JP2004177615A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yutaka Onda
裕 恩田
Shoji Tomita
章嗣 冨田
Takashi Mukai
崇 向井
Atsushi Kato
敦之 加藤
Hiroshi Ishii
洋 石井
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Abstract

【課題】人間の知覚を考慮した好ましい画像形成を行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1の帯電装置51は、感光体ドラム2のプロセス速度がVのときに、4×V≦Fをみたす周波数Fの交流電圧が電源53bから印加されて、感光体ドラム2を帯電させる。また、周波数Fは、F<2100(Hz)を満たす。このため、感光体ドラム2上の帯電状態の変動を所定の空間周期以下の周期をもつパターンとするので、人間の目にこのパターンをハーフトーンとして知覚させる。また、感光体ドラム2と帯電装置51とによる振動の騒音を人間に知覚させない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関するものであり、より詳細には、例えば非接触帯電方式の帯電装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、帯電部材を感光体に対して離間して近接配置し、非接触状態で感光体を帯電させる非接触帯電方式が提案されている。この方式では、コロナ帯電(スコロトロン帯電)などを用いる方式と比較して、大幅にオゾンを削減できる。また、通常高圧な電源電圧の低電圧化を実現できる。
【0003】
非接触帯電方式の画像形成装置の例について説明すると以下の通りである。
【0004】
例えば、例えば日本国の公開特許公報「特開2001−188403号公報(公開日:2001年7月10日)」には、以下のような構成の画像形成装置が記載されている。
【0005】
上記画像形成装置においては、帯電部材と感光体との距離(帯電ギャップ)をキャリアの粒子径以上(60〜80μm)とする。また、帯電部材に印加する電圧を、DC(直流)電圧(700V)にAC(交流)電圧(3.0kVp−p)を重畳した構成とする。また、このAC電圧の周波数を1.5kHzとする。また、帯電部材と感光体との回転をウィッズ回転とする。
【0006】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平7−301973号公報(公開日:1995年11月14日)」には、以下のような構成の画像形成装置が記載されている。
【0007】
上記画像形成装置においては、帯電ギャップを30〜240μmとする。また、帯電部材に印加する電圧は、帯電ギャップを180μmとしたときに、DC電圧(1.8kVp−p)とする。また、帯電部材と感光体との回転をウィッズ回転とする。
【0008】
これら特開2001−188403号公報、特開平7−301973号公報に記載のように、非接触の帯電方式においては、帯電部材に印加する電圧の振幅、周波数などが問題となる。上記構成においては、帯電部材に印加する電圧などが所定の値の1点のみで示されており、所定のパラメータがどのような範囲内であれば良好な画像形成を行えるかについて考慮されていない。例えば、直流電圧に重畳する交流電圧の周波数や、交流電圧の電圧振幅などは、どれも一点に限られたものである。また、パラメータがどのような範囲内であれば、良好な画像形成を行えるかについては考慮されていない。このため、所定のパラメータ以外での画像形成がどのようなものになるか把握できないという問題があった。
【0009】
一方、例えば日本国の公開特許公報「特開平10−254220号公報(公開日:1998年9月25日)」には、以下のような構成によって、異音の発生を防止した帯電装置およびその帯電装置を使用する画像形成装置が記載されている。
【0010】
すなわち、周波数(f )の振動電圧を有する帯電部材と、固有振動数(f )を有する被帯電体とを有し、f ≦2f である場合の被帯電体の固有振動数(f )を帯電部材の振動電圧の周波数(f )と(2f )の中間の値の周波数とし、f ≧2f である場合の被帯電体の固有振動数(f )を(2f )と(3f )の中間の値の周波数にする。これによって、帯電装置における異音の発生を防止していた。
【0011】
また、例えば、帯電部材に印加するAC電圧の周波数をF(Hz)、帯電ローラ固有振動数を(F1)、感光体の固有振動数をF2とすると、F1≦2FのときF≦F1≦2・F、F1≧2Fのとき2F≦F1≦3・Fであってもよい。
【0012】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平5−307279号公報(公開日:1993年11月19日)」に記載された帯電方法においては、以下の構成が開示されている。
【0013】
すなわち、帯電ギャップを120μm以下とする。また、帯電部材に印加する電圧を1400Vp−p〜2100Vp−pとして、周波数を150Hz〜3kHz、望ましくは1kHz重畳とする。また、帯電部材と感光体との回転をウィッズ回転とする。
【0014】
これらの特開平10−254220号公報、特開平5−307279号公報には、パラメータの範囲は記載されているものの、例えば感光体の移動速度であるプロセス速度の好ましい値、範囲については記載されていない。ここで、帯電器を好ましく帯電させるためには、プロセス速度も重要な要因となる。
【0015】
これに対して、例えば日本国の公開特許公報「特開2002−55512号公報(公開日:2002年2月20日)」には、以下のような帯電装置および該帯電装置を有する画像形成装置について記載がある。
【0016】
すなわち、帯電装置に対して印加する交流電圧の周波数をF(Hz)とし、感光体の表面の移動速度をv(mm/秒)とする。このとき、F(Hz)≧40(1/mm)・v(mm/秒)を満たすように、周波数Fを設定する。
【0017】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平6−19275号公報(公開日:1994年1月28日)」には、以下のような帯電装置について記載されている。
【0018】
まず、第1の構成として、上記公報の図6には、高温−高湿(High temperature, High humidity:HH)環境(32.5℃,85%)、標準(Normal temperature, Normal humidity:NN)環境(25℃,50%)での測定について記載されている。帯電部材に印加する交流電圧は、Vp−pを1.6〜2.2kVp−pとする。また、抵抗層の体積抵抗率を、2.5×10Ωcmとする。なお、抵抗層は、帯電ギャップが感光体の回転方向に向かって徐々に拡大していくように配されている。また、他の実施例として、体積抵抗率7.5×10Ωcmでの測定もある。また、帯電ギャップは60μmとする。また、帯電部材に印加する電圧は、DC電圧(−550V)にAC電圧(1.8kVp−p、周波数150Hz)を重畳する構成とする。また、感光体の移動速度(プロセス速度)をV=24mm/sとする。
【0019】
また、第2の構成として、上記公報の図18には、HH環境、NN環境、低温−低湿(Low temperature, Low humidity:LL)環境(15℃,10%)での測定について記載されている。また、AC電圧(Vp−p)を1.8kVp−pに固定し、ギャップ保持材の種類を異ならせたときの例が示されている。また、抵抗層の体積抵抗率を2.5×10Ωcmとする。なお、他の実施例として、体積抵抗率7.5×10Ωcmの測定もある。また、帯電ギャップを60μmとする。また、帯電部材に印加する電圧を、DC電圧(−550V)にAC電圧(1.8kVp−p、周波数150Hz)を重畳する構成とする。また、プロセス速度をV=24mm/sとする。
【0020】
また、第3の構成として、上記公報の図24には、HH環境、NN環境、LL環境での測定について記載されている。AC電圧のVp−pを1.8kVp−pの固定とする。また、抵抗層の体積抵抗率を5〜10×10Ωcmとして、体積抵抗率を変化させる。また、帯電ギャップを60μmとする。また、帯電部材に印加する電圧を、DC電圧(−550V)にAC電圧(1.8kVp−p、周波数150Hz)を重畳する構成とする。また、プロセス速度を24mm/sとする。
【0021】
また、第4の構成として、上記公報の図33には、HH環境、NN環境、LL環境での測定について記載されている。AC電圧を1.8kVp−pに固定する。また、AC周波数、プロセス速度(V)を変化させる。例えば、Vを24mm/sとし、AC周波数を350Hzまたは1000Hzとする。また、例えばVを48mm/sとし、AC周波数を700Hzまたは1000Hzとする。また、抵抗層の体積抵抗率を2.5×10Ωcmとする。また、帯電ギャップを60μmとする。また、帯電部材に印加する電圧は、DC電圧(−550V)にAC電圧(1.8kVp−p)を重畳する構成とする。
【0022】
【特許文献1】
特開2001−188403号公報
【0023】
【特許文献2】
特開平7−301973号公報
【0024】
【特許文献3】
特開平10−254220号公報
【0025】
【特許文献4】
特開平5−307279号公報
【0026】
【特許文献5】
特開2002−55512号公報
【0027】
【特許文献6】
特開平6−19275号公報
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に記載の構成は、必ずしも良好な画像を得ることを保証しきれないという問題がある。
【0029】
すなわち、上記各公報に記載の構成においては、使用者などの人間によって、印刷動作、印刷結果などがどのように知覚されるかという点について考慮されていない。例えば、人間の視覚特性、聴覚特性については考慮されていない。したがって、印刷動作、印刷結果が必ずしも好ましいものという保証がされていないという問題がある。
【0030】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、人間の知覚を考慮して、良好な画像形成を行うための条件範囲を指定した、画像形成装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、対向配置される感光体の帯電領域を帯電させる帯電装置を備え、上記帯電装置によって帯電された上記感光体の上記帯電領域に画像の形成を行う画像形成装置において、上記感光体のプロセス速度がV(mm/s)のとき、係数を4(cycle/mm)として、4×V≦Fを満たす周波数F(Hz)の交流電圧を上記帯電装置に印加することによって上記感光体を帯電させることを特徴としている。
【0032】
上記構成において、帯電装置は、例えば感光体と非接触に配置される。帯電装置には、電源から交流電圧が印加される。この電源は画像形成装置に含まれるものであってもよい。または、外部に備えた電源から画像形成装置に電圧が印加される構成であってもよい。また、帯電装置には交流電圧に加えて、直流電圧が印加されてもよい。帯電装置に電圧が印加されると、帯電装置と感光体との間で放電が生じて、感光体が帯電する。実効的に帯電する領域を帯電領域とする。また、この帯電領域には、所望の画像に応じた露光がなされて静電潜像が形成され、この静電潜像に現像剤が供給されて現像剤像が形成される。この現像剤像が印刷シートに転写されて、印刷シート上に画像が形成される。
【0033】
上記画像形成装置は、感光体のプロセス速度がV(mm/s)のとき、係数4(cycle/mm)を用いて、4×V≦Fを満たす周波数F(Hz)の交流電圧を帯電装置に印加する。
【0034】
ここで、感光体の帯電領域には、この周波数に応じた空間周波数、すなわちF/Vp(cycle/mm)の空間周波数成分を有する帯電パターンが生ずることになる。そして、この帯電領域に静電潜像を形成し、現像剤像を形成する。
【0035】
ここで、人間の視覚は、知覚できる精度、空間周波数に限界があり、4(cycle/mm)以上になると、階調パターンの判別が顕著に低下する。
【0036】
したがって、帯電装置に交流電圧を印加することによって生ずる帯電パターンが、人間(使用者)に知覚されない程度の空間周波数にて生成され、静電潜像、現像剤像となるので、この帯電パターンが知覚されることがない。例えば、階調パターンが判別できないので、結果として、緻密で均一なグレイのハーフトーンとして知覚される。これによって良好な画像を得ることができる。
【0037】
したがって、人間の知覚を考慮して、良好な画像形成を行うための条件範囲を指定した画像形成装置を提供できる。
【0038】
なお、上記構成の画像形成装置を、移動する感光体に対向配置された帯電装置を有し、その帯電装置に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して帯電装置と感光体表面との間に放電を生じさせて感光体を帯電する帯電装置を備え、感光体の帯電、露光により現像する画像形成装置において、交流電圧周波数をF(Hz)とし、プロセス速度をV(mm/s)としたとき、4(cycle/mm)・V(mm/s)≦F(Hz)を満足する構成である、と表現することもできる。
【0039】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、対向配置される感光体の帯電領域を帯電させる帯電装置を備え、上記帯電装置によって帯電された上記感光体の上記帯電領域に画像の形成を行う画像形成装置において、F(Hz)<2100(Hz)を満たす周波数Fの交流電圧を上記帯電装置に印加することによって上記感光体を帯電させることを特徴としている。
【0040】
上記構成において、帯電装置は、例えば感光体と非接触に配置される。帯電装置には、電源から交流電圧が印加される。この電源は画像形成装置に含まれるものであってもよい。または、外部に備えた電源から画像形成装置に電圧が印加される構成であってもよい。また、帯電装置には交流電圧に加えて、直流電圧が印加されてもよい。帯電装置に電圧が印加されると、帯電装置と感光体との間で放電が生じて、感光体が帯電する。実効的に帯電する領域を帯電領域とする。また、この帯電領域には、所望の画像に応じた露光がなされて静電潜像が形成され、この静電潜像に現像剤が供給されて現像剤像が形成される。この現像剤像が印刷シートに転写されて、印刷シート上に画像が形成される。
【0041】
上記画像形成装置は、F(Hz)<2100(Hz)を満たす周波数Fの交流電圧を帯電装置に印加する。すると、この周波数Fに応じた振動が、帯電装置と感光体との少なくともいずれかに一方において生じて、音を発生する。言い換えると、直流電圧に交流電圧を重畳すると、電気的な力が交流電圧の成分に応じて変化するので、例えば感光体の振動が引き起こされる。これにより、帯電音(異音)が発生する。
【0042】
ここで、人間の聴覚は、同じ音圧レベルの音であっても、異なる周波数であれば異なる大きさの音として知覚する。例えば、同じ大きさの音として聞こえる音であっても、周波数が異なれば、そのときの音圧レベルも異なる。
【0043】
特に、人間の聴覚による、音の大きさの等感曲線は、周波数が2100〜5000Hz程度の領域において、知覚するのに必要とされる必要な音圧レベルが低くなっている。すなわち、人間の聴覚は、周波数が2100〜5000Hz程度の音に敏感であり、音圧レベルが低くても大きな音として知覚する。
【0044】
上記画像形成装置は、F<2100を満たすF(Hz)の周波数を帯電装置に印加するので、帯電装置に交流電圧を印加することによって生ずる異音が、人間(使用者)に知覚されにくくなる。言い換えると、交流電圧周波数の上限値を2100Hzという人間が聴き取れない交流電圧周波数に設定するので、異音の発生を抑えることができる。
【0045】
したがって、人間の知覚を考慮して、良好な画像形成を行うための条件範囲を指定した画像形成装置を提供できる。
【0046】
なお、上記画像形成装置は、感光体のプロセス速度をVとして、4×V≦F<2100(Hz)を満たす周波数F(Hz)の交流電圧を帯電装置に印加することによって感光体を帯電させる構成であってもよい。
【0047】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記交流電圧の波高値Vacが、1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満たすことを特徴としている。
【0048】
ここで、交流電圧の波高値とは、電圧のピーク・ピーク値Vp−pを意味する。
【0049】
画像形成装置において、帯電装置を用いた帯電の条件は、上述のように帯電装置から感光体への放電を伴うため、温度や湿度などの環境に依存する。
【0050】
そこで、交流電圧の波高値を変化させて実験を行ったところ、低温−低湿(Low temperature, Low humidity:LL)環境において、交流電圧の波高値が1800Vp−p以下だと、帯電が不十分となり、鱗状の帯電ムラが生じることが分かった。
【0051】
一方、高温−高湿(High temperature, High humidity:HH)、標準(Normal temperature, Normal humidity:NN)環境において、交流電圧の波高値が2100Vp−p以上の場合には、異常放電に伴うライン状の帯電不均一を生じて、縞状の画質劣化を発生することが分かった。
【0052】
なお、LL環境とは、例えば温度5℃、湿度15%とする。また、NN環境とは、例えば温度25℃、湿度50%とする。また、HH環境とは、例えば温度35℃、湿度85%とする。
【0053】
上記画像形成装置は、波高値Vacが、1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満たすので、HH環境、NN環境、LL環境のいずれにおいても、良好な画質を得ることができる。
【0054】
なお、上記画像形成装置を、移動する感光体に対向配置された帯電部材を有し、該帯電部材に対し、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して該帯電部材と感光体表面との間に放電を生じさせて感光体を帯電する帯電装置を備え、感光体の帯電、露光により現像する画像形成装置において、交流電圧の波高値をVac(Vp−p)、周波数をF(Hz)、プロセス速度をV(mm/s)としたとき、1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)かつ、4(cycle/mm)・V(mm/s)≦F<2100(Hz)を満足する構成である、と表現することもできる。
【0055】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記帯電装置の周囲の環境状態を検出する環境検出手段と、上記環境検出手段の検出結果に基づいて、上記帯電装置に印加する上記交流電圧を調整する調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0056】
ここで、帯電装置の周囲の環境状態とは、例えば温度、湿度、気圧である。すなわち、環境検出手段は、帯電装置の周囲の温度を検出する温度検出手段であってもよいし、帯電装置の周囲の湿度を検出する湿度検出手段であってもよいし、帯電装置の周囲の気圧を検出する気圧検出手段であってもよい。
【0057】
ここで、上述のように、帯電装置による感光体の帯電は、帯電装置からの放電によって行われる。この放電の特性は、湿度、気圧などの環境に大きく依存する。
【0058】
上記画像形成装置は、湿度、気圧などの環境に応じて、重畳する交流電圧を制御する。交流電圧を適切なものに調整するので、良好に動作できる。例えば、交流電圧を調整するパラメータとして、交流電圧の周波数、波高値がある。これらのパラメータを適切なものとして、動作マージンを拡大することができる。
【0059】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記環境検出手段が上記帯電装置の周囲の湿度を検出するとともに、上記調整手段が、上記環境検出手段の検出した湿度をD(%)としたとき、D≧50のときは、1500(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満足し、D<50のときは、{1500+8.6×(50−D)}(Vp−p)≦Vac≦{2100+8.6×(50−D)}(Vp−p)を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整することを特徴としている。
【0060】
上記構成に基づいて重畳する交流電圧を制御すれば、動作マージンを効率よく、確実に拡大できる。
【0061】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記調整手段が、D≧50のときは、Vac≒1800(Vp−p)を満足し、D<50のときは、Vac≒{1800+8.6×(50−D)}(Vp−p)を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整することを特徴としている。
【0062】
上記構成に基づいて重畳する交流電圧を制御すれば、交流電圧の電圧マージンが最適となる。
【0063】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像形成装置は、対向配置される感光体の帯電領域を帯電させる帯電装置を備えており、この帯電装置に印加する交流電圧のパラメータを所定の範囲のものとする。このため、帯電装置に交流電圧を印加することによって生ずるパターン、騒音などを人間に知覚させず、人間の知覚特性を考慮した好ましい画像形成を行うことができる。
【0064】
本発明の一実施の形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0065】
本実施形態の画像形成装置1は、図1に示すように、概略的に、感光体ドラム(感光体)2、露光装置11、現像装置21、転写装置31、撹乱装置41、帯電装置51を備えている。
【0066】
感光体ドラム2は、導電性素管3と膜4とを含んでいる。導電性素管3は接地されており、この表面に、有機光導電材料等の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)等からなる膜4が形成されている。これによって、感光体ドラム2表面において、帯電電荷による静電潜像、および静電潜像を現像してなるトナー像(現像材像)を形成できるようになっている。
【0067】
また、感光体ドラム2は、矢印方向(時計回り)に速度(プロセス速度)Vで回転駆動される。感光体ドラム2の周囲に、回転方向に沿って、露光装置11、現像装置21、転写装置31、撹乱装置41、帯電装置51の各装置がこの順序で配置されている。
【0068】
露光装置11は、感光体ドラム2上に静電潜像を形成するためのものである。露光装置11は、レーザ光源11aを有している。露光装置11は、帯電装置51によって帯電された感光体ドラム2の領域に、レーザ光源11aからレーザ光12を照射して、静電潜像を形成する。例えば、露光装置11は、図示しない原稿読取装置から、または外部から入力される画像情報に基づいて変調されたレーザ光12を感光体ドラム2の表面に照射して露光する。これによって、感光体ドラム2上の帯電電荷を選択的に消失させて、感光体ドラム2上に静電潜像を形成する。
【0069】
現像装置21は、感光体ドラム2上の静電潜像に現像剤60を供給するためのものである。現像装置21は、現像槽22と現像ローラ23とを備えている。現像槽22は、現像剤60を収容するためのものである。現像ローラ23は、現像槽22に収容された現像剤60を感光体ドラム2に供給するものである。現像ローラ23は、回転可能に設けられている。現像ローラ23には、電源25から所定の現像バイアスが印加される。これによって、感光体ドラム2上に形成された静電潜像を、トナー61により現像(可視像化、現像剤像化)する。
【0070】
また、現像装置21は、現像ローラ23表面の現像剤層の厚さを規制する層厚規制部材24を備えている。層厚規制部材24は、層厚規制部材24と現像ローラ23との間隔(ドクターギャップA)により、通過する現像剤の層厚を調節する。
【0071】
なお、本実施の形態では、現像剤60として、磁性トナーであるトナー61の他に、マグネタイトやフェライト等の無機磁性体からなるキャリア62(トナーキャリア、図1中、「キャ」で示す)を含む二成分現像剤を用いている。キャリア62としては、具体的には、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、四酸化三鉄等の無機磁性体が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0072】
本実施の形態では、例えば、トナー61に、スチレンアクリル樹脂をバインダ樹脂とする粒径8μmのトナーを使用し、キャリア62に、粒径60μmの鉄粉系キャリアを使用する。この場合に、感光体ドラム2の帯電電位を−600Vとする。また、現像バイアスを−400Vとする。また、ドクターギャップAを1.5mmとする。
【0073】
また、図1に示すように、例えば感光体ドラム2をマイナス(−)に帯電させたとき、反転現像の場合には、トナー61はマイナス(−)帯電する。以下、本実施の形態では、反転現像の場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、正規現像(正現像)の場合にトナー61がプラス(+)帯電してもよい。
【0074】
また、本実施の形態では、現像ローラ23に、感光体ドラム2の表面電位(例えば−600V)よりも正極となる現像バイアス(例えば−400V)を印加している。これによって、感光体ドラム2上に残留した、マイナス(−)帯電している正規帯電トナー61a等の異物を、現像ローラ23に静電吸着する。
【0075】
また、本実施の形態の現像ローラ23は、マグネットロール23aおよびスリーブ23bを含む構成である。スリーブ23bはマグネットロール23aを覆うように配置されている。この構成によって、マグネットロール23aから発生する磁力を用いて、スリーブ23bの表面に現像剤60を磁気的に吸着する。なお、現像ローラ23における磁場は、400〜800ガウス(G)の範囲内で設定されることが望ましい。
【0076】
また、現像ローラ23は、感光体ドラム2表面に残留している未除去の残留現像剤成分(回収後残留物)を静電的あるいは機械的に除去する。この残留現像剤成分とは、例えば、転写されずに感光体ドラム2上に残留した現像剤60のうち、帯電装置51で回収されなかった正規帯電トナー61a(図1中、「−」にて示す)を意味する。
【0077】
より詳細には、感光体ドラム2の回転方向に対して、現像ローラ23と感光体ドラム2とが近接する現像領域5の現像ギャップBよりも上流側において、残留現像剤成分を、スリーブ23bの表面に形成した図示しない磁気ブラシで摺擦する。これによって、正規帯電トナー61a、および正規帯電トナー61aに付着した紙等の異物を、感光体ドラム2表面から静電的あるいは機械的に除去して、現像槽22内に回収できる。すなわち、正規帯電トナー61aを現像ローラ23に吸着し、現像ローラ23の回転に伴って、現像ローラ23よりも奥に備えた現像槽22に戻すことができる。また、回収したトナー61aを、現像槽22内にて、現像槽22に設けた図示しない攪拌ローラを用いて十分に攪拌帯電させることができる。そして、回収した正規帯電トナー61aの電荷を所定の電荷量に調整した後に、再度、現像に利用できる。このように、トナーを回収してトナー像メモリを防止するとともに、回収した正規帯電トナー61aを再利用できる。
【0078】
また、現像ローラ23の回転方向は、感光体ドラム2とアゲンスト回転であることが好ましい。すなわち、現像領域5において、現像ローラ23と感光体ドラム2とが逆方向に移動する構成が好ましい。これにより、正規帯電トナー61a等の異物を、現像ギャップBを通過する前に回収して、回収効率をさらに高めることができる。ここで、現像ギャップBとは、現像ローラ23と感光体ドラム2との最近接位置を意味し、本実施形態においては2mmとする。
【0079】
なお、本発明に係る画像形成装置は、二成分現像方式に限定されるものでなく、一成分現像方式を用いた場合にも、感光体ドラム2上の残留物である正規帯電トナー61aを現像槽22内に回収することができる。
【0080】
また、現像ローラ23と感光体ドラム2とは周速比を有していることが好ましい。ここで、現像ローラ23と感光体ドラム2とが周速比を有しているとは、現像ローラ23と感光体ドラム2とが、回転の際に有限の相対速度を有することを意味する。例えば、感光体ドラム2に対する現像ローラ23の周速比(現像周速比)は、1倍〜4倍の範囲内に設定されることが好ましい。本実施形態においては、周速比を1.25とする。なお、周速比は、現像剤層の厚みを規定するドクターギャップA、現像剤60のトナー濃度および要求現像量に応じて、適宜設定することができ、特に限定されない。なお、例えば、上記の周速比が小さすぎると現像量不足になり易く、大きすぎると現像剤60の劣化が加速され、短命化や現像ローラ23へのトナー61の融着を引き起こす等の問題を招来するおそれがある。
【0081】
画像形成装置1の転写装置31は、感光体ドラム2上にて現像された現像材像を印刷シートPに転写するためのものである。なお、図1においては説明のため転写装置31に接している印刷シートPと感光体ドラム2とが離間しているように示しているが、実際には印刷シートPと感光体ドラム2とは接触している。
【0082】
転写装置31は、転写ローラ32を備えている。転写ローラ32は、感光体ドラム2とともに回転して、印刷シートPを感光体ドラム2と転写ローラ32とのニップ部(転写領域)にて搬送する。また、転写ローラ32には、電源33から所定の転写バイアスが印加される。そして、転写ローラ32が感光体ドラム2に印刷シートPを圧接することによって、感光体ドラム2上に形成されたトナー像が印刷シートPに転写される(転写工程)。なお、本実施の形態では、例えば、転写バイアスを+2kvとし、プロセス速度が130mm/sとなるように転写ローラ32を回転駆動する。
【0083】
撹乱装置41は、感光体ドラム2上の異物を攪拌するものである。この異物とは、例えば、転写工程後に、印刷シートPに転写されずに感光体ドラム2上に残留したトナー61(残留トナー)、キャリア62等の残留現像剤成分(残留物)や、感光体ドラム2表面に付着した紙粉(図1中、「紙」にて示す)等である。
【0084】
撹乱装置41は、感光体ドラム2表面に帯電装置51の帯電ローラ52が近接する領域である帯電領域6よりも、感光体ドラム2の回転方向の上流側に備えられている。撹乱装置41が、後述するように、感光体ドラム2表面に残った異物(キャリア、紙、トナーの凝集塊)を攪拌し、ほぐすので、帯電装置51における異物の回収効率を高めるとともに、残留トナーによる画質劣化(像メモリー)を防止することができる。
【0085】
本実施形態の撹乱装置41は、感光体ドラム2と接触して配設された導電性ブラシ42を備えている。導電性ブラシ42は、感光体ドラム2上の異物を撹乱するものである。ブラシ構造なので、残留現像剤成分等の異物はブラシの隙間を通り抜ける。これにより、異物の滞留を防止して異物を撹乱できるとともに、感光体ドラム2表面に傷が付くことを防止できる。
【0086】
また、導電性ブラシ42には、電源43から、正規現像であるか反転現像であるかに応じたバイアス電圧が印加される。反転現像の場合にはトナー61の主帯電極性(−)に対して逆極性(+)、または、転写バイアス(+)と同極性のバイアス(+)が印加される。正規現像の場合にはトナー61の主帯電極性(+)に対して同極性(+)、または、転写バイアス(−)と逆極性のバイアス(+)が印加される。
【0087】
また、導電性ブラシ42に、適切なバイアス電圧が印加されることによって、感光体ドラム2上の異物である残留現像剤成分の電荷を調節することができる。すなわち、撹乱装置41は、この導電性ブラシ42によって、感光体ドラム2上の異物の電荷を調整する。例えば、現像領域5において、マイナス(−)電荷を帯びているトナー61は、転写領域において、転写バイアス(+2kV)で若干のプラス(+)電荷を帯びるようになる。そして、導電性ブラシ42によって、例えば+500Vの電圧が印加されるので、トナー61はプラス帯電するようになる。これによって後に帯電ローラ52にて効率よくトナー61(逆帯電トナー61b)を除去できる。
【0088】
このように帯電領域6の上流側に撹乱装置41を設け、転写されずに感光体ドラム2表面に残った残留現像剤成分等の異物を撹乱し、ほぐすことによって、帯電ローラ52においての異物の回収効率を高めることができる。
【0089】
また、導電性ブラシ42によって、残留トナーが現像時に有していた初期の電荷を失わせることができる。これによって帯電ローラの回収効率を向上せしめ、トナー像メモリを防止できる。また、感光体ドラム2に残留した電位を平坦化することができる。これにより感光体ドラム2の電位および残留物の電圧調整が可能となる。
【0090】
なお、導電性ブラシ42にバイアス電圧(ブラシバイアス)が印加されるので、残留現像剤成分等の異物が導電性ブラシ42に付着することはない。また、導電性ブラシ42に付着した異物によって異物が滞留し、撹乱効果が低下するといった不具合が生じることはない。
【0091】
画像形成装置1の帯電装置51は、移動する感光体ドラム2を帯電させるためのものである。帯電装置51は、感光体ドラム2の表面に近接して、感光体ドラム2とは非接触の状態で配置される。
【0092】
帯電装置51は、導電性の円筒または円柱形状の部材、およびその表面を被う抵抗層を備えた帯電ローラ52を有している。帯電ローラ52は、移動する感光体ドラム2に対向配置されている。
【0093】
帯電ローラ52は、バネ55によって付勢されている。バネ55を用いて帯電ローラ52の位置を調節して、帯電装置51と感光体ドラム2との間隔(帯電ギャップ)Cをキャリアの径以下とする。これにより、帯電ギャップCへのキャリアの食い込み(侵入)を排除できる。食い込みがないので、後述するように、帯電ローラ52を用いて、質量が大きく静電的に吸引しにくいキャリアであっても確実に掻きあげることができる。
【0094】
本実施形態の帯電ローラ52は、導電性素管52aと、導電性素管52aの表面を覆う抵抗層52bとを備えたマグネットローラである。導電性素管52aに、電源53a・53bから電圧を印加することによって、抵抗層52bを介して感光体ドラム2表面を帯電させる。
【0095】
電源53aは帯電ローラ52に直流電圧を印加する直流電源である。電源53bは帯電ローラ52に交流電圧を印加する交流電源である。これによって、帯電ローラ52には、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。帯電ローラ52に電圧が印加されると、帯電ローラ52と感光体ドラム2表面との間に放電が生じて、感光体ドラム2の帯電領域6が帯電する。このように帯電した帯電領域6に、露光装置11からの露光がなされて静電潜像が形成され、現像装置21による現像がなされて現像剤像が形成される。
【0096】
また、帯電装置51は、感光体ドラム2上の残留現像剤成分を抵抗層52bの表面に吸着する。残留現像剤成分とは、具体的には、例えば、残留した現像剤60のうちの逆帯電トナー61b(図1中、「+」にて示す)およびキャリア62を示す。これらの残留現像剤成分は、転写されずに感光体ドラム2に残留したものである。このように、帯電装置51は、逆帯電トナー61b、キャリア62およびこれら逆帯電トナー61bやキャリア62に付着した正規帯電トナーや紙等の異物(転写材屑63など)の凝集魂を、感光体ドラム2表面から除去するクリーニング装置としても機能する。
【0097】
また、上述のように、帯電ローラ52には、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧(重畳電圧)が印加され、かつ磁場が形成されている。本実施の形態では、−600Vの直流成分に、ピーク間電圧が1.8KVp−p、周波数が900Hzの交流電圧を重畳して印加している。
【0098】
帯電ローラ52に、帯電バイアスとしてマイナス(−)の直流電圧が印加されているので、プラス(+)電荷を有する逆帯電トナー61bを静電吸着することができるようになっている。
【0099】
また、特に、帯電ローラ52に、重畳電圧、この場合は、マイナス(−)の直流成分(直流電圧)に交流電圧が重畳された重畳電圧が印加されているので、感光体ドラム2表面の残留物である異物を加振することができる。これによって、感光体ドラム2からの異物の離脱を促進できる。また、逆帯電トナー61bを効率良く静電吸着して、逆帯電トナー61bの除去効率を高くできる。
【0100】
また、キャリア62は質量が大きいため、静電吸着による場合は帯電ローラ52にかかる負担が大きくなる。このため、静電力でキャリア62を回収するのは効率が悪い。しかしながら、帯電ローラ52には磁場も形成されているので、キャリア62を非機械的に磁気吸引力によって回収するができる。これによって、キャリア62の回収効率を高くできる。
【0101】
また、本実施の形態においては、帯電ローラ52と感光体ドラム2とは、アゲンスト回転するようになっている。すなわち、帯電ローラ52と感光体ドラム2とは、最近接位置にて、対面する面の移動方向が互いに逆方向となるように回転する。図1においては、上述のように感光体ドラム2が矢印方向(時計回り)に速度(プロセス速度)Vで回転する一方、帯電ローラ52が矢印方向(時計回り)に速度Vで回転する。なお、帯電領域6における感光体ドラム2と帯電ローラ52との相対速度は、ΔV=V−Vで与えられる。
【0102】
これにより、転写後に感光体ドラム2上に残留している逆帯電トナー61bやキャリア62等の異物は、帯電領域6の帯電ギャップCを通過する前に、帯電ローラ52に吸着されて除去される。ここで、帯電ギャップCとは、帯電ローラ52の放電面と感光体ドラム2との最近接位置におけるギャップである。
【0103】
なお、帯電ローラ52と感光体ドラム2とが、ウィッズ回転(帯電ローラ52と感光体ドラム2との対面する面の移動方向が互いに同方向)する場合には、帯電ローラ52に吸着された異物が帯電領域6を追加した後に除去されることになる。したがって、異物が帯電ギャップCに侵入して、帯電精度が悪くなってしまう。
【0104】
また、帯電ローラ52に重畳電圧(AC(交流)重畳バイアス)を印加した場合、帯電領域6の終了部付近では感光体ドラム2の表面電位は直流バイアスの電圧とほぼ同一に帯電される。したがって、ウィッズ回転においては、帯電領域6を経た後に回収を行うので、逆帯電トナー61bを静電的に回収する能力が大幅に減少する。一方、アゲンスト回転では、逆帯電トナー61bを、帯電領域6よりも感光体ドラム2の回転方向上流側で回収、搬送できるので、帯電ローラ52のAC重畳バイアスの直流(DC)成分を用いて、逆帯電トナー61bを有効に静電回収できる。
【0105】
特に、反転現像においては、逆帯電トナー61bが未露光部に残留する状態で現像領域5に侵入すると、感光体ドラム2への静電吸引力が強いので現像ローラ23に回収されない。このため、現像領域5で正規帯電トナー61aを静電的に吸引し、感光体ドラム2上のトナー61の量が増幅された状態で転写工程に移ることになる。したがって、顕著な白地汚れを発生させてしまう。そこで、上述のようにアゲンスト回転を用いて逆帯電トナー61bを回収する。
【0106】
また、帯電装置51は、帯電ローラ52に当接して設けられるクリーニングフィルム54を有している。クリーニングフィルム54は、クリーニングブレードとトナー搬送スクリューとからなる。クリーニングフィルム54は、帯電ローラ52に当接することによって、帯電ローラ52表面上のトナーを除去できるものであればよい。クリーニングフィルム54をプレートまたはフィルムによって構成すれば、安価で簡単な清掃部材とすることができる。
【0107】
このように、クリーニングフィルム54は、帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取り、帯電ローラ52の表面を清掃するとともに、異物のうちのトナー成分を現像槽22内に回収する異物回収手段として機能する。これにより、帯電精度を高めて、印刷シートPの白地部分における黒点の発生を防ぐことができる。
【0108】
すなわち、クリーニングフィルム54を用いて、帯電ローラ52に吸着された逆帯電トナー61b等の異物を、現像槽22に戻すことができる。よって、正規帯電トナー61aと同様に、現像槽22に戻した逆帯電トナー61bを十分に攪拌帯電させることができる。この結果、帯電が大きく変化した逆帯電トナー61bもまた再利用が可能となる。なお、クリーニングフィルム54の材質としては、例えばポリエチレンテレフタートが用いられる。
【0109】
なお、クリーニングフィルム54は、導電性を有していることが好ましい。この構成であれば、摩擦帯電した電荷を失わせることができる。すなわち、クリーニングフィルム54と帯電ローラ52との摩擦によって摩擦帯電が生じたとしても、電荷を失わせて、クリーニングフィルム54のチャージアップによる清掃性能の経時劣化を防止できる。
【0110】
また、帯電装置51のクリーニングフィルム54を異物回収手段として機能させるので、異物を除去、回収するための手段を帯電装置51と別に設ける必要がなく、画像形成装置1の構造の簡素化を図ることができる。
【0111】
また、帯電ローラ52が、感光体ドラム2とはアゲンスト回転するので、クリーニングフィルム54によって清掃した帯電ローラ52の領域を、感光体ドラム2との対向領域へと供給できる。したがって、帯電ローラ52と感光体ドラム2との間に異物が食い込まれることなく、積極的に異物を掻きあげることができる。
【0112】
また、帯電装置51において残留トナー等を除去できるので、クリーニングプレートなどを用いた場合の摺擦による感光体ドラム2の磨耗や、接触部材を用いた場合のトナーの融着を防止できる。また、感光体ドラム2の負荷トルクを低減できる。
【0113】
なお、帯電ローラ52の表面(抵抗層52b)を、表面エネルギーもしくは表面張力が小さく離型性を有する材料にて形成することも好ましい。例えば抵抗層52bを、導電性テフロン(登録商標)等から構成してもよい。このようにすれば、クリーニングフィルム54における清掃性能を向上できる。
【0114】
ここで、上記の構成の画像形成装置1における画像形成プロセスについて、図1を参照しながら以下に説明する。
【0115】
まず、感光体ドラム2の帯電領域6が帯電装置51によって帯電される。次いで、感光体ドラム2の回転に伴って移動した帯電領域6に、露光装置11のレーザ光源11aから、形成する画像情報に基づいて変調されたレーザ光12が照射され、感光体ドラム2上に静電潜像が形成される。
【0116】
次いで、感光体ドラム2の回転に応じて、現像領域5において、現像ローラ23から感光体ドラム2の静電潜像にトナー61が供給される。トナー61が静電潜像に静電的に吸着し、静電潜像はトナー像として可視像化(現像剤像化)される。
【0117】
感光体ドラム2上に形成されたトナー像は、感光体ドラム2と転写装置31とのニップ部(転写領域)を通過する際に、図示しない給紙手段から給紙された印刷シートPに転写される。その後、印刷シートPは図示しない定着装置に搬送され、ここでトナー像が印刷シートPに定着される。定着済みの印刷シートPは、図示しない排出手段により、図示しない排出トレイ等に排出される。
【0118】
一方、転写領域で印刷シートPに転写されずに感光体ドラム2上に残留した残留現像剤は、導電性ブラシ42により撹乱されてほぐされる一方、導電性ブラシ42によりバイアス(+)が印加されて電荷調節される。
【0119】
その後、感光体ドラム2上に残留している残留現像剤成分が帯電ローラ52によって、磁気的あるいは静電的に吸着されてクリーニングされる。帯電ローラ52に吸着された残留現像剤成分は、クリーニングフィルム54により帯電ローラ52から除去され、現像槽22内に戻される。
【0120】
また、留現像剤成分が除去された感光体ドラム2は、帯電ローラ52によって再度帯電され、所定枚数の転写が終了するまで、露光、露光、現像、転写、クリーニングが繰り返される。
【0121】
また、帯電ローラ52通過後に感光体ドラム2上に残留している未除去の残留現像剤成分(正規帯電トナー61a)は、現像装置21を通過する際に、現像領域5よりも感光体ドラム2の回転方向上流側で、現像ローラ23に形成された図示しない磁気ブラシの摺擦によって静電的あるいは機械的に回収されて現像槽22内に戻される。
【0122】
上記構成の画像形成装置1を用いて、以下のように画像評価を行った。
【0123】
本実施形態の画像形成装置1は、人間(使用者)の知覚特性を考慮した画像形成装置である。ここで、視野幅Lを350mmとした場合における、白黒パターンに対する人間の視覚の空間周波数特性VTF(visual transfer function)を図2に示す(引用文献:日本写真学会編、「ファインイメージングとハードコピー」、コロナ社、1999年、P534、図8.32)。
【0124】
図2において、横軸は単位をcycle/mmとする空間周波数Kを示しており、縦軸は空間周波数が0の場合を1として規格化した視覚特性を示す。
【0125】
空間周波数は、波長(単位mm)の逆数に相当する。例えば、幅が0.25mmの黒ラインと0.25mmの白ラインを1組として、ラインが交互に平行に描かれている場合には、1mmの幅には2組の黒白ラインが含まれる。この場合、空間周波数として、2(cycle/mm)であるとする。また、視覚特性VTFは、その波長のパターンを知覚、認識できるかどうかの指標である。
【0126】
図2に示すように、視野幅L=350mmとしたときの視覚特性は、空間周波数が増加するに従って低下する。例えば、空間周波数が2(cycle/mm)以上となると、人間の視覚はかなり低下し、4(cycle/mm)以上になると視覚特性は0に近い値となる。この視覚特性が0に近い領域では、白黒パターンを判別できなくなり、パターンはハーフトーンとして知覚される。
【0127】
ここで、上述した帯電装置51は、ACを重畳することにより帯電電位変動を大幅に改善するものであるが、改善された帯電電位には重畳したACに起因する帯電変動が出現し高画質化の妨げとなりうる。これは、ハーフトーンの画像において濃淡パターンとして観察され、濃度変動ががさつき(粒状感)として顕著に目立つものである。上述した帯電装置51は、AC重畳に起因する濃度変動パターンの空間周波数を高くして、パターンとして知覚させない構成である。特に、本実施形態では、帯電装置51に印加する交流電圧の周波数を高くすることによって、パターンの空間周波数を高くする。これは、帯電装置51に印加する電圧の周波数に応じて、帯電装置51と感光体ドラム2との間で放電が生じて、感光体ドラム2に重畳したACに起因した帯電変動が生ずるためである。
【0128】
本実施形態においては、4(cycle/mm)以上の空間周波数として、ハーフトーンが得られるようにする。つまり、プロセス速度をV(mm/s)としたとき、電源53bから帯電装置51の帯電ローラ52に印加する交流電圧の周波数F(Hz)を、
4(cycle/mm)×V(mm/s)≦F(Hz) …(1)
を満足する交流電圧とする。
【0129】
このため、帯電によって生ずるパターンが静電潜像化、現像剤像化された後でも、このパターンが知覚されないようにできる。ここで、帯電によって生ずるパターンが知覚される場合には、得られる画像にがさつきが生じてしまう。本発明の構成によれば、このがさつきを抑えることができる。すなわち、図2に基づけば、ACに起因する濃度変動の空間周波数成分が4(cycle/mm)以上であれば、視覚特性により濃淡パターンを判別できなくなる。そしてその結果、上記のがさつきを感じられなくなると考えられる。
【0130】
ここで、画像評価を以下のような条件で行った。まず、帯電ローラ52に対しては、直流電圧−600Vに交流電圧を重畳した電圧を印加した。また、プロセス速度Vは130mm/sの条件とする。
【0131】
そして、高温高湿(High temperature, High humidity:HH)環境、標準(Normal temperature, Normal humidity:NN)環境、および低温低湿(Low temperature, Low humidity:LL)環境での画像評価を行った。
【0132】
また、LL環境は、温度5℃、湿度15%とする。また、NN環境は、温度25℃、湿度50%とする。また、HH環境は、温度35℃、湿度85%とする。
【0133】
この条件下では、LL、NN、HHの全環境において、交流電圧周波数が500Hz以下で、図3に示すように、ハーフトーンに「がさつき」が見られた。ここで、「がさつき」とは、緻密で均一なグレイでなく、粒状感のある状態をいう。この「がさつき」は、交流電圧を重畳したときの交流電圧周波数に起因するものである。
【0134】
ここで、上述したように、画質評価では、プロセス速度V130mm/sのとき、500Hz以下の交流電圧周波数でがさつきが生じた。この場合、上述の条件式(1)を考慮すると、
Figure 2004177615
となる。すなわち、交流電圧の周波数Fが十分に大きくなかったために、がさつきが知覚されたものと思われる。また、500Hzの周波数にて、がさつきの知覚の有無が切り替わるため、上述のように4(cycle/mm)以上の空間周波数で視覚的に良好な画質が得られることが確認できた。
【0135】
また、本実施形態の帯電装置51は、上述のように、帯電ローラ52に電圧を印加して感光体ドラム2を帯電させる帯電装置である。帯電ローラ52に電圧を印加すると、これによって帯電ローラ52と感光体ドラム2との間に静電吸引力が生じる。そして、帯電ローラ52に電源53bからの交流電圧を重畳すると、上記の静電吸引力が交流電圧に応じて変化する。これにより、感光体ドラム2の振動が引き起こされ、帯電音と呼ばれる異音が発生してしまう。すなわち、帯電音は、帯電ローラ52に印加する交流電圧の周波数に応じた周波数で発生する。
【0136】
ここで、人間に知覚される音の大きさの等感曲線を図4に示す(引用文献:東京天文台編、「理科年表」、丸善株式会社、1995年、P498)。
音の大きさの等感曲線とは、周波数を変化させたときの、同じ大きさに聞こえる音の音圧レベルの変化を示すものである。
【0137】
図4に示すように、約2100Hzから5000Hzの領域においては、等感曲線が下向きの凸形状となっており、同じ大きさに聞こえる音の音圧レベルが低くなっていることが分かる。すなわち、この2100Hzから5000Hzの領域においては、人間の聴覚が敏感となり、音圧レベルが低くても、大きな音として知覚されてしまう。
【0138】
言い換えると、周波数が低い範囲から2100Hzを超えると、知覚されるために必要な音圧レベルが低下する。このため、実効的に人間の聴覚が向上したのと同様となり、それまでに聞こえていなかった音を聴き取ることができてしまう。一方、例えば、周波数が低い500Hz〜1000Hzの範囲では、音圧レベルがフラットであり、大きな音として知覚されるには、大きな音圧レベルが必要となる。
【0139】
そこで、交流電圧周波数の上限値を2100Hzとする、すなわち、
F(Hz)<2100 …(2)
を満足するような周波数F(Hz)の交流電圧を帯電ローラ52に印加する。この周波数に応じて帯電ローラ52と感光体ドラム2とによって生ずる異音は、人間にとって聴き取りにくい音となる。このようにして、異音の発生を抑えることができる。
【0140】
このように、上述の式(1)を考慮すると、本実施形態における交流電圧の周波数Fは、4(cycle/mm)×V(mm/s)≦F(Hz)<2100を満たすようになっている。
【0141】
以上のような、プロセス速度、周波数の条件に加えて、さらに交流電圧の好ましい振幅(波高値Vac(Vp−p))の値について説明する。
【0142】
ここで、この好ましい振幅は、帯電条件に関係するものである。このため、好ましい振幅は、温度、湿度、気圧などに応じて変化する。したがって、以下では、温度、湿度などの異なる環境ごとに、好ましい振幅を区別して調べる。
【0143】
交流電圧の周波数を500(Hz)<F<2100(Hz)の範囲に設定した上で、LL、NN、HH環境のそれぞれにおいて、安定帯電が可能な条件を調べた。
【0144】
その結果、図5〜図7に示す結果が得られた。図5〜図7中、それぞれ長方形に囲まれた領域で安定した帯電が得られた。すなわち、この領域に相当するパラメータの範囲が、安定帯電できる範囲(安定帯電領域)である。それぞれの安定帯電領域は以下の通りである。
【0145】
例えば、LL環境においては、図5に示すように、周波数の範囲が500Hz<F<2100Hzのときに、1800(Vp−p)≦Vac≦2400(Vp−p)の振幅とすると、安定した帯電が得られた。
【0146】
また、例えばNN環境においては、図6に示すように、周波数の範囲が500(Hz)<F<2100(Hz)のときに、1300(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)の振幅とすると、安定した帯電が得られた。
【0147】
また、例えばHH環境においては、図7に示すように、周波数の範囲が500Hz<F<2100Hzのときに、1500(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)の振幅とすると安定した帯電が得られた。
【0148】
なお、図5〜図7とも、安定帯電領域よりも低い交流電圧(Vp−p)では、図8に示すような鱗状の帯電ムラが発生した。
【0149】
また、安定帯電領域よりも高い交流電圧(Vp−p)では、図9に示すような、黒線が疎らに散らばってみられる帯電異常が発生した。
【0150】
ここで、HH環境とNN環境とでは、HH環境の安定帯電領域における交流電圧(Vp−p)の下限値のほうが、NN環境の安定帯電領域における交流電圧の下限値よりも200V低い。一方、交流電圧(Vp−p)の上限値は、HH環境とNN環境ともに同じである。
【0151】
また、LL環境は、交流電圧(Vp−p)の下限値、上限値ともに、HH、NN環境それぞれにおける交流電圧値よりも大きい。これは、LL環境での放電開始電圧が、HHやNN環境と比較して高くなっているためと考えられる。
【0152】
上述したように、安定帯電領域よりも低い、あるいは高い交流電圧(Vp−p)では、帯電の不安定に由来する画像の乱れがある。低い交流電圧(Vp−p)では鱗状の帯電ムラが発生する。高い交流電圧(Vp−p)では、黒線が疎らに散らばった帯電異常が発生する。このように、交流電圧の振幅に応じて、異なる現象が見られた。
【0153】
このような結果は、以下に示す原因によるものと考えられる。
【0154】
まず、交流電圧(Vp−p)が低い場合は、充分な放電開始電圧に達していないので、全体的に放電が不安定な状況である。ここで、放電の際には、帯電ギャップC、帯電ローラ52の抵抗、感光体ドラム2の誘電率等のミクロなばらつきによって、放電する部分と、放電しない部分とがランダムに存在する。このため、帯電部分と不帯電部分が鱗状に分布することになる。
【0155】
一方、高い交流電圧(Vp−p)の場合は、充分な電圧が印加されているので、基本的には安定した帯電となっている。しかし、電圧が高すぎるため、みなし抵抗が周りよりも特に高いところで過放電が起きる。このみなし抵抗とは、帯電ギャップ、帯電ローラ52の抵抗、感光体ドラム2の誘電率等で総合的に決まる、放電の際の実効的な抵抗である。そして過放電を修正できないとき、帯電不均一部分がライン状に現われると考えられる。
【0156】
ここで、本実施形態の帯電装置51は、HH、NN、LL環境の全ての環境に対応できるように、以下のような条件で駆動する。
【0157】
すなわち、交流(AC)電圧が固定されており、その波高値をVac(Vp−p)、周波数をF(Hz)、プロセス速度をV(mm/s)としたとき、
1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p) …(3)
を満たすようにする。波高値Vacがこの条件式(3)を満たすので、上述のHH、NN、LL環境において、良好な画像を得ることができる。
【0158】
また、本実施形態の画像形成装置1は、検出装置(環境検出手段)56と制御装置(調整手段)57とを備えている。
【0159】
検出装置56は、環境に応じてより適切な処理を行うように、帯電装置51の周囲の環境状態を検出するものであり、本実施形態においては、湿度を検出する湿度検出手段として機能する。また、制御装置57は、検出装置56において検出した温度・湿度に基づいて電源53bを制御して、帯電装置51に印加する交流電圧を調整する調整手段として機能する。
【0160】
より詳細には、検出装置56、制御装置57は以下のように動作する。放電特性は湿度によって支配されるので、本実施形態においては、特に、湿度に応じて交流電圧を調整する。
【0161】
検出装置56の検出した湿度をD(%)とすると、
D≧50のときには、
ac≒1800(Vp−p) …(4)
とし、D<50のときは、
ac≒{1800+8.6×(50−D)}(Vp−p) …(5)
とするように、制御装置57が交流電圧の波高値Vacを調整する。
【0162】
なお、式(5)における8.6という数値は、
(2400−2100)Vp−p/(50−15)%=8.6(Vp−p/%)
より求めたものである。すなわち、
{LL環境の安定帯電領域における交流電圧(Vp−p)の上限値−NN環境の安定帯電領域における交流電圧(Vp−p)の上限値}/(NN環境の湿度−LL環境の湿度)%=8.6(Vp−p/%)
から求めたものである。
【0163】
このように、式(4)および式(5)は、NN環境およびHH環境(D≧50)と、LL環境(D<50)を考慮している。
【0164】
また、上記の式(4)、(5)を考慮すると、D≧50のときは、
1500(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p) …(6)
を満足し、
D<50のときは、
{1500+8.6×(50−D)}(Vp−p)≦Vac≦{2100+8.6×(50−D)}(Vp−p) …(7)
を満足することが分かる。
【0165】
このように、画像形成装置1の環境に応じて、その都度、重畳する交流電圧を制御すれば、動作マージンを拡大することができる。
【0166】
以上のように、画像形成装置1は、プロセス速度がV(mm/s)のとき、4(cycle/mm)V≦F(Hz)を満たす周波数F(Hz)の交流電圧を電源53bから帯電装置51に印加することによって、感光体ドラム2を帯電させる構成である。
【0167】
それゆえ、交流周波数によって生ずる帯電ムラを、人間に知覚させないようにして、ハーフトーンとして表示することができる。
【0168】
また、周波数Fを、F<2100Hzとする構成である。したがって、交流周波数によって生ずる異音を人間に知覚させない。
【0169】
また、上記実施の形態では、感光体として感光体ドラム2を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。感光体ドラム2に代えて、無端状の導電性ベルトが間隔を置いて回転可能に設けた支持ローラ間に張装された、いわゆる感光体ベルトを用いてもよい。
【0170】
また、上記実施の形態では、転写手段として、転写ローラを備えた転写装置31を例に挙げて説明したが、転写装置は、無端状の導電性ベルトが間隔をおいて回転可能に設けた支持ローラ間に張装された転写ベルトであってもよい。
【0171】
また、上記実施の形態では、帯電装置51が、異物回収手段としてのクリーニングフィルム54を備え、クリーニングフィルム54によって、帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取り、現像槽22内に回収する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、クリーニングフィルム54を使用する代わりに、クリーニングブレードで掻き取った異物を回収容器に回収することで、掻き取った異物を現像槽22内に戻すことなく回収あるいは除去する構成としても構わない。しかしながら、画像形成装置1が、クリーニングフィルム54、または現像ローラ23を備えていれば、逆帯電トナー61b、または正規帯電トナー61aを現像槽22に戻せるので、再利用できる。
【0172】
なお、従来の特開2002−55512号公報には、上述のように、帯電装置に対して印加する交流電圧の周波数をF(Hz)とし、感光体の表面の移動速度をv(mm/秒)としたとき、F(Hz)≧40(1/mm)・v(mm/秒)を満たすようにする構成が開示されている。
【0173】
ここで、上記公報記載の発明は、像担持体を均一に帯電し、帯電ムラを無くすことを目的とするものであり、例えば移動速度vを本願の上記実施形態のように130(mm/s)とした場合には、周波数FはF≧5200(Hz)を満たす必要がある。この場合には、帯電装置と感光体とによって振動が生ずる際に、この周波数成分が低周波数側に移動して、異音を生ずるおそれがある。また、振動数が非常に高いので、帯電装置や感光体などが劣化するおそれもある。
【0174】
一方、本発明に係る上述の構成によると、振動数FをF<2100(Hz)となるように設定するので、周波数成分が低周波数側に移動したとしても異音を発生することはない。また、振動数が低いので、振動により劣化するおそれはない。
【0175】
また、本発明に係る画像形成装置は、プロセス速度がV=130(mm/s)程度であることを考慮して、F<2100(Hz)を満たすように、4×V≦F(Hz)<16×Vとなる周波数Fを設定する構成であってもよい。
【0176】
また、従来の特開平6−19275号公報には、例えば請求項9として、プロセススピードをS(mm/s)、交流電界の周波数をf(Hz)としたときに、S/f≦0.08とする、すなわち12.5×S≦fとする構成が開示されている。
【0177】
しかしながら、上記公報に記載の構成は、帯電装置の帯電部材の位置を固定させた構成である。また、上述のように、人間の知覚については全く考慮していない。
【0178】
ここで、本願の図4に示すように、周波数が低い500Hz〜1300Hzの範囲では、大きな音として知覚されるための音圧レベルはフラットとなっている。したがって、本発明に係る画像形成装置は、プロセス速度がV=130(mm/s)程度であることを考慮して、500≦F(Hz)≦1300を満たすように、4×V≦F(Hz)≦10×Vとなる周波数Fを設定する構成であってもよい。
【0179】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0180】
上述の具体的な実施形態は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0181】
【発明の効果】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、感光体のプロセス速度がV(mm/s)のとき、係数を4(cycle/mm)として、4×V≦Fを満たす周波数F(Hz)の交流電圧を帯電装置に印加することによって上記感光体を帯電させる構成である。
【0182】
それゆえ、交流電圧によって感光体の帯電領域に生ずる帯電パターンを人間に知覚させないので、良好な画像を得ることができるという効果を奏する。
【0183】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、F(Hz)<2100(Hz)を満たす周波数Fの交流電圧を帯電装置に印加することによって感光体を帯電させる構成である。
【0184】
それゆえ、F<2100を満たすF(Hz)の周波数を帯電装置に印加するので、帯電装置に交流電圧を印加することによって生ずる異音が人間(使用者)に知覚されにくくなり、異音の発生を抑えることができるという効果を奏する。
【0185】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記構成において、上記交流電圧の波高値Vac(Vp−p)が、1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満たす構成である。
【0186】
それゆえ、温度や湿度の異なる環境においても、良好な画質を得ることができるという効果を奏する。
【0187】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記構成において、上記帯電装置の周囲の環境状態を検出する環境検出手段と、上記環境検出手段の検出結果に基づいて、上記帯電装置に印加する上記交流電圧を調整する調整手段とを備えている構成である。
【0188】
それゆえ、湿度、気圧などの環境に大きく依存する放電を用いた帯電装置による感光体の帯電を、環境に応じて交流電圧を適切なものに調整して、良好に動作させることができ、動作マージンを拡大することができるという効果を奏する。
【0189】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記構成において、上記環境検出手段が上記帯電装置の周囲の湿度を検出するとともに、上記調整手段が、上記環境検出手段の検出した湿度をD(%)としたとき、D≧50のときは、1500(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満足し、D<50のときは、{1500+8.6×(50−D)}(Vp−p)≦Vac≦{2100+8.6×(50−D)}(Vp−p)を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整する構成である。
【0190】
それゆえ、上記構成に基づいて重畳する交流電圧を制御するので、動作マージンを効率よく、確実に拡大できるという効果を奏する。
【0191】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記構成において、上記調整手段が、D≧50のときは、Vac≒1800(Vp−p)を満足し、D<50のときは、Vac≒{1800+8.6×(50−D)}(Vp−p)を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整する構成である。
【0192】
それゆえ、上記構成に基づいて重畳する交流電圧を制御するので、交流電圧の電圧マージンを最適にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略の断面図である。
【図2】人間の知覚(視覚)特性と空間周波数との関係を示すグラフである。
【図3】画像形成装置の帯電装置に交流電圧を印加した場合に得られる画像パターンの一例を示す平面図である。
【図4】人間の知覚(聴覚)特性を説明するための、同じ音の大きさとして知覚される音をプロットしたグラフである。
【図5】上記画像形成装置を用いた所定環境下での印刷において、好ましい画像が得られた条件を示すグラフである。
【図6】上記画像形成装置を用いた他の環境下での印刷において、好ましい画像が得られた条件を示すグラフである。
【図7】上記画像形成装置を用いたさらに他の環境下での印刷において、好ましい画像が得られた条件を示すグラフである。
【図8】画像形成装置を用いて得られた画像パターンの一例を示す平面図である。
【図9】画像形成装置を用いて得られた画像パターンの他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム(感光体)
51 帯電装置
52 帯電ローラ
53a 直流電源(電源)
53b 交流電源(電源)
56 検出装置(環境検出手段)
57 制御装置(調整手段)

Claims (6)

  1. 対向配置される感光体の帯電領域を帯電させる帯電装置を備え、上記帯電装置によって帯電された上記感光体の上記帯電領域に画像の形成を行う画像形成装置において、
    上記感光体のプロセス速度がV(mm/s)のとき、係数を4(cycle/mm)として、4×V≦Fを満たす周波数F(Hz)の交流電圧を上記帯電装置に印加することによって上記感光体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 対向配置される感光体の帯電領域を帯電させる帯電装置を備え、上記帯電装置によって帯電された上記感光体の上記帯電領域に画像の形成を行う画像形成装置において、
    F(Hz)<2100(Hz)を満たす周波数Fの交流電圧を上記帯電装置に印加することによって上記感光体を帯電させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 上記交流電圧の波高値Vac(Vp−p)が、1800(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 上記帯電装置の周囲の環境状態を検出する環境検出手段と、
    上記環境検出手段の検出結果に基づいて、上記帯電装置に印加する上記交流電圧を調整する調整手段とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 上記環境検出手段が上記帯電装置の周囲の湿度を検出するとともに、
    上記調整手段が、上記環境検出手段の検出した湿度をD(%)としたとき、
    D≧50のときは、1500(Vp−p)≦Vac≦2100(Vp−p
    を満足し、D<50のときは、
    {1500+8.6×(50−D)}(Vp−p)≦Vac≦{2100+8.6×(50−D)}(Vp−p
    を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 上記調整手段が、D≧50のときは、Vac≒1800(Vp−p)を満足し、
    D<50のときは、Vac≒{1800+8.6・(50−D)}(Vp−p
    を満足するように、上記交流電圧の上記波高値Vacを調整することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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