,圧力20MPaで圧着して積層体を得た。
【0047】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、その上に重しを載せて約0.5MPaの荷重をかけつつ大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、窒素雰囲気中にて900℃で1時間焼成した。
【0048】
得られた非磁性フェライト基板の積層面内での収縮は0.5%以下であり、内層の全面にフェライト層2が形成されているものの、基板に反りや変形も認められなかった。
【0049】
また、このようにして作製した絶縁基体1の熱膨張係数は12×10−6/℃であり、フェライト層2の熱膨張係数は12×10−6/℃であった。
【0050】
このようにして作製した評価用試験片にて透磁率を測定し、また基板の反り、剥離および変形の評価(表1の外観の欄)を行なった。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1の結果より、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,NiFe2O4の結晶相から構成される透磁率22.0のフェライトに対し、実施例1の場合は透磁率が21.4であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り,剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0053】
なお、表1においては、測定された透磁率と外観の結果とを、測定サンプルそれぞれについて記載している。また、後述の比較例のサンプルの測定結果も記載している。
【0054】
<実施例2>
非磁性フェライト・グリーンシートの材料として、第1酸化物成分の添加量をMgO粉末0.23質量%,BaO粉末0.27質量%,SiO2粉末0.2質量%およびB2O3粉末0.08質量%とし、第2酸化物成分の添加量をSnO2粉末0.01質量%およびCaO粉末0.21質量%とすることにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を1質量%とした以外は、実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0055】
このようにして作製した実施例2の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果も表1に記載した。
【0056】
表1の結果より、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を1質量%とした実施例2の場合は、透磁率が21.2であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り、剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0057】
<実施例3>
非磁性フェライト・グリーンシートの材料として、第1酸化物成分の添加量をMgO粉末7.96質量%,BaO粉末9.4質量%,SiO2粉末7.09質量%およびB2O3粉末2.76質量%とし、第2酸化物成分の添加量をSnO2粉末0.79質量%およびCaO粉末2質量%とすることにより、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を30質量%とした以外は、実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0058】
このようにして作製した実施例3の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果も表1に記載した。
【0059】
表1の結果より、第1酸化物成分の添加量と第2酸化物成分の添加量との合計を30質量%とした実施例3の場合は、透磁率が21.3であり、透磁率の低下がほとんどなく、外観においても基板の反り,剥離および変形がないことが分かった(表1中の外観の欄に○で示す)。
【0060】
<比較例1>
絶縁基体1の材料として非磁性フェライト・グリーンシートの代わりにガラスセラミック・グリーンシートを用いた以外は実施例1と同様にして評価用試験片を作製した。
【0061】
ガラスセラミック・グリーンシートのガラスセラミックス成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60質量%,CaZrO3粉末20質量%,SrTiO3粉末17質量%およびAl2O3粉末3質量%を使用した。このガラスセラミック成分100質量%に有機バインダとしてアクリル樹脂12質量%,フタル酸系可塑剤6質量%および溶剤としてトルエン30質量%を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0062】
このようにして作製した比較例1の評価用試験片の透磁率を測定し、また外観の評価を行なった。その測定結果を表2に記載した。
【0063】
【表2】
【0064】
表2の結果より、絶縁基体1の材料として非磁性フェライト・グリーンシートの代わりにガラスセラミック・グリーンシートを用いた場合は、透磁率が15.5であり、透磁率が大きく低下していることが分かった。これは、絶縁基体とフェライト層2との熱膨張差によるフェライトの内部応力を緩和できず、フェライト層2に磁歪が発生したためである。また、外観においては、基板の反り,剥離および変形が発生した(表2中の外観の欄に×で示す)。これは、純粋なフェライト層は固相焼結にて焼結し、ガラスセラミックスは液相焼結にて焼結することから、焼成収縮挙動が異なり、焼成後のガラスセラミック基板の変形、またはフェライト層のガラスセラミック基板からの剥離が発生したためである。
【0065】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では配線導体4にCuを用いたが、配線導体4にAg,Au,Ag−Pd合金等を用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、この配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体からなるフェライト層とが、絶縁基体との同時焼成で形成されていることから、フェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、安定した透磁率を再現性良く得ることができる。また、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体および配線導体と同時焼成によって形成されることから、絶縁基体および配線導体との十分な密着性を得ることができる。さらに、このフェライト層で配線導体の上下面を覆うことによってフェライト層によるノイズ吸収を効率良く安定して機能させることができるので、配線導体を通過するノイズが半導体素子等の電子部品へ侵入するのを効果的に防止することが可能となる。
【0067】
また、本発明の配線基板によれば、フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成る場合には、これらのフェライトの結晶相は高い透磁率を発現することから、これらのフェライトから成るフェライト層によってより効果的にノイズ吸収が可能な十分に高い透磁率を得ることができる。
【0068】
また、本発明の配線基板によれば、非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、またはこの第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成る場合には、フェライト層と絶縁基体との間において熱膨張係数の差を小さくすることができ、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種を含むフェライト層の変形を防止することができ、焼成時に非磁性フェライト・グリーンシート積層体を変形させることなく、非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体と配線導体とフェライト層とを同時焼成して本発明の配線基板を得ることができる。これにより、配線基板としたときのフェライト層の透磁率の低下を抑えることができ、またフェライト層と絶縁基体との間において焼成収縮挙動を近づけることができ、焼成後の配線基板の変形、またはフェライト層の配線基板からの剥離を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の透磁率測定に用いた評価用試験片を示す断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
2:フェライト層
3:配線導体
Claims (3)
- 非磁性フェライトの焼結体から成る絶縁基体の内部および表面の少なくとも一方に、配線導体と、該配線導体の上面および下面を覆うフェライトの焼結体から成るフェライト層とが、前記絶縁基体との同時焼成で形成されていることを特徴とする配線基板。
- 前記フェライトが、ZnFe2O4,MnFe2O4,FeFe2O4,CoFe2O4,NiFe2O4,BaFe12O4,SrFe12O4およびCuFe2O4のうちの少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
- 前記非磁性フェライトが、Fe2O3とCuOおよびZnOの少なくとも1種とから成る非磁性フェライト組成の主成分100質量%に対して、MgO,BaO,SiO2およびB2O3から成る第1酸化物成分が、または該第1酸化物成分とSnO2およびCaOの少なくとも1種から成る第2酸化物成分とが、1〜30質量%の範囲の量で添加されて成ることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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2002
- 2002-11-27 JP JP2002343335A patent/JP2004179360A/ja not_active Withdrawn
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