JP2004176190A - 混繊糸用紡糸口金及びこれを用いた異染性混繊糸の製造方法 - Google Patents

混繊糸用紡糸口金及びこれを用いた異染性混繊糸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1種類で複数種類の異染性混繊糸を得ることのできる混繊糸用紡糸口金紡糸口金及びこれを用いた異染性混繊糸の製造方法を提供する。
【解決手段】染色性の異なる2種類の繊維群を同一の紡糸口金を用いて紡糸する際に使用する紡糸口金であって、中央部に円形の空洞を有する略ドーナツ型の紡糸口金部材Aと、紡糸口金部材Aの空洞部分に脱着可能な略円盤型の紡糸口金部材Bとで構成されており、紡糸口金部材A,Bともに少なくとも中心角90度で描かれる略扇形の領域に吐出孔1を有していない混繊糸用紡糸口金。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成繊維からなる異染性混繊糸の溶融紡糸に用いられる紡糸口金、及びこれを用いた異染性混繊糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
染色性の異なる2種類の繊維群を共紡糸して得られる混繊糸は、これを編織し、染色処理を施すことにより、染色の濃淡部分が不均一に現れた、杢調を有する独特の風合いの布帛を得ることができる。
【0003】
このような杢調織編物用の繊維を製造する方法として、同一の紡糸口金から染色性の異なる複数の繊維群を共紡糸し、次いでこれを混繊するという方法が従来より良く知られており、例えば、共紡糸法により紡糸した2種類の糸条束を交絡処理した後、加熱処理をして霜降り用繊維を得る方法が開示されている(特許文献1参照。)。
【0004】
ところで消費者のニーズが多様化する中、単に杢調を有するだけではなく、細杢のものから粗杢のものまで様々な表現のできる素材の要求が高まっているが、上記した方法で得られる混繊糸では、単一の杢調しか表現することができなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭49−72485号公報
【0006】
特別な装置を用いず、比較的簡単に杢調の異なる異染性混繊糸を得る方法としては、染色性の異なる複数のポリマーを吐出する紡糸口金の配列や孔形状を、得ようとする杢調に応じて種々変更する方法が一般的である。しかしながら、この方法により複数種類の杢調繊維を得るためには、それに応じた紡糸口金の種類や数が必要となり、コストの面や管理の面で好ましくないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した問題を解決し、1種類の紡糸口金を用いて、複数種類の杢調の異なる異染性混繊糸を得ることができる混繊糸用紡糸口金と、これを用いた異染性混繊糸の製造方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、染色性の異なる2種類の繊維群を共紡糸し、異なる杢調を有する複数種類の異染性混繊糸を得る方法について鋭意検討した結果、脱着可能な2つの部材で構成される紡糸口金を用い、これら2つの紡糸口金部材の組み合わせ角度を変更し、各々の紡糸口金部材に穿孔された吐出孔の位置関係を任意に変更することによって、杢調の異なる複数種類の異染性混繊糸を得ることができることを見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)染色性の異なる2種類の繊維群を同一の紡糸口金を用いて紡糸する際に使用する紡糸口金であって、中央部に円形の空洞を有する略ドーナツ型の紡糸口金部材Aと、紡糸口金部材Aの空洞部分に脱着可能な略円盤型の紡糸口金部材Bとで構成されており、紡糸口金部材A,Bともに少なくとも中心角90度で描かれる略扇形の領域に吐出孔を有していないことを特徴とする混繊糸用紡糸口金。
(2)上記(1)記載の混繊糸用紡糸口金を用いて異染性混繊糸を紡糸するに際し、紡糸口金部材AとBから、それぞれ染料に対する染着性の異なるポリマーを別々に紡糸し、次いで交絡処理を施した後、1糸条に集束してから引き取ることを特徴とする異染性混繊糸の製造方法。
(3)染料が塩基性染料である上記(2)記載の異染性混繊糸の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で製造する異染性混繊糸を構成すポリマーは、繊維形成性に優れたエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とすることが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で、第三成分としてイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やセバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール、p−オキシ安息香酸やβ−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシ酸等を共重合したものであってもよい。
【0010】
また、本発明において、ポリマーの染着性が異なる染料は特に限定されるものではないが、塩基性染料であることが好ましく,この場合,異染性混繊糸の易染性繊維群を形成するポリマーとしては、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とし、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分を共重合した塩基性染料に易染性のものが好ましいが、このようなスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル等が挙げられる。
【0011】
また、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合量は、0.5〜5.0モル%が好ましく、0.5モル%未満となると得られる糸条の染色性が低下し、良好な杢調の布帛が得られ難い。また、5.0モル%を超えると、紡糸性が低下しやすい。
【0012】
本発明において、塩基性染料に易染性の繊維群を形成するポリマー及び塩基性染料に不染性の繊維群を形成するポリマーともに、必要に応じて、酸化チタン等の艶消し剤、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、その他顔料等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
【0013】
本発明は、前記した染料,好ましくは塩基性染料に易染性の繊維群と塩基性染料に不染性の繊維群を共紡糸する際に使用する紡糸口金、及びこれを用いた異染性混繊糸の製造方法に関するのであり、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
図1〜図3は、本発明の紡糸口金実施態様を示す概略斜視図であり、図4は図1の紡糸口金のX−X断面図である。本発明の紡糸口金は、図1〜4のように中央部に円形の空洞を有する略ドーナツ型の紡糸口金部材Aと、略円盤型の紡糸口金部材Bからなり、紡糸口金部材Bは、紡糸口金部材Aの空洞部に、ポリマー導入面2の方向から、脱着可能な構造となっている。図中、1は吐出孔、3はポリマー吐出面である。
【0015】
紡糸口金部材Bを紡糸口金部材Aへ取り付ける際に、ずれやがたつきなく固定できるよう、紡糸口金部材Aの空洞部の内径をポリマーの流れる方向に2段階に小さくした略凹型構造とし、紡糸口金部材Bの外径をポリマーの流れる方向に2段階に小さくし、紡糸口金部材Aの空洞部の略凹型構造に相応した略凸型構造とすることが好ましい。また、紡糸口金部材Bを紡糸口金部材Aに装着した際、ポリマー導入面2での異成分ポリマー間での洩れや、混入防止、デッドスペースを少なくすることを考慮して、図4に示すように両部材のポリマー導入面2が同一面上に位置する構造とすることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の紡糸口金を使用して紡糸口金パックを組み立てる際は、異成分ポリマー間での洩れや、混入を防止するために、ポリマー導入面2上にできる紡糸口金部材A、Bの接合部の溝に沿って、アルミニウム、ジュラルミン、シリコン等のパッキンを装着することが好ましい。
【0017】
本発明の紡糸口金を用いて異染性混繊糸を紡糸する場合、紡糸口金部材A、Bからは、それぞれ別々のポリマーを吐出して糸条を形成する、例えば紡糸口金部材Aからは塩基性染料に不染性の繊維群を、紡糸口金部材Bからは塩基性染料に易染性の繊維群を紡糸するが、このとき紡糸口金部材A,Bともに、少なくとも中心角90度で描かれる略扇形の領域には吐出孔を有していないことが必要である。
【0018】
本発明の紡糸口金を用いて杢調の異なる複数種類の異染性混繊糸を得るためには、紡糸口金部材A,Bの組み合わせ角度を適宜変更し、各々に穿孔された吐出孔1の位置関係を変更すればよく、例えば、細杢調の異染性混繊糸を得る場合は、図3に示すように、紡糸口金部材A,B各々の吐出孔1を有しない領域が同一方向になるように、また、粗杢調の異染性混繊糸を得る場合は、図1に示すように、紡糸口金部材A,B各々の吐出孔1を有しない領域が反対方向になるように、さらにその中間の杢調を得たい場合には、それに応じて紡糸口金部材A、Bの組み合わせ角度を変更して使用すればよい。
【0019】
このような効果を奏するためには、上述のように、紡糸口金部材A,Bともに、少なくとも中心角90度、さらに好ましくは中心角120度で描かれる略扇形の領域には吐出孔を有していないことが必要である。吐出孔を有しない略扇形の領域の中心角が90度未満になると、紡糸口金部材A、Bの組み合わせ角度をどのように変更しても得られる異染性混繊糸は細杢調となり、複数種類の異染性混繊糸を得ることができなくなる。
【0020】
本発明において、紡糸口金部材A,Bに穿孔される吐出孔数、孔径、孔形状等は特に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で、紡糸する糸条の繊度、フィラメント数等に応じて適宜選定すればよい。
【0021】
また、紡糸口金部材A,Bの面径は特に限定されるものではなく、使用する紡糸装置に応じて適宜選定すればよいが、糸条の冷却性や吐出孔間の計量精度等を考慮し、紡糸口金部材Aの外径(D)を80mm以上140mm以下、紡糸口金部材Aの空洞部の内径をDmm×0.5以上Dmm×0.8以下とすることが好ましい。また、紡糸口金部材Aの空洞部に脱着可能な構造を有する紡糸口金部材Bの外径は、紡糸口金部材Aの内径に対する公差−0.1〜−0.5mmとすることが好ましい。
【0022】
紡糸口金部材Aの外径Dが80mm未満になると、穿孔できる吐出孔数に制限があり、得られる布帛の杢調、風合いのバリエーションが乏しいものとなる。また、紡糸口金部材Aの外径が140mmを超えると、穿孔された吐出孔間でのポリマーの計量性が悪くなり、得られる布帛の品位が低下する。紡糸口金部材Aの空洞部の内径がDmm×0.5未満になると、そこへ脱着する紡糸口金部材Bに穿孔できる吐出孔数が制限され、得られる布帛の杢調、風合いのバリエーションが乏しいものとなったり、さらには、紡糸口金の中央部に吐出孔が集まることから、吐出された糸条の冷却性が悪くなり、紡糸調子、布帛の品位が低下する。また、紡糸口金部材Aの空洞部の内径がDmm×0.8を超えると、紡糸口金部材Aの強度が低下し、ポリマーの圧力により紡糸口金部材Aが変形するという問題がある。
【0023】
本発明の製造方法では、上記した紡糸口金部材A,Bで構成される紡糸口金より、染料,好ましくは塩基性染料に易染性の繊維群と塩基性染料に不染性の繊維群を共紡糸するが、このとき、共紡糸された糸条に交絡付与装置で交絡を施し、1糸条に集束してから引き取る必要がある。
【0024】
このような引き取り方法を行わないと、得られる異染性混繊糸のパッケージ間で杢調のバラツキが発生したり、また、ローラーへの単糸捲き、毛羽等が発生し、操業性を損なう原因となる。
【0025】
また、共紡糸した2種類の繊維群を別々に集束して引き取り、引き取り後の工程で合糸し1つの糸条にする方法では、例え交絡付与を行ったとしても単糸同士が充分絡み合わず、単調な荒杢調の布帛しか得ることができない。
【0026】
このため、本発明では、共紡糸された糸条に交絡付与装置で交絡を施し、1糸条に集束してから引き取る必要があるのである。また、この時、紡糸性や毛羽、弛み糸等の捲取パッケージの欠点、染色品位を考慮し、交絡付与を施す前に油剤を付与することが好ましい。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例中の杢調の評価は、以下のようにして行った。
(1)杢調の判定方法:
得られた混繊糸を延伸倍率1.45、熱セット温度200℃ 、撚り数2450T/Mの条件で仮撚加工し、得られた加工糸を製編した後、Astrazon Blue FRP(バイエル社製塩基性染料)0.5%owf、浴比1:50の染液を用いて、97℃、30分間の条件で常法により染色した。こうして得られた染色編地の杢調を目視で判定し、粗杢から細杢までを5段階で評価した。
(粗杢) ← 1級、2級、3級、4級、5級 → (細杢)
(2)杢調の変化の評価方法
紡糸口金部材A,Bの組合せ角度を4種類に変更し、得られた4種類の異染性混繊糸の杢調を上記した判定方法で5段階に判定した後、その4種類の杢調の変化の幅を級差で比較し、次のように判定した。
○ : 級差3級以上
△ : 級差2級
× : 級差1級
【0028】
実施例1
厚さ20mm、外径110mmで、中央に位置する空洞部が、深さ10mmを境に内径78mmと72mmの2段階の略凹型構造を有し、孔径0.2mmの吐出孔を24孔有する紡糸口金部材A、及び厚さ20mmで、厚さ10mmを境に、外径が71.8mmと77.8mmの2段階の略凸型構造を有し、孔径0.2mmの吐出孔を12孔有する紡糸口金部材Bを使用し、紡糸口金部材Aからは、極限粘度0.68のポリエステルテレフタレートを28.9g/分の吐出量で紡糸し、また、紡糸口金部材Bからは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5モル%共重合した極限粘度0.61の変性ポリエステルを28.9g/分の吐出量で紡糸した。
【0029】
次いで、冷却風で冷却、油剤付与を行い、1.4mmのオリフィス径を有する交絡付与装置を使用して、0.20Mpaの空気圧力で交絡処理を行ったあと、3,300m/分の引き取り速度で引き取り、トータル繊度175デシテックス、トータルフィラメント数36本の異染性混繊糸の半未延伸糸を得た。この時、紡糸口金部材Aに穿孔した24孔の吐出孔は、中心角172.5度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離90mmの円上で中心角7.5度の等間隔に配置し、また紡糸口金部材Bに穿孔した12孔の吐出孔は、中心角176度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離60mmの円上で中心角16.0度の等間隔に配置した。さらに、これらの紡糸口金部材A,Bにおける吐出孔が穿孔されている略扇形の領域を2分割する線同士のなす角が、0度、90度、180度、270度となるよう組み合わせを変更し、合計4種類の異染性混繊糸を得た。この時の4種類の杢調を5段階に判定して、その杢調の変化の具合を評価した。
【0030】
実施例2
紡糸口金部材Aとして、中心角253度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離90mmの円上で中心角11.0度の等間隔で24孔の吐出孔を穿孔したものを使用し、また、紡糸口金部材Bとして、中心角253度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離60mmの円上で中心角23.0度の等間隔で12孔の吐出孔を穿孔したものを使用して、トータル繊度175デシテックス、トータルフィラメント数36本の異染性混繊糸の半未延伸糸を得た以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、得られた異染性混繊糸の杢調の変化を評価した。
【0031】
実施例3
紡糸口金部材Aとして、中心角99度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離90mmの円上で中心角9.0度の等間隔で12孔の吐出孔を穿孔したものを使用し、また、紡糸口金部材Bとして、中心角100度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離60mmの円上で中心角20.0度の等間隔で6孔の吐出孔を穿孔したものを使用し、紡糸口金部材Aからは、極限粘度0.68のポリエステルテレフタレートを14.5g/分の吐出量で紡糸し、また、紡糸口金部材Bからは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5モル%共重合した極限粘度0.61の変性ポリエステルを14.5g/分の吐出量で紡糸し、トータル繊度87.5デシテックス、トータルフィラメント数18本の異染性混繊糸の半未延伸糸を得た以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、得られた異染性混繊糸の杢調の変化を評価した。
【0032】
比較例1
紡糸口金部材Aとして、中心角276度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離90mmの円上で中心角12.0度の等間隔で24孔の吐出孔を穿孔したものを使用し、また、紡糸口金部材Bとして、中心角275度で描かれる略扇形の領域に、中心からの距離60mmの円上で中心角25.0度の等間隔で12孔の吐出孔を穿孔したものを使用して、トータル繊度175デシテックス、トータルフィラメント数36本の異染性混繊糸の半未延伸糸を得た以外は、実施例1と同様の方法で紡糸し、得られた異染性混繊糸の杢調の変化を評価した。
実施例1〜4と比較例1で得られた異染性混繊糸の杢調の変化の評価結果を併せて表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004176190
【0034】
表1から明らかなように、本発明の紡糸口金を使用した実施例1〜3では、脱着可能な構造を有する紡糸口金部材A、Bの組み合わせ角度を適宜変更することによって、粗杢から細杢まで変化に富んだ複数種類の杢調を有する異染性混繊糸を得ることができた。
【0035】
一方、中心角90度で描かれる略扇形の領域に吐出孔を有する紡糸口金部材A、Bを用いた比較例1では、紡糸口金部材A、Bの組み合わせ角度をどのように変更しても、得られる異染性混繊糸の杢は細かく、複数種類の杢調を有する異染性混繊糸を得ることはできなかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、異染性混繊糸を紡糸するに際し、脱着可能な構造を有する2つの紡糸口金部材を使用し、その組み合わせ角度を任意に変更するだけで杢調の異なる複数種類の異染性混繊糸を得ることができ、従来のようにニーズに応じた複数種類の異染性混繊糸を製造するために数多くの紡糸口金を保有する必要がなく、コスト面、管理面から大きなメリットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混繊糸用紡糸口金の一実施様態を示す斜視図である。
【図2】本発明の混繊糸用紡糸口金の他の実施様態を示す斜視図である。
【図3】本発明の混繊糸用紡糸口金の他の実施様態を示す斜視図である。
【図4】図1の紡糸口金のX−X断面図である。
【符号の説明】
A 紡糸口金部材A
B 紡糸口金部材B
1 吐出孔
2 ポリマー導入面
3 ポリマー吐出面

Claims (3)

  1. 染色性の異なる2種類の繊維群を同一の紡糸口金を用いて紡糸する際に使用する紡糸口金であって、中央部に円形の空洞を有する略ドーナツ型の紡糸口金部材Aと、紡糸口金部材Aの空洞部分に脱着可能な略円盤型の紡糸口金部材Bとで構成されており、紡糸口金部材A,Bともに少なくとも中心角90度で描かれる略扇形の領域に吐出孔を有していないことを特徴とする混繊糸用紡糸口金。
  2. 請求項1記載の混繊糸用紡糸口金を用いて異染性混繊糸を紡糸するに際し、紡糸口金部材AとBから、それぞれ染料に対する染着性の異なるポリマーを別々に紡糸し、次いで交絡処理を施した後、1糸条に集束してから引き取ることを特徴とする異染性混繊糸の製造方法。
  3. 染料が塩基性染料である請求項2記載の異染性混繊糸の製造方法。
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