JP2004177187A - バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法及びバッテリ電流検出装置 - Google Patents
バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法及びバッテリ電流検出装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電源供給ライン上を流れる電流に応じた電流センサの出力に関するオフセットの調整値を、容易かつ精度良く決定すること。
【解決手段】電流センサ21の出力から、バッテリ1からの給電を受けて作動する負荷11,13,15とバッテリ1との間の電源供給ライン3上における電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが電源供給ライン3上を流れている状態を前記捕捉手段35Aが捕捉した際に、出力取得手段35Bが取得した電流センサ21の出力と、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における電流センサ21の出力との差分を、電流センサ21の出力に関する、標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として調整値決定手段35Cが決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】電流センサ21の出力から、バッテリ1からの給電を受けて作動する負荷11,13,15とバッテリ1との間の電源供給ライン3上における電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが電源供給ライン3上を流れている状態を前記捕捉手段35Aが捕捉した際に、出力取得手段35Bが取得した電流センサ21の出力と、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における電流センサ21の出力との差分を、電流センサ21の出力に関する、標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として調整値決定手段35Cが決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリからの給電を受けて作動する負荷とバッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定する方法と、その方法を実行するバッテリ電流検出装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
負荷に電力を供給する電源としてバッテリを用いる場合には、負荷とバッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた出力を電流センサから取得し、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置が使用される。
【0003】
バッテリ電流検出装置で検出した電源供給ライン上を流れる電流は、バッテリから放出された電気量(放電量)やバッテリに供給された電気量(充電量)を割り出すため、ひいては、バッテリの充電状態を割り出すために用いられる。
【0004】
ところで、バッテリ電流換算装置に入力される電流センサの実際の出力は、電流センサ自身の経時的特性変化や、電流センサの出力をバッテリ電流検出装置に取り込むために使用される電流センサ回りの回路、素子等の経時的特性変化等の要因で、時間が経つにつれて変化することがあり、また、個体差により一つ一つの電流センサ毎にばらつきがある。
【0005】
そのため、電流センサの出力からバッテリ電流検出装置が電源供給ライン上を流れる電流を正しく検出するためには、予め定められた電流センサの出力に関する標準的な特性と、バッテリ電流換算装置に入力される電流センサの実際の出力とのオフセットを調整する必要がある。
【0006】
そして従来には、例えば車両に搭載されるバッテリの充電状態を把握するために充放電電流を検出する際に用いる電流センサのオフセットの調整値を決定する方法として、イグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時(所謂イグニッションスイッチのオン時)や、内燃機関の運転停止時に発生するエンジンECUのみへの電力供給時に、電流センサから取り込まれる出力の値と、それらの際に電流センサから本来取り込まれるはずの標準値との差分を、オフセットの調整値とするものがある(例えば特許文献1)。
【0007】
また、それよりも前の従来技術としては、機器(コントローラ)の始動に際して、その機器に主バッテリからの電力が投入されるのに先駆けて電流センサに補助バッテリから駆動用電力を供給し、その時の電流センサの出力が「0」となるようにオフセットの調整値を決定するものがある(例えば特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−238181号公報
【特許文献2】
特開平6−207973号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2の従来技術では、特許文献1においても指摘されているように、単一のバッテリしか搭載していない電気自動車等の分野では実現不可能であるという問題がある。
【0010】
また、上記の問題がない特許文献1の従来技術についても、イグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時というのは、殆どの場合に、直後にセルモータが始動されることから、特許文献1に記載されているようなエンジンECUとクルーズECUのみに電力供給される状態が極めて短時間しか発生せず、そのため、標準値と電流センサの実際の出力とを比較するタイミングを確実かつ十分に確保することが、実際問題として困難であるという不具合がある。
【0011】
また、内燃機関の運転停止時に発生するエンジンECUのみへの電力供給時についても、本来にはない状況をわざわざ発生させる必要があるという不具合がある。
【0012】
さらに、内燃機関の運転停止時にせよ、上記したイグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時にせよ、その時点でのバッテリからの電力供給状態がいつも完全に同じであるとは言い難いので、電流センサの実際の出力とを比較する標準値を一義的に設定することが事実上極めて困難であり、そのため、オフセットの調整値を誤差無く求めることが現実には非常に難しいという不具合がある。
【0013】
このような問題は、車両に搭載されているバッテリに限らず、携帯電話やその他種々のバッテリについて、負荷との間の電源供給ライン上における電流に応じた出力を電流センサから取得し、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するのに当たって、電流センサのオフセットの調整値を決定する際に、同様に発生し得るものである。
【0014】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、オフセットの調整値を決定し得る状況を、その作業に必要な時間が十分確保できるだけ継続して担保することができ、かつ、電流センサの実際の出力とを比較する標準値を一義的に設定するのに足りる、電源供給ライン上における電流の状態が安定した状況で、オフセットの調整値を決定することのできる、バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、この方法を実施する際に用いて好適なバッテリ電流検出装置とを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項4に記載した本発明は、バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法に関するものであり、請求項5乃至請求項8に記載した本発明は、バッテリ電流検出装置に関するものである。
【0016】
そして、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、前記電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定するに当たり、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉し、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得し、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記調整値として決定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定するようにした。
【0018】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記バッテリが車両に搭載されたものであり、前記状態が前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態であるものとした。
【0019】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1、2又は3に記載された本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得した後、該状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得し、該再度取得した前記電流センサの出力を用いて前記調整値を再度決定するようにした。
【0020】
さらに、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、図1の基本構成図に示すように、バッテリ1からの給電を受けて作動する負荷11,13,15と前記バッテリ1との間の電源供給ライン3上における電流に応じた電流センサ21の出力を取得して、該取得した電流センサ21の出力から前記電源供給ライン3上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、前記電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが前記電源供給ライン3上を流れている状態を捕捉する捕捉手段35Aと、前記捕捉手段35Aが前記状態を捕捉した際に前記電流センサ21の出力を取得する出力取得手段35Bと、前記出力取得手段35Bが取得した前記電流センサ21の出力と、前記電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における前記電流センサ21の出力との差分を、前記電流センサ21の出力に関する、前記標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として決定する調整値決定手段35Cとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記電流センサ21が、前記電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記調整値決定手段35Cが、前記出力取得手段35Bが取得した前記電流センサ21の出力の値を前記差分として前記調整値を決定するものとした。
【0022】
さらに、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記バッテリ1が車両に搭載されたものであり、前記捕捉手段35Aが前記車両のイグニッションスイッチ7のオフ状態を、前記電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが前記電源供給ライン3上を流れている状態として捕捉するものとした。
【0023】
さらに、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記出力取得手段35Bが、該出力取得手段35Bが前記電流センサ21の出力を取得した後、前記捕捉手段35Aが前記状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサ21の出力を再度取得するものとした。
【0024】
請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置とによれば、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態という、例えば負荷の電源がオフしていることで発生するような、本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサの出力の値を一義的に設定するのに足りる状況において、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0025】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電流センサのオフセットの調整値が、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態において取得される、電流センサの出力の値が、そのまま電流センサのオフセットの調整値として決定されることになる。
【0026】
請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、車両のイグニッションスイッチがオフされた状態において、その時点で取得される電流センサの出力の値によって、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0027】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態が、その後も所定時間連続して継続すると、その状態にそうでない状態から移行した時点だけでなく、再度、電流センサから取得される出力の値によって、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電流センサ用オフセット調整値決定方法を適用したバッテリ電流検出装置を、バッテリを搭載した車両に適用した場合の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図2は本発明の一実施形態に係るバッテリ電流検出装置を有する車両の電装系の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であり、図2中引用符号1で示すバッテリには、その+端子に電力供給ライン3が接続されており、この電力供給ライン3は、途中でサブ電力供給ライン5aと暗電流供給ライン5bとに分岐されている。
【0030】
そして、前記バッテリ1は、前記サブ電力供給ライン5aを介して、車両内の各種の負荷11,13,15に、イグニッション(IGN)スイッチ7のオン中に駆動用電力を供給すると共に、前記暗電流供給ライン5bを介して、各負荷11,13,15のうち、例えば時計装置やメモリのバックアップ用等の暗電流を、IGNスイッチ7のオン、オフの状態に関係なく供給する。
【0031】
ちなみに、前記電力供給ライン3上には電流センサ21が介設されており、この電流センサ21からの、電力供給ライン3上を流れる電流に応じた出力は、バッテリ1の充電状態を監視するために設けられたバッテリ状態監視ユニット31に取り込まれる。
【0032】
また、前記バッテリ1の+,−の両端子間には電圧センサ23が接続されており、この電流センサ21からの、バッテリ1の端子電圧に応じた出力も、電流センサ21の出力と同様にバッテリ状態監視ユニット31に取り込まれる。
【0033】
そして、このバッテリ状態監視ユニット31には、エンジン制御ユニット11にサブ電力供給ライン5a及びIGNスイッチ7を介して供給される電力とは別に、バッテリ1から見て電流センサ21の下流側に位置する電力供給ライン3箇所から直接分岐されたサブ電力供給ライン5cを介して、IGNスイッチ7のオン、オフの状態に関係なくバッテリ1からの電力が供給される。
【0034】
前記バッテリ状態監視ユニット31は、図3にブロック図で示すように、上述した電流センサ21及び電圧センサ23の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記する。)33a,33bにおけるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)35、電流センサ21の予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値が格納される不揮発性メモリ(NVM)37等を備えている。
【0035】
そして、前記マイコン35は、CPU35a、RAM35b、及び、ROM35cを有しており、このうち、CPU35aには、RAM35b及びROM35cの他、前記I/F33a,33b及びNVM37や、電流センサ21及び電圧センサ23のドライバ21a,23a等が接続されている。
【0036】
前記RAM35bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM35cには、CPU35aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0037】
尚、前記電流センサ21及び電圧センサ23は、CPU35aからドライバ21a,23aを介して供給される駆動信号により電力供給を受けて作動するように構成されている。
【0038】
次に、前記ROM35cに格納された制御プログラムに従いCPU35aが行う処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
バッテリ13が充電状態にないという前提の下で、バッテリ13からの給電を受けてマイコン35が起動しプログラムがスタートすると、CPU35aは、まず、RAM35bのワークエリアに設けられたフラグエリアのフラグのリセットやタイマエリアのカウント値のゼロリセット等を行う初期設定を実行する(ステップS1)。
【0040】
ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、電流センサ21の出力を取得し、その取得した出力の値Iが、ドライバ21aを介して電流センサ21に駆動信号を出力することを含めて、CPU35aにこのフローチャートによる処理を実行させるためにマイコン35が必要とする分と、その他の負荷11,13,15に対して暗電流供給ライン5bを介して供給される暗電流とを合わせた分の放電電流に相当する放電電流閾値Ith以下であるか否かを確認する(ステップS3)。
【0041】
取得した電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下でない場合は(ステップS3でN)、後述するステップS23に進み、放電電流閾値Ith以下である場合は(ステップS3でY)、RAM35bのフラグエリアのフラグF1が「0」であるか否かを確認する(ステップS5)。
【0042】
フラグF1が「0」である場合は(ステップS5でY)、電圧センサ23を作動させるためのドライバ23aに対する駆動信号の出力をオフした後(ステップS7)、後述するステップS13に進み、「0」でない場合は(ステップS7でN)、RAM35bのタイマエリアのカウント値Tが、予め定められたオフセット調整値の更新周期時間Tthに達したか否かを確認する(ステップS9)。
【0043】
タイマエリアのカウント値Tが更新周期時間Tthに達していない場合は(ステップS9でN)、ステップS3にリターンし、達した場合は(ステップS9でY)、タイマエリアのカウント値Tをゼロリセットした後(ステップS11)、ステップS13に進む。
【0044】
ステップS7において電圧センサ23のドライバ23aに対する駆動信号の出力をオフした後と、ステップS11においてタイマエリアのカウント値Tをゼロリセットした後とに各々進むステップS13では、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iと、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来電流センサ21が出力すべき値との差分をオフセット調整値として決定する。
【0045】
尚、本実施例では、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」である電流センサ21を使用しているため、ステップS13でオフセット調整値として決定する値は、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iそのものとなる。
【0046】
ステップS13でオフセット調整値を決定したならば、その決定したオフセット調整値をNVM37に上書きした後(ステップS15)、RAM35bのフラグF1が「0」であるか否かを確認する(ステップS17)。
【0047】
フラグF1が「0」でない場合は(ステップS21でN)、ステップS3にリターンし、「0」である場合は(ステップS17でY)、RAM35bのタイマエリアにおけるタイムカウントを開始(タイマオン)し(ステップS19)、RAM35bのフラグF1を「1」に設定した後(ステップS21)、ステップS3にリターンする。
【0048】
また、ステップS3において取得した電流センサ21の出力の値Iが電流閾値Ith以下でない場合(N)に進むステップS23では、RAM35bのフラグF1が「0」であるか否かを確認し、「0」である場合は(ステップS23でY)、ステップS3にリターンする。
【0049】
一方、RAM35bのフラグF1が「0」である場合は(ステップS23でN)、RAM35bのタイマエリアにおけるタイムカウントを終了(タイマオフ)すると共にタイマエリアのカウント値Tをゼロリセットし(ステップS25)、電圧センサ23のドライバ23aに対する駆動信号の出力をオンし(ステップS27)、さらに、RAM35bのフラグF1を「0」に設定した後(ステップS29)、ステップS3にリターンする。
【0050】
尚、マイコン35のCPU35aは、上記の図4のフローチャートに従った処理において、ステップS3において取得した電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下でない場合(N)に、バッテリ1の充電状態を確認するために必要な処理を、電流センサ21や電圧センサ23から取得される出力等を基にして、ROM35cに格納された別のプログラムに従って並行して行う。
【0051】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31では、図4のフローチャートにおけるステップS3が、請求項中の捕捉手段35A及び出力取得手段35Bに対応する処理となっており、図4中のステップS13が、請求項中の調整値決定手段35Cに対応する処理となっている。
【0052】
次に、上述のように構成された本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31の動作(作用)について説明する。
【0053】
まず、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31では、バッテリ1が充電を行っている間や、IGNスイッチ7のオンに伴いバッテリ1が負荷11,13,15に対する駆動用の電力を供給している状態では、ドライバ21a,23aを介してバッテリ1から供給される駆動信号により作動する電流センサ21や電圧センサ23の出力を、必要に応じてマイコン35で取得して、その値から充電量や放電量を求めてバッテリ1の充電状態を割り出し、バッテリ上がりが生じないように監視を行う。
【0054】
そして、不図示のオルタネータ等によるバッテリ1の充電が行われていない状態でIGNスイッチ7がオフされて、負荷11,13,15に対するバッテリ1からの駆動用電力の供給が停止すると、それに伴い、ドライバ23aを介しての電圧センサ23に対するバッテリ1からの駆動信号の供給が停止する。
【0055】
すると、電力供給ライン3上を流れる電流が、ドライバ21aを介して電流センサ21に駆動信号を出力することを含めて、CPU35aに図4のフローチャートに従った処理を実行させるためにマイコン35が必要とする分と、暗電流供給ライン5bを介して負荷11,13,15に供給される暗電流とを合わせた分の放電電流に相当する放電電流閾値Ith以下に低下する。
【0056】
ここで、上記した放電電流に相当する値に設定される放電電流閾値Ithは、実験的に見てもせいぜい例えば数mAレベルであることから、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになったことを認識する上では無視できないが、電流センサ21のオフセットにより生じるマイコン35で割り出される電力供給ライン3上を流れる電流の値の誤差のアンペア数から見ると、十分無視できるほどの微少な値と考えることができる。
【0057】
そこで、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31においては、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識すると、その取得された電流センサ21の出力の値が、その時点での電流センサ21のオフセット、即ち、電流センサ21の出力に関する、電力供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性に対する、実際の特性の誤差であるものとして、このオフセットを解消するために使用する調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0058】
また、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した後、その状態、つまり、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下した状態が所定時間(例えば2時間)継続すると、再び、上記と同様の動作により電流センサ21の出力が取得されて、その値が、電流センサ21の出力に関するオフセットの新たな調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0059】
尚、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した後、所定時間継続するまでの間に、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ithを上回ったしたことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識すると、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、次に認識した際に、その時点でマイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値が、電流センサ21の出力に関するオフセットの新たな調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0060】
尚、NVM37に格納された最新のオフセット調整値は、バッテリ1が充電を行っている間や、IGNスイッチ7のオンに伴いバッテリ1が負荷11,13,15に対する駆動用の電力を供給している状態において、上述したように、電流センサ21や電圧センサ23から取得するそれらの出力の値からマイコン35が、電流センサ21の出力の値から電力供給ライン3上を流れる電流を割り出し、充電量や放電量を求めてバッテリ1の充電状態を割り出し、これを基に、バッテリ上がりが生じないように監視を行う際に、充電状態の割り出し精度を高めるため等に使用される。
【0061】
このように本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31によれば、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した際に、その時点の電流センサ21の出力の値を、その時点での電流センサ21のオフセットを解消するために使用する調整値としてNVM37に上書き格納されて、電流センサ21の出力の値から電力供給ライン3上を流れる電流をマイコン35が割り出す際に、そのオフセット調整値が使用される構成とした。
【0062】
このため、不図示のオルタネータ等によるバッテリ1の充電が行われていない状態でIGNスイッチ7がオフされて、負荷11,13,15に対するバッテリ1からの駆動用電力の供給が停止することで本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン3上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサ21の出力の値を一義的に設定するのに足りる状況を捉えて、その状況における電流センサ21の出力をそのまま、オフセットの調整値として、調整値を極めて容易に、かつ、精度良く決定することができる。
【0063】
尚、本実施例では、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」である電流センサ21を使用しているため、図4のフローチャートにおけるステップS13でオフセット調整値として決定する値を、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iそのものとした。
【0064】
しかし、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」でない値I0 である電流センサ21を使用する場合には、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iと前記値I0 との差分である値(I−I0 )を、ステップS13でオフセット調整値として決定する値とすればよい。
【0065】
また、本実施形態では、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになったことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下に低下したことで認識する構成とした。
【0066】
しかし、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになることが、IGNスイッチ7のオフにより担保されるような構成である場合には、図4のフローチャートにおけるステップS3をIGNスイッチ7のオン、オフ状態の確認に代え、オンの場合にはステップS23に移行し、オフの場合にはステップS5に移行する構成としてもよい。
【0067】
さらに、本実施形態では、車両に搭載されたバッテリ1と負荷11,13,15との間の電源供給ライン3上を流れる電流に応じた出力を発生する電流センサ21のオフセット調整値を決定する場合を例に取って説明したが、本発明は、車両に搭載されたバッテリに限らず、負荷に電力を供給するバッテリの負荷に対する電力供給ライン上を流れる電流を検出する際に使用する電流センサの出力のオフセット調整値を決定する際に、広く適用可能であることは、言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、前記電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定するに当たり、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉し、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得し、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記調整値として決定するようにした。
【0069】
また、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉する捕捉手段と、前記捕捉手段が前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得する出力取得手段と、前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記電流センサの出力に関する、前記標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として決定する調整値決定手段とを備える構成とした。
【0070】
このため、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置のいずれによっても、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態という、例えば負荷の電源がオフしていることで発生するような、本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサの出力の値を一義的に設定するのに足りる状況を捉えて、その状況における電流センサの出力を用いて、オフセットの調整値を容易に、かつ、精度良く決定することができる。
【0071】
さらに、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定するようにした。
【0072】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記調整値決定手段が、前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定する構成とした。
【0073】
このため、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態における電流センサの出力を用いて、オフセットの調整値を極めて容易に決定することができる。
【0074】
尚、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法のように、前記バッテリが車両に搭載されたものである場合には、前記状態を前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態であるようにすることができる。
【0075】
また、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置のように、前記バッテリが車両に搭載されたものである場合には、前記捕捉手段が前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態を、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態として捕捉する構成とすることができる。
【0076】
さらに、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得した後、該状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得し、該再度取得した前記電流センサの出力を用いて前記調整値を再度決定するようにした。
【0077】
また、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記出力取得手段が、該出力取得手段が前記電流センサの出力を取得した後、前記捕捉手段が前記状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得する構成とした。
【0078】
このため、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、また、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態が、その後も所定時間連続して継続した場合に、その状態にそうでない状態から移行した時点だけでなく、再度、電流センサから取得される出力の値によって電流センサのオフセットの調整値を決定して、調整値を最新値に更新させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリ電流検出装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るバッテリ電流検出装置を有する車両の電装系の概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 バッテリ
3 電源供給ライン
7 イグニッションスイッチ
11,13,15 負荷
21 電流センサ
35 マイクロコンピュータ
35a CPU
35b RAM
35c ROM
35A 捕捉手段
35B 出力取得手段
35C 調整値決定手段
35D 換算手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリからの給電を受けて作動する負荷とバッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定する方法と、その方法を実行するバッテリ電流検出装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
負荷に電力を供給する電源としてバッテリを用いる場合には、負荷とバッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた出力を電流センサから取得し、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置が使用される。
【0003】
バッテリ電流検出装置で検出した電源供給ライン上を流れる電流は、バッテリから放出された電気量(放電量)やバッテリに供給された電気量(充電量)を割り出すため、ひいては、バッテリの充電状態を割り出すために用いられる。
【0004】
ところで、バッテリ電流換算装置に入力される電流センサの実際の出力は、電流センサ自身の経時的特性変化や、電流センサの出力をバッテリ電流検出装置に取り込むために使用される電流センサ回りの回路、素子等の経時的特性変化等の要因で、時間が経つにつれて変化することがあり、また、個体差により一つ一つの電流センサ毎にばらつきがある。
【0005】
そのため、電流センサの出力からバッテリ電流検出装置が電源供給ライン上を流れる電流を正しく検出するためには、予め定められた電流センサの出力に関する標準的な特性と、バッテリ電流換算装置に入力される電流センサの実際の出力とのオフセットを調整する必要がある。
【0006】
そして従来には、例えば車両に搭載されるバッテリの充電状態を把握するために充放電電流を検出する際に用いる電流センサのオフセットの調整値を決定する方法として、イグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時(所謂イグニッションスイッチのオン時)や、内燃機関の運転停止時に発生するエンジンECUのみへの電力供給時に、電流センサから取り込まれる出力の値と、それらの際に電流センサから本来取り込まれるはずの標準値との差分を、オフセットの調整値とするものがある(例えば特許文献1)。
【0007】
また、それよりも前の従来技術としては、機器(コントローラ)の始動に際して、その機器に主バッテリからの電力が投入されるのに先駆けて電流センサに補助バッテリから駆動用電力を供給し、その時の電流センサの出力が「0」となるようにオフセットの調整値を決定するものがある(例えば特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−238181号公報
【特許文献2】
特開平6−207973号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2の従来技術では、特許文献1においても指摘されているように、単一のバッテリしか搭載していない電気自動車等の分野では実現不可能であるという問題がある。
【0010】
また、上記の問題がない特許文献1の従来技術についても、イグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時というのは、殆どの場合に、直後にセルモータが始動されることから、特許文献1に記載されているようなエンジンECUとクルーズECUのみに電力供給される状態が極めて短時間しか発生せず、そのため、標準値と電流センサの実際の出力とを比較するタイミングを確実かつ十分に確保することが、実際問題として困難であるという不具合がある。
【0011】
また、内燃機関の運転停止時に発生するエンジンECUのみへの電力供給時についても、本来にはない状況をわざわざ発生させる必要があるという不具合がある。
【0012】
さらに、内燃機関の運転停止時にせよ、上記したイグニッションスイッチがスタートポジションに切り換えられた時にせよ、その時点でのバッテリからの電力供給状態がいつも完全に同じであるとは言い難いので、電流センサの実際の出力とを比較する標準値を一義的に設定することが事実上極めて困難であり、そのため、オフセットの調整値を誤差無く求めることが現実には非常に難しいという不具合がある。
【0013】
このような問題は、車両に搭載されているバッテリに限らず、携帯電話やその他種々のバッテリについて、負荷との間の電源供給ライン上における電流に応じた出力を電流センサから取得し、その取得した電流センサの出力から電源供給ライン上を流れる電流を検出するのに当たって、電流センサのオフセットの調整値を決定する際に、同様に発生し得るものである。
【0014】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、オフセットの調整値を決定し得る状況を、その作業に必要な時間が十分確保できるだけ継続して担保することができ、かつ、電流センサの実際の出力とを比較する標準値を一義的に設定するのに足りる、電源供給ライン上における電流の状態が安定した状況で、オフセットの調整値を決定することのできる、バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、この方法を実施する際に用いて好適なバッテリ電流検出装置とを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項4に記載した本発明は、バッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法に関するものであり、請求項5乃至請求項8に記載した本発明は、バッテリ電流検出装置に関するものである。
【0016】
そして、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、前記電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定するに当たり、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉し、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得し、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記調整値として決定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定するようにした。
【0018】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記バッテリが車両に搭載されたものであり、前記状態が前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態であるものとした。
【0019】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法は、請求項1、2又は3に記載された本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得した後、該状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得し、該再度取得した前記電流センサの出力を用いて前記調整値を再度決定するようにした。
【0020】
さらに、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、図1の基本構成図に示すように、バッテリ1からの給電を受けて作動する負荷11,13,15と前記バッテリ1との間の電源供給ライン3上における電流に応じた電流センサ21の出力を取得して、該取得した電流センサ21の出力から前記電源供給ライン3上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、前記電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが前記電源供給ライン3上を流れている状態を捕捉する捕捉手段35Aと、前記捕捉手段35Aが前記状態を捕捉した際に前記電流センサ21の出力を取得する出力取得手段35Bと、前記出力取得手段35Bが取得した前記電流センサ21の出力と、前記電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における前記電流センサ21の出力との差分を、前記電流センサ21の出力に関する、前記標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として決定する調整値決定手段35Cとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記電流センサ21が、前記電源供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記調整値決定手段35Cが、前記出力取得手段35Bが取得した前記電流センサ21の出力の値を前記差分として前記調整値を決定するものとした。
【0022】
さらに、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記バッテリ1が車両に搭載されたものであり、前記捕捉手段35Aが前記車両のイグニッションスイッチ7のオフ状態を、前記電源供給ライン3上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷11,13,15に関する暗電流のみが前記電源供給ライン3上を流れている状態として捕捉するものとした。
【0023】
さらに、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置は、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記出力取得手段35Bが、該出力取得手段35Bが前記電流センサ21の出力を取得した後、前記捕捉手段35Aが前記状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサ21の出力を再度取得するものとした。
【0024】
請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置とによれば、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態という、例えば負荷の電源がオフしていることで発生するような、本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサの出力の値を一義的に設定するのに足りる状況において、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0025】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電流センサのオフセットの調整値が、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態において取得される、電流センサの出力の値が、そのまま電流センサのオフセットの調整値として決定されることになる。
【0026】
請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、車両のイグニッションスイッチがオフされた状態において、その時点で取得される電流センサの出力の値によって、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0027】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態が、その後も所定時間連続して継続すると、その状態にそうでない状態から移行した時点だけでなく、再度、電流センサから取得される出力の値によって、電流センサのオフセットの調整値が決定されることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電流センサ用オフセット調整値決定方法を適用したバッテリ電流検出装置を、バッテリを搭載した車両に適用した場合の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図2は本発明の一実施形態に係るバッテリ電流検出装置を有する車両の電装系の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であり、図2中引用符号1で示すバッテリには、その+端子に電力供給ライン3が接続されており、この電力供給ライン3は、途中でサブ電力供給ライン5aと暗電流供給ライン5bとに分岐されている。
【0030】
そして、前記バッテリ1は、前記サブ電力供給ライン5aを介して、車両内の各種の負荷11,13,15に、イグニッション(IGN)スイッチ7のオン中に駆動用電力を供給すると共に、前記暗電流供給ライン5bを介して、各負荷11,13,15のうち、例えば時計装置やメモリのバックアップ用等の暗電流を、IGNスイッチ7のオン、オフの状態に関係なく供給する。
【0031】
ちなみに、前記電力供給ライン3上には電流センサ21が介設されており、この電流センサ21からの、電力供給ライン3上を流れる電流に応じた出力は、バッテリ1の充電状態を監視するために設けられたバッテリ状態監視ユニット31に取り込まれる。
【0032】
また、前記バッテリ1の+,−の両端子間には電圧センサ23が接続されており、この電流センサ21からの、バッテリ1の端子電圧に応じた出力も、電流センサ21の出力と同様にバッテリ状態監視ユニット31に取り込まれる。
【0033】
そして、このバッテリ状態監視ユニット31には、エンジン制御ユニット11にサブ電力供給ライン5a及びIGNスイッチ7を介して供給される電力とは別に、バッテリ1から見て電流センサ21の下流側に位置する電力供給ライン3箇所から直接分岐されたサブ電力供給ライン5cを介して、IGNスイッチ7のオン、オフの状態に関係なくバッテリ1からの電力が供給される。
【0034】
前記バッテリ状態監視ユニット31は、図3にブロック図で示すように、上述した電流センサ21及び電圧センサ23の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記する。)33a,33bにおけるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)35、電流センサ21の予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値が格納される不揮発性メモリ(NVM)37等を備えている。
【0035】
そして、前記マイコン35は、CPU35a、RAM35b、及び、ROM35cを有しており、このうち、CPU35aには、RAM35b及びROM35cの他、前記I/F33a,33b及びNVM37や、電流センサ21及び電圧センサ23のドライバ21a,23a等が接続されている。
【0036】
前記RAM35bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM35cには、CPU35aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0037】
尚、前記電流センサ21及び電圧センサ23は、CPU35aからドライバ21a,23aを介して供給される駆動信号により電力供給を受けて作動するように構成されている。
【0038】
次に、前記ROM35cに格納された制御プログラムに従いCPU35aが行う処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
バッテリ13が充電状態にないという前提の下で、バッテリ13からの給電を受けてマイコン35が起動しプログラムがスタートすると、CPU35aは、まず、RAM35bのワークエリアに設けられたフラグエリアのフラグのリセットやタイマエリアのカウント値のゼロリセット等を行う初期設定を実行する(ステップS1)。
【0040】
ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、電流センサ21の出力を取得し、その取得した出力の値Iが、ドライバ21aを介して電流センサ21に駆動信号を出力することを含めて、CPU35aにこのフローチャートによる処理を実行させるためにマイコン35が必要とする分と、その他の負荷11,13,15に対して暗電流供給ライン5bを介して供給される暗電流とを合わせた分の放電電流に相当する放電電流閾値Ith以下であるか否かを確認する(ステップS3)。
【0041】
取得した電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下でない場合は(ステップS3でN)、後述するステップS23に進み、放電電流閾値Ith以下である場合は(ステップS3でY)、RAM35bのフラグエリアのフラグF1が「0」であるか否かを確認する(ステップS5)。
【0042】
フラグF1が「0」である場合は(ステップS5でY)、電圧センサ23を作動させるためのドライバ23aに対する駆動信号の出力をオフした後(ステップS7)、後述するステップS13に進み、「0」でない場合は(ステップS7でN)、RAM35bのタイマエリアのカウント値Tが、予め定められたオフセット調整値の更新周期時間Tthに達したか否かを確認する(ステップS9)。
【0043】
タイマエリアのカウント値Tが更新周期時間Tthに達していない場合は(ステップS9でN)、ステップS3にリターンし、達した場合は(ステップS9でY)、タイマエリアのカウント値Tをゼロリセットした後(ステップS11)、ステップS13に進む。
【0044】
ステップS7において電圧センサ23のドライバ23aに対する駆動信号の出力をオフした後と、ステップS11においてタイマエリアのカウント値Tをゼロリセットした後とに各々進むステップS13では、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iと、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来電流センサ21が出力すべき値との差分をオフセット調整値として決定する。
【0045】
尚、本実施例では、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」である電流センサ21を使用しているため、ステップS13でオフセット調整値として決定する値は、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iそのものとなる。
【0046】
ステップS13でオフセット調整値を決定したならば、その決定したオフセット調整値をNVM37に上書きした後(ステップS15)、RAM35bのフラグF1が「0」であるか否かを確認する(ステップS17)。
【0047】
フラグF1が「0」でない場合は(ステップS21でN)、ステップS3にリターンし、「0」である場合は(ステップS17でY)、RAM35bのタイマエリアにおけるタイムカウントを開始(タイマオン)し(ステップS19)、RAM35bのフラグF1を「1」に設定した後(ステップS21)、ステップS3にリターンする。
【0048】
また、ステップS3において取得した電流センサ21の出力の値Iが電流閾値Ith以下でない場合(N)に進むステップS23では、RAM35bのフラグF1が「0」であるか否かを確認し、「0」である場合は(ステップS23でY)、ステップS3にリターンする。
【0049】
一方、RAM35bのフラグF1が「0」である場合は(ステップS23でN)、RAM35bのタイマエリアにおけるタイムカウントを終了(タイマオフ)すると共にタイマエリアのカウント値Tをゼロリセットし(ステップS25)、電圧センサ23のドライバ23aに対する駆動信号の出力をオンし(ステップS27)、さらに、RAM35bのフラグF1を「0」に設定した後(ステップS29)、ステップS3にリターンする。
【0050】
尚、マイコン35のCPU35aは、上記の図4のフローチャートに従った処理において、ステップS3において取得した電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下でない場合(N)に、バッテリ1の充電状態を確認するために必要な処理を、電流センサ21や電圧センサ23から取得される出力等を基にして、ROM35cに格納された別のプログラムに従って並行して行う。
【0051】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31では、図4のフローチャートにおけるステップS3が、請求項中の捕捉手段35A及び出力取得手段35Bに対応する処理となっており、図4中のステップS13が、請求項中の調整値決定手段35Cに対応する処理となっている。
【0052】
次に、上述のように構成された本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31の動作(作用)について説明する。
【0053】
まず、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31では、バッテリ1が充電を行っている間や、IGNスイッチ7のオンに伴いバッテリ1が負荷11,13,15に対する駆動用の電力を供給している状態では、ドライバ21a,23aを介してバッテリ1から供給される駆動信号により作動する電流センサ21や電圧センサ23の出力を、必要に応じてマイコン35で取得して、その値から充電量や放電量を求めてバッテリ1の充電状態を割り出し、バッテリ上がりが生じないように監視を行う。
【0054】
そして、不図示のオルタネータ等によるバッテリ1の充電が行われていない状態でIGNスイッチ7がオフされて、負荷11,13,15に対するバッテリ1からの駆動用電力の供給が停止すると、それに伴い、ドライバ23aを介しての電圧センサ23に対するバッテリ1からの駆動信号の供給が停止する。
【0055】
すると、電力供給ライン3上を流れる電流が、ドライバ21aを介して電流センサ21に駆動信号を出力することを含めて、CPU35aに図4のフローチャートに従った処理を実行させるためにマイコン35が必要とする分と、暗電流供給ライン5bを介して負荷11,13,15に供給される暗電流とを合わせた分の放電電流に相当する放電電流閾値Ith以下に低下する。
【0056】
ここで、上記した放電電流に相当する値に設定される放電電流閾値Ithは、実験的に見てもせいぜい例えば数mAレベルであることから、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになったことを認識する上では無視できないが、電流センサ21のオフセットにより生じるマイコン35で割り出される電力供給ライン3上を流れる電流の値の誤差のアンペア数から見ると、十分無視できるほどの微少な値と考えることができる。
【0057】
そこで、本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31においては、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識すると、その取得された電流センサ21の出力の値が、その時点での電流センサ21のオフセット、即ち、電流センサ21の出力に関する、電力供給ライン3上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性に対する、実際の特性の誤差であるものとして、このオフセットを解消するために使用する調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0058】
また、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した後、その状態、つまり、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下した状態が所定時間(例えば2時間)継続すると、再び、上記と同様の動作により電流センサ21の出力が取得されて、その値が、電流センサ21の出力に関するオフセットの新たな調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0059】
尚、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した後、所定時間継続するまでの間に、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ithを上回ったしたことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識すると、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、次に認識した際に、その時点でマイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値が、電流センサ21の出力に関するオフセットの新たな調整値としてNVM37に上書き格納される。
【0060】
尚、NVM37に格納された最新のオフセット調整値は、バッテリ1が充電を行っている間や、IGNスイッチ7のオンに伴いバッテリ1が負荷11,13,15に対する駆動用の電力を供給している状態において、上述したように、電流センサ21や電圧センサ23から取得するそれらの出力の値からマイコン35が、電流センサ21の出力の値から電力供給ライン3上を流れる電流を割り出し、充電量や放電量を求めてバッテリ1の充電状態を割り出し、これを基に、バッテリ上がりが生じないように監視を行う際に、充電状態の割り出し精度を高めるため等に使用される。
【0061】
このように本実施形態のバッテリ状態監視ユニット31によれば、電力供給ライン3上を流れる電流が放電電流閾値Ith以下に低下したことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値から認識した際に、その時点の電流センサ21の出力の値を、その時点での電流センサ21のオフセットを解消するために使用する調整値としてNVM37に上書き格納されて、電流センサ21の出力の値から電力供給ライン3上を流れる電流をマイコン35が割り出す際に、そのオフセット調整値が使用される構成とした。
【0062】
このため、不図示のオルタネータ等によるバッテリ1の充電が行われていない状態でIGNスイッチ7がオフされて、負荷11,13,15に対するバッテリ1からの駆動用電力の供給が停止することで本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン3上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサ21の出力の値を一義的に設定するのに足りる状況を捉えて、その状況における電流センサ21の出力をそのまま、オフセットの調整値として、調整値を極めて容易に、かつ、精度良く決定することができる。
【0063】
尚、本実施例では、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」である電流センサ21を使用しているため、図4のフローチャートにおけるステップS13でオフセット調整値として決定する値を、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iそのものとした。
【0064】
しかし、電源供給ライン3上を流れる電流がゼロである場合に本来出力すべき値が「0」でない値I0 である電流センサ21を使用する場合には、ステップS3で取得した電流センサ21の出力の値Iと前記値I0 との差分である値(I−I0 )を、ステップS13でオフセット調整値として決定する値とすればよい。
【0065】
また、本実施形態では、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになったことを、マイコン35によって取得される電流センサ21の出力の値Iが放電電流閾値Ith以下に低下したことで認識する構成とした。
【0066】
しかし、電力供給ライン3上を流れる電流が、マイコン35及び電流センサ21の作動を可能とし、かつ、負荷11,13,15に暗電流を供給するのに必要な電流を確保できる電流のみになることが、IGNスイッチ7のオフにより担保されるような構成である場合には、図4のフローチャートにおけるステップS3をIGNスイッチ7のオン、オフ状態の確認に代え、オンの場合にはステップS23に移行し、オフの場合にはステップS5に移行する構成としてもよい。
【0067】
さらに、本実施形態では、車両に搭載されたバッテリ1と負荷11,13,15との間の電源供給ライン3上を流れる電流に応じた出力を発生する電流センサ21のオフセット調整値を決定する場合を例に取って説明したが、本発明は、車両に搭載されたバッテリに限らず、負荷に電力を供給するバッテリの負荷に対する電力供給ライン上を流れる電流を検出する際に使用する電流センサの出力のオフセット調整値を決定する際に、広く適用可能であることは、言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、前記電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定するに当たり、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉し、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得し、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記調整値として決定するようにした。
【0069】
また、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉する捕捉手段と、前記捕捉手段が前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得する出力取得手段と、前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記電流センサの出力に関する、前記標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として決定する調整値決定手段とを備える構成とした。
【0070】
このため、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法と、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置のいずれによっても、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態という、例えば負荷の電源がオフしていることで発生するような、本来的に必ず発生し、しかもある程度継続的に発生する状況であって、電源供給ライン上における電流の状態が安定していて、予め定められた標準特性における電流センサの出力の値を一義的に設定するのに足りる状況を捉えて、その状況における電流センサの出力を用いて、オフセットの調整値を容易に、かつ、精度良く決定することができる。
【0071】
さらに、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定するようにした。
【0072】
また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記電流センサが、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記調整値決定手段が、前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定する構成とした。
【0073】
このため、請求項2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、また、請求項6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態における電流センサの出力を用いて、オフセットの調整値を極めて容易に決定することができる。
【0074】
尚、請求項1又は2に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、請求項3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法のように、前記バッテリが車両に搭載されたものである場合には、前記状態を前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態であるようにすることができる。
【0075】
また、請求項5又は6に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、請求項7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置のように、前記バッテリが車両に搭載されたものである場合には、前記捕捉手段が前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態を、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態として捕捉する構成とすることができる。
【0076】
さらに、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得した後、該状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得し、該再度取得した前記電流センサの出力を用いて前記調整値を再度決定するようにした。
【0077】
また、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、前記出力取得手段が、該出力取得手段が前記電流センサの出力を取得した後、前記捕捉手段が前記状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得する構成とした。
【0078】
このため、請求項4に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法において、また、請求項8に記載した本発明のバッテリ電流検出装置によれば、請求項5、6又は7に記載した本発明のバッテリ電流検出装置において、いずれも、電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び負荷に関する暗電流のみが電源供給ライン上を流れている状態が、その後も所定時間連続して継続した場合に、その状態にそうでない状態から移行した時点だけでなく、再度、電流センサから取得される出力の値によって電流センサのオフセットの調整値を決定して、調整値を最新値に更新させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリ電流検出装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るバッテリ電流検出装置を有する車両の電装系の概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 バッテリ
3 電源供給ライン
7 イグニッションスイッチ
11,13,15 負荷
21 電流センサ
35 マイクロコンピュータ
35a CPU
35b RAM
35c ROM
35A 捕捉手段
35B 出力取得手段
35C 調整値決定手段
35D 換算手段
Claims (8)
- バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置において、前記電流センサの出力に関する、予め定められた標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値を決定するに当たり、
前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉し、
前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得し、
前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記調整値として決定するようにした、
ことを特徴とするバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法。 - 前記電流センサは、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記状態を捕捉した際に取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定するようにした請求項1記載のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法。
- 前記バッテリは車両に搭載されたものであり、前記状態は前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態である請求項1又は2記載のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法。
- 前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得した後、該状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得し、該再度取得した前記電流センサの出力を用いて前記調整値を再度決定するようにした請求項1、2又は3記載のバッテリ電流検出装置の電流センサ用オフセット調整値決定方法。
- バッテリからの給電を受けて作動する負荷と前記バッテリとの間の電源供給ライン上における電流に応じた電流センサの出力を取得して、該取得した電流センサの出力から前記電源供給ライン上を流れる電流を検出するバッテリ電流検出装置であって、
前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態を捕捉する捕捉手段と、
前記捕捉手段が前記状態を捕捉した際に前記電流センサの出力を取得する出力取得手段と、
前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力と、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの予め定められた標準特性における前記電流センサの出力との差分を、前記電流センサの出力に関する、前記標準特性に対する実際の特性のオフセットの調整値として決定する調整値決定手段と、
を備えることを特徴とするバッテリ電流検出装置。 - 前記電流センサは、前記電源供給ライン上を流れる電流がゼロであるときの前記標準特性における出力がゼロであるものであり、前記調整値決定手段は、前記出力取得手段が取得した前記電流センサの出力の値を前記差分として前記調整値を決定する請求項5記載のバッテリ電流検出装置。
- 前記バッテリは車両に搭載されたものであり、前記捕捉手段は前記車両のイグニッションスイッチのオフ状態を、前記電源供給ライン上を流れる電流の検出に必要な電流及び前記負荷に関する暗電流のみが前記電源供給ライン上を流れている状態として捕捉する請求項5又は6記載のバッテリ電流検出装置。
- 前記出力取得手段は、該出力取得手段が前記電流センサの出力を取得した後、前記捕捉手段が前記状態を所定時間連続して捕捉した際に、前記電流センサの出力を再度取得する請求項5、6又は7記載のバッテリ電流検出装置。
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