JP2004172257A - 多層配線基板の製造方法および多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性や吸湿後の接着信頼性に優れた多層配線基板の製造方法、および多層配線基板を提供する。
【解決手段】少なくとも、(a)ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムの少なくとも片面に、X線光電子分光法(XPS)により測定された酸素の原子濃度が20.0〜30.0%のポリイミド表面を有し、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを内側にして配置し、接着層を介して積層する工程、(b)前記工程(a)で得られた積層体の第二のポリイミド系配線フィルムにブラインドビアを形成し、ブラインドビアにて層間を導通せしめ、前記導体層を所定の配線パターンに加工する工程、を含んで多層配線基板を製造する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板の製造方法に関し、特に、CSP(Chip Scale Package)用及びBGA(Ball Grid Array)用として好適であり、各層間の密着性が良好で信頼性の高い多層配線基板を高生産性かつ低コストで製造することができる多層配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩に伴い、電子情報端末の小型化、軽量化、高機能化がますます求められている。その結果、プリント配線板に代表される配線基板においても高密度化を目的として導体回路が多層に形成された多層配線基板が脚光を浴びてきた。
【0003】
従来、接着剤を介してポリイミド系フィルムを積層してなる構造を有する多層配線基板の一例として、多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を示すと、ポリイミド系ベースフィルムと導体層を接着剤によって接着した基材、あるいは導体上に直接ポリイミド層を形成した基材を用い、導体層の不要な部分をエッチング除去して複数の導体配線を形成し、ポリイミド等の絶縁フィルムにアクリルやエポキシ系の接着剤層を形成したカバーレイフィルムに必要に応じて金型やドリルにより孔加工し、位置を合わせて重ね合わせた後、加熱・加圧を行いカバーレイフィルム付フレキシブルプリント回路板とし、更に複数のフレキシブルプリント回路板間にアクリル系やエポキシ変性したポリイミド系のフィルム接着剤を挿入し熱圧着することにより多層フレキシブルプリント基板を製造していた。
【0004】
しかしながら、広く一般的に利用されているこの方法では、アクリル系やエポキシ系の接着剤層とポリイミド系材料との界面の接着強度が十分ではなく、高温放置時や吸湿時に接着強度が劣化してしまうという問題をかかえており、配線基板としての耐熱性や吸湿時の信頼性が低いといった問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のごとき従来の問題点を解消し、耐熱性や吸湿後の接着信頼性に優れた多層配線基板の製造方法、および多層配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、多層配線基板の製造方法において、少なくとも、
(a)ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムの少なくとも片面に、X線光電子分光法(XPS)により測定された酸素の原子濃度が20.0〜30.0%のポリイミド表面を有し、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを内側にして配置し、接着層を介して積層する工程、
(b)前記工程(a)で得られた積層体の第二のポリイミド系配線フィルムにブラインドビアを形成し、ブラインドビアにて層間を導通せしめ、前記導体層を所定の配線パターンに加工する工程、
を含んでなることを特徴とする多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項2記載の発明は、第二のポリイミド系配線フィルムが、プラズマにより表面処理されたことを特徴とする請求項1記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項3記載の発明は、第二のポリイミド系配線フィルムが、少なくとも酸素プラズマによるプラズマ処理を含むことを特徴とする請求項1または2記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項4記載の発明は、第二のポリイミド系配線フィルムが、真空度が300Pa以下でプラズマ処理されたことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項5記載の発明は、ブラインドビア内部に導電性物質を充填させ層間の導通をせしめてなることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項6記載の発明は、接着層が少なくともエポキシ硬化成分を含有する熱硬化性接着剤からなることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項7記載の発明は、多層配線基板の製造工程がリール・ツー・リール工法にて連続製造されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法としたものである。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7記載のいずれかに記載の多層配線基板がICチップ搭載用の多層配線基板であることを特徴とする多層配線基板としたものである。
請求項9記載の発明は、請求項1〜7記載のいずれかに記載の多層配線基板がICパッケージ用のインターポーザーであることを特徴とする多層配線基板としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
本発明に用いられるポリイミド系フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等を示し、通常ジアミンと酸無水物とを反応後、加熱もしくは化学的にイミド化させることにより得られるが、ポリイミド系フィルムであれば、その製造方法は特に限定されるものではない。
【0009】
本発明におけるポリイミド表面の窒素原子濃度は、X線光電子分光法(XPS)等により観察することができる。もともと酸素原子濃度が20%以上あるポリイミド表面を有している場合には、十分な酸素原子による化学的相互作用効果を得ることが可能であるが、ポリイミド表面の酸素原子濃度が20%に満たない場合には、酸素原子濃度をプラズマ処理により効果的に上げることができる。XPSでプラズマ処理後の酸素原子濃度(原子%)を測定することでポリイミド表面に酸素プラズマ由来の官能基の導入率を観察することができる。
【0010】
本発明におけるプラズマ処理とは、ポリイミド系フィルムの少なくともポリイミド面をプラズマ雰囲気下にさらす工程を示す。プラズマを発生させるためには、例えば、低ガス圧の下で処理槽内に数センチメートル程度隔てた平行電極板を備え、低ガス圧の下で該電極板に数百〜数千ボルトの電圧、あるいは交流電圧を印加してグロー放電を開始させることによりプラズマを発生させることができるが、プラズマを発生させる方法としては特にこれらに限定されるものではない。
【0011】
プラズマ処理に用いるガス種としては、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、CF、さらにはこれらの混合ガス等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。特にこれらの中でも酸素ガスによるポリイミド表面の処理は、ポリイミド表面への酸素原子の導入効果が高いこと、及びガスコストが安価であることから望ましく、酸素ガスは単体で用いても、あるいは他の単体ガスや複数種のガスと混合で用いても効果を発現することができる。
【0012】
プラズマ処理時の真空度は300Pa以下の高真空が好ましく、300Pa以上であるとプラズマ雰囲気中の不純物が多くなり効果的な処理ができないからである。
【0013】
またポリイミド表面の酸素原子濃度は、20.0〜30.0%が望ましい。これは酸素原子濃度が20.0%未満であると十分な化学的相互作用効果が得られなく、酸素原子濃度が30.0%以上となると表面改質が過剰となり、逆に表面に脆弱層を形成してしまうため、接着強度の信頼性が低下するからである。
【0014】
本発明に用いられる接着層としては、耐熱性、可撓性、平滑性、低吸水率を有するものであれば特に限定されるものではないが、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、アクリル系接着剤等を用いることができる。これらの中でも、特に、少なくともエポキシ硬化成分を系内に有している熱硬化性接着剤が望ましい。これは、熱可塑性接着剤が融点以上の加工温度で再び可塑性を示してしまうのに対して、エポキシ硬化成分を系内に有する熱硬化性接着剤は、積層後に熱硬化させることにより耐熱性を向上させることができ、信頼性に優れる硬化物を与えることができるからである。少なくともエポキシ硬化成分を含有してなることを特徴とする接着剤としては、エポキシ系接着剤はもちろんのこと、アクリル系材料にエポキシ硬化成分含有した接着剤、ポリイミド系材料にエポキシ硬化成分を含有した接着剤、ゴム系材料にエポキシ硬化成分を含有した接着剤等を例示することができるが、これらに限定するものではなく、接着剤にエポキシ硬化成分が少しでも含有されている接着剤であれば何れの接着剤でも構わない。
【0015】
本発明におけるエポキシ硬化成分とは、エポキシ化合物と反応する全ての硬化系を意味し、例えば、エポキシ化合物とアミン類との硬化反応、エポキシ化合物とカルボン酸類との硬化反応、エポキシ化合物とフェノール類との硬化反応、エポキシ化合物と酸無水物類との硬化反応、エポキシ化合物とポリアミド樹脂との硬化反応、イミダゾール類によるエポキシ化合物の硬化反応、潜在性硬化剤によるエポキシ化合物の硬化反応、更にはこれらの組み合わせ等による硬化反応を例示することができるが、これらに限定するものではない。
【0016】
本発明における積層方法、即ち、ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムに、少なくともポリイミドフィルムの片面がプラズマにより表面処理され、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを、接着層を介して積層し積層体を形成する工程の装置としては、特に限定するものではないが、通常のプレスやラミネーター等の積層装置を利用でき、より好ましくは気泡やボイドの発生を防ぐためには真空プレスや真空ラミネーターの利用が望ましい。また生産性に優れるという理由によりリール・ツー・リール方式で生産することが望ましい。
【0017】
また本発明における積層方法としては、これに限定させるものではないが、例えば、ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルム、接着フィルム、少なくともポリイミドフィルムの片面がプラズマにより表面処理され、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを同時に積層する方法、ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルム上に接着層を塗布、またはラミネートにより形成した後、少なくともポリイミドフィルムの片面がプラズマにより表面処理され、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを積層する方法、予め少なくともポリイミドフィルムの片面がプラズマにより表面処理され、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムのポリイミド側に接着層を塗布、またはラミネートにより形成しておき、これをポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムに積層する方法等が例示できる。
【0018】
これらの積層方法は、ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムに片面ずつ積層する場合と、両面同時に積層する場合とがあるが、特に限定されるものではないが、生産性に優れる点で両面同時に積層することが望ましい。
【0019】
本発明の多層配線基板の製造方法を用いることにより、接着剤層とポリイミド系絶縁材料層の界面において、酸素原子が有する化学的相互作用効果をもたらすことにより、安定した接着強度の確保、及び吸湿後の接着強度の確保が可能となることから、層間の接着強度信頼性の優れた多層配線基板を提供することが出来る。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明を図面を用いてさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0021】
(実施例1)
市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)をレーザー加工によりブラインドビアホールを形成した後、通常の無電解めっき及び電解めっきによりめっき銅でブラインドビアホール内を充填することにより層間の導通を接続せしめた後、所定の回路加工を施し、両面に配線パターンを有しかつ導電性物質を充填させたブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルム9(図1(a)参照)を得た。
【0022】
得られた第一のポリイミド系配線フィルムの両面に、エポキシ系接着フィルムAS2700(日立化成(株)製)を接着剤層が内側を向くように配置し、真空プレスを用い120℃、5kg/cm、60秒で仮圧着を行った。さらにポリエチレンテレフタレートの剥離フィルムを剥離した後、酸素ガス雰囲気中で、圧力50Paで5分間ポリイミド面にプラズマ処理を施した第二のポリイミド系配線フィルムである片面銅箔付きプレキシブル回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)のポリイミド面を、銅箔面が外側を向くように順に配置し真空プレスを用い150℃、10kg/cm、1時間加熱・圧着を行い積層した(図1(b)参照)。得られた積層基板の表裏に、レーザー加工によりブラインドビアホールを形成した後、通常の無電解めっき及び電解めっきを行い、めっき銅でブラインドビアホール内を充填することにより層間の導通を接続せしめた後(図1(c)参照)、パターン7の形成、カバーレイフィルムの積層、外形加工を行い、4層の導体層を有する多層配線基板8(図1(d)参照)を得た。
【0023】
(実施例2)
実施例1のプラズマ処理時の圧力を100Paに代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0024】
(実施例3)
実施例1のプラズマ処理時の圧力を200Paに代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0025】
(実施例4)
実施例1のプラズマ処理時の処理時間を1分に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0026】
(実施例5)
実施例1のエポキシ系接着フィルムAS2700(日立化成(株)製)をアクリル系接着フィルムパイララックスWA(デュポン(株)製)、真空プレスの仮圧着温度を180℃、加熱圧着条件を250℃で1時間に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0027】
(実施例6)
実施例1のエポキシ系接着フィルムAS2700(日立化成(株)製)を合成ゴム/エポキシ系接着フィルムTB1650(スリーボンド(株)製)、真空プレスの仮圧着温度を100℃、加熱圧着条件を100℃で2時間、更に130℃で3時間に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0028】
(実施例7)
実施例1の市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)をそれぞれ市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板ユピセル(宇部興産(株)製)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板ユピセル(宇部興産(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0029】
(実施例8)
実施例1の市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)をそれぞれ市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板ネオフレックス(三井化学(株)製)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板ネオフレックス(三井化学(株)製)に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0030】
(比較例1)
実施例1の第二のポリイミド系配線フィルムである片面銅箔付きプレキシブル回路用基板エスパネックス(新日鐵化学(株)製)のポリイミド面にプラズマ処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0031】
(比較例2)
実施例1のプラズマ処理時の圧力を大気圧で行った以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0032】
(比較例3)
実施例1のプラズマ処理時間を30分に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0033】
(処理後元素比の測定)
X線光電子分光法(XPS)によりプラズマ処理後のポリイミド表面に対して窒素原子濃度(原子%)を測定した。装置は日本電子(株)製IPS−90MXVを用い、X線にはMgKαを使用し、出力は100Wとした。
【0034】
(接着強度の測定)
実施例1〜8及び比較例1〜5によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板に対して、PCT投入前及びPCT投入後のそれぞれの多層配線基板から導体層のない部分から選択的に5mm×30mmの大きさに切り出し、T型剥離(剥離速度:50mm/min)にて接着層と第二の配線フィルムのポリイミド界面の接着強度を測定した。
【0035】
(PCT)
実施例1〜8及び比較例1〜5によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板に対して、121℃、100%不飽和の環境下、168時間プレッシャー・クッカー・テスト(PCT)を行った。PCT後、外観を光学顕微鏡で観察を行い、外観上問題が無かったものを○、層間の剥離等で外観上問題があったものを×として表1に記載した。
【0036】
(リフロー耐性試験)
実施例1〜8及び比較例1〜5によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板を、85℃、85%の環境下、168時間前処理を行った後、260℃を10秒以上の条件で3回、リフロー炉に投入した。試験後、外観を光学顕微鏡で観察した。外観上問題が無かったものを○、層間の剥離等で外観上問題があったものを×として表1に記載した。
【0037】
【表1】
Figure 2004172257
【0038】
表1から明らかなように、比較例1〜3はいずれもPCT後の接着強度の低下が著しく、比較例1(プラズマ処理を施さなかった場合)ではPCT及びリフロー試験とも外観上の異常が観測され、比較例2、比較例3では表面処理(改質)が過剰であったことからリフロー試験後に外観上の異常が観測された。
【0039】
これらの比較例1〜3に対して、実施例1〜8ではPCT後の接着強度の低下が非常に少ないことから、PCT及びリフロー試験で合格することができ、目的の諸特性、即ち、耐熱性、及び吸湿時の接着信頼性に優れた多層配線基板を提供することができた。
【0040】
以上の結果より、本発明の多層配線基板の製造方法は、安定した接着強度の確保、及び吸湿後の接着強度の確保が可能となることから、層間の接着強度信頼性の優れた多層配線基板を提供することができることが判明した。
【0041】
【発明の効果】
本発明の多層配線基板の製造方法を用いることにより、接着剤層とポリイミド系絶縁材料層の界面において、酸素原子が有する化学的相互作用効果をもたらすことにより、安定した接着強度の確保、及び吸湿後の接着強度の確保が可能となることから、層間の接着強度信頼性の優れた多層配線基板を提供することが出来る。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ポリイミド系フィルム
2 配線パターン
3 接着層
4 ポリイミド系フィルム
5 導体層
6 ブラインドビアホール
7 配線パターン
8 多層配線基板
9 第一の配線フィルム
10 第二の配線フィルム

Claims (9)

  1. 多層配線基板の製造方法において、少なくとも、
    (a)ポリイミド系フィルムの両面に配線パターンを有し、かつブラインドビアにより層間を導通せしめてなる第一のポリイミド系配線フィルムの少なくとも片面に、X線光電子分光法(XPS)により測定された酸素の原子濃度が20.0〜30.0%のポリイミド表面を有し、かつ他面が導体層を有する第二のポリイミド系配線フィルムを内側にして配置し、接着層を介して積層する工程、
    (b)前記工程(a)で得られた積層体の第二のポリイミド系配線フィルムにブラインドビアを形成し、ブラインドビアにて層間を導通せしめ、前記導体層を所定の配線パターンに加工する工程、
    を含んでなることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 第二のポリイミド系配線フィルムが、プラズマにより表面処理されたことを特徴とする請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
  3. 第二のポリイミド系配線フィルムが、少なくとも酸素プラズマによるプラズマ処理を含むことを特徴とする請求項1または2記載の多層配線基板の製造方法。
  4. 第二のポリイミド系配線フィルムが、真空度が300Pa以下でプラズマ処理されたことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか記載の多層配線基板の製造方法。
  5. ブラインドビア内部に導電性物質を充填させ層間の導通をせしめてなることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 接着層が少なくともエポキシ硬化成分を含有する熱硬化性接着剤からなることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 多層配線基板の製造工程がリール・ツー・リール工法にて連続製造されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
  8. 請求項1〜7記載のいずれかに記載の多層配線基板がICチップ搭載用の多層配線基板であることを特徴とする多層配線基板。
  9. 請求項1〜7記載のいずれかに記載の多層配線基板がICパッケージ用のインターポーザーであることを特徴とする多層配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101135758B1 (ko) * 2004-12-27 2012-04-16 씨엠케이 가부시키가이샤 다층프린트배선판 및 그 제조방법

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