JP2004172527A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも、コンデンサチップ体9′から陽極棒9″を突出して成るコンデンサ素子9と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子5aと、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体10aとから成る固体電解コンデンサにおいて、前記陽極棒を陽極側リード端子に対して導電性ペースト又はクリーム半田にて確実且つ強固に接合する。
【解決手段】陽極側リード端子5aのうち前記コンデンサ素子9に隣接する部分を段差部5aに屈曲して、この段差部5aに、前記陽極棒9″を導電性ペースト7a又はクリーム半田にて接合する。
【選択図】 図1
【解決手段】陽極側リード端子5aのうち前記コンデンサ素子9に隣接する部分を段差部5aに屈曲して、この段差部5aに、前記陽極棒9″を導電性ペースト7a又はクリーム半田にて接合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁作用金属を使用した固体電解コンデンサのうち、そのコンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にパッケージして成る固体電解コンデンサと、その製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の固体電解コンデンサは、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に記載されているように、コンデンサ素子における弁作用金属製のコンデンサチップ体の一端面から突出する陽極棒の先端を、金属板製の陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合する一方、前記コンデンサチップ体の外周面に形成した陰極膜を、金属板製の陰極側リード端子に対して直接に接続するか、或いは安全フューズ線を介して接続し、これらのコンデンサ素子の全体を、熱硬化性合成樹脂製のモールド体にて、当該モールド体の側面から前記両リード端子が突出するようにパッケージするという構成にしている。
【0003】
また、従来、前記構成の固体電解コンデンサを製造するには、各特許文献に記載されているように、金属板から打ち抜いたリードフレームに、前記陽極側リード端子と、陰極側リード端子とを相対向するようにして設け、次いで、前記リードフレームにおける両リード端子の間に、前記コンデンサ素子を、その陽極棒の先端が陽極側リード端子の表面に接触するように供給して、その陽極棒の先端と陽極側リード端子とを溶接用電極体に挟み付けて通電することにより、前記陽極棒の先端を陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合(固着)し、次で、前記コンデンサ素子における外周面の陰極膜と陰極側リード端子とを直接に又は安全ヒューズを介して電気的に接続し、次いで、前記コンデンサ素子の部分を熱硬化性合成樹脂製のモールド体にて前記両リード端子が突出するようにパッケージしたのち、前記両リード端子を切断することにより、リードフレームから切り離すという方法を採用している。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−20801号公報
【特許文献2】
特開平6−244233号公報
【特許文献3】
特開平8−279440号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来における固体電解コンデンサにおいては、そのコンデンサ素子における陽極棒の先端を、陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合(固着)するという構成であり、この電気溶接による接合(固着)は、電気的な接続を確実にできるという利点を有するが、その反面に、以下に述べるような問題があった。
【0006】
すなわち、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体に、当該コンデンサチップ体から突出する陽極棒の先端を陽極側リード端子に対して電気溶接するときにおける熱負荷及び衝撃が及ぶことになるから、製造中に前記コンデンサチップ体及び陽極棒の付け根に絶縁破壊等の不良が発生して不良品の発生率が高くなったり、或いは、前記熱負荷及び衝撃が、コンデンサとしての使用中に発生する絶縁破壊等の不良の原因になるという問題があった。
【0007】
さりとて、前記コンデンサ素子における陽極棒の先端を、陽極側リード端子の上面に対して、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合(固着)するという方法を採用することは、前記導電性ペーストを前記陽極側リード端子の上面においてキュアするときにリード端子の長手方向に広がり、また、前記クリーム半田も、これを前記陽極側リード端子の上面において溶融したときリード端子の長手方向に広がって、これら導電性ペースト又はクリーム半田におけるリード端子の表面からの盛り上げ高さが低くなることにより、この導電性ペースト又はクリーム半田による前記陽極棒に対する電気的接合の確実性及び接合強度が、前記電気溶接による接合の場合よりも遥かに低くなるから、製造中に及びコンデンサとしての使用中において、陽極棒が陽極側リード端子から離れるおそれが大きいのであった。
【0008】
ところで、コンデンサ素子における陽極棒を、陽極側リード端子に対して接合するに際して、コンデンサ素子が陽極側リード端子の横幅方向にずれる場合には、このコンデンサ素子をパッケージするモールド体における横幅寸法に、前記横幅方向へのずれを見込む必要があるから、コンデンサ素子における横幅寸法が予め決まっているときには、モールド体における横幅寸法を前記横幅方向へのずれの分だけ大きくしなければならず、固体電解コンデンサの大型化及び重量のアップを招来するのであり、また、モールド体における横幅寸法が予め決まっているときには、コンデンサ素子における横幅寸法を前記横幅方向へのずれの分だけ小さくしなければならず、コンデンサ容量が小さくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、コンデンサ素子における陽極棒を陽極側リード端子に対して、導電性ペースト又はクリーム半田にて確実、且つ、強固に接合できるようにした固体電解コンデンサと、その製造方法とを提供することを技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の固体電解コンデンサは、第1に請求項1に記載したように、
「少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成るパッケージ型固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が段差部に屈曲され、この段差部に、前記陽極棒が導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されている。」
ことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の固体電解コンデンサは、第2に請求項3に記載したように、
「少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が立起片に屈曲され、前記陽極棒がこの立起片に設けた溝に嵌まった状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されている。」
ことを特徴としている。
【0012】
次に、本発明の製造方法は、第1に請求項4に記載したように、
「少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子に、一段低くするように屈曲した段差部を設ける工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記段差部の上面に対して導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成る。」
ことを特徴としている。
【0013】
また、本発明の製造方法は、第2に請求項5に記載したように、
「少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子の先端を溝を備えた立起片に屈曲する工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記立起片に対して前記溝に嵌めた状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成る。」
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の作用・効果】
請求項1又は4に記載したように、陽極側リード端子のうちコンデンサ素子に隣接する部分を段差部に屈曲して、この段差部に前記陽極棒を、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合することにより、この導電性ペースト又はクリーム半田がリード端子の長手方向に広がることを前記段差部にて阻止できて、ひいては、前記導電性ペースト又はクリーム半田における盛り上がり高さを、前記段差部の分だけ高くすることができるから、導電性ペースト又はクリーム半田を使用した場合における接合の確実性と接合強度とを大幅にアップすることができる。
【0015】
また、請求項2又は5に記載したように、陽極側リード端子のうちコンデンサ素子に隣接する部分を溝を備えた立起片に屈曲し、この立起片に前記陽極棒を、当該陽極棒を前記溝に嵌めた状態で、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合することにより、前記導電性ペースト又はクリーム半田における盛り上がり高さを立起片で高くできることに加えて、陽極棒を前記立起片に設けた溝に嵌めることでこの陽極棒をリード端子に対して機械的に支持できるから、導電性ペースト又はクリーム半田を使用した場合における接合の確実性と接合強度とを大幅にアップすることができる。
【0016】
従って、本発明によると、コンデンサ素子における陽極棒を陽極側リード端子に対して、従来のように電気溶接によることなく、導電性ペースト又はクリーム半田にて確実且つ強固に接合することができるから、コンデンサとしての使用中に絶縁破壊等の不良が発生することを大幅に低減でき、また、製造に際しての不良品の発生率を大幅に低減できる。
【0017】
しかも、前記請求項3又は5の記載に記載したように、陽極側リード端子に設けた立起片の溝に陽極棒を嵌めることにより、コンデンサ素子を、リード端子における横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができるから、前記コンデンサ素子における横幅寸法が予め決まっている場合には、このコンデンサ素子の部分をパッケージするモールド体における横幅寸法を横幅方向に正しく位置決めできる分だけ狭くして小型・軽量化を図ることができ、また、前記モールド体における横幅寸法が予め決まっているときには、前記コンデンサ素子における横幅寸法を大きくしてコンデンサ容量のアップを図ることができる。
【0018】
また、請求項2に記載した構成することにより、導電性ペースト又はクリーム半田の盛り上がり高さを更に高くできるとともに、横幅方向に対する位置決めができるから、前記した効果を更に助長できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0020】
図1は、第1の実施の形態による固体電解コンデンサ1aを示す。
【0021】
この第1の実施の形態による固体電解コンデンサ1aは、以下に述べる方法によって製造される。
【0022】
すなわち、
▲1▼.図2に示すように、金属板からリードフレーム2aを打ち抜くとき、このリードフレーム2aに陽極側リード端子3aと陰極側リード端子4aとを相対向するように設ける。
【0023】
▲2▼.このリードフレーム2aを裏返しにし、この状態で、先ず、前記陽極側リード端子3aの先端を、適宜高さ寸法Haだけ低くするように段差部5aに屈曲する一方、前記陰極側リード端子4aの先端も、適宜高さ寸法Saだけ低くするように段差部6aに屈曲する。
【0024】
なお、前記両段差部5a,6aの屈曲は、リードフレーム2aの金属板から打ち抜きと同時に行うようにすることができる。
【0025】
▲3▼.次いで、前記リードフレーム2aの両リード端子3a,4aの先端における段差部5a,6aの上面に、図3に示すように、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト7a,8aを適宜量ずつ塗布する。
【0026】
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3a,4aの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体8′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3aにおける段差部5aの上面に、コンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4aにおける段差部6aの上面に各々に載せるようにして供給する。
【0027】
▲5▼.次いで、前記リードフレーム2aの全体を、図示しないキュア炉内に入れて、適宜温度で適宜時間にわたってキュア処理して前記導電性ペースト7a,8aを硬化することにより、陽極棒9″を陽極側リード端子3aにおける段差部5aに、コンデンサチップ体9″の外周面における陰極膜を陰極側リード端子4aにおける段差部6aに対してて各々接合する。
【0028】
この場合、前記陽極棒9″を、陽極側リード端子3aに対する接合するための銀ペースト等の導電性ペースト7aは、前記陽極側リード端子3aのうち一段低くするように屈曲した段差部5aの上面に塗布されていることにより、この導電性ペースト7aが、これがキャア処理にて硬化するまでの間において、陽極側リード3aの長手方向に広がることを前記段差部5aにて確実に阻止できるから、前記導電性ペースト7aの盛り上がり高さを、前記段差部5aを設けていない場合よりも、前記段差部5aの分だけ確実に高くすることができる。
【0029】
しかも、前記導電性ペースト7aが陽極側リード端子3aの長手方向に広がることか阻止されていることにより、以下に述べるように、前記コンデンサ素子9の部分をモールド体10aにパッケージしたときにおいて、前記導電性ペースト7aが、モールド10aに対する陽極側リード端3aの密着性を阻害することを回避できる。
【0030】
また、前記導電性ペースト7aに代えてクリーム半田を使用する場合、このクリーム半田は、加熱炉における加熱処理によって一旦溶融されるが、この溶融半田が、陽極側リード3aの長手方向に広がることを前記段差部5aにて確実に阻止できるから、この半田の盛り上がり高さも、前記導電性ペーストの場合と同様に確実に高くすることができる。
【0031】
▲6▼.次いで、前記コンデンサ素子9の部分をパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体10aを成形する。
【0032】
▲7▼.次いで、前記両リード端子3a,4aを、切断線11,12の箇所において切断することにより、リードフレーム2aから切り離す。
【0033】
▲8▼.次いで、前記モールド体10aから突出する両両リード端子3a,4aを、前記モールド体10aにおける底面10a′に向かって折り曲げする。
という工程を経ることにより、図1に示す構成の固体電解コンデンサ1aにする。
【0034】
次に、図5及び図6は、第2の実施の形態を示す。
【0035】
この第2の実施の形態における固体電解コンデンサ1bは、
▲1▼.金属板から打ち抜いたリードフレーム2bに陽極側リード端子3bと陰極側リード端子4bとを設け、
▲2▼.このリードフレーム2bを裏返しにし、この状態で、前記陽極側リード端子3bの先端を、適宜高さ寸法Hbだけ低くするように段差部5bに屈曲する一方、前記陰極側リード端子4bの先端も、適宜高さ寸法Sbだけ低くするように段差部6bに屈曲して、前記陽極側リード端子3bにおける段差部5bに、溝14を備えて成る立起片13を屈曲して設け、
▲3▼.次いで、前記両段差部5b,6bの上面に導電性ペースト7b,8b又はクリーム半田を塗布し、
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3b,4bの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体9′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3bにおける段差部5bの上面にその立て起片13における溝14に嵌めるように載置する同時に、そのコンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4bにおける段差部6bの上面に各々に載せるようにして供給し、
以下、前記第1の実施の形態の場合と同様に、
▲5▼.前記導電性ペースト7b,8bをキュア処理する工程又はクリーム半田に対する加熱工程、
▲6▼.モールド体10bにてパッケージする工程、
▲7▼.両リード端子3b,4bを切断することによってリードフレーム2bから切り離す工程、
▲8▼.及び前記リード端子3b,4bをモールド体10bの底面10b′に折り曲げる工程。
を経て製造される。
【0036】
このように、陽極側リード端子3bにおける段差部5aに立起片13を屈曲して設けて、この立起片13に設けた溝14に、前記コンデンサ素子9における陽極棒9″を嵌めることにより、前記段差部5bの箇所に塗布した導電性ペースト7b又はクリーム半田の盛り上がり高さを、前記立起片13にて更に高くすることができるとともに、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片13にて陽極側リード端子3bに対して機械的に支持することができ、しかも、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片13の溝14に嵌めることで、このコンデンサ素子9を、陽極側リード端子3bにおける横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができる。
【0037】
なお、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、そのリードフレーム2a,2bを裏返さない表向きのままで、前記▲1▼〜▲8▼の工程を経て製造することにより、図7に示す第3の実施の形態による固体電解コンデンサ1cにしたり、或いは、図8に示す第4の実施の形態による固体電解コンデンサ1dにすることができる。
【0038】
そして、図9及び図10は、第5の実施の形態を示す。
【0039】
この第3の実施の形態による固体電解コンデンサ1eは、
▲1▼.金属板から打ち抜いたリードフレーム2eに陽極側リード端子3eと陰極側リード端子4eとを設け、
▲2▼.前記リードフレーム2eを裏返しにしない状態で、前記陽極側リード端子3eの先端に、溝16を備えて成る立起片15を屈曲して設ける一方、前記陰極側リード端子4eの先端を、適宜高さ寸法だけ低くするように段差部6eに屈曲する。
▲3▼.次いで、前記陽極側リード3eにおける上面のうち前記立起片15の箇所及び前記段差部6eの上面に導電性ペースト7e,8e又はクリーム半田を塗布し、
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3e,4eの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体9′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3e上面にその立て起片15における溝16に嵌めるように載置する同時に、そのコンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4eにおける段差部6eの上面に各々に載せるようにして供給し、
以下、前記第1の実施の形態の場合と同様に、
▲5▼.前記導電性ペースト7e,8eをキュア処理する工程又はクリーム半田に対する加熱工程、
▲6▼.モールド体10eにてパッケージする工程、
▲7▼.両リード端子3e,4eを切断することによってリードフレーム2eから切り離す工程、
▲8▼.及び前記リード端子3e,4eをモールド体10eの底面10e′に折り曲げる工程。
を経て製造される。
【0040】
この構成によると、前記導電性ペースト7e又はクリーム半田における盛り上がり高さを立起片15で高くできることに加えて、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片15に設けた溝16に嵌めることでこの陽極棒9″を陽極側リード端子3eに対して機械的に支持できるとともに、コンデンサ素子9を、陽極側リード端子3eにおける横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができる。
【0041】
なお、前記各実施の形態は、陰極側リード端子4a,4b,4eを、コンデンサ素子9のコンデンサチップ体9′における外周面の陰極膜に対して、導電性ペース8a,8b,8e又はクリーム半田にて直接的に接合する場合であったが、本発明は、これに限らず、陰極側リード端子と、コンデンサ素子のコンデンサチップ体における外周面の陰極膜との間を、安全ヒューズ線を介して接続するように構成した場合にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図2】前記第1の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【図3】前記リードフレームにコンデンサ素子を供給する前の状態を示す斜視図である。
【図4】前記リードフレームにコンデンサ素子を供給した状態を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図6】前記第2の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【図7】第3の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図8】第4の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図9】第5の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図10】前記第5の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e 固体電解コンデンサ
2a,2b,2e リードフレーム
3a,3b,3e 陽極側リード端子
4a,4b,4e 陰極側リード端子
5a,5b 段差部
6a,6b,6e 段差部
7a,7b,7d 導電性ペースト
8a,8b,8c 導電性ペースト
9 コンデンサ素子
9′ コンデンサチップ体
9″ 陽極棒
10a,10b,10e モールド体
13,15 立起片
14,16 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁作用金属を使用した固体電解コンデンサのうち、そのコンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にパッケージして成る固体電解コンデンサと、その製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の固体電解コンデンサは、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に記載されているように、コンデンサ素子における弁作用金属製のコンデンサチップ体の一端面から突出する陽極棒の先端を、金属板製の陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合する一方、前記コンデンサチップ体の外周面に形成した陰極膜を、金属板製の陰極側リード端子に対して直接に接続するか、或いは安全フューズ線を介して接続し、これらのコンデンサ素子の全体を、熱硬化性合成樹脂製のモールド体にて、当該モールド体の側面から前記両リード端子が突出するようにパッケージするという構成にしている。
【0003】
また、従来、前記構成の固体電解コンデンサを製造するには、各特許文献に記載されているように、金属板から打ち抜いたリードフレームに、前記陽極側リード端子と、陰極側リード端子とを相対向するようにして設け、次いで、前記リードフレームにおける両リード端子の間に、前記コンデンサ素子を、その陽極棒の先端が陽極側リード端子の表面に接触するように供給して、その陽極棒の先端と陽極側リード端子とを溶接用電極体に挟み付けて通電することにより、前記陽極棒の先端を陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合(固着)し、次で、前記コンデンサ素子における外周面の陰極膜と陰極側リード端子とを直接に又は安全ヒューズを介して電気的に接続し、次いで、前記コンデンサ素子の部分を熱硬化性合成樹脂製のモールド体にて前記両リード端子が突出するようにパッケージしたのち、前記両リード端子を切断することにより、リードフレームから切り離すという方法を採用している。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−20801号公報
【特許文献2】
特開平6−244233号公報
【特許文献3】
特開平8−279440号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来における固体電解コンデンサにおいては、そのコンデンサ素子における陽極棒の先端を、陽極側リード端子に対して電気溶接にて接合(固着)するという構成であり、この電気溶接による接合(固着)は、電気的な接続を確実にできるという利点を有するが、その反面に、以下に述べるような問題があった。
【0006】
すなわち、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体に、当該コンデンサチップ体から突出する陽極棒の先端を陽極側リード端子に対して電気溶接するときにおける熱負荷及び衝撃が及ぶことになるから、製造中に前記コンデンサチップ体及び陽極棒の付け根に絶縁破壊等の不良が発生して不良品の発生率が高くなったり、或いは、前記熱負荷及び衝撃が、コンデンサとしての使用中に発生する絶縁破壊等の不良の原因になるという問題があった。
【0007】
さりとて、前記コンデンサ素子における陽極棒の先端を、陽極側リード端子の上面に対して、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合(固着)するという方法を採用することは、前記導電性ペーストを前記陽極側リード端子の上面においてキュアするときにリード端子の長手方向に広がり、また、前記クリーム半田も、これを前記陽極側リード端子の上面において溶融したときリード端子の長手方向に広がって、これら導電性ペースト又はクリーム半田におけるリード端子の表面からの盛り上げ高さが低くなることにより、この導電性ペースト又はクリーム半田による前記陽極棒に対する電気的接合の確実性及び接合強度が、前記電気溶接による接合の場合よりも遥かに低くなるから、製造中に及びコンデンサとしての使用中において、陽極棒が陽極側リード端子から離れるおそれが大きいのであった。
【0008】
ところで、コンデンサ素子における陽極棒を、陽極側リード端子に対して接合するに際して、コンデンサ素子が陽極側リード端子の横幅方向にずれる場合には、このコンデンサ素子をパッケージするモールド体における横幅寸法に、前記横幅方向へのずれを見込む必要があるから、コンデンサ素子における横幅寸法が予め決まっているときには、モールド体における横幅寸法を前記横幅方向へのずれの分だけ大きくしなければならず、固体電解コンデンサの大型化及び重量のアップを招来するのであり、また、モールド体における横幅寸法が予め決まっているときには、コンデンサ素子における横幅寸法を前記横幅方向へのずれの分だけ小さくしなければならず、コンデンサ容量が小さくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、コンデンサ素子における陽極棒を陽極側リード端子に対して、導電性ペースト又はクリーム半田にて確実、且つ、強固に接合できるようにした固体電解コンデンサと、その製造方法とを提供することを技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の固体電解コンデンサは、第1に請求項1に記載したように、
「少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成るパッケージ型固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が段差部に屈曲され、この段差部に、前記陽極棒が導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されている。」
ことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の固体電解コンデンサは、第2に請求項3に記載したように、
「少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が立起片に屈曲され、前記陽極棒がこの立起片に設けた溝に嵌まった状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されている。」
ことを特徴としている。
【0012】
次に、本発明の製造方法は、第1に請求項4に記載したように、
「少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子に、一段低くするように屈曲した段差部を設ける工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記段差部の上面に対して導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成る。」
ことを特徴としている。
【0013】
また、本発明の製造方法は、第2に請求項5に記載したように、
「少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子の先端を溝を備えた立起片に屈曲する工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記立起片に対して前記溝に嵌めた状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成る。」
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の作用・効果】
請求項1又は4に記載したように、陽極側リード端子のうちコンデンサ素子に隣接する部分を段差部に屈曲して、この段差部に前記陽極棒を、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合することにより、この導電性ペースト又はクリーム半田がリード端子の長手方向に広がることを前記段差部にて阻止できて、ひいては、前記導電性ペースト又はクリーム半田における盛り上がり高さを、前記段差部の分だけ高くすることができるから、導電性ペースト又はクリーム半田を使用した場合における接合の確実性と接合強度とを大幅にアップすることができる。
【0015】
また、請求項2又は5に記載したように、陽極側リード端子のうちコンデンサ素子に隣接する部分を溝を備えた立起片に屈曲し、この立起片に前記陽極棒を、当該陽極棒を前記溝に嵌めた状態で、導電性ペースト又はクリーム半田にて接合することにより、前記導電性ペースト又はクリーム半田における盛り上がり高さを立起片で高くできることに加えて、陽極棒を前記立起片に設けた溝に嵌めることでこの陽極棒をリード端子に対して機械的に支持できるから、導電性ペースト又はクリーム半田を使用した場合における接合の確実性と接合強度とを大幅にアップすることができる。
【0016】
従って、本発明によると、コンデンサ素子における陽極棒を陽極側リード端子に対して、従来のように電気溶接によることなく、導電性ペースト又はクリーム半田にて確実且つ強固に接合することができるから、コンデンサとしての使用中に絶縁破壊等の不良が発生することを大幅に低減でき、また、製造に際しての不良品の発生率を大幅に低減できる。
【0017】
しかも、前記請求項3又は5の記載に記載したように、陽極側リード端子に設けた立起片の溝に陽極棒を嵌めることにより、コンデンサ素子を、リード端子における横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができるから、前記コンデンサ素子における横幅寸法が予め決まっている場合には、このコンデンサ素子の部分をパッケージするモールド体における横幅寸法を横幅方向に正しく位置決めできる分だけ狭くして小型・軽量化を図ることができ、また、前記モールド体における横幅寸法が予め決まっているときには、前記コンデンサ素子における横幅寸法を大きくしてコンデンサ容量のアップを図ることができる。
【0018】
また、請求項2に記載した構成することにより、導電性ペースト又はクリーム半田の盛り上がり高さを更に高くできるとともに、横幅方向に対する位置決めができるから、前記した効果を更に助長できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0020】
図1は、第1の実施の形態による固体電解コンデンサ1aを示す。
【0021】
この第1の実施の形態による固体電解コンデンサ1aは、以下に述べる方法によって製造される。
【0022】
すなわち、
▲1▼.図2に示すように、金属板からリードフレーム2aを打ち抜くとき、このリードフレーム2aに陽極側リード端子3aと陰極側リード端子4aとを相対向するように設ける。
【0023】
▲2▼.このリードフレーム2aを裏返しにし、この状態で、先ず、前記陽極側リード端子3aの先端を、適宜高さ寸法Haだけ低くするように段差部5aに屈曲する一方、前記陰極側リード端子4aの先端も、適宜高さ寸法Saだけ低くするように段差部6aに屈曲する。
【0024】
なお、前記両段差部5a,6aの屈曲は、リードフレーム2aの金属板から打ち抜きと同時に行うようにすることができる。
【0025】
▲3▼.次いで、前記リードフレーム2aの両リード端子3a,4aの先端における段差部5a,6aの上面に、図3に示すように、例えば、銀ペースト等の導電性ペースト7a,8aを適宜量ずつ塗布する。
【0026】
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3a,4aの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体8′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3aにおける段差部5aの上面に、コンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4aにおける段差部6aの上面に各々に載せるようにして供給する。
【0027】
▲5▼.次いで、前記リードフレーム2aの全体を、図示しないキュア炉内に入れて、適宜温度で適宜時間にわたってキュア処理して前記導電性ペースト7a,8aを硬化することにより、陽極棒9″を陽極側リード端子3aにおける段差部5aに、コンデンサチップ体9″の外周面における陰極膜を陰極側リード端子4aにおける段差部6aに対してて各々接合する。
【0028】
この場合、前記陽極棒9″を、陽極側リード端子3aに対する接合するための銀ペースト等の導電性ペースト7aは、前記陽極側リード端子3aのうち一段低くするように屈曲した段差部5aの上面に塗布されていることにより、この導電性ペースト7aが、これがキャア処理にて硬化するまでの間において、陽極側リード3aの長手方向に広がることを前記段差部5aにて確実に阻止できるから、前記導電性ペースト7aの盛り上がり高さを、前記段差部5aを設けていない場合よりも、前記段差部5aの分だけ確実に高くすることができる。
【0029】
しかも、前記導電性ペースト7aが陽極側リード端子3aの長手方向に広がることか阻止されていることにより、以下に述べるように、前記コンデンサ素子9の部分をモールド体10aにパッケージしたときにおいて、前記導電性ペースト7aが、モールド10aに対する陽極側リード端3aの密着性を阻害することを回避できる。
【0030】
また、前記導電性ペースト7aに代えてクリーム半田を使用する場合、このクリーム半田は、加熱炉における加熱処理によって一旦溶融されるが、この溶融半田が、陽極側リード3aの長手方向に広がることを前記段差部5aにて確実に阻止できるから、この半田の盛り上がり高さも、前記導電性ペーストの場合と同様に確実に高くすることができる。
【0031】
▲6▼.次いで、前記コンデンサ素子9の部分をパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体10aを成形する。
【0032】
▲7▼.次いで、前記両リード端子3a,4aを、切断線11,12の箇所において切断することにより、リードフレーム2aから切り離す。
【0033】
▲8▼.次いで、前記モールド体10aから突出する両両リード端子3a,4aを、前記モールド体10aにおける底面10a′に向かって折り曲げする。
という工程を経ることにより、図1に示す構成の固体電解コンデンサ1aにする。
【0034】
次に、図5及び図6は、第2の実施の形態を示す。
【0035】
この第2の実施の形態における固体電解コンデンサ1bは、
▲1▼.金属板から打ち抜いたリードフレーム2bに陽極側リード端子3bと陰極側リード端子4bとを設け、
▲2▼.このリードフレーム2bを裏返しにし、この状態で、前記陽極側リード端子3bの先端を、適宜高さ寸法Hbだけ低くするように段差部5bに屈曲する一方、前記陰極側リード端子4bの先端も、適宜高さ寸法Sbだけ低くするように段差部6bに屈曲して、前記陽極側リード端子3bにおける段差部5bに、溝14を備えて成る立起片13を屈曲して設け、
▲3▼.次いで、前記両段差部5b,6bの上面に導電性ペースト7b,8b又はクリーム半田を塗布し、
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3b,4bの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体9′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3bにおける段差部5bの上面にその立て起片13における溝14に嵌めるように載置する同時に、そのコンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4bにおける段差部6bの上面に各々に載せるようにして供給し、
以下、前記第1の実施の形態の場合と同様に、
▲5▼.前記導電性ペースト7b,8bをキュア処理する工程又はクリーム半田に対する加熱工程、
▲6▼.モールド体10bにてパッケージする工程、
▲7▼.両リード端子3b,4bを切断することによってリードフレーム2bから切り離す工程、
▲8▼.及び前記リード端子3b,4bをモールド体10bの底面10b′に折り曲げる工程。
を経て製造される。
【0036】
このように、陽極側リード端子3bにおける段差部5aに立起片13を屈曲して設けて、この立起片13に設けた溝14に、前記コンデンサ素子9における陽極棒9″を嵌めることにより、前記段差部5bの箇所に塗布した導電性ペースト7b又はクリーム半田の盛り上がり高さを、前記立起片13にて更に高くすることができるとともに、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片13にて陽極側リード端子3bに対して機械的に支持することができ、しかも、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片13の溝14に嵌めることで、このコンデンサ素子9を、陽極側リード端子3bにおける横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができる。
【0037】
なお、前記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、そのリードフレーム2a,2bを裏返さない表向きのままで、前記▲1▼〜▲8▼の工程を経て製造することにより、図7に示す第3の実施の形態による固体電解コンデンサ1cにしたり、或いは、図8に示す第4の実施の形態による固体電解コンデンサ1dにすることができる。
【0038】
そして、図9及び図10は、第5の実施の形態を示す。
【0039】
この第3の実施の形態による固体電解コンデンサ1eは、
▲1▼.金属板から打ち抜いたリードフレーム2eに陽極側リード端子3eと陰極側リード端子4eとを設け、
▲2▼.前記リードフレーム2eを裏返しにしない状態で、前記陽極側リード端子3eの先端に、溝16を備えて成る立起片15を屈曲して設ける一方、前記陰極側リード端子4eの先端を、適宜高さ寸法だけ低くするように段差部6eに屈曲する。
▲3▼.次いで、前記陽極側リード3eにおける上面のうち前記立起片15の箇所及び前記段差部6eの上面に導電性ペースト7e,8e又はクリーム半田を塗布し、
▲4▼.次いで、コンデンサ素子9を、前記両リード端子3e,4eの間の部分に、当該コンデンサ素子9においてコンデンサチップ体9′から突出する陽極棒9″を前記陽極側リード端子3e上面にその立て起片15における溝16に嵌めるように載置する同時に、そのコンデンサチップ体9′を前記陰極側リード端子4eにおける段差部6eの上面に各々に載せるようにして供給し、
以下、前記第1の実施の形態の場合と同様に、
▲5▼.前記導電性ペースト7e,8eをキュア処理する工程又はクリーム半田に対する加熱工程、
▲6▼.モールド体10eにてパッケージする工程、
▲7▼.両リード端子3e,4eを切断することによってリードフレーム2eから切り離す工程、
▲8▼.及び前記リード端子3e,4eをモールド体10eの底面10e′に折り曲げる工程。
を経て製造される。
【0040】
この構成によると、前記導電性ペースト7e又はクリーム半田における盛り上がり高さを立起片15で高くできることに加えて、コンデンサ素子9における陽極棒9″を前記立起片15に設けた溝16に嵌めることでこの陽極棒9″を陽極側リード端子3eに対して機械的に支持できるとともに、コンデンサ素子9を、陽極側リード端子3eにおける横幅方向に対して所定の位置に正しく位置決めすることができる。
【0041】
なお、前記各実施の形態は、陰極側リード端子4a,4b,4eを、コンデンサ素子9のコンデンサチップ体9′における外周面の陰極膜に対して、導電性ペース8a,8b,8e又はクリーム半田にて直接的に接合する場合であったが、本発明は、これに限らず、陰極側リード端子と、コンデンサ素子のコンデンサチップ体における外周面の陰極膜との間を、安全ヒューズ線を介して接続するように構成した場合にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図2】前記第1の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【図3】前記リードフレームにコンデンサ素子を供給する前の状態を示す斜視図である。
【図4】前記リードフレームにコンデンサ素子を供給した状態を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図6】前記第2の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【図7】第3の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図8】第4の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図9】第5の実施の形態による固体電解コンデンサの縦断正面図である。
【図10】前記第5の実施の形態による固体電解コンデンサの製造に使用するリードフレームを示す斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e 固体電解コンデンサ
2a,2b,2e リードフレーム
3a,3b,3e 陽極側リード端子
4a,4b,4e 陰極側リード端子
5a,5b 段差部
6a,6b,6e 段差部
7a,7b,7d 導電性ペースト
8a,8b,8c 導電性ペースト
9 コンデンサ素子
9′ コンデンサチップ体
9″ 陽極棒
10a,10b,10e モールド体
13,15 立起片
14,16 溝
Claims (5)
- 少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が段差部に屈曲され、この段差部に、前記陽極棒が導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されていることを特徴とするパッケージ型固体電解コンデンサ。 - 前記請求項1の記載において、前記陽極側リード端子における前記段差部に立起片が設けられ、この立起片に、前記陽極棒を嵌める溝が設けられていることを特徴とするパッケージ型固体電解コンデンサ。
- 少なくとも、弁作用金属製コンデンサチップ体から陽極棒を突出して成るコンデンサ素子と、前記陽極棒に接合される陽極側リード端子と、前記コンデンサ素子の部分を前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする熱硬化性合成樹脂製のモールド体とから成る固体電解コンデンサにおいて、
前記陽極側リード端子のうち前記コンデンサ素子に隣接する部分が立起片に屈曲され、前記陽極棒がこの立起片に設けた溝に嵌まった状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合されていることを特徴とするパッケージ型固体電解コンデンサ。 - 少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子に、一段低くするように屈曲した段差部を設ける工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記段差部の上面に対して導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成ることを特徴とするパッケージ型固体電解コンデンサの製造方法。
- 少なくとも、金属板からリードフレームを当該リードフレームに陽極側リード端子を設けて打ち抜く工程と、前記陽極側リード端子の先端を溝を備えた立起片に屈曲する工程と、コンデンサ素子におけるコンデンサチップ体から突出する陽極棒を前記立起片に対して前記溝に嵌めた状態で導電性ペースト又はクリーム半田にて接合する工程と、前記コンデンサ素子の部分を合成樹脂製のモールド体にて前記陽極側リード端子が突出するようにパッケージする工程と、前記陽極側リード端子を前記リードフレームから切断する工程とから成ることを特徴とするパッケージ型固体電解コンデンサの製造方法。
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US7139163B2 (en) | 2004-10-28 | 2006-11-21 | Rohm Co., Ltd. | Solid electrolytic capacitor |
JP2012204961A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Aisin Seiki Co Ltd | アンテナ組立体 |
WO2018159426A1 (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電解コンデンサ |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002339077A patent/JP2004172527A/ja active Pending
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