JP2004173348A - 電動モータ制御装置 - Google Patents

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Kaoru Sato
薫 佐藤
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Abstract

【課題】過電流検出部が不具合を生じてもフェール・セーフを確保し得る電動モータ制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータ20に供給される駆動電力の電流値に応じた検出信号を取り出す過電流検出部24と、電動モータ20の作動を制御すべく該電動モータへの駆動電力の供給を制御する制御部23とを備える電動モータ制御装置10。制御部23は、電動モータ20を駆動すべく動作中、過電流検出部24自体の異常を検出したとき、電動モータ20への過電流による不具合を招かない低電力で電動モータ20を駆動させるべく動作する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータ制御装置に関し、特に、車両用空調装置の冷却ファン用駆動源として用いられる電動モータの制御に適した電動モータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置には、エンジンの冷却水を冷却するラジエータあるいは車内冷房用冷却媒体を凝縮するコンデンサでの熱交換の促進を目的として、これらに送風するための冷却ファンが設けられている。この冷却ファンの駆動源としては、電動モータが用いられており、エンジンにより作動されるオルタネータからの交流電源が整流回路により一定電圧の直流に変換された後、制御回路の制御下で電動モータに供給される。
【0003】
この制御回路は、車内冷房のために空調装置に取り入れられた車内あるいは車外からの取り入れ空気の温度、前記コンデンサからの冷却媒体の気化により冷却された冷風の温度、エンジン冷却水の温度、車速等の諸情報を基に、例えば電動モータに直列的に挿入されたMOSパワートランジスタのような電力制御素子を介して、適切な送風が行えるように電動モータへの給電を制御する。
【0004】
ところで、冷却ファンへの異物の挟み込み等により電動モータがロック状態に陥ると、電動モータに過電流が流れることがある。このような車両用電動モータへの過電流を防止するために、一般的には、制御回路に過電流検出回路が組み込まれている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
過電流検出回路が組み込まれた制御回路では、過電流検出回路からの検出信号が閾値を越えると、制御回路が電動モータへの給電を停止すべく動作する。これにより、過電流状態の解除に拘わらず、制御回路のリセットが行われるまでは電動モータの停止状態が保持されるので過電流検出回路が正常に動作している限り、電動モータへの過電流供給による電気部品等の損傷が確実に防止される。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−333063号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制御回路では、過電流検出回路自体が例えば断線等により正常に動作しなくなると、たとえ電動モータに過電流が流れても、これを検出して電動モータの回転を制限することはできない。過電流検出回路自体の故障時に過電流を検出できず、そのために過電流が供給され続けると、電線からの発煙等、各電気部品に損傷が生じる。
【0008】
特に、車両用空調装置では、その冷却ファン用電動モータに直列的に挿入されたMOSパワートランジスタのような電力制御素子を介してこの電動モータへの給電が制御されている場合、この電力制御素子が電動モータのロックにより一旦過熱による損傷を受けると、たとえこのロック状態が解除されても、正常に冷却ファンを作動させることができなくなる。その結果、オーバーヒートによるエンジンの作動停止等により、安全性が損なわれる事態を生じる虞がある。
【0009】
このような点から、たとえ過電流検出回路自体に故障等の不具合が生じても、安全性を損なうことのない、いわゆるフェール・セーフ(fail safe)を確保し得る電動モータ制御装置が望まれていた。
【0010】
従って、本発明の目的は、過電流検出部が不具合を生じたときにフェール・セーフを確保し得る電動モータ制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1に記載の発明は、上記の課題の解決を図るために、電動モータに供給される駆動電力の電流値に応じた検出信号を取り出す過電流検出部と、前記電動モータの作動を制御すべく該電動モータへの駆動電力の供給を制御する制御部とを備える電動モータ制御装置において、前記制御部は前記過電流検出部からの前記検出信号が所定のレベルを超えたとき前記電動モータへの駆動電力の供給を停止すべく動作し、また、前記過電流検出部自体の異常を検出したとき、前記電動モータへの過電流による不具合を招かない低電力で前記電動モータを駆動させるべく動作することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る前記電動モータ制御装置では、前記制御部が前記過電流検出部自体の異常を検出したとき、電動モータの作動が停止されることはなく、過電流による不具合を招かない低電力で電動モータは駆動され続ける。そのため、万一、過電流検出部に故障等の不具合が生じたときに電動モータに過電流が供給される事態が生じても、電動モータの作動が停止されることはないので、この電動モータの作動停止による種々の不具合が防止される。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部が前記電動モータの駆動状態を変化させるべく動作したにも拘わらず前記検出信号のレベルが変動しないときおよび前記検出信号のレベルが閾値以下となったとき、前記過電流検出部自体の異常を検出したと判定することを特徴とする。
【0014】
この判定により、比較的単純な構成によって、過電流検出部がその正常な動作によって過電流を検出する状況と、前記過電流検出部に故障等による不具合が生じた状況とを確実に判別することができ、これにより前記過電流検出部の不具合を確実に検出することができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部が前記電動モータへのパルス電流のデューティ比の変更を伴うパルス幅変調方式により前記電動モータの回転速度を制御し、前記過電流検出回路自体の異常が検出されたとき、デューティ比が0.2ないし0.3のパルス幅を有するパルス電流を前記電動モータに供給すべく動作することを特徴とする。
【0016】
このようなパルス幅変調方式では、一般的には、MOSパワートランジスタのような電力制御素子が電動モータに直列的に挿入され、この電力制御素子を介して前記電動モータへの給電が制御される。このパルス幅変調方式による給電制御により、電力の浪費を招くことなく電動モータの駆動を適正に制御することができ、しかも過電流検出回路自体の異常が検出されたとき、そのデューティ比を0.2ないし0.3に設定することにより、電力制御素子をも過電流による過熱から確実に保護することができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記電動モータが車両用エンジン冷却ファンのための駆動源であることを特徴とする。
【0018】
車両用エンジン冷却ファンの駆動源の制御に本発明を適用することにより、過電流検出部に不具合が生じたとき、エンジン冷却ファンが停止されることはなく、この冷却ファンの運転に応じた空冷効果を期待することができるので、過電流検出部に不具合が生じたときに電動モータに万一過電流が供給される事態が生じても、過電流による従来のようなエンジンのオーバーヒートが防止される。
【0019】
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部には、前記過電流検出部の異常を表示する警報装置が設けられており、前記制御部は前記過電流検出部の異常を検出したとき前記警報装置を作動させることを特徴とする。
【0020】
前記警報装置としては、例えば警告灯あるいはディスプレイ上に過電流検出部の不具合を表示させるような視覚に訴える手段を採用することができ、あるいは警告音を発するような聴覚に訴える手段を採用することができる。また、前記警報装置は、例えばエンジン冷却水の異常な上昇を検出したときこれを作動させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に沿って詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る電動モータ制御装置10を車両用空調制御装置11の冷却ファンの駆動源に適用した例を示す。
【0023】
車両用空調制御装置11では、従来よく知られているように、エンジン12を駆動源として作動されるコンプレッサ13により、冷却媒体が圧縮される。圧縮された冷却媒体は、コンデンサ14により液化が促進される。液化が促進された冷却媒体は、リキッドタンク15内で不純物を除去された後、膨張弁16からエバポレータ17内に噴射され、気化される。
【0024】
このエバポレータ17での冷却媒体の気化熱により、図示しないブロワファンを経て取り入れられる空気がエバポレータ17を通過するときに冷却される。この冷却された取り入れ空気は、温風との混合により適切な温度に調節された後、冷風として車両室内に供給される。
【0025】
エバポレータ17から排出された冷却媒体は、コンプレッサ13に戻され、再び圧縮される。このコンプレッサ13からコンデンサ14、リキッドタンク15および膨張弁16を経てエバポレータ17に至る循環サイクルにより、冷却サイクルが構成される。
【0026】
コンデンサ14の後方には、エンジン12の冷却水を冷却するためのラジエータ18が配置されており、さらにその後方には、エバポレータ17の冷却媒体およびラジエータ18の冷却水の冷却効果を高めるための送風用冷却ファン19を動作させる冷却ファン用電動モータ20が配置されている。
【0027】
電動モータ20は、図示しないイグニッションスイッチに連動する開閉スイッチ21を経て交流電力を発生するオルターネータ22に接続されている。開閉スイッチ21はエンジン12の始動と同時に閉接され、その閉接状態が保持される。オルターネータ22は、その内部に組み込まれた整流回路を経て電動モータ20に一定電圧の直流電圧を印加することから、電動モータ20のための電源として機能する。
【0028】
電動モータ制御装置10は、この電動モータ20の動作を制御すべく、該電動モータに関連して組み込まれている。
【0029】
電動モータ制御装置10は、電源22から電動モータ20へ供給される電力を制御するための例えばCPUを有する制御部23と、電動モータ20に供給される電流値に対応した検出信号を取り出すための過電流検出部24とを備える。
【0030】
図示の例では、制御部23は、該制御回路からの制御信号を受けるゲート駆動回路25および該ゲート駆動回路からゲートパルス信号を受ける電力制御素子である例えばMOSパワートランジスタのような電界効果型トランジスタTR1を介して、電源22から電動モータ20に流れる定電圧の電力の電流を制御する。このMOSパワートランジスタTR1は、そのドレインが電動モータ20に接続され、ソースが接地側となるように、電動モータ20に直列的に挿入されている。
【0031】
過電流検出部24は、MOSパワートランジスタTR1のソースと接地との間に直列的に挿入されたシャント抵抗R1と、該シャント抵抗R1での電圧降下分の電圧を平滑化する平滑回路26とを備える。平滑回路26は、従来よく知られた電気コンデンサC1および抵抗体R2からなる平滑回路である。シャント抵抗R1は、電源22から電動モータ20に流れる電流値に比例した電圧を電圧降下分として平滑回路26に出力し、該平滑回路はこの電圧値を平滑化した値を検出信号として制御部23に出力する。平滑回路26の両素子C1、R2の接続点には、サージ吸収用保護ダイオードD1のアノードが接続されている。ダイオードD1のカソードには、逆方向の電圧Vccが印加されており、ダイオードD1は、そのカソードに印加された電圧Vccよりも大きな値の電圧信号がアノードに印加されると、順方向電流の流れを許すことにより、制御部23に電圧Vccよりも大きな値の電圧を有する検出信号が入力することを防止する。
【0032】
制御部23は、例えば、エンジン12の動作を制御するためのエンジンコントロールユニット27、車速センサ28、エンジン12からラジエータ18を巡る冷却水温度を感知する冷却水温度センサ29、エバポレータ17を通過した冷却風の温度を検出するエバポレータ後温度センサ30、前記ブロアファンにより取り入れられた空気の温度を検出するエバポレータ前温度センサ31等からの情報に加えて、過電流検出部24からの検出信号に基づいて、電動モータ20の動作をPWM(パルス幅変調)制御方式により制御する。
【0033】
制御部23は、過電流検出部24から受ける前記検出信号の電圧値が所定の範囲の上限値以上となるか否かおよびこの所定の範囲の下限値を下回るか否かを判定するための比較回路23aを有し、過電流検出部24からの前記検出信号の電圧値が前記所定の範囲内である限り、エンジンコントロールユニット27および各センサ28、29、30および31等からの情報に基づいて、最も効果的かつ有効にコンデンサ14およびラジエータ18を流れる各媒体を空冷できるように、ゲート駆動回路25に制御信号を出力し、ゲート駆動回路25は制御部23からの前記制御信号に応じたデューティ比のパルス信号をMOSトランジスタTR1のゲートに出力する。このMOSトランジスタTR1は、そのゲートに印加されるゲートパルス信号に応じて電動モータ20に流れる電力を制御する。これにより、電動モータ20は、エンジン12の運転状況に応じて適正に冷却ファン19を回転させ、この冷却ファン19からの送風により、コンデンサ14内を流れる冷却媒体およびラジエータ18内を流れる冷却水が適正に冷却される。
【0034】
本発明に係る制御装置10の動作を図2のフローチャートに沿って説明する。
【0035】
制御部23は、該制御部自体がゲート駆動回路25に出力している前記指示制御信号が指示しているデューティ比の値を読み込む(ステップS1)。制御部23は、このゲート駆動回路25へのデューティ比が0.3以上であるか否かを判定する(ステップS2)。制御部23は、ステップS2での判定の結果、ゲート駆動回路25へのデューティ比が0.3を越えないとき、デューティ比を読み込むステップS1に戻り、このステップS1および引き続く判定ステップであるステップS2を反復することにより、ゲート駆動回路25へのデューティ比が0.3以上となるか否かの判定を繰り返す。
【0036】
ゲート駆動回路25への指示デューティ比が0.3以上になると、制御部23は、比較回路23aにより、過電流検出回路24からの電流検出結果である前記検出信号の電圧値が所定の下限値を超えているか否かを判定する(ステップS3)。
【0037】
ステップS3で過電流検出回路24からの前記検出信号が所定の下限値以下であると判定されると、制御部23は、ゲート駆動回路25への指示デューティ比を0.2または0.3のいずれか一方の値に設定すべく、そのデューティ比を指示する制御信号をゲート駆動回路25に出力する(ステップS4)。ステップS3で過電流検出回路24からの検出信号の電圧値が所定の下限値を超えていると判定されると、制御部23は、比較回路23aにより、過電流検出回路24からの電流検出結果である前記検出信号の電圧値が所定の上限値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0038】
ステップS5で過電流検出回路24からの前記検出信号が所定の上限値以上であると判定されると、制御部23は、ステップS6で、過電流検出回路24からの前記検出信号が電動モータ20のロック状態で得られるロック検出閾値を越えるか否かを判定する(ステップS6)。
【0039】
ステップS6で前記検出信号がロック検出閾値を越えていないと、制御部23は、電動モータ20がロック状態に陥っていないと判定するが、該電動モータへの電力の低減を図るべくゲート駆動回路25への指示デューティ比を低減する制御信号をゲート駆動回路25に出力する(ステップS4)。ステップS6で前記検出信号がロック検出閾値を越えていると、制御部23は、電動モータ20がロック状態に陥り、該電動モータにロック検出閾値を越える過電流が流れていると判定する。その結果、制御部23は、過電流検出部24で過電流が検出されたと判断し、電動モータ20への給電を停止すべく、ゲート駆動回路25への指示デューティ比を0に設定すべく、その制御信号をゲート駆動回路25に出力する(ステップS7)。
【0040】
また、ステップS5で過電流検出回路24からの前記検出信号が所定の上限値を超えていないと判定されると、制御部23は、電動モータ20が適正に運転されていると判断し、デューティ比を読み込むステップS1に戻り、このステップS1および引き続く判定ステップであるステップS2を反復することにより、ゲート駆動回路25へのデューティ比が0.3以上となるか否かの判定を繰り返す。
【0041】
従って、本発明に係る電動モータ制御装置10では、冷却ファン19の動作中、例えば異物が冷却ファン19に挟まり、そのために電動モータ20が停止して該電動モータに大きな負荷が作用すると、電動モータ20に流れる電流値が増大する。この電流の増大に伴い、制御部23に入力する前記検出信号の電圧値が前記所定の範囲の上限値を超えると、制御部23は過電流検出部24から過電流検出信号が入力したと判断する。
【0042】
制御部23は、過電流検出部24から過電流検出信号を受けると、電動モータ20の回転を停止すべくゲート駆動回路25に停止信号を出力する。ゲート駆動回路25が停止信号を受けると、ゲート駆動回路25は、停止信号に応じて、MOSトランジスタTR1へのゲートパルスのデューティ比を零にする。これにより、MOSトランジスタTR1へのゲート入力は、零になることから、MOSトランジスタTR1は電動モータ20への通電を阻止すべく動作し、該電動モータへの過電流の供給が防止される。その結果、電動モータ20への過電流の供給に起因してMOSトランジスタTr1のソース・ドレイン間電流の増大による該MOSトランジスタの熱破壊、電動モータ20の磁界コイルの破壊等、過電流の供給に起因する各電気部品の損傷が防止される。
【0043】
また、制御部23は、電動モータ制御装置10の動作中、例えば過電流検出部24の回路素子である抵抗体R1の断線等により、制御部23に入力する前記検出信号の電圧値が前記所定の範囲の下限値を下回ると、制御部23は過電流検出部24から異常検出信号が入力したと判断する。
【0044】
さらに、制御部23は、電動モータ20の回転数の変更、電動モータ20の停止から回転の始動または回転から停止への変更等、電動モータ20の駆動状態を変化させるべくゲート駆動回路25に供給される制御信号を変更したにも拘わらず、過電流検出部24からの検出信号に変化が見られないとき、制御部23は過電流検出部24から異常検出信号が入力したと判断する。
【0045】
制御部23は、これらの異常検出信号を過電流検出部24から受けると、この異常検出信号を受けている間、過電流による損傷を招かない例えば0.2〜0.3のデューティ比で電動モータ20を低速運転すべくゲート駆動回路25に制御信号を出力する。
【0046】
この電動モータ20への電力制御により、この異常検出信号の検出中にたとえ電動モータ20が一時的なロック状態に陥ったとしても、MOSトランジスタTR1等の電気部品への過電流による損傷が防止される。その結果、ロック状態が解除され次第、MOSトランジスタTR1等は正常に機能することから、電動モータ制御装置10は正常動作に復帰し、これにより、車両用空調制御装置11の正常な動作が確保される。
【0047】
また、異常検出信号の検出中に電動モータ20に過電流が流れなくとも、電動モータ20の低速運転に対応した送風が確保されることから、この送風停止によるエンジン12の過熱による停止のようなトラブルの発生が防止される。
【0048】
前記制御部23に関連して、前記過電流検出部の異常を表示する警報装置32を車両の計器板パネル等に設けることができる。警報装置32としては、例えば警告灯あるいはディスプレイ上に過電流検出部の不具合を表示させるような視覚に訴える表示手段32aを採用することができ、また警告音を発するような聴覚に訴える発音手段32bを採用することができる。
【0049】
前記警報装置32は、制御部23が過電流検出部24の異常を検出したとき前記警報装置を作動させることにより、運転者に過電流検出部24の異常を通知する。また、警報装置32は、例えばエンジン冷却水の異常な上昇を検出したときこれを作動させることができる。
【0050】
また、過電流検出部24をシャント抵抗R1および平滑回路26で構成した例を示したが、シャント抵抗R1に代えて、電力制御素子TR1のソース・ドレイン間抵抗を利用し、このソース・ドレイン間の電圧降下分を平滑回路26を経て制御部23に過電流検出信号として供給することができる。
【0051】
本発明に係る電動モータ制御装置10によれば、前記したように、過電流検出部24の正常動作時の機能を損なうことなく、たとえ過電流検出部24自体に故障等の不具合が生じても、電動モータ20が動作停止に陥ることはなく、この電動モータ20の作動停止に伴うオーバーヒートによるエンジン12の作動停止、電動モータ20への電力供給を制御する電力制御素子(TR1)等の電気部品の損傷を防止することができる。
【0052】
実施の形態では、本発明を車両用空調制御装置11の電動モータ制御装置10に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、種々の電動モータの制御に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1に記載の発明によれば、電動モータ制御装置にフェール・セーフを導入することができ、万一、過電流検出部に故障等の不具合が生じたときに電動モータに過電流が供給される事態が生じても、電動モータの作動が停止されることはないので、この電動モータの作動停止による種々の不具合を防止することができる。
【0054】
本発明に係る請求項2に記載の発明によれば、過電流検出部がその正常な動作によって過電流を検出する状況と、前記過電流検出部に故障等による不具合が生じた状況とを確実に判別することができるので、比較的単純な構成によって、前記過電流検出部の不具合を確実に検出することができる。
【0055】
本発明に係る請求項3に記載の発明によれば、パルス幅変調方式による給電制御により、電力の浪費を招くことなく電動モータの駆動を適正に制御することができ、しかも過電流検出回路自体の異常が検出されたとき、そのデューティ比を0.2ないし0.3に設定することにより、電動モータへの給電を制御すべくこれに直列的に挿入される電力制御素子をも過電流による過熱から確実に保護することができる。
【0056】
本発明に係る請求項4に記載の発明によれば、車両用エンジン冷却ファンの電動モータへの過電流を検出する過電流検出部に不具合が生じた状況下で冷却ファン用電動モータに過電流が供給される事態が生じても、過電流による従来のようなエンジンのオーバーヒートを防止することができる。
【0057】
本発明に係る請求項5に記載の発明によれば、制御部が過電流検出部の異常を検出したとき、警報装置の作動によって過電流検出部に不具合が生じたことが表示されるので、過電流検出部の異常を確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動モータ制御装置が適用された車両用空調制御装置を模式的に示す概略図である。
【図2】本発明に係る電動モータ制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 電動モータ制御装置
11 車両用空調制御装置
12 エンジン
14 コンデンサ
18 ラジエータ
19 冷却ファン
20 電動モータ
22 オルターネータ(電源)
23 制御部
24 過電流検出部
25 ゲート駆動回路
26 平滑回路
32 警報装置
32a 表示手段
32b 発音手段

Claims (5)

  1. 電動モータに供給される駆動電力の電流値に応じた検出信号を取り出す過電流検出部と、前記電動モータの作動を制御すべく該電動モータへの駆動電力の供給を制御する制御部とを備える電動モータ制御装置であって、前記制御部は、前記過電流検出部からの前記検出信号が所定のレベルを超えたとき前記電動モータへの駆動電力の供給を停止すべく動作し、また、前記過電流検出部自体の異常を検出したとき、前記電動モータへの過電流による不具合を招かない低電力で前記電動モータを駆動させるべく動作することを特徴とする電動モータ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記電動モータの駆動状態を変化させるべく動作したにも拘わらず前記検出信号のレベルが変動しないときおよび前記検出信号のレベルが閾値以下となったとき、前記過電流検出部自体の異常を検出したと判定する請求項1記載の電動モータ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記電動モータへのパルス電流のデューティ比の変更を伴うパルス幅変調方式により前記電動モータの回転速度を制御し、前記過電流検出回路自体の異常が検出されたとき、デューティ比が0.2ないし0.3のパルス幅を有するパルス電流を前記電動モータに供給すべく動作することを特徴とする請求項1記載の電動モータ制御装置。
  4. 前記電動モータは、車両用エンジン冷却ファンのための駆動源である請求項1記載の電動モータ制御装置。
  5. 前記制御部には、前記過電流検出部の異常を表示する警報装置が設けられており、前記制御部は前記過電流検出部の異常を検出したとき前記警報装置を作動させる請求項1記載の電動モータ制御装置。
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