JP2004176627A - エンジン始動・停止制御システム - Google Patents

エンジン始動・停止制御システム Download PDF

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Seiji Ishigaki
誠司 石垣
Yoshito Mizuno
好人 水野
Masayuki Kawamura
将之 川村
Kiyokazu Otaki
清和 大滝
Tomoyuki Funayama
友幸 舟山
Katsutomo Fukuoka
克知 福岡
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Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
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Abstract

【課題】簡単な構成で信頼性を向上させることができるエンジン始動・停止制御システムを提供する。
【解決手段】エンジン始動・停止制御システム11は、電源スイッチ30、ソレノイド32及び電源制御部17を備えている。電源スイッチ30は、始動・停止スイッチの押圧操作によって機械的にONする。ソレノイド32は、始動・停止スイッチが押圧操作されたときに電源スイッチ30がONされるON可能状態または始動・停止スイッチが押圧操作されても電源スイッチ30がON不能になるON不能状態に切り換える。電源制御部17は、ON可能状態に切り換えられているときに電源スイッチ30がONしていることを条件として、IGリレー29への給電を行う。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば押圧操作でエンジンの始動・停止動作を行うことができるエンジン始動・停止制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の機能ポジションは、車室内に設けられたキースイッチを操作することによって切換可能となっている。キースイッチは、ロータリスイッチによって構成され、キーが装着されているときに回動可能となる。そして、回動操作によってキースイッチの可動接点と固定接点との接触状態が切り換わり、機能ポジションが「OFF」、「ACC(アクセサリ)」、「ON(イグニッションオン)」、「ST(スタート)」に切り換わる。
【0003】
ところで近年では、車室内に押しボタン式の始動・停止スイッチを設け、このスイッチが押されたときにエンジンを始動・停止させるワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このシステムにおいては、始動・停止スイッチが前記キースイッチとは別に設けられており、機能ポジションを「OFF」から「ON」に切り換える場合にはキースイッチの回動操作、エンジンを始動・停止させる場合には始動・停止スイッチの押圧操作が必要となる。ゆえに、操作が煩雑となって操作性が低下してしまう。
【0004】
この問題を解決するために、様々なエンジン始動・停止制御システムが提案されている(特許文献2,3参照)。例えば図8に示すエンジン始動・停止制御システム61は、電源制御部62を備え、同電源制御部62には始動・停止スイッチ63からの操作信号が入力されるようになっている。電源制御部62には、ACCリレー64、IGリレー65及びSTリレー66を個別にONさせるドライバ部67〜69と、エンジン制御部70とが接続されている。電源制御部62は、これらドライバ部67〜69に対して個別に制御信号を出力することにより、対応するリレー64〜66を制御するようになっている。また、電源制御部62は、各ドライバ部67〜69及びエンジン制御部70に対して制御信号を出力することにより、エンジンの始動を制御するようになっている。
【0005】
電源制御部62は、例えば始動・停止スイッチ63からの操作信号が所定時間以上入力され続けた場合にエンジンの始動・停止制御を行い、同操作信号が所定時間より短い時間入力された場合に機能ポジションの切換制御を行うようになっている。このため、始動・停止スイッチ63として押しボタン式のスイッチを用いれば、押圧操作によって機能ポジションの切換操作とエンジンの始動・停止操作とを行うことが可能となり、操作性が向上する。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−351453号公報
【特許文献2】
特開2001−132289号公報
【特許文献3】
特開2001−130381号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のエンジン始動・停止制御システム61では、リレー64〜66を制御するために、電源制御部62やドライバ部67〜69等の電気的な構成を用いることが必須となる。しかし、電源制御部62及びドライバ部67〜69のうち少なくともいずれか一つに電気的な不具合が生じると、各リレー64〜66のうち少なくともいずれか一つのON状態が維持できなくなるため、その問題を解消するための対策が講じられている。
【0008】
その対策の一つとして、例えば、図8に示すIGドライバ部68とは別に、IGリレー65をONさせるためのIGドライバ部71を設けることが考えられている。このため、各IGドライバ部68,71のうちの一方に電気的な不具合が生じても、他方によってIGリレー65のON状態が維持される。ところで、ドライバ部67〜69には、同ドライバ部67〜69を低電圧から保護するための保護回路等が設けられている。しかし、IGドライバ部71を設けると、IGドライバ部71にも同様の保護回路等が必要となるため、エンジン始動・停止制御システム61を構成する回路全体の素子数が増加してしまい、回路が複雑になってしまう。
【0009】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、簡単な構成で信頼性を向上させることができるエンジン始動・停止制御システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車室内に設けられた操作手段の操作によってONする切換スイッチと、前記操作手段が操作された場合に前記切換スイッチがONされるON可能状態または前記操作手段が操作された場合に前記切換スイッチがONされないON不能状態に切り換えるアクチュエータと、前記アクチュエータによって前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記切換スイッチがONしていることを条件として、車両の走行維持に必要な電気部品への給電を行う電源制御手段とを備えることを要旨とする。
【0011】
本発明においては、車両の走行維持に必要な電気部品への給電が、切換スイッチのON可能状態において操作手段が操作されたときに、切換スイッチをONさせることによって行われる。そのため、電気部品への給電を行うための電気的な回路を設ける必要がない。ゆえに、エンジン始動・停止制御システムを構成する回路全体の素子数が減らせるので、電気的な不具合が生じる確率を根本的に減らすことができる。よって、簡単な構成でエンジン始動・停止制御システムの信頼性を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記電源制御手段は、前記切換スイッチが前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記操作手段が操作されたことを条件として、前記操作手段とは別体の前記アクチュエータによって前記切換スイッチを直接的にONさせることを要旨とする。
【0013】
本発明においては、切換スイッチはアクチュエータによって直接的にONされるため、操作手段に、例えば切換スイッチをONさせるための機構を設けなくても済む。よって、操作手段を小型化できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記操作手段は、前記切換スイッチが前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記操作手段が操作されたことを条件として前記切換スイッチをONさせる作動部材を備えていることを要旨とする。
【0015】
本発明においては、ON可能状態に切り換えられているときに仮に電源制御手段が誤作動するようなことがあっても、操作手段の操作によって作動部材が作動しない限り、切換スイッチがONすることはない。よって、エンジン始動・停止制御システムの信頼性をより一層向上させることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記切換スイッチは、前記操作手段の操作によって機械的にONするものであることを要旨とする。
【0017】
本発明においては、切換スイッチは機械的にONするものであるため、切換スイッチを電気的にONさせる場合のように、切換スイッチに電気的な不具合が生じたりすることはない。よって、エンジン始動・停止制御システムの信頼性をより一層向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したエンジン始動・停止制御システムの第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、エンジン始動・停止制御システム11は、携帯機12と、車両13に搭載された車両制御装置14とを備えている。携帯機12は、ユーザ(運転者)によって所持され、車両制御装置14と相互通信可能になっている。携帯機12は、車両制御装置14から出力されたリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に基づいてIDコードを含むID信号を自動的に送信する。
【0020】
車両制御装置14は、送受信部15、照合制御部16、電源制御手段としての電源制御部17、ロック制御部18、エンジン制御部19及びメータ制御部20を備えている。各制御部16〜20は、図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。送受信部15は照合制御部16に電気的に接続され、照合制御部16は電源制御部17、ロック制御部18及びエンジン制御部19に電気的に接続されている。電源制御部17には、ロック制御部18、エンジン制御部19、メータ制御部20、ドアカーテシスイッチ21、ブレーキスイッチ22及び操作手段としての始動・停止スイッチ23が電気的に接続されている。また、照合制御部16、ロック制御部18、エンジン制御部19及びメータ制御部20は、図示しない通信ラインによって電気的に接続されている。
【0021】
送受信部15は、照合制御部16から出力されたリクエスト信号を所定周波数の電波に変調し、その電波を車室外または車室内に出力する。また、送受信部15は、携帯機12から送信されたID信号を受信すると、そのID信号をパルス信号に復調して照合制御部16に対して出力する。
【0022】
照合制御部16は、送受信部15に対してリクエスト信号を間欠的に出力する。また、照合制御部16は、送受信部15からID信号が入力されると、ID信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの比較を行う。そして、それらIDコード同士が一致すると、照合制御部16はロック制御部18に対してロック解除要求信号を出力する。照合制御部16は、ロック制御部18からロック解除完了信号が入力されると、電源制御部17及びエンジン制御部19に対して始動許可信号を出力する。それに対して、IDコード同士が一致しない場合、照合制御部16は、電源制御部17及びエンジン制御部19に対して始動禁止信号を出力する。また、照合制御部16は、エンジンが駆動中であることを示すエンジン駆動信号が電源制御部17から入力されると、送受信部15に対するリクエスト信号の出力を停止する。
【0023】
ロック制御部18は、ロック状態検出スイッチ24及びモータ25とともにステアリングロック機構26を構成している。ロック制御部18には、ロック状態検出スイッチ24及びモータ25が電気的に接続されている。ロック制御部18は、照合制御部16からロック解除要求信号が入力されると、モータ25に対してステアリングロックを解除するためのアンロック駆動信号を出力する。その結果、モータ25の駆動によって図示しないロックピンが移動し、ロックピンとステアリングシャフトとの係合状態が解除される。ロック状態検出スイッチ24は、ロックピンがステアリングシャフトとの係合状態から完全に解除されたときにON状態となるスイッチである。このため、ロック制御部18は、ロック状態検出スイッチ24によってステアリングシャフトに対するロックピンの係脱状態を認識可能となっている。そして、ロック制御部18は、ロック状態検出スイッチ24がON状態となったことにより、ロックピンがステアリングシャフトとの係合状態から完全に解除されたことを認識すると、照合制御部16に対してロック解除完了信号を出力する。
【0024】
エンジン制御部19は、照合制御部16から始動許可信号が入力されるとともに、電源制御部17から始動信号が入力されると、燃料噴射制御や点火制御等を行う。そして、エンジン制御部19は、イグニッションパルスやオルタネータ出力等に基づいてエンジンの駆動状態を検出し、エンジンが駆動していると判断したときに電源制御部17に対して完爆信号を出力する。
【0025】
メータ制御部20は、インストルメントパネルに設けられたコンビネーションメータ類の動作を制御し、車速情報等の車両情報信号を電源制御部17に対して出力する。なお、本実施形態において車速情報信号は、図示しない車速センサによって検出された車速パルスを積分回路等のハードウェアを介して成形した信号であり、車速有り(走行状態)のときにHレベル、車速無し(非走行状態)のときにLレベルとなる。
【0026】
ドアカーテシスイッチ21は、車両13のドアが開状態にあることを検出して電源制御部17に開状態検出信号を出力する。ブレーキスイッチ22は、ブレーキペダルが操作されたことを検出して電源制御部17にブレーキ信号を出力する。始動・停止スイッチ23は、押しボタン式であり、車室内のステアリングコラムやインストルメントパネル等に設けられている。始動・停止スイッチ23は、ユーザに押圧操作されていることを検出して電源制御部17に押圧操作信号を出力する。始動・停止スイッチ23は、押圧操作が終了すると操作前の状態に復帰するモーメンタリ式のスイッチである。
【0027】
電源制御部17には、アクセサリリレー(ACCリレー)27及びスタータリレー(STリレー)28におけるコイル部L1,L2の一端がそれぞれ接続されている。また、電源制御部17には、電気部品としてのイグニッションリレー(IGリレー)29におけるコイル部L3の一端が、切換スイッチとしての電源スイッチ30を介して接続されている。各リレー27〜29のコイル部L1〜L3の他端は接地されている。各リレー27〜29の接点CP1〜CP3の一端は、バッテリー端子に接続されている。接点CP1の他端はアクセサリ駆動系の各種電気部品の電源端子に接続され、接点CP2の他端は図示しないスタータモータに接続され、接点CP3の他端はエンジン制御部19の電源端子に接続されている。よって、ACCリレー27がONするとアクセサリ駆動系の電気部品への給電が行われ、STリレー28がONするとスタータモータへの給電が行われ、IGリレー29がONするとエンジン制御部19への給電が行われる。
【0028】
図2に示すように、エンジン始動・停止制御システム11は、アクチュエータとしてのソレノイド32を備えている。ソレノイド32は、電源制御部17からの作動信号によって駆動するようになっている。また、前記電源スイッチ30の一端はバッテリー端子に接続され、他端はIGリレー29のコイル部L3の一端に接続されている。電源スイッチ30がON状態になると、IGリレー29はONされるようになっている。電源スイッチ30は、一度ON状態になるとその状態を保持し続けるようになっている。そのため、IGリレー29のON状態も維持され続ける。また、電源スイッチ30がOFF状態になると、IGリレーはOFFされるようになっている。電源スイッチ30は、一度OFF状態になるとその状態を保持し続けるようになっている。そのため、IGリレー29のOFF状態も維持され続ける。すなわち、電源スイッチ30は、自己保持型のロック式スイッチである。
【0029】
ソレノイド32は、コイル部32aと、その内部に挿入されたプランジャ32bとを備えている。ソレノイド32は、電源制御部17から作動信号が入力されると、プランジャ32bが突出することにより、電源スイッチ30の開閉接点30aが押圧されるようになっている。このとき、電源スイッチ30は、始動・停止スイッチ23の押圧操作によってONされるON可能状態になっている。そして、電源スイッチ30がON状態になると、再び電源制御部17から作動信号が入力されるまでの間は、電源制御部17からの作動信号の出力が停止される。よって、ソレノイド32のプランジャ32bが後退して、開閉接点30aの押圧が解除される。このとき、電源スイッチ30は、始動・停止スイッチ23を押圧操作してもON不能なON不能状態になっている。ソレノイド32は、電源制御部17から作動信号が入力されると、励磁されてプランジャ32bが突出するとともに、作動信号が入力されなくなると、非励磁状態になってプランジャ32bが後退するようになっている。
【0030】
図1,図2に示すように、電源制御部17は、照合制御部16から始動許可信号が入力されると、エンジン始動許可状態となる。この状態において、始動・停止スイッチ23の押圧操作により押圧操作信号(本実施形態ではHレベルの信号)が電源制御部17に入力されると、電源制御部17はエンジンの始動制御を行う。電源制御部17は、メータ制御部20からLレベルの車速情報信号が入力されたことと、始動・停止スイッチ23から押圧操作信号が入力されたこととを条件として、ソレノイド32に対する作動信号の出力を開始する。その結果、ソレノイド32の駆動によって電源スイッチ30がONし、IGリレー29がONして接点CP3がON状態となり、エンジン制御部19への給電が行われるとともに、電源制御部17に対して作動完了信号が出力される。
【0031】
また、電源制御部17は、前記作動完了信号が入力されると、前記ブレーキスイッチ22からブレーキ信号(本実施形態ではHレベルの信号)が入力されていることを条件として、STリレー28に対して作動信号を出力する。これに伴い、STリレー28がONして接点CP2がON状態となり、スタータモータへの給電が行われる。そして、電源制御部17はエンジン制御部19に対して始動信号を出力する。
【0032】
電源制御部17は、エンジン制御部19から前記完爆信号が入力されるとエンジンの始動が完了したと判断して、STリレー28に対する作動信号の出力を停止する。また、電源制御部17は、ACCリレー27に対して作動信号を出力する。このため、エンジンの始動完了後には、スタータモータの駆動が停止されるとともに、アクセサリ駆動系の電気部品への給電が行われる。
【0033】
これに対し、電源制御部17は、照合制御部16から始動許可信号が入力されていないときにはエンジン始動禁止状態となる。この状態において前記押圧操作信号が入力されても、電源制御部17は、ソレノイド32に対する作動信号の出力を行わない。
【0034】
また、エンジンの駆動中において車両13が非走行状態であること等の停止許可条件を満たした状態で前記押圧操作信号が入力された場合、電源制御部17はエンジンの停止制御を行う。具体的には、電源制御部17は、各リレー27,28に対する作動信号の出力を停止して、各リレー27,28をOFF状態に切り換え、各種電気部品への給電を停止させる。また、電源制御部17は、メータ制御部20からLレベルの車速情報信号が入力されたことと、始動・停止スイッチ23から押圧操作信号が入力されたこととを条件として、ソレノイド32に対する作動信号の出力を開始する。その結果、ソレノイド32の駆動によって電源スイッチ30がOFF状態となり、IGリレー29がOFF状態に切り換わるため、エンジン制御部19への給電が停止され、エンジンが停止する。
【0035】
次に、このエンジン始動・停止制御システム11の電源制御部17によって行われる一連の動作について説明する。
図3に示すように、携帯機12側のIDコードと車両制御装置14側のIDコードとが一致している状態で、ステアリングロックが解除されていなければ(S1)、ユーザが始動・停止スイッチ23を押圧操作すると(S2)、ステアリングロックが解除される(S3)。このとき、ブレーキペダルが操作されていなければ(S4)、ACCリレー27がONする(S5)。
【0036】
この状態において、始動・停止スイッチ23が押圧操作されたとき(S6)、ブレーキペダルが操作されていなければ(S7)、IGリレー29がONする(S8)。そして、IGリレー29がONしている状態で始動・停止スイッチ23が押圧操作されたとき(S9)、ブレーキペダルが操作されていれば(S10)、STリレー28がONして(S11)、エンジンが始動する。なお、各リレー27〜29がONしていない状態またはACCリレー27がONしている状態において、始動・停止スイッチ23が押圧操作されたときでも(S2,S6)、ブレーキペダルが操作されていれば(S4,S7)、STリレー28がONして、エンジンが始動する。
【0037】
また、ステアリングロックが解除されている場合(S1)、ユーザが始動・停止スイッチ23を押圧操作したときに(S12)、ブレーキペダルが操作されていなければ(S13)、ACCリレー27がONする(S5)。また、ブレーキペダルが操作されていれば、図4に示すようにSTリレー28がONして(S11)、エンジンが始動する。なお、図3に示すように、始動・停止スイッチ23が押圧操作されていないときにドアカーテシスイッチ21によってドアの開状態が検出されると(S14)、ステアリングロックが作動する(S15)。
【0038】
図4に示すように、エンジンが駆動されている状態でユーザが始動・停止スイッチ23を押圧操作すると(S16)、各リレー27〜29がOFFされて(S17)、エンジンが停止する。なお、IGリレー29がONしている状態で始動・停止スイッチ23が押圧操作されたときに(S9)、ブレーキペダルが操作されていない場合でも(S10)、各リレー27〜29がOFFされて、エンジンが停止する。そして、ドアカーテシスイッチ21によってドアの開状態が検出されると(S18)、ステアリングロックが作動する(S19)。
【0039】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電源スイッチ30がON可能状態にあるときに始動・停止スイッチ23を押圧操作すると、ソレノイド32のプランジャ32bに押圧されることにより電源スイッチ30が機械的にONすることによって、車両13の走行維持に必要なIGリレー29への給電が行われる。そのため、IGリレー29への給電を行うのに、従来のIGドライバ部68,71のような電気的な回路を用いる必要はなく、電源スイッチ30及びソレノイド32のような部品が用いられている。ゆえに、エンジン始動・停止制御システム11を構成する回路全体に多くの素子(FETトランジスタ等)が用いられていたのを、電源スイッチ30及びソレノイド32だけに減らすことができるので、電気的な不具合が生じる確率を根本的に減らすことができる。よって、簡単な構成でエンジン始動・停止制御システム11の信頼性を向上させることができる。また、エンジン始動・停止制御システム11を構成するコストを低減させることができる。
【0040】
(2)電源スイッチ30は、開閉接点30aがソレノイド32のプランジャ32bに直接押圧されることによってONするため、始動・停止スイッチ23に電源スイッチ30の開閉接点30aをONさせるための部材をソレノイド32とは別に設けなくても済む。よって、始動・停止スイッチ23を小型化できる。
【0041】
(3)電源スイッチ30は、一度ON状態になると、始動・停止スイッチ23が再び押圧されるまでの間、すなわち、開閉接点30aが再びソレノイド32のプランジャ32bによって押圧されるまでの間は、その状態を保持し続けるようになっている。ゆえに、バッテリーの電圧が低下することによって、電源制御部17のメモリ内に記憶されているIDコード等のデータが消去された場合でも、エンジンの駆動状態が維持される。よって、エンジン始動・停止制御システム11の信頼性をより一層向上させることができる。
【0042】
(4)従来必要であったドライバ部67〜69,71を電源制御部17によって制御する必要がなくなることと、各ドライバ部67〜69,71に設けられた低電圧保護回路等が不要になることとによって、電源制御部17への負荷が低減される。よって、電源制御部17に、照合制御部16、ロック制御部18、エンジン制御部19及びメータ制御部20の機能を持たせることが可能になり、エンジン始動・停止制御システム11を構成するコストをより一層低減できる。
【0043】
(5)電源スイッチ30の開閉接点30aは、ソレノイド32のプランジャ32bに押圧されてONするとともに、プランジャ32bによる押圧が終了したときにON状態を保持する自己保持型のロック式スイッチである。よって、プランジャ32bによる押圧が解除されるのに伴い、電源スイッチ30がOFFされるのを防止することができる。ゆえに、電源スイッチ30のON状態においてソレノイド32を常に励磁させておく必要がなくなるため、ソレノイド32の消費電力を低減させることができる。
【0044】
(6)車両13が走行し始めると、電源制御部17に対してHレベルの車速情報信号が入力される。このとき、始動・停止スイッチ23を押圧操作しても、電源制御部17が作動信号を出力することはない。また、電源スイッチ30はロック式スイッチであるため、電源スイッチ30がON状態に保持されるとともに、IGリレー29がON状態に維持されている。すなわち、車両13の走行中においては電源スイッチ30がON不能状態になっているため、始動・停止スイッチ23が誤って押圧操作されたとしても、エンジンが停止してしまうことはない。よって、エンジン始動・停止制御システム11の信頼性をより一層向上させることができる。
【0045】
(7)ソレノイド32は、電源スイッチ30をONさせるときに通電状態に切り換えられるようになっている。また、ソレノイド32は、電源スイッチ30のON状態を解除させるとき、すなわちエンジンを停止したときに通電状態に切り換えられるようになっている。これらの状態においては、例えばエンジン始動時のように、バッテリーの電力がセルモータ等に集中して用いられたりすることはない。つまり、ソレノイド32は、バッテリーの電力に余裕があるときに通電状態に切り換えられるようになっている上、電源スイッチ30をONさせるときのみに瞬間的に通電状態に切り換えられるため、ソレノイド32を高い電圧で作動させることができる。また、ソレノイド32は瞬間的に通電状態に切り換えられるため、ソレノイド32の消費電力を低減させることができる。
【0046】
(第2実施形態)
第2実施形態において第1実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0047】
図5に示すように、電源制御部17には、イグニッションリレー(IGリレー)29におけるコイル部L3の一端が、電源スイッチ30を介さずに直接的に接続されている。電源制御部17には、機能ポジション切換スイッチ33が電気的に接続されている。機能ポジション切換スイッチ33は、電源制御部17によって機能ポジションを「OFF」、「ACC(アクセサリ)」、「ON(イグニッションオン)」、「ST(スタート)」に切り換えるためのものである。
【0048】
図6に示すように、始動・停止スイッチ23においてユーザに押圧される面の反対側に位置する面には、第1押圧部34及び第2押圧部35がそれぞれ同一方向に突設されている。第1押圧部34は、始動・停止スイッチ23が押圧操作されたことを条件として機能ポジション切換スイッチ33をONさせるようになっている。第2押圧部35の先端側には、同第2押圧部35に押圧される作動部材36が第2押圧部35の軸線上を移動可能に配置されている。作動部材36は、図示しないバネによって第2押圧部35側に付勢されている。作動部材36の一側面には、ソレノイド32のプランジャ32bが係脱される係合溝36aが設けられている。係合溝36aは、始動・停止スイッチ23が押圧操作されている状態で、プランジャ32bを係脱できる位置に設けられている。作動部材36は、始動・停止スイッチ23が押圧操作されたことを条件として電源スイッチ30をONさせるようになっている。
【0049】
電源制御部17には、機能ポジション切換スイッチ33及び電源スイッチ30が接続されている。機能ポジション切換スイッチ33の一端はバッテリー端子に接続され、他端は電源制御部17に接続されるとともに接地されている。電源スイッチ30の一端はバッテリー端子に接続され、他端は電源制御部17に接続されるとともに接地されている。機能ポジション切換スイッチ33は、開閉接点33aが第1押圧部34に押圧されているときにON状態に保持されるようになっており、第1押圧部34に押圧されなくなるとON状態が解除されるようになっている。電源スイッチ30は、開閉接点30aが作動部材36に押圧されているときのみにON状態に保持されるようになっており、作動部材36に押圧されなくなるとON状態が解除されるようになっている。すなわち、機能ポジション切換スイッチ33及び電源スイッチ30は、前記第1実施形態に示す自己保持型のロック式スイッチではなく、始動・停止スイッチ23の押圧操作が終了するとOFFされるモーメンタリ式のスイッチである。
【0050】
前記ソレノイド32は、電源制御部17から作動信号が入力されると、通電によりプランジャ32bが突出し、通電が終了すると、コイル部32a内に設けられた永久磁石の吸引力によってプランジャ32bが突出した後の状態に保持されるようになっている。このとき、電源スイッチ30は、始動・停止スイッチ23の押圧操作によってONされるON可能状態になっている。また、ソレノイド32は、プランジャ32bが突出しているときに電源制御部17から作動信号が入力されると、通電によりプランジャ32bが吸引され、通電が終了すると、永久磁石の吸引力によってプランジャ32bが吸引した後の状態に保持されるようになっている。このとき、電源スイッチ30は、始動・停止スイッチ23を押圧操作してもON不能なON不能状態になっている。すなわち、本実施形態では、非励磁状態においてプランジャ32bを移動後の状態、すなわち、突出した状態または後退した状態に保持する自己保持型のソレノイド32が用いられている。
【0051】
図5,図6に示すように、電源制御部17は、始動・停止スイッチ23の押圧操作によって機能ポジション切換スイッチ33がONしたときに、プランジャ32bが前記作動部材36の前記係合溝36aに係合していなければACCリレー27をONさせる。
【0052】
そして、電源制御部17は、非走行状態であるときにメータ制御部20からLレベルの車速情報信号が入力されることを条件として、ソレノイド32に対して作動信号の出力を開始し、プランジャ32bを突出させて予め作動部材36の一側面に当接させる。この状態において、始動・停止スイッチ23が押圧操作されると、作動部材36が電源スイッチ30の開閉接点30aを押圧するのに伴い、永久磁石の吸引力によってプランジャ32bが係合溝36aに係合し、電源スイッチ30がON状態に保持される。その結果、IGリレー29がONしてエンジン制御部19への給電が行われるとともに、電源制御部17に対して作動完了信号が出力される。電源制御部17は、IGリレー29のONによって出力される作動完了信号が入力されると、ブレーキスイッチ22からブレーキ信号が入力されていることを条件として、STリレー28に対して作動信号を出力し、エンジンを始動させる。
【0053】
車両13の走行状態においてはエンジンの停止が禁止された状態となるため、車両13の走行中に始動・停止スイッチ23が押圧操作されても、作動部材36とプランジャ32bとの係合状態が維持される。よって、電源スイッチ30のON状態が保持されるため、車両13の走行中に始動・停止スイッチ23が誤って押圧操作されたとしても、エンジンが停止してしまうことはない。
【0054】
その後、車両13が走行を停止して非走行状態になると、電源制御部17に対してLレベルの車速情報信号が入力される。この状態において、始動・停止スイッチ23が押圧操作されると、機能ポジション切換スイッチ33がONされて、電源制御部17からソレノイド32に対して作動信号が出力される。その結果、プランジャ32bが吸引されることによって作動部材36との係合状態が解除され、作動部材36が前記第2押圧部35側に移動することによって電源スイッチ30がOFFされる。よって、IGリレー29がOFF状態となり、エンジンが停止される。
【0055】
したがって、この第2実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)万が一電源制御部17の誤作動によってソレノイド32のプランジャ32bが突出しても、始動・停止スイッチ23の押圧操作によって作動部材36が押圧されない限り、プランジャ32bが作動部材36の係合溝36aに係合されることはない。よって、始動・停止スイッチ23を押圧操作しない限り、電源スイッチ30はONしないため、ユーザの意志に反してエンジンが始動されてしまうことはない。したがって、エンジン始動・停止制御システム11の信頼性をより一層向上させることができる。
【0056】
(9)ソレノイド32のプランジャ32bは、メータ制御部20からLレベルの車速情報信号が入力されたときに電源制御部17から作動信号が出力されたことを条件として、コイル部32aから突出して予め作動部材36の一側面に当接する。そのため、始動・停止スイッチ23を押圧操作すれば、プランジャ32bは永久磁石の吸引力によって係合溝36aに確実に係合する。よって、始動・停止スイッチ23の押圧操作と同時にプランジャ32bを突出させる場合に比べ、プランジャ32bをより確実に係合溝36aに係合できる。
【0057】
(10)ソレノイド32は、通電時にプランジャ32bが突出または吸引するとともに、通電が終了したときに永久磁石の吸引力によってプランジャ32bが突出または吸引した後の状態に保持される自己保持型のソレノイドである。そのため、エンジンが駆動しているとき、すなわち電源スイッチ30がONしているとき、プランジャ32bは作動部材36の係合溝36aに係合した状態に保持される。また、エンジンが停止しているとき、すなわち電源スイッチ30がONしていないときには、プランジャ32bは係合溝36aとの係合を解除した状態に保持される。よって、エンジンの駆動中及び停止中おいてソレノイド32が通電されることはないため、ソレノイド32の消費電流を低減させることができる。
【0058】
(第3実施形態)
この第3実施形態の構成は第2実施形態の構成とほぼ同様である。よって、第3実施形態においては第2実施形態と異なる部分についてのみ説明し、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0059】
図7に示すように、第2押圧部35は、作動部材36を押圧する押圧面35aを有している。押圧面35aは、始動・停止スイッチ23が押圧される方向と同一方向に行くに従って第2押圧部35が細くなる方向に傾斜している。
【0060】
作動部材36は、第2押圧部35の軸線上を移動可能に配置されるとともに、プランジャ32bの移動方向に沿って移動可能に配置されている。作動部材36は、第2押圧部35の押圧面35aに接触する傾斜面36bを有している。傾斜面36bが押圧面35aに押圧されたとき、作動部材36は、プランジャ32bの吸引方向(図7に示す矢印A1方向)に移動するようになっている。押圧面35aによる傾斜面36bの押圧が解除されたとき、作動部材36は、図示しないバネに付勢されてプランジャ32bの突出方向(図7に示す矢印A2方向)に移動するようになっている。
【0061】
電源スイッチ30は、開閉接点30aが作動部材36に押圧されて一度ON状態になると、その状態を保持し続けるようになっている。すなわち、電源スイッチ30は、始動・停止スイッチ23の押圧操作が終了してもON状態を保持し続ける自己保持型のロック式スイッチである。
【0062】
ソレノイド32は、電源制御部17から作動信号が入力されているときに通電によってプランジャ32bを突出させ、作動信号が入力されなくなると、通電を終了してプランジャ32bをコイル部32a内に後退させるようになっている。
【0063】
図7に示すように、電源制御部17は、始動・停止スイッチ23の押圧操作によって機能ポジション切換スイッチ33がONしたときに、プランジャ32bが前記作動部材36の一側面に当接していなければACCリレー27をONさせる。
【0064】
電源制御部17は、前記第2実施形態に示されるメータ制御部20からLレベルの車速情報信号が入力されたことを条件として、ソレノイド32に対して作動信号の出力を開始し、プランジャ32bを突出させて予め作動部材36の一側面に当接させる。この状態において、始動・停止スイッチ23が押圧操作されると、作動部材36がプランジャ32bの吸引方向(矢印A1方向)に移動することなく電源スイッチ30の開閉接点30aを押圧する。そして、電源スイッチ30がON状態に切り換わり、ソレノイド32の通電が終了される。その結果、ブレーキスイッチ22からブレーキ信号が入力されていることを条件として、STリレー28がONされ、エンジンが始動される。
【0065】
車両13の走行状態においてはエンジンの停止が禁止された状態となるため、車両13の走行中に始動・停止スイッチ23が押圧操作されても、作動部材36は電源スイッチ30の開閉接点30aを押圧せずにプランジャ32bの吸引方向(矢印A1方向)に移動する。よって、電源スイッチ30のON状態が保持されるため、車両13の走行中に始動・停止スイッチ23が誤って押圧操作されたとしても、エンジンが停止してしまうことはない。
【0066】
その後、車両13が走行を停止して非走行状態になると、電源制御部17に対してLレベルの車速情報信号が入力される。このとき、電源制御部17からソレノイド32に対して作動信号が出力され、プランジャ32bが突出して作動部材36の一側面に当接する。その結果、始動・停止スイッチ23の押圧操作によって電源スイッチ30の開閉接点30aが押圧され、同電源スイッチ30がOFFされる。よって、IGリレー29がOFF状態となり、エンジンが停止される。
【0067】
したがって、この第3実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(11)電源制御部17の誤作動によってソレノイド32のプランジャ32bが突出しても、始動・停止スイッチ23を押圧操作しない限り、電源スイッチ30はONしないため、ユーザの意志に反してエンジンが始動されてしまうことはない。
【0068】
また、エンジンの駆動中において、電源制御部17の誤作動によってソレノイド32のプランジャ32bが突出しても、始動・停止スイッチ23を押圧操作しない限り、電源スイッチ30がOFFされることはないため、車両13の走行中にエンジンが停止してしまうことはない。
【0069】
したがって、エンジン始動・停止制御システム11の信頼性をより一層向上させることができる。
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよい。
【0070】
・前記第1実施形態において、自己保持型のソレノイド32を用いるとともに、モーメンタリ式の電源スイッチ30を用いることによって、エンジン始動・停止制御システム11を構成してもよい。
【0071】
・前記第2実施形態では、予めプランジャ32bを突出させて作動部材36の一側面に当接させておき、始動・停止スイッチ23の押圧操作によって作動部材36が電源スイッチ30の開閉接点30aを押圧するのに伴い、プランジャ32bが永久磁石の吸引力によって係合溝36aに係合されるようになっていた。しかし、始動・停止スイッチ23の押圧操作と同時に、プランジャ32bを突出させて係合溝36aに係合させるようにしてもよい。
【0072】
・前記第2実施形態において、自己保持型ではない通常のソレノイド32を用い、通電時にプランジャ32bを突出させて作動部材36の係合溝36aに係合させ、通電が終了したときにプランジャ32bを吸引させて係合溝36aとの係合を解除させるようにしてもよい。また、通電時にプランジャ32bを吸引させて係合溝36aとの係合を解除させ、通電が終了したときにプランジャ32bを突出させて係合溝36aに係合させるようにしてもよい。このように構成すれば、自己保持型のものよりも安価なソレノイド32を用いることができるため、エンジン始動・停止制御システム11を構成するコストを低減させることができる。
【0073】
・前記第3実施形態において、自己保持型のソレノイド32を用い、電源スイッチ30をON状態に切り換えるときにプランジャ32bを突出させ、電源スイッチ30をOFF状態に切り換えるときにプランジャ32bを吸引させるようにしてもよい。
【0074】
・前記各実施形態において、電源制御部17は、ブレーキスイッチ22によってブレーキペダルが操作されたことを検出して、STリレー28を駆動してエンジンを始動させるようになっていた。しかし、電源制御部17は、始動・停止スイッチ23が一定時間以上押圧操作されたことを検出して、STリレー28を駆動してエンジンを始動させるようにしてもよい。
【0075】
・前記各実施形態においてエンジン始動・停止制御システム11はステアリングロック機構26を備えている。しかし、このステアリングロック機構26を省略してもよい。
【0076】
・前記各実施形態においてエンジン始動・停止制御システム11は、携帯機12と車両制御装置14との相互通信に基づいてエンジンの始動を許可するようになっている。しかし、エンジン始動・停止制御システム11は、こうしたエンジンの始動許可態様に限らず、例えばキーシリンダにメカキーを装着することによってエンジンの始動を許可し、始動・停止スイッチ23の押圧操作によってエンジンの始動・停止操作を行うようになっていてもよい。
【0077】
・前記各実施形態では、始動・停止スイッチ23の押圧操作によってエンジンの始動・停止操作が行われるようになっていたが、ロータリスイッチの回動操作によってエンジンの始動・停止操作を行うようにしてもよい。
【0078】
次に、上記実施形態及び他の実施形態によって把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項2において、前記電源制御手段は、前記切換スイッチがONされているときに前記車両の走行状態を検出したことを条件として、前記操作手段の押圧操作による前記アクチュエータの駆動を禁止させることを特徴とするエンジン始動・停止制御システム。よって、技術的思想(1)によれば、エンジン始動・停止制御システムの信頼性をより一層向上させることができる。
【0079】
(2)請求項3において、前記アクチュエータは、通電時にプランジャを突出または吸引させるとともに、通電が終了したときに永久磁石の吸引力によって前記プランジャを突出または吸引した後の状態に保持する自己保持型のソレノイドであり、前記切換スイッチのON状態において前記作動部材に係合した状態を保持することを特徴とするエンジン始動・停止制御システム。よって、技術的思想(2)によれば、電源制御手段の誤作動により、切換スイッチがONするのを防止することができる。
【0080】
(3)請求項3において、前記切換スイッチは、前記作動部材に押圧されてONするとともに、前記作動部材による押圧が終了したときにON状態を保持する自己保持型のスイッチであることを特徴とするエンジン始動・停止制御システム。よって、技術的思想(3)によれば、電源制御手段の誤作動により、切換スイッチがOFFされるのを防止することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、簡単な構成でエンジン始動・停止制御システムの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるエンジン始動・停止制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同じく、エンジン始動・停止制御システムの要部を概略的に示す回路図。
【図3】同じく、エンジン始動・停止制御システムの動作を示すフローチャート。
【図4】同じく、エンジン始動・停止制御システムの動作を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態におけるエンジン始動・停止制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図6】同じく、エンジン始動・停止制御システムの要部を概略的に示す回路図。
【図7】第3実施形態におけるエンジン始動・停止制御システムの要部を概略的に示す回路図。
【図8】従来技術におけるエンジン始動・停止制御システムの構成の一部を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
11…エンジン始動・停止制御システム、13…車両、17…電源制御手段としての電源制御部、23…操作手段としての始動・停止スイッチ、29…電気部品としてのイグニッションリレー(IGリレー)、30…切換スイッチとしての電源スイッチ、32…アクチュエータとしてのソレノイド、36…作動部材。

Claims (4)

  1. 車室内に設けられた操作手段の操作によってONする切換スイッチと、
    前記操作手段が操作された場合に前記切換スイッチがONされるON可能状態または前記操作手段が操作された場合に前記切換スイッチがONされないON不能状態に切り換えるアクチュエータと、
    前記アクチュエータによって前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記切換スイッチがONしていることを条件として、車両の走行維持に必要な電気部品への給電を行う電源制御手段と
    を備えることを特徴とするエンジン始動・停止制御システム。
  2. 前記電源制御手段は、前記切換スイッチが前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記操作手段が操作されたことを条件として、前記操作手段とは別体の前記アクチュエータによって前記切換スイッチを直接的にONさせることを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動・停止制御システム。
  3. 前記操作手段は、前記切換スイッチが前記ON可能状態に切り換えられているときに、前記操作手段が操作されたことを条件として前記切換スイッチをONさせる作動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動・停止制御システム。
  4. 前記切換スイッチは、前記操作手段の操作によって機械的にONするものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のエンジン始動・停止制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008232065A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Honda Motor Co Ltd 車両用電源制御装置

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