JP2004179125A - ガラス基板上に金属薄膜を形成する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペースト塗布法によるガラス基板上に金属薄膜を形成する方法において、500℃未満の低温での焼成にもかかわらず、ガラス基板上への優れた密着性を示し、かつ高密度で低抵抗の金属薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電回路を形成するための、ガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に係り、詳しくは、比較的低温での焼成によっても金属薄膜の基板への密着性に優れたガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種電極、回路、電界シールド等、幅広い用途に導電膜が提供されている。一般的にガラス基板上あるいは半導体基板上に形成されるこのような導電膜の形成方法としては、真空蒸着法やペースト塗布法が知られている。
【0003】
真空蒸着法は、真空蒸着装置内に基板を設置し、その上に金属膜を蒸着する方法であって、膜厚の精密な制御が可能で、清浄環境で製膜を行うため、高度な膜品質の導電膜を提供できることを特徴とする。
【0004】
ペースト塗布法は、市販の金属微粒子を少なくとも樹脂成分及び有機溶剤からなるマトリックス成分に分散させ、必要に応じてガラスフリットを添加してガラス基板に塗布し、加熱することによって、導電膜を形成する方法である。500℃以上の温度に加熱して有機物のマトリックス成分を熱分解させることによって、導電膜を作製することができる。スクリーン印刷やスピンコート法等、真空蒸着法に比較して、簡便で安価な製膜プロセスを特徴とする。特許文献1には、ガラス基板の耐熱温度以下の温度による焼成によっても金導電膜を形成可能な粒径1.0μm以下の金微粒子とエチルセルロースからなる金ペーストが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−340619号公報
【0006】
また、特許文献2には、金属ペーストの塗膜形成後、真空中での仮焼成、酸化性雰囲気での仮焼成を経て、還元性雰囲気での本焼成を行う工程からなる焼成温度500℃以下の金属ペーストの焼成方法が開示されている。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−29018号公報
【0008】
また、特許文献3には、レジスト膜によるパターンが描かれたガラス基板をシランカップリング剤で表面処理し、シランカップリング剤に金属微粒子を固着させ、その上に無電解めっき処理を施すことによるガラス基板表面のパターンめっき方法が開示されている。
【0009】
【特許文献3】
特開2002−068782号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、真空蒸着法は、装置が大掛かりで高価であり、必要とされる真空度を達成するために長時間の真空引きを要する問題がある。ペースト塗布法においても、有機物のマトリックス成分を分解するために500℃以上の焼成温度が必要であることに加えて、低温(一般に500℃以下)での焼成が可能な導電ペーストについても、高密度で低抵抗の導電膜を与えるものの、ガラス基板への充分な密着性が得られない問題があった。
【0011】
また、シランカップリング剤で処理されたガラス基板上に金属微粒子を固着させ、その上に無電解めっき処理を施す方法も、ガラス基板上に無電解めっきを施す方法としては有効ではあったが、無電解めっき処理そのものにコストがかかる問題があった。
【0012】
本発明はこのような問題点に注目し、ペースト塗布法によってガラス基板上に金属薄膜を形成する方法において、500℃未満の低温での焼成にもかかわらず、ガラス基板上への優れた密着性を示し、かつ高密度で低抵抗の金属薄膜を簡便に形成する方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本願請求項1記載の発明は、有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0014】
請求項2記載の発明は、シランカップリング剤が、メルカプト基を有するシランカップリング剤及びアミノ基を有するシランカップリング剤から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0015】
請求項3記載の発明は、金属微粒子が単体金属の微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0016】
請求項4記載の発明は、単体金属の微粒子が金微粒子あるいは銀微粒子である請求項3記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0017】
請求項5記載の発明は、金属微粒子が合金微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である
【0018】
請求項6記載の発明は、合金微粒子が銀−パラジウム合金微粒子である請求項5記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法について詳細に説明する。ここで用いられるガラス基板とは、二酸化けい素を主成分とするものであれば特に限定されず、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラス等が用いられる。
【0020】
ガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に用いられるペーストは、数nm〜数十nmの径の金属微粒子が有機溶剤中に独立分散した金属微粒子分散液とシランカップリング剤とからなる。
【0021】
ここで金属微粒子とは、金、銀、白金、銅、パラジウム等の単体金属の微粒子及びそれらからなる合金の微粒子であって、有機溶剤とは、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン、トルエン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチルベンゼン等である。
【0022】
金属微粒子分散液は、例えばガス中蒸発法と呼ばれる方法によって製造される。この方法は、真空雰囲気のチャンバ内にヘリウムガスを導入し、その中で金属を蒸発させ、不活性ガスとの衝突により冷却され凝縮された金属微粒子が孤立状態にある段階で有機溶剤の蒸気を導入して金属微粒子表面の被覆を行うものである。
【0023】
金属微粒子分散液はまた、分子の末端あるいは側鎖にシアノ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有する高分子あるいはオリゴマーを加熱して融解した後、金属を蒸発させて前記高分子あるいはオリゴマーの融解物に捕捉させ、有機溶剤に溶かすことによっても得られる。
【0024】
金属微粒子分散液はまた、融解後急速固化して熱力学的に非平衡状態とした高分子層の表面に、蒸着した金属を密着させた後、この高分子層を平衡状態になるまで緩和させ、有機溶剤に溶かすことによっても得られる。
【0025】
金属微粒子分散液はまた、水相の金属イオンを還元し、必要に応じて保護剤を含んだ、水と非混和性の有機溶剤相へ相間移動させることによっても得られる。
【0026】
金属微粒子分散液はまた、水相の金属イオンを相間移動剤を用いて水と非混和性の有機溶剤へ相間移動させた後、金属イオンを還元することによっても得られる。ここで、金属微粒子が合金微粒子である場合は、有機溶剤中の複数の金属イオンを同時還元してもよく、また逐次還元してもよい。
【0027】
金属微粒子分散液はまた、金属イオン含有水溶液及び保護剤をアルコール中で混合し、得られた沈澱物をろ過、回収、乾燥して第一の固形物を作製し、前記第一の固形物を還元剤のアルコール溶液に浸漬して第二の固形物を作製し、前記第二の固形物をアルコールでろ過、洗浄した後、有機溶剤に再分散させることによっても得られる。
【0028】
シランカップリング剤は、X〜Si(OR)3の一般式で表される化合物であって、Xはメルカプト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基等の反応性有機官能基、ORはメトキシ基、エトキシ基等の加水分解性基である。シランカップリング剤をガラス基板上に展開し、加熱処理すると、加水分解性基がガラス表面の水酸基と反応し、反応性有機官能基を表面に露出した状態でガラス基板上に強固に固着される。
【0029】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、反応性有機官能基としてメルカプト基あるいはアミノ基を有するものが特に好ましく、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラン、P−[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンN,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレンテトラミン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、α,ω−ビス(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプトプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプトプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−メルカプトメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0030】
金属微粒子分散液にシランカップリング剤を混合してペーストを作製することによって、金属微粒子は前記反応性有機官能基に捕捉される。このペーストをガラス基板上にスピンコート法、浸漬、刷毛塗り、スプレー等の方法で塗布し、焼成することによって、シランカップリング剤がガラス基板上に強固に固着し、同時に金属微粒子からなる金属薄膜がシランカップリング剤を介してガラス基板上に形成される。ここで焼成温度は、従来の焼成温度(500℃以上)よりも低い250℃〜300℃で十分である。
【0031】
シランカップリング剤は、金属微粒子分散液中に、0.3質量%以上50質量%以下、好ましくは1.0質量%以上10質量%以下の割合で添加される。添加量が0.3質量%未満の場合は、シランカップリング剤の効果が低下して、金属薄膜のガラス基板への密着性が低下することとなり、一方50質量%を越えると過剰なシランカップリング剤が金属薄膜の品質を劣化させるため共に好ましくない。
【0032】
以上説明した金属薄膜を用いてガラス基板上に導電回路を形成する方法としては、例えばレジスト材料を用いる方法がある。すなわち、ガラス基板上にレジスト材料を展開し、露光、現像によってパターンを形成し、その上にペーストを展開し、レジスト材料が存在しない部分のみに金属微粒子をシランカップリング剤を介して固着させ、最後にレジスト材料を除去することによって金属薄膜からなる導電回路が形成される。
【0033】
得られた金属薄膜は、単独で導電膜として機能するだけではなく、その上にニッケル等の金属を無電解めっきあるいは電解めっきすることによって良好な導電膜を形成するめっき用下地としても機能する。
【0034】
【実施例】
以下、本発明のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法について、実施例を示しながら詳細に説明する。
実施例1
(金微粒子インキの作製)
3.0×10−2mol/lのHAuCl4水溶液0.6lに3.5×10−2mol/l臭化テトラオクチルアンモニウムトルエン溶液1.6lを添加し攪拌することで、金イオンをトルエン相に相間移動させた。水相が黄色透明から無色透明になったところで、攪拌させたままオクタンチオール2.6g、4.0×10−1mol/l水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.5lを添加し、金イオンを還元した。トルエン相を取り出し、濃縮した後、過剰のエタノール添加により金微粒子を沈殿させ、吸引ろ過することにより、4.18gの金微粒子の粉末を得た。この粉末にトルエンを適量加え、金微粒子インキを作製した。
【0035】
(金薄膜の作製)
前記金微粒子インキに3質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率11.0μΩ・cm、膜厚0.14μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験(JIS K5400)を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0036】
実施例2
実施例1と同じ金微粒子インキに5.6質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.17mΩ・cm、膜厚0.13μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0037】
実施例3
実施例1と同じ金微粒子インキに10.0質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率69μΩ・cm、膜厚0.16μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0038】
実施例4
トルエン分散銀微粒子インキ(真空冶金製、パーフェクトシルバー)に1.8質量%の割合で3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率46μΩ・cm、膜厚0.32μmの銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0039】
実施例5
実施例4と同じ銀微粒子インキに1.8質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.62mΩ・cm、膜厚0.30μmの銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0040】
実施例6
(銀−パラジウム合金微粒子の作製)
5.0×102mol/l硝酸銀水溶液90mlに5.0×102mol/l安息香酸トルエン溶液400mlを加え攪拌し、銀イオンをトルエン相に相間移動させた。2.5×102mol/l塩化パラジウム水溶液4mlに5.0×102mol/l臭化テトラオクチルアンモニウムトルエン溶液8mlを加え攪拌し、パラジウムイオンをトルエン相に相間移動させた。このパラジウム溶液を水洗してトルエン相から塩素イオンを除去し、トルエン相のみを相間移動させた銀イオントルエン溶液に加えた。銀イオン−パラジウムイオン混合トルエン溶液にオクタンチオール0.6gを加え、攪拌させたまま0.4mol/l水素化ホウ素ナトリウム水溶液125mlを加え銀イオン、パラジウムイオンを還元した。トルエン相を吸引ろ過して、沈殿物を除去したろ過液をエバポレータで濃縮し、黒色の粘性物を得た。さらに、エタノールを加え再沈殿させ、吸引ろ過することにより銀‐パラジウム合金ナノ粒子の粉末0.72gを得た。この粉末にトルエンを適量加え、銀−パラジウム合金微粒子インキを作製した。
【0041】
(銀−パラジウム合金薄膜の作製)
前記銀‐パラジウム合金微粒子インキに1.0質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて300℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.56mΩ・cm、膜厚0.51μmの銀‐パラジウム合金薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、90/100の結果を得た。
【0042】
比較例1
実施例1と同じ金微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率4.9μΩ・cm、膜厚0.11μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0043】
比較例2
実施例4と同じ銀微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率6.4μΩ・cm、膜厚0.20μm、の銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0044】
比較例3
実施例6と同じ銀‐パラジウム合金微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて300℃、10分間焼成し、膜厚0.20μmの銀−パラジウム合金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本願請求項記載の発明は、有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法であって、低温焼成にもかかわらず、ガラス基板上への密着性に優れた金属薄膜の形成方法を提供する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電回路を形成するための、ガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に係り、詳しくは、比較的低温での焼成によっても金属薄膜の基板への密着性に優れたガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種電極、回路、電界シールド等、幅広い用途に導電膜が提供されている。一般的にガラス基板上あるいは半導体基板上に形成されるこのような導電膜の形成方法としては、真空蒸着法やペースト塗布法が知られている。
【0003】
真空蒸着法は、真空蒸着装置内に基板を設置し、その上に金属膜を蒸着する方法であって、膜厚の精密な制御が可能で、清浄環境で製膜を行うため、高度な膜品質の導電膜を提供できることを特徴とする。
【0004】
ペースト塗布法は、市販の金属微粒子を少なくとも樹脂成分及び有機溶剤からなるマトリックス成分に分散させ、必要に応じてガラスフリットを添加してガラス基板に塗布し、加熱することによって、導電膜を形成する方法である。500℃以上の温度に加熱して有機物のマトリックス成分を熱分解させることによって、導電膜を作製することができる。スクリーン印刷やスピンコート法等、真空蒸着法に比較して、簡便で安価な製膜プロセスを特徴とする。特許文献1には、ガラス基板の耐熱温度以下の温度による焼成によっても金導電膜を形成可能な粒径1.0μm以下の金微粒子とエチルセルロースからなる金ペーストが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−340619号公報
【0006】
また、特許文献2には、金属ペーストの塗膜形成後、真空中での仮焼成、酸化性雰囲気での仮焼成を経て、還元性雰囲気での本焼成を行う工程からなる焼成温度500℃以下の金属ペーストの焼成方法が開示されている。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−29018号公報
【0008】
また、特許文献3には、レジスト膜によるパターンが描かれたガラス基板をシランカップリング剤で表面処理し、シランカップリング剤に金属微粒子を固着させ、その上に無電解めっき処理を施すことによるガラス基板表面のパターンめっき方法が開示されている。
【0009】
【特許文献3】
特開2002−068782号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、真空蒸着法は、装置が大掛かりで高価であり、必要とされる真空度を達成するために長時間の真空引きを要する問題がある。ペースト塗布法においても、有機物のマトリックス成分を分解するために500℃以上の焼成温度が必要であることに加えて、低温(一般に500℃以下)での焼成が可能な導電ペーストについても、高密度で低抵抗の導電膜を与えるものの、ガラス基板への充分な密着性が得られない問題があった。
【0011】
また、シランカップリング剤で処理されたガラス基板上に金属微粒子を固着させ、その上に無電解めっき処理を施す方法も、ガラス基板上に無電解めっきを施す方法としては有効ではあったが、無電解めっき処理そのものにコストがかかる問題があった。
【0012】
本発明はこのような問題点に注目し、ペースト塗布法によってガラス基板上に金属薄膜を形成する方法において、500℃未満の低温での焼成にもかかわらず、ガラス基板上への優れた密着性を示し、かつ高密度で低抵抗の金属薄膜を簡便に形成する方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本願請求項1記載の発明は、有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0014】
請求項2記載の発明は、シランカップリング剤が、メルカプト基を有するシランカップリング剤及びアミノ基を有するシランカップリング剤から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0015】
請求項3記載の発明は、金属微粒子が単体金属の微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0016】
請求項4記載の発明は、単体金属の微粒子が金微粒子あるいは銀微粒子である請求項3記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0017】
請求項5記載の発明は、金属微粒子が合金微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である
【0018】
請求項6記載の発明は、合金微粒子が銀−パラジウム合金微粒子である請求項5記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法について詳細に説明する。ここで用いられるガラス基板とは、二酸化けい素を主成分とするものであれば特に限定されず、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラス等が用いられる。
【0020】
ガラス基板上に金属薄膜を形成する方法に用いられるペーストは、数nm〜数十nmの径の金属微粒子が有機溶剤中に独立分散した金属微粒子分散液とシランカップリング剤とからなる。
【0021】
ここで金属微粒子とは、金、銀、白金、銅、パラジウム等の単体金属の微粒子及びそれらからなる合金の微粒子であって、有機溶剤とは、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン、トルエン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチルベンゼン等である。
【0022】
金属微粒子分散液は、例えばガス中蒸発法と呼ばれる方法によって製造される。この方法は、真空雰囲気のチャンバ内にヘリウムガスを導入し、その中で金属を蒸発させ、不活性ガスとの衝突により冷却され凝縮された金属微粒子が孤立状態にある段階で有機溶剤の蒸気を導入して金属微粒子表面の被覆を行うものである。
【0023】
金属微粒子分散液はまた、分子の末端あるいは側鎖にシアノ基、アミノ基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有する高分子あるいはオリゴマーを加熱して融解した後、金属を蒸発させて前記高分子あるいはオリゴマーの融解物に捕捉させ、有機溶剤に溶かすことによっても得られる。
【0024】
金属微粒子分散液はまた、融解後急速固化して熱力学的に非平衡状態とした高分子層の表面に、蒸着した金属を密着させた後、この高分子層を平衡状態になるまで緩和させ、有機溶剤に溶かすことによっても得られる。
【0025】
金属微粒子分散液はまた、水相の金属イオンを還元し、必要に応じて保護剤を含んだ、水と非混和性の有機溶剤相へ相間移動させることによっても得られる。
【0026】
金属微粒子分散液はまた、水相の金属イオンを相間移動剤を用いて水と非混和性の有機溶剤へ相間移動させた後、金属イオンを還元することによっても得られる。ここで、金属微粒子が合金微粒子である場合は、有機溶剤中の複数の金属イオンを同時還元してもよく、また逐次還元してもよい。
【0027】
金属微粒子分散液はまた、金属イオン含有水溶液及び保護剤をアルコール中で混合し、得られた沈澱物をろ過、回収、乾燥して第一の固形物を作製し、前記第一の固形物を還元剤のアルコール溶液に浸漬して第二の固形物を作製し、前記第二の固形物をアルコールでろ過、洗浄した後、有機溶剤に再分散させることによっても得られる。
【0028】
シランカップリング剤は、X〜Si(OR)3の一般式で表される化合物であって、Xはメルカプト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基等の反応性有機官能基、ORはメトキシ基、エトキシ基等の加水分解性基である。シランカップリング剤をガラス基板上に展開し、加熱処理すると、加水分解性基がガラス表面の水酸基と反応し、反応性有機官能基を表面に露出した状態でガラス基板上に強固に固着される。
【0029】
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、反応性有機官能基としてメルカプト基あるいはアミノ基を有するものが特に好ましく、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラン、P−[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンN,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレンテトラミン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、α,ω−ビス(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(メルカプトメチル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプトプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−メルカプトプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−メルカプトメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0030】
金属微粒子分散液にシランカップリング剤を混合してペーストを作製することによって、金属微粒子は前記反応性有機官能基に捕捉される。このペーストをガラス基板上にスピンコート法、浸漬、刷毛塗り、スプレー等の方法で塗布し、焼成することによって、シランカップリング剤がガラス基板上に強固に固着し、同時に金属微粒子からなる金属薄膜がシランカップリング剤を介してガラス基板上に形成される。ここで焼成温度は、従来の焼成温度(500℃以上)よりも低い250℃〜300℃で十分である。
【0031】
シランカップリング剤は、金属微粒子分散液中に、0.3質量%以上50質量%以下、好ましくは1.0質量%以上10質量%以下の割合で添加される。添加量が0.3質量%未満の場合は、シランカップリング剤の効果が低下して、金属薄膜のガラス基板への密着性が低下することとなり、一方50質量%を越えると過剰なシランカップリング剤が金属薄膜の品質を劣化させるため共に好ましくない。
【0032】
以上説明した金属薄膜を用いてガラス基板上に導電回路を形成する方法としては、例えばレジスト材料を用いる方法がある。すなわち、ガラス基板上にレジスト材料を展開し、露光、現像によってパターンを形成し、その上にペーストを展開し、レジスト材料が存在しない部分のみに金属微粒子をシランカップリング剤を介して固着させ、最後にレジスト材料を除去することによって金属薄膜からなる導電回路が形成される。
【0033】
得られた金属薄膜は、単独で導電膜として機能するだけではなく、その上にニッケル等の金属を無電解めっきあるいは電解めっきすることによって良好な導電膜を形成するめっき用下地としても機能する。
【0034】
【実施例】
以下、本発明のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法について、実施例を示しながら詳細に説明する。
実施例1
(金微粒子インキの作製)
3.0×10−2mol/lのHAuCl4水溶液0.6lに3.5×10−2mol/l臭化テトラオクチルアンモニウムトルエン溶液1.6lを添加し攪拌することで、金イオンをトルエン相に相間移動させた。水相が黄色透明から無色透明になったところで、攪拌させたままオクタンチオール2.6g、4.0×10−1mol/l水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.5lを添加し、金イオンを還元した。トルエン相を取り出し、濃縮した後、過剰のエタノール添加により金微粒子を沈殿させ、吸引ろ過することにより、4.18gの金微粒子の粉末を得た。この粉末にトルエンを適量加え、金微粒子インキを作製した。
【0035】
(金薄膜の作製)
前記金微粒子インキに3質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率11.0μΩ・cm、膜厚0.14μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験(JIS K5400)を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0036】
実施例2
実施例1と同じ金微粒子インキに5.6質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.17mΩ・cm、膜厚0.13μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0037】
実施例3
実施例1と同じ金微粒子インキに10.0質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率69μΩ・cm、膜厚0.16μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0038】
実施例4
トルエン分散銀微粒子インキ(真空冶金製、パーフェクトシルバー)に1.8質量%の割合で3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率46μΩ・cm、膜厚0.32μmの銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0039】
実施例5
実施例4と同じ銀微粒子インキに1.8質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.62mΩ・cm、膜厚0.30μmの銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、100/100の結果を得た。
【0040】
実施例6
(銀−パラジウム合金微粒子の作製)
5.0×102mol/l硝酸銀水溶液90mlに5.0×102mol/l安息香酸トルエン溶液400mlを加え攪拌し、銀イオンをトルエン相に相間移動させた。2.5×102mol/l塩化パラジウム水溶液4mlに5.0×102mol/l臭化テトラオクチルアンモニウムトルエン溶液8mlを加え攪拌し、パラジウムイオンをトルエン相に相間移動させた。このパラジウム溶液を水洗してトルエン相から塩素イオンを除去し、トルエン相のみを相間移動させた銀イオントルエン溶液に加えた。銀イオン−パラジウムイオン混合トルエン溶液にオクタンチオール0.6gを加え、攪拌させたまま0.4mol/l水素化ホウ素ナトリウム水溶液125mlを加え銀イオン、パラジウムイオンを還元した。トルエン相を吸引ろ過して、沈殿物を除去したろ過液をエバポレータで濃縮し、黒色の粘性物を得た。さらに、エタノールを加え再沈殿させ、吸引ろ過することにより銀‐パラジウム合金ナノ粒子の粉末0.72gを得た。この粉末にトルエンを適量加え、銀−パラジウム合金微粒子インキを作製した。
【0041】
(銀−パラジウム合金薄膜の作製)
前記銀‐パラジウム合金微粒子インキに1.0質量%の割合でγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東芝シリコーン製)を加えて攪拌後、ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて300℃、10分間焼成し、体積抵抗率0.56mΩ・cm、膜厚0.51μmの銀‐パラジウム合金薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、90/100の結果を得た。
【0042】
比較例1
実施例1と同じ金微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率4.9μΩ・cm、膜厚0.11μmの金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0043】
比較例2
実施例4と同じ銀微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて250℃、10分間焼成し、体積抵抗率6.4μΩ・cm、膜厚0.20μm、の銀の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0044】
比較例3
実施例6と同じ銀‐パラジウム合金微粒子インキをガラス基板上にスピンコート法により塗布した。マッフル炉にて300℃、10分間焼成し、膜厚0.20μmの銀−パラジウム合金の薄膜を得た。碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、0/100の結果を得た。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本願請求項記載の発明は、有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法であって、低温焼成にもかかわらず、ガラス基板上への密着性に優れた金属薄膜の形成方法を提供する。
Claims (6)
- 有機溶剤に金属微粒子が分散された金属微粒子分散液及びシランカップリング剤を含むペーストをガラス基板上に塗布し、250℃以上300℃以下の温度で焼成することを特徴とするガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
- シランカップリング剤が、メルカプト基を有するシランカップリング剤及びアミノ基を有するシランカップリング剤から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
- 金属微粒子が単体金属の微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
- 単体金属の微粒子が金微粒子あるいは銀微粒子である請求項3記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
- 金属微粒子が合金微粒子である請求項1記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
- 合金微粒子が銀−パラジウム合金微粒子である請求項5記載のガラス基板上に金属薄膜を形成する方法。
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