JP2004171333A - 機械制御装置 - Google Patents

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Kayo Ito
加代 伊藤
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Abstract

【課題】非線形要素・すべりという誤差要素を含む制御対象機械に対し、安定した制御を行うような機械制御装置を提供する。
【解決手段】第1フィルタ3a手段と、第2フィルタ手段3bと、加算手段3cと、減算手段3dと、ゲイン手段3eと、を備え、第1フィルタ手段3aは制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を除く周波数特性を有し、かつ、第2フィルタ手段3bは制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を通過させる周波数特性を有する機械制御装置とした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御対象機械を制御するための機械制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
制御対象機械を目標位置へ移動させる機械装置において、従来技術では、機械精度以上の位置決め精度が要求される場合、または、すべりやすいものをローラで搬送する場合などにはフルクローズド制御を採用することが多い。
以下、従来技術におけるフルクローズド制御がなされる機械装置の具体例について説明する。
【0003】
まず、従来技術の第一例について図を参照しつつ説明する。図13は、送りねじ機構を含む機械装置の構成図である。図13に示すように、この機械装置は、大別して、制御対象機械10と機械制御装置20とを備えている。
制御対象機械10は、搬送対象であるスライド移動部11と、送りねじ12と、搬送対象の位置検出器であるリニアスケール13と、カップリング14と、駆動源であるモータ15と、駆動源の位置検出器であるモータエンコーダ16とを備えている。
また、機械制御装置20は、指令値出力手段21と、位置制御手段22と、速度制御手段23とを備えている。
なお、リニアスケール13の分解能はモータエンコーダ16に比べて低い場合が多い。
【0004】
スライド移動部11は図示しないレールまたはエアスライド等に取り付けられており、図13の左右の移動方向に滑らかに移動できるようになされている。
モータ15の回転軸はカップリング14を介して送りねじ12と連結され、この送りねじ12は、スライド移動部11に取り付けられた図示しないねじ部内に螺挿されている。
【0005】
モータ15が送りねじ12を回転駆動することにより、スライド移動部11が図13の左右方向へ移動する。モータ15の回転位置・回転速度はモータエンコーダ16によって検出され、速度制御手段23へフィードバックされる。また、スライド移動部11の位置はリニアスケール13によって検出され、位置制御手段22へフィードバックされる。
【0006】
位置制御手段22では、位置指令値とリニアスケール13の位置検出値の差がゼロとなるような速度指令値を出力する。速度制御手段23では、モータエンコーダ16の検出値を使って、速度指令値に応じた速度制御を行うトルク指令値を出力してモータ15の回転駆動を行う。
【0007】
このような制御により、スライド移動部11と送りねじ12との間にあるバックラッシ、または、カップリング14に含まれるねじれ等の誤差要素(以下、単に誤差要素という)があっても、搬送対象の検出位置と目標位置とが一致するような制御を行うため、誤差要素を吸収でき、正確に移動させることができる。
このようにフルクローズド制御では、制御対象機械に取り付けられたリニアスケール13にて直接的に機械の位置を検出し、制御装置にフィードバックして制御するため、正確に機械の位置決め制御を行うことができる。
【0008】
続いて、他の従来技術である第二例について図を参照しつつ説明する。図14は、ケーブル等の線体を繰り出す機械装置の構成図である。図14に示すように、この機械装置は、電線・メッセンジャワイヤ・ケーブルなど線状である線体31を搬送対象とする装置であり、大別して機械制御装置20と、制御対象機械30とを備えている。
【0009】
機械制御装置20は、指令値出力手段21と、位置制御手段22と、速度制御手段23とを備えている。
制御対象機械30は、搬送対象である線体31を搬送するため、従動ローラ32と、搬送対象の位置検出器である外部エンコーダ33と、送り出しローラ34と、駆動源であるモータ35と、駆動源の位置検出器であるモータエンコーダ36とを備えている。
なお、外部エンコーダ33の分解能はモータエンコーダ36に比べて低い場合が多い。
【0010】
この機械装置では、モータ35が送り出しローラ34を回転駆動することにより、送り出しローラ34と従動ローラ32とに挟まれる線体31が送られる。
この線体31の送り量は、送り出しローラ34と従動ローラ32との回転量に対応して増大するものであり、回転量を計測することで送り量を算出することができる。ここでは従動ローラ32の回転により外部エンコーダ33から出力される値を搬送対象の位置検出値とする。この位置検出値は、位置制御手段22へフィードバックされる。
位置制御手段22では、位置指令値と外部エンコーダ33の位置検出値の差がゼロとなるような速度指令値を出力する。
【0011】
また、送り出しローラ34の回転によりモータエンコーダ36から出力される値を駆動源の位置検出値とする。この位置検出値は、速度制御手段23へフィードバックされる。
速度制御手段23では、モータエンコーダ36の検出値を使って、速度指令値に応じた速度制御を行うトルク指令値を出力してモータ35の回転駆動を行う。
【0012】
このような制御により、線体31と送り出しローラ34との間にすべりなどの誤差要素があっても、搬送対象を正確に目標長だけ送ることができる。
このようなフルクローズド制御により、制御対象機械30に取り付けられた外部エンコーダ33にて直接的に機械の位置を検出し、機械制御装置20にフィードバックして制御するため、正確に機械の位置決め制御を行うことができる。
【0013】
このような機械装置を制御するための制御装置は、他にも従来より各種検討がなされており、例えば他の例である位置決め制御装置が特許文献1として開示されている。
特許文献1に記載の位置決め制御装置は、共振周波数近傍の値をノッチフィルタによりフィルタリングすることで、開ループにおける制御ゲインを大きくするような制御装置である。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−285786号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来技術の第一例,第二例におけるフルクローズド制御系では、理論上は搬送対象の位置を正確に制御することができる。
しかしながら、従来技術の第一例の機械装置のように、制御対象機械20の伝達機構において、例えば送りねじ12のバックラッシまたはカップリング14のねじれなどの誤差要素が多く含まれる場合には、安定な制御が困難であった。
【0016】
これは、図13で示すように、モータエンコーダ16にて検出されるモータ15の速度情報(スライド移動部11等の誤差要素に影響されない)と、リニアスケール13にて検出されるスライド移動部11の位置情報(スライド移動部11等の誤差要素に影響される)とは、伝達機構の誤差要素によるズレが生じており、位置制御が不安定になることに起因するものである。
【0017】
また、リニアスケール13の分解能がモータエンコーダ16の分解能よりも低い場合には、速度が素早く追値し、かつ、位置が粗いことに起因して階段状に移動するようになり、滑らかな制御にならないという問題があった。
【0018】
また、従来技術の第二例の機械装置のように、すべりがある場合にも安定な制御が困難であった。これは、機械の伝達機構にすべりがある場合には、図14で示すように、モータエンコーダ36にて検出されるモータ35の速度情報(線体31のすべりに影響されない)と、外部エンコーダ33にて検出される線体31の位置情報(線体31のすべりに影響される)とは、すべりなどによるズレが生じるため制御が不安定になってしまうことに起因するものであった。
【0019】
また、外部エンコーダ33の分解能が粗い場合には、速度が素早く追値し、かつ、位置が粗いことに起因して階段状に移動するようになり、滑らかな制御にならないという問題があった。
【0020】
また、特許文献1の位置決め制御装置では、位相進み遅れ補償器・ゲイン調整等で対応しているが、先に説明した誤差要素に起因する場合に対処できるものではなく、制御が不安定になるおそれがあるというものであり、従来技術と同様の問題点を含むものであった。
【0021】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、誤差要素を含む制御対象機械に対しても、安定した制御を行うような機械制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決する請求項1に係る発明の機械制御装置は、
駆動源により搬送対象が搬送駆動されるときに駆動源の位置検出器および搬送対象の位置検出器がそれぞれ位置検出値を出力する制御対象機械に対し、位置指令値に基づいて目標位置へ移動するよう制御する機械制御装置であって、
搬送対象の位置検出値から所定周波数領域を除く成分を通過させる第1フィルタ手段と、
駆動源の位置検出値から所定周波数領域の成分を含む領域を通過させる第2フィルタ手段と、
第1フィルタ手段からの出力および第2フィルタ手段からの出力を加算して合成位置検出値を出力する加算手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項2に係る発明の機械制御装置は、
請求項1に記載の機械制御装置において、
第1フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を除く周波数特性を有し、第2フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を通過させる周波数特性を有することを特徴とする。
【0024】
また、請求項3に係る発明の機械制御装置は、
請求項1または2に記載の機械制御装置において、
前記第1フィルタ手段はローパスフィルタとし、前記第2フィルタ手段はハイパスフィルタとすることを特徴とする。
【0025】
また、請求項4に係る発明の機械制御装置は、
請求項1または2に記載の機械制御装置において、
前記第1フィルタ手段はバンドエリミネータフィルタとし、前記第2フィルタ手段はバンドパスフィルタとすることを特徴とする。
【0026】
また、請求項5に係る発明の機械制御装置は、
駆動源により搬送対象が搬送駆動されるときに駆動源の位置検出器および搬送対象の位置検出器がそれぞれ位置検出値を出力する制御対象機械に対し、位置指令値に基づいて目標位置へ移動するよう制御する機械制御装置であって、
搬送対象の位置検出値から駆動源の位置検出値を減算する第1減算手段と、
第1減算手段の出力から所定周波数領域の成分を通過させるフィルタ手段と、
フィルタ手段からの出力および駆動源の位置検出値を加算して合成位置検出値を出力する加算手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
また、請求項6に係る発明の機械制御装置は、
請求項5に記載の機械制御装置において、
フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を除く周波数特性を有することを特徴とする。
【0028】
また、請求項7に係る発明の機械制御装置は、
請求項5または6に記載の機械制御装置において、
前記フィルタ手段はローパスフィルタとすることを特徴とする。
【0029】
また、請求項8に係る発明の機械制御装置は、
請求項5または6に記載の機械制御装置において、
前記フィルタ手段はバンドエリミネータフィルタとすることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の請求項1,2の発明に係る機械制御装置の第1実施形態について説明する。図1は機械制御装置および制御対象機械を含む機械装置の構成図、図2は本発明の機械制御装置の位置制御手段の構成図である。
本実施形態の機械装置は、基本的には図13で示した従来技術の機械装置の構成と同様であるが、図1で示す機械制御装置1の位置制御手段3が新規な点および入力する位置検出値が相違する。
【0031】
機械装置は、図1に示すように、機械制御装置1と制御対象機械10とを備えている。
制御対象機械10は、従来技術の構成と同様に、スライド移動部11と、送りねじ12と、リニアスケール13と、カップリング14と、モータ15と、モータエンコーダ16とを備えている。
機械制御装置1は、指令値出力手段2と、位置制御手段3と、速度制御手段4とを備えている。
【0032】
これらのうち、制御対象機械10のスライド移動部11と、送りねじ12と、リニアスケール13と、カップリング14と、モータ15と、モータエンコーダ16は従来技術と同様であり、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。なお、この制御対象機械10にも、誤差要素、つまり、スライド移動部11と送りねじ12との間に制御の安定性を阻害するバックラッシが、また、カップリング14にねじれが含まれていることも従来と同様である。
【0033】
従来技術ではリニアスケール13(本発明の搬送対象の位置検出器の一具体例である。)によるスライド移動部11(本発明の搬送対象の一具体例である。)の位置検出値のみフィードバックして位置制御を行っていたが、本発明では、これに加えて、モータエンコーダ16(本発明の駆動源の位置検出器の一具体例である。)によるモータ15(本発明の駆動源の一具体例である。)の位置検出値もフィードバックして位置制御を行う点、また、この位置検出値を位置制御に使用するように位置制御手段3の構成を改良した点が新規な点である。
【0034】
この機械制御装置の制御対象機械10は、リニアスケール13の位置検出値とモータ15の位置検出値とを位置制御手段3へフィードバックするように構成されている。
【0035】
続いて、位置制御手段3の構成について説明する。
位置制御手段3は、図2で示すように、詳しくは第1フィルタ手段3a、第2フィルタ手段3b、加算手段3cと、減算手段3dと、ゲイン手段3eとを備えている。
【0036】
続いて、値の流れについて説明する。
指令値出力手段2は、図1で示すように、搬送対象であるスライド移動部11の目標位置を位置指令値として、位置制御手段3へ出力する。
【0037】
一方、本発明の搬送対象の一具体例であるスライド移動部11の位置を検出するリニアスケール13から位置検出値が出力され、この位置検出値は第1フィルタ手段3aに入力される。第1フィルタ手段3aは、位置検出値から所定周波数領域を除く領域を通過させた上で、第1のフィルタリング済み位置検出値を出力する。
【0038】
同様に、本発明の駆動源の一具体例であるモータ15の位置を検出するモータエンコーダ16から位置検出値が出力され、この位置検出値は第2フィルタ手段3bに入力される。第2フィルタ手段3bは、位置検出値から所定周波数領域を含む領域を通過させた上で、第2のフィルタリング済み位置検出値を出力する。
【0039】
加算手段3cは、第1フィルタ手段3aからの出力である第1のフィルタリング済み位置検出値、および、第2フィルタ手段3bからの出力である第2のフィルタリング済み位置検出値を加算して合成位置検出値を出力する。
【0040】
減算手段3dは、指令値出力手段2が出力する位置指令値から、加算手段3cが出力する合成位置検出値を減算し、減算値を出力する。
ゲイン手段3eは、減算手段3dからの出力にゲインとなるゲイン定数Kpを乗じて速度指令値を出力する。
【0041】
この速度指令値は、図1で示すように速度制御手段4へ入力される。速度制御手段4は、ゲイン手段3eから出力された速度指令値に基づいてトルク指令値を出力する。
このトルク指令値により、モータ15が駆動される。
【0042】
この位置制御手段3では、第1フィルタ手段3aは制御対象機械10に固有の振動周波数の近傍領域を除くような周波数特性を有し、かつ、第2フィルタ手段3bは制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を含むような周波数特性を有するようにしている。なお、この振動周波数は制御対象機械を組み立てて実験的・理論的に予め算出されているものとし、第1フィルタ手段3aおよび第2フィルタ手段3bのそれぞれの周波数特性も予め決定されるものとする。
【0043】
このようにモータエンコーダの検出位置を併用することで、搬送対象であるスライド移動部11を正確に目標位置へ止めるような比較的遅い動作はリニアスケール13の位置検出値で対応することに加え、誤差要素による共振などの比較的速い動作はモータエンコーダ16の位置検出値で対応できることから、安定したフルクローズド制御ができ、制御対象機械の位置精度とともに制御の安定性も確保できるようになる。
【0044】
続いて、本発明の請求項3の発明に係る機械制御装置の第2実施形態について説明する。図3は位置制御手段の構成図、図4は周波数領域を説明するための説明図である。
本実施形態では、第1実施形態の第1フィルタ手段3aおよび第2フィルタ手段3bをより具体化したものであり、詳しくは、第1実施形態の第1フィルタ手段3aをローパスフィルタ3a’とし、第2フィルタ手段3bをハイパスフィルタ3b’としたものである。
【0045】
ここに図4を用いてこれらフィルタの通過できる周波数領域について説明する。
図4で示すようにローパスフィルタ3a’が通過させる周波数領域は、振動周波数領域が含まれないような領域(図4の実線で表される特性)であり、また、ハイパスフィルタ3b’は振動周波数領域が含まれるような領域(図4の点線で表される特性)である。このように構成することで、第1実施形態と同様に、安定したフルクローズド制御系を構築することができる。
【0046】
続いて、本発明の請求項4の発明に係る機械制御装置の第3実施形態について説明する。図5は位置制御手段の構成図、図6は周波数領域を説明するための説明図である。
本実施形態でも、第2実施形態と同様に、第1実施形態の第1フィルタ手段3aおよび第2フィルタ手段3bをより具体化したものであり、詳しくは、第1実施形態の第1フィルタ手段3aをバンドエリミネータフィルタ3a”とし、第2フィルタ手段3bをバンドパスフィルタ3b”としたものである。
【0047】
ここに図6を用いてこれらフィルタの通過できる周波数領域について説明する。
図6で示すようにバンドエリミネータフィルタ3a”が通過させる周波数領域(図6の実線で表される特性)は、振動周波数領域近傍を除去して振動周波数領域が含まれないような領域とし、また、バンドパスフィルタ3b”が通過させる領域(図6の点線で表される特性)は、振動周波数領域近傍のみを通過させて振動周波数領域が含まれるような領域である。
このように構成することで、第1実施形態と同様に、安定したフルクローズド制御系を構築することができる。
【0048】
続いて、本発明の請求項5,6の発明に係る機械制御装置の第4実施形態について説明する。図7は機械制御装置および制御対象機械を含む機械装置の構成図、図8は位置制御手段の構成図である。
本実施形態の機械装置は、基本的には図14で示した従来技術の機械装置の構成と同様であるが、図7で示す機械制御装置5の位置制御手段7および入力される位置検出値が新規な点が相違する。
【0049】
機械装置は、図7に示すように、機械制御装置5と制御対象機械30とを備えている。
制御対象機械30は、従来技術の構成と同様に、搬送対象である線体31を繰り出す機械であり、従動ローラ32と、外部エンコーダ33と、送り出しローラ34と、モータ35と、モータエンコーダ36とを備えている。
機械制御装置5は、指令値出力手段6と、位置制御手段7と、速度制御手段8とを備えている。
【0050】
これらのうち、制御対象機械30の従動ローラ32と、外部エンコーダ33と、送り出しローラ34と、モータ35と、モータエンコーダ36とは従来技術と同様であり、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略する。なお、この制御対象機械30にも、機械の伝達機構にすべりや外部エンコーダの分解能が粗いことに起因する滑らかな制御にならないという問題を内在することも従来と同様である。
【0051】
従来技術では線体31(本発明の搬送対象の一具体例である。)の移動を従動ローラ32の回転に変換し、外部エンコーダ33(本発明の搬送対象の位置検出器の一具体例である。)により、回転位置を位置検出値として出力し、この位置検出値のみフィードバックして位置制御を行っていたが、本発明では、これに加えて、モータエンコーダ36(本発明の駆動源の位置検出器の一具体例である。)によるモータ35(本発明の駆動源の一具体例である。)の位置検出値もフィードバックして位置制御を行う点、また、この位置検出値を位置制御に使用するよう位置制御手段7の構成を改良した点が新規な点である。
【0052】
この機械装置の制御対象機械30は、外部エンコーダ33の位置検出値とモータエンコーダ36の位置検出値とを位置制御手段7へフィードバックするように構成されている。
【0053】
続いて、位置制御手段7の構成について説明する。
位置制御手段7は、図8で示すように、詳しくは第1減算手段7a、フィルタ手段7b、加算手段7cと、第2減算手段7dと、ゲイン手段7eとを備えている。
【0054】
続いて、値の流れについて説明する。
指令値出力手段6は、図7で示すように、搬送対象である線体31の移動量を従動ローラ32の位置に換算した位置指令値を、位置制御手段3へ出力する。
一方、本発明の送り出しローラ34・従動ローラ32により繰り出される線体31の位置を検出するため、外部エンコーダ33から位置検出値が出力される。
同様に、本発明の駆動源の一具体例であるモータ35の位置を検出するモータエンコーダ36からも位置検出値が出力される。
【0055】
第1減算手段7aは、外部エンコーダ33の位置検出値から、駆動源の一具体例であるモータ35の位置を検出するモータエンコーダ36からの位置検出値を、減算して第1の減算値を出力する。
フィルタ手段7bは、第1減算手段7aが出力する第1の減算値から所定領域の成分を通過させてフィルタリング済み減算値を出力する。
【0056】
加算手段7cは、フィルタ手段7bから出力されるフィルタリング済み減算値、および、モータエンコーダ36から出力されるモータ35の位置検出値を加算して合成位置検出値を出力する。
第2減算手段7dは、指令値出力手段6が出力する位置指令値から、加算手段7cが出力する合成位置検出値を減算し、第2の減算値を出力する。
ゲイン手段7eは、第2減算手段7dが出力する第2の減算値にゲインとなるゲイン定数Kpを乗じて速度指令値を出力する。
【0057】
この速度指令値は、図7で示すように速度制御手段8へ入力される。速度制御手段8は、ゲイン手段7eから出力された速度指令値に基づいてトルク指令値を出力する。
このトルク指令値により、モータ35が駆動される。
【0058】
この位置制御手段7では、外部エンコーダ33の位置検出値から、モータエンコーダ36の位置検出値を減算し、フィルタ手段7bにより制御対象機械10に固有の振動周波数の近傍領域を除き、その上で、再度モータエンコーダ36の位置検出値を加算している。
【0059】
このように構成することで、モータエンコーダ36の位置検出値は、制御対象機器10に固有の振動周波数を含む領域を通過させたフィルタリング済み位置検出値として、加算手段7cに入力されることと同等となり、第1実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、モータエンコーダ36によって検出したモータ35の位置検出値を位置制御に使用することで、機械の伝達機構に含まれるすべり等の誤差要素があっても、安定した制御を行うことができるようになる。
【0060】
続いて、本発明の請求項7の発明に係る機械制御装置の第5実施形態について説明する。図9は位置制御手段の構成図、図10は周波数領域を説明するための説明図である。
本実施形態では、第4実施形態のフィルタ手段7bをより具体化したものであり、詳しくは、第4実施形態のフィルタ手段7bをローパスフィルタ7b’としたものである。
【0061】
ここに図10を用いてこのローパスフィルタが通過させる周波数領域の特性について説明する。
図10で示すようにローパスフィルタ7b’が通過させる周波数領域は、振動周波数領域が含まれないような領域(図10の実線で表される特性)である。
【0062】
この場合、モータエンコーダ36の検出位置を、直接加算手段7cへ入力するルートと、第1減算手段7aからフィルタ手段7bを通って加算手段7cへ入力するルートを合わせて考えると、もとの検出位置にハイパスフィルタを通したものと同様の動作となる。すなわち、一つのローパスフィルタで第2実施形態の位置制御装置3と同様の動作を行わせることができ、安定したフルクローズド制御を行うことができる。
【0063】
続いて、本発明の請求項8の発明に係る機械制御装置の第6実施形態について説明する。図11は位置制御手段の構成図、図12は周波数領域を説明するための説明図である。
本実施形態でも、第6実施形態と同様に、第4実施形態のフィルタ手段7bをより具体化したものであり、詳しくは、第4実施形態のフィルタ手段7bをバンドエリミネータフィルタ7b”としたものである。
【0064】
ここに図12を用いてこれらフィルタの通過できる周波数領域について説明する。
図12で示すようにバンドエリミネータフィルタ7b”が通過させる周波数領域(図6の実線で表される特性)は、振動周波数領域近傍を除去して振動周波数領域が含まれないような領域である。
【0065】
モータエンコーダ6の検出位置は、第5実施形態と同様の考え方で、もとの位置にバンドパスフィルタを通したことと同様の動作となる。すなわち、一つのバンドエリミネータフィルタ7b”で第3実施形態と同様の動作を行うことができ、安定したフルクローズド制御を行うことができる。
【0066】
以上本発明の第1〜第6の実施形態について説明した。
これら第1〜第3実施形態の位置制御手段3では、ゲイン手段3eへ入力される減算手段3dからの減算値が振動要素を含まないため、ゲインを増加させて追値性等を向上させることもできる。この点は第4〜第6実施形態の位置制御手段7でも同様である。
【0067】
また、第1〜第3本実施形態では、説明の具体化のため、送りねじとスライドレール装置とを用いる制御対象機械10について説明した。しかしながら、制御対象機械はこのような機械に限定する趣旨ではなく、例えば、回転駆動用のモータにボールねじを連結したスライドレール装置を移動させ、アーム先端の重量物を移動させる制御対象機械、同様に回転駆動用モータとベルトを用いる制御対象機械、ラック・ピニオンを用いる制御対象機械、リニアモータを用いる制御対象機械などに適用することができる。
【0068】
また、第4〜第6実施形態ではケーブル等の線体を繰り出すための送り出しローラ・従動ローラについて説明したが、これはローラに限定される趣旨ではなく、例えば、一対のキャタピラによる搬送手段、三個またはそれ以上の個数のローラ搬送手段など各種構成を採用することができる。
【0069】
また、第1〜第3実施形態で制御対象機械10を機械制御装置1で制御し、また、第4〜第6実施形態で制御対象機械30を機械制御装置5で制御するものとして説明したが、これら制御対象機械10を機械制御装置5で制御し、また、第4〜第6実施形態で制御対象機械30を機械制御装置1で制御するものとしても本発明の実施は可能である。
これらは事情に応じて適宜選択できる。
【0070】
【発明の効果】
以上本発明によれば、非線形要素・すべりという誤差要素を含む制御対象機械に対し、安定した制御を行うような機械制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械制御装置および制御対象機械を含む機械装置の構成図である。
【図2】本発明の機械制御装置の位置制御手段の構成図である。
【図3】位置制御手段の構成図である。
【図4】周波数領域を説明するための説明図である。
【図5】位置制御手段の構成図である。
【図6】周波数領域を説明するための説明図である。
【図7】機械制御装置および制御対象機械を含む機械装置の構成図である。
【図8】本発明の機械制御装置の位置制御手段の構成図である。
【図9】位置制御手段の構成図である。
【図10】周波数領域を説明するための説明図である。
【図11】位置制御手段の構成図である。
【図12】周波数領域を説明するための説明図である。
【図13】送りねじ機構を含む機械装置の構成図である。
【図14】ケーブル等の線体を繰り出す機械装置の構成図である。
【符号の説明】
1 機械制御装置
2 指令値出力手段
3 位置制御手段
3a 第1フィルタ手段
3a’ ローパスフィルタ
3a” バンドエリミネータフィルタ
3b 第2フィルタ手段
3b’ ハイパスフィルタ
3b” バンドパスフィルタ
3c 加算手段
3d 減算手段
3e ゲイン手段
4 速度制御手段
5 機械制御装置
6 指令値出力手段
7 位置制御手段
7a 第1減算手段
7b フィルタ手段
7b’ ローパスフィルタ
7b” バンドエリミネータフィルタ
7c 加算手段
7d 第2減算手段
7e ゲイン手段
8 速度制御手段
10 制御対象機械
11 スライド移動部
12 送りねじ
13 リニアスケール
14 カップリング
15 モータ
16 モータエンコーダ
20 機械制御装置
21 指令値出力手段
22 位置制御手段
23 速度制御手段
30 制御対象機械
31 線体
32 従動ローラ
33 外部エンコーダ
34 送り出しローラ
35 モータ
36 モータエンコーダ

Claims (8)

  1. 駆動源により搬送対象が搬送駆動されるときに駆動源の位置検出器および搬送対象の位置検出器がそれぞれ位置検出値を出力する制御対象機械に対し、位置指令値に基づいて目標位置へ移動するよう制御する機械制御装置であって、
    搬送対象の位置検出値から所定周波数領域を除く成分を通過させる第1フィルタ手段と、
    駆動源の位置検出値から所定周波数領域の成分を含む領域を通過させる第2フィルタ手段と、
    第1フィルタ手段からの出力および第2フィルタ手段からの出力を加算して合成位置検出値を出力する加算手段とを備えることを特徴とする機械制御装置。
  2. 請求項1に記載の機械制御装置において、
    第1フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を除く周波数特性を有し、第2フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を通過させる周波数特性を有することを特徴とする機械制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の機械制御装置において、
    前記第1フィルタ手段はローパスフィルタとし、前記第2フィルタ手段はハイパスフィルタとすることを特徴とする機械制御装置。
  4. 請求項1または2に記載の機械制御装置において、
    前記第1フィルタ手段はバンドエリミネータフィルタとし、前記第2フィルタ手段はバンドパスフィルタとすることを特徴とする機械制御装置。
  5. 駆動源により搬送対象が搬送駆動されるときに駆動源の位置検出器および搬送対象の位置検出器がそれぞれ位置検出値を出力する制御対象機械に対し、位置指令値に基づいて目標位置へ移動するよう制御する機械制御装置であって、
    搬送対象の位置検出値から駆動源の位置検出値を減算する第1減算手段と、
    第1減算手段の出力から所定周波数領域の成分を通過させるフィルタ手段と、
    フィルタ手段からの出力および駆動源の位置検出値を加算して合成位置検出値を出力する加算手段とを備えることを特徴とする機械制御装置。
  6. 請求項5に記載の機械制御装置において、
    フィルタ手段は制御対象機械に固有の振動周波数の近傍領域を除く周波数特性を有することを特徴とする機械制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の機械制御装置において、
    前記フィルタ手段はローパスフィルタとすることを特徴とする機械制御装置。
  8. 請求項5または6に記載の機械制御装置において、
    前記フィルタ手段はバンドエリミネータフィルタとすることを特徴とする機械制御装置。
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