JP2004174533A - Ic・lsiパッケージ加工用工具 - Google Patents

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寧 松本
Katsuo Kazahaya
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Abstract

【課題】IC・LSIパッケージの加工に使用される工具において、被加工物が接触する部位に、ハンダなど被加工物側の材料が付着しにくく、製造が容易で高精度な工具を提供する。
【解決手段】IC・LSIパッケージの加工用工具の少なくとも基材の被加工物が接触する部位に、結晶粒径が1μm以下でかつ膜厚が1μm以上5μm以下のダイヤモンド膜を形成する。結晶粒径が小さいので、ダイヤモンド膜の表面粗さRaは小さくなり高精度な加工ができるが、必要に応じてダイヤモンドペーパーなどで研磨を行う。該膜の硬度はHvで8000〜10000とするのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、IC・LSIパッケージの製造において、加工工程で使用される工具に関するものであり、特に加工する部位に厳しい精度が要求されるリードフレーム曲げ加工用ダイ・パンチ、タイバーカット用ダイ・パンチ、及びリードカット用ダイ・パンチに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ、制御装置などの各種電子機器に組み込まれる電子部品の製造には、カッティング加工、フォーミング加工、リフォーミング加工などの加工が行われる。例えば機器内部に組み込まれるIC・LSIパッケージのアウタ・リードのフォーミング加工では、基板に実装しやすいようにリードを折り曲げる加工が行われる。
【0003】
このようなフォーミング加工では、通常、ダイやパンチを用いてリードの曲げ加工が行われる。上記リードは通常、基板に強固に接着を行うためや、耐食性を向上させるために、表面にハンダメッキが施されており、一方上記曲げ加工に使用されるダイ及びパンチは超硬合金やSKDの一体物で製作されているのが一般的である。
【0004】
リードの曲げ加工を行う際に、ハンダメッキされたリードとダイ及びパンチは擦れるため、リード表面のハンダメッキがダイやパンチとの接触部位に付着する。その結果、加工が進むに従ってハンダの堆積量は増加してダイ及びパンチの接触面に凹凸を生じさせ、リードの折り曲げの平坦性(コープラナリティ)や、リードの並列方向への曲がり(スキュー)が悪化するという問題があった。また、ダイ及びパンチに付着したハンダの堆積物がリードに転写される場合もあり、リード間でショートして内部の回路を破壊する危険性もあった。
【0005】
IC・LSIのリードの精度は、コープラナリティ、スキューとも100μm以下が求められているが、今後アウタ・リードの多ピン化によりピッチの微細化が進むので、それにつれて例えばピッチ0.5mm以下では50μm以下というように厳しい精度が要求されてくる。
【0006】
この精度の悪化を防ぐため、超硬合金やSKDのダイ及びパンチにおいては30,000〜50,000ショットごとにダイ及びパンチの当たり面をクリーニングしているが、要求精度が厳しくなるにつれて、このクリーニングのインターバルを短くしなければならない。特に溶着しやすい組成のハンダにおいては、数千ショットおきにクリーニングを行うケースもある。また、クリーニングは金属ブラシや金属ヘラなどで堆積物をこすり落として行う作業であるが、ハンダの付着が激しい場合などには金型を装置からはずして行わなければならない。
【0007】
従って、ハンダの付着発生はリードの成形精度を低下させ、この低下を防ぐためのクリーニング作業は、作業者に嫌われる原始的な作業であるとともに、生産効率を下げる要因となっている。
【0008】
このような問題を解決するものとして、ダイ及びパンチのリードに接触する部位である当たり面をダイ本体とは分割した基材によって構成し、この基材の当たり面にダイヤモンドやダイヤモンド状炭素膜を形成し、その表面を研磨することにより表面粗さを0.08μmRaより小さく仕上げたダイ及びパンチがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
また、上記とは別の工具で同様の目的を有するものとして、リードフレームのタイバーを切断するためのタイバーカット用パンチでタイバーの切断に作用する部位にダイヤモンド膜が形成されたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−211842号公報
【特許文献2】
特開平4−56258号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基材の接触部位にダイヤモンドやダイヤモンド状炭素膜を形成し、その表面を研磨する方法では、ダイ及びパンチの精度を向上させるのが容易ではないという問題がある。例えば、上記のリードフレーム折り曲げ用のダイでは、ダイヤモンドやダイヤモンド状炭素膜を20μm程度の厚みに形成しておき、さらに表面を研磨して膜厚を10μm程度に仕上げることが行われるが、膜中にピンホールがあるなど膜の状態の違いにより研磨量が異なるため、研磨後の膜厚を一定にすることは容易ではない。ところが、上記のダイではダイヤモンド膜の厚みを含めた全長に厳しい精度が要求され、研磨量を制御する必要が出てくる。また、この制御ができない場合、基材を大きめに作っておきダイヤモンド膜を形成して研磨した後に基材側を加工して所定の精度とする必要が出てくる。
【0012】
また、タイバーカット用のダイ・パンチにおいては、櫛刃状の刃先の間隔の精度が要求されるので、研磨仕上げによってピッチ間を所定の精度とすることは現実的ではないという問題がある。
【0013】
さらには、今後、環境問題で脱Pbに移行する中、ハンダの種類がSn−Cu、Sn−Biあるいはパラジウムなどに変わることになるが、これらのハンダでは潤滑性のあるPbが無くなることにより、工具の接触部位には従来以上にハンダが付着しやすくなるという問題が予想され、特にパラジウム系のハンダは従来のハンダよりも硬い材質であるため、工具へのハンダの付着の問題だけではとどまらず工具の摩耗の問題も出てくる。
【0014】
本発明は上記の問題を解決しようとするものであり、IC・LSIパッケージの加工に使用される工具において、少なくとも加工時に基材の被加工物が接触する部位に、ハンダなど被加工物側の材料が付着しにくく、製造上の問題も解決した高精度な工具を提案するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、IC・LSIパッケージの加工に使用される工具において、加工を行う際に少なくとも基材の被加工物が接触する部位に、結晶粒径が1μm以下でかつ膜厚が1μm以上5μm以下のダイヤモンド膜が形成されてなることである。
【0016】
通常のダイヤモンド膜に比べて結晶粒径の小さいダイヤモンド膜を形成することで、ダイヤモンド膜の表面が平滑になり、研磨をしなくても使用することができる。研磨が必要な場合でも、ダイヤモンドペーパーなどで軽く研磨する程度の加工で十分であり、研磨量が少ないためダイヤモンド膜を厚く積層する必要がない。また結晶粒径が小さいので膜内部にピンホールなどの欠陥がほとんど発生せず、膜内部の欠陥によって研磨量が左右されることはほとんどなく、この点でもダイヤモンド膜を厚く積層する必要がない。さらに、本発明の対象とするIC・LSIパッケージの加工用工具では、ダイヤモンド膜の厚みを含めた寸法精度は±1μmという様な精度を要求されるが、上記のように研磨量が少なく必要な研磨量が予測され得るので、容易に高精度な工具が得られる。なお、結晶粒子径は小さいほど良いが、実際に製造可能な大きさは0.1μm以上である。
【0017】
また、ダイヤモンド膜を厚くするには、成膜に長時間を要することになる。そのため基材を高温下で炭素雰囲気に長時間さらすことになり、炭素が基材に固溶して基材が膨張する。高精度な工具とするにはダイヤモンド膜を形成した後、膨張した分も研磨が必要となるが、本発明のように膜厚が5μm以下の薄いダイヤモンド膜を形成する場合、成膜時間が短く基材が高温下で炭素雰囲気にさらされる時間が短くなるので基材の膨張が極めて少なくなり、基材の膨張による寸法の調整のための加工も不必要となる。なお、ダイヤモンド膜の膜厚を1μm以上とするのは、基材の表面全体を確実に被覆するのに必要なためである。
【0018】
本発明の実施の態様として、前記ダイヤモンド膜は、表面粗さがRaで0.05μm以下であることが望ましい。これによりダイヤモンド膜の表面にハンダなどの堆積物が生成しにくくなる。より好ましくはRaで0.03μm以下とする。ダイヤモンド膜を形成した時に前記の表面粗さよりも粗くてもダイヤモンドペーパーなどで研磨してやれば、容易に向上させることができる。また、前記ダイヤモンド膜は、硬度がHvで8000〜10000であることが望ましい。8000以上とするのは耐摩耗性を向上させるのに必要なためであり、10000以下とするのは加工中に強い衝撃を受けることがあり、耐衝撃性を向上させるためである。
【0019】
前記基材は、熱膨張係数が6.0×10−6/℃以下の超硬合金、あるいは熱膨張係数が5.0×10−6/℃以下のセラミックスであることが望ましい。これは、ダイヤモンド膜と基材との熱膨張係数の差によるダイヤモンド膜の剥離を誘発させないために必要である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のIC・LSIパッケージの加工用工具の第1の実施の形態として、リードフレーム曲げ加工用のダイを図1、同パンチを図2に示す。図1のダイは、ダイ本体2にダイ基材3が取り付けられ、ダイ基材3の被加工物が接触する部位にダイヤモンド膜1が形成されている。ダイ本体2とダイ基材3は、熱膨張係数が6.0×10−6/℃以下の超硬合金からなり、両者はビス4により固定されている。ダイ基材3上に形成されたダイヤモンド膜1は結晶粒子が1μm以下のものからなり、表面粗さはRaで0.05μm以下となっている。図2のパンチは、パンチ本体5にパンチ基材6が取り付けられ、パンチ基材6の被加工物が接触する部位にダイヤモンド膜1が形成されている。パンチ本体5とパンチ基材6は、熱膨張係数が6.0×10−6/℃以下の超硬合金からなり、両者はビス4により固定されている。パンチ基材6上に形成されたダイヤモンド膜1は結晶粒子が1μm以下のものからなり、表面粗さはRaで0.05μm以下となっている。これらのダイ及びパンチはそれぞれの本体と基材が分割されビスで固定されたものを例示したが、本体と基材が一体になったものでも構わない。
【0021】
第2の実施の形態として、タイバーカット用のパンチを図3に示す。このパンチは、パンチ本体5の一端側が櫛刃状に形成されており、櫛刃状に形成された先端部にダイヤモンド膜1が形成されている。パンチ本体5は、熱膨張係数が6.0×10−6/℃以下の超硬合金からなり、ダイヤモンド膜1は結晶粒子が1μm以下のものからなっている。このダイヤモンド膜1の表面粗さはRaで0.05μm以下となっている。図3に示したパンチでは、櫛刃の部分がパンチ本体5と一体になったものを示したが、図4に示すように櫛刃の部分が独立したパンチ基材6からなり、このパンチ基材6をパンチ本体5に固定したものとしても構わない。
【0022】
第3の実施の形態として、リードカット用のパンチを図5に示す。このパンチは、平板状のパンチ本体5の一端もしくは両端に切れ刃が形成されており、この切れ刃付近にダイヤモンド膜1が形成されている。パンチ本体5は、熱膨張係数が6.0×10−6/℃以下の超硬合金からなり、ダイヤモンド膜1は結晶粒子が1μm以下のものからなっている。このダイヤモンド膜1の表面粗さはRaで0.05μm以下となっている。切れ刃となる部分は鋭利なコーナーとなっているが、切れ刃とならない側のコーナー部にはRが形成され、ダイヤモンド膜1がより剥がれにくいようになっている。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
本発明の第1の実施例として、図2に示す形状の曲げ加工用パンチを製作した。パンチ基材6として、熱膨張係数が5.0×10−6/℃のK10相当の超硬合金を使用したものを準備し、先端部の被加工物と接触する部位にダイヤモンド膜1を形成した。成膜条件は以下の通りである。
【0024】
成膜装置 熱フィラメントCVD装置
雰囲気 H−2%CH
圧力 50Torr
温度 基材温度800℃
成膜時間 3時間
【0025】
このダイヤモンド膜1は、ダイヤモンド粒子径0.5μm、膜厚3μmで、膜の表面粗さRaは0.03μmとなっていた。パンチ基材6に成膜した後、このパンチ基材6をSKD鋼製のパンチ本体5にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用パンチとした。
【0026】
このパンチをLSIリードの折り曲げ機構を備えた成形装置に組み込んで、Sn−2%Cuのハンダメッキが施された銅合金のリードの成形テストを行った。その結果、50万ショットを行った時点でハンダの堆積量は5μmであり、堆積量が少ない段階ではハンダが剥がれ落ちやすい現象が見られた。またこの時、ダイヤモンド膜1の摩耗はほとんど無く、加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に30μm以下であった。
【0027】
(実施例2)
実施例1と同様にして製作したパンチ基材6のダイヤモンド膜1表面を#2000のダイヤモンドペーパーを用いて軽く研磨を行い、膜の表面粗さRaを0.01μmとした。これをパンチ本体5に固定して実施例1と同様の成形加工を行った。その結果、100万ショットを行った時点でもハンダはほとんど付着していなかった。またこの時、ダイヤモンド膜1の摩耗はほとんど無く、加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に20μm以下であった。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同様のパンチ基材6を準備し、先端部の被加工物と接触する部位にダイヤモンド膜1を形成した。成膜条件は以下の通りである。
【0029】
成膜装置 熱フィラメントCVD装置
雰囲気 H−1%CH
圧力 100Torr
温度 基材温度850℃
成膜時間 30時間
【0030】
このダイヤモンド膜1は、成膜後はダイヤモンド粒子径6μm、膜厚20μmで、膜の表面粗さRaは2μmとなっていた。パンチ基材6に成膜した後、ダイヤモンド膜1表面を#5000の遊離砥粒で研磨して膜の表面粗さRaを0.01μmとした。この時に、ダイヤモンド膜1内部にピンホールが存在したため、ダイヤモンド膜1を10μm研磨してピンホールが膜表面にない状態にした。この後、パンチ基材6全体の寸法を調整するため、ダイヤモンド膜1を形成した面と反対側の面を約5μm研磨して所定の公差内に収めた。このパンチ基材6をSKD鋼製のパンチ本体5にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用パンチとした。
【0031】
このパンチを用いて実施例1と同様の成形加工を行った。その結果、100万ショットでハンダの堆積は無く、ダイヤモンド膜1の摩耗もほとんど無かった。また加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に20μm以下であった。本発明のパンチと比べて、性能面では遜色なかったが、工具の精度を向上させるのにピンホールが存在したため研磨量のばらつきが発生し、パンチ基材6の後加工が必要となったため、製造工程が増えて手間やコストが増大した。
【0032】
(比較例2)
実施例1と同様のパンチ基材6を準備し、ダイヤモンド膜1を形成しないままでSKD鋼製のパンチ本体5にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用パンチとした。パンチ基材6先端部の被加工物と接触する部位の表面粗さRaは0.02μmであった。
【0033】
このパンチを用いて実施例1と同様の成形加工を行った。その結果、3万ショットで約30μmの厚みのハンダが堆積し、クリーニングが必要になった。また、このハンダを除去する作業によりパンチ基材6が摩耗し、累積ショット数が100万ショットの時点でパンチの高さ方向の寸法が10μm減少し、使用することができなくなった。加工されたリードの精度は、使用初期にはコープラナリティー・スキュー共に30μm以下であったが、クリーニングを行うたびにパンチ基材6が摩耗して増大した。
【0034】
(実施例3)
次に、被加工物との摺動が激しい曲げ加工用ダイを用いて、比較試験を行った。本発明の第3の実施例として、図1に示す形状の曲げ加工用ダイを製作した。ダイ基材3として、熱膨張係数が3.0×10−6/℃の窒化珪素を使用したものを準備し、被加工物と接触する部位にダイヤモンド膜1を形成した。成膜条件は以下の通りである。
【0035】
成膜装置 熱フィラメントCVD装置
雰囲気 H−2%CH
圧力 50Torr
温度 基材温度800℃
成膜時間 1.5時間
【0036】
このダイヤモンド膜1は、ダイヤモンド粒子径0.3μm、膜厚1μmで、膜の表面粗さRaは0.02μmとなっていた。ダイ基材3に成膜した後、このダイ基材3をSKD鋼製のダイ本体2にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用ダイとした。
【0037】
このダイをLSIリードの折り曲げ機構を備えた成形装置に組み込んで、パラジウムのメッキが施された銅合金のリードの成形テストを行った。その結果、40万ショットを行った時点でもパラジウムの堆積量は3μm以下であった。またこの時のダイヤモンド膜1はほとんど摩耗しておらず、加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に30μm以下であった。
【0038】
(実施例4)
実施例3と同様にして製作したダイ基材3のダイヤモンド膜1表面を#2000のダイヤモンドペーパーを用いて軽く研磨を行い、膜の表面粗さRaを0.01μmとした。これをダイ本体2に固定して実施例1と同様の成形加工を行った。その結果、100万ショットを行った時点でもパラジウムはほとんど付着していなかった。またこの時のダイヤモンド膜1はほとんど摩耗しておらず、加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に20μm以下であった。
【0039】
(比較例3)
実施例3と同様のダイ基材3を準備し、被加工物と接触する部位にダイヤモンド膜1を形成した。成膜条件は以下の通りである。
【0040】
成膜装置 熱フィラメントCVD装置
雰囲気 H−1%CH
圧力 100Torr
温度 基材温度850℃
成膜時間 30時間
【0041】
このダイヤモンド膜1は、成膜後はダイヤモンド粒子径7μm、膜厚20μmで、膜の表面粗さRaは3μmとなっていた。ダイ基材3に成膜した後、ダイヤモンド膜1表面を#5000の遊離砥粒で研磨して膜の表面粗さRaを0.01μmとした。この時に、ダイヤモンド膜1内部にピンホールが存在したため、ダイヤモンド膜1を13μm研磨してピンホールが膜表面にない状態にした。この後、ダイ基材3全体の寸法を調整するため、ダイヤモンド膜1を形成した面と反対側の面を約3μm研磨して所定の公差内に収めた。このダイ基材3をSKD鋼製のダイ本体2にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用ダイとした。
【0042】
このダイを用いて実施例3と同様の成形加工を行った。その結果、100万ショットでパラジウムの堆積はほとんど無く、この時のダイヤモンド膜1の摩耗もほとんど無かった。また、加工されたリードの精度はコープラナリティー・スキュー共に20μm以下であった。本発明のダイと比べて、性能面では遜色なかったが、工具の精度を向上させるのにピンホールが存在したため研磨量のばらつきが発生し、ダイ基材3の後加工が必要となったため、製造工程が増えて手間やコストが増大した。
【0043】
(比較例4)
実施例3と同様のダイ基材3を準備し、ダイヤモンド膜1を形成しないままでSKD鋼製のダイ本体2にビス4により固定してリードフレーム曲げ加工用ダイとした。ダイ基材3先端部の被加工物と接触する部位の表面粗さRaは0.02μmであった。
【0044】
このダイを用いて実施例3と同様の成形加工を行った。その結果、10万ショットで約5μmの厚みのパラジウムが堆積し、クリーニングが必要になった。また、クリーニングを行いながら加工を続けた結果、40万ショット後のダイ基材3の被加工物と接触する部位の摩耗量は約7μmであり、加工されたリードの精度は成形開始直後はコープラナリティー・スキュー共に30μm以下であったが、40万ショット後は70μmを超える結果となり、使用できなくなった。本発明のダイと比べて、いずれの点でも大幅に劣る結果となった。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のIC・LSIパッケージ加工用工具は、被加工物が接触する部位に結晶粒径の小さいダイヤモンド膜が形成されているので、表面粗さが小さく膜表面を研磨しなくても高精度な加工を行うことができる。また、研磨を行う場合でもわずかに研磨するだけで十分であり、しかも膜内部のピンホールもほとんどないためダイヤモンド膜を厚くする必要がない。さらに、ダイヤモンド膜が薄くなることで成膜時間が短くなり基材の膨張量も大幅に小さくなるため、容易に高精度な工具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲げ加工用ダイを示した斜視図。
【図2】本発明の曲げ加工用パンチを示した斜視図。
【図3】本発明のタイバーカット用パンチを示す斜視図。
【図4】本発明のタイバーカット用パンチの別の例を示す斜視図。
【図5】本発明のリードカット用パンチを示す斜視図。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド膜
2 ダイ本体
3 ダイ基材
4 ビス
5 パンチ本体
6 パンチ基材

Claims (2)

  1. IC・LSIパッケージの加工用工具において、加工を行う際に少なくとも基材の被加工物が接触する部位に、結晶粒径が1μm以下でかつ膜厚が1μm以上5μm以下のダイヤモンド膜が形成されてなることを特徴とするIC・LSIパッケージ加工用工具。
  2. 前記ダイヤモンド膜は、硬度がHvで8000〜10000であることを特徴とする請求項1記載のIC・LSIパッケージ加工用工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1605150A2 (en) 2004-06-11 2005-12-14 Nippon Soken, Inc. Controller for internal combustion engine

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