JP2004177327A - 角度検出装置および折畳式携帯情報端末 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、ヒンジを介して自由に開閉する2つの筐体からなる装置に用いられる角度検出装置であって、第一の筐体と一体に形成された第一ヒンジ部の内部に設けられた磁石と、第二の筐体の内部であって2つの筐体が閉じられている時に前記磁石と近接する位置に設けられ、磁場を非接触で検出可能な無接点式磁気センサと、からなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機やPDA(個人情報端末)、ノート型コンピュータなどの折畳式携帯情報端末において開閉検知を行う角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2つの筐体をヒンジで機械的に結合して開閉自由とした装置において、開閉もしくは開閉角度を検出し、これに応じて装置の動作を制御する構成は古くから知られている。例えば冷蔵庫においては、ドアによって押下されるタッチスイッチが設けられており、ドアの開閉に応じて室内ライトの点灯や冷凍機の稼働が制御されている。
【0003】
また、近年発達の著しい携帯電話機やPDA(個人情報端末)、ノートパソコンなどの持ち運び可能な折畳式携帯情報端末においても同様に、表示部と本体の2つの筐体の開閉を検出し、その動作状態、例えば通話、無通話状態の切替や表示パネルのバックライトの点灯、消灯状態の切替を制御することが増えている。
【0004】
折畳式携帯情報端末において、筐体の開閉の検出には、以前より接点式のスイッチが使われていた。例えば特開平9−93316号公報には、筐体の開閉に可変抵抗を連動させる構成が記載されている。また比較的筐体内部のスペースが多いノートパソコンにおいては、冷蔵庫と同様に、表示部の筐体によって押下されるタッチセンサを設けている場合も多かった。あるいは筐体内部のスペースが限られる携帯電話においては、第一の筐体表面に設けた凸部で、第二の筐体表面に設けた孔の内側のプッシュスイッチを押下させる構成が一般的であった。
【0005】
また最近では接点の寿命やチャタリングの問題、あるいは端末表面にスイッチのための凸部や孔を設けることにより美観が失われるという問題から非接触のセンサ、特に磁気センサがよく使用されている。例えば特開2001−320474号公報に記載されているように、磁気センサを使用した角度検出装置は、第一の筐体の表面近くに配置された磁石と、第二の筐体のこれに対向する位置に配置された磁気センサから構成される。筐体が閉じられている時には磁石と磁気センサの距離が小さいので、磁気センサ部の磁束密度は大きくなり、磁気センサの出力信号は第1の状態となる。また筐体が開かれている時は磁石と磁気センサの距離が大きいので磁気センサ部の磁束密度は小さくなり、磁気センサの出力状態は第2の状態となる。これにより開閉状態を検出し、端末の動作を制御することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−93316号公報
【特許文献2】
特開2001−320474号公報
【特許文献3】
特開2001−127855号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年は、携帯情報端末の多機能化と小型化に伴い、筐体内にセンサや磁石などをおく場所が少なくなってきた。そこで、デッドスペースであるヒンジ部の内部に開閉角度検出用の部品を組み込むことにより、このような問題を解決することが考えられる。例えば特開2001−127855には、ヒンジ部の内部に設けた円筒部に電極を設け、ヒンジと共に円筒部が回転すると端子が接続して開閉を検出する構成が記載されている。しかしこの構成にあっては角度検出スイッチのために別途配線を設けなければならず、制作が容易ではない。またスイッチが接触式であるため、接点寿命やチャタリングなどの問題があった。
【0008】
また、磁気センサを使用する方式の角度検出装置では、筐体表面近くに磁石が配置されているが、この磁石の漏れ磁束により、銀行のカードやテレホンカードなどの磁気情報が消失する場合がある。
【0009】
そこで本発明は、筐体内の角度検出装置に要する容積を削減し、耐久性が高く、装置構成の簡略な角度検出装置、およびこれを有する折畳式携帯情報端末を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、ヒンジを介して自由に開閉する2つの筐体からなる装置に用いられる角度検出装置であって、第一の筐体と一体に形成された第一ヒンジ部の内部に設けられた磁石と、第二の筐体の内部であって2つの筐体が閉じられている時に前記磁石と近接する位置に設けられ、磁場を非接触で検出可能な無接点式磁気センサと、からなることを特徴とする。すなわち磁石をデッドスペースであるヒンジ部に配置することから筐体内のスペースを有効活用することができ、また磁石には配線が不要であることから装置構成が複雑化することがない。
【0011】
また無接点式磁気センサは、第二の筐体と一体に形成された第二ヒンジ部の内部に設けられていることを特徴とする。第二ヒンジ部の内部のセンサは第二の筐体に収められた回路と配線するのが容易であるため装置構成を複雑化することなく、かつ更に筐体内のスペースを有効活用することができる。
【0012】
また前記無接点式磁気センサは、第二の筐体の内部に配置された部品実装基板上に配置したことを特徴とする。これにより装置構成をさらに単純にすることができる。
【0013】
また前記磁石は、ヒンジの軸方向に着磁されていることを特徴とする。これによりヒンジ外部に漏洩する磁束を削減することができる。
【0014】
また前記第一ヒンジ部に、前記磁石の位置決め部を形成したことを特徴とする。凹部や溝などの位置決め部を形成することにより、磁石の位置精度を向上し、また組み立て作業を容易とすることができる。
【0015】
また前記無接点式磁気センサは、ホール素子または磁気抵抗素子であることを特徴とする。これらを用いて本発明を適切に実施することができる。
【0016】
また本発明に係る折畳式携帯情報端末の代表的な構成は、第一の筐体と、第二の筐体と、前記第一および第二の筐体を自由に開閉可能なヒンジ部と、前記角度検出装置を有することを特徴とする。本発明に係る角度検出装置を用いることで、部品配置の自由度が高く、磁束の漏洩の少ない端末とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]
本発明に係る角度検出装置および折畳式携帯情報端末の第一実施形態について、図を用いて説明する。図1は折畳式携帯情報端末の部分透視図、図2は角度検出装置の構成と動作を説明する図である。本実施形態においては、折畳式携帯情報端末の例として携帯電話機を用いて説明する。
【0018】
図1に示す携帯電話機は、表示部を備えた第一筐体1と、操作部および制御部を備えた本体である第二筐体11とを有している。第一筐体1と第二筐体11とはヒンジ軸2を介して回転自由に結合され、不図示の付勢手段によって開放状態または閉鎖状態を維持するよう付勢されている。
【0019】
ここで、第一筐体1と一体に形成され、ヒンジ軸2を枢支する部分を第一ヒンジ部1aという(図の破線部分)。同様に、第二筐体11と一体に形成され、ヒンジ軸2を枢支する部分を第二ヒンジ部11aという(図の破線部分)。第一ヒンジ部1aと第二ヒンジ部11aとは、ヒンジ軸2方向において概ね重複し、筐体の開閉に伴って相対的に回転する。
【0020】
第一筐体1および第二筐体11の開閉角度検出装置は、磁石3および磁気センサ12から構成している。
【0021】
磁石3は永久磁石であって、第一ヒンジ部1aの内部に設けられ、第一筐体1と共に移動する。また図2(a)に示すように、磁石3の極は、ヒンジ軸2の半径方向(ヒンジ軸2の軸方向と直交する方向)に着磁されている。
【0022】
磁気センサ12は磁場を非接触で検出可能な無接点式磁気センサであって、第二筐体11の内部、かつ磁石3と近接する位置に配置されている。すなわち磁石3と磁気センサ12とはヒンジ軸2の半径方向において同一平面上にある。また磁気センサ12は電源や信号出力端子などの配線が必要であるが、第二筐体11内に設けられた部品実装基板13上に取り付けられ、不図示の制御部と電気的に結合されている。
【0023】
磁気センサ12としては、ホール素子または磁気抵抗素子を用いることができる。ホール素子は感磁面を貫通する磁束密度成分を検出するため感磁面と磁石3の磁極面とが正対するように設置するのが好ましく、磁気抵抗素子は感磁面に平行な磁束密度成分を検出するため感磁面と磁石3の磁極面とが直交するように、かつ磁極面の中心軸上に設置するのが好ましい。
【0024】
また図2(b)に示すように、磁石3は、第一筐体1と第二筐体11を閉じた状態において最も磁気センサ12に近接する位置に配置されている。そして図2(c)に示すように、第一筐体1を開くことにより磁石3もヒンジ軸2を中心として回転し、磁気センサ12から離隔する。
【0025】
従って、筐体が閉じられている時には磁石3と磁気センサ12の距離が小さいので、磁気センサ部の磁束密度は大きくなり、磁気センサ12の出力信号は第1の状態となる。また筐体が開かれている時は磁石と磁気センサ12の距離が大きいので磁気センサ部の磁束密度は小さくなり、磁気センサ12の出力状態は第2の状態となる。これにより制御部は開閉状態を検出し、端末の動作状態、例えば通話、無通話状態の切替や表示パネルのバックライトの点灯、消灯状態の切替を制御することができる。また、磁束密度の大小に応じて出力電圧が連続的に変化する磁気センサを使い、開閉角度を検出し、これによりバックライトが徐々に暗くなるなどのアナログ的な制御も可能である。
【0026】
上記構成にあっては、まず、角度検出装置を構成する磁石3と磁気センサ12のうち、一方の磁石3を従来はデッドスペースであった第一ヒンジ部1aの内部に配置したことにより、第一筐体1の内部に磁石3のために要していたスペースを削減することができる。また磁石3は配線が不要であるため、磁石3を第一ヒンジ部1a内に配置することによって第一ヒンジ部1aから配線などを取り出す必要がなく、装置構成が複雑化することはない。
【0027】
また磁気センサ12は部品実装基板13上に配置できることから、プリントパターンによって配線することができ、装置の構成を単純にすることができる。なお、磁気センサを用いたことによる検出装置の耐久性やチャタリング回避などの利点があることはいうまでもない。
【0028】
[第二実施形態]
本発明に係る角度検出装置および折畳式携帯情報端末の第二実施形態について、図を用いて説明する。図3は折畳式携帯情報端末の部分透視図、図4は角度検出装置の構成と動作を説明する図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
上記第一実施形態においては、磁気センサ12は磁石3に対して第二筐体11側に配置していた。これに対し本実施形態は、磁気センサ12を第二ヒンジ部11aに配置している。
【0030】
図3に示すように、磁気センサ12は、第二ヒンジ部11a(第二筐体11と一体に形成され、ヒンジ軸2を枢支する部分)に配置している。従って図4(a)に示すように、磁石3と磁気センサ12とは、ヒンジ軸2の半径方向において平行する平面上にある。したがって図4(b)に示すように、磁石3は第一筐体1と第二筐体11を閉じた状態においてヒンジ軸2の軸方向と平行の直線上に位置し、互いに最も近接する。そして図4(c)に示すように、第一筐体1を開くことにより磁石3もヒンジ軸2を中心として回転し、磁気センサ12から離隔する。
【0031】
このとき磁石3は、磁気センサ12に向かって磁力線を発生するように、ヒンジ軸2の軸方向に着磁されている。
【0032】
上記構成にあっては、磁気センサ12も従来はデッドスペースであった第二ヒンジ部11aに配置したことにより、第二筐体11の内部に磁気センサ12のために要していたスペースを削減することができる。また磁気センサ12を第二ヒンジ部11a内部に配置した場合にあっても、磁気センサ12を部品実装基板13の端部に取り付けることが可能であるため、装置構成は簡略にすることができる。
【0033】
また、磁石3はヒンジ部に内蔵され、かつ発生する磁力線の方向はヒンジ軸と平行な方向となる。そのため筐体の表示面、操作面あるいはその背面に漏洩する磁束密度は小さくなる。また、磁束密度の最も大きくなるヒンジ軸方向については、ヒンジの端面と磁石との距離を大きく取れるので、この方向に漏洩する磁束密度も小さくなり、結果として装置表面に漏洩する磁束密度を小さくすることができる。
【0034】
[第三実施形態]
本発明に係る角度検出装置および折畳式携帯情報端末の第三実施形態について、図を用いて説明する。図5は第一ヒンジ部の拡大断面図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
上記説明したように磁石3は第一ヒンジ部1a内部に取り付けられるが、その位置および着磁の方向は極めて重要である。このため、第一ヒンジ部1aの内部には磁石3の位置決め部を有していることが望ましい。
【0036】
図5(a)においては、第一ヒンジ部1aの内部に、位置決め部の例として凹部4を設けている。また図5(b)においては、第一ヒンジ部1aの側面に磁石3を収容する溝5を形成している。磁石3はこれらの凹部4、溝5によって位置決めすると共に、接着剤または両面テープによって固定する。
【0037】
上記の如く構成したことにより、磁石の位置精度を向上し、また組み立て作業を容易とすることができる。
【0038】
[第四実施形態]
本発明に係る角度検出装置および折畳式携帯情報端末の第四実施形態について、図を用いて説明する。図6は角度検出装置の構成と動作を説明する図であって、上記各実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
上記実施形態の説明および図面においては磁石3を直方体のものとして説明してきたが、本実施形態においては円筒形の磁石6を用いている。磁石6は円筒形の中空部にヒンジ軸2を貫通させて配置している。また外周面に切欠6aを設けて位置決めを行っており、磁石6は第一筐体1の開閉に伴って回転するよう構成している。磁石6の着磁の方向は、ヒンジ軸2の半径方向であって、かつ閉じた状態において最も磁気センサ12に対する磁束密度が大きくなる方向としている。
【0040】
このように円筒状の磁石6を用いることにより、第一ヒンジ部1a自体が小さくなってもある程度の大きさの磁石を用いることができ、角度検出装置の機能を確保することができる。
【0041】
【発明の効果】
上記説明した如く、本発明に係る角度検出装置よび折畳式携帯情報端末においては、デッドスペースであったヒンジ部の内部を利用して角度検出装置を配置することにより、筐体の内部に角度検出装置のために要していたスペースを削減することができ、他の部品の配置の自由度を増大させることができる。
【0042】
また磁石を第一筐体の第一ヒンジ部の内部に配置したことにより、制御部を有する第二筐体に対して第一ヒンジ部から配線を取り出す必要がなく、装置構成が複雑化することはない。また角度検出装置に用いられる磁石から漏洩する磁束を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折畳式携帯情報端末の部分透視図である。
【図2】角度検出装置の構成と動作を説明する図である。
【図3】折畳式携帯情報端末の部分透視図である。
【図4】角度検出装置の構成と動作を説明する図である。
【図5】第一ヒンジ部の拡大断面図である。
【図6】角度検出装置の構成と動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 …第一筐体
1a …第一ヒンジ部
2 …ヒンジ軸
3 …磁石
4 …凹部
5 …溝
6 …磁石
6a …切欠
11 …第二筐体
11a …第二ヒンジ部
12 …磁気センサ
13 …部品実装基板
Claims (7)
- ヒンジを介して自由に開閉する2つの筐体からなる装置に用いられる角度検出装置であって、
第一の筐体と一体に形成された第一ヒンジ部の内部に設けられた磁石と、
第二の筐体の内部であって2つの筐体が閉じられている時に前記磁石と近接する位置に設けられ、磁場を非接触で検出可能な無接点式磁気センサと、
からなることを特徴とする角度検出装置。 - 前記無接点式磁気センサは、第二の筐体と一体に形成された第二ヒンジ部の内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 前記無接点式磁気センサは、第二の筐体の内部に配置された部品実装基板上に配置したことを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 前記磁石は、ヒンジの軸方向に着磁されていることを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 前記第一ヒンジ部に、前記磁石の位置決め部を形成したことを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 前記無接点式磁気センサは、ホール素子または磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1記載の角度検出装置。
- 第一の筐体と、第二の筐体と、前記第一および第二の筐体を自由に開閉可能なヒンジ部と、
請求項1乃至6のいずれか1項記載の角度検出装置を有することを特徴とする折畳式携帯情報端末。
Priority Applications (1)
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JP2002345713A JP2004177327A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 角度検出装置および折畳式携帯情報端末 |
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2002
- 2002-11-28 JP JP2002345713A patent/JP2004177327A/ja active Pending
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