JP2004171163A - リソース管理装置、リソース管理方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

リソース管理装置、リソース管理方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Mitsuhiro Oizumi
充弘 大泉
Noriyuki Terao
典之 寺尾
Yutaka Yoneda
豊 米田
Junichi Ikeda
純一 池田
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Abstract

【課題】タスクの所要時間だけでなく、リソースの効率,仕事率などの能力,リソースの負荷を含むリソース状態を、特に各リソース間のタスクを連携させて表現可能なリソース管理装置を提供する。
【解決手段】リソース状態情報入力部11では、複数のタスクを複数のリソースにより実行する場合に、個々のリソースの処理量、単位時間当りの前記処理量で表される処理率、及び、それらリソースの状態を保持する時間などのリソース状態情報を入力して設定する。次に、リソース状態情報処理部13は、リソース状態表示部12により、個々のリソースの最大処理量を高さとする表示欄(ここでは長方形の枠線)を描画し、表示欄上にタスクの処理,処理・保持を直角三角形,台形で描画する。表示欄上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら重ならないように再配置する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソース管理装置、リソース管理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、より詳細には、リソース管理用にリソースの状態を表現するリソース管理装置、リソース管理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。本発明は、製造ラインの工程管理、画像処理システムの画像データ管理などのリソース管理に応用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、製造ラインの工程管理や画像処理システムの画像データ管理などのリソース管理を行うために、様々なリソース管理装置(リソースマネージメントシステム)が提案されている。このリソース管理装置において用いられるリソースマネージメントの手法としては、PERT図法やガントチャートを用いた管理方法が一般的に有名である。PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは、プロジェクト全体と個々の作業の相互関係をアローダイアグラムを用いて表示し、重複作業の発見や重要性の判定、資源などの分担計画などを行い、時間やコストを考慮しながら計画の進行を統制する技法である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ガントチャート(Gantt−chart)を用いるリソース管理装置としては、ガントチャートを用い、それぞれのリソース(作業者や製造装置など)が行うタスクの進行状況を、リソースごとに設定されたカード状や板状のタスクバー(各タスクの実行期間などを表す)で時間軸上に配置し、タスク管理を行うものがある(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【0004】
例えば、作業行程などのタスクごとに開始時間,終了時間,所要期間を設定し、それらを図形化して時間軸上に並べて表示する。また、前のタスクが終了したら次のタスクへ進むといったタスク同士の依存関係があれば、グラフィック表示によりタスクバーをつないで依存関係を保つよう表示する。さらに、タスクバーの移動や長さの変更により、タスクの実行計画を修正して表示する。このようにして、リソース(作業者や製造装置など)が行うタスクを管理するようにしている。
【0005】
【非特許文献1】
日経BP社出版局編,「日経BPデジタル大事典 2001−2002年版」,第1版,日経BP社,1999年3月10日,p.708
【特許文献1】
特開平10−118896号公報
【特許文献2】
特許第2973930号公報
【特許文献3】
特開平6−195345号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のリソース管理装置では、PERT図法やガントチャートを用いてタスクの所要時間を表現していたために、タスクを処理するリソースの能力(効率)を表現できないという問題があった。具体的には、高性能の製造装置や熟練の作業者など、能力の高いリソースは、能力の低いリソースに比べ、同じタスクを速く処理することが可能であって、タスクの所要時間は短縮されることになる。ここで、前述した従来のリソース管理装置においては、リソースの能力とタスクの所要時間との因果関係、例えば「どれくらいの能力で処理するので、この所要時間が必要である」という情報を視覚的に表現できなかった。また、従来のリソース管理装置では、1つのカラムに1つのタスクしか表現できず、リソースごとのタスクの処理を把握するのが困難であった。
【0007】
また、前述した従来のリソース管理装置では、リソースの負荷をグラフィック表示する機能がないために、リソース管理者がグラフィック表示を目視してリソースの能力に余裕があるか否か、リソースの能力の限界に近いか否か、などを判断することは困難であった。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、タスクの所要時間だけでなく、リソースの効率、仕事率などの能力、及びリソースの負荷を含むリソース状態を表現することが可能な、リソース管理装置、リソース管理方法、リソース管理プログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することをその目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、上述の目的に加えて、各リソースに対し1又は複数のタスクを重複なく1つの表示欄に表現し、各リソース間のタスクを連携させてリソース状態を表現することが可能な、リソース管理装置、リソース管理方法、リソース管理プログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理装置であって、個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示手段を有し、該表示手段は、直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴としたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記表示手段は、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、リソースの状態を表現する表現手段を有することを特徴としたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記表示手段は、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、各タスクの開始時間を決定する開始時間決定手段と、該開始時間決定手段で決定した開始時間に対応する位置に各タスクを配置してリソースの状態を表現する表現手段とを有することを特徴としたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記表現手段は、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクを配置することを特徴としたものである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記開始時間決定手段は、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクの開始時間を決定することを特徴としたものである。
【0015】
請求項6の発明は、複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理プログラムであって、個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示ステップを、コンピュータに実行させ、該表示ステップは、直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴としたものである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記表示ステップは、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、リソースの状態を表現する表現ステップを有することを特徴としたものである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記表示ステップは、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、各タスクの開始時間を決定する開始時間決定ステップと、該開始時間決定ステップで決定した開始時間に対応する位置に各タスクを配置してリソースの状態を表現する表現ステップとを有することを特徴としたものである。
【0018】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、前記表現ステップは、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクを配置することを特徴としたものである。
【0019】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記開始時間決定ステップは、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクの開始時間を決定することを特徴としたものである。
【0020】
請求項11の発明は、複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理方法であって、個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示ステップを含み、該表示ステップは、直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴としたものである。
【0021】
請求項12の発明は、請求項6乃至10のいずれか1記載のリソース管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るリソース管理装置において表示することとなるタイムチャートでのリソース状態表現方法について説明する。
【0023】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現で用いる基本的表現要素の一例を説明するための図で、図1(A)はリソースの処理量及び処理率の表現例を、図1(B)はリソースの保持時間及び保持量の表現例を、図1(C)はリソースの処理・保持の連続動作の表現例を、それぞれ示している。また、図2は、複数のリソースの状態をそれぞれ長方形の枠線内に同時に表現する例を示している。
【0024】
本発明の一実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現方法においては、タイムチャートの基本的表現要素として、直角三角形又は三角形に近い形と、それらと矩形又は矩形に近い形と、それらの組み合わせとを用いており、それぞれ、図1(A)に示すようなリソースの処理量及び処理率の表現を行うため、図1(B)に示すようなリソースの保持時間及び保持量の表現を行うため、及び図1(C)に示すようなリソースの処理・保持の連続動作の表現を行うために使用する。
【0025】
まず、直角三角形若しくは三角形に近い形の図形でリソースの処理状態(リソースがタスクを処理している状態)を表す方法について、図1(A)における直角三角形1を例に挙げて説明する。図1(A)はリソースが「ある一つのタスクを処理する」という状態を表したものであり、横軸Xは時間軸である。ここでは、直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、処理量と処理率を表現することとなる。処理率は、横軸Xに沿った直角三角形1の底辺とその斜辺とでなる内角の角度(直角でない方の角であり鋭角となる)θで表し、これは単位時間当りの処理量Hの変化量に対応(単位時間当りの処理量Hに相当)している。処理量は、処理率を表す角θに対向する辺の長さ(直角三角形1の高さ)Hによって表す。したがって、処理時間は斜辺でないもう一方の辺(直角三角形1の底辺)の長さLによって表すことになる。
以上により、リソースが処理率θで処理量Hのタスクの処理を処理時間Lで行うことを、直角三角形で表現することができる。
【0026】
次に、矩形(正方形も含むものとする;結果的に両辺が異なった長方形である場合が多い)若しくはそれに近い形の図形でリソースの保持状態を表す方法について、図1(B)における長方形2を例に挙げて説明する。図1(B)はリソースが「ある状態を保持する」という状態を表したものであり、横軸Xは時間軸である。保持量は、辺の長さ(長方形2の高さ)Hによって表す。したがって、保持時間は一方の辺(長方形2の底辺)の長さLによって表すことになる。以上により、リソースが保持量Hの状態で保持時間Lだけ保持することを、長方形で表現することができる。
【0027】
次に、台形若しくは台形に近い形の図形でリソースの処理と保持の連続した状態を表す方法について、図1(C)における台形3を例に挙げて説明する。図1(C)はリソースが「ある1つのタスクを処理し、その後その状態を保持する」という状態を表したものであり、図1(A)で例示する直角三角形図形と図1(B)で例示した矩形(正方形も含む)図形との組み合わせともいえる。すなわち、ここでは、直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、その直角三角形の右側に矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、その矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現する。横軸Xは時間軸である。処理率は、横軸Xに沿った台形3の底辺とその斜辺とでなる内角の角度(直角でない方の角であり鋭角となる)θで表し、これは単位時間当りの処理量Hの変化量に対応している。処理量は、保持量と等しくなり、台形3の高さHによって表す。また、台形3における傾斜部分の終点が処理の終了時間となり、処理の開始時間からその終了時間までが処理時間L31となる。すなわち、台形3における底辺の長さの前半は処理時間L31を表すことになる。一方、台形3における底辺の長さの後半(傾斜部分の終点以降)は状態保持時間L32を表すことになる。以上により、リソースが処理率θで処理量Hのタスクの処理を処理時間L31で行い、保持時間L32だけ保持することを、台形で表現することができる。
【0028】
次に、図1で説明したタイムチャートの基本的表現要素を用いて、長方形若しくは長方形に近い形の図形又は枠線などの表示欄(カラムとも呼ぶ)によって、どのリソースがどのタスクを処理しているかを表現する方法、すなわち表示欄によってリソースの種類を区別して表す方法について、図2における長方形の枠線群(枠線4,4,4からなる群)を用いて説明する。図2では、タスク間で時間的な重なりが生じていない場合において、あるリソース1,2,3がそれぞれ3つのタスクを処理するという状態を説明する。
【0029】
図2において横軸Xは時間軸である。長方形の枠線4,4,4の高さ(縦方向の辺の長さ)に対応した長さでリソースの処理できる最大処理量を表す。底辺の長さは全体の処理時間を表すことになる。図2に示すように、例えば、リソース1がタスクW11,タスクW12,タスクW13を順に(時系列に)処理していく状態を、長方形の枠線4に配置された3つの直角三角形によって表現する。換言すると、リソース1はカラム4で表現され、タスクW11,W12,W13を周期Tで処理する。なお、状態保持を表現する矩形やタスク処理・状態保持を表現する台形についても、同様にリソースを示す長方形の枠線4に時系列に配置することによって、リソースの状態を表現することができる。
【0030】
上述の方法を適用して、リソース1がタスクW11,W12,W13を周期Tで処理し、リソース2がタスクW21,W22,W23を周期Tで処理し、リソース3がタスクW31,W32,W33を周期Tで処理し状態を保持する、ということを、リソース1に対応するリソース欄1(枠線4)上にタスクW11,W12,W13を描き、リソース2に対応するリソース欄2(枠線4)上にタスクW21,W22,W23を描き、リソース3に対応するリソース欄3(枠線4)上にタスクW31,W32,W33を描くことで、それぞれのタスクがどのリソースで実行されるかを表現することができる。
【0031】
さらに、図2においては、1周期目(/2周期目/3周期目)の動作内容、すなわち、リソース1がタスクW11(/W12/W13)を処理した後にリソース2がタスクW21(/W22/W23)を処理し、リソース3がタスクW31(/W32/W33)を処理し状態を保持する、という内容を、時間的な関係を表す矢印Y,Y(/Y,Y/Y,Y)で表現している。矢印Y(/Y/Y)は、リソース1がタスクW11(/W12/W13)を処理した後にリソース2がタスクW21(/W22/W23)を処理することを表現している。また、矢印Y,Y,Yは、それぞれ、リソース2がタスクW21を処理した後にリソース3がタスクW31を処理・保持すること、リソース2がタスクW22を処理した後にリソース3がタスクW32を処理・保持すること、リソース2がタスクW23を処理した後にリソース3がタスクW33を処理・保持することを表現している。3つのリソースが流れ作業を行い複数のタスクを実行(処理,処理・保持)することが表現でき、また各リソースがどのくらいの効率(能力)で処理をしているかが表現できる。
【0032】
このように、本実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現方法では、複数のリソースが複数のタスクを実行(処理,処理・保持)し、それらのタスクの間に相関関係を持たせる、ということをタイムチャート上に表現する。すなわち、ここで用いるタイムチャートにおいては、複数のリソースが複数のタスクを実行し、それらのタスクの実行の間に、前後関係や依存関係などの相関関係を持たせる、ということを、上述した三角形,台形を線又は矢印で繋ぐことによって表現する。
【0033】
本発明に係るリソース管理装置では、このタイムチャートにより複数のリソースがタスクを実行する(処理や保持を進める)状態を表現することで、複数のリソースを管理する。この表現を管理者に表示するための表示手段として、本発明に係るリソース管理装置には、個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を上述のごとき処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、上述のごときリソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示手段を備えるものとする。この表示手段は、各リソースが動作する様子を、タスクを表す直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現することで、リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した三角形及び台形で表現する。
【0034】
本実施形態によれば、リソース管理に際し、タスクの所要時間だけでなく、リソースの効率、仕事率などの能力、及びリソースの負荷を含むリソース状態を表現することが可能となり、従来のタイムチャートに比べてリソースの状態を把握し易くなる。
【0035】
図3は、本発明の他の実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現の一例を説明するための図で、図3(A)は1リソースに対して複数のタスクをそのまま表現した例を、図3(B)は図3(A)の表現をタスクが重ならないよう変更して表現した例を、それぞれ示している。
本発明の他の実施形態に係るリソース管理装置は、各リソースに対し1又は複数のタスクを重複なく1つの表示欄に表現し、各リソース間のタスクを連携させてリソース状態を表現し、もってタスク間で時間的な重なりが生じるような表現のデータが入力された場合にもタスクを時間的に重複なく1つの表示欄に表現できるようにし、結果としてリソース管理装置を利用する管理者がタスク管理を視覚的に容易に行えるようにしたものである。
【0036】
本実施形態に係る表示手段は、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、リソースの状態を表現する表現手段を備えるようにすればよい。他の実施形態としては、表示手段に次に示す開始時間決定手段及び表現手段を備えるようにしてもよい。すなわち、開始時間決定手段では、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、各タスクの開始時間を決定する。一方、ここでの表現手段としては、開始時間決定手段で決定した開始時間に対応する位置に各タスクを配置してリソースの状態を表現する。いずれにせよ、タスクが重なるような表現のデータが入力された場合、タスクに対応する図形を移動,変更するなどしてずらすようにし、カラム上に配置された直角三角形,台形は、時間的に重なれないように表現されており、管理者がタスク管理を容易に行えるようになる。なお、ずらした後の図形に関するデータ、例えば各タスクの開始時間や終了時間などを管理者に提供するためのテキストデータとして表示或いは出力するようにしてもよい。
【0037】
図3を参照してこれらの実施形態を適用する前と後のリソース状態表現を説明する。図3(A)は、あるリソースに対しリソース管理装置のユーザが所望するタスクを制限なく入力した場合の図とも言え、リソース(ここではリソースA)をカラム5′で表現し、そのカラム5′上に排他的に三角形や台形(図では三角形で例示)を配置することにより、リソース毎にタスクの管理が行えるようにしている。
【0038】
リソースAがタスクWA1,WA2を処理するものとし、2つの処理が時間的に重なっている場合、すなわちリソースAがタスクWA1,WA2を同時に処理する能力がない場合には、図3(B)に示すように一方のタスク(タスクWA2)を他方のタスク(タスクWA1)の後で処理するようにタスクWA2の図形(実際には表示データ)を矢視の方向にスライドさせるようにし、リソースの管理を行う。このように、ここで示す実施形態においては、1つのリソースが所定の時刻で1つのタスクしか処理できないということが表現できる。
【0039】
本実施形態によれば、リソース管理に際し、各リソースに対し1又は複数のタスクを重複なく1つの表示欄に表現し、各リソース間のタスクを連携させてリソース状態を表現することが可能となる。すなわち、表示欄上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら、重ならないように再配置されるため、工程管理を含めたリソース管理が上手くできる。
【0040】
図4は、本発明の他の実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現の一例を説明するための図で、図4(A)は複数のリソースに対して各々1又は複数のタスクをそのまま表現した例を、図4(B)は図4(A)の表現をタスクが重ならないよう変更して表現した例を、それぞれ示している。
図3を参照して説明した実施形態において、さらに、本発明の他の実施形態では、一つのリソースはある時刻で一つのタスクしか処理できないということを、タスク間で時間的な依存関係を与えられているときには、その依存関係に基づく制約を守りながら、すなわちその依存関係に従って、各タスクを配置するようにしている。なお、ここでのタスク間とは、1つのリソース内の複数のタスクを指す場合だけでなく、異なるリソース間の複数のタスクを指す場合も含むものとする。また、同様に図3を参照して説明した実施形態における開始時間決定手段においても、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクの開始時間を決定するようにすればよい。この場合のタスク間も同様に、1つのリソース内の複数のタスクを指す場合だけでなく、異なるリソース間の複数のタスクを指す場合も含むものとする。
【0041】
いずれの形態の場合でも、時間的な依存関係とは、例えばタスクのエントリ順や、タスク間の順序の指定などを指す。前者の場合には結局、エントリの時間的な差により早いエントリをそのままに遅いエントリに係るタスクの図形をずらすようにする。例えば、タスクの時間的な関係から、遅くエントリされたタスクを後から始めるように管理することもできる。一方、後者の場合には指定された順序に基づいてタスクの図形をずらすようにする。
【0042】
図4を用いて本実施形態の一例として次の(1)〜(3)を満たすリソース状態の表現を説明する。すなわち、(1)リソース1がタスクWB1を処理する、(2)リソース2はタスクWC1をタスクWB1の後で処理し、またタスクWC2をタスクWD1の後で処理する、(3)リソース3はタスクWD1を処理する。
【0043】
この例では、リソース間に亘るタスクの時間的な関係を矢印Y,Yで表している。この例のリソース状態を、各タスクをそのまま表現すると図4(A)のようにタスクWC1とタスクWC2とが重なってしまう。リソース2は当然1つのリソースであり同時に2つのタスクを実行することは不可能である。すなわち、リソース3がタスクWD1を処理した後に、リソース2はタスクWC2を処理しなければならないが、まだタスクWC1の処理中である。このように、同時に処理ができない場合には、タスクWC2の処理をタスクWC1が終わった後に行うよう、リソースを管理する。チャート上には図4(B)で示すように各タスクが配置される。これはチャート上で或いはチャート表示用のデータで、タスクが重なったことを判定して行われる。
【0044】
本実施形態においては、リソース管理に際し、各リソースに対し1又は複数のタスクを重複なく1つの表示欄に表現し、各リソース間のタスクを連携させてリソース状態をよりユーザ(管理者)の意図に沿って表現することが可能となる。
すなわち、表示欄上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら、重ならないように再配置されるため、工程管理を含めたリソース管理が上手くできる。
【0045】
以下、図1乃至図4で説明したリソース状態表現を行うリソース管理装置の構成例を、図5を参照して説明する。ここで説明する本発明の一実施形態に係るリソース管理装置は、複数のタスクを複数のリソースにより実行する場合に、タスクの所要時間だけでなく、リソースの能力や効率や処理率を含むリソースの状態を図形化したタイムチャートとして表示するものである。なお、本明細書中で説明する、基本的表現要素を用いてリソースの状態を表現した結果としてのリソース状態表現プロダクトには、例えば、コンピュータのディスプレイ画面上に表示したリソース状態表現図やその表示用データ、さらにはネットワークを介して伝送する表示用データ(又は印刷用データ)など、様々な形態があり、全ての形態がそれぞれ本発明の実施形態に相当する。ただし、簡略化のため、以下ではリソース状態表現プロダクトの例としてリソース状態表現図を挙げて説明する。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態に係るリソース管理装置の一構成例を示す図である。
本発明の一実施形態に係るリソース管理装置は、入力手段と処理手段と表示手段を備え、複数のリソースがタスクを実行する状態をタイムチャートにより表現することで複数のリソースを管理する。入力手段では、所定のタスクを処理するリソースごとの実行状態を求めるためのデータを入力する。また、処理手段では、入力されたデータを用い、リソースの処理量を求め、さらに単位時間当りの前記処理量で表されるリソースの処理率を求める。ここでは保持時間も算出するようにしてもよい。なお、ここでの入力手段及び処理手段は本発明の形態によっては蓄積されたデータを使用することで代用できる。また、表示手段では、リソースの処理量を一辺の長さで表し且つリソースの処理率を一辺の勾配で表した多角形(直角三角形,台形)を、時間軸上に配列し、さらにそれらの多角形をリソース毎に区別された表示欄内(図形内、又はリソース欄内)に配置して表示する。
すなわち、タスクに対応する多角形を、リソース毎に区別された表示欄における時間軸上に配列することで、各リソースに対応する多角形を各リソースに対応する表示欄に配置して表示する。そして、表示欄上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら重ならないように再配置する。以下、本発明の一実施形態に係るリソース管理装置を、その一構成例としての、リソース状態情報入力部11,リソース状態表示部12,リソース状態情報処理部13,リソース状態情報記憶部14,インターフェース部(I/F部)15を備えたリソース管理装置10で説明する。
【0047】
リソース状態情報入力部11は、個々のリソースの種類とそのリソースの最大処理量、個々のリソースによるタスクの処理量、処理時間、単位時間当りの前記処理量で表される処理率、リソースの状態を保持する時間、及び、タスク間の相関関係などの情報を入力して設定するものであり、上述の入力手段に対応するものである。また、リソース状態情報入力部11は、既に設定された情報に対する更新要求を受け付け、更新情報を入力して設定するものである。
【0048】
リソース状態情報処理部13は、上述の処理手段に対応するものであり、予め記憶されたリソース管理プログラムにより、リソース状態情報入力部11により入力された情報、或いはインタフェース部15から受信入力された情報を用いて、個々のリソースの種類と最大処理量、個々のリソースによるタスクの処理量、処理時間、単位時間当りの前記処理量で表される処理率、及び、リソースの状態を保持する時間、タスク間の相関関係を示す値を求め、さらに求めた値によりリソース状態を図形化して表示するための図形データを生成してリソース状態表示部12へ渡すものである。
【0049】
リソース状態表示部12は、上述の表示手段の一部に対応するもので、リソース状態情報処理部13より取得したタイムチャートを表示するものであり、予め記憶されたリソース管理プログラムにより、本実施形態のリソース管理機能の主要部分を実現するものである。すなわち、リソース状態表示部12は、リソースの種類に対応する長方形の枠線、リソースごとに同期して並列に配置された時間軸上に時系列に配置された直角三角形と長方形(及びそれら直角三角形と長方形によって形成される台形)により、リソースの処理状態(及び状態保持)の経過を、タスクの重なりをなくすように表示するものである。
【0050】
リソース状態情報記憶部14は、リソース状態情報入力部11により入力されたリソースの種類と最大処理量、リソースの処理量、処理時間、処理率、前記リソースの状態を保持する時間などの情報、これらの情報が図形表現されていたタイムチャートによるリソース状態の情報を記憶するものである。
【0051】
インタフェース部15は、他の通信装置(他のリソース管理装置、シミュレーション装置を含む)とのインタフェースをとり、リソース状態を含む各種情報を遣り取りするためのものである。
【0052】
図6は、図5のリソース管理装置における処理手順の一例を説明するための図であり、本発明の他の実施形態に係るリソース管理プログラム或いはリソース管理方法における処理手順の一例を説明するための図でもある。
本発明の他の実施形態に係るリソース管理プログラム又はリソース管理方法においては、以下に示すステップS1〜S4をCPU等の演算装置に実行させ、上述のごときタイムチャートを表示してリソース状態を表現するためのプログラム又は方法であり、図5のリソース管理装置はこのリソース管理プログラムを備えるか、或いはステップS1〜S4に示す処理手順を実行可能なハードモジュールによりなるか、或いはプログラムとハードモジュールの組み合わせによりなる。
【0053】
まず、リソース状態情報入力部11は、複数のタスクを複数のリソースにより実行する場合に、個々のリソースの種類と最大処理量、個々のリソースによるタスクの開始時間、処理量、単位時間当りの前記処理量で表される処理率、及び、それらリソースの状態を保持する時間などのリソース状態情報を入力して設定する(ステップS1)。次に、リソース状態情報処理部13は、リソース状態情報入力部11で入力された情報から処理量,処理時間,処理率,リソース状態の保持時間などのリソース状態情報を求め、これを加工して図形データを生成することで図形データの取得を行う(ステップS2〜S4)。
【0054】
なお、ステップS2〜S4において、リソース状態表示部12は、前述の図形表現されたリソース処理状態により、個々のリソースの種類ごとの長方形の枠線、リソースごとに同期して並列に配置された時間軸上に時系列に配置された直角三角形と長方形(及びそれら直角三角形と長方形によって形成される台形)により、リソースの処理状態(及び処理状態の保持)の経過をタイムチャートとして表示する。また、実際には、リソース状態情報入力部11は、先に入力(I/F部15を介したものも含む)及び設定されたリソース状態の情報に対する更新要求が入力されたか否かを判断し、更新要求があった場合にはステップS1に戻る。
【0055】
なお、ステップS2,S3におけるタイムチャートの表示では、まず、リソース状態表示部12により、個々のリソースの最大処理量を高さとするリソース欄(ここでは長方形の枠線)を描画する(ステップS2)。次に、リソース欄上で各タスクの図形が重ならないようにタスクの配置を決定し(ステップS3)、リソース欄上にタスクの処理を直角三角形,台形で描画する(ステップS4)。ステップS3,S4においては、直角三角形によってタスクの処理量及び処理率を表すが、この際、直角三角形の高さによって処理量を表し、直角三角形の底辺によって処理時間を表し、直角三角形の底辺と斜辺のなす角によって処理率を表すようにする。また、リソース欄上にタスクの状態保持を矩形で描画する場合には、直角三角形と同一高さの長方形の一辺と、直角三角形の底辺と垂直な辺とが接している長方形によって、リソース状態が保持されていることを表すようにするとよい。さらに、タスク間の相関関係を描画する場合には、描画した図形間を結ぶ線(矢印が好ましい)として描画するとよい。
【0056】
なお、本明細書中では、図2で説明したように長方形の枠線の高さで最大処理量を表すものとして例示するが、枠線又は図形(リソース欄)内に別途、最大処理量を指す目盛りや線などを表示するなどして、それに応じた表示処理を行ってもよいことは言及するまでもない。さらに、横軸に関しても、あるリソースの全体の処理時間としてもよいが、表示領域の制限と視覚的限界とにより、タスク全体が表示しきれない場合もあるので、スクロール機能を持たせた形態を採用してもよい。また、リソース毎にリソース欄の高さ及び/又は幅を異ならしてもよいが、表示の見易さを鑑みると全てのリソースに対していずれも統一する方が好ましく、その場合、各リソース欄には各リソースに対応する最大処理量を示す目盛りや線などを表示しておくことが好ましい(表示の際には少なくとも最大処理量のデータは必要である)。
【0057】
また、リソース状態表現において、タスクの実際の進行に応じて表示の変更を行なってもよく、現在実行中であることを示すように処理の進行に応じて表示を強調するタスクをずらしていく形態も考えられる。すなわち、所定のタスクを表示し、その強調個所を処理の進行に応じて変更するようにしてもよいし、また、リソースが所定のタスクを繰り返すことを実行するのであれば、強調箇所の変更を繰り返すようにしてもよい。また、横軸の表示に関し、タスク全体が表示しきれない場合には、現在実行中であるタスクを表示するように、表示するタスクをずらしていってもよい。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態に係るリソース管理装置の他の構成例を示すブロック図であり、上述のリソース管理プログラムを格納し実行させることが可能な一般的な情報処理装置の一例を示す図でもある。
図7で示す構成例は、図5で説明した構成例とは、ネットワークと接続可能なコンピュータ装置によってリソース管理装置を構成した点が相違している。この構成によれば、ネットワークを介してリソース管理プログラムやリソース状態の情報等を配布し、或いはネットワーク上のサーバなどに蓄積できるという効果も得られる。
【0059】
図7において、リソース管理装置(ここでは、コンピュータ装置)20には、各装置21,22,24,25,26,27を制御する機能を有する中央処理ユニット(以下、CPUともいう)23と、ROMやRAM等で構成され、CPU23のプログラムを記憶するとともに、このプログラムがCPU23によって実行されるときに一時的に作成される情報等を保持するためのメモリ24と、ハードディスク,リムーバブルハードディスク等で構成され、管理対象のリソースの管理情報、リソース処理状態情報、及び、プログラムやプログラム実行時の一時的な情報等を記憶する記憶装置25と、キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナ等で検索条件や指示等の情報入力に用いられる入力装置21と、CRT,液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディスプレイパネル(PDP)等で構成され、入力装置21から入力され、或いはネットワーク接続装置27を介して入力されたリソース処理状態情報等をテキスト又は図形によって表示する表示装置22と、プログラムやデータ等を記録した記録媒体を装着して読み込み、メモリ24又は記憶装置25へ格納するのに用いられる媒体駆動装置26と、ネットワークへ接続するためのインタフェースであり、このネットワークを介して他のリソース管理装置又はサーバと信号及びデータを遣り取りするためのネットワーク接続装置27と、前述した装置間を接続するバス28とを備えている。
【0060】
なお、上述したネットワークは、本実施形態のリソース管理装置と他のリソース管理装置又はサーバとを結合するための伝送路であって、一般には、ケーブルで実現され、通信プロトコルには例えばTCP/IPが使われる。但し、伝送路としてはケーブルだけでなく、それらの間の通信プロトコルが一致するものであれば無線,有線,放送波のいずれでもよく、例えば、構内網(LAN),広域網(WAN),インターネット,アナログ電話網,ディジタル電話網(ISDN),パーソナルハンディホンシステム(PHS),携帯電話網,衛星通信網等を用いることができる。
【0061】
さらに、上述した記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM,ICメモリカード等)、光媒体(例えば、CD−ROM,ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)、書き込み可能なCD(CD−R)等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ,FD等)のいずれであってもよい。
【0062】
また、上述の記録媒体からインストールされたプログラム、換言すれば、上述の記録媒体に記憶されたプログラムとしては、本実施形態のリソース管理機能を実現するために用いられるリソース管理プログラムがある。ここでは、リソース管理プログラムを予めCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおき、このCD−ROM等を媒体駆動装置26を搭載したコンピュータ装置に装着して、このリソース管理プログラムをそのコンピュータ装置のメモリ24或いは記憶装置25に格納し、CPU23により実行することによって、本実施形態のリソース管理機能を実現するものである。さらに、リソース管理プログラムがROM等のような半導体の記録媒体に記録されている場合には、媒体駆動装置26からではなく、直接、メモリ24ヘロードして実行されることとなる。
【0063】
なお、メモリ24へロードしたリソース管理プログラムを実行することにより、本実施形態のリソース管理機能が実現されるだけでなく、リソース管理プログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施形態のリソース管理機能が実現されるようにしてもよい。また、ネットワーク接続装置27によりネットワーク上の所定のサーバと接続し、このサーバからリソース管理プログラムをメモリ24や記憶装置25にインストールしてもよい。
【0064】
本構成例に係る、リソース管理装置における処理手順、リソース管理方法及びリソース管理プログラムは、図5等で上述した構成例と概ね同様であるために、図7と共に図6を再度参照してその概略のみを説明する。図7の構成例を用いた本発明の他の実施形態に係るリソース管理プログラム又はリソース管理方法は、以下に示すステップS1〜S4をCPU等の演算装置に実行させ、図1乃至図4で説明したようなタイムチャートを表示してリソース状態を表現するためのプログラム又は方法であり、図7のリソース管理装置はこのリソース管理プログラムを備えることによりなる。
【0065】
まず、CPU23は、複数のタスクを複数のリソースにより処理する場合に、入力装置21により、個々のリソースの種類と最大処理量、個々のリソースによるタスクの処理量、処理時間、単位時間当りの前記処理量で表される処理率(及びリソースの状態を保持する時間)の情報などを入力させて設定させる(ステップS1)。次に、CPU23は、入力装置21で入力された情報から処理量,処理時間,処理率(,リソース状態の保持時間)などのリソース状態情報を求め、これを加工して図形データを生成し、表示装置22に表示を行う(ステップS2〜S4)。ステップS2では、個々のリソースの最大処理量を高さとするリソース欄(ここでは長方形の枠線)を描画する。ステップS3ではリソース欄上で各タスクの図形が重ならないようにタスクの配置を決定し、ステップS4ではリソース欄上にタスクの処理を直角三角形,台形で描画する。
【0066】
(実施例)
以上、本発明に係るリソース管理装置(或いはリソース管理方法,リソース管理プログラム)について、本発明の特徴的なリソース状態表現方法を用いて表現した表現図形(表現プロダクト)を説明したが、以下に、これらをプラントにおける工程管理に対するリソース状態表現の概略を表したリソース状態表現図に適用した実施例を説明する。
【0067】
図8は、本発明に係るリソース管理装置を適用するプラントでの工程例を示す図で、図9乃至図11は図8の工程を管理するよう表示した一連のリソース状態表現図の例を示す図である。
プラントでの工程管理の例として、流れ作業で製品を組み立てる例を図8乃至図11を用いて説明する。ここでリソースは作業者となるが、一般的には製造装置などでも構わないことは言及するまでもない。リソース管理装置が、次の条件(1)〜(8)を満たす図8の工程例を、リソース状態表現図として表示してリソース管理を行うするものとして説明する。
【0068】
(1)リソース1はタスクWを行う。
(2)リソース2はタスクW2Aを行う。
(3)リソース3はタスクWを行う。
(4)ライン31では製品33ができる。
(5)リソース4はタスクWを行う。
(6)リソース2はタスクW2Bを行う。
(7)リソース5はタスクWを行う。
(8)ライン32では製品34ができる。
【0069】
まず、製品33と34をそれぞれ単独で、ラインに流した場合には、図9のようなタイムチャート(ガントチャート)になる。図9(A)のリソース状態表現図41で製品33を製造する過程を、図9(B)のリソース状態表現図42で製品34を製造する過程を、それぞれ表現している。いずれも3つの製品を作る場合のタイムチャートである。
【0070】
製品33の製造過程に関し、リソース1にてタスクWE1、その後リソース2にてタスクWF1、その後リソース3にてタスクWG1が実行されることで(矢印Y11,Y12)1つ目の製品33が製造され、リソース1にてタスクWE2、その後リソース2にてタスクWF2、その後リソース3にてタスクWG2が実行されることで(矢印Y13,Y14)2つ目の製品33が製造され、リソース1にてタスクWE3、その後リソース2にてタスクWF3、その後リソース3にてタスクWG3が実行されることで(矢印Y15,Y16)3つ目の製品33が製造される、ということをリソース状態表現図41で表現している。一方、製品34の製造過程に関し、リソース4にてタスクWI1、その後リソース2にてタスクWH1、その後リソース5にてタスクWJ1が実行されることで(矢印Y21,Y22)1つ目の製品34が製造され、リソース4にてタスクWI2、その後リソース2にてタスクWH2、その後リソース5にてタスクWJ2が実行されることで(矢印Y23,Y24)2つ目の製品34が製造され、リソース4にてタスクWI3、その後リソース2にてタスクWH3、その後リソース5にてタスクWJ3が実行されることで(矢印Y25,Y26)3つ目の製品34が製造される、ということをリソース状態表現図42で表現している。
【0071】
次に、製品33と34を同時に作成するケースを考える。図9のタイムチャート(リソース状態表現図41,リソース状態表現図42)を単純に重ね合わせると、図10に示すリソース状態表現図43のようになり、リソース2はある時刻に2つのタスクを処理しなければならないことが分かる。
【0072】
リソース2が同時に2つのタスクを処理できない場合には、図11のリソース状態表現図43′に示すように、遅くエントリされたタスクを後で始めるようにすれば、うまく工程の管理ができる。製品のスループット(生産性)は落ちてしまっているが、これは仕方がないことである。ここでの工程例では、この処理により、リソース2はタスクを、タスクWF1,タスクWH1,タスクWF2,タスクWH2,タスクWF3,タスクWH3,の順で実行するよう、タスクが管理されることになる。ここでは例えば、タスクWH1はリソース4でタスクWI1が終了してもタスクWF1の終了を待って実行するように管理されていることとなる。
【0073】
このように、リソースをカラムで表現し、カラム上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら、重ならないように再配置するため、リソースを表現するカラム上で図形同士が重なれない制限や、その他時間的な依存関係を守って配置されるため、リソース管理が従来に比べてしやすいという、利点がある。つまり、リソースをカラムで表現し、カラム上に排他的に三角形や台形を配置することにより、リソース毎にタスクの管理を行うことが可能となる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、リソース管理に際し、タスクの所要時間だけでなく、リソースの効率、仕事率などの能力、及びリソースの負荷を含むリソース状態を表現することが可能となり、従来のタイムチャートに比べてリソースの状態を把握し易くなる。
【0075】
また、本発明によれば、リソース管理に際し、各リソースに対し1又は複数のタスクを重複なく1つの表示欄に表現し、各リソース間のタスクを連携させてリソース状態を表現することが可能となる。すなわち、表示欄上でタスクが重なった場合には、時間的な依存関係を守りながら、重ならないように再配置されるため、工程管理を含めたリソース管理が上手くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現で用いる基本的表現要素の一例を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現で用いる基本的表現要素の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るリソース管理装置におけるリソース状態表現の一例を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るリソース管理装置の一構成例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るリソース管理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るリソース管理装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明に係るリソース管理装置を適用するプラントでの工程例を示す図である。
【図9】図8の工程を管理するよう表示した一連のリソース状態表現図の例を示す図である。
【図10】図8の工程を管理するよう表示した一連のリソース状態表現図の例を示す図である。
【図11】図8の工程を管理するよう表示した一連のリソース状態表現図の例を示す図である。
【符号の説明】
10…リソース管理装置、11…リソース状態情報入力部、12…リソース状態表示部、13…リソース状態情報処理部、14…リソース状態情報記憶部、15…インターフェース部(I/F部)、20…リソース管理装置(ここでは、コンピュータ装置)、21…入力装置、22…表示装置、23…CPU、24…メモリ、25…記憶装置、26…媒体駆動装置、27…ネットワーク接続装置、28…バス。

Claims (12)

  1. 複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理装置であって、個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示手段を有し、該表示手段は、
    直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、
    直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、
    各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、
    リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴とするリソース管理装置。
  2. 前記表示手段は、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、リソースの状態を表現する表現手段を有することを特徴とする請求項1記載のリソース管理装置。
  3. 前記表示手段は、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、各タスクの開始時間を決定する開始時間決定手段と、該開始時間決定手段で決定した開始時間に対応する位置に各タスクを配置してリソースの状態を表現する表現手段とを有することを特徴とする請求項1記載のリソース管理装置。
  4. 前記表現手段は、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクを配置することを特徴とする請求項2記載のリソース管理装置。
  5. 前記開始時間決定手段は、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクの開始時間を決定することを特徴とする請求項3記載のリソース管理装置。
  6. 複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理プログラムであって、
    個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示ステップを、コンピュータに実行させ、
    該表示ステップは、
    直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、
    直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、
    各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、
    リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴とするリソース管理プログラム。
  7. 前記表示ステップは、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、リソースの状態を表現する表現ステップを有することを特徴とする請求項6記載のリソース管理プログラム。
  8. 前記表示ステップは、個々のリソース内のタスクに対し、各タスクの図形が時間的に重ならないように、各タスクの開始時間を決定する開始時間決定ステップと、該開始時間決定ステップで決定した開始時間に対応する位置に各タスクを配置してリソースの状態を表現する表現ステップとを有することを特徴とする請求項6記載のリソース管理プログラム。
  9. 前記表現ステップは、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクを配置することを特徴とする請求項7記載のリソース管理プログラム。
  10. 前記開始時間決定ステップは、タスク間で時間的な依存関係が与えられているときには、該依存関係に従って各タスクの開始時間を決定することを特徴とする請求項8記載のリソース管理プログラム。
  11. 複数のリソースがタスクを実行する状態を、タイムチャートにより表現することで、複数のリソースを管理するリソース管理方法であって、
    個々のリソースに対し、リソースがタスクを実行する状態を処理量と処理率並びに状態保持時間によって規定して表現した図形を、リソース毎に区別して表現した表示欄の時間軸上に、配列して表示する表示ステップを含み、
    該表示ステップは、
    直角三角形を直角が右下に位置し且つ底辺が水平になるように配置した図形の形状で、前記処理量と処理率を表現し、前記直角三角形の高さで前記処理量を表現し、前記直角三角形の底辺と斜辺のなす角で、単位時間当りの前記処理量に相当する前記処理率を表現し、
    直角三角形の垂線と同じ高さを持つ矩形を、該直角三角形の右側に前記矩形の左側垂線が重なるように配置した台形図形の形状で、リソースが状態を保持していることを表現し、前記矩形の底辺の長さによって状態保持時間を表現し、
    各リソースが動作する様子を、タスクを表す前記直角三角形又は台形を水平方向を時間軸として時系列に並べることで表現し、
    リソースを表示欄として表現し、リソースの状態を表示欄上に配置した前記直角三角形及び台形で表現することを特徴とするリソース管理方法。
  12. 請求項6乃至10のいずれか1記載のリソース管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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