JP2004177731A - 透明衝撃力緩和部材、プラズマディスプレイ用フィルタおよびこれを用いたプラズマディスプレイ表示装置 - Google Patents

透明衝撃力緩和部材、プラズマディスプレイ用フィルタおよびこれを用いたプラズマディスプレイ表示装置 Download PDF

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和彦 宮内
Takeshi Asano
猛 浅野
Yukiko Azumi
由起子 安積
Yuichi Morimoto
雄一 森本
Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
Yoshikazu Tanaka
良和 田中
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Abstract

【課題】厚さが薄くても外部衝撃を良好に緩和しうる透明衝撃力緩和部材を用い、これを電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、視認性の低下防止とPDPの破損防止を同時に達成することを目的とする。
【解決手段】直径5cm、重さ510gの鋼球を20cmの高さから自由落下させて衝突させたときの衝撃力時間波形の解析結果から求められる弾性パラメータが10〜50MPa、粘性パラメータが10−2〜10−6MPaの範囲にあり、可視光線透過率が40%以上である透明衝撃力緩和部材2と、PDPから放出される電磁波および近赤外線の一方または両方を遮蔽する遮蔽部材3とを、直接または透明粘着剤を介して貼り合わせてPDP用フィルタとし、このフィルタをPDPの前面表示ガラス1に貼り合わせてPDP表示装置とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明衝撃力緩和部材と、プラズマディスプレイ用フィルタと、プラズマディスプレイ表示装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来の冷陰極管を使用したテレビやディスプレイなどの表示装置に代わる、薄型で軽量かつ大画面化のディスプレイとして、プラズマディスプレイ(以下、PDPという)の開発が進められている。
【0003】
PDPは、パネル内部に封入された希ガス、とくにネオンを主体としたガス中で放電を発生させ、その際に発生する真空紫外線により、パネル内部のセルに設けられたR、G、Bの蛍光体を発光させる。この発光過程において、PDPの作動には不必要な電磁波や近赤外線が放出される。
とくに電磁波は、VCCIやFCCなどにより放射電磁波が規制されており、また近年、電磁波の人体への悪影響が懸念されており、この点からもPDPより放出される電磁波を遮蔽する必要がある。
【0004】
電磁波や近赤外線を遮蔽するため、各種フィルタが提案されているが、現在、一般的なPDP用フィルタの形態は、透明導電層と近赤外線遮蔽層を持つ透明フィルム基材を透明成形体に貼り合わせ、これをPDPの前面側に空気層を介して設置することにより、電磁波や近赤外線を遮蔽するとともに外部からの衝撃によるPDPの破損を防止する構造となっている(特許文献1参照)。しかし、この構造では、PDPの前面表示ガラスやPDP用フィルタと空気層界面で反射が起こり、PDPの表示画像の視認性を損なう問題があった。
【0005】
また、このような問題を回避するため、透明導電層と近赤外線遮蔽層を持つ透明フィルム基材をPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせる構成も提案されている(特許文献2,3参照)。この場合、PDPの前面表示ガラスやPDP用フィルタと空気層界面で起こる反射による視認性の低下は確かに防げるが、外部からの衝撃によるPDPの破損を防止することができなかった。
【0006】
そこで、視認性の低下とPDPの破損防止を同時に達成するため、透明導電層と近赤外線遮蔽層を持つ透明フィルム基材とPDPの前面表示ガラスの間にシリコーンゲルのようなクッション材を装入することが考えられる。
しかし、外部衝撃からPDPを十分に保護するには、上記クッション材の厚さが5mm程度は必要となるため、PDP用フィルタ部分が非常に厚くなり、フィルタの重量が増加して取り扱い性が低下することになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−149346号公報(第2〜3頁)
【特許文献2】
特開平10−188822号公報(第2〜3頁)
【特許文献3】
特開2000−98131号公報(第2〜4頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に照らして、厚さが薄くても外部衝撃を良好に緩和しうる透明衝撃力緩和部材を用い、これを電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、視認性の低下防止とPDPの破損防止を同時に達成することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、一定の大きさの鋼球を自由落下させて衝突させたときの衝撃力時間波形の解析結果から求められる弾性パラメータおよび粘性パラメータが特定範囲にある透明な衝撃力緩和部材によると、硬すぎることも柔らかすぎることもない適度な硬さを示して、その厚さを薄くしても外部衝撃からPDPを十分に保護しうる良好な衝撃緩和作用が得られ、これを電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、視認性の低下防止とPDPの破損防止を同時に達成できることを知り、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、直径5cm、重さ510gの鋼球を20cmの高さから自由落下させて衝突させたときの衝撃力時間波形の解析結果から求められる弾性パラメータが10〜50MPa、粘性パラメータが10−2〜10−6MPaの範囲にあり、可視光線透過率が40%以上であることを特徴とする透明衝撃力緩和部材、とくに、粘着性を有する上記構成の透明衝撃力緩和部材と、厚さが0.1〜2mmである上記構成の透明衝撃力緩和部材とに係るものである。
【0011】
また、本発明は、上記構成の透明衝撃力緩和部材と、PDPから放出される電磁波および近赤外線の一方または両方を遮蔽する遮蔽部材とを、直接または透明粘着剤を介して貼り合わせたことを特徴とするPDP用フィルタに係るものであり、とくに、波長850〜1,000nmの近赤外線の透過率が20%以下である上記構成のPDP用フィルタに係るものである。
さらに、本発明は、PDPの前面表示ガラスに、上記構成のPDP用フィルタを貼り合わせたことを特徴とするPDP表示装置に係るものである。
【0012】
なお、弾性パラメータおよび粘性パラメータは、以下のように、求められる。十分に重い鋼板に固定した力センサー上に衝撃力緩和部材を貼り付け、その鉛直上方高さ20cmから、直径50mm、重さ510gの鋼球を自由落下させて衝撃力緩和部材に衝突させたときの衝撃力時間変化を測定する。このデータを時間積分して変形速度データを求め、このデータをさらに時間積分して変形量データを求める。これより衝撃力緩和部材の歪速度および歪が求められる。
【0013】
また、衝撃力緩和部材に衝突させたときの鋼球が接触している部分の断面積を応力伝達面積と仮定して下記の式(1)で算出し、この断面積で衝撃力を割り、鋼球が衝撃力緩和部材に衝突したときの応力時間変化を求める。
S=πd(2R−d) ………(1)
上記の式中、Sは鋼球と衝撃力緩和部材の接触部分の断面積、dは衝撃力緩和部材の変形量(鋼球の変異量)、Rは鋼球の半径である。
【0014】
衝撃力緩和部材に鋼球を衝突させたときの力学モデルとして、バネーダッシュポット並列モデル(Voigtモデル)を適用すると、応力(衝撃力)と歪および歪速度には、下記の式(2)の関係が成立する。
σ=η×de/dt+Ee ………(2)
上記の式中、ηは粘度、Eは弾性率、σは応力、eは歪、de/dtは歪速度である。この式(2)に前記の方法で求めた応力、歪および歪速度をあてはめて、粘度ηが負の数とならない時間範囲のデータを用いて最小自乗法を行うことにより、粘度ηおよび弾性率Eを求めることができる。このように算出した粘度ηを粘性パラメータ、弾性率Eを弾性パラメータとする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の透明衝撃力緩和部材は、上記のようにして求められる弾性パラメータが10〜50MPa、好ましくは15〜40MPaの範囲にあり、また粘性パラメータが10−2〜10−6MPa、好ましくは10−3〜10−6MPaの範囲にあることを特徴としている。このような衝撃力緩和部材は、硬すぎることも柔らかすぎることもない適度な硬さを示して、前記の方法で測定される衝撃力の最大値が小さい値となり、高い衝撃力緩和特性を発揮する。
【0016】
このため、この衝撃力緩和部材を約0.1〜2mmの薄い厚さとしたときでも、これを電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、PDPの外部衝撃による破損を効果的に防止することができる。これに対し、弾性パラメータおよび粘性パラメータが上記の範囲外になると、緩和部材として硬すぎるか柔らかすぎるものとなり、上記よりかなり厚くしなければ有効な破損防止効果が得られないか、あるいはかなり厚くしたとしても上記のような効果が得られなくなる。
【0017】
また、この衝撃力緩和部材は、透明衝撃力緩和部材として、可視光線透過率が40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上という、非常に良好な透明性を有するものであり、PDPの前面表示ガラスに貼り合わせても表示画像の視認性を阻害することはない。また、この部材を電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、従来の空気層界面で起こる反射による視認性の低下も回避できるので、PDPの表示画像の視認性を損なう心配は全くない。
【0018】
本発明の透明衝撃力緩和部材は、上記した特定範囲の弾性パラメータおよび粘性パラメータを有しかつ上記特定の可視光線透過率を有するものであれば、いかなるポリマー材料を用いたものであってもよく、他の材料構成についてもとくに限定されない。しかし、透明性や耐久性の観点からすると、ポリマー材料としてアクリル系ポリマーを使用したものが好ましい。
【0019】
上記のアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としこれに必要により共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体を加えた単量体を原料成分とし、これを溶液重合方式、乳化重合方式、懸濁重合方式、塊状重合方式などの公知の重合方式により、重合開始剤として光重合開始剤や熱重合開始剤を用いて重合反応させることにより、得られるものである。
【0020】
単量体の主成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、非ターシャリーアルキルアルコールの単官能不飽和(メタ)アクリレートが用いられ、アルキル基の炭素数が2〜18個のものの中から選択される。具体的には、エチル(メタ)アクリレート、プチル(メタ)アクリレート、イソアミルメタアクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
【0021】
共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体は、光学特性や耐熱性などを改質するため、必要により用いられるものである。具体的には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー、アクリル酸のカプロラクトン付加物、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。
【0022】
また、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマー例として挙げられる。
【0023】
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピベラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。
【0024】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体の使用割合は、主成分となる(メタ)アクリル酸アルキルエステルが70〜100重量%、好ましくは85〜100重量%で、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体が30〜0重量%、好ましくは15〜0重量%となるようにするのがよい。このような使用割合で用いることにより、得られるアクリル系ポリマーをポリマー材料とした透明衝撃力緩和部材は、衝撃力緩和特性にすぐれたものとなり、また粘着性が付与されたものとなる。
【0025】
なお、上記の単量体のほかに、衝撃力緩和部材の凝集力などを高めてせん断強さを増加させるための交叉結合剤(内部架橋剤)として、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個またはそれ以上有する多官能〈メタ)アクリレートを、必要により加えてもよい。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0026】
このような多官能(メタ)アクリレートの使用量は、単量体100重量部あたり、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部の範囲内で、2官能の場合は多めに、3官能やそれ以上の多官能の場合は少なめにするとよい。過少では重合後の架橋度が低くなり、接着界面で気泡が発生しやすくなり、過多となると接着力などの低下をきたし、膨れなどが発生しやすい。
【0027】
光重合開始剤としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0028】
熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物や、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4′−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕などのアゾ系化合物などが挙げられる。
【0029】
これらの重合開始剤の使用量は、単量体100重量部あたり、0.005〜5重量部の範囲内において、その種類に応じて適宜選択される。光重合開始剤は、通常0.005〜1重量部、とくに0.05〜0.5重量部とするのがよい。過少では光重合後に未反応単量体が多く残存して、接着界面において気泡の発生などを生じやすく、過多となると光重合後にこの光重合開始剤が残存して、黄変などの原因となりやすい。熱重合開始剤は、上記同様の理由により、通常0.01〜5重量部、とくに0.05〜3重量部とするのがよい。
【0030】
重合反応は、重合開始剤の種類に応じて、紫外線などの光重合法によるか、熱重合法により行われる。シートへの加工性や粘着性などの観点からすると、光重合法によるのがとくに好ましい。この光重合法としては、窒素ガスなどの不活性ガスで置換した酸素のない雰囲気中で行うか、または紫外線透過性フィルムによる被覆で空気と遮断した状態で行うのが望ましい。
【0031】
光重合法において、紫外線は波長範囲が約180〜460nmの電磁放射線であるが、これより長波長または短波長の電磁放射線であってもよい.紫外線源には、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの照射装置が用いられる。紫外線の強度は、被照射体までの距離や電圧の調整により、適宜設定することができる。照射時間(生産性)との兼ね合いで、通常は0.1〜7mW/cmの光を用いるのが望ましい。
【0032】
本発明の透明衝撃力緩和部材は、このようにして得られるアクリル系ポリマーを代表例とするポリマー材料を主材とし、これに必要により、室温で液体である透明性の良好な可塑剤を1種または2種以上配合することができる。その配合量は、アクリル系ポリマーをはじめとするポリマー材料100重量部あたり、通常5〜300重量部、好ましくは10〜200重量部とするのがよい。
【0033】
このような可塑剤としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブテン、ポリイソブチレンなども挙げられる。
【0034】
本発明の透明衝撃力緩和部材には、透明性を損なわない範囲で、必要により、近赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの、各種の添加剤を適宜配合することもできる。また、微粒子を含有させることにより、光拡散性を示す透明衝撃力緩和部材とすることもできる。
【0035】
このような透明衝撃力緩和部材は、厚さが通常0.1〜2mmの範囲にあるのがよい。また、この透明衝撃力緩和部材は、前記のアクリル系ポリマーをポリマー材料としたものなどでは、それ自体が粘着性を有するものとして機能させることができる。このような機能を有しないかあるいは有する場合でも、必要により、その一面または両面に別の粘着剤層を形成してもよい。
【0036】
この粘着剤層の形成は、公知の方式で行えばよい。たとえば、トルエンや酢酸エチルなどの単独または混合溶媒に粘着剤を溶解または分散させて、10〜40重量%程度の粘着剤溶液とし、これを用いて流延方式や塗工方式などの方法で上記の緩和部材上に直接形成するか、あるいはセパレータ上に粘着剤層を形成してこれを上記緩和部材上に移着するなどの方式で形成すればよい。
【0037】
本発明のPDP用フィルタは、上記構成の透明衝撃力緩和部材と、PDPから放出される電磁波および近赤外線の一方または両方を遮蔽する遮蔽部材とを、直接(透明衝撃力緩和部材の粘着性を利用して)あるいは別の透明粘着剤を介して貼り合わせ一体化したものである。このフィルタは、上記遮蔽部材の選択により電磁波および近赤外線の両方を遮蔽する特性を有しているのが望ましく、とくに近赤外線の遮蔽特性として、波長850〜1,000nmの近赤外線の透過率が20%以下となるように構成されているのがよい。
【0038】
このような遮蔽部材としては、透明フィルム基村に透明導電体薄膜を積層したフィルタ、透明フィルム基材に透明導電体薄膜を積層しこれとは別に近赤外線吸収色素を含有する層を設けたフィルタ、透明フィルム基材に導電性メッシュ材料を貼り合わせさらに近赤外線吸収色素を含有する層を設けたフィルタ、透明フィルム基材に印刷またはバターニング処理により導電性メッシュを設けこれとは別に近赤外線吸収色素を含有する層を設けたフィルタなど、公知の各種のものを使用できる。なお、電磁波の遮蔽性能を高めるために、PDP本体のアース電極と接続するための電極を設けておくのが望ましい。
【0039】
また、このような遮蔽部材を透明衝撃力緩和部材と貼り合わせ一体化するための透明粘着剤を、あらかじめ上記遮蔽部材の一面側に適宜の厚さの粘着剤層として形成しておいてもよい。また、この遮蔽部材の他面側にも上記同様の粘着剤層を形成して、この粘着剤層を利用して後述する反射防止層やノングレア層などの機能性材料層を貼り合わせることもできる。遮蔽部材の一面または両面に上記のような粘着剤層を形成するには、前記した透明衝撃力緩和部材の一面または両面に粘着剤層を形成する場合と同様の方法で行えばよい。
【0040】
本発明のPDP表示装置は、PDPの前面表示ガラスに、上記構成のPDP用フィルタを、透明衝撃力緩和部材を内側にしてこの緩和部材の粘着性を利用してあるいは透明粘着剤を介して、直接貼り合わせる構成としたものである。
【0041】
このように前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、PDP自体の軽量化、薄型化、低コスト化を実現でき、また屈折率の低い空気層がないため、界面反射による可視光反射率の増加、二重反射などの問題が解決され、PDPの視認性が向上する。さらに、透明衝撃力緩和部材による高い衝撃力緩和作用により、外部衝撃に対してPDPを効果的に保護でき、万一PDPが破損した場合でも、上記フィルタによりガラスの飛散を防止することができる。
【0042】
本発明のPDP用フィルタを、上記のようにPDPの前面表示ガラスに貼り合わせて、PDP表示装置とするにあたり、PDP用フィルタの外表面(前面表示ガラスから最も遠い面)に、反射防止層、ノングレア層、帯電防止層、防汚染層などの少なくともひとつの層を、必要により設けてもよい。
これらの層は、PDP用フィルタにおける遮蔽部材の表面に直接形成してもよいし、これらの層を透明フィルム基材の表面に形成したものをPDP用フィルタにおける遮蔽部材に貼り合わるようにしてもよい。
【0043】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。また、以下の実施例で使用した遮蔽部材は、下記の方法により、作製したものである。
【0044】
<電磁波および近赤外線の遮蔽部材の作製>
透明フィルム基材上に透明導電体多層膜を設けたフィルタを作製した。
具体的には、厚さが125μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、反応性パルスDCスパッタリング法により、SiO薄膜を形成したのち、その面上にDCマグネトロンスパック法により、高屈折率誘電体薄膜、銀系透明導電体薄膜、高屈折率誘電体薄膜の順序を繰り返して、薄膜を形成する手法により、透明導電体多層膜を形成した。
なお、高屈折率誘電体薄膜を形成するターゲット材料にはIn−12.6重量%TiOを使用し、銀系透明導電体薄膜を形成するターゲット材料にはAg−3重量%Auを使用した。
【0045】
形成された透明導電体多層膜は、透明フィルム基材側よりSiO薄膜(94nm)/高屈折率誘電体薄膜(34nm)/銀系透明導電体薄膜(14nm)/高屈折率誘電体薄膜(68nm)/銀系透明導電体薄膜(14nm)/高屈折率誘電体薄膜(68nm)/銀系透明導電体薄膜(14nm)/高屈折率誘電体薄膜(34nm)の構成であった。膜厚の測定は、表面粗さ計(DEKTAK3)による製膜速度の検量線と透過型電子顕微鏡による精密測定にて行った。
【0046】
つぎに、このように形成した透明導電体多層膜側の四辺に、銀ペースト(藤倉化成(株)製の「ドータイトFA−301CA」)をスクリーン印刷し、100℃で20分間加熱して硬化させ、厚さ2μmの電極を形成した。また、透明導電体多層膜の面上に、反射防止フィルムを上記電極を完全に被覆しないように透明粘着剤層を介して貼り合わせた。このようにして、電極および反射防止フィルム付きの電磁波および近赤外線の遮蔽部材を作製した。
【0047】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を入れ、紫外線照射により重合処理して、重合率約10重量%の重合体・単量体混合物からなる粘稠液体を得た。つぎに、この粘稠液体に、トリメチロールプロパントリアクリレート(内部架橋剤)0.2部と2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部とを配合して、光重合性組成物を調製した。
【0048】
この光重合性組成物を、厚さが75μmのポリエステル系セパレータに塗布し、さらにこの上にカバー用のポリエステル系セパレータを被せたのち、紫外線ランプにて、2,000mJ/cmの紫外線を照射して光重合させることにより、アクリル系ポリマーからなる、厚さが1mmの透明衝撃力緩和部材を形成した。この透明衝撃力緩和部材は、それだけで粘着性を有していた。
【0049】
この透明衝撃力緩和部材を、その粘着性を利用して、前記の電磁波および近赤外線の遮蔽部材の反射防止フィルムおよび電極の形成面とは反対側の面に、貼り合わせることにより、PDP用フィルタとした。また、このPDP用フィルタをPDPの前面表示ガラスに透明衝撃力緩和部材を内側にしてその粘着性を利用して貼り合わせることにより、PDP表示装置を作製した。
図1は、このPDP表示装置の概略構成図を示したものであり、1はPDPの前面表示ガラス、2は透明衝撃力緩和部材、3は電磁波および近赤外線の遮蔽部材、4は透明粘着剤層、5は電極、6は反射防止フィルムである。
【0050】
実施例2
光重合性組成物中に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部に対して、可塑剤として分子量が約4,000のポリオキシプロピレングリコールを2部、配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル系ポリマーと上記の可塑剤とからなる透明衝撃力緩和部材を形成した。この透明衝撃力緩和部材は、それだけで粘着性を有していた。この透明衝撃力緩和部材を用いて、実施例1と同様にして、PDP用フィルタおよびPDP表示装置を作製した。
【0051】
実施例3
光重合性組成物中に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部に対して、可塑剤として分子量が約650のポリテトラメチレングリコールを2部、配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル系ポリマーと上記の可塑剤とからなる透明衝撃力緩和部材を形成した.この透明衝撃力緩和部材は、それだけで粘着性を有していた。この透明衝撃力緩和部材を用いて、実施例1と同様にして、PDP用フィルタおよびPDP表示装置を作製した。
【0052】
比較例1
光重合性組成物中に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部に対して、可塑剤として分子量が約400のポリプロピレングリコールを10部、配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル系ポリマーと上記の可塑剤とからなる透明衝撃力緩和部材を形成した.この透明衝撃力緩和部材を用いて、実施例1と同様にして、PDP用フィルタおよびPDP表示装置を作製した。
【0053】
比較例2
衝撃力緩和部材として、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)ブロックポリマーを厚さ1mmに成形したものを用いた。この衝撃力緩和部材を、透明粘着剤を用いて遮蔽部材に貼り合わせるようにした以外は、実施例1と同様にして、PDP用フィルタおよびPDP表示装置を作製した。
【0054】
上記の実施例1〜3および比較例1,2の各衝撃力緩和部材について、可視光線透過率と衝撃力緩和特性を調べた。衝撃力緩和特性は、下記の方法により測定した。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0055】
<衝撃力緩和特性>
鋼板に固定した力センサー上に衝撃力緩和部材を貼り付け、この部材の鉛直上方高さ20cmから、直径50mm、重さ510gの鋼球を自由落下させ、鋼球が衝撃力緩和部材に衝突したときの衝撃力時間変化を測定する。このときの衝撃力波形から応力を算出し、その応力最大値を用いて衝撃力緩和特性の比較を行った。また、衝撃力時間波形から本文中に記載の方法により衝撃力緩和部材の「弾性パラメータ」および「粘性パラメータ」を求めた。
【0056】
なお、この明細書において、衝撃力緩和特性の評価における鋼球の重さである「510g」は、必ずしもこのとおりの値である必要はとくになく、「±5g程度」の重さのずれは許容できるものである。すなわち、上記鋼球の重さ「510g」は、約510g程度の重さでよいことを意味している。
【0057】
Figure 2004177731
【0058】
上記の表1の結果から明らかなように、弾性パラメータおよび粘性パラメータが本発明の範囲にある実施例1〜3の各透明衝撃力緩和部材は、弾性パラメータおよび粘性パラメータが本発明の範囲外となる比較例1,2の衝撃力緩和部材に比べて、応力最大値が小さくて外部衝撃に対する緩和特性にすぐれており、また可視光線透過率も高く透明性にすぐれていることがわかる。
【0059】
このため、上記実施例1〜3の各透明衝撃力緩和部材を、電磁波および近赤外線の遮蔽部材と貼り合わせ一体化してPDP用フィルタを作製し、これをPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせたPDP表示装置は、上記の遮蔽部材によりPDPから放出される電磁波および近赤外線を遮蔽できるとともに、表示画像の視認性をなんら阻害することがなく、しかも上記緩和部材により外部衝撃からのPDPの割れなどを効果的に防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、一定の大きさの鋼球を自由落下させて衝突させたときの衝撃力時間波形の解析結果から求められる弾性パラメータおよび粘性パラメータが特定範囲にある透明衝撃力緩和部材を用いることにより、その厚さを薄くしても外部衝撃からPDPを十分に保護しうる良好な衝撃緩和作用を発揮させることができ、この透明衝撃力緩和部材を電磁波や近赤外線を遮蔽する遮蔽部材と一体化してPDP用フィルタとし、これをPDPの前面表示ガラスに直接貼り合わせることにより、電磁波や近赤外線を遮蔽する効果に加え、視認性の低下防止とPDPの破損防止を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPDP表示装置の概略構成図(断面図)である。
【符号の説明】
1 PDPの前面表示ガラス
2 透明衝撃力緩和部材
3 電磁波および近赤外線の遮蔽部材
4 透明粘着剤層
5 電極
6 反射防止フィルム

Claims (6)

  1. 直径5cm、重さ510gの鋼球を20cmの高さから自由落下させて衝突させたときの衝撃力時間波形の解析結果から求められる弾性パラメータが10〜50MPa、粘性パラメータが10−2〜10−6MPaの範囲にあり、可視光線透過率が40%以上であることを特徴とする透明衝撃力緩和部材。
  2. 粘着性を有する請求項1に記載の透明衝撃力緩和部材。
  3. 厚さが0.1〜2mmである請求項1または2に記載の透明衝撃力緩和部材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明衝撃力緩和部材と、プラズマディスプレイから放出される電磁波および近赤外線の一方または両方を遮蔽する遮蔽部材とを、直接または透明粘着剤を介して貼り合わせたことを特徴とするプラズマディスプレイ用フィルタ。
  5. 波長850〜1,000nmの近赤外線の透過率が20%以下である請求項4に記載のプラズマディスプレイ用フィルタ。
  6. プラズマディスプレイの前面表示ガラスに、請求項4または5に記載のプラズマディスプレイ用フィルタを貼り合わせたことを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100702182B1 (ko) 2005-03-30 2007-04-02 삼성코닝 주식회사 차폐 필름, 이를 포함하는 pdp 필터 및 그 제조 방법
KR100708702B1 (ko) * 2005-07-28 2007-04-17 삼성에스디아이 주식회사 직부착 mrt 필름 필터 및 이를 구비하는 플라즈마디스플레이 장치
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KR100793749B1 (ko) * 2005-08-30 2008-01-10 엘지전자 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널의 전면필터 및 그 접지방법

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