JP2004174832A - インクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ユーザのキー操作によりインク切れ防止モードを簡単に解除することができるインクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体を提供することを課題とする。
【解決手段】インクカートリッジ71のインクの残量を検出および/または算出により認識し、その認識結果に基づいて、インク残量が僅かであると認識した時に印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、インク残量の判定結果にかかわらず印刷の続行をそのまま許容するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定手段21と、設定されたモード情報に基づいて印刷動作を制御する制御手段11と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】インクカートリッジ71のインクの残量を検出および/または算出により認識し、その認識結果に基づいて、インク残量が僅かであると認識した時に印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、インク残量の判定結果にかかわらず印刷の続行をそのまま許容するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定手段21と、設定されたモード情報に基づいて印刷動作を制御する制御手段11と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク切れを報知するインクカートリッジ式のインクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェットプリンタでは、インクカートリッジの実インク残量が少量(所定量)になるインク切れが近い状態、すなわちニアエンド状態をニアエンドセンサで検出すると、これをユーザに報知すると共にそれ以後に消費可能なインク量をインクジェットヘッドのインク吐出回数に基づいて管理するようにしている。そして、インクジェットヘッドの吐出回数が予め設定されている所定回数に達すると、僅かなインクを残して擬似的なインク切れ状態、すなわち擬似リアルエンド状態と判断して、これをユーザに報知すると共にそれ以後の印刷の続行を中止(該当「行」、または該当「頁」で中止するものを含む)し、インクカートリッジの交換を促すようにしている。これにより、実インク残量を管理して、ユーザの不注意による印刷不良を未然に回避できるようにしている(例えば、特許文献1または2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−16118号公報(第3−4頁、第2図)
【特許文献2】
特開2000−190517号公報(第4頁、第2−3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の従来のインクジェットプリンタでは、擬似リアルエンドを報知する前に実インク残量が完全にゼロとならないよう安全側を考慮して、僅かなインクを残した状態で擬似的にインク切れとせざるを得ない。そのため、例え印刷が途中であり、且つ所望の印刷を完了するに足りる量のインクがインクカートリッジ内に実際に残っていたとしても、インクカートリッジを交換しなくてはならない。したがって、交換用のインクカートリッジを直ちに準備できないときは、インクカートリッジ内にインクが残っているにも関わらず印刷を途中で諦めるしかないという問題がある。
【0005】
本発明は、ユーザのキー操作によりインク切れ防止モードを簡単に解除することができるインクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタによれば、装着したインクカートリッジのインクの残量を検出および/または算出により認識し、その認識結果に基づいて印刷動作を制御するインクジェットプリンタにおいて、インク残量が僅かであると認識した時に印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、インク残量の判定結果にかかわらず印刷の続行をそのまま許容するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、モード設定手段によって設定されたモード情報に基づいて、印刷動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に従って適宜設定することができる。例えば、実際の印刷作業において、インク切れ防止モードが設定されているときにインク切れが発生し、印刷が頁の途中で停止または規制されてしまうような事態が生じた場合であっても、インクカートリッジを交換することなくインク使い切りモードに設定を切替えることで、印刷をそのまま続行させることができる。
なお、「印刷の続行を規制する」とは、インク切れと判断した直後に印刷を中止するもの、あるいは該当「行」、該当「頁」を印刷してから中止するもの、さらには、吐出するインクの濃度を低くして印刷をするものを含む概念である。
【0008】
この場合、モード設定手段は、ユーザの入力操作によりモード情報を設定可能な入力操作手段を有することが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、ホストコンピュータ等の外部装置を介すことなくインクジェットプリンタに設置した入力操作手段からのユーザの入力操作によって直接にモード情報を設定することができる。例えば、インク切れによりインクカートリッジを交換する必要が生じたときに、それと同時にモード情報を設定し直すことで、改めてホストコンピュータ等からモード情報を設定する手間を省くことができる。なお、入力操作手段としては、設定ボタン、設定スイッチあるいは液晶タッチパネル等を用いることが好ましい。
【0010】
これらの場合、インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、機能回復のためにインクジェットヘッドの全ノズルからインクを吸引するインク吸引手段と、カートリッジ検出手段がインクカートリッジの装着を検出したときに、インク吸引手段を制御して、インクの吸引動作を行なわせる吸引制御手段と、を更に備え、吸引制御手段は、インク使い切りモードに設定されている場合、吸引動作におけるインク吸引量を、インク切れ防止モードに比して増量するようにインク吸引手段を制御することが、好ましい。
【0011】
インク使い切りモードで印刷をそのまま続行してインクを使い切ってしまうと、インクジェットヘッド内にエアーが流入するおそれがある。この構成によれば、インク吸引量を増量することでインクジェットヘッドに気泡が混入してもこれを完全に吸引排除することができるので、インクカートリッジ交換後の印刷で印刷不良が発生するのを確実に回避することができる。
【0012】
これらの場合、インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、カートリッジ検出手段がインクカートリッジの離脱および/または装着を検出したときに、インク切れ防止モードにリセットするモードリセット手段と、を更に備えたことが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、インクカートリッジを交換するとリセットされて、常にインク切れ防止モードが初期状態として設定されるので、モードの設定管理を容易にすることができる。これにより、インク使い切りモードを設定した場合の印刷を、ユーザに常に意識させておくことができる。
【0014】
これらの場合、モード設定手段は、少なくともインク切れ防止モードにおいてインク切れと判断されたときに、インク切れ防止モードを、インク使い切りモードに設定切替可能に構成されていることが、好ましい。
【0015】
この構成によれば、印刷が規制される時点で、以後の印刷をそのまま続行するか否かを判断して意識的にインク切れ防止モードをインク使い切りモードに設定を切替えることになる。そのため、ユーザが無造作にインク使い切りモードを設定して、インク使い切りモードで印刷が実行されていることを忘れるような事態が生じるのを防止することができる。
【0016】
これらの場合、ファクシミリデータを受信するファクシミリ受信手段を、更に備えたことが、好ましい。
【0017】
この構成によれば、インク使い切りモードに設定しておくことで、用紙切れ以外で受信情報の印刷が規制されることがない。
【0018】
本発明のプリントシステムは、上記したインクジェットプリンタと、インクジェットプリンタを制御するホストコンピュータとを有するプリントシステムであって、ホストコンピュータは、インクジェットプリンタにおけるモード設定を指示するモード指示手段と、モード設定の指示に関するモード情報を前記インクジェットプリンタに対して送信するモード情報送信手段とを有し、インクジェットプリンタは、ホストコンピュータから送信されたモード情報を受信するモード情報受信手段を有すると共に、モード情報に基づいて、モード設定手段によりモード設定を行うことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定することができる。また、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、インクジェットプリンタにモード情報を設定することができる。これにより、ホストコンピュータとインクジェットプリンタとの設置距離が離れている規模の大きいプリントシステムでもインクジェットプリンタを直接操作する手間を省き、容易にモード情報の設定を行なうことができる。
【0020】
この場合、モード指示手段は、ホストコンピュータに組み込まれたプリンタドライバによって実現されることが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、ホストコンピュータに組み込まれたプリンタドライバによってモード情報を指示するための画面を提供することができる。
【0022】
本発明の印刷制御方法は、インクカートリッジとインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタと、これに接続されたホストコンピュータとを有するプリントシステムにおける印刷制御方法であって、インクカートリッジのインク残量が所定以下となったときに印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、印刷をそのまま続行するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定工程と、モード情報がインク切れ防止モードの時に、印刷続行の停止または規制処理を実行すると共に、インクカートリッジの交換を指示する印刷停止工程と、モードがインク使い切りモードの時に、その後の印刷をそのまま続行する印刷続行工程と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方をインクジェットプリンタの使用目的に従って適宜設定することができる。
【0024】
この場合、モード設定工程は、ホストコンピュータからの指示に基づき実行されることが、好ましい。
【0025】
この構成によれば、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、印刷の目的に応じてモード情報を適宜設定することができる。
【0026】
この場合、モード設定工程は、インクジェットプリンタの本体からの指定に基づき実行されることが、好ましい。
【0027】
この構成によれば、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、インクジェットプリンタにモード情報を設定することができる。
【0028】
本発明のプログラムは、上記した印刷制御方法をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定可能にするプログラムを提供することができる。
【0030】
本発明の記憶媒体は、上記したプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能なことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定可能にするプログラムを記憶した記憶媒体を提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ、およびこのインクジェットプリンタを備えたプリントシステムについて詳細を説明する。図1のブロック図に示すように、プリントシステム1は、相互のI/F(インターフェース)回路22,30を介して情報通信可能な状態に接続されたインクジェットプリンタ3とホストコンピュータ2とで構成されている。
【0033】
ホストコンピュータ2は、パーソナルコンピュータのような汎用型のコンピュータであり、ホストコンピュータ2に設けられたプリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3と接続されている。そして、このホストコンピュータ2には、作成された印刷情報をインクジェットプリンタ3に送信するためのソフトウェアであるプリンタドライバ21が設けられている。
【0034】
さらに、このプリンタドライバ21は、ホストコンピュータ2に設けられた入力装置を使用して、インクジェットプリンタ3の機能設定を行うためのプロパティ設定画面と、インクジェットプリンタ3に装着したインクカートリッジ71内のインク残量がニアエンド状態および擬似リアルエンド状態(詳しくは後述する)に達したときにインク切れが近い旨およびインク切れである旨をユーザに報知するためのポップアップ画面とをホストコンピュータ2のディスプレイに表示する。
【0035】
インクジェットプリンタ3は、ホストコンピュータ2から受信した印刷情報を記録紙に印刷するプリンタ機構部13と、ホストコンピュータ2のプロパティ設定画面で設定された機能に基づいて印刷処理を制御するプリンタ制御部11と、プリンタ制御部11の制御の下でプリンタ機構部13を駆動制御するプリンタドライバ部12と、インクジェットプリンタ3において設定情報やインク切れメッセージ等を表示する表示部14と、ユーザの入力操作により機能設定を行なうための入力部15とによって構成されている。
【0036】
プリンタ機構部13は、記録紙に印刷を行うインクジェットヘッド51bを備えたヘッドユニット51と、ヘッドユニット51を主走査方向である記録紙の幅方向に往復移動させるヘッド移動機構52と、主走査方向と直交する副走査方向に記録紙を送る記録紙送り機構53と、ヘッドユニット51のメンテナンスを行うヘッド保全機構54とが設けられている。
【0037】
ヘッドユニット51は、図2および図3に示すように、インクジェットヘッド51bと、インクカートリッジ71を収容するカートリッジホルダ51aとが一体形成され、カートリッジホルダ51aには、インクカートリッジ71が着脱自在に装着されている。そして、このヘッドユニット51は、ヘッド移動機構52に備えたキャリッジで担持され、キャリッジを介して主走査方向に移動する。
【0038】
なお、インクジェットヘッド51bには、圧電素子を用いるピエゾ型あるいは発熱素子を用いるバブルジェット(登録商標)型はもとより、アクチュエータの駆動に静電気力を利用した形態のインクジェットヘッド51bなどを適用することができる。
【0039】
インクカートリッジ71は、インクを貯留するインクパック91と、インクパック91を収容するカートリッジケース94と、カートリッジケース94内部にスライド自在に収容されたニアエンド検出片93とからなる。インクパック91は、アルミ蒸着フィルムで袋状に形成されており、内部に貯留されたインク残量の減少に伴ない収縮する。さらに、このインクパック91は、一端部にインク供給口92を有すると共に、一方の側面はカートリッジケース94の内側面に接着され、他方の側面はニアエンド検出片93に接着されている。そして、インクパック91に接着されたニアエンド検出片93は、インク残量の減少に伴なうインクパック91の収縮により、カートリッジケース94内をスライドする。
【0040】
カートリッジホルダ51aは、その底部にインクジェットヘッド51bに連なるインク供給針82と、インクカートリッジ71の着脱を検出するカートリッジ検出手段であるカートリッジ検出スイッチ81とが設けられている。そして、インクカートリッジ71を下向きにしてカートリッジホルダ51aに装着すると、そのインク供給口92にインク供給針82が挿入され、インクパック91内のインクがヘッド内流路を介して吐出ノズルに供給されると共に、カートリッジ検出スイッチ81のスイッチ端81aがインクカートリッジ71に接触して、これがONとなり、インクカートリッジ71の装着が検出される。
【0041】
また、カートリッジホルダ51aの側部には、インクカートリッジ71のインク残量を検出するニアエンド検出スイッチ87が設けられている。そして、インク残量の減少に伴ないインクパック91が収縮すると、カートリッジケース94壁部に形成した切り欠き開口部94aからニアエンド検出スイッチ87に向かってニアエンド検出片93が前進する。これにより、インクパック91のインク残量が僅になった時点で、ニアエンド検出片93がニアエンド検出スイッチ87のスイッチ端87aに接触して、これがONとなり、インクカートリッジ71のインク残量が所定量以下(ニアエンド状態)に達したことが検出される。
【0042】
ヘッド保全機構54は、特に図示しないが、吸引ユニットと、ワイピングユニットとを備えている。吸引ユニットは、インクジェットヘッド51bの吐出ノズルをキャッピングするキャップと、吐出ノズルからインクの吸引を行う吸引ポンプと、吸引ポンプにより吸引された廃インクを貯留する廃インクタンクとを有している。そして、インクカートリッジ71が新たに装着されると、インクジェットヘッド51bの吐出ノズルにキャップを密接した状態で吸引ポンプを駆動して、全吐出ノズルからインクを吸引しその目詰まりを解消する。また、この吸引動作の後には、ワイピングユニットによりインクジェットヘッド51bの吐出ノズル面の拭き取りが行なわれる。
【0043】
表示部14は、インクジェットプリンタ3の筐体に設置した液晶表示パネル55を有し、上記したニアエンド検出スイッチ87の検出結果、カートリッジ検出スイッチ81の検出結果、印刷中に生じた障害をユーザに報知するためのエラーメッセージ、およびインクジェットプリンタ3の設定情報等を表示するようにしている。また、入力部15は、インクジェットプリンタ3の簡単な機能設定をユーザの入力操作によって行なうことができる設定スイッチ56を有し、例えば、印刷枚数の設定、印刷用紙サイズの設定、および後述する印刷モードの設定等を行なうことができるようにしている。
【0044】
次に、インクジェットプリンタ3を制御するプリンタ制御部11について説明する。本発明のイクジェットプリンタおよびそれを備えたプリントシステムでは、上述したプロパティ設定画面で、インクカートリッジ71のインク残量が擬似リアルエンド状態(詳しくは後述する)に達すると、印刷の続行を中止(規制)するインク切れ防止モードと、インク残量が擬似リアルエンド状態に達しても印刷をそのまま続行することができるインク使い切りモードとを印刷用途に従って設定する(切替える)印刷モード設定機能が設けられている。そして、プリンタ制御部11では、ホストコンピュータ2で設定された印刷モード情報を保持すると共に、保持した印刷モード情報に基づいて印刷処理を実行するように構成されている。
【0045】
プリンタ制御部11は、図1に示すように、CPU32と、CPU32で実行する各制御プログラムが格納されているROM33と、CPU32の作業領域であるRAM34と、印刷モードの設定状態などを記憶するEEPROM35と、インクジェットヘッド51bで吐出するインクの吐出回数をカウントするインク吐出カウンタ36と、吸引処理の実行に際し吸引動作時間を制御するインク吸引タイマ37とが設けられ、これらは相互にバスを介してP−CON31(周辺制御回路)に接続されている。そして、CPU32は、RAM34を作業領域として、ROM33に格納されている各種の制御プログラムに従って、P−CON31に接続されたプリンタドライバ部12が有するヘッドドライバ41,モータドライバ42,およびメンテナンスドライバ43を介してプリンタ機構部13を駆動制御し、液晶パネルドライバ44によって液晶表示パネル55を表示制御する。
【0046】
ROM33には、CPU32で実行する制御プログラムが格納され、ホストI/F回路30での情報授受を監視する監視プログラムと、インクジェットプリンタ3の機能設定を行うプロパティ設定プログラムと、ホストコンピュータ2から受信した印刷情報に基づいて印刷を実行する印刷処理プログラムとを有している。監視プログラムは、インクジェットプリンタ3の電源スイッチ39で電源が投入されると直後に起動されるプログラムで、ホストI/F回路30を監視して、受信した情報がプロパティ設定情報であればプロパティ設定プログラムを実行してプロパティ設定処理を行い、受信した情報が印刷情報であれば印刷処理プログラムを実行して印刷処理を行うようにしたものである。
【0047】
EEPROM35は、ホストコンピュータ2から受信した印刷モード設定情報に基づいて設定された印刷モードを記憶するためのフラグ書き込み領域であるモードフラグ領域35aと、ニアエンド検出スイッチ87での検出結果を記憶するためのフラグ書き込み領域であるニアエンドフラグ領域35bと、インクカートリッジ71の着脱状態を記憶するためのフラグ書き込み領域であるカートリッジフラグ領域35cとが形成されている。
【0048】
そして、モードフラグ領域35aは、インク切れ防止モードが設定されていれば「モードフラグ=0(F1=0)」を、インク使い切りモードが設定されていれば「モードフラグ=1(F1=1)」を記憶するようにしている。また、ニアエンドフラグ領域35bは、上記したニアエンド検出スイッチ87がOFFであり、インクカートリッジ71のインク残量がニアエンド状態に達していない場合は「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」を、ニアエンド検出スイッチ87がONとなり、インク残量がニアエンド状態に達したことが検出された場合は「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」が記憶される。さらに、カートリッジフラグ領域35cは、上記したカートリッジ検出スイッチ81がOFFであり、インクカートリッジ71がカートリッジケース94から離脱している場合は「カートリッジフラグ=0(F3=0)」が、カートリッジ検出スイッチ81がONとなり、インクカートリッジ71の装着が検出された場合は「カートリッジフラグ=1(F3=1)」が記憶される。そして、各制御プログラムは、これらのフラグの状態に基づいて処理を実行する。
【0049】
また、モードフラグ領域35aは、初期状態でインク切れ防止モードが設定されており、且つカートリッジ検出スイッチ81でインクカートリッジ71の装着を検出すると、モードフラグ領域35aに記憶している印刷モードの設定をインク切れ防止モードにリセットするようにしている。すなわち、インク使い切りモードが設定されている場合、インクカートリッジ71の装着に伴ないモードフラグ領域35aにインク切れ防止モードが記憶される。
【0050】
インク吐出カウンタ36は、インクジェットヘッド51bで吐出したインクの吐出回数をカウントするカウンタであり、インクカートリッジ71のインク残量がニアエンド状態に達した時点から吐出回数のカウントが開始されるように制御されている。そして、ニアエンド状態を検出した時点からインク吐出カウンタ36でカウントした総吐出回数が予め設定されている所定回数に達すると、インクカートリッジ71のインクが擬似的にインク切れである擬似リアルエンド状態に達したと判断される。
【0051】
なお、インク残量が擬似リアルエンド状態に達したと判断する総吐出回数は、インクジェットヘッド51bが1回当たりに吐出する単位吐出量に基づいて、インク残量が擬似リアルエンド状態に達した時点でインクカートリッジ71に僅かな量のインクが残留するように設定されている。そして、インク切れ防止モードが設定されている場合は、僅かな量のインクをインクカートリッジ71に残した状態で印刷を中止することで、インクジェットヘッド51bのヘッド内流路に気泡が引き込まれて吐出不良が発生するのを未然に防止することができる。すなわち、常に印刷文字などに掠れが生じることがない品質の高い印刷を保証することを可能としている。
【0052】
また、インク吐出カウンタ36でインクの吐出回数のカウントが開始された後、印刷モードを切替える場合が考えられる。しかし、このような場合であってもインク吐出カウンタ36のカウントは、印刷モードを切替えたことでリセット(初期化)されることはなく、印刷モードを切替えた後も引き続きカウントが継続される。そして、インク吐出カウンタ36でのカウントは、カートリッジ検出スイッチ81でインクカートリッジ71の離脱が検出された時点でリセット(初期化)されるようにしている。
【0053】
インク吸引タイマ37は、インクカートリッジ71を装着した際に実行する吸引処理の吸引動作時間を制御するためのタイマである。詳しくは後述するが、このインク吸引タイマ37で吸引処理の吸引動作時間を制御することで、インク切れ防止モードおよびインク使い切りモードのどちらが設定されている場合であってもヘッド内流路に進入した気泡を完全に取り除くことができるようにしている。
【0054】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ3で実行される印刷モード設定処理と、印刷モード設定処理で設定された印刷モードに基づいて実行される印刷処理とについて詳細を説明する。
【0055】
印刷モード設定は、ホストコンピュータ2で表示される画面で行われ、ホストコンピュータ2のディスプレイ画面で常時起動することができるプロパティ設定画面と、インク残量が擬似リアルエンド状態に達したときにホストコンピュータ2のディスプレイ画面に表示されるポップアップ画面と、インクジェットプリンタ3の筐体に設置した設定スイッチ56とで設定可能に構成されている。なお、上記したように設定スイッチ56での入力操作によりプロパティ設定画面と同様に印刷モードの設定を行なうことができるが、以下では、プロパティ設定画面、およびポップアップ画面を用いて説明する。
【0056】
プロパティ設定画面は、ホストコンピュータ2が有するプリンタドライバ21から起動してインクジェットプリンタ3の詳細設定を行うための画面である。このプロパティ設定画面では、インク切れ防止モードかあるいはインク使い切りモードかのいずれかをユーザがマウスあるいはキーボード等の入力装置を使用して設定することができる。そして、プロパティ設定画面で印刷モード設定を行うと、設定された印刷モードに基づいて印刷モード設定情報が作成され、プリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3に送信される。
【0057】
ポップアップ画面は、インクジェットプリンタ3でインク残量がニアエンド状態および擬似リアルエンド状態に達すると、インク切れが近い状態である旨およびインク切れである旨のメッセージを表示して、それをユーザに報知するための画面である。そして、インク切れ防止モードにおいて、擬似リアルエンド状態に達して印刷の続行が中止された旨の表示をするポップアップ画面でのみ、インク切れである旨のメッセージと共にインク使い切りモードに切替えて印刷を続行させるか否かを選択するためのコマンドボタンを表示するようにしている。このポップアップ画面のコマンドボタンで印刷を続行するインク使い切りモードに切替えると、プロパティ設定画面で印刷モード設定を行うのと同様に、切替えられた印刷モードに基づいて印刷モード設定情報が作成され、プリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3に送信される。
【0058】
インクジェットプリンタ3では、ホストI/F回路30を介して印刷モード設定情報を受信すると、情報授受を監視している監視プログラムが印刷モード設定プログラムを起動して印刷モード設定処理を実行する。印刷モード設定処理では、受信した印刷モード設定情報に基づいて、インク切れ防止モードであれば「モードフラグ=0(F1=0)」を、インク使い切りモードであれば「モードフラグ=1(F1=1)」をEEPROM35のモードフラグ領域35aに設定する。そして、印刷モード設定処理が正常に終了すると、ホストコンピュータ2に正常に設定処理が終了した旨の設定終了メッセージを送信して印刷モード設定処理を終了する。
【0059】
続いて、図4を参照して、上記の印刷モード設定処理でEEPROM35のモードフラグ領域35aに設定したモードフラグを読み込み、これに基づいて印刷情報の印刷を実行する印刷処理について説明する。
【0060】
印刷処理は、上記したようにインクジェットプリンタ3がホストI/F回路30を介して印刷情報を受信したときに監視プログラムにより起動される印刷処理プログラムで実行され、受信した印刷情報の印刷を行う処理である。なお、本実施形態のインクジェットプリンタ3の印刷処理は、受信した印刷情報がテキスト情報であればテキストの1頁毎に、画像情報であれば1画像毎に印刷項が無くなるまで繰り返し印刷を実行するようにしている。
【0061】
印刷処理は、インクカートリッジ71のインク残量に応じて実行される処理の流れが異なる。そのため、まず、インクジェットプリンタ3が印刷情報を受信して印刷処理が開始されると(S0)、EEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bにアクセスして、現在のニアエンドフラグの状態、すなわちインクカートリッジ71のインク残量を確認して(S1)、現在のインク残量がニアエンド状態に達しているか否かを判断する(S2)。そして、ニアエンドフラグが「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」であれば、そのまま印刷が実行され(S3)、「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」であればインク吐出カウンタ36でカウントされた吐出回数およびEEPROM35に記憶されたモードフラグの設定状況に基づいて印刷が実行されることになる。
【0062】
現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」である場合、すなわち、インク残量がニアエンド状態に達する以前での印刷処理では、インクの吐出回数をカウントするなどの特別な処理を実行することなくそのまま1頁目の印刷情報を印刷し(S3)、印刷が正常に終了するとホストコンピュータ2に送信する印刷終了メッセージを作成する(S4)。そして、1頁目の印刷処理が終了すると、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報があるか否かを確認して(S5)、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報がある場合は(S5でYes)、再びEEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bにアクセスし1頁目印刷後のニアエンドフラグの状態を確認し(S1)、1頁目の印刷と同様に、2頁目以降の印刷を実行する(S3、S4)。そして、印刷処理は、引き続き印刷する頁が無くなるまで繰り返し実行され、すべての頁の印刷が終了すると(S5でNo)、作成した印刷終了メッセージをホストコンピュータ2送信して(S6)印刷処理を終了する(S7)。
【0063】
また、印刷中にインク残量がニアエンド状態に達した場合は、上記したようにインクカートリッジ71ホルダに設けられたニアエンド検出スイッチ87が作動して、EEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bのニアエンドフラグが「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」に書き換えられる。そして、それ以後は、書き換えられたニアエンドフラグに基づいて印刷が続行される。
【0064】
なお、図示しないが、印刷処理の実行に伴い記録紙切れあるいは紙詰まりなどの障害が発生することが想定される。このような障害が発生した場合は、その時点で印刷を中断し、その旨の障害報知メッセージをインクジェットプリンタ3に設置した液晶表示パネル55で報知すると共に、ホストコンピュータ2に送信する。そして、障害が取り除かれた時点で、中断されていた印刷が再実行される。この構成によれば、ホストコンピュータ2は、障害報知メッセージを受信して、その内容をユーザに報知することができるので、発生した障害に対して迅速に対応することができる。また障害が取り除かれた時点で印刷が再開するようにして、2次障害の発生を防止するようにしている。
【0065】
次に、現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合、すなわち、インク残量がニアエンド状態に達した後の印刷処理について説明する。現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合の印刷処理では、印刷を実行する前にインク吐出カウンタ36を確認して前回までに積算された総吐出回数を取得し(S11)、総吐出回数が擬似リアルエンド状態を示す所定回数に達しているか否かを判断する(S12)。そして、前回の印刷までに積算した総吐出回数が擬似リアルエンド状態と判断する所定回数に達していない場合は(S12でNo)、印刷を実行する(S13)と共にインク吐出カウンタ36で吐出回数をカウントして、前回の印刷までに積算した総吐出回数に、今回の印刷でカウントした吐出回数を更に加算してインク吐出カウンタ36を更新し(S14)、ホストコンピュータ2にインク切れが近い旨を報知するためのニアエンド報知メッセージを作成する(S15)。
【0066】
さらに、1頁目の印刷処理が終了すると、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報があるか否かを確認して(S5)、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報がある場合は、1頁目の印刷と同様に、引き続き印刷する頁が無くなるまで2頁目以降の印刷を繰り返し実行し、印刷情報が全て印刷されるとインク切れが近い旨のニアエンド報知メッセージをホストコンピュータ2に送信して(S3)印刷処理を終了する(S4)。
【0067】
また、現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合の印刷処理(S2でYes)で、インク吐出カウンタ36の総吐出回数が擬似リアルエンド状態と判断する所定回数に達していたとき(S12でYes)は、EEPROM35に形成されたモードフラグ領域35aにアクセスして現在のモードフラグの状態を確認し(S21)、以後の処理をインク切れ防止モードに基づいて実行するか、あるいはインク使い切りモードに基づいて実行するかを判断する(S22)。
【0068】
そして、この擬似リアルエンド状態において、インク使い切りモードが設定されている場合は(S22でF1=1)、そのまま印刷を実行(S23)してインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを作成する(S24)。そして、引き続き印刷する頁の有無を確認して(S5)、全ての頁を印刷し終えるとホストコンピュータ2にインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを送信(S6)して印刷処理を終了する(S7)。このようにして、インク使い切りモードでは、インク切れである旨を報知するだけで印刷を実行し、インクカートリッジ71内のインク残量が僅かとなっても印刷を中止することなくインクを使い切るまで印刷を続行させることができる。
【0069】
また、擬似リアルエンド状態において、インク切れ防止モードが設定されている場合は(S22でF1=0)、この時点で擬似的にインク切れであると判断してインクカートリッジ71に僅かなインクを残した状態でそれ以降の印刷を中止する(S31)と共に、インク切れで印刷を中止した旨の印刷中止メッセージを作成して、ホストコンピュータ2に送信する(S32)。このとき、ホストコンピュータ2側では、上記したように、ポップアップ画面にてインク切れで印刷が中止された旨をユーザに報知すると共に、インク使い切りモードに切替えてそれ以降の印刷を続行するか否かをユーザの入力操作で選択できるコマンドボタンが表示される(S33)。
【0070】
そして、ホストコンピュータ2で表示されたポップアップ画面でユーザがインク使い切りモードに切替えずに印刷を中止すると入力した場合は(S34でNo)、インクカートリッジ71内に僅かな量のインクを残したまま印刷処理が終了する(S4)。したがって、インク切れ防止モードが設定されている場合(インク使い切りモードに切替えない場合)は、擬似リアルエンド状態に達した時点でインクカートリッジ71に僅かな量のインクを残したまま印刷を中止することで、吐出ノズルに連なるヘッド内流路に気泡が混入されて吐出不良が発生するのを未然に回避することができる。
【0071】
それに対して、ホストコンピュータ2で表示されたポップアップ画面でユーザがインク使い切りモードに切替えて印刷を続行すると入力した場合は(S34でYes)、上記したように、EEPROM35のモードフラグ領域35aに「モードフラグ=1(F1=1)」が設定されると共に、印刷を続行して(S23)、インク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを作成する(S24)。そして、引き続き印刷する頁の有無を確認し(S5)、全ての頁を印刷し終えるとホストコンピュータ2にインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを送信(S6)して印刷処理を終了する(S7)。
【0072】
このようにして、インク切れ防止モードにおいて、インク残量が擬似リアルエンド状態に達し印刷が中止されたときに、インク使い切りモードに切替えて印刷を続行できるので、例えば、交換用のインクカートリッジ71を直ちに準備できないような場合であっても、ユーザの判断により、僅かにインクカートリッジ71内に残っているインクで印刷を続行させることができる。
【0073】
また、インク使い切りモードを設定した状態でインクカートリッジ71のインクを使い切ると、吐出ノズルおよびヘッド内流路に気泡が進入してしまう可能性があり、インクカートリッジ71の交換に際しインク切れ防止モードを設定していた場合と同じように吸引処理をしても気泡を完全に吸引することができないことがある。そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ3では、インクカートリッジ71を交換するときに、インク切れ防止モードを設定していた場合とインク使い切りモードを設定していた場合とで、インクカートリッジ71を装着したときに実行する吸引処理の吸引動作時間をインク吸引タイマ37で制御するようにしている。
【0074】
インク吸引タイマ37では、インクカートリッジ71を装着したときにインク切れ防止モードが設定されている場合の吸引動作時間に対して、インク使い切りモード(インクカートリッジ71の装着に伴いインク切れ防止モードにリセットされる以前に設定していた印刷モード)が設定されている場合の吸引動作時間を延長する(長くする)ように制御する。例えば、インクカートリッジ71を装着したときに、インク切れ防止モードが設定されている場合での吸引動作時間を3秒間、インク使い切りモードが設定されている場合の吸引動作時間を5秒間とするようにインク吸引タイマ37で吸引動作時間を制御している。このようにして、インク吸引タイマ37で吸引動作時間を制御して吸引するインクの分量を調整し、インクカートリッジ71のインクを使い切ることでヘッド内流路に進入した気泡を完全に取り除くことができる。
【0075】
続いて、第2実施形態として、図5を参照して、上記で説明した本実施形態のインクジェットプリンタ3にファクシミリ機能を備えたファクシミリ付きインクジェットプリンタ4について簡単に説明する。
【0076】
ファクシミリ付きインクジェットプリンタ4は、同図に参照されるように、インクジェットプリンタ3にファクシミリ部16を併設したものである。ファクシミリ部16は、送受信するフクシミリ情報の通信制御をするファクシミリI/F回路64と、ファクシミリ送信原稿を読み取る画像情報読取装置62と、画像情報読取装置62で読み取られた画像情報を通信回線送信用に変換する画像情報変換回路63と、画像情報読取装置62を駆動制御するファクシミリドライバ61と、から構成されている。そして、ファクシミリI/F回路64は、公衆回線65を介して公衆回線ネットワーク9に接続して、ファクシミリ情報の送受信を行なうことができるようにしている。
【0077】
また、画像情報読取装置62で読み取ったファクシミリ送信原稿情報は、画像情報変換回路63で通信回線送信用に変換され、ファクシミリI/F回路64を介して公衆回線ネットワーク9に対して送信される。さらに、ファクシミリI/F回路64を介して公衆回線ネットワーク9から受信したファクシミリ情報は、プリンタ制御部11を介してプリンタ機構部13で自動的に印刷が実行される。
【0078】
なお、このようなファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、受信したファクシミリ情報の印刷を無人稼動で行うことを前提としている。そのため、本第2実施形態のファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなった場合を考慮して、それ以後に受信したファクシミリ情報の印刷を中止するインク切れ防止モードと、インク残量が僅かであってもそれ以後に受信したファクシミリ情報の印刷を続行するインク切れ防止モードとをユーザが設定できるようにしている。
【0079】
そして、インク切れ防止モードを設定した場合には、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなったとき、すなわち擬似リアルエンド状態に達した時点でファクシミリ情報の印刷を中止して、それ以後に受信したファクシミリ情報を、RAM34で保持してインクカートリッジ71が交換されたときに、RAM34に保持されたファクシミリ情報の印刷を実行するようにしている。この構成によれば、インク切れ防止モードが設定されているときは、無人稼動中であっても印刷不良が発生するのを未然に防止することができるのはもとより、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が擬似リアルエンド状態に達して印刷が中止されたとしても、それ以後に受信したファクシミリ情報を失うことがないように保護することができる。
【0080】
それに対して、インク使い切りモードが設定されている場合は、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなっても印刷の続行を許容してインクが使い切られるまで、受信したファクシミリ情報を印刷し続けるようにしている。これによりインク使い切りモードが設定されている場合は、インク切れで印刷が中止されることがないため、RAM34にファクシミリ情報を保持しておく必要もなくファクシミリ付きインクジェットプリンタ4に係る負荷を軽減させて円滑に運用していくことができる。
【0081】
このようにして、本第2実施形態のファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなることを考慮して、ファクシミリ付きインクジェットプリンタ4の使用目的に応じてインク切れ防止モードおよびインク使い切りモードのいずれかを設定することができるようにしている。また、ここでは、ホストコンピュータ2でのキー操作で印刷モード設定を行なうようにしたファクシミリ付きインクジェットプリンタ4について説明したが、印刷モード設定を行うための操作キーが筐体に設けられた、インクジェット方式の印刷機能を備えたファクシミリ装置に対しても適用することもできる。
【0082】
以上の説明のように、本実施形態のインクジェットプリンタ3(以後ではファクシミリ付きインクジェットプリンタ4も含む)およびそれを備えたプリントシステム1では、常に印刷品質を重視して使用するか、あるいはインクカートリッジ71のインクを有効に使い切るかを印刷用途に基づいて設定することができる。
【0083】
なお、上記の例では、ニアエンド状態をニアエンド検出スイッチ87で検出し、それ以後はインクの吐出回数をカウントし、インクジェットヘッド51bの単位吐出量に基づいてインク吐出量を算出するように構成したが、擬似リアルエンドを検出するための擬似リアルエンド検出スイッチ等を設け、検出スイッチ、あるいはインクセンサのみでインクカートリッジ71のインク残量を管理するように構成することもできる。この構成によれば、インク残量を算出するためのプログラム等を設けないことで、制御プログラムの構造を簡略化することができる。
【0084】
また、上記したインク吐出カウンタ36によってインクの吐出回数をカウントし、インクジェットヘッド51bの単位吐出量に基づいてインク吐出量を算出する算出手段のみでインクカートリッジ71のインク残量を管理するように構成することもできる。この構成によれば、実インク残量を検出するためのインクセンサ等を設けないことで、インクジェットプリンタ3の内部構造を簡略化することができる。さらに、実インク残量を直接的に検出する構造としないことで、インクジェットプリンタ3の傾きあるいは印刷によって発生する振動などでインク残量の検出に誤差が生じるおそれがない。
【0085】
なお、上記の例では、インクジェットプリンタ3およびホストコンピュータ2から構成されるプリントシステム1として説明してきたが、インクジェットプリンタ3にLANなどのネットワークを介して複数のコンピュータを接続した形態のプリントシステム1に適用することもできる。この構成によれば、1台(あるいは複数台でも良い)のインクジェットプリンタ3を複数のコンピュータで共有することで、効率的な運用をすることができる。
【0086】
このように複数のコンピュータでインクジェットプリンタ3を共有するときは、インクジェットプリンタ3を管理する特定のコンピュータ(ホストコンピュータ2)での印刷モード設定(を含む詳細設定)のみを許容するアクセス制限設定機能を有することが、好ましい。この構成によれば、複数のコンピュータで同時に印刷モードが切替えられるような事態を回避することができるのはもとより、インクジェットプリンタ3の設定管理を容易にすることができ、プリントシステム1の運用を円滑に行なうことが可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェットプリンタおよびこれを備えたプリントシステムによれば、常に印刷品質を重視して使用するか、あるいはインクカートリッジのインクを有効に使い切るかを印刷用途に基づいて設定することができるので、インクジェットプリンタの多様性を向上することができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを適用したプリントシステムの概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのヘッドユニットおよびインクカートリッジを示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのカートリッジホルダおよびインクカートリッジを示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの印刷処理の流れを示す概略フローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るファクシミリ付きインクジェットプリンタを適用したプリントシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 プリントシステム
2 ホストコンピュータ
3 インクジェットプリンタ
4 ファクシミリ付きインクジェットプリンタ
11 プリンタ制御部
12 プリンタドライバ部
13 プリンタ機構部
14 表示部
15 入力部
21 プリンタドライバ
22 プリンタI/F回路
30 ホストI/F回路
31 P−CON
32 CPU
33 ROM
34 RAM
35 EEPROM
36 インク吐出カウンタ
37 インク吸引タイマ
51 ヘッドユニット
52 ヘッド移動機構部
53 記録紙送り機構
54 ヘッド保全機構
71 インクカートリッジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク切れを報知するインクカートリッジ式のインクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェットプリンタでは、インクカートリッジの実インク残量が少量(所定量)になるインク切れが近い状態、すなわちニアエンド状態をニアエンドセンサで検出すると、これをユーザに報知すると共にそれ以後に消費可能なインク量をインクジェットヘッドのインク吐出回数に基づいて管理するようにしている。そして、インクジェットヘッドの吐出回数が予め設定されている所定回数に達すると、僅かなインクを残して擬似的なインク切れ状態、すなわち擬似リアルエンド状態と判断して、これをユーザに報知すると共にそれ以後の印刷の続行を中止(該当「行」、または該当「頁」で中止するものを含む)し、インクカートリッジの交換を促すようにしている。これにより、実インク残量を管理して、ユーザの不注意による印刷不良を未然に回避できるようにしている(例えば、特許文献1または2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−16118号公報(第3−4頁、第2図)
【特許文献2】
特開2000−190517号公報(第4頁、第2−3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の従来のインクジェットプリンタでは、擬似リアルエンドを報知する前に実インク残量が完全にゼロとならないよう安全側を考慮して、僅かなインクを残した状態で擬似的にインク切れとせざるを得ない。そのため、例え印刷が途中であり、且つ所望の印刷を完了するに足りる量のインクがインクカートリッジ内に実際に残っていたとしても、インクカートリッジを交換しなくてはならない。したがって、交換用のインクカートリッジを直ちに準備できないときは、インクカートリッジ内にインクが残っているにも関わらず印刷を途中で諦めるしかないという問題がある。
【0005】
本発明は、ユーザのキー操作によりインク切れ防止モードを簡単に解除することができるインクジェットプリンタ、これを備えたプリントシステム、印刷制御方法、この印刷制御方法を実現させるためのプログラム、および記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタによれば、装着したインクカートリッジのインクの残量を検出および/または算出により認識し、その認識結果に基づいて印刷動作を制御するインクジェットプリンタにおいて、インク残量が僅かであると認識した時に印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、インク残量の判定結果にかかわらず印刷の続行をそのまま許容するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、モード設定手段によって設定されたモード情報に基づいて、印刷動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に従って適宜設定することができる。例えば、実際の印刷作業において、インク切れ防止モードが設定されているときにインク切れが発生し、印刷が頁の途中で停止または規制されてしまうような事態が生じた場合であっても、インクカートリッジを交換することなくインク使い切りモードに設定を切替えることで、印刷をそのまま続行させることができる。
なお、「印刷の続行を規制する」とは、インク切れと判断した直後に印刷を中止するもの、あるいは該当「行」、該当「頁」を印刷してから中止するもの、さらには、吐出するインクの濃度を低くして印刷をするものを含む概念である。
【0008】
この場合、モード設定手段は、ユーザの入力操作によりモード情報を設定可能な入力操作手段を有することが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、ホストコンピュータ等の外部装置を介すことなくインクジェットプリンタに設置した入力操作手段からのユーザの入力操作によって直接にモード情報を設定することができる。例えば、インク切れによりインクカートリッジを交換する必要が生じたときに、それと同時にモード情報を設定し直すことで、改めてホストコンピュータ等からモード情報を設定する手間を省くことができる。なお、入力操作手段としては、設定ボタン、設定スイッチあるいは液晶タッチパネル等を用いることが好ましい。
【0010】
これらの場合、インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、機能回復のためにインクジェットヘッドの全ノズルからインクを吸引するインク吸引手段と、カートリッジ検出手段がインクカートリッジの装着を検出したときに、インク吸引手段を制御して、インクの吸引動作を行なわせる吸引制御手段と、を更に備え、吸引制御手段は、インク使い切りモードに設定されている場合、吸引動作におけるインク吸引量を、インク切れ防止モードに比して増量するようにインク吸引手段を制御することが、好ましい。
【0011】
インク使い切りモードで印刷をそのまま続行してインクを使い切ってしまうと、インクジェットヘッド内にエアーが流入するおそれがある。この構成によれば、インク吸引量を増量することでインクジェットヘッドに気泡が混入してもこれを完全に吸引排除することができるので、インクカートリッジ交換後の印刷で印刷不良が発生するのを確実に回避することができる。
【0012】
これらの場合、インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、カートリッジ検出手段がインクカートリッジの離脱および/または装着を検出したときに、インク切れ防止モードにリセットするモードリセット手段と、を更に備えたことが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、インクカートリッジを交換するとリセットされて、常にインク切れ防止モードが初期状態として設定されるので、モードの設定管理を容易にすることができる。これにより、インク使い切りモードを設定した場合の印刷を、ユーザに常に意識させておくことができる。
【0014】
これらの場合、モード設定手段は、少なくともインク切れ防止モードにおいてインク切れと判断されたときに、インク切れ防止モードを、インク使い切りモードに設定切替可能に構成されていることが、好ましい。
【0015】
この構成によれば、印刷が規制される時点で、以後の印刷をそのまま続行するか否かを判断して意識的にインク切れ防止モードをインク使い切りモードに設定を切替えることになる。そのため、ユーザが無造作にインク使い切りモードを設定して、インク使い切りモードで印刷が実行されていることを忘れるような事態が生じるのを防止することができる。
【0016】
これらの場合、ファクシミリデータを受信するファクシミリ受信手段を、更に備えたことが、好ましい。
【0017】
この構成によれば、インク使い切りモードに設定しておくことで、用紙切れ以外で受信情報の印刷が規制されることがない。
【0018】
本発明のプリントシステムは、上記したインクジェットプリンタと、インクジェットプリンタを制御するホストコンピュータとを有するプリントシステムであって、ホストコンピュータは、インクジェットプリンタにおけるモード設定を指示するモード指示手段と、モード設定の指示に関するモード情報を前記インクジェットプリンタに対して送信するモード情報送信手段とを有し、インクジェットプリンタは、ホストコンピュータから送信されたモード情報を受信するモード情報受信手段を有すると共に、モード情報に基づいて、モード設定手段によりモード設定を行うことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定することができる。また、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、インクジェットプリンタにモード情報を設定することができる。これにより、ホストコンピュータとインクジェットプリンタとの設置距離が離れている規模の大きいプリントシステムでもインクジェットプリンタを直接操作する手間を省き、容易にモード情報の設定を行なうことができる。
【0020】
この場合、モード指示手段は、ホストコンピュータに組み込まれたプリンタドライバによって実現されることが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、ホストコンピュータに組み込まれたプリンタドライバによってモード情報を指示するための画面を提供することができる。
【0022】
本発明の印刷制御方法は、インクカートリッジとインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタと、これに接続されたホストコンピュータとを有するプリントシステムにおける印刷制御方法であって、インクカートリッジのインク残量が所定以下となったときに印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、印刷をそのまま続行するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定工程と、モード情報がインク切れ防止モードの時に、印刷続行の停止または規制処理を実行すると共に、インクカートリッジの交換を指示する印刷停止工程と、モードがインク使い切りモードの時に、その後の印刷をそのまま続行する印刷続行工程と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、インクが途切れて印刷文字が掠れるなどの印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方をインクジェットプリンタの使用目的に従って適宜設定することができる。
【0024】
この場合、モード設定工程は、ホストコンピュータからの指示に基づき実行されることが、好ましい。
【0025】
この構成によれば、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、印刷の目的に応じてモード情報を適宜設定することができる。
【0026】
この場合、モード設定工程は、インクジェットプリンタの本体からの指定に基づき実行されることが、好ましい。
【0027】
この構成によれば、ユーザはインクジェットプリンタを直接操作することなく、ホストコンピュータからの遠隔操作によって、インクジェットプリンタにモード情報を設定することができる。
【0028】
本発明のプログラムは、上記した印刷制御方法をコンピュータに実現させることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定可能にするプログラムを提供することができる。
【0030】
本発明の記憶媒体は、上記したプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能なことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、印刷不良を未然に回避して常に品質の高い印刷を保証するインク切れ防止モードと、インクカートリッジのインクを使い切ることができるインク使い切りモードとのいずれか一方を、インクジェットプリンタの使用目的に応じて適宜設定可能にするプログラムを記憶した記憶媒体を提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ、およびこのインクジェットプリンタを備えたプリントシステムについて詳細を説明する。図1のブロック図に示すように、プリントシステム1は、相互のI/F(インターフェース)回路22,30を介して情報通信可能な状態に接続されたインクジェットプリンタ3とホストコンピュータ2とで構成されている。
【0033】
ホストコンピュータ2は、パーソナルコンピュータのような汎用型のコンピュータであり、ホストコンピュータ2に設けられたプリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3と接続されている。そして、このホストコンピュータ2には、作成された印刷情報をインクジェットプリンタ3に送信するためのソフトウェアであるプリンタドライバ21が設けられている。
【0034】
さらに、このプリンタドライバ21は、ホストコンピュータ2に設けられた入力装置を使用して、インクジェットプリンタ3の機能設定を行うためのプロパティ設定画面と、インクジェットプリンタ3に装着したインクカートリッジ71内のインク残量がニアエンド状態および擬似リアルエンド状態(詳しくは後述する)に達したときにインク切れが近い旨およびインク切れである旨をユーザに報知するためのポップアップ画面とをホストコンピュータ2のディスプレイに表示する。
【0035】
インクジェットプリンタ3は、ホストコンピュータ2から受信した印刷情報を記録紙に印刷するプリンタ機構部13と、ホストコンピュータ2のプロパティ設定画面で設定された機能に基づいて印刷処理を制御するプリンタ制御部11と、プリンタ制御部11の制御の下でプリンタ機構部13を駆動制御するプリンタドライバ部12と、インクジェットプリンタ3において設定情報やインク切れメッセージ等を表示する表示部14と、ユーザの入力操作により機能設定を行なうための入力部15とによって構成されている。
【0036】
プリンタ機構部13は、記録紙に印刷を行うインクジェットヘッド51bを備えたヘッドユニット51と、ヘッドユニット51を主走査方向である記録紙の幅方向に往復移動させるヘッド移動機構52と、主走査方向と直交する副走査方向に記録紙を送る記録紙送り機構53と、ヘッドユニット51のメンテナンスを行うヘッド保全機構54とが設けられている。
【0037】
ヘッドユニット51は、図2および図3に示すように、インクジェットヘッド51bと、インクカートリッジ71を収容するカートリッジホルダ51aとが一体形成され、カートリッジホルダ51aには、インクカートリッジ71が着脱自在に装着されている。そして、このヘッドユニット51は、ヘッド移動機構52に備えたキャリッジで担持され、キャリッジを介して主走査方向に移動する。
【0038】
なお、インクジェットヘッド51bには、圧電素子を用いるピエゾ型あるいは発熱素子を用いるバブルジェット(登録商標)型はもとより、アクチュエータの駆動に静電気力を利用した形態のインクジェットヘッド51bなどを適用することができる。
【0039】
インクカートリッジ71は、インクを貯留するインクパック91と、インクパック91を収容するカートリッジケース94と、カートリッジケース94内部にスライド自在に収容されたニアエンド検出片93とからなる。インクパック91は、アルミ蒸着フィルムで袋状に形成されており、内部に貯留されたインク残量の減少に伴ない収縮する。さらに、このインクパック91は、一端部にインク供給口92を有すると共に、一方の側面はカートリッジケース94の内側面に接着され、他方の側面はニアエンド検出片93に接着されている。そして、インクパック91に接着されたニアエンド検出片93は、インク残量の減少に伴なうインクパック91の収縮により、カートリッジケース94内をスライドする。
【0040】
カートリッジホルダ51aは、その底部にインクジェットヘッド51bに連なるインク供給針82と、インクカートリッジ71の着脱を検出するカートリッジ検出手段であるカートリッジ検出スイッチ81とが設けられている。そして、インクカートリッジ71を下向きにしてカートリッジホルダ51aに装着すると、そのインク供給口92にインク供給針82が挿入され、インクパック91内のインクがヘッド内流路を介して吐出ノズルに供給されると共に、カートリッジ検出スイッチ81のスイッチ端81aがインクカートリッジ71に接触して、これがONとなり、インクカートリッジ71の装着が検出される。
【0041】
また、カートリッジホルダ51aの側部には、インクカートリッジ71のインク残量を検出するニアエンド検出スイッチ87が設けられている。そして、インク残量の減少に伴ないインクパック91が収縮すると、カートリッジケース94壁部に形成した切り欠き開口部94aからニアエンド検出スイッチ87に向かってニアエンド検出片93が前進する。これにより、インクパック91のインク残量が僅になった時点で、ニアエンド検出片93がニアエンド検出スイッチ87のスイッチ端87aに接触して、これがONとなり、インクカートリッジ71のインク残量が所定量以下(ニアエンド状態)に達したことが検出される。
【0042】
ヘッド保全機構54は、特に図示しないが、吸引ユニットと、ワイピングユニットとを備えている。吸引ユニットは、インクジェットヘッド51bの吐出ノズルをキャッピングするキャップと、吐出ノズルからインクの吸引を行う吸引ポンプと、吸引ポンプにより吸引された廃インクを貯留する廃インクタンクとを有している。そして、インクカートリッジ71が新たに装着されると、インクジェットヘッド51bの吐出ノズルにキャップを密接した状態で吸引ポンプを駆動して、全吐出ノズルからインクを吸引しその目詰まりを解消する。また、この吸引動作の後には、ワイピングユニットによりインクジェットヘッド51bの吐出ノズル面の拭き取りが行なわれる。
【0043】
表示部14は、インクジェットプリンタ3の筐体に設置した液晶表示パネル55を有し、上記したニアエンド検出スイッチ87の検出結果、カートリッジ検出スイッチ81の検出結果、印刷中に生じた障害をユーザに報知するためのエラーメッセージ、およびインクジェットプリンタ3の設定情報等を表示するようにしている。また、入力部15は、インクジェットプリンタ3の簡単な機能設定をユーザの入力操作によって行なうことができる設定スイッチ56を有し、例えば、印刷枚数の設定、印刷用紙サイズの設定、および後述する印刷モードの設定等を行なうことができるようにしている。
【0044】
次に、インクジェットプリンタ3を制御するプリンタ制御部11について説明する。本発明のイクジェットプリンタおよびそれを備えたプリントシステムでは、上述したプロパティ設定画面で、インクカートリッジ71のインク残量が擬似リアルエンド状態(詳しくは後述する)に達すると、印刷の続行を中止(規制)するインク切れ防止モードと、インク残量が擬似リアルエンド状態に達しても印刷をそのまま続行することができるインク使い切りモードとを印刷用途に従って設定する(切替える)印刷モード設定機能が設けられている。そして、プリンタ制御部11では、ホストコンピュータ2で設定された印刷モード情報を保持すると共に、保持した印刷モード情報に基づいて印刷処理を実行するように構成されている。
【0045】
プリンタ制御部11は、図1に示すように、CPU32と、CPU32で実行する各制御プログラムが格納されているROM33と、CPU32の作業領域であるRAM34と、印刷モードの設定状態などを記憶するEEPROM35と、インクジェットヘッド51bで吐出するインクの吐出回数をカウントするインク吐出カウンタ36と、吸引処理の実行に際し吸引動作時間を制御するインク吸引タイマ37とが設けられ、これらは相互にバスを介してP−CON31(周辺制御回路)に接続されている。そして、CPU32は、RAM34を作業領域として、ROM33に格納されている各種の制御プログラムに従って、P−CON31に接続されたプリンタドライバ部12が有するヘッドドライバ41,モータドライバ42,およびメンテナンスドライバ43を介してプリンタ機構部13を駆動制御し、液晶パネルドライバ44によって液晶表示パネル55を表示制御する。
【0046】
ROM33には、CPU32で実行する制御プログラムが格納され、ホストI/F回路30での情報授受を監視する監視プログラムと、インクジェットプリンタ3の機能設定を行うプロパティ設定プログラムと、ホストコンピュータ2から受信した印刷情報に基づいて印刷を実行する印刷処理プログラムとを有している。監視プログラムは、インクジェットプリンタ3の電源スイッチ39で電源が投入されると直後に起動されるプログラムで、ホストI/F回路30を監視して、受信した情報がプロパティ設定情報であればプロパティ設定プログラムを実行してプロパティ設定処理を行い、受信した情報が印刷情報であれば印刷処理プログラムを実行して印刷処理を行うようにしたものである。
【0047】
EEPROM35は、ホストコンピュータ2から受信した印刷モード設定情報に基づいて設定された印刷モードを記憶するためのフラグ書き込み領域であるモードフラグ領域35aと、ニアエンド検出スイッチ87での検出結果を記憶するためのフラグ書き込み領域であるニアエンドフラグ領域35bと、インクカートリッジ71の着脱状態を記憶するためのフラグ書き込み領域であるカートリッジフラグ領域35cとが形成されている。
【0048】
そして、モードフラグ領域35aは、インク切れ防止モードが設定されていれば「モードフラグ=0(F1=0)」を、インク使い切りモードが設定されていれば「モードフラグ=1(F1=1)」を記憶するようにしている。また、ニアエンドフラグ領域35bは、上記したニアエンド検出スイッチ87がOFFであり、インクカートリッジ71のインク残量がニアエンド状態に達していない場合は「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」を、ニアエンド検出スイッチ87がONとなり、インク残量がニアエンド状態に達したことが検出された場合は「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」が記憶される。さらに、カートリッジフラグ領域35cは、上記したカートリッジ検出スイッチ81がOFFであり、インクカートリッジ71がカートリッジケース94から離脱している場合は「カートリッジフラグ=0(F3=0)」が、カートリッジ検出スイッチ81がONとなり、インクカートリッジ71の装着が検出された場合は「カートリッジフラグ=1(F3=1)」が記憶される。そして、各制御プログラムは、これらのフラグの状態に基づいて処理を実行する。
【0049】
また、モードフラグ領域35aは、初期状態でインク切れ防止モードが設定されており、且つカートリッジ検出スイッチ81でインクカートリッジ71の装着を検出すると、モードフラグ領域35aに記憶している印刷モードの設定をインク切れ防止モードにリセットするようにしている。すなわち、インク使い切りモードが設定されている場合、インクカートリッジ71の装着に伴ないモードフラグ領域35aにインク切れ防止モードが記憶される。
【0050】
インク吐出カウンタ36は、インクジェットヘッド51bで吐出したインクの吐出回数をカウントするカウンタであり、インクカートリッジ71のインク残量がニアエンド状態に達した時点から吐出回数のカウントが開始されるように制御されている。そして、ニアエンド状態を検出した時点からインク吐出カウンタ36でカウントした総吐出回数が予め設定されている所定回数に達すると、インクカートリッジ71のインクが擬似的にインク切れである擬似リアルエンド状態に達したと判断される。
【0051】
なお、インク残量が擬似リアルエンド状態に達したと判断する総吐出回数は、インクジェットヘッド51bが1回当たりに吐出する単位吐出量に基づいて、インク残量が擬似リアルエンド状態に達した時点でインクカートリッジ71に僅かな量のインクが残留するように設定されている。そして、インク切れ防止モードが設定されている場合は、僅かな量のインクをインクカートリッジ71に残した状態で印刷を中止することで、インクジェットヘッド51bのヘッド内流路に気泡が引き込まれて吐出不良が発生するのを未然に防止することができる。すなわち、常に印刷文字などに掠れが生じることがない品質の高い印刷を保証することを可能としている。
【0052】
また、インク吐出カウンタ36でインクの吐出回数のカウントが開始された後、印刷モードを切替える場合が考えられる。しかし、このような場合であってもインク吐出カウンタ36のカウントは、印刷モードを切替えたことでリセット(初期化)されることはなく、印刷モードを切替えた後も引き続きカウントが継続される。そして、インク吐出カウンタ36でのカウントは、カートリッジ検出スイッチ81でインクカートリッジ71の離脱が検出された時点でリセット(初期化)されるようにしている。
【0053】
インク吸引タイマ37は、インクカートリッジ71を装着した際に実行する吸引処理の吸引動作時間を制御するためのタイマである。詳しくは後述するが、このインク吸引タイマ37で吸引処理の吸引動作時間を制御することで、インク切れ防止モードおよびインク使い切りモードのどちらが設定されている場合であってもヘッド内流路に進入した気泡を完全に取り除くことができるようにしている。
【0054】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ3で実行される印刷モード設定処理と、印刷モード設定処理で設定された印刷モードに基づいて実行される印刷処理とについて詳細を説明する。
【0055】
印刷モード設定は、ホストコンピュータ2で表示される画面で行われ、ホストコンピュータ2のディスプレイ画面で常時起動することができるプロパティ設定画面と、インク残量が擬似リアルエンド状態に達したときにホストコンピュータ2のディスプレイ画面に表示されるポップアップ画面と、インクジェットプリンタ3の筐体に設置した設定スイッチ56とで設定可能に構成されている。なお、上記したように設定スイッチ56での入力操作によりプロパティ設定画面と同様に印刷モードの設定を行なうことができるが、以下では、プロパティ設定画面、およびポップアップ画面を用いて説明する。
【0056】
プロパティ設定画面は、ホストコンピュータ2が有するプリンタドライバ21から起動してインクジェットプリンタ3の詳細設定を行うための画面である。このプロパティ設定画面では、インク切れ防止モードかあるいはインク使い切りモードかのいずれかをユーザがマウスあるいはキーボード等の入力装置を使用して設定することができる。そして、プロパティ設定画面で印刷モード設定を行うと、設定された印刷モードに基づいて印刷モード設定情報が作成され、プリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3に送信される。
【0057】
ポップアップ画面は、インクジェットプリンタ3でインク残量がニアエンド状態および擬似リアルエンド状態に達すると、インク切れが近い状態である旨およびインク切れである旨のメッセージを表示して、それをユーザに報知するための画面である。そして、インク切れ防止モードにおいて、擬似リアルエンド状態に達して印刷の続行が中止された旨の表示をするポップアップ画面でのみ、インク切れである旨のメッセージと共にインク使い切りモードに切替えて印刷を続行させるか否かを選択するためのコマンドボタンを表示するようにしている。このポップアップ画面のコマンドボタンで印刷を続行するインク使い切りモードに切替えると、プロパティ設定画面で印刷モード設定を行うのと同様に、切替えられた印刷モードに基づいて印刷モード設定情報が作成され、プリンタI/F回路22を介してインクジェットプリンタ3に送信される。
【0058】
インクジェットプリンタ3では、ホストI/F回路30を介して印刷モード設定情報を受信すると、情報授受を監視している監視プログラムが印刷モード設定プログラムを起動して印刷モード設定処理を実行する。印刷モード設定処理では、受信した印刷モード設定情報に基づいて、インク切れ防止モードであれば「モードフラグ=0(F1=0)」を、インク使い切りモードであれば「モードフラグ=1(F1=1)」をEEPROM35のモードフラグ領域35aに設定する。そして、印刷モード設定処理が正常に終了すると、ホストコンピュータ2に正常に設定処理が終了した旨の設定終了メッセージを送信して印刷モード設定処理を終了する。
【0059】
続いて、図4を参照して、上記の印刷モード設定処理でEEPROM35のモードフラグ領域35aに設定したモードフラグを読み込み、これに基づいて印刷情報の印刷を実行する印刷処理について説明する。
【0060】
印刷処理は、上記したようにインクジェットプリンタ3がホストI/F回路30を介して印刷情報を受信したときに監視プログラムにより起動される印刷処理プログラムで実行され、受信した印刷情報の印刷を行う処理である。なお、本実施形態のインクジェットプリンタ3の印刷処理は、受信した印刷情報がテキスト情報であればテキストの1頁毎に、画像情報であれば1画像毎に印刷項が無くなるまで繰り返し印刷を実行するようにしている。
【0061】
印刷処理は、インクカートリッジ71のインク残量に応じて実行される処理の流れが異なる。そのため、まず、インクジェットプリンタ3が印刷情報を受信して印刷処理が開始されると(S0)、EEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bにアクセスして、現在のニアエンドフラグの状態、すなわちインクカートリッジ71のインク残量を確認して(S1)、現在のインク残量がニアエンド状態に達しているか否かを判断する(S2)。そして、ニアエンドフラグが「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」であれば、そのまま印刷が実行され(S3)、「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」であればインク吐出カウンタ36でカウントされた吐出回数およびEEPROM35に記憶されたモードフラグの設定状況に基づいて印刷が実行されることになる。
【0062】
現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=0(F2=0)」である場合、すなわち、インク残量がニアエンド状態に達する以前での印刷処理では、インクの吐出回数をカウントするなどの特別な処理を実行することなくそのまま1頁目の印刷情報を印刷し(S3)、印刷が正常に終了するとホストコンピュータ2に送信する印刷終了メッセージを作成する(S4)。そして、1頁目の印刷処理が終了すると、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報があるか否かを確認して(S5)、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報がある場合は(S5でYes)、再びEEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bにアクセスし1頁目印刷後のニアエンドフラグの状態を確認し(S1)、1頁目の印刷と同様に、2頁目以降の印刷を実行する(S3、S4)。そして、印刷処理は、引き続き印刷する頁が無くなるまで繰り返し実行され、すべての頁の印刷が終了すると(S5でNo)、作成した印刷終了メッセージをホストコンピュータ2送信して(S6)印刷処理を終了する(S7)。
【0063】
また、印刷中にインク残量がニアエンド状態に達した場合は、上記したようにインクカートリッジ71ホルダに設けられたニアエンド検出スイッチ87が作動して、EEPROM35に形成されたニアエンドフラグ領域35bのニアエンドフラグが「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」に書き換えられる。そして、それ以後は、書き換えられたニアエンドフラグに基づいて印刷が続行される。
【0064】
なお、図示しないが、印刷処理の実行に伴い記録紙切れあるいは紙詰まりなどの障害が発生することが想定される。このような障害が発生した場合は、その時点で印刷を中断し、その旨の障害報知メッセージをインクジェットプリンタ3に設置した液晶表示パネル55で報知すると共に、ホストコンピュータ2に送信する。そして、障害が取り除かれた時点で、中断されていた印刷が再実行される。この構成によれば、ホストコンピュータ2は、障害報知メッセージを受信して、その内容をユーザに報知することができるので、発生した障害に対して迅速に対応することができる。また障害が取り除かれた時点で印刷が再開するようにして、2次障害の発生を防止するようにしている。
【0065】
次に、現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合、すなわち、インク残量がニアエンド状態に達した後の印刷処理について説明する。現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合の印刷処理では、印刷を実行する前にインク吐出カウンタ36を確認して前回までに積算された総吐出回数を取得し(S11)、総吐出回数が擬似リアルエンド状態を示す所定回数に達しているか否かを判断する(S12)。そして、前回の印刷までに積算した総吐出回数が擬似リアルエンド状態と判断する所定回数に達していない場合は(S12でNo)、印刷を実行する(S13)と共にインク吐出カウンタ36で吐出回数をカウントして、前回の印刷までに積算した総吐出回数に、今回の印刷でカウントした吐出回数を更に加算してインク吐出カウンタ36を更新し(S14)、ホストコンピュータ2にインク切れが近い旨を報知するためのニアエンド報知メッセージを作成する(S15)。
【0066】
さらに、1頁目の印刷処理が終了すると、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報があるか否かを確認して(S5)、引き続き印刷する2頁目以降の印刷情報がある場合は、1頁目の印刷と同様に、引き続き印刷する頁が無くなるまで2頁目以降の印刷を繰り返し実行し、印刷情報が全て印刷されるとインク切れが近い旨のニアエンド報知メッセージをホストコンピュータ2に送信して(S3)印刷処理を終了する(S4)。
【0067】
また、現在のニアエンドフラグの状態が「ニアエンドフラグ=1(F2=1)」である場合の印刷処理(S2でYes)で、インク吐出カウンタ36の総吐出回数が擬似リアルエンド状態と判断する所定回数に達していたとき(S12でYes)は、EEPROM35に形成されたモードフラグ領域35aにアクセスして現在のモードフラグの状態を確認し(S21)、以後の処理をインク切れ防止モードに基づいて実行するか、あるいはインク使い切りモードに基づいて実行するかを判断する(S22)。
【0068】
そして、この擬似リアルエンド状態において、インク使い切りモードが設定されている場合は(S22でF1=1)、そのまま印刷を実行(S23)してインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを作成する(S24)。そして、引き続き印刷する頁の有無を確認して(S5)、全ての頁を印刷し終えるとホストコンピュータ2にインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを送信(S6)して印刷処理を終了する(S7)。このようにして、インク使い切りモードでは、インク切れである旨を報知するだけで印刷を実行し、インクカートリッジ71内のインク残量が僅かとなっても印刷を中止することなくインクを使い切るまで印刷を続行させることができる。
【0069】
また、擬似リアルエンド状態において、インク切れ防止モードが設定されている場合は(S22でF1=0)、この時点で擬似的にインク切れであると判断してインクカートリッジ71に僅かなインクを残した状態でそれ以降の印刷を中止する(S31)と共に、インク切れで印刷を中止した旨の印刷中止メッセージを作成して、ホストコンピュータ2に送信する(S32)。このとき、ホストコンピュータ2側では、上記したように、ポップアップ画面にてインク切れで印刷が中止された旨をユーザに報知すると共に、インク使い切りモードに切替えてそれ以降の印刷を続行するか否かをユーザの入力操作で選択できるコマンドボタンが表示される(S33)。
【0070】
そして、ホストコンピュータ2で表示されたポップアップ画面でユーザがインク使い切りモードに切替えずに印刷を中止すると入力した場合は(S34でNo)、インクカートリッジ71内に僅かな量のインクを残したまま印刷処理が終了する(S4)。したがって、インク切れ防止モードが設定されている場合(インク使い切りモードに切替えない場合)は、擬似リアルエンド状態に達した時点でインクカートリッジ71に僅かな量のインクを残したまま印刷を中止することで、吐出ノズルに連なるヘッド内流路に気泡が混入されて吐出不良が発生するのを未然に回避することができる。
【0071】
それに対して、ホストコンピュータ2で表示されたポップアップ画面でユーザがインク使い切りモードに切替えて印刷を続行すると入力した場合は(S34でYes)、上記したように、EEPROM35のモードフラグ領域35aに「モードフラグ=1(F1=1)」が設定されると共に、印刷を続行して(S23)、インク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを作成する(S24)。そして、引き続き印刷する頁の有無を確認し(S5)、全ての頁を印刷し終えるとホストコンピュータ2にインク切れである旨の擬似リアルエンド報知メッセージを送信(S6)して印刷処理を終了する(S7)。
【0072】
このようにして、インク切れ防止モードにおいて、インク残量が擬似リアルエンド状態に達し印刷が中止されたときに、インク使い切りモードに切替えて印刷を続行できるので、例えば、交換用のインクカートリッジ71を直ちに準備できないような場合であっても、ユーザの判断により、僅かにインクカートリッジ71内に残っているインクで印刷を続行させることができる。
【0073】
また、インク使い切りモードを設定した状態でインクカートリッジ71のインクを使い切ると、吐出ノズルおよびヘッド内流路に気泡が進入してしまう可能性があり、インクカートリッジ71の交換に際しインク切れ防止モードを設定していた場合と同じように吸引処理をしても気泡を完全に吸引することができないことがある。そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ3では、インクカートリッジ71を交換するときに、インク切れ防止モードを設定していた場合とインク使い切りモードを設定していた場合とで、インクカートリッジ71を装着したときに実行する吸引処理の吸引動作時間をインク吸引タイマ37で制御するようにしている。
【0074】
インク吸引タイマ37では、インクカートリッジ71を装着したときにインク切れ防止モードが設定されている場合の吸引動作時間に対して、インク使い切りモード(インクカートリッジ71の装着に伴いインク切れ防止モードにリセットされる以前に設定していた印刷モード)が設定されている場合の吸引動作時間を延長する(長くする)ように制御する。例えば、インクカートリッジ71を装着したときに、インク切れ防止モードが設定されている場合での吸引動作時間を3秒間、インク使い切りモードが設定されている場合の吸引動作時間を5秒間とするようにインク吸引タイマ37で吸引動作時間を制御している。このようにして、インク吸引タイマ37で吸引動作時間を制御して吸引するインクの分量を調整し、インクカートリッジ71のインクを使い切ることでヘッド内流路に進入した気泡を完全に取り除くことができる。
【0075】
続いて、第2実施形態として、図5を参照して、上記で説明した本実施形態のインクジェットプリンタ3にファクシミリ機能を備えたファクシミリ付きインクジェットプリンタ4について簡単に説明する。
【0076】
ファクシミリ付きインクジェットプリンタ4は、同図に参照されるように、インクジェットプリンタ3にファクシミリ部16を併設したものである。ファクシミリ部16は、送受信するフクシミリ情報の通信制御をするファクシミリI/F回路64と、ファクシミリ送信原稿を読み取る画像情報読取装置62と、画像情報読取装置62で読み取られた画像情報を通信回線送信用に変換する画像情報変換回路63と、画像情報読取装置62を駆動制御するファクシミリドライバ61と、から構成されている。そして、ファクシミリI/F回路64は、公衆回線65を介して公衆回線ネットワーク9に接続して、ファクシミリ情報の送受信を行なうことができるようにしている。
【0077】
また、画像情報読取装置62で読み取ったファクシミリ送信原稿情報は、画像情報変換回路63で通信回線送信用に変換され、ファクシミリI/F回路64を介して公衆回線ネットワーク9に対して送信される。さらに、ファクシミリI/F回路64を介して公衆回線ネットワーク9から受信したファクシミリ情報は、プリンタ制御部11を介してプリンタ機構部13で自動的に印刷が実行される。
【0078】
なお、このようなファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、受信したファクシミリ情報の印刷を無人稼動で行うことを前提としている。そのため、本第2実施形態のファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなった場合を考慮して、それ以後に受信したファクシミリ情報の印刷を中止するインク切れ防止モードと、インク残量が僅かであってもそれ以後に受信したファクシミリ情報の印刷を続行するインク切れ防止モードとをユーザが設定できるようにしている。
【0079】
そして、インク切れ防止モードを設定した場合には、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなったとき、すなわち擬似リアルエンド状態に達した時点でファクシミリ情報の印刷を中止して、それ以後に受信したファクシミリ情報を、RAM34で保持してインクカートリッジ71が交換されたときに、RAM34に保持されたファクシミリ情報の印刷を実行するようにしている。この構成によれば、インク切れ防止モードが設定されているときは、無人稼動中であっても印刷不良が発生するのを未然に防止することができるのはもとより、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が擬似リアルエンド状態に達して印刷が中止されたとしても、それ以後に受信したファクシミリ情報を失うことがないように保護することができる。
【0080】
それに対して、インク使い切りモードが設定されている場合は、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなっても印刷の続行を許容してインクが使い切られるまで、受信したファクシミリ情報を印刷し続けるようにしている。これによりインク使い切りモードが設定されている場合は、インク切れで印刷が中止されることがないため、RAM34にファクシミリ情報を保持しておく必要もなくファクシミリ付きインクジェットプリンタ4に係る負荷を軽減させて円滑に運用していくことができる。
【0081】
このようにして、本第2実施形態のファクシミリ付きインクジェットプリンタ4では、無人稼動中にインクカートリッジ71のインク残量が僅かとなることを考慮して、ファクシミリ付きインクジェットプリンタ4の使用目的に応じてインク切れ防止モードおよびインク使い切りモードのいずれかを設定することができるようにしている。また、ここでは、ホストコンピュータ2でのキー操作で印刷モード設定を行なうようにしたファクシミリ付きインクジェットプリンタ4について説明したが、印刷モード設定を行うための操作キーが筐体に設けられた、インクジェット方式の印刷機能を備えたファクシミリ装置に対しても適用することもできる。
【0082】
以上の説明のように、本実施形態のインクジェットプリンタ3(以後ではファクシミリ付きインクジェットプリンタ4も含む)およびそれを備えたプリントシステム1では、常に印刷品質を重視して使用するか、あるいはインクカートリッジ71のインクを有効に使い切るかを印刷用途に基づいて設定することができる。
【0083】
なお、上記の例では、ニアエンド状態をニアエンド検出スイッチ87で検出し、それ以後はインクの吐出回数をカウントし、インクジェットヘッド51bの単位吐出量に基づいてインク吐出量を算出するように構成したが、擬似リアルエンドを検出するための擬似リアルエンド検出スイッチ等を設け、検出スイッチ、あるいはインクセンサのみでインクカートリッジ71のインク残量を管理するように構成することもできる。この構成によれば、インク残量を算出するためのプログラム等を設けないことで、制御プログラムの構造を簡略化することができる。
【0084】
また、上記したインク吐出カウンタ36によってインクの吐出回数をカウントし、インクジェットヘッド51bの単位吐出量に基づいてインク吐出量を算出する算出手段のみでインクカートリッジ71のインク残量を管理するように構成することもできる。この構成によれば、実インク残量を検出するためのインクセンサ等を設けないことで、インクジェットプリンタ3の内部構造を簡略化することができる。さらに、実インク残量を直接的に検出する構造としないことで、インクジェットプリンタ3の傾きあるいは印刷によって発生する振動などでインク残量の検出に誤差が生じるおそれがない。
【0085】
なお、上記の例では、インクジェットプリンタ3およびホストコンピュータ2から構成されるプリントシステム1として説明してきたが、インクジェットプリンタ3にLANなどのネットワークを介して複数のコンピュータを接続した形態のプリントシステム1に適用することもできる。この構成によれば、1台(あるいは複数台でも良い)のインクジェットプリンタ3を複数のコンピュータで共有することで、効率的な運用をすることができる。
【0086】
このように複数のコンピュータでインクジェットプリンタ3を共有するときは、インクジェットプリンタ3を管理する特定のコンピュータ(ホストコンピュータ2)での印刷モード設定(を含む詳細設定)のみを許容するアクセス制限設定機能を有することが、好ましい。この構成によれば、複数のコンピュータで同時に印刷モードが切替えられるような事態を回避することができるのはもとより、インクジェットプリンタ3の設定管理を容易にすることができ、プリントシステム1の運用を円滑に行なうことが可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェットプリンタおよびこれを備えたプリントシステムによれば、常に印刷品質を重視して使用するか、あるいはインクカートリッジのインクを有効に使い切るかを印刷用途に基づいて設定することができるので、インクジェットプリンタの多様性を向上することができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタを適用したプリントシステムの概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのヘッドユニットおよびインクカートリッジを示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのカートリッジホルダおよびインクカートリッジを示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの印刷処理の流れを示す概略フローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るファクシミリ付きインクジェットプリンタを適用したプリントシステムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 プリントシステム
2 ホストコンピュータ
3 インクジェットプリンタ
4 ファクシミリ付きインクジェットプリンタ
11 プリンタ制御部
12 プリンタドライバ部
13 プリンタ機構部
14 表示部
15 入力部
21 プリンタドライバ
22 プリンタI/F回路
30 ホストI/F回路
31 P−CON
32 CPU
33 ROM
34 RAM
35 EEPROM
36 インク吐出カウンタ
37 インク吸引タイマ
51 ヘッドユニット
52 ヘッド移動機構部
53 記録紙送り機構
54 ヘッド保全機構
71 インクカートリッジ
Claims (13)
- 装着したインクカートリッジのインクの残量を検出および/または算出により認識し、その認識結果に基づいて印刷動作を制御するインクジェットプリンタにおいて、
インク残量が僅かであると認識した時に印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、前記インク残量の判定結果にかかわらず印刷の続行をそのまま許容するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段によって設定されたモード情報に基づいて、印刷動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記モード設定手段は、ユーザの入力操作により前記モード情報を設定可能な入力操作手段を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、機能回復のためにインクジェットヘッドの全ノズルからインクを吸引するインク吸引手段と、前記カートリッジ検出手段が前記インクカートリッジの装着を検出したときに、前記インク吸引手段を制御して、インクの吸引動作を行なわせる吸引制御手段と、を更に備え、
前記吸引制御手段は、前記インク使い切りモードに設定されている場合、前記吸引動作におけるインク吸引量を、前記インク切れ防止モードに比して増量するように前記インク吸引手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。 - 前記インクカートリッジの着脱を検出するカートリッジ検出手段と、前記カートリッジ検出手段が前記インクカートリッジの離脱および/または装着を検出したときに、前記インク切れ防止モードにリセットするモードリセット手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記モード設定手段は、少なくとも前記インク切れ防止モードにおいてインク切れと判断されたときに、前記インク切れ防止モードを、前記インク使い切りモードに設定切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
- ファクシミリデータを受信するファクシミリ受信手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタと、当該インクジェットプリンタを制御するホストコンピュータとを有するプリントシステムであって、
前記ホストコンピュータは、前記インクジェットプリンタにおけるモード設定を指示するモード指示手段と、
前記モード設定の指示に関するモード情報を前記インクジェットプリンタに対して送信するモード情報送信手段とを有し、
前記インクジェットプリンタは、前記ホストコンピュータから送信されたモード情報を受信するモード情報受信手段を有すると共に、当該モード情報に基づいて、前記モード設定手段によりモード設定を行うことを特徴とするプリントシステム。 - 前記モード指示手段は、前記ホストコンピュータに組み込まれたプリンタドライバによって実現されることを特徴とする請求項7に記載のプリントシステム。
- インクカートリッジとインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタと、これに接続されたホストコンピュータとを有するプリントシステムにおける印刷制御方法であって、
前記インクカートリッジのインク残量が所定以下となったときに印刷の続行を停止または規制するインク切れ防止モードと、印刷をそのまま続行するインク使い切りモードとのいずれか一方を設定するモード設定工程と、
前記モード情報がインク切れ防止モードの時に、印刷続行の停止または規制処理を実行すると共に、前記インクカートリッジの交換を指示する印刷停止工程と、
前記モードがインク使い切りモードの時に、その後の印刷をそのまま続行する印刷続行工程と、を備えたことを特徴とする印刷制御方法。 - 前記モード設定工程は、前記ホストコンピュータからの指示に基づき実行されることを特徴とする請求項9に記載の印刷制御方法。
- 前記モード設定工程は、前記インクジェットプリンタの本体に対するユーザの入力操作に基づき実行されることを特徴とする請求項9に記載の印刷制御方法。
- 請求項9、10または11に記載の印刷制御方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
- 請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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