JP2004172554A - 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法並びにこの窓材を有するディスプレイ用フィルタ - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法並びにこの窓材を有するディスプレイ用フィルタ Download PDF

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裕二 鈴木
Shinji Saito
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Abstract

【課題】線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層が設けられた電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に、導電性微粒子が分散した又はパラジウム系メッキ触媒を含む光硬化性樹脂層を形成し、任意のメッシュパターンを有するフォトマスクを介して該樹脂層に光照射し、次いで現像することによりメッシュパターン状の導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法及びこの方法により得られる、線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層が設けられた電磁波シールド性光透過窓材。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、電磁波により精密機器の誤作動等を起こす場合もあり、電磁波が問題視されている。
【0003】
従来から、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
【0004】
このような電磁波シールド性光透過窓材としては、▲1▼金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、▲2▼金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュを設けた透明フィルム、▲3▼透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、▲4▼透明フィルム又はガラス上にメッキ活性種を任意の形状で形成し、その上にメッキ加工したもの、等が使用されている。
【0005】
▲1▼の透明導電薄膜は、例えば高屈折率透明薄膜と銀薄膜をスパッタリングにより交互積層したものであり、▲2▼の導電メッシュは、例えば有機繊維の網に銅メッキを施したものであり、そして▲3▼の網状の銅箔は、例えば銅箔をPET(ポリエチレンテレフタレート)に貼り付け、銅箔にレジスト材料を塗布し、特定形状のフォトマスクを介してレジストに露光、現像し、露出した銅箔をエッチングすることにより得られるものである(特許文献1、段落番号0018参照)。
【0006】
また、▲4▼のメッキ活性種は、例えば、(1)銅薄膜形成後、リソグラフィー法で薄膜をメッシュ加工することにより、又は(2)導電性粒子含有塗料(インキ)をメッシュ状に印刷することにより得られる(特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、▲1▼の透明導電薄膜は導電性が十分得られない。また▲3▼ではエッチング加工において設備が必要であり、また工程が煩雑でコスト高となる。
【0008】
▲4▼の(1)ではメッシュ加工が煩雑で高コストとなる。また、リソグラフィー法は、通常スクリーン印刷による方法であり、スクリーン目がつぶれやすく、線幅は30μmが限界で、この程度の線形ではディスプレイの画素に対してモアレが発生する場合がある。
【0009】
また▲4▼の(2)、(3)では、凹版印刷によるため細線化が困難である。
【0010】
しかしながら、▲4▼の(2)、(3)の方法は、細線化が実現できれば工業的に有利な方法である。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−337702号公報、段落番号0018
【特許文献2】
特開平11−340681号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、印刷法等のような工業的に簡便な方法で且つ細線化が可能なメッシュパターン(網目状)の導電層を形成する方法を求めて検討を重ね、本発明に到達したものである。
【0013】
従って、本発明は、線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層を簡易に設けることができる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層を有し、製造が容易な電磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とする。
【0015】
さらに本発明は線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層有し、製造が容易な電磁波シールド性のディスプレイ用フィルタを提供することを目的とする。
【0016】
【発明を解決するための手段】
本発明は、透明基板上に、導電性微粒子が分散した光硬化性樹脂層を形成し、任意のメッシュパターンを有するフォトマスクを介して該樹脂層に光照射し、次いで現像することによりメッシュパターン状の導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法;及び
透明基板上に、パラジウム系触媒(一般にメッキ用のもの)を含む光硬化性樹脂層を形成し、任意のメッシュパターンを有するフォトマスクを介して該樹脂層に光照射し、次いで現像することによりメッシュパターン状の導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にある。
【0017】
上記製造方法において、高い導電性を求める場合は、前記電導層上に、さらに金属メッキを施すことが好ましい。前記金属メッキが、一般に電解メッキまたは無電解メッキであり、特に無電解メッキであることが、生産性の点で好ましい。
【0018】
導電性微粒子が、一般に金属、合金、金属酸化物又は半金属酸化物の微粒子であり、特に銀、銅又はアルミニウム、特に銅の微粒子であるが好ましい。
【0019】
導電層又は金属メッキ層のメッシュパターンの平均線幅が、20μm以下である好ましい。メッシュパターンは一般に格子状である。
【0020】
本発明は、また上記製造方法により得られる電磁波シールド性光透過窓材;及び上記製造方法により得られる電磁波シールド性光透過窓材が透明基体に貼り合わされてなるディスプレイ用フィルタにもある。ディスプレイとしてはPDPが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
【0022】
上記本発明の製造方法の一例の概略図を図1に示す。透明基板1上に、導電性微粒子分散光硬化性樹脂層2を塗布等により形成する。光硬化性樹脂層2上に、任意のメッシュパターンを有するフォトマスク3を配置し、この上から紫外線(UV)照射する。次いで現像することにより非露光部の光硬化性樹脂層2を除去し、メッシュパターン状の導電層2aを形成する。導電性を高めるため、導電層2a上に、さらに金属メッキを施し、金属メッキ層4を形成することが好ましい。
【0023】
上記の製造方法により、線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンの導電層又は金属メッキ層を有する電磁波シールド性光透過窓材を容易に得ることができる。
【0024】
透明基板としては、透明性(特に、可視光に対して)を有する基板であれば良く、その材料の例として、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましい。
【0025】
この透明基板の厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異なるが、通常の場合1μm〜5mmの範囲、特に10μm〜1mmの範囲にあることが好ましい。
【0026】
電磁波シールド性光透過窓材を透明基体に貼り合わせることにより得られるディスプレイ用フィルタの透明基体も、上記透明基板と同じ材料を使用することができ、さらにガラスを使用することができる。透明基体としては、特にガラスが好ましい。その厚さは、通常の場合50μm〜10mmの範囲、特に500μm〜5mmの範囲にあることが好ましい。
【0027】
透明基板上には、上記のように導電性微粒子が分散した光硬化性樹脂層またはパラジウム系メッキ触媒を含む光硬化性樹脂層が形成される。このような樹脂層は、例えば、導電性微粒子が分散した光硬化性樹脂分散液又はパラジウム系触媒が分散又は溶解した光硬化性樹脂分散液を、透明基板上に塗布し、乾燥することにより得られる。或いは導電性微粒子又はパラジウム系触媒を含む光硬化性樹脂を溶融してシート状に透明基板上に成形することにより、或いは、シート状に成形後、透明基板上に貼り付けることにより、得ることができる。或いは、その他のどのような方法で樹脂層を設けても良い。
【0028】
上記導電性微粒子又はパラジウム系触媒含有光硬化性樹脂分散液は、通常光硬化性樹脂及び界面活性剤等の添加剤、必要によりバインダと、有機溶剤との混合液(一般に溶液)に、導電性微粒子又はパラジウム系触媒を分散させたものである。
【0029】
導電性微粒子としては、金属、合金、金属酸化物又は半金属酸化物の微粒子を挙げることができ、具体的には、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属又はこれらの合金、或いはITO等の金属酸化物又は半金属酸化物(導電性酸化物)が好ましい。その平均粒径は0.0005〜15μmの範囲、特に0.01〜0.5μmの範囲が、小さい線幅を得るために好ましい。また導電性微粒子は、光硬化性樹脂に対して一般に100〜600質量%、特に300〜500質量%の範囲が好ましい。
【0030】
パラジウム系触媒は、通常、有機化合物の水素化反応の触媒、さらには酸化的な合成の触媒として知られている。その例としては、パラジウム黒、パラジウムコロイド、酸化パラジウム(Adams型)、水酸化パラジウム、担体付きパラジウム(Pd−C、Pd−Al、Pd−珪藻土、絹パラジウム、Pd−BaSO、Pd−CaCO)等を挙げることができる。本発明では、一般にメッキ用に使用されるものを使用し、特に、酸化パラジウムが好ましい。この平均粒径は0.0005〜15μmの範囲、特に0.01〜0.5μmの範囲が、小さい線幅を得るために好ましい。また導電性微粒子は、光硬化性樹脂に対して一般100〜600質量%、特に300〜500質量%の範囲が好ましい。
【0031】
光硬化性樹脂としては、従来の感光性レジストを使用することができる。感光性レジストとしては、ネガ型が使用され、露光部が硬化し、非露光部は硬化しないので、非露光部は溶剤等の現像液で除去される。このような感光性レジストは、一般に、ポリ桂皮酸ビニル(溶剤現像)、環化イソプレンとビスアジド(溶剤現像)、ポリシンナミリデンアセテート(溶剤現像)、ジアリルフタレートのポリマー(溶剤現像)、環化ポリブタジエン系(溶剤現像)、アクリル系(例、アクリロイル基を有するモノマー、オリゴマー)等がある。アクリル系は、バインダ(例、ポリ(MMA−HEMA)、ABS樹脂、トリアセチルセルロース、ポリアセタール)と、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性二重結合を有する単官能或いは多官能性モノマー、オリゴマー、ポリマー(例、アクリル化共重合体)に、光重合開始剤が添加された組成物が使用される。或いは、エチレン性二重結合等の光反応性基を有する水溶性又はアルカリ可溶性ポリマーに、上記モノマー等を加えて、光照射により不溶性にすることができる組成物も挙げることができる。
【0032】
光硬化性樹脂は、塗布で形成する場合は、一般に有機溶剤に溶解して使用し、透明基板上に貼り付ける場合はシート状のものを使用する。
【0033】
光硬化性樹脂層の厚さは0.1〜20μm、特に0.5〜5μmとすることが好ましい。0.1μmより薄いと硬化性が劣り、20μmより厚いと細線が得られ難い。
【0034】
本発明の光硬化性樹脂層を硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。
【0035】
光硬化の際、使用されるフォトマスクは、メッシュパターンの開口部に当たる位置に光を透過させないような形状のものが使用される。通常、そのようなパターンが形成されたシートが使用される。
【0036】
上記本発明の製造方法により得られる、本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、例えば図2に示す様な正面図を有する。透明基板1上に格子状の導電層5が形成されている。
【0037】
上記メッシュパターン(格子状を含む)の導電層の線幅は、一般に20μm以下、好ましくは5〜15μmで、特に5〜12μmを有する。線のピッチは200μm以下が好ましい。また、開口率は75〜95%であることが好ましく、特に80〜95%である。なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
【0038】
導電層の線で囲まれた開口部の形状は、円、楕円、角形など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。また線は網状であるが、格子状とすることが好ましい。
【0039】
上記メッシュ(導電層)は、一般に高温で焼成しても良い。
【0040】
さらに低い抵抗値にして、電磁波シールド効果を高めたい場合には、導電層上にメッキ層を形成することが好ましい。この場合、導電層の厚さを、低い値に抑えることができる。
【0041】
メッキ処理に使用される材料としては、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀及び金を挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種以上の合金として使用しても良い。メッキ処理としては、通常の液相メッキ(電解メッキ、無電解メッキ等)により一般に行われる。
【0042】
メッキ層の厚さは、一般に0.1〜10μmの範囲、2〜5μmが好ましい。厚さが1μm未満では、電磁波シールド効果付与が充分でなく、10μmを超えるとメッキ層が幅方向に広がりやすくなり、線幅が太くなる傾向になる。
【0043】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法においては、所望により防眩層等、他の層を設けるための工程をさらに行っても良い。防眩層は、たとえば黒化処理、即ち金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系インキの塗布、により形成することができる。
【0044】
上記本発明の製造方法により得られる、本発明の金属メッキ層付き電磁波シールド性光透過窓材は、例えば図2と同様な正面図を有する。透明基板1上に格子状の導電層2a、その上に金属メッキ層が形成されている。金属メッキ層の線幅は、導電層と同様に、一般に20μm以下、好ましくは5〜15μmで、特に5〜12μmを有する。線のピッチは200μm以下が好ましい。また、開口率は75〜95%であることが好ましく、特に80〜95%である。
【0045】
本発明の製造方法を用いて導電層を形成することにより、工程が短縮化され、フォトリソグラフィで作製されているため、線幅を極めて小さくすることが可能である。線幅を小さくすることにより、ディスプレイの画素に対してモアレの発生を抑えることができ、透明性を向上させる開口率も大きくすることができる。また上記線幅の小さい電磁波シールド性光透過窓材は今まで得られなかったものであり、新規な窓材と言うことができる。
【0046】
本発明の窓材の導電層上又はメッキ層がある場合はその上の表面抵抗率は、3Ω/□以下が好ましく、特に1Ω/□以下が好ましい。表面抵抗率が3Ω/□を超えると導電性が不充分で電磁シールド効果が満足でるものではない。
【0047】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、前述のように電磁波シールド性に優れ、モアレの発生がほとんどなく、また開口率も高いことから透明性にも優れている。このため、本発明の窓材が、プラズマディスプレー(PDP)の前面フィルタとして好適であり、また病院等の電磁波シールド性を必要とされる建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有利に使用することができる。
【0048】
本発明のPDP等のディスプレー用フィルタは、上記電磁波シールド性光透過窓材を、ガラス板等の透明基体に貼り合わせることにより得ることができる。
【0049】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
導電性微粒子分散光硬化性樹脂層を形成するための、下記の光硬化性導電性微粒子分散液を、下記の材料を混合後、分散させ、次いで濃度調製することにより調製した。
【0050】
(導電性微粒子分散液の配合)
銅微粒子(平均粒径0.05μm)40質量部を紫外線硬化性樹脂(バインダにABS樹脂を用いたアクリレート系の紫外線硬化性樹脂の固形分20質量%メチルエチルケトン溶液;三菱レーヨン製3001M)60質量部に分散させたもの。
【0051】
透明基板としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)の上に、上記の配合の光硬化性導電性微粒子分散液をバーコータを用いて塗布し、乾燥後厚さ1μmの樹脂層を形成した。この樹脂層の上に、格子状のネガパターンが形成されたフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射した。露光後、樹脂層を現像し、格子状パターンの導電層を得た(線幅:20μm、格子の一辺:250μm、開口率:80%、厚さ:約2μm)。
【0052】
この導電層上に、無電解メッキにより、厚さ2μmの銅のメッキ層を形成した。
【0053】
得られたメッキ層のメッシュパターンの線幅が20μm、格子の一辺:250μm、開口率:80%、であった。
【0054】
こうして本発明の電磁波シールド性光透過性窓材を得た。
【0055】
これを、PETフィルム側をガラス板(厚さ:2mm)に圧着し、メッキ層上に透明接着剤により反射防止フィルム(リアルック、日本油脂(株)製)を貼り合わせ、プラズマディスプレイ用電磁波シールド性フィルタを得た。
【0056】
[実施例2]
実施例1において、銅微粒子の代わりにパラジウム触媒を用いて光硬化性導電性微粒子分散液を調製した以外、同様にして電磁波シールド性光透過性窓材及びプラズマディスプレイ用電磁波シールド性フィルタを得た。
【0057】
実施例1と同様の特性(格子状パターンの導電層の線幅、開口率)を得た。
【0058】
上記開口率(%)は以下のように測定した:
日立分光光度計(U−4000;(株)日立製作所製)を用いて波長550nmの光線透過率を測定し、空気界面での反射ロスをキャンセルして開口率とした。
【0059】
【発明の効果】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により、線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンを有する導電層を簡易に設けることができる。導電性材料を含む光硬化性樹脂層を用いることにより単一工程で、精度の高いメッシュパターンの導電層を形成することができる。そして、さらに導電性を高める際は単にこの導電層を上にメッキを施すことにより、導電層と同様に線幅の小さい、開口率の大きいメッシュパターンのメッキ層を形成することができ、極めて容易に高導電性で、線幅の小さい導電線を設けることができる。またこの製造方法により得られる電磁波シールド性光透過窓材、これを用いたを電磁波シールド性のディスプレイ用フィルタも同様の優位性を有する新規なものである。
【0060】
従って、本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、電磁波シールド性に優れ、モアレの発生がほとんどなく、また開口率も高いことから透明性にも優れている。このため、本発明の窓材は、プラズマディスプレーパネル(PDP)の前面フィルタとして好適であり、また病院等の電磁波シールド性を必要とされる建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有利に使用することができる。また本発明の製造方法は上記のような優れた性能の窓材を簡易に、高い生産性で製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電層の形成方法の一例を説明するための概略図である。
【図2】本発明の電磁波シールド性光透過窓材の一例の平面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 導電性微粒子分散光硬化性樹脂層
2a 導電層
3 フォトマスク
4 金属メッキ層

Claims (12)

  1. 透明基板上に、導電性微粒子が分散した光硬化性樹脂層を形成し、任意のメッシュパターンを有するフォトマスクを介して該樹脂層に光照射し、次いで現像することによりメッシュパターン状の導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  2. 透明基板上に、パラジウム系触媒を含む光硬化性樹脂層を形成し、任意のメッシュパターンを有するフォトマスクを介して該樹脂層に光照射し、次いで現像することによりメッシュパターン状の導電層を形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  3. 前記電導層上に、さらに金属メッキを施す請求項1又は2に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  4. 前記金属メッキが、電解メッキまたは無電解メッキである請求項3に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  5. 前記金属メッキが、無電解メッキである請求項3又は4に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  6. 導電性微粒子が、金属、合金、金属酸化物又は半金属酸化物の微粒子である請求項1及び請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 導電性微粒子が、銀、銅又はアルミニウムの微粒子である請求項1及び請求項3〜6のいずれかにのいずれかに記載の製造方法。
  8. 金属メッキに使用する金属が、銅である請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 導電層又は金属メッキ層のメッシュパターンの平均線幅が、20μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. メッシュパターンが格子状である請求項1〜9のいずれかの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかの製造方法により得られる電磁波シールド性光透過窓材。
  12. 請求項1〜10のいずれかの製造方法により得られる電磁波シールド性光透過窓材が透明基体に貼り合わされてなるディスプレイ用フィルタ。
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