JP2004175541A - 分離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層された薄膜材の最上層の前記薄膜材の端部を吸着して捲り上げる吸着手段2と、吸着手段2に接近して最上層の薄膜材13を上方から押圧することにより吸着手段2による複数枚の前記薄膜材の密着を防止する押圧手段3と、捲り上げられた最上層の薄膜材13の下方に進入することにより、最上層の薄膜材13の下方に空間を確保する分離板5とを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分離装置装置に関し、特に、積層されて用意された薄膜材の最上層の薄膜材を分離する分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層された薄い板状の材料を輸送するための治具として、従来から吸着パッドが広く使用されている。図9を参照して、従来型の吸着パッド100の一例を説明する(例えば、特許文献1参照)。ここでは、真空ポンプ等の吸引手段に接続された導管部101の先端に樹脂等の柔軟性を有する材料から成る吸着部102が設けられている。吸着される薄膜材103の表面に吸着部102が接触して、導管部101を介して吸引手段により吸引を行うことで、薄膜材103を吸着する。吸着パッド100により吸着された薄膜材103は、所望の箇所に輸送することができる。
【0003】
また、板状の材料から形成される製品としては、例えば、表面に銅箔が形成されたアルミ基板がある。この場合は、アルミニウム等の金属の基板上に銅等から成る導電パターンが形成されている。そして、アルミ基板と導電パターンとは、両者の間の絶縁層により絶縁されている。
【0004】
表面に導電パターンが形成されたアルミ基板からなる回路基板の製造方法を説明する。金属基板は例えばアルミ基板が所定の幅で用意され、導電パターンとなる導電箔も所定の幅で用意される。ここで、銅箔の裏面には接着剤となる樹脂が塗布されて用意される。そして、金属基板に導電箔を圧着させることにより、導電箔と金属基板とは一体化されて回路基板となる。導電箔をエッチング等により部分的に除去することにより、導電パターンは形成される。その後に、IC等の回路素子を固着する工程、ワイヤボンドの工程、基板を分割する工程、封止の工程等を経て、混成集積回路装置が製造される。
【0005】
図10を参照して、アルマイト基板と銅箔とを圧着させる工程を説明する(例えば、特許文献2参照)。アルマイト板113Bは所定の幅で用意され、銅箔113Cもアルマイト板113Bと同等の幅で用意される。ここで、銅箔113Cの裏面には、接着剤となる絶縁性樹脂が塗布されている。そして、アルマイト板113B上に銅箔113Cを重畳させてから、2つのロール120により、上下方向から圧力を加えることにより、両者は圧着されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平05−177571号公報(第1頁、第1図)
【0007】
【特許文献2】
特開平06−091836号公報(第1頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した吸着パッド100を用いた薄膜材103の輸送方法では、積層された薄膜材103同士が密着しているため、最上層の薄膜材103のみを吸着して輸送することが非常に困難であった。具体的には、薄膜材103が数十μmと薄いために、吸着パッド100により上層の2〜3枚の薄膜材103が密着して同伴されてしまう問題があった。
【0009】
本発明は、上記した問題を鑑みて成されたものである。従って、本発明の主な目的は、最上層の薄膜材の分離を行う分離装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の分離装置は、積層された薄膜材の最上層の前記薄膜材の端部を吸着して捲り上げる吸着手段と、前記吸着手段に接近して最上層の前記薄膜材を上方から押圧することにより前記吸着手段による複数枚の前記薄膜材の密着を防止する押圧手段と、捲り上げられた最上層の前記薄膜材の下方に進入することにより、最上層の前記薄膜材の下方に空間を確保する分離板とを有することを特徴とする。
【0011】
吸着手段により上方に捲り上げられた最上層の薄膜材の下方に、分離板を進入させることにより、最上層の薄膜材とその下方の薄膜材との間に隙間を確保することができるので、吸着パッド等を用いた最上の薄膜材の輸送を確実に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(分離装置の構成および動作を説明する第1の実施の形態)
図1から図5を参照して本発明の分離装置1の構成および動作を説明する。図1を参照して、分離装置1は、積層された薄膜材13の最上層の薄膜材13の端部を吸着して捲り上げる吸着手段2と、吸着手段2に接近して最上層の薄膜材13を上方から押圧することにより吸着手段2による複数枚の薄膜材13の密着を防止する押圧手段3と、捲り上げられた最上層の薄膜材13の下方に進入することにより最上層の薄膜材13の下方に空間を確保する分離板5とを有する構成と成っている。これらの各構成要素を以下にて説明する。
【0013】
薄膜材13としては、紙、アルミ箔および銅箔等の厚さ数十μmの薄膜状のものであり、図示しない材料テーブル上に数十〜数百枚が積層されて用意されている。
【0014】
吸着手段2は、吸引ポンプ等の吸引手段に接続された吸引パッドであり、薄膜材13に近接して配置された台座6に、アーム4を介して接続されている。また、吸着手段2は、上下昇降可能にアーム4に接続されている。従って、吸着手段2が最上層の薄膜材13の端部付近を吸着して上昇することにより、薄膜材13の端部は、吸着手段2の上昇量に応じて捲り上げられることになる。
【0015】
押圧手段3は、吸着手段と共にアーム4の先端に設けられている。押圧手段3の下端は平坦に形成されており、吸着手段2が吸着する薄膜材13の端部付近を押圧することで、吸着手段2による最上層の薄膜材13の端部の捲り上げを確実に行っている。
【0016】
アーム4は可動部7を介して台座6に接続されている。可動部7を介して接続されていることにより、アーム4は可動部を支点にして回転することが可能であり、更に、上下昇降が行える機構に成っている。従って、アーム4が回転することにより、アーム4の先端に装備された吸引手段2および押圧手段3を、薄膜材13が載置された領域上方に進入・退避させることができる。また、可動部の回転および昇降の動作は、空気圧又は油圧で行っても良いし、モーター等を用いて行っても良い。
【0017】
分離板5は、プラスチック等から成る板状体であり、上記したアーム4と同じように可動部7を介して台座6に接続されている。従って、可動部7を支点として回転することにより、分離板5を、薄膜材13が載置された領域上方に進入・退避させることができる。更にアーム4の上下昇降を行うことができる。
【0018】
続いて、図1から図5を参照して、上記した構成を有する分離装置1を用いて最上層の薄膜材13の分離および輸送を行う方法を説明する。
【0019】
先ず、図1を参照して、アーム4を水平方向に回転させることにより、アーム4の先端に装備された吸着手段2および押圧部を、薄膜材13が載置された領域に進入させる。次に、アーム4を下降させることにより、薄膜材13の隅部付近を押圧手段3で押圧し、吸着手段2により最上層の薄膜材13を吸着する。更に、吸着手段2が上昇することにより、薄膜材13の隅部を上方に捲り上げる。
【0020】
次に、図2を参照して、可動部7によりアーム4を上昇させる。このことにより、アーム4の先端に装備された吸着手段2および押圧手段3の上方に移動する。従って、吸着手段2により吸着された最上層の薄膜材13のみが更に上方に捲り上げられる。
【0021】
次に、図3を参照して、分離板5が可動部7を支点として水平方向に回転することで、分離板5を、捲り上げられた最上層の薄膜材13の下方に進入させる。更に、吸着手段2の吸引力を解放することにより、最上層の薄膜材13の端部は、分離板5の上部に載置される。従って、最上層の薄膜材13と、その下方の薄膜材13との間には、分離板5が介在することにより隙間を確保することができる。
【0022】
次に、図4を参照して、アーム4を回転させることにより、アーム4の先端に装備された吸着手段2および押圧手段3を、薄膜材13が載置された領域から退避させる。最上層の薄膜材13の下方に分離板5を介在させた後に、輸送ロボットによる薄膜材13の輸送を行うので、このようにアーム4を退避させることにより、アーム4と輸送ロボットとが衝突してしまうのを防止することができる。
【0023】
次に、図5を参照して、輸送ロボット20による薄膜材13の輸送を行う。輸送ロボット20は、薄膜材13と同等の大きさに形成されたテーブル25に、多数個の吸着パッド26をマトリックス状に有する。従って、多数個の吸着パッド26により、薄膜材13の吸着および輸送は行われる。また、最上層の薄膜材13の下方には、分離板5が介在して下方の薄膜材13との間には隙間が形成されているので、最上層の薄膜材13のみを確実に輸送することができる。
【0024】
上記したような構成を有する分離装置1は、積層された薄膜材13の4隅に4個が設けられる。このことで、最上層の薄膜材13の下方に分離板5を介在させて、薄膜材13同士の密着を防止することができる。
【0025】
(回路基板の製造装置の構成を説明する第2の実施の形態)
図6を参照して、第1の実施の形態で説明した分離装置1が設けられた製造装置の構成を説明する。回路基板の製造装置は、回路基板の材料となる板状の材料13を積層させて積層材料11Aを形成する積層装置10と、積層装置10から輸送された積層材料11Aを圧着して回路基板を形成する圧着装置とを有し、積層装置10は、種類の異なる板状の材料13をその種類毎に用意する複数の材料ステージ12と、板状の材料13を積層させる積層ステージ11と、材料ステージ12および積層ステージ11の近辺に配置された輸送ロボット20とから成る。更に、分離装置1は、薄膜材であるクッション紙13Aおよび銅箔13Cが積層される材料ステージ12Aおよび12Cの4隅に4個が設けられている。また、輸送ロボット20により板状の材料13を所定の順番に1枚ずつ積層ステージ11に輸送される。図6(A)は、積層装置10の平面図であり、図6(B)はその断面図である。このような構成を有する積層装置10の詳細を以下にて説明する。
【0026】
材料ステージ12A〜12Fは、それぞれ種類の異なる板状の材料13が載置されており、上方から見ると規則的に配置されている。具体的に、材料ステージ12A〜12Fは、積層ステージ11と共に輸送ロボット20を取り囲むように四角の形状に配置されている。そして、各々の材料ステージ12A〜12Fと輸送ロボット20との距離は、輸送ロボット20のヘッド24が材料ステージ12A〜12Fに到達する範囲で設定される。また、積層ステージ11と輸送ロボット20との距離も、輸送ロボット20のヘッド24が積層ステージ11に到達する範囲で設定される。積層ステージ12A〜12Fの平面的な大きさは、そこに載置される材料よりも大きく形成され、1メートル四方以上の大きさに形成される。詳細は後述するが、それぞれの材料ステージ12A〜12Fに積層された板状の材料は、中央部に配置された輸送ロボット20により1枚ずつ輸送され、積層ステージ11に所定の順序で積層される。
【0027】
それぞれの材料ステージ12A〜12Fに載置される材料は、金属基板の材料であるアルマイト板13Bおよび銅箔13Cと、間材となるアルミ板13Dなどであり、その大きさは約1メートル四方の大きさに統一されて積層されている。具体的には、材料ステージ12A〜12Fには、クッション紙13A、アルマイト板13B、銅箔13C、アルミ板13D、コール板13Eおよびアルミ箔13Fが積層されている。ここで、銅箔13Cの裏面には、銅箔13Cとアルマイト板13Bとの接着剤となる絶縁成接着剤が塗布されている。
【0028】
なお、材料ステージ12Fでは、ロール状に巻かれたアルミ箔13Fが用意されても良い。そして、材料ステージ12Fに、アルミ箔13Fを自動的に供給する装置を追加することにより、アルミ箔を自動的に材料ステージ12Fに供給することができる。更に、他の材料ステージ12と同じく、約1メートル四方にカットされたアルミ箔13Fが用意されても良い。更にまた、アルミ箔13Fが積層されて用意された場合は、材料ステージ12Fの4隅に分離装置1が設けられる。
【0029】
積層ステージ11は、上記した材料ステージ12と同様に、輸送ロボット20のヘッドが到達する箇所に配置される。そして、輸送ロボット20により所定の順序で材料ステージ12から材料を1枚ずつ輸送して、積層ステージ11上に積層させる。その後にプレス(図示せず)を用いて、積層された板状の材料をプレスすることにより、アルマイト板13Bと銅箔13Cは圧着される。板状の材料13A〜13Fを1枚ずつ輸送して積層ステージ11に積層させる方法については後述する。
【0030】
また、積層ステージ11にて数十セット分の回路装置を構成する板状の材料が積層された積層材料11Aは、自走式の移送装置(図示せず)に載置される。そして、移送装置により、積層材料11Aは圧着装置(図示せず)に移送されてセットされる。その後に、圧着装置により積層材料11Aをプレスすることにより、アルマイト板13Bと銅箔13Cとが圧着されて、回路基板を構成する。
【0031】
図6(B)を参照して、輸送ロボット20の構成について説明する。輸送ロボット20は、積層ステージ11および材料ステージ12に囲まれるように配置されており、次のような構成を有している。全体の土台となる第1の台座21Aと、水平方向の回転を行う第1の関節22Aと、第1の関節上に設置された第2の台座21Bと、垂直方向の回転を行う第2の関節22B、第3の関節22Cおよび第4の関節22Dと、第2の関節22Bと第4の関節22Dとの間に設けた第1のアーム23A、第2のアーム23Bおよび第3のアーム23Cと、第3のアームに接続するヘッド24とから輸送ロボット20は構成されている。
【0032】
上記したように、輸送ロボット20は、水平方向の回転を行う第1の関節22Aと、垂直方向の回転を行う第2の関節22B〜第4の関節22Dを有している。従って、これらの関節22の回転を所定の動作で制御することにより、ヘッド24を3次元的に移動させることができる。また、ヘッド24は、基本的にその平行性が保たれている。上記の説明では、輸送ロボット20は合計で4つの関節を有するが、ヘッド24の平行性を保ちながら3次元的に移動させることができる範囲で、関節の数を変化させることもできる。
【0033】
(板状の材料13の吸着方法を説明する第3の実施の形態)
図7を参照して、上記したヘッド24を用いて、材料ステージ12に積層された板状の材料13を吸着する方法を具体的に説明する。
【0034】
図7(A)を参照して、積層して準備された銅箔13Cを吸着する方法を説明する。ここで輸送する板状の材料である銅箔13Cは、厚さが数十μmと非常に薄く且つ重量も軽い。従って、吸着力の弱い第1のパッド26を用いてその吸着を行う。このことから、ヘッド24の状態は同図に示すように、第1のパッド26を固定する下段テーブル25Bが下降して、第1のパッド26の下端が、第2のパッド27の下端よりも下方に突き出た形となっている。第1のパッド26の吸引力は弱いので、その吸引力による銅箔13Cの変形は小さい。従って、下方の他の銅箔13Cが同伴してしまう危険性も低い。また、分離装置1が有する分離板5が、最上層の薄膜材の下方に介在しているので、複数枚の薄膜材が同伴してしまうのを防止することができる。
【0035】
図7(B)を参照して、材料ステージ12Eに載置されたコール板13Eを吸着する方法を説明する。コール板13Eは、積層ステージ11に材料を積層される際に、最も下方に載置されて受け皿となる鋼製のものであるので、コール板13Eの重量は数十キログラムと重い。従って、コール板13Eの吸着は、吸着力の大きい第2のパッド27を用いて行う。このことから、ヘッド24の状態は同図に示すように、第1のパッド26を固定する下段テーブル25Bが上昇して、第2のパッド27の下端が、第1のパッド26の下端よりも下方に突き出た形となっている。第2のパッド27は、その形状的な大きさおよび吸引力が、第1のパッド26よりも大きいため、数十キログラムのコール板13Eを輸送することができる。
【0036】
(回路基板の製造方法を説明する第4の実施の形態)
図8を参照して、以上にて説明した製造装置を用いて、積層ステージ11に板状の基板13を積層させて回路基板を形成する具体的な方法を説明する。図8(A)は回路基板を製造する工程を示す工程図であり、図8(B)は回路基板の製造装置の平面図である。
【0037】
図8(A)を参照して、本発明の回路装置の製造方法は、種類の異なる板状の材料13を、その種類毎に材料ステージ12に積層させる工程と、材料ステージ12の近辺に配置された輸送ロボット20により、板状の材料を1枚ずつ積層ステージ12に積層させて積層材料11Aを形成する工程と、積層材料11Aを圧着装置に輸送して、圧着装置により積層材料11Aを圧着して回路基板を形成する工程とを有する。更に、薄膜材であるクッション紙13Aおよび銅箔13Cは、分離装置1により、輸送時の同伴が防止されている。このような工程を以下にて説明する。
【0038】
図8(B)を参照して、材料ステージ12A〜12Fに、板状の材料13A〜13Fを積層して準備する。また材料ステージ12および積層ステージ11は、輸送ロボット20を囲むように配置されている。
【0039】
次に、輸送ロボットのヘッド24に設けられた第2のパッド27で、材料ステージ12E上に載置されたコール板13Eを吸着する。そして、輸送ロボット20の複数の関節部が動作することにより、コール板13Eを積層ステージ11に移動させる。コール板13Eは、アルマイト板13B等を支持する働きを有する。
【0040】
次に、積層ステージ11上に載置されたコール板13E上に緩衝材を積層させる。具体的には、クッション紙13Aおよびアルミ箔13Fを複数枚積層させる。ここでは、アルミ箔13F・クッション紙13A・アルミ箔13Fの順番で積層させている。具体的な材料の移動方法は、材料ステージ12A上に積層されて準備されたクッション紙13Aを、第1のパッド26で吸着する。そして、積層ステージ11上に載置されたコール板13Eの上部にクッション紙13Aを載置させる。次に、材料ステージ12Fに用意されたアルミ箔13Fを、クッション紙13A上に載置する。この動作は、第1のパッドを用いた吸着により行うこともできるが、ロール状に巻かれたアルミ箔13Fが用意されても良い。ロール状に巻かれたアルミ箔13Fが用意される場合は、このアルミ箔13Fを積層ステージ11上に供給する装置が別途に必要となる。
【0041】
次に、材料ステージ12B上のアルマイト板13Bを、第2のパッド27を用いて吸着して、アルミ箔13F上に載置する。この作業に於いては、複数のアルマイト板13Bが同伴されるのを防止するために、上述したようなシリンダ28等を用いた同伴防止の対策を施している。
【0042】
次に、材料ステージ12C上の銅箔13Cを、第1のパッド26を用いて吸着し、アルマイト板13Bの上部に積層させる。アルマイト板13Bと銅箔13Cは、後にプレス機でプレスされることにより、圧着されて回路基板となる。上述したアルマイト板13Bと銅箔13Cの積層の作業は、製造される回路基板の数だけ積層される。そして、各セットの間にはアルミ箔13Fが積層される。更に、板状の材料13を、積層ステージに積層させる際は、その位置をCCDカメラやセンサ等で感知しているので、正確に板状の材料13を積層させることが可能となる。
【0043】
最後に、積層される板状の材料13の最上段に、再び緩衝材を積層させる。具体的には、クッション紙13Aおよびアルミ箔13Fの他に押さえ板を緩衝材として積層させている。ここで、それらを積層させる順番としては、例えば、下から、アルミ板・アルミ箔13F・クッション紙13A・アルミ箔13F・ステンレス板である。ステンレスの板は、材料ステージ12D上に、アルミ板13Dと交互に積層されて準備されている。また、材料ステージ12Dには、センサが設置されており、このセンサでアルミ板およびステンレス板の判断を行っている。このように、押さえ板となるアルミ板13Dおよびステンレス板を最上部に載置することにより、圧着を行う工程で、板状の材料13全体に圧力を均等に加えることが可能となる。
【0044】
次に、積層ステージ11上で積層された積層材料11Aは、自走式の移送手段等に載置されて、圧着装置30に移動される。そして、積層材料11Aの上部からプレス機で下方向にプレスすることにより、銅箔13Cとアルマイト板13Bとは圧着されて回路基板となる。
【0045】
また、上記した積層を行う工程の中でも、薄膜材であるクッション紙13Aおよび銅箔13Cを輸送ロボット20により輸送する場合に於いては、第1の実施の形態で説明したような分離装置1の動作により、複数枚の薄膜材が同伴するのを防止している。
【0046】
上記した工程の後に、銅箔13Cをエッチング等により部分的に除去することにより、導電パターンは形成される。その後に、IC等の回路素子を固着する工程、ワイヤボンドの工程、基板を分割する工程、封止の工程等を経て、混成集積回路装置が製造される。
【0047】
また、上記では、約1メートル四方に形成された混成集積回路装置の材料の輸送に関して説明を行ったが、本発明を用いて他の材料を輸送することも可能である。具体的には、ガラス基板、半導体ウェハ、フレキシブルシート、銅箔、圧延銅箔、樹脂材と金属体が積層された積層基板等の輸送を、本発明を用いて輸送することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の分離装置によれば、吸着部に設けた吸着手段2により最上層の薄膜材13端部を捲り上げた後に、最上層の薄膜材13の下方に分離板を進入させる。従って、最上層の薄膜材13とその下方の薄膜材との間に隙間を確保することができるので、薄膜材13の輸送の際に、複数枚の薄膜材が密着してしまうのを防止することができる。
【0049】
更に、吸着手段2、押圧手段3および分離板5は、可動部7を介して上下昇降可能に台座6に設置されている。従って、積層された薄膜材13の最上層の位置が変化した場合でも、最上層の薄膜材13の下方に分離板5を進入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離装置の斜視図である。
【図2】本発明の分離装置の斜視図である。
【図3】本発明の分離装置の斜視図である。
【図4】本発明の分離装置の斜視図である。
【図5】本発明の分離装置の断面図である。
【図6】本発明の分離装置を有する積層装置の平面図(A)、断面図(B)である。
【図7】薄膜材の輸送方法を説明する断面図(A)、断面図(B)である。
【図8】本発明の分離装置を用いた回路基板の積層方法を説明する工程図(A)、平面図(B)である。
【図9】従来の薄膜材の輸送方法を説明する断面図である。
【図10】従来の板状の材料の積層方法を示す図である。
Claims (8)
- 積層された薄膜材の最上層の前記薄膜材の端部を吸着して捲り上げる吸着手段と、
前記吸着手段に接近して最上層の前記薄膜材を上方から押圧することにより前記吸着手段による複数枚の前記薄膜材の密着を防止する押圧手段と、
捲り上げられた最上層の前記薄膜材の下方に進入することにより、最上層の前記薄膜材の下方に空間を確保する分離板とを有することを特徴とする分離装置。 - 前記吸着手段および前記押圧手段は台座にアームを介して昇降可能に設けられ、前記吸着手段により前記薄膜材を吸着した後に、前記アームが上昇することで、前記薄膜材を更に捲り上げることを特徴とする請求項1記載の分離装置。
- 前記吸着手段および前記押圧手段は台座にアームを介して回転可能に設けられ、前記アームが水平方向に回転することで、前記薄膜材が積層された領域への前記吸着手段および前記押圧手段の進入および退避を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の分離装置。
- 前記分離板は回転可能に台座に設けられ、水平方向に回転することで前記分離板が前記最上層の薄膜材の下方に進入することを特徴とする請求項1記載の分離装置。
- 前記分離板は、上下昇降可能に台座に設けられることを特徴とする請求項1または請求項4記載の分離装置。
- 前記薄膜材は、吸着パッドを有する輸送ロボットにより輸送され、前記分離板が最上層の前記薄膜材の下方に進入することで、前記吸着パッドの吸着力により複数枚の前記薄膜材が同伴するのを防止することを特徴とする請求項1記載の分離装置。
- 前記分離装置は、積層された前記薄膜材の4隅に4個が近接されることを特徴とする請求項1記載の分離装置。
- 前記薄膜材は、銅箔または紙であることを特徴とする請求項1記載の分離装置。
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