JP2004171282A - クライアント装置、それを備える制御システム、および、そのプログラム - Google Patents

クライアント装置、それを備える制御システム、および、そのプログラム Download PDF

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賢治 浦川
Masao Saito
昌夫 斉藤
Takeshi Ikezoe
剛 池添
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Abstract

【課題】表示装置に蓄積された複数のデータ系列のうち、表示装置でグラフ表示するように定められた特定のデータ系列をクライアント装置でグラフ表示する際の表現力を比較的容易に向上可能で、しかも、高速にグラフ表示を切り換え可能なクライアント装置を実現する。
【解決手段】クライアント装置6のアプリケーション制御部72は、トレンドグラフの表示指示を受け付けると、プログラマブル表示器14が表示可能なトレンド画面全てのグラフを表示するためのデータを取得する。また、アプリケーション制御部72は、表計算アプリケーション71用のアプリケーションデータとして、各トレンド画面に対応するシートを持ち、各シートにそれぞれのトレンド画面のグラフを表示するためのデータが格納されたアプリケーションデータを生成し、表示用アプリケーション71にグラフ表示させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置から、データを取得可能なクライアント装置、および、それを備えた制御システム、並びに、そのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16に示す従来の制御システム101において、ローカル制御システム内のプログラマブル表示器114は、プロジェクトファイルに基づいて、ターゲットシステム102のデバイス102aの状態を表示すると共に、デバイス102aへの状態制御操作を受け付けている(例えば、後述の特許文献1参照)。
【0003】
一方、上記ローカル制御システムには、インターネット104を介して接続されるクライアント装置106からの要求を受け付ける制御用ホストコンピュータ117が設けられており、当該制御用ホストコンピュータ117の公開用ファイル生成部171は、上記プログラマブル表示器114が参照するプロジェクトファイルに基づいて、クライアント装置106が理解可能な公開ファイルを生成し、公開サーバ部172は、当該公開用ファイルをクライアント装置106へ送信する。
【0004】
クライアント装置106は、公開用ファイルを参照して、当該公開用ファイルが表示を指示するデバイス102aの状態を表示すると共に、公開用ファイルが操作受け付けを指示するデバイス102aへの操作を受け付ける。
【0005】
これにより、クライアント装置106用の操作画面を新たに設計することなく、クライアント装置106で、デバイス102aの状態を表示したり、操作を受け付けることができる。
【0006】
なお、デバイス102aの状態は、プログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCと略称する)113、プログラマブル表示器114および上記公開サーバ部172を介して、クライアント装置106に伝えられ、クライアント装置106によるデバイス102aの状態制御指示は、公開サーバ部172、プログラマブル表示器114、PLC113を介して、デバイス102aへ伝えられる。
【0007】
また、プログラマブル表示器114は、例えば、予め定められたデバイス102aの状態やアラームなどの情報をデータ蓄積部127に蓄積しており、上記プロジェクトファイルに基づいて表示される画面に、蓄積データを表示するための領域を設けることができる。
【0008】
さらに、例えば、図17に示す制御システム101aは、プログラマブル表示器114に蓄積されたデータを取得可能で、上記公開用ファイル生成部171および公開サーバ部172を有する公開サーバ装置107を備えており、当該公開サーバ装置107には、上記蓄積データをクライアント装置106に表示させるための蓄積データ表示ファイルを生成する蓄積データ表示ファイル生成部173が設けられている(後述の特許文献2参照)。
【0009】
なお、当該制御システム101aでは、制御用ホストコンピュータ117とは別に公開サーバ装置107が設けられており、上記公開用ファイル生成部171および公開サーバ部172は、制御用ホストコンピュータ117に設けられたデータ通信処理部174と通信して、プロジェクトファイルやプログラマブル表示器114の蓄積データを取得する。
【0010】
当該構成では、上記蓄積データ表示ファイル生成部173がプログラマブル表示器114に蓄積されたデータを取得すると共に、取得したデータを折れ線などにグラフ化して、クライアント装置106に送信することによって、クライアント装置106にグラフを表示させている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−268106号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2002−91557号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、グラフ表示する際の表現力の向上に手間がかかると共に、グラフを切り換える時の速度が低下しがちである。
【0014】
具体的には、上記プログラマブル表示器114は、プロジェクトファイルに基づいて、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示できる。当該特定のデータ系列は、多くの場合、ローカル制御システム103の状態を的確にオペレータへ伝えるために、複数用意されており、プログラマブル表示器114のオペレータは、これらの画面を切り換えることで、各特定のデータ系列の時間変化や、特定のデータ系列に含まれる各データ系列間の相関などを認識し、ローカル制御システム103の状態を把握している。
【0015】
ところが、上記制御システム101aでは、公開サーバ装置107の蓄積データ表示ファイル生成部173が、プログラマブル表示器114に蓄積されたデータを取得すると共に、取得したデータを折れ線などにグラフ化して、クライアント装置106に送信することによって、クライアント装置106にグラフを表示させている。この場合は、クライアント装置106のユーザがグラフ表示を切り換える度に、公開サーバ装置107からクライアント装置106へ当該グラフ化されたデータが送信されるので、グラフ表示の切り換えに時間がかかる虞れがある。
【0016】
また、グラフの表現力を向上するためには、蓄積データ表示ファイル生成部173のグラフ化プログラムを変更する必要があるので、グラフの表現力向上に手間がかかる。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置に蓄積された複数のデータ系列のうち、表示装置でグラフ表示するように定められた特定のデータ系列をクライアント装置でグラフ表示する際の表現力を比較的容易に向上可能で、しかも、高速にグラフ表示を切り換え可能なクライアント装置、および、それを備えた制御システム、並びに、そのプログラムを実現することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係るクライアント装置は、上記課題を解決するために、予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置から、データを取得可能なクライアント装置において、複数のシートを切り換えて、各シートのデータをグラフ表示できるグラフ表示アプリケーションを制御するアプリケーション制御手段を備え、当該アプリケーション制御手段は、グラフ表示が指示された場合、上記各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得すると共に、上記グラフ表示アプリケーション用のアプリケーションデータとして、上記各特定のデータ系列のそれぞれに対応するシートが設けられたアプリケーションデータであって、しかも、各シートへ、それぞれに対応するデータ系列が入力されたアプリケーションデータを生成して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させることを特徴としている。
【0019】
上記構成において、グラフ表示が指示された場合、アプリケーション制御手段は、例えば、表示装置と直接通信したり、表示装置からデータを取得可能な中継装置に、表示装置からのデータ取得を指示したりして、表示装置から上記各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得する。さらに、当該アプリケーション制御手段は、上記アプリケーションデータを生成して、グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる。
【0020】
これにより、アプリケーション制御手段によって制御されたグラフ表示アプリケーションは、表示装置が、グラフ表示する特定のデータ系列をグラフ表示できる。したがって、グラフ表示アプリケーションとして、多くの表示形式でグラフ表示可能であり、グラフ表示の際の表現力が高いグラフ表示アプリケーションを選択しておくことによって、新たな表現形式でグラフ表示するプログラムを作成する場合よりも容易に、グラフ表示の表現力を向上できる。
【0021】
なお、上記特定のデータ系列は、表示装置で表示されている1または複数のデータ系列である。したがって、当該特定のデータ系列単位でグラフ表示することによって、クライアント装置用の画面が特に設計されていないにも拘わらず、表示装置と同様に、クライアント装置のユーザは、データ系列の変化や各データ系列の相関を的確に把握できる。
【0022】
さらに、グラフ表示アプリケーションでのシートを切り換えによって、表示中の特定のデータ系列を変更できる。したがって、グラフ表示中の特定のデータ系列を切り換える度に、表示装置からデータを取得する場合よりも高速に切り換えることができ、クライアント装置の操作性を向上できる。
【0023】
なお、グラフ表示アプリケーションを起動する際には、上記各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得し、それに基づいてアプリケーションデータを生成する必要がある。ところが、一般に、グラフ表示アプリケーションの起動には、アプリケーションプログラムの実行に必要なメモリを確保したり、種々のプログラムモジュールを初期化したりする必要があるので、ある程度の時間を必要とする。一方、グラフの描画は、グラフ表示アプリケーションが担当しているので、クライアント装置は、表示に必要な数値データと、必要であれば、それに付随する文字データとを取得すればよく、クライアント装置が取得する必要のあるデータ量は、比較的少ない。また、アプリケーションデータの生成に必要な演算量も上記数値データなどを処理すればよいので比較的少ない。したがって、各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得し、それに応じたアプリケーションデータを生成することによって、グラフ表示までに必要な時間が増加したとしても、その増加量は、グラフ表示アプリケーションの起動時間と比較すると余り大きくないので、ユーザは、所要時間の増加を感じにくい。
【0024】
一方、請求項2の発明に係る制御システムは、上記課題を解決するために、予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置と、当該表示装置からデータを取得する請求項1記載のクライアント装置とを備えた制御システムであって、上記表示装置は、制御用表示装置であって、第1データファイルを参照して、デバイスの状態を示す操作画面を表示すると共にデバイスへの操作を受け付け、上記制御システムには、クライアント装置の制御用アプリケーションが上記第1データファイルによって表示指示されたデバイスの状態を表示すると共に当該第1データファイルによって操作受付指示されたデバイスへの操作を受け付ける際に参照する第2データファイルに変換する変換手段が設けられていると共に、上記変換手段は、上記第1データファイルが上記グラフの表示を指示している場合、上記クライアント装置の制御用アプリケーションに当該グラフの表示指示を受け付けさせる第2データファイルであって、しかも、当該表示指示を受け付けたときに、上記アプリケーション制御手段に指示して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる第2データファイルに変換することを特徴としている。
【0025】
上記構成では、クライアント装置は、制御用表示装置が参照する第1データファイルに基づいて生成された第2データファイルを参照して、上記第1データファイルが表示を指示するデバイスの状態を表示すると共に当該第1データファイルが操作受け付けを指示するデバイスへの操作を受け付けている。これにより、クライアント装置は、クライアント装置用の操作画面を新たに設計することなく、制御用表示装置と同様に、デバイスの状態を表示したり、デバイスへの操作を受け付けることができる。
【0026】
ここで、制御用表示装置としての表示装置は、特定のデータ系列をグラフ表示する際、自らに蓄積されているデータ系列を取得すればよいのに対して、クライアント装置がグラフ表示しようとすると、制御用表示装置から特定のデータ系列を取得する必要があり、それぞれがデータ系列を取得するために必要な時間は、互いに大きく異なっている。また、当該データ系列は、デバイスの現状だけではなく、過去のデータも含んでいることが多いので、デバイスの現状よりもデータ量が多くなりがちである。
【0027】
したがって、上記デバイスの現状を表示する領域とグラフ表示する領域とを含む操作画面の表示を指示する第1データファイルを変換して第2データファイルに変換する際、クライアント装置でもデバイスの現状とグラフとを表示させようとすると、クライアント装置が取得する必要のあるデータ量が増大するので、クライアント装置がデバイスの現状を表示し、デバイスの現状を操作する際の動作速度が低下する虞れがある。
【0028】
ところが、上記変換手段は、上記第1データファイルが蓄積データの表示を指示している場合、上記クライアント装置の制御用アプリケーションにグラフの表示指示を受け付けさせるための第2データファイルを生成する。この場合、当該第2データファイルを参照して動作するクライアント装置は、グラフの表示指示を受け付ければよく、グラフ自体を表示する必要がないため、画面表示の際、制御用表示装置からグラフ表示のためのデータ系列を取得する必要がない。
【0029】
したがって、クライアント装置でもデバイスの現状とグラフとを表示させようとする場合と比較して、クライアント装置が取得する必要のあるデータ量を削減できる。この結果、クライアント装置が上記操作画面に対応する画面を表示する場合であっても、クライアント装置がデバイスの現状を表示し、デバイスの現状を操作する際の動作速度低下を抑制できる。
【0030】
一方、グラフ表示が指示されると、第2データファイルに基づいて動作するクライアント装置は、上記アプリケーション制御手段に指示して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる。したがって、請求項1と同様に、特定のデータ系列をグラフ表示する際の表現力を比較的容易に向上できると共に、グラフを切り換える時の速度を向上できる。
【0031】
ところで、上記クライアント装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させて実現してもよい。具体的には、請求項3の発明に係るプログラムは、上記グラフ表示アプリケーションがインストールされているコンピュータを、請求項1記載のアプリケーション制御手段として動作させるプログラムである。
【0032】
したがって、当該プログラムが上記コンピュータで実行されると、当該コンピュータは、請求項1記載のクライアント装置として動作する。したがって、請求項1と同様に、特定のデータ系列をグラフ表示する際の表現力を比較的容易に向上できると共に、グラフを切り換える時の速度を向上できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係る制御システム1は、クライアント装置において、ローカル制御システム内の機器に蓄積されたデータをグラフ表示する際の表現力と表示するグラフを変更する時の切り換え速度とを向上可能なシステムであって、図1に示すように、ターゲットシステム2を制御するローカル制御システム3へ、インターネット4およびゲートウェイ5を介してアクセスするクライアント装置6を備えている。
【0034】
以下では、蓄積データをグラフ表示するための構成および動作について説明する前に、クライアント装置6およびローカル制御システム3の概略構成および動作について簡単に説明する。
【0035】
すなわち、上記クライアント装置6は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどであり、上記ゲートウェイ5と接続するためのローカルエリアネットワーク・インターフェース部(LAN・IF部)61を備えており、ゲートウェイ5およびインターネット4を介して、ローカル制御システム3と通信することができる。なお、図1では、クライアント装置6がLAN・IF部61を備え、クライアント装置6がゲートウェイ5を介してインターネット4と接続される場合を例示しているが、ゲートウェイ5およびLAN・IF部61の組み合わせに限るものではなく、クライアント装置6がインターネット4と接続するための手段(例えば、モデムやモデムと接続するためのインターフェースなど)を備えていれば、同様の効果が得られる。
【0036】
また、クライアント装置6は、Java(登録商標)言語のプログラムを実行可能なバーチャルマシン62と、例えば、汎用のブラウザソフトなどにより実現されるブラウザ63とを備えている。なお、上記バーチャルマシン62およびブラウザ63が特許請求の範囲に記載の制御用アプリケーションに対応する。
【0037】
上記ブラウザ63は、インターネット4に接続された機器と通信し、受け取ったアプレットをバーチャルマシン62に実行させることができる。また、当該ブラウザ63は、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのプロトコルで任意のサーバ装置からHTML( HyperText Markup Language)文書などの文書を受け取り、当該文書を閲覧することもできる。
【0038】
一方、上記ローカル制御システム3には、複数の制御ユニット11がローカルエリアネットワーク(LAN)12を介して接続されている。各制御ユニット11には、上記ターゲットシステム2のデバイス2aを制御する制御装置としてのPLC13と、例えば、シリアルケーブルなどを介して、当該PLC13に接続されると共に、ローカル制御システム3のHMIとして、デバイス2aの状態を表示し、オペレータによるデバイス2aへの操作を受け付けるプログラマブル表示器(表示装置;制御用表示装置)14とが設けられている。
【0039】
なお、図1では、説明の便宜上、LAN12に2つの制御ユニット11が接続され、各制御ユニット11のプログラマブル表示器14に、PLC13がそれぞれ1台ずつ接続されると共に、各PLC13にデバイス2aが1台ずつ接続されている場合を例示しているが、当然ながら、それぞれの接続台数は任意に設定できる。
【0040】
また、デバイスは、デバイスアドレスやシンボル名により特定可能で、しかも、状態を取得したり、制御(変更)できるものであればよく、例えば、デバイス2a自体であってもよいし、例えば、PLC13やプログラマブル表示器14の記憶装置など、ローカル制御システム3に設けられた記憶装置の一領域を示していてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態に係るローカル制御システム3では、上記各制御ユニット11間を接続する際、プログラマブル表示器14同士が、例えば、イーサネット(登録商標)などのLAN12を介して接続されている。
【0042】
このように、本実施形態に係るローカル制御システム3では、ローカル制御システム3に必須の構成であり、しかも、HMIとして動作するため、演算能力に余力のあるプログラマブル表示器14が通信の大半を処理するように構成されている。さらに、各プログラマブル表示器14は、自らに接続されているPLC13の機種に固有の専用プロトコルと、LAN12での共通プロトコルとを変換して、他のプログラマブル表示器14など、LAN12内の機器と、PLC13との通信を中継する。なお、共通プロトコルと専用プロトコルとの間のプロトコル変換には、同じ指示に同じコードが割り当てられるように予め定められた共通のコマンドと上記共通のコマンドに対応するPLC13固有のコマンドとの間の変換や、データやアドレスの表現方法の変換、シンボル名とデバイスアドレスとの間の変換なども含まれる。
【0043】
これにより、プログラマブル表示器14など、LAN12内の機器は、他のプログラマブル表示器14に接続されているPLC13の機種に拘らず、LAN12を介して共通のプロトコルで通信できる。この結果、互いに異なる機種のPLC13の混在するローカル制御システム3が比較的容易に実現されている。
【0044】
より詳細には、上記プログラマブル表示器14は、表示/制御動作を規定するプロジェクトファイルに基づいて、入力受け付け動作および画面表示動作を行う表示器である。上記プロジェクトファイルは、画面上の領域と、当該領域への表示に対応するデバイスとの対応関係を示す表示タグや、画面上の領域と当該領域への入力に対応するデバイスとの対応関係を示す入力タグなどのタグ(処理指示語)を含んでいる。さらに、本実施形態に係るプログラマブル表示器14は、複数の単位画面を切り換え表示可能であり、上記プロジェクトファイル中の各タグは、単位画面の少なくとも1つと関連付けることができる。なお、上記タグにおいて、デバイスは、制御対象となるデバイスを特定するアドレス(デバイスアドレス)、あるいは、当該デバイスに対応するシンボル名として記述される。
【0045】
また、上記プログラマブル表示器14には、例えば、液晶表示パネルなどからなり、デバイス2aの状態を表示する表示部21と、例えば、上記パネル上に配されたタッチパネルなどからなり、オペレータからの操作を受け付ける入力部22と、上記PLC13に接続されるPLC・インターフェース部(PLC・IF部)23と、上記LAN12に接続されるLAN・IF部24と、上記プロジェクトファイルが予め格納されるプロジェクトファイル記憶部25と、プロジェクトファイル記憶部25のプロジェクトファイルを参照しながら、上記部材21〜24を制御するHMI処理部26とを備えている。
【0046】
上記HMI処理部26は、予め格納されたプロジェクトファイルから、現在表示中の単位画面に関連する表示タグを抽出すると共に、予め定められた周期毎に、各表示タグについて、当該表示タグに関連するデバイスの状態を取得する。
【0047】
例えば、上記表示タグが示すデバイスが、自らに接続されたPLC13のメモリや当該PLC13に接続されたデバイス2aの場合、上記HMI処理部26は、PLC・IF部23を介してPLC13と通信して、当該デバイス2aの状態を取得する。一方、上記表示タグが示すデバイスが、他のプログラマブル表示器14のメモリ、当該プログラマブル表示器14に接続されたPLC13のメモリ、または、当該PLC13によって制御されるデバイス2aの場合、上記HMI処理部26は、LAN・IF部24およびLAN12を介して、上記他のプログラマブル表示器14と通信し、必要に応じて、当該プログラマブル表示器14にPLC13と通信させるなどして、上記表示タグが示すデバイスの状態を取得する。
【0048】
いずれの場合であっても、各表示タグに対応するデバイスの状態が取得されると、HMI処理部26は、例えば、読み出した値に応じた部品図形など、デバイスの状態に応じ、しかも表示タグで指定された表現形式の図形を、表示部21の画面上の表示タグで指定された領域へ表示する。
【0049】
一方、プログラマブル表示器14が、入力部22への入力操作を受け付けると、HMI処理部26は、上記プロジェクトファイルから、現在表示中の単位画面に対応し、当該入力操作にマッチする入力タグを検索し、表示タグに対応するデバイスの状態を取得する場合と略同様に、自らに接続されたPLC13へ指示したり、LAN12、他のプログラマブル表示器14を介して、当該プログラマブル表示器14に接続されたPLC13へ指示したりして、入力タグが示すデバイスの状態を入力結果に応じて変更する。
【0050】
これにより、プログラマブル表示器14は、プログラマブル表示器14が示すデバイスの状態を、プロジェクトファイルが示す表現形式で、プロジェクトファイルが示す表示位置に表示したり、プロジェクトファイルが示す入力操作に応じてデバイスを制御したりできる。なお、入力操作によって変更されたデバイスの状態表示は、変更後にデバイスの状態を表示する際に更新される。
【0051】
このように、上記制御システム1では、各制御ユニット11が、LAN12を介して相互に接続されており、ある制御ユニット11の指示に応じて、他の制御ユニット11が、自らが制御対象とするデバイス2aを制御できる。これにより、各制御ユニット11によって制御されるデバイス2aは、互いに連携して動作できる。
【0052】
なお、本実施形態では、現在表示中の単位画面を格納する領域もデバイスとして扱われており、HMI処理部26は、当該デバイスの値を取得することで、現在表示中の単位画面を取得し、例えば、当該デバイスに関連付けられた入力タグなどによって、当該デバイスの値を変更させることで、現在表示中の単位画面を切り換えることができる。
【0053】
一方、上記ローカル制御システム3のLAN12には、上記プログラマブル表示器14と同一内容の操作画面をクライアント装置6に表示させるための公開用ファイルを生成する開発用コンピュータ15と、インターネット4を介して、クライアント装置6と通信する公開用コンピュータ16とが接続されている。
【0054】
上記開発用コンピュータ15は、LAN12に接続するためのLAN・IF部31と、プロジェクトファイルを記憶するプロジェクトファイル記憶部32と、プロジェクトファイル記憶部32に格納されたプロジェクトファイルに基づいて、上記公開用ファイルを生成する公開用ファイル生成部(変換手段)33とを備えている。なお、上記プロジェクトファイルが特許請求の範囲に記載の第1データファイルに対応し、公開用ファイルが第2データファイルに対応する。
【0055】
本実施形態では、上記公開用ファイルは、XML(eXtensible Mark−up Language )ファイルと、アプレットと、HTMLファイルとから構成されている。上記XMLファイルは、プロジェクトファイルの情報のうち、クライアント装置6が操作画面を表示するために必要な情報を記述したファイルである。本実施形態では、プロジェクトファイルに含まれる各単位画面(操作画面)毎に生成されており、各XMLファイルには、上記単位画面に関連する各タグを示すXML要素(エレメント)が含まれている。
【0056】
例えば、プログラマブル表示器14用の画面データ内に、単位画面=1(メイン画面)の表示タグが含まれている場合、当該メイン画面に対応するXMLファイルには、例えば、図2に示すように、当該表示タグに対応するTag要素E1が含まれている。当該Tag要素E1には、プロジェクトファイルにおいて、その表示タグを特定する事象名と、その表示タグに対応する画面上の領域(表示座標範囲)と、その表示タグによって表示される図形と、その表示タグに対応するデバイスを特定する情報(デバイスアドレスやシンボル名など)とのそれぞれに対応して、TagName要素E11と、X要素E12およびY要素E13と、LibraryNo要素E14と、BitSymbolName要素E15とが含まれており、各要素E11〜E15の内容(コンテンツ)は、上記表示タグの内容に応じて、例えば、図2の例では、”L_0000”と、−232および120と、101と、010100とに設定されている。
【0057】
また、入力タグに対応するTag要素E2では、プロジェクトファイルにおいて、その入力タグを特定する事象名と、その入力タグに対応するデバイスを特定する情報(デバイスアドレスやシンボル名など)と、その入力タグに対応する画面上の領域(有効入力範囲)とのそれぞれに対応して、TagName要素E21と、SymbolName要素E22と、X要素E23、Y要素E24、X2要素E25およびY2要素E26とが設けられ、各要素の内容は、入力タグの内容に応じて設定される。ここで、上記各要素E11〜E26などの内容は、表示タグや入力タグの内容と一致するように設定してもよいし、例えば、プログラマブル表示器14の解像度とクライアント装置6の解像度との相違などに応じた比率で拡大/縮小するなど、表示タグや入力タグの内容を所定の手順で変換して設定してもよい。
【0058】
上記公開用ファイル生成部33は、例えば、プログラマブル表示器14用のプロジェクトファイルから、ある単位画面に関連付けられたタグを順次抜き出し、当該タグに応じたXML要素を生成し、当該XML要素の内容を上記タグに応じて設定することで、当該単位画面のXMLファイルを作成できる。
【0059】
一方、アプレットは、当該XMLファイルを参照して、クライアント装置6のバーチャルマシン62に、以下の動作、すなわち、XMLファイルに記述されたデバイスの状態を、上記公開用コンピュータ16との通信によって取得する動作と、取得されたデバイスの状態を、クライアント装置6の表示画面のうちのXMLファイルが示す表示位置に、XMLファイルが示す表現形式で表示する動作と、上記表示画面のうち、XMLファイルが示す表示位置への操作を受け付ける動作と、受け付けた動作に応じた制御指示を、XMLファイルが示すデバイスへ指示するように、上記公開用コンピュータ16へ依頼する動作とを実行させるプログラムであって、本実施形態では、クライアント装置6のバーチャルマシン62が実行可能なJava(登録商標)言語で記述されたバイトコードとして実現されている。
【0060】
より詳細には、上記アプレットは、プロジェクトファイル中に出現可能なタグの種類に対応し、タグの種類に応じたメソッドが定義されたクラスと、XMLファイルを参照して、タグ種に対応するクラスのオブジェクトを生成するメソッドが定義されたクラスとを含んでおり、当該アプレットを実行するバーチャルマシン62は、XMLファイルを参照し、タグを示すXML要素に基づいて、タグ種に応じたオブジェクトを生成できる。
【0061】
上記タグ種に対応するメソッドは、例えば、表示タグの場合、所定の時間間隔で呼び出され、表示タグに対応するデバイスの状態を公開サーバ部42へ要求すると共に、応答に応じた表示を行う描画メソッドである。また、入力タグの場合は、入力イベントが発生したときに呼び出され、入力結果に応じたデータに応じて、入力タグに対応するデバイスの状態を変更するよう、公開サーバ部42へ要求する入力メソッドである。
【0062】
ここで、本実施形態に係るプロジェクトファイルでは、各単位画面の切り換え動作も、入力タグとして実現されており、当該入力タグには、デバイスとして、プログラマブル表示器14内の記憶領域のうち、現在表示中の単位画面を示すデータが格納されるシステム領域が関連付けられている。
【0063】
したがって、上記各入力メソッドのうち、上記特定のシステム領域への変更指示を要求する入力メソッドは、通常の入力メソッドと同様に、公開サーバ部42へ単位画面の変更指示を送信すると共に、変更後の単位画面に応じたXMLファイルを読み込む。これにより、クライアント装置6およびプログラマブル表示器14は、常時同じ単位画面を表示できる。
【0064】
また、上記入力メソッドは、上記特定のシステム領域への変更指示を送信する代わりに、クライアント装置6内に設けられた代替の記憶領域の内容を変更してもよい。この場合、他のメソッドにて、当該システム領域を参照する際は、公開サーバ部42へ問い合わせる代わりに上記代替の記憶領域が参照される。この場合は、クライアント装置6は、プログラマブル表示器14用の単位画面であっても、当該プログラマブル表示器14で現在表示している単位画面とは異なる単位画面を表示できる。
【0065】
さらに、例えば、後述するアプレット実行時のパラメータ設定によって指定したり、あるいは、単位画面の選択操作と連動してメニューを表示して選択させるなどして、プログラマブル表示器14と同じ単位画面を表示するか、異なる単位画面を表示するかを選択できるように、上記各メソッドを作成してもよい。この場合、同じアプレットやXMLファイルを使用しているにも拘らず、例えば、プログラマブル表示器14のオペレータの操作を監視したい場合などには、前者を選択し、オペレータの操作とは別にローカル制御システム3を監視したい場合などには、後者を選択することができる。
【0066】
また、XMLファイルを参照するメソッドは、例えば、当該XMLファイルから、タグを示すXML要素を抽出し、当該タグの種類(例えば、当該XML要素中のTagName要素の内容)に対応するクラスのオブジェクトを生成し、当該インスタンスのフィールドへ、上記タグのパラメータ(例えば、上記XML要素中の各要素の内容)を設定するなどして、XMLファイルに応じたオブジェクトを生成し、各オブジェクトのメソッドをバーチャルマシン62に実行させることができる。
【0067】
一方、HTMLファイルは、当該アプレットをバーチャルマシン62に実行させるように、クライアント装置6のブラウザ63へ指示するファイルであって、例えば、図3に示すように、上記アプレットをクライアント装置6のバーチャルマシン62へ実行させるための文字列P11と、例えば、”<HTML>”や”<TITLE>” など、HTML文書として必要な文字列P1とが含まれている。また、HTMLファイルには、例えば、アプレットが表示するプログラマブル表示器14を説明する文字や画像を表示するための文字列、あるいは、ローカル制御システム3を説明するハイパーテキスト文書へのリンクを示す文字列など、HTMLの書式に沿った文字列が含まれていてもよい。さらに、HTMLファイルには、単位画面切り換え用のアプレットを実行させるための文字列P12が含まれていてもよい。
【0068】
本実施形態に係るHTMLファイルは、公開用ファイル生成部33によって、プログラマブル表示器14毎に作成されている。また、例えば、クライアント装置6のブラウザ63が上記HTMLファイルを表示する際に最初に表示する単位画面の指定やプログラマブル表示器14の指定など、画面データ(プログラマブル表示器14)全体に関連する情報は、上記文字列P11中に含まれている。本実施形態の場合、当該情報は、アプレットを実行する際のパラメータとして指定されており、例えば、最初の単位画面は、PARAM要素の属性名”BASESCR” の属性値(この例では、”1” )として指定される。
【0069】
また、上記公開用ファイル生成部33は、プロジェクトファイル記憶部32のプロジェクトファイルを参照して公開用ファイルを用意すると、これらの公開用ファイルを、LAN・IF部31を介して、公開用コンピュータ16の公開用ファイル記憶部43(後述)に格納できる。
【0070】
なお、本実施形態に係る開発用コンピュータ15には、作画処理部34が設けられており、当該作画処理部34によって、上記プロジェクトファイルを新たに生成したり、編集して生成したりすると共に、生成されたプロジェクトファイルを上記プロジェクトファイル記憶部32、あるいは、公開用コンピュータ16のプロジェクトファイル記憶部45(後述)に格納することもできる。
【0071】
一方、公開用コンピュータ16には、LAN12に接続するためのLAN・IF部41と、インターネット4を介して、上記クライアント装置6と通信する公開サーバ部42と、上記開発用コンピュータ15の公開用ファイル生成部33によって生成された公開用ファイルが記憶されている公開用ファイル記憶部43と、上記公開サーバ部42からの要求に応じて、上記LAN・IF部41にプログラマブル表示器14と通信させるサーバ部44とを備えている。
【0072】
これにより、公開サーバ部42は、公開用ファイルをクライアント装置6へ送信して、クライアント装置6に以下の動作、すなわち、公開用ファイルに記述されたデバイスの状態を、上記公開用コンピュータ16の公開サーバ部42との通信によって取得する動作と、取得されたデバイスの状態を、クライアント装置6の表示画面のうちの公開用ファイルが示す表示位置に、公開用ファイルが示す表現形式で表示する動作と、上記表示画面のうち、公開用ファイルが示す表示位置への操作を受け付ける動作と、受け付けた動作に応じた制御指示を、公開用ファイルが示すデバイスへ指示するように、上記公開用コンピュータ16の公開サーバ部42へ依頼する動作とを行わせることができる。
【0073】
また、公開サーバ部42は、上記クライアント装置6からデバイスの状態の問い合わせを受けた場合、サーバ部44へ指示して、当該デバイスの状態に関連するプログラマブル表示器14と通信させて、当該デバイスの状態を取得させると共に、取得したデバイスの状態を、上記クライアント装置6に返答できる。さらに、公開サーバ部42は、上記クライアント装置6からデバイスの状態制御指示を受けた場合、サーバ部44へ指示して、当該デバイスの状態に関連するプログラマブル表示器14と通信させて、当該制御指示を、デバイスの状態に反映させることができる。
【0074】
また、本実施形態に係る公開用コンピュータ16には、プロジェクトファイル記憶部45が設けられており、開発用コンピュータ15から受け取ったプロジェクトファイルを記憶できる。また、上記サーバ部44は、上述した共通のプロトコルでプログラマブル表示器14と通信して、当該プロジェクトファイルを各プログラマブル表示器14に配布できる。
【0075】
さらに、本実施形態に係る公開用コンピュータ16には、HMI処理部46が設けられており、サーバ部44へ指示して、各プログラマブル表示器14に関連するデバイスの状態を取得し、デバイスの状態を表示すると共に、各デバイスへの制御指示操作を受け付け、制御指示操作に応じた制御指示を、当該デバイスに関連するプログラマブル表示器14へ送信するよう、サーバ部44へ指示できる。公開用コンピュータ16のユーザも、ローカル制御システム3に含まれるデバイスの状態を把握し、操作できる。
【0076】
上記構成では、図4に示すステップ1(以下では、S1のように略称する)において、ローカル制御システム3のユーザは、開発用コンピュータ15の作画処理部34を操作し、ターゲットシステム2の実情やプログラマブル表示器14のオペレータの習熟度、あるいは、ユーザの好みに合わせて、プロジェクトファイルを作成/修正する。さらに、作成されたプロジェクトファイルは、例えば、シミュレーションや接続試験などによって、正常に動くことが確認された後、S2において、プログラマブル表示器14に配信され、S3において、プログラマブル表示器14がプロジェクトファイルに応じた表示や操作受け付けを開始する。
【0077】
ここで、最適な画面は、好みや習熟度などにも左右されるため、一意に決めることができず、比較的頻繁に変更されることが多い。ところが、上述したように、本実施形態では、ローカル制御システム3(開発用コンピュータ15)のユーザが、プロジェクトファイルをタグの組み合わせで生成できるので、これらの要求に柔軟に対応でき、最適な状態を保ち続けることができる。
【0078】
また、プロジェクトファイルが更新されると、開発用コンピュータ15の公開用ファイル生成部33は、S4において、プロジェクトファイルに基づいて、公開用ファイルを生成し、公開用コンピュータ16の公開用ファイル記憶部43に格納する。
【0079】
一方、インターネット4を介して、クライアント装置6が公開用コンピュータ16(公開サーバ部42)にアクセスして、あるプログラマブル表示器14の画面を表示するように指示すると(S11)、公開サーバ部42は、例えば、クライアント装置6から受け取った識別番号およびパスワードが予め定められた組み合わせであるか否かを確認するなどして、上記画面による表示/制御が上記クライアント装置6、または、そのユーザに許可されているか否かを認証し、許可されていないクライアント装置6からのアクセスを拒否する(S12)。
【0080】
許可された正規なクライアント装置6であることを確認すると、公開サーバ部42は、S13において、上記S4にて生成された公開用ファイルのうち、クライアント装置6が要求した画面を表示するためのHTMLファイルを公開用ファイル記憶部43から読み出し、インターネット4を介してクライアント装置6へ当該ファイルを送信する。さらに、クライアント装置6のブラウザ63は、HTMLファイル中の各APPLET要素(”<APPLET>”から”</APPLET>” の部分)で指定されたアプレットを公開サーバ部42から取得し、バーチャルマシン62へ実行させる。また、上記アプレットを実行するバーチャルマシン62は、画面表示に必要なXMLファイルを公開サーバ部42から取得する。
【0081】
さらに、S14において、クライアント装置6のバーチャルマシン62は、XMLファイルを参照しながら、公開サーバ部42と通信して、上記HTMLファイルで指定されたプログラマブル表示器14の画面を表示して、当該画面への操作に応じた制御を指示する。
【0082】
具体的には、アプレットを実行するバーチャルマシン62は、XMLファイルを参照し、各タグ(処理指示語)に応じたインスタンスとなるオブジェクトを生成する。これらのオブジェクトのうち、表示タグに応じたオブジェクトの描画メソッドは、所定の時間間隔で実行される。この結果、バーチャルマシン62は、デバイスの内容を公開サーバ部42へ問い合わせる。
【0083】
一方、公開用コンピュータ16の公開サーバ部42は、問い合わせを受けると、サーバ部44へ指示して、要求されたデバイスの状態を取得させ、その状態を、クライアント装置6に送信する。当該デバイスの状態がインターネット4を介してクライアント装置6に伝えられると、上記描画メソッドは、当該デバイスの状態に応じて、クライアント装置6の表示画面のうち、予め定められた表示領域の表示を更新する。
【0084】
ここで、上記XMLファイル、および、アプレットを呼び出すHTMLファイルは、プロジェクトファイルに基づいて生成されており、上記各オブジェクトは、プロジェクトファイル中の対応するタグと、同じデバイスの状態を参照するように設定されている。また、各オブジェクトの描画メソッドは、デバイスの状態が同じ場合、タグと同じ画像を表示するように作成されている。したがって、アプレットが実行されると、クライアント装置6の表示画面には、プログラマブル表示器14と同様に、デバイスの状態を示す部品図形が表示される。
【0085】
一方、バーチャルマシン62は、アプレットの実行中、例えば、マウス操作などの入力操作が行われると、入力タグに対応するオブジェクトのうち、入力操作に応じたオブジェクトの入力メソッドを実行する。これにより、バーチャルマシン62は、操作されたオブジェクトに対応するデバイスの状態を入力結果に応じて制御するように、公開サーバ部42へ要求する。さらに、要求を受けると、公開サーバ部42は、サーバ部44へ指示して、要求されたデバイスの状態を制御させる。ここで、上記描画メソッドは周期的に実行されている。したがって、クライアント装置6の表示画面には、状態制御後、上記描画メソッドが実行された時点で、プログラマブル表示器14と同様に、操作結果が反映される。
【0086】
ところで、本実施形態に係るプログラマブル表示器14は、不揮発性のメモリからなるデータ蓄積部(蓄積データ記憶手段)27を備えており、上記HMI処理部26は、予め定められた種類の事象が発生した場合、その事象に関するデータをデータ蓄積部27に格納できる。
【0087】
本実施形態では、データを蓄積する事象の種類の一例として、発生したアラームが発生時刻や終了時刻などの時間情報と共に蓄積されている。また、本実施形態では、予め定められたデバイスの状態も、その状態の時間を示す時間情報と共に蓄積されている。
【0088】
さらに、本実施形態では、上記アラームの表示方法として、アラームアクティブ、アラームヒストリ、アラームログ、アラームブロック1、アラームブロック2、アラームブロック3が定義されており、上記プロジェクトファイルに含めることができるタグとして、それぞれを表示するためのタグが予め用意されている。同様に、本実施形態では、上記デバイスの表示方法として、ロギング、トレンド、サンプリングが定義されており、上記プロジェクトファイルに含めることができるタグとして、それぞれを表示するためのタグが予め用意されている。
【0089】
なお、当該タグによって、上記各種類の事象に関して、データ蓄積部27に蓄積されているデータを、予め定められた表示方法で表示させることができればよく、各タグは、それぞれ別の種類のタグ(別の事象名のタグ)であってもよい。
また、各種類の事象に対応するタグのうち、いくつかが同じ種類のタグ(同じ事象名のタグ)であり、タグ内の情報など、タグに関連して記憶される情報によって、各種類の事象を区別してもよい。
【0090】
一例として、アクティブ状態にあるアラームを表示させるためのアラーム表示タグがプロジェクトファイルに含まれており、当該アラーム表示タグを含む単位画面(アラーム表示画面)が表示されている場合、プログラマブル表示器14のHMI処理部26は、図5に示すように、現在、アクティブ状態にあるアラームを示すデータを、データ蓄積部27から読み出し、例えば、各アラームを示す文字列などの形式で、読み出したアラームを表示する。当該表示は、予め定められた周期で更新されるので、プログラマブル表示器14のオペレータは、当該アラーム表示画面を参照することによって、現在アクティブ状態にあるアラームを常時把握できる。
【0091】
ここで、上記データ蓄積部27に蓄積されたデータは、デバイスやアラームの現状だけではなく、デバイスやアラームの過去のデータが含まれることが多い。
したがって、多くの場合、データ蓄積部27に蓄積されたデータ(蓄積データ)を表示する際に必要なデータ量は、デバイスの現状を表示する際に必要なデータ量よりも多くなる。
【0092】
一方、クライアント装置6は、プログラマブル表示器14とは異なっているため、プログラマブル表示器14が自らのデータ蓄積部27から蓄積データを取得する場合よりも、蓄積データの取得に時間がかかる。特に、本実施形態に係るクライアント装置6は、インターネット4を経由して、デバイスの状態を取得しているため、蓄積データの取得に要する時間は、プログラマブル表示器14の場合よりも、大幅に長くなってしまう。
【0093】
これらの結果、例えば、図5に示すように、上記デバイスの現状を表示する画面領域(例えば、ランプL1〜L6の表示領域)と、蓄積データを表示する画面領域(例えば、A1)とが混在する操作画面を、クライアント装置6で表示するときに、両領域の表示更新周期(データ取得周期)を共通にすると、現状を表示する画面領域の表示更新速度が遅くなる。したがって、応答速度が低下して、ユーザの操作性を損なう虞れがある。
【0094】
一方、クライアント装置6において、同じ画面上に、大きく表示更新周期の異なる画面領域を混在させると、両画面領域が同じデバイスの状態を示しているにも拘わらず、両画面領域の表示内容が異なって、ユーザを混乱させる虞れがある。
【0095】
例えば、図5は、プログラマブル表示器14が、デバイスとしてのアラームの現状をランプL1〜L6として表示すると共に、領域A1に、現在アクティブ状態にあるアラームを表示している画面を示している。ここで、この画面は、プログラマブル表示器14での表示であり、プログラマブル表示器14は、十分な速度で、自らのデータ蓄積部27から蓄積データを取得できるので、領域A1内の表示(アラーム2、4、6がアクティブ状態)と、各ランプL1〜L6の現状(L2、L4およびL6がアクティブ状態)とを一致させることができ、オペレータの混乱を招く虞れがない。
【0096】
ところが、上記両画面領域の表示更新周期が異なっていると、アラームの状態がアクティブ状態から非アクティブ状態に変化したときに、一方の画面領域(例えば、ランプL2)が状態変化に伴なって、非アクティブ状態に表示変更されているにも拘わらず、他方(例えば、領域A1)では、アラーム2が現在アクティブ状態にあるという表示が残留する虞れがある。この場合は、両者が同じデバイスやアラームの状態を示しているにも拘わらず、両者の表示内容が食い違い、ユーザを混乱させる虞れがある。
【0097】
本実施形態では、上記応答速度の低下やユーザの混乱などの不具合を避けるために、図1に示す公開用ファイル生成部33が公開用ファイルを生成する際、プロジェクトファイルの単位画面が蓄積データの表示領域を含んでいる場合、クライアント装置6の画面上では、図6に示すように、蓄積データの表示領域に、蓄積データの内容ではなく、蓄積データの表示指示を受け付けるための領域を表示させる公開用ファイルを生成している。
【0098】
例えば、プロジェクトファイルの単位画面が、図5に示す画面をプログラマブル表示器14に表示させるための単位画面である場合など、アクティブ状態にあるアラームを表示させるためのアラーム表示タグがプロジェクトファイルに含まれている場合、公開用ファイル生成部33は、図2に示すように、アラーム表示タグに対応するTag要素E3を含むXMLファイルを生成する。
【0099】
当該Tag要素E3には、プロジェクトファイルにおいて、そのアラーム表示タグを特定する事象名と、そのアラーム表示タグに対応する画面上の領域(表示座標範囲)と、アラームの種類を示す情報とのそれぞれに対応して、TagName要素E31と、X要素E32、Y要素E33、StringLength要素E34、Num要素E35、MessageLineSpace要素E36、WidthRate要素E37およびHeightRate要素E38と、AlarmKind要素E39とが含まれており、各要素E31〜E39の内容(コンテンツ)は、上記アラーム表示タグの内容に応じて、例えば、図2の例では、”Q_0000”と、−160、279、30、10、0、1および1と、「アクティブ」を示す値0とに設定されている。なお、上記各要素E32およびE33は、上記画面上の領域の座標を示し、要素E34〜E38は、当該領域の幅、行数、行間、フォントの横倍率および縦倍率を、それぞれ示している。また、AlarmKind要素E39の内容は、アラームの種類に応じて設定されており、例えば、アラームヒストリの場合に1、アラームログの場合に2などに設定される。
【0100】
一方、アプレットのうち、上記アラーム表示タグに対応するオブジェクトには、図6に示すように、上記アラーム表示タグに対応するTag要素で指定された画面上の領域A21に、アクティブ状態にあるアラームを蓄積データとして表示する代わりに、操作を受け付けた場合に表示される蓄積データの種類および表示方法を示す文字列を表示すると共に、蓄積データの表示指示を受け付けるボタンB21として上記領域A21を動作させるメソッドが定義されている。上記の例では、アラーム表示タグが、アクティブ状態にあるアラームを表示するためのタグであり、AlarmKind要素E39の内容が、アクティブ状態にあるアラームを表示することを示す値0なので、上記メソッドの実行によって、「アラーム表示ボタン」という文字列と「アクティブ」という文字列とが表示されると共に、領域A21がボタンB21として動作する。
【0101】
また、上記オブジェクトは、上記ボタンB21を表示し、蓄積データの内容、すなわち、アクティブ状態にあるアラームは表示していない。これに伴なって、上記オブジェクトには、蓄積データの内容を公開用コンピュータ16の公開サーバ部42へ問い合わせるメソッドが用意されておらず、アプレットに基づいて動作するクライアント装置6は、蓄積データの内容を公開用コンピュータ16の公開サーバ部42へ問い合わせない。したがって、蓄積データの内容を公開サーバ部42に問い合わせる場合と比較して、クライアント装置6と公開用コンピュータ16との間で伝送されるデータ量は、大幅に減少する。したがって、クライアント装置6の操作画面において、デバイスの現状を表示している領域(例えば、ランプL11〜L16の表示領域)の表示更新速度を向上でき、操作性を向上できる。
【0102】
一方、図8に示すS21において、クライアント装置6が、上記ボタンB21への操作を受け付けると、上記オブジェクトの入力メソッドが呼び出される。この入力メソッドは、ボタンB21が表示されているウィンドウとは別ウィンドウに、蓄積データの内容を表示させることができる。
【0103】
ここで、本実施形態に係るクライアント装置6においては、蓄積データの表示の可否を各クライアント装置6毎に制限しやすくするため、蓄積データの内容を表示する蓄積データ表示用アプリケーション64が、ブラウザ63およびバーチャルマシン62とは別のアプリケーションとして実装されている。
【0104】
さらに、上記入力メソッドは、S22において、蓄積データ表示用アプリケーション64を起動する際、当該蓄積データ表示用アプリケーション64が表示可能な蓄積データの種類および表示方法のうち、上記XML要素(E3)が示す蓄積データの種類を当該XML要素(E3)が示す表示方法で表示する画面を初期画面とするように制御する。本実施形態では、例えば、上記蓄積データ表示用アプリケーション64へ蓄積データの種類および表示方法を示すパラメータを与えて起動することによって、蓄積データ表示用アプリケーション64に、上記画面を初期画面として表示させている。
【0105】
これにより、S23において、蓄積データ表示用アプリケーション64は、上記画面を初期画面として起動し、起動した時点から、上記ボタンB21に対応するタグ(アラーム表示タグ)が示す蓄積データの種類を当該タグが示す表示方法で表示することができる。
【0106】
図2の例では、アラーム表示タグに対応するXML要素E3が、アクティブ状態のアラーム表示を示している。したがって、蓄積データ表示用アプリケーション64は、図7に示すように、表示可能な蓄積データおよび表示方法、すなわち、ロギング、トレンド、サンプリング、アラームアクティブ、アラームヒストリ、アラームログ、アラームブロック1、アラームブロック2およびアラームブロック3のうち、アラームアクティブの表示画面を初期画面として起動し、アクティブ状態にあるアラームを、領域A31に表示する。
【0107】
表示時の動作を、より詳細に説明すると、蓄積データ表示用アプリケーション64は、起動すると、初期画面に表示すべき蓄積データを、公開用コンピュータ16の公開サーバ部42に要求する。公開サーバ部42は、当該蓄積データに関連するプログラマブル表示器14へ蓄積データを要求するよう、サーバ部44へ指示する。
【0108】
一方、プログラマブル表示器14のHMI処理部26は、サーバ部44からの指示を受けると、データ蓄積部27を参照して、要求された蓄積データをサーバ部44へ返答する。上記公開サーバ部42は、サーバ部44から蓄積データを受け取ると、当該蓄積データをクライアント装置6へ返答する。さらに、クライアント装置6の蓄積データ表示用アプリケーション64は、当該蓄積データを、上記画面で表示すべき表示方法で、図7に示す領域A31に表示する。
【0109】
上記公開サーバ部42への蓄積データ要求は、自動更新を示すボタンB31が押されると、入力欄I31に表示された更新周期で発行され、上記領域A31の蓄積データは、当該更新周期で更新される。また、入力欄I31へ新たな更新周期が入力されると、蓄積データ表示用アプリケーション64は、新たな周期で、公開用サーバ部42に蓄積データを要求する。これにより、蓄積データを取得する際の通信経路の速度や、ユーザの要求に応じた周期で、蓄積データの表示を更新できる。なお、本実施形態では、公開用コンピュータ16との間のデータ量を抑えるために、自動更新がオフに初期設定されている。
【0110】
また、上記蓄積データ表示用アプリケーション64は、自動更新中、次の更新時点までの時間を示すバーグラフG31を表示しており、クライアント装置6のユーザは、当該バーグラフG31を参照することで、次の更新タイミングを把握できる。
【0111】
さらに、上記蓄積データ表示用アプリケーション64は、上記自動更新を示すボタンB31の他に、自らの終了指示を受け付けるボタンB32と、蓄積データの保存指示を受け付けるボタンB33とを表示しており、当該ボタンB33が操作されると、例えば、CSV形式など、予め定められたデータ形式で、クライアント装置6の図示しない記憶部に、蓄積データが保存される。
【0112】
また、上記蓄積データ表示用アプリケーション64は、自らが表示可能な蓄積データおよび表示方法に対応するラジオボタンB41〜B49を表示しており、現在表示中の蓄積データおよび表示方法に対応するラジオボタン(例えば、B44)が選択されている。さらに、蓄積データ表示用アプリケーション64は、他のラジオボタンの選択操作を受け付けると、当該ラジオボタンに対応する表示方法で、当該ラジオボタンに対応する蓄積データを領域A31に表示できる。
【0113】
このように、本実施形態に係る制御システム1では、プロジェクトファイルの単位画面が蓄積データの表示領域を含んでいる場合、クライアント装置6の画面上では、蓄積データの表示領域に、蓄積データの内容ではなく、蓄積データの表示指示を受け付けるための領域を表示させる公開用ファイルを生成しており、クライアント装置6が当該蓄積データの表示指示を受け付けた時点で、蓄積データ表示用アプリケーション64を起動させることができる。また、蓄積データ表示用アプリケーション64は、ブラウザ63およびバーチャルマシン62とは別のアプリケーションとして実装され、上記蓄積データの表示指示を受け付けたウィンドウとは別のウィンドウに蓄積データを表示する。さらに、上記公開用ファイルを参照して動作するクライアント装置6は、蓄積データ表示用アプリケーション64の起動時の初期画面が、以下の画面、すなわち、プログラマブル表示器14の蓄積データの表示領域に表示された種類の蓄積データを、当該表示領域に表示されている表示方法、あるいは、それに対応する表示方法で表示する画面となるように制御する。
【0114】
これにより、上述した応答速度の低下やユーザの混乱などの不具合が回避され、しかも、蓄積データ表示用アプリケーション64のインストールの有無によって、蓄積データを参照可能なクライアント装置6を比較的容易に制限できるように、蓄積データ表示用アプリケーション64が別アプリケーションとして実装されているにも拘わらず、蓄積データの表示指示を指示するだけで、蓄積データ表示用アプリケーション64を上述の画面を初期画面として起動させることができる。したがって、蓄積データ表示用アプリケーション64を起動した後で、上記画面を選択する場合よりも、ユーザの手間を軽減でき、操作性を向上できる。
【0115】
さらに、本実施形態に係るクライアント装置6では、表示する蓄積データの種類を高速に切り換え可能で、しかも、比較的容易に蓄積データを表示する際の表現力を向上させるために、表計算アプリケーション(グラフ表示アプリケーション)71と、当該表計算アプリケーション71を制御するアプリケーション制御部(アプリケーション制御手段)72とが設けられている。
【0116】
上記表計算アプリケーション71は、複数のシートを切り換え可能なアプリケーションであって、各シートにおいて、シート中の各セルのデータを、予め定められた形式でグラフ表示できる。ここで、例えば、OA(Office Automation)用途や家庭で使用される表計算アプリケーションの多くは、上記シート切り換え機能およびグラフ表示機能を備えているので、本実施形態に係る表計算アプリケーション71として動作することができる。
【0117】
一方、アプリケーション制御部72は、例えば、ACTIVEX(登録商標)コントロールと、それを呼び出すアプレットとの組み合わせなどとして実装されており、公開用サーバ部42からXMLファイルおよびデータを取得すると共に、当該データを複数のシートに分割して、表計算アプリケーション71に表示させることができる。
【0118】
ここで、プログラマブル表示器14が表示するトレンド画面に応じたグラフを表示する場合を例にして説明すると、予め定められた複数のデバイスの状態をグラフ表示するトレンドタグがプロジェクトファイルに含まれており、当該トレンドタグを含む単位画面(トレンド画面)の表示が指示されている場合、プログラマブル表示器14のHMI処理部26は、これまでにサンプリングされ、上記データ蓄積部27に順次蓄積されていたデバイスの状態を示す蓄積データの中から、上記トレンドタグによって表示するデバイスの状態の履歴を読み出し、例えば、図9に示すように、グラフ(トレンドグラフ)を表示する。
【0119】
図9の例では、プログラマブル表示器14の画面上の領域A51に、3つのデバイスの状態が表示されており、HMI処理部26は、データ蓄積部27から、各デバイスの状態の履歴を読み出し、横軸を時間、縦軸を、その時点におけるサンプリング値としてグラフ表示している。これにより、プログラマブル表示器14のオペレータは、当該トレンド画面を参照することによって、予め定められたデバイスの組み合わせについて、それぞれの状態の変化を同時に認識できる。ここで、上記トレンド画面で表示するデバイスの組み合わせは、プロジェクトファイルの設計者によって、ローカル制御システム3の状態を把握しやすいように選択されている。したがって、オペレータは、それぞれの相関を把握でき、ローカル制御システム3の状態を的確に把握できる。
【0120】
また、多くの場合、上記プロジェクトファイルには、複数のトレンド画面を表示するためのタグが含まれており、プログラマブル表示器14のオペレータは、各トレンド画面を切り換え表示することによって、より的確にローカル制御システム3の状態を把握できる。
【0121】
上記トレンドタグを含むプロジェクトファイルに基づいて、公開用ファイルを生成する場合であっても、開発用コンピュータ15の公開用ファイル生成部33は、アラーム表示タグを含むプロジェクトファイルに基づく場合と同様、図10に示すように、トレンドタグの表示領域に対応する領域A61に、トレンドグラフではなく、トレンドグラフの表示指示を受け付けるための領域を表示させる公開用ファイルを生成している。
【0122】
ただし、この場合は、トレンドグラフの表示指示を受け付けるため、公開用ファイル生成部33は、公開用ファイルとして、例えば、図11に示すように、上記トレンドタグに対応するXML要素として、TrendNativeData要素E4を含むXMLファイルを生成する。なお、当該XMLファイルには、上記トレンド画面に関連付けられた各タグに対応するXML要素が含まれているが、これらのタグは、図2の各タグと略同様なので、以下では、上記TrendNativeData要素E4についてのみ説明する。
【0123】
すなわち、TrendNativeData要素E4には、プロジェクトファイルにおいて、そのトレンドタグに対応する画面上の領域(表示座標範囲)と、そのトレンドタグによって表示される領域の高さと、そのトレンドタグによって表示されるデータ間のドット幅と、そのトレンドタグによって表示されるデータ個数とのそれぞれに対応して、X要素E41およびY要素E42と、Height要素E43と、Pitch要素E44と、DispNum要素E45とが含まれており、各要素E41〜E44の内容(コンテンツ)は、上記表示タグの内容に応じて、例えば、図11の例では、−188および200と、300と、10と、32とに設定されている。
【0124】
クライアント装置6は、自らが参照するXMLファイルに、トレンドグラフの表示指示を受け付けさせるXML要素(E4)が含まれていると、図10に示すように、トレンドタグの表示領域に対応する領域A61を、トレンドグラフの表示指示を受け付けるボタンB71として動作させる。さらに、クライアント装置6は、例えば、トレンドグラフの表示指示を受け付けるためのボタンB71に、文字列「トレンド表示ボタン」および「(トレンド1)」を表示するなどして、トレンドグラフの表示指示を受け付けることと、操作された場合に表示されるトレンド画面とをユーザに報知している。
【0125】
なお、本実施形態では、上記XML要素(E4)自体がトレンドグラフの表示指示を受け付けることを示しており、例えば、TrendScreen要素E5の内容として上記XMLファイルに記述されたトレンドグラフ画面番号(番号1)が、トレンド画面を示している。したがって、クライアント装置6は、これらの情報に基づいて、トレンドグラフの表示指示を受け付けることと、操作された場合に表示されるトレンド画面を認識している。なお、公開用ファイル生成部33は、例えば、単位画面の番号やトレンドタグに基づいて、これらの情報をXMLファイルに記述している。
【0126】
図12に示すS31において、クライアント装置6がトレンドグラフの表示指示を受け付けると、クライアント装置6は、例えば、上記ボタンB71に対応するオブジェクトの入力メソッドを実行するなどして、アプリケーション制御部72に、トレンドグラフの表示指示を受け付けさせるXML要素(E4)に対応するトレンドグラフ(番号1のトレンドグラフ)を表示するよう指示する。
【0127】
この場合、S32において、アプリケーション制御部72は、公開用サーバ部42と通信して、プログラマブル表示器14のトレンド画面全てのグラフを表示するためのデータを要求する。一方、公開用サーバ部42は、サーバ部44にプログラマブル表示器14と通信させて、例えば、CSVファイルなどの形式で、これらのデータを取得し、クライアント装置6へ返信する。
【0128】
返信されるデータ(返信データ)には、各トレンド画面毎に、以下の情報、すなわち、トレンド画面を特定する情報と、そのトレンド画面で表示されるチャンネル名と、そのトレンド画面における現在のサンプリング数と、トレンド画面で表示されているデータの内容(複数のサンプリング値)とからなる情報が含まれている。
【0129】
なお、トレンド画面に複数系列のデータ(例えば、複数のデバイスの状態を示すデータ)が表示される場合、そのトレンド画面で表示されるチャンネル名と、そのトレンド画面における現在のサンプリング数と、トレンド画面で表示されているデータの内容(複数のサンプリング値)とが、それぞれ複数ずつ、1つのトレンド画面に対応する情報として含まれる。
【0130】
一方、S33において、クライアント装置6が返信データを受け取ると、クライアント装置6のアプリケーション制御部72は、S34において、当該返信データに基づき、表計算アプリケーション71用のデータ(アプリケーションデータ)を生成する。具体的には、アプリケーション制御部72は、トレンド画面の数に応じたシートを持ち、しかも、各シートに、それぞれのトレンド画面で表示されているデータの内容が含まれるように、アプリケーションデータを設定する。なお、1つのトレンド画面に複数系列のデータが含まれる場合は、例えば、上記シートの互いに異なる行または列に、それぞれの系列のデータを設定する。この場合、列または行が同じデータ同士は、同じサンプリング時点のデータになる。
【0131】
さらに、アプリケーション制御部72は、S35において、上記XML要素(E4)に対応するシートを初期画面として起動し、しかも、当該シートのデータを、予め定められた形式でグラフ表示するように、表計算アプリケーション71を制御する。
【0132】
これにより、図13に示すように、表計算アプリケーション71は、プログラマブル表示器14が表示可能なトレンド画面の数に応じた数のシートを持ったアプリケーションデータを表示できる。また、起動時に表示されているシートは、各シートのうち、S31にて、表示が指示されたトレンド画面のシート(トレンド1のシート)であり、表計算アプリケーション71は、当該シートの内容をグラフ表示している。
【0133】
また、図13は、プログラマブル表示器14が4つのトレンド画面を表示可能な場合を例示しており、表計算アプリケーション71は、4つのシートを持ったアプリケーションデータのうち、トレンド1のシートをグラフ表示している。また、表計算アプリケーション71は、画面の領域A81中に、各シートを切り換えるためのタブ(T81〜T84)も表示しており、これらのタブへの操作を受け付けると、現在表示しているシートを、操作を受け付けたタブに対応するシートへ切り換える。
【0134】
このように、本実施形態に係るクライアント装置6は、トレンドグラフの表示指示を受け付けると、プログラマブル表示器14が表示可能なトレンド画面全てのグラフを表示するためのデータを取得する。また、クライアント装置6は、表計算アプリケーション71用のアプリケーションデータとして、各トレンド画面に対応するシートを持ち、各シートにそれぞれのトレンド画面のグラフを表示するためのデータが格納されたアプリケーションデータを、上記取得したデータに基づいて生成し、表示用アプリケーション71に当該アプリケーションデータを表示させる。
【0135】
したがって、表計算アプリケーション71が表示可能な任意の形式で、トレンドグラフを表示でき、各形式でグラフ表示するためのプログラムを新たに作成する場合よりも容易に、トレンドグラフの表現力を向上できる。
【0136】
また、表計算アプリケーション71におけるシート切り換えによって、各トレンド画面を切り換えることができるので、トレンド画面を切り換える度に、公開用サーバ部42と通信して、新たなトレンド画面用のデータを取得する場合よりも、トレンド画面を高速に切り換えることができる。ここで、多くの場合、ローカル制御システム3の状態を的確に把握するために、クライアント装置6のユーザは、複数のトレンド画面の切り換えを頻繁に行う。したがって、トレンド画面の切り換え速度を向上することによって、クライアント装置6の操作性を大幅に向上できる。
【0137】
また、上記構成では、各シートがトレンド画面に対応しているので、表計算アプリケーション71用に新たなデータ系列の組み合わせを選択しなくても、各シートでは、プログラマブル表示器14のトレンド画面の設計者がローカル制御システム3の状態を把握するために適切と判断したデータ系列の組み合わせが表示されている。したがって、当該シートを見ることで、クライアント装置6のユーザは、ローカル制御システム3の状態を的確に把握できる。なお、各トレンド画面を表示するための各データ系列は、表計算アプリケーション71に既に読み込まれている。したがって、クライアント装置6のユーザが必要と判断すれば、表計算アプリケーション71や、表計算アプリケーション71が出力するデータに基づいて動作する他のアプリケーションによって、例えば、同時に表示するデータ系列の組み合わせや数を変更するなど、他の統計処理を容易に実施できる。
【0138】
なお、表計算アプリケーション71を起動する際には、全トレンド画面用のデータを取得し、それに基づくアプリケーションデータを生成する必要がある。ところが、一般に、表計算アプリケーション71の起動には、アプリケーションプログラムの実行に必要なメモリを確保したり、種々のプログラムモジュールを初期化したりする必要があるので、ある程度の時間を必要とする。一方、グラフの描画は、表計算アプリケーション71が担当しているので、クライアント装置6は、表示に必要な数値データと、必要であれば、それに付随する文字データとを取得すればよく、公開用サーバ部42から、グラフを示す画像データを受け取る場合よりも、公開用コンピュータ16とクライアント装置6との間で伝送されるデータ量は少ない。また、アプリケーションデータの生成に必要な演算量も、上記数値データなどを処理すればよいので、比較的少ない。したがって、全トレンド画面用のデータを取得し、そのアプリケーションデータを生成することによって、トレンドグラフの表示までに必要な時間が増加したとしても、その増加量は、表計算アプリケーション71の起動時間と比較すると余り大きくないので、ユーザに所要時間の増加を感じさせない。
【0139】
ところで、上記では、プログラマブル表示器14のトレンド画面に対応する画面をクライアント装置6で表示されている状態から、表計算アプリケーション71を起動する場合について説明したが、上記表計算アプリケーション71は、本実施形態に係るクライアント装置6は、蓄積データ表示用アプリケーション64からも呼び出すことができる。
【0140】
具体的には、蓄積データ表示用アプリケーション64が図7に示すように、蓄積データの種類または表示方法の選択を促す画面(図7の例では、ラジオボックスB41〜B49)を表示している状態で、例えば、ラジオボックスB42を選択するなどして、トレンドの表示が指示されると、蓄積データ表示用アプリケーション64は、図14に示すように、領域A31に、各トレンド画面を表示するためのデータを表形式で表示する。なお、このデータは、図12に示す上記S33でクライアント装置6が取得した返信データと同様のデータであって、蓄積データ表示用アプリケーション64、または、その指示を受けたアプリケーション制御部72が、公開用コンピュータ16へ要求することによって取得される。
【0141】
さらに、蓄積データ表示用アプリケーション64は、グラフ表示の有無を問い合わせる領域(チェックボックスC91)を表示しており、当該領域が操作されて、グラフ表示が指示されると、蓄積データ表示用アプリケーション64は、アプリケーション制御部72へ指示して、図12に示すS34およびS35の処理を行わせ、表計算アプリケーション71を起動させる。これによって、図13に示すように、各トレンド画面に対応するシートのうち、予め定められたシートのトレンドグラフが表示される。
【0142】
また、図14に示す自動更新ボタンB31を操作するなどして、蓄積データ表示用アプリケーション64に自動更新を指示すると、蓄積データ表示用アプリケーション64は、入力欄I31に入力された周期で、全トレンド画面を表示するためのデータを蓄積データとして自動取得する。さらに、蓄積データ表示用アプリケーション64は、アプリケーション制御部72へ指示して、表計算アプリケーション71の各シートの内容を更新させる。これにより、表計算アプリケーション71が表示するトレンドグラフを自動的に更新させることができる。なお、上述したように、上記更新周期は、入力に応じて変更できるので、蓄積データを取得する際の通信経路の速度や、ユーザの要求に応じた周期で、トレンドグラフの内容を更新できる。
【0143】
〔第2の実施形態〕
上記第1の実施形態では、クライアント装置6がインターネット4および公開用コンピュータ16の公開サーバ部42を介して、サーバ部44にデバイスの状態取得を指示したり、デバイスの状態制御を指示する構成について説明した。
【0144】
これに対して、図15に示すように、本実施形態に係る制御システム1aでは、クライアント装置6aがLAN12に接続されており、公開用ファイルのアプレットは、クライアント装置6aが、LAN12を介して、公開用コンピュータ16のサーバ部44へ、直接、デバイスの状態取得や状態制御を指示できるように構成されている。
【0145】
さらに、本実施形態に係るクライアント装置6aには、開発用コンピュータ15に設けられていた公開用ファイル生成部33と略同様の公開用ファイル生成部65が設けられており、公開用コンピュータ16のサーバ部44を介して、プロジェクトファイル記憶部45または各プログラマブル表示器14のプロジェクトファイル記憶部25からプロジェクトファイルを取得し、当該プロジェクトファイルに基づいて、生成した公開用ファイルを、ブラウザ63へを与えることができる。これにより、開発用コンピュータ15を介さずに、クライアント装置6aは、プロジェクトファイルに応じた操作画面を表示すると共に、蓄積データ表示用アプリケーション64に蓄積データを表示させることができる。なお、公開用ファイル生成部65が用意するアプレットは、上述したように、通信相手が公開サーバ部42ではなく、公開用コンピュータ16のサーバ部44に変更されている。
【0146】
上記構成でも、第1の実施形態と同様に、プロジェクトファイルの単位画面が蓄積データの表示領域を含んでいる場合、クライアント装置6aの画面上では、蓄積データの表示領域に、蓄積データの内容ではなく、蓄積データの表示指示を受け付けるための領域が表示され、表示指示を受け付けた時点で、蓄積データ表示用アプリケーション64が起動する。また、蓄積データ表示用アプリケーション64は、ブラウザ63およびバーチャルマシン62とは別のアプリケーションとして実装され、上記蓄積データの表示指示を受け付けたウィンドウとは別のウィンドウに蓄積データを表示する。さらに、クライアント装置6aは、蓄積データ表示用アプリケーション64の起動時の初期画面が、以下の画面、すなわち、プログラマブル表示器14の蓄積データの表示領域に表示された種類の蓄積データを、当該表示領域に表示されている表示方法、あるいは、それに対応する表示方法で表示する画面となるように制御する。
【0147】
これにより、第1の実施形態と同様に、上述した応答速度の低下やユーザの混乱などの不具合を回避でき、しかも、蓄積データを参照可能なクライアント装置6aを比較的容易に制限できるにも拘わらず、蓄積データの表示指示を指示するだけで、蓄積データ表示用アプリケーション64を、上述の画面を初期画面として起動でき、操作性を向上できる。
【0148】
また、上記では、第1の実施形態と同様に、クライアント装置6aは、トレンドグラフの表示指示を受け付けると、プログラマブル表示器14が表示可能なトレンド画面全てのグラフを表示するためのデータを取得する。また、クライアント装置6aは、アプリケーションとして、各トレンド画面に対応するシートを持ち、各シートにそれぞれのトレンド画面のグラフを表示するためのデータが格納されたアプリケーションデータを、上記取得したデータに基づいて生成し、表示用アプリケーション71に当該アプリケーションデータを表示させる。
【0149】
したがって、表計算アプリケーション71が表示可能な任意の形式で、トレンドグラフを表示でき、各形式でグラフ表示するためのプログラムを新たに作成する場合よりも容易に、トレンドグラフの表現力を向上できる。
【0150】
また、表計算アプリケーション71におけるシート切り換えによって、各トレンド画面を切り換えることができるので、トレンド画面を切り換える度に、新たなトレンド画面用のデータを取得する場合よりも、トレンド画面を高速に切り換えることができ、クライアント装置6aの操作性を大幅に向上できる。
【0151】
なお、図15では、ローカル制御システム3から開発用コンピュータ15が削除され、公開用コンピュータ16から、公開用ファイル記憶部42および公開用ファイル記憶部43が削除されている構成を例示しているが、LAN12に接続されたクライアント装置6aだけではなく、インターネット4を介して接続されるクライアント装置6からの要求に応えるために、開発用コンピュータ15および上記各部材42・43が設けられていてもよい。
【0152】
また、上記各実施形態では、グラフを表示するための表計算アプリケーション71を用いた場合を例にして説明したが、複数のシートを切り換えながら、グラフ表示可能なアプリケーションであれば、表計算アプリケーションに限らず、他のアプリケーションを使用することもできる。
【0153】
なお、上述の各部材21〜27、31〜33、41〜46および61〜65・71・72は、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に格納されたプログラムを実行し、タッチパネルや液晶表示装置などの入出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信回路を制御することによって実現される機能ブロックである。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体(例えば、CD−ROMなど)を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態に係るプログラマブル表示器14、開発用コンピュータ15、公開用コンピュータ16およびクライアント装置6(6a)を実現できる。特に、クライアント装置6のバーチャルマシン62およびブラウザ63は、多くのコンピュータに予めインストールされている汎用のブラウザソフトで実現できる。また、表計算アプリケーション71として、汎用の表計算アプリケーションを使用できる。したがって、これらのコンピュータへ、蓄積データ表示用アプリケーション64や公開用ファイル生成部65およびアプリケーション制御部72を実現するためのプログラムをインストールだけで、クライアント装置6(6a)として動作できる。なお、例えば、LAN12やインターネット4、あるいは、他の通信路を介してプログラムをダウンロードするためのプログラムが、上記コンピュータに予めインストールされていれば、これらの通信路を介して、上記コンピュータへ上記プログラムを配付することもできる。
【0154】
また、上記各実施形態では、アプレットを公開する場合を例にして説明したが、アプレットの代わりに、例えば、べーシックなどのプログラム言語をコンパイルするなどして作成され、アプレットと同様の動作をクライアント装置(6・6a)に実行させる実行プログラムを配信しても、略同様の効果が得られる。
【0155】
ただし、本実施形態のように、クライアント装置のバーチャルマシン(62)が当該アプレットを解釈して表示・制御する場合、クライアント装置がバーチャルマシンを備えていれば、クライアント装置のオペレーティングシステム(OS)やCPUが実行可能な機械語が異なっていても、アプレットを実行できる。したがって、公開用ファイル生成部(33・65)によって用意されるアプレットの種類を増加させることなく、より多くのクライアント装置でプログラマブル表示器14と同様に表示/制御できる。
【0156】
【発明の効果】
請求項1記載の発明に係るクライアント装置は、以上のように、グラフ表示アプリケーションを制御するアプリケーション制御手段を備え、当該アプリケーション制御手段は、グラフ表示が指示された場合、表示装置で表示可能な各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得すると共に、上記グラフ表示アプリケーション用のアプリケーションデータとして、上記各特定のデータ系列のそれぞれに対応するシートが設けられたアプリケーションデータであって、しかも、各シートへ、それぞれに対応するデータ系列が入力されたアプリケーションデータを生成して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる構成である。また、請求項3記載の発明に係るプログラムは、請求項1記載のアプリケーション制御手段としてコンピュータを動作させるプログラムであって、当該プログラムをコンピュータに実行させることによって、当該コンピュータは、請求項1記載のクライアント装置として動作する。
【0157】
これらの構成では、グラフ表示アプリケーションがグラフ表示するので、グラフ表示アプリケーションとして、多くの表示形式でグラフ表示可能であり、グラフ表示の際の表現力が高いグラフ表示アプリケーションを選択しておくことによって、新たな表現形式でグラフ表示するプログラムを作成する場合よりも容易に、グラフ表示の表現力を向上できるという効果を奏する。
【0158】
また、グラフ表示アプリケーションでのシートを切り換えによって、表示中の特定のデータ系列を変更できる。したがって、グラフ表示中の特定のデータ系列を切り換える度に表示装置からデータを取得する場合よりも高速に切り換えることができ、クライアント装置の操作性を向上できるという効果を併せて奏する。
【0159】
請求項2の発明に係る制御システムは、以上のように、予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置と、当該表示装置からデータを取得する請求項1記載のクライアント装置とを備えた制御システムであって、上記表示装置は、制御用表示装置であって、第1データファイルを参照して、デバイスの状態を示す操作画面を表示すると共にデバイスへの操作を受け付け、上記制御システムには、クライアント装置の制御用アプリケーションが上記第1データファイルによって表示指示されたデバイスの状態を表示すると共に当該第1データファイルによって操作受付指示されたデバイスへの操作を受け付ける際に参照する第2データファイルに変換する変換手段が設けられていると共に、上記変換手段は、上記第1データファイルが上記グラフの表示を指示している場合、上記クライアント装置の制御用アプリケーションに当該グラフの表示指示を受け付けさせる第2データファイルであって、しかも、当該表示指示を受け付けたときに、上記アプリケーション制御手段に指示して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる第2データファイルに変換する構成である。
【0160】
上記構成では、クライアント装置は、制御用表示装置が参照する第1データファイルに基づいて生成された第2データファイルを参照して、上記第1データファイルが表示を指示するデバイスの状態を表示すると共に当該第1データファイルが操作受け付けを指示するデバイスへの操作を受け付けている。これにより、クライアント装置は、クライアント装置用の操作画面を新たに設計することなく、制御用表示装置と同様に、デバイスの状態を表示したり、デバイスへの操作を受け付けることができる。
【0161】
また、上記変換手段は、上記第1データファイルが蓄積データの表示を指示している場合、上記クライアント装置の制御用アプリケーションにグラフの表示指示を受け付けさせるための第2データファイルを生成する。したがって、クライアント装置でもデバイスの現状とグラフとを表示させようとする場合と比較して、クライアント装置が取得する必要のあるデータ量を削減できる。この結果、請求項1の効果に加えて、クライアント装置が上記操作画面に対応する画面を表示する場合であっても、クライアント装置がデバイスの現状を表示し、デバイスの現状を操作する際の動作速度低下を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記制御システムにて生成されるXMLファイルの一例を示す図面である。
【図3】上記制御システムにおいて生成されるHTMLファイルの一例を示す図面である。
【図4】上記制御システムにおいて、クライアント装置がデバイスの状態を表示し、デバイスへの操作を受け付ける際の動作を示すフローチャートである。
【図5】上記制御システムのプログラマブル表示器が蓄積データとデバイスの現状とを表示している画面例を示す図面である。
【図6】上記プログラマブル表示器の画面に対応する画面を、クライアント装置が表示している状態を示す図面である。
【図7】上記クライアント装置が蓄積データを表示している画面例を示す図面である。
【図8】上記クライアント装置が蓄積データの表示指示を受け付けたときの動作を示すフローチャートである。
【図9】上記プログラマブル表示器がトレンドグラフを表示している画面例を示す図面である。
【図10】上記プログラマブル表示器の画面に対応する画面を、クライアント装置が表示している状態を示す図面である。
【図11】上記画面を表示する際にクライアント装置へ伝送されたXMLファイルの一例を示す図面である。
【図12】トレンドグラフ表示時の動作を示すフローチャートである。
【図13】クライアント装置がトレンドグラフを表示している状態を示す図面である。
【図14】上記トレンドグラフの他の呼び出し方法を示すものであり、クライアント装置がトレンドグラフに対応するデータを数値表示している状態を示す図面である。
【図15】本発明の他の実施形態を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図16】従来例を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【図17】他の従来例を示すものであり、制御システムの要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・1a 制御システム
2a デバイス
6・6a クライアント装置
14 プログラマブル表示器(表示装置;制御用表示装置)
33・65 公開用ファイル生成部(変換手段)
62 バーチャルマシン(制御用アプリケーション)
63 ブラウザ(制御用アプリケーション)
71 表計算アプリケーション(グラフ表示アプリケーション)
72 アプリケーション制御部(アプリケーション制御手段)

Claims (3)

  1. 予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置から、データを取得可能なクライアント装置において、
    複数のシートを切り換えて、各シートのデータをグラフ表示できるグラフ表示アプリケーションを制御するアプリケーション制御手段を備え、
    当該アプリケーション制御手段は、グラフ表示が指示された場合、上記各特定のデータ系列のグラフ表示に必要なデータ系列を取得すると共に、上記グラフ表示アプリケーション用のアプリケーションデータとして、上記各特定のデータ系列のそれぞれに対応するシートが設けられたアプリケーションデータであって、しかも、各シートへ、それぞれに対応するデータ系列が入力されたアプリケーションデータを生成して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させることを特徴とするクライアント装置。
  2. 予め蓄積されている複数のデータ系列のうち、予め定められた特定のデータ系列をグラフ表示可能な表示装置であって、しかも、グラフ表示する特定のデータ系列を複数設定可能な表示装置と、
    当該表示装置からデータを取得する請求項1記載のクライアント装置とを備えた制御システムであって、
    上記表示装置は、制御用表示装置であって、第1データファイルを参照して、デバイスの状態を示す操作画面を表示すると共にデバイスへの操作を受け付け、上記制御システムには、クライアント装置の制御用アプリケーションが上記第1データファイルによって表示指示されたデバイスの状態を表示すると共に当該第1データファイルによって操作受付指示されたデバイスへの操作を受け付ける際に参照する第2データファイルに変換する変換手段が設けられていると共に、上記変換手段は、上記第1データファイルが上記グラフの表示を指示している場合、上記クライアント装置の制御用アプリケーションに当該グラフの表示指示を受け付けさせる第2データファイルであって、しかも、当該表示指示を受け付けたときに、上記アプリケーション制御手段に指示して、上記グラフ表示アプリケーションにグラフ表示させる第2データファイルに変換することを特徴とする制御システム。
  3. 上記グラフ表示アプリケーションがインストールされているコンピュータを、請求項1記載のアプリケーション制御手段として動作させるプログラム。
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