JP2004171050A - 印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置 - Google Patents
印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】処理能力の小さいホストを採用している場合、高画質の画像に対応した各印刷処理の処理速度が十分ではなく、印刷が完了するまでに時間がかかりすぎるという問題があった。
【解決手段】印刷処理の各段階についてホスト(印刷制御装置)で実行するかプリンタ(印刷装置)で実行するかを選択可能とする選択情報を取得し、画像データを入力し、取得した選択情報に基づいて、ホストが選択された段階の印刷処理を実行するとともに、プリンタに対して同プリンタが選択された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させるようにした。印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【選択図】 図3
【解決手段】印刷処理の各段階についてホスト(印刷制御装置)で実行するかプリンタ(印刷装置)で実行するかを選択可能とする選択情報を取得し、画像データを入力し、取得した選択情報に基づいて、ホストが選択された段階の印刷処理を実行するとともに、プリンタに対して同プリンタが選択された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させるようにした。印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の印刷制御装置は、プリンタを接続したホスト(ホストコンピュータ)で構成されている。同印刷制御装置は、画像データを入力し、同画像データの解像度をプリンタの印刷解像度に応じて変換し、変換後の画像データをインクの色に対応した画像データに色変換し、色変換後の画像データに対してハーフトーン処理を行い、さらにラスタライズ処理を行ってラスタデータを生成する印刷処理を行い、同ラスタデータをプリンタに送信することにより、印刷制御を行っている。コンピュータの高性能化によるスループット(処理能力)の向上に伴って、より高画質の画像に対応したプリンタドライバによって各印刷処理を行い、より高画質の画像を印刷することを可能にさせるようにしている。
また、プリンタサーバに複数のプリンタを接続し、同プリンタサーバが最も負荷の軽いプリンタを選択し、選択したプリンタに対して印刷データを送出することにより、印刷が行われるまでの時間を短くさせることも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−219730号公報(段落0021−0042、第1−4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、以下のような課題があった。
前者の印刷制御装置では、旧機種のように処理能力の小さいホストを採用している場合、高画質の画像に対応した各印刷処理の処理速度が十分ではなく、印刷が完了するまでに時間がかかりすぎるという問題があった。
後者の技術では、複数のプリンタを用意することによって印刷が完了するまでの時間が若干短縮されることにはなるものの、プリンタを1台しか用意できない場合には適用することができないことになる。また、処理能力の小さいホストを採用している場合には、ホストの印刷処理が律速となり、やはり印刷が完了するまでに時間がかかりすぎることになる。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、画像を印刷する印刷装置に対して印刷制御を実行する印刷制御装置であって、上記印刷装置は、上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、画像データを入力し、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる構成としてある。
【0007】
設定情報は、印刷処理の各段階について印刷制御装置で実行するか印刷装置で実行するかを設定可能とされている。画像データが入力されると、設定情報に基づいて、印刷制御装置では当該印刷制御装置が設定された段階の印刷処理が実行され、印刷装置では当該印刷装置が設定された段階の印刷処理が実行される。そして、印刷装置は、画像データに対応する画像を印刷する。
ここで、印刷制御装置の印刷処理の処理能力等に応じて印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
なお、上記印刷処理の全てを印刷制御装置で実行してもよいし、印刷装置で実行してもよく、これらの場合であっても請求項1に記載した発明に含まれる。
また、印刷装置の処理状況に応じて各段階について実行する装置を変更するようにしてもよい。例えば、印刷装置から印刷ジョブの進行状況を表す情報を取得し、印刷ジョブが多く残されている場合には印刷制御装置にて多くの段階の印刷処理を行い、印刷ジョブがほとんど残されていない場合には印刷装置にて多くの段階の印刷処理を行うようにしてもよい。
【0008】
ここで、上記設定情報を取得する処理設定手段と、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる印刷制御手段とを具備する構成としてもよい。
すなわち、設定情報は、処理設定手段により取得されるようになっている。画像データが入力されると、設定情報に基づいて、印刷制御装置では当該印刷制御装置が設定された段階の印刷処理が実行され、印刷装置では当該印刷装置が設定された段階の印刷処理が実行される。従って、印刷制御装置の印刷処理の処理能力等に応じて印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0009】
上記処理設定手段は、本印刷制御装置および上記印刷装置による上記複数段階の印刷処理の処理能力を表す情報を取得し、取得した情報に応じて上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報を取得してもよい。すると、印刷制御装置と印刷装置の印刷処理の処理能力が反映されて、印刷処理の各段階について実行する装置が設定される。そして、総合的な印刷処理の処理時間を短くさせるように印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせ、ホストの処理能力が小さい場合でも印刷に時間がかかりすぎる現象がなくなる。従って、より思い通りに印刷させることができる。
なお、印刷処理の処理能力は、様々考えられ、例えば印刷処理の処理速度であってもよいし、印刷処理の処理時間であってもよい。
【0010】
上記設定情報は、本印刷制御装置で実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされ、上記印刷制御手段は、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、上記複数段階の印刷処理のうち設定された最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに、上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して上記設定された最終段階の印刷処理の次の段階から残りの印刷処理を実行させて上記画像を印刷させてもよい。印刷制御装置から印刷装置へのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
なお、印刷処理の全ての段階が終了するまで印刷制御装置で印刷処理を実行してもよいし、印刷処理の最初の段階から印刷装置で印刷処理を実行してもよく、これらの場合であっても請求項4に記載した発明に含まれる。
むろん、上記設定情報は、上記印刷装置で実行する開始段階とする印刷処理を表す情報とされ、上記印刷制御手段は、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、上記複数段階の印刷処理のうち設定された開始段階における印刷処理の前の段階における印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに、上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して上記開始段階から残りの印刷処理を実行させて上記画像を印刷させてもよい。同様に、印刷制御装置から印刷装置へのデータ送信を1回で済ますことができる。
【0011】
ここで、上記処理設定手段は、テスト用の画像データを入力し、本印刷制御装置で実行する印刷処理の最終段階を変更しながら、上記複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間を計測し、計測した処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を表す情報を上記設定情報として取得してもよい。処理時間を計測することにより処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が設定されるので、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0012】
むろん、上記処理設定手段は、本印刷制御装置の印刷処理の処理速度を表す情報と、上記印刷処理の最終段階を変更したとして上記複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理まで実行して上記中間画像データを生成するとともに上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を表す情報と、の対応関係を格納した対応テーブルを記憶しており、当該対応テーブルを参照して上記最終段階の印刷処理を表す情報を上記設定情報として取得してもよい。簡易な構成で印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0013】
ところで、印刷装置が印刷制御装置の実行する印刷処理とは異なる画質の画像を印刷させる複数段階の印刷処理を実行可能とされている場合、上記処理設定手段は、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかの選択入力を受け付け、入力された内容から上記設定情報を取得してもよい。印刷処理の各段階を印刷制御装置で実行するか印刷装置で実行するかについて選択入力することにより画像の画質が変わるので、所望の画質で印刷を行うことができ、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0014】
ここで、上記印刷制御手段は、印刷装置が実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行してもよい。印刷制御装置で実行する印刷処理の段階を多くするほど、より高画質となるように印刷が行われるので、より思い通りに印刷させることが可能となる。
より思い通りに印刷させるのに好適な印刷処理の一例として、請求項8にかかる発明のように構成してもよい。
【0015】
印刷装置に印刷処理を実行させるにあたり、印刷装置に必要な段階の印刷処理を実行可能な印刷処理プログラムを印刷装置に対して送信するようにしてもよい。印刷装置が印刷処理プログラムを受信して記憶可能であって記憶した印刷処理プログラムに従って印刷処理を実行可能であれば、印刷処理プログラムを予め印刷装置に記憶させておく必要がないので、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムを動的に変更可能となり、利便性が向上する。
むろん、プログラムを動的に変更できなくても、デフォルトの印刷処理プログラムを印刷装置の書き替え不可能なメモリに記憶させておくことにより、簡易な構成にて印刷装置で印刷処理を実行可能とすることができる。
【0016】
ところで、上述した印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。
また、上述した印刷制御を実行する際の手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。従って、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項10にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
【0017】
本発明を実施しようとする際に、印刷制御装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項11にかかる発明のように、本発明はその制御プログラムとしても適用可能である。さらに、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられる。すなわち、本発明はその制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能である。
さらに、請求項12にかかる発明のように本発明は印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能であるし、請求項13にかかる発明のように本発明は印刷装置単体としても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項9に記載された構成を上記制御方法や制御プログラムや制御プログラムを記録した媒体や印刷システムや印刷装置に対応させることも可能である。
ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。一次複製品、二次複製品などの複製段階も問わない。一部がハードウェアで実現される場合や、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む場合も本発明の思想に含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷システムが行う処理:
(3)変形例:
【0019】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成を示している。本印刷システム100は、本発明にいう印刷制御装置となるホスト10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20等から構成されている。
ホスト10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してホスト10全体の制御を行う。同バス10aには、タイマ回路11a、ROM12、RAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続されている。また、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本実施形態のホストにはデスクトップ型PCを採用しているが、ホストとしては一般的な構成を有するコンピュータを採用可能である。
【0020】
HD14には、オペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されている。実行時には、CPU11がこれらのソフトウェアを適宜RAM13に転送し、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながらプログラムを実行する。
周辺機器I/F(PIF)17aには、デジタルカメラ30や、図示しないカラースキャナ等が接続されるようになっている。CRTI/F17bには画像データに基づく画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続されている。また、プリンタI/F17eには、例えばパラレルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
【0021】
画像データに対応した画像を印刷するプリンタ20は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインク(印刷用色剤)を使用して、印刷用紙等の印刷媒体に対して印刷を行う。むろん、6色等、4色以外のインクを使用するプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、レーザープリンタ等、種々の画像出力機器を採用可能である。
図2に示すように、プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続されている。通信I/O24はホスト10のプリンタI/F17eと接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してホスト10から送信されるCMYKに変換されたデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してCMYKデータに基づく印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドはCMYK別に多数のノズルを有しており、印加電圧パターンに対応したインク滴を各ノズルからドット単位で吐出する。
I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷媒体を順次送り出して副走査を行ったりする。そして、CPU21が、RAM23をワークエリアとして利用しながらROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
【0022】
ホスト10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、プリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等の各種のドライバ類が組み込まれ、ハードウェアの制御を実行する。プリンタドライバは、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、APLから画像データを受け取って印刷ジョブを作成してプリンタ20に送出する。本発明の印刷制御装置の制御プログラムは、同プリンタドライバから構成されるが、APLにより構成されてもよい。また、HD14は同プログラムを記録した媒体であるが、同媒体は、例えば、CD−ROM、FD16a、光磁気ディスク、不揮発性メモリ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷媒体、等であってもよい。むろん、通信I/F17dからインターネット網を介して所定のサーバに格納された制御プログラムをダウンロードして実行させることも可能である。
そして、上記ハードウェアと制御プログラムとが協働して印刷制御装置を構築する。
【0023】
図3は、印刷システムの構成を模式的に示している。印刷制御装置の制御プログラムは、処理選択手段(本発明にいう処理設定手段)U1と各部U21〜U25に対応した機能を実現させる複数のモジュールから構成されている。また、プリンタのROM22に記憶されたプログラムは、プリンタ20に構成される各部U31〜U35に対応した機能を実現させる。
印刷制御手段U2は、画像入力部U21により画像データを入力するとともに、各部U22〜U25により複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能である。入力する画像データは、画像をドットマトリクス状の多数の画素別とされた階調データで構成したデータであり、様々な種類がある。例えば、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系における輝度(Y成分)、Bの色差(U成分)、Rの色差(V成分)から構成された画像データ等がある。また、画像データの各成分も様々な階調数とされている。本実施形態の画像入力部U21は、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを例えば広域RGB色空間内のRGB各256階調(0〜255の整数値)の画像データ(RGBデータとも記載)に変換する。
【0024】
ここで、解像度変換部U22では、画像を多数の画素でRGB別に階調表現した画像データの解像度を、プリンタ20の印刷解像度に合わせて(応じて)変換する解像度変換処理を行う。具体的には、図中模式的に示した画像データのように、解像度変換後の画像データを構成する各画素について順次対象画素を移動させながら階調データを算出していく。
色変換部U23では、変換後の画像データを、プリンタ20が使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなる画像データに色変換する色変換処理を行う。具体的には、図中模式的に示した画像データのように、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、LUT(色変換テーブル)を参照してRGBからなる画像データをCYMKインクのそれぞれの使用量に対応した例えばCYMK各256階調(0〜255の整数値)の画像データ(CMYKデータとも記載)に色変換する。LUTはCYMK別に階調データが格納されてHD14に記憶されており、補間演算を前提として、例えばRGB各17すなわち17の3乗個の格子点に対応した大量のデータを備えている。従って、入力するRGBデータに一致するCYMKデータがLUTに格納されていない場合には、入力するRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCYMKデータを取得し、体積補間等の補間演算によりCYMKデータを算出する。
【0025】
ハーフトーン処理部U24では、色変換後の画像データからプリンタ20が形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理を行う。具体的には、誤差拡散法等により、256階調のCYMKデータを例えば2階調に変換してビットデータとし、ハーフトーンデータとする。ここで、階調値「1」、「0」は、それぞれドット形成、ドット形成せずに割り当てている。なお、大中小3段階の大きさのドットを形成可能なプリンタであれば4階調のハーフトーンデータを生成するし、さらにドットの大きさがきめ細やかに設けられていれば8階調等のハーフトーンデータを生成する。
ラスタライズ処理部U25では、生成したハーフトーンデータから、プリンタ20が行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を行う。ラスタライズ処理は、印刷ヘッドの各ノズルに対応したノズルデータに変換する処理である。例えば変則紙送りを行うマイクロウィーブによる走査によりドットを形成させる場合、このような走査で各ノズルから吐出するインク滴のタイミングに合わせてハーフトーンデータの各ビットを並べ替え、ラスタデータとする。
【0026】
従来は、ホストが生成したラスタデータをプリンタに送信し、プリンタはラスタデータに基づいて画像を印刷していた。本実施形態では、上記各部U22〜U25に相当する複数段階の印刷処理を実行可能な解像度変換部U31、色変換部U32、ハーフトーン処理部U33、ラスタライズ処理部U34をプリンタに設けてあり、解像度変換、色変換、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のそれぞれをホスト10とプリンタ20のいずれでも実行することが可能となっている。これらの処理を実現させる印刷処理プログラムは、書き替え不可能なメモリであるROM22にデフォルトのプログラムとして記憶されている。そして、プリンタの印刷実行部U35は、ラスタライズ処理部U25,U34にて生成されたラスタデータに基づいて印刷ヘッドを主走査させるとともに紙送りしながらインク滴を吐出させ、印刷媒体上にドットを形成する。すると、画像データに対応する画像が印刷媒体に印刷される。
【0027】
ホストの処理選択手段U1は、上記印刷処理U22〜U25,U31〜U24の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかを選択(設定)可能とする選択情報(本発明にいう設定情報)を取得し、印刷制御手段U2は、選択情報に基づいてホストが選択(設定)された段階の印刷処理を実行するとともにプリンタに対して同プリンタが選択(設定)された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させる。すなわち、処理選択手段U1は、どの段階までホストで印刷処理を実行させてどの段階からプリンタで印刷処理を実行させるかのスイッチを切り替えることにより、どの処理ルートにより印刷処理を実行させるかを決定しているとも言える。図3に示した複数のスイッチは、いずれか一つのみがプリンタ側に切り替えられて中間画像データをプリンタに送信させるか、または、いずれもホスト側とされてラスタライズ処理部U25により生成されたラスタデータを中間画像データとしてプリンタに送信させる。そして、選択情報は自動的に取得されるようにもなっているし、ユーザ設定(カスタム設定)により取得されるようにもなっている。
【0028】
図4は、本実施形態における印刷システムにおいて、ホストとプリンタとで実行可能な各段階の印刷処理の内容の一例を対比して説明する図である。図に示すように、プリンタは、ホストが実行する印刷処理とは異なる画質の画像を印刷させる複数段階の印刷処理を実行可能とされている。もっと言うと、プリンタ側では印刷処理を高速かつ少ないメモリ容量にて行えるように処理が設定されている一方、ホスト側では最近のコンピュータの高性能化による処理能力の向上に伴って、より高画質の画像を印刷させる印刷処理を行うようになっている。図では、上側となるほど高画質の画像を印刷させる処理であることを示している。
例えば、解像度変換を行う際の補間方法として、プリンタではニアリストネイバーが採用されている一方、ホストではより高画質の画像を印刷させることを可能とするバイキュービックやバイリニアが採用されている。ここで、バイキュービックでは、解像度変換後の注目画素の位置を中心とした4×4画素の解像度変換前の階調データを参照することにより、変換後の注目画素の階調データを生成する。一方、ニアリストネイバーでは、変換後の注目画素の位置に最も近い変換前の階調データを変換後の注目画素の階調データとする。従って、ホストでは、プリンタが実行する解像度変換処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる解像度変換処理を実行することが可能である。
なお、図で示す補間方法の対比は一例にすぎないため、例えばプリンタでバイリニアによる補間処理により解像度変換を行うようにすることも可能である。
【0029】
また、色変換を行う際に使用するLUTの参照点の数として、プリンタでは9×9×9グリッドが採用されている一方、ホストでは64×64×64グリッドや32×32×32グリッドや17×17×17グリッドが採用されている。グリッド数が多いほど補間演算による誤差が少なくなるため、ホストの行う色変換処理のほうが高画質の画像を印刷させることになる。
ハーフトーン処理を行う手法として、プリンタでは128×128のディザマトリクスを用いたディザが採用されている一方、ホストでは誤差拡散法や256×256または512×512のディザマトリクスを用いたディザが採用されている。ここで、ディザと異なり、誤差拡散法では注目画素の階調データについて256階調を2〜8階調に減らす際に生じる階調誤差が他の画素の階調データに反映される。また、ディザマトリクスが大きいほど形成されるドットの分散性がよくなる。従って、ホストの行うハーフトーン処理のほうが高画質の画像を印刷させることが可能である。
【0030】
ラスタライズ処理を行う際の紙送り方法として、プリンタでは毎回23ラスタずつ紙送りする定則紙送りが採用されている一方、ホストでは23ラスタ、21ラスタ、24ラスタ、23ラスタの順にラスタ数を変更しながら紙送りする変則紙送りが採用されている。例えば、紙送り方向のノズルのピッチが副走査方向に形成するドットの間隔の4倍とされているとき、ノズルのピッチに相当する4ラスタ分のドットを形成する際に、定則紙送りでは毎回の紙送り誤差が3ラスタ分累積されてバンディングが生じやすい一方、変則紙送りでは毎回の紙送り誤差が累積されないのでバンディングが生じにくい。
以上説明したように、ホストでは、複数段階の印刷処理を実行するにあたり、プリンタが実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行することが可能となっている。
むろん、ホストとプリンタとで実行する印刷処理が同じ画質の画像を印刷させる処理であっても、印刷処理を実行する装置を選択することによっては画質を変えることはできないものの、本発明を適用可能であることに変わりはない。
【0031】
本実施形態の処理選択手段U1により取得される選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされている。そして、ホストの印刷制御手段U2は、この選択情報に基づいて、選択された最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成し、プリンタに対して同中間画像データを送信する。すると、プリンタは、選択された最終段階の印刷処理の次の段階から残りの印刷処理を実行して画像データに対応する画像を印刷する。
【0032】
(2)印刷システムが行う処理:
以下、本印刷システムが行う処理を説明する。
図5は、ホスト10の処理選択手段が行う印刷処理選択処理をフローチャートにより示している。
OSに備わる環境設定機能にてディスプレイ18aに表示される印刷処理選択メニューが選択されると、本フローを開始し、図6に示す印刷処理選択画面を表示する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。具体的には、予めHD14にホストで実行する最終段階の印刷処理を表す情報を記憶させておき、記憶したどうかを判断する情報を読み出して現在設定欄91aに表示する。また、印刷処理の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかの選択入力を受け付ける印刷処理選択欄91bや、各種ボタン91c,dを表示する。
【0033】
その後、印刷処理を自動選択するか否か、すなわち、印刷処理選択欄91bで「自動選択」が選択入力され、マウス18cにてOKボタン91cがクリック操作されたか否かを判断する(S110)。「自動選択」が選択入力された場合にはS115に進み、それ以外の項目が選択入力された場合にはS165に進む。なお、印刷処理選択欄91bの「自動選択」以外の項目については、図6の下側になるほどホスト側で多くの段階の印刷処理が実行され、より高画質となるように印刷が行われることになる。
印刷処理を自動選択する場合、まずS115にて、テスト用の画像データを入力する。テスト用の画像データは、所定の画像を表現する所定数の画素別とされた画像データであってもよいし、実際に印刷しようとする画像の一部やサムネイルを表現する画像データであってもよい。本実施形態では印刷処理が実行完了となる処理時間を計測するため、印刷処理を自動選択する処理に時間がかかりすぎないよう、画像データの画素数は実際に印刷する画像の画素数よりも小さいほうが好ましい。
【0034】
次に、ホストで実行する印刷処理の最終段階を設定する(S120)。本実施形態では、印刷処理の最終段階として、画像入力部U21が行う画像入力処理も含めて、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のいずれかを設定可能である。S120では全ての最終段階が設定されるように印刷処理の最終段階を変更しながら設定する。
その後、タイマ回路11aの所定のカウンタをリセットし、処理時間の計測を開始する(S125)。
【0035】
S125終了後、複数段階の印刷処理のうちS120で変更しながら設定した最終段階の印刷処理まで実行して、中間画像データを生成する(S130)。ここで、最終段階が画像入力処理、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理であるとき、それぞれ画像データ入力直後のRGBデータ、解像度変換後のRGBデータ、色変換後のCMYKデータ、ハーフトーン処理後の2〜8階調のハーフトーンデータ、ラスタライズ処理後のラスタデータが中間画像データとなる。なお、中間画像データには、ホストが実行した最終段階の印刷処理を表す情報や、中間画像データがテスト用であることを表す情報を付加している。
S130終了後、生成した中間画像データをプリンタ20に対して送信する(S135)。すると、プリンタでは、図7に示すフローに従って印刷処理を実行する。
【0036】
図7は、プリンタ20が行う処理を示している。
まず、ホスト10が送信した中間画像データを受信する(S205)。次に、受信したデータに付加された最終段階の印刷処理を表す情報に基づいて、画像入力処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S210)。条件成立の場合、S230〜S245にて残りの印刷処理である解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、解像度変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S215)。条件成立の場合、S235〜S245にて色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、色変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S220)。条件成立の場合、S240〜S245にてハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ハーフトーン処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S225)。条件成立の場合、S245にてラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ラスタライズ処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であり、S230〜S245の印刷処理を実行せずに、S250に進む。
【0037】
なお、S230〜S245では、ホストが実行するのと同様の印刷処理を実行する。S230では、解像度変換後のRGBデータを構成する各画素について対象画素毎に、プリンタの印刷解像度に合わせて画像データの解像度を変換する。ここで、画像データが印刷解像度よりも低い場合にはニアリストネイバーにより隣接する画像データの間に新たなデータを生成し、画像データが印刷解像度よりも高い場合には一定の割合でデータを間引く。S235では、変換対象とする対象画素毎に、LUTを参照して、解像度変換後のRGBデータをプリンタが使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータに色変換する。S240では、変換対象とする対象画素毎に、CMYKデータからプリンタが形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成する。S245では、ハーフトーンデータからプリンタが行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成する。
【0038】
S250では、中間画像データに付加された情報に基づいて、同中間画像データがテスト用であるか否かを判断する。テスト用である場合には、残りの印刷処理が実行完了した旨を表す情報をホストに対して送信し(S255)、本フローを終了する。
ホストでは、残りの印刷処理が実行完了した旨を表す情報を受信し(図5のS140)、タイマ回路11aのカウンタの値を読み込むことにより、処理時間の計測を終了してHD14に記憶する(S145)。このようにして、ホストはプリンタに対して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間を計測することができる。すなわち、ホストで実行する印刷処理の最終段階に対応した処理時間が取得されたことになり、同処理時間がホストおよびプリンタによる複数段階の印刷処理の処理能力を表す情報となる。
【0039】
その後、他に設定可能な最終段階の印刷処理が有るか否かを判断する(S150)。条件成立の場合、繰り返しS120〜S150の処理を行う。条件不成立の場合、計測した印刷処理の最終段階別の処理時間に基づいて、処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を選択(設定)して当該最終段階の印刷処理を表す情報を取得し(S155)、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S160)、本フローを終了する。すなわち、取得される選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされている。
なお、ホストからプリンタへのデータ送信量について、解像度変換後のRGBデータの場合には、各色8bit×3色×画素数=24bit×画素数となる。色変換後のCMYKデータの場合には、各色8bit×4色×画素数=32bit×画素数となる。ハーフトーン処理後のハーフトーンデータの場合には、各色1〜3bit×4色×画素数=4〜12bit×画素数となる。ラスタライズ処理後のラスタデータの場合にも、各色1〜3bit×4色×画素数=4〜12bit×画素数となる。従って、プリンタへのデータ送信に比較的時間がかかる場合には、データ送信量の少ないハーフトーンデータやラスタデータを中間画像データとするように処理ルートが選択されることになる。
【0040】
S105〜S160の処理により、印刷処理の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかを選択(設定)可能とする選択情報を取得することができる。そして、処理時間を計測することにより処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が選択される。このように、ホストとプリンタの印刷処理の処理能力が反映されて印刷処理の各段階について実行する装置が選択され、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0041】
図5のS110において、「自動選択」以外の項目が選択入力された場合、S165〜S170の処理を行い、複数段階の印刷処理についてどこまでをホストで行ってどこからをプリンタで行うかが手動で設定される。すなわち、印刷処理選択欄91bで「全てプリンタで実行」、「解像度変換処理まで実行」、「色変換処理まで実行」、「ハーフトーン処理まで実行」、「ラスタライズ処理まで実行」の選択入力を受け付けると、入力された内容からそれぞれ画像入力処理、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を表す情報を選択情報として取得する(S165)。同選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報となる。そして、取得した選択情報をHD14に記憶し(S170)、本フローを終了する。
すると、印刷処理の各段階をホストで実行するかプリンタで実行するかについて選択入力することにより画像の画質を変えることができるので、所望の画質で印刷を行うことが可能となる。
【0042】
図8は、ホスト10の印刷制御手段が行う処理をフローチャートにより示している。
APLに備わるAPL用印刷機能にてディスプレイ18aに表示される印刷実行メニューが選択されると、本フローを開始し、図示しない印刷インターフェイス画面を表示する(S305)。同画面には、解像度選択欄、印刷モード選択欄、等が設けられている。なお、これらの選択欄にて選択入力されない場合には、デフォルトの条件(例えば、中解像度の普通モード)が選択される。
印刷インターフェイス画面に設けたOKボタンがマウスにてクリック操作されると、画質設定や解像度等の各種印刷パラメータを取得する(S310)。
その後、画像を表現する画像データを入力する画像入力処理を実行する(S315)。入力する画像データは、デジタルカメラ30等にて取り込まれた画像のデータや、FD16a等に記録した画像データ等がある。なお、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。
【0043】
画像データを入力すると、HD14に記憶された最終段階の印刷処理を表す選択情報を読み出して取得する(S320)。次に、取得した選択情報に基づいて、画像入力処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S325)。条件成立の場合、入力したRGBからなる画像データを中間画像データとするとともに、同データにホストで画像入力処理しか実行していない旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S330)、本フローを終了する。
【0044】
S325で条件不成立の場合、解像度変換後のRGBデータを構成する各画素について順次対象画素を移動させながら、プリンタの印刷解像度に合わせて画像データの解像度を変換する解像度変換処理を実行する(S335)。ここで、画像データが印刷解像度よりも低い場合にはバイキュービック等の補間処理により隣接する画像データの間に新たなデータを生成し、画像データが印刷解像度よりも高い場合には一定の割合でデータを間引く。
その後、上記選択情報に基づいて、解像度変換処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S340)。条件成立の場合、解像度変換後のRGBデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が解像度変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S345)、本フローを終了する。
【0045】
S340で条件不成立の場合、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、LUTを参照して、解像度変換後のRGBデータをプリンタが使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータに色変換する色変換処理を実行する(S350)。
その後、上記選択情報に基づいて、色変換処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S355)。条件成立の場合、色変換後のCMYKデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が色変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S360)、本フローを終了する。
【0046】
S355で条件不成立の場合、CMYKデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換後のCMYKデータからプリンタが形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理を実行する(S365)。その後、上記選択情報に基づいて、ハーフトーン処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S370)。条件成立の場合、ハーフトーンデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が色変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S375)、本フローを終了する。
【0047】
S370で条件不成立の場合、ホストが実行した印刷処理の最終段階はラスタライズ処理であるので、生成したハーフトーンデータからプリンタが行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を実行する(S380)。その後、ラスタデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階がラスタライズ処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S385)、本フローを終了する。
【0048】
すると、プリンタ20は、図7で示したフローに従って各種処理を実行する。すなわち、ホスト10が送信した中間画像データを受信し、受信したデータに付加された最終段階の印刷処理を表す情報に基づいて、画像入力処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S205〜S210)。条件成立の場合、S230〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、解像度変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S215)。条件成立の場合、S235〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、色変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S220)。条件成立の場合、S240〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ハーフトーン処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S225)。条件成立の場合、S245にてラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、残りの印刷処理はないので、S250に進む。
【0049】
S250では、中間画像データに付加された情報に基づいて、同中間画像データがテスト用であるか否かを判断する。テスト用でない場合には、ラスタデータに基づいて主走査と副走査を行いながらノズルからドット単位でインク滴を吐出させ、入力した画像データに対応する画像を印刷する印刷実行処理を行い(S260)、本フローを終了する。
以上説明したように、ホストは図8で示したフローに従って、ホストが選択(設定)された段階の印刷処理を実行するとともに、プリンタに対してプリンタが選択(設定)された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させることができる。
【0050】
ここで、図5で示したフローに従って印刷処理の処理時間が最も短くなるように印刷処理の最終段階を選択することにより、印刷処理のスループットを良好にさせることができる。従って、旧機種のようにホストの処理能力が小さい場合でも印刷が完了するまでに時間がかかりすぎる現象がなくなる。なお、印刷処理の各段階をホストで実行するかプリンタで実行するかを選択するにあたり、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を選択することによって、ホストからプリンタへのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実にスループットを良好にさせることができる。一方、ホストはプリンタが実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行するので、ホストで実行する印刷処理の段階を多くするほど、より高画質となるように印刷が行われる。このように、本発明によると、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0051】
(3)変形例:
本発明の印刷制御装置と印刷装置を含む印刷システムは、様々な構成が可能である。
例えば、印刷装置は、ホストと一体化されたものでもよいし、単色画像のみを印刷する専用品であってもよい。また、マイクロウィーブにより紙送りをしながらドットを形成するプリンタ以外にも、様々な印刷装置を採用可能である。例えば、多数のラスタのうち所定数のラスタについて1ラスタずつ紙送りをしながら全ドットを形成した後に次の所定数のラスタについて同様にして全ドットを形成する処理を繰り返す印刷装置であってもよい。むろん、バンド送りを繰り返しながらドットを形成する印刷装置であってもよい。さらに、ASICにより印刷ヘッドを駆動するプリンタ以外にも、例えばファームウェア(F/W)により印刷ヘッドを駆動する印刷装置であってもよい。
【0052】
印刷制御装置と印刷装置が行う複数段階の印刷処理を上述した解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理とするとより思い通りに印刷させるのに好適となるが、このような構成は一例にすぎない。例えば、これらの処理の二つ以上(例えば解像度変換処理と色変換処理)を一つの段階の印刷処理としてもよいし、これらの処理をさらに二以上の処理とて別々の段階の印刷処理としてもよい。また、簡易な構成とするため、複数段階の印刷処理を例えばハーフトーン処理とラスタライズ処理のみとしてもよい。すると、ホストが実行する印刷処理の最終段階として、解像度変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のいずれかを選択することが可能となる。
さらに、ホストとプリンタとの間の通信を速く行うことができるならば、例えば解像度変換処理までをホストで実行して中間画像データをプリンタに送信し、色変換処理をプリンタで実行して中間画像データをホストに送信し、ハーフトーン処理をホストで実行して中間画像データをプリンタに送信し、ラスタライズ処理をプリンタで実行して画像を印刷させるようにしてもよい。例えば色変換処理をプリンタのハードウェアで行うことが可能であれば、このような処理ルートを選択することにより処理時間を短くすることが可能である。
【0053】
また、ホストが実行する最終段階の印刷処理を表す情報を上記選択情報とする以外にも、プリンタが実行する最初の段階(開始段階)の印刷処理を表す情報を上記選択情報としてもよい。同開始段階の印刷処理を自動選択する場合、図4のS120ではプリンタで実行する印刷処理の開始段階を変更しながら設定し、S130では設定された開始段階の前の段階における印刷処理を実行し、S155では処理時間が最も短くなる開始段階の印刷処理を表す情報を取得し、S160では開始段階の印刷処理を表す情報を選択情報として記憶すればよい。手動選択する場合、S165ではプリンタで実行する開始段階の印刷処理を表す情報を取得し、S170では開始段階の印刷処理を表す情報を選択情報として記憶すればよい。このような場合でも、ホストからプリンタへのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0054】
上述した実施形態では処理時間を計測することにより印刷処理を実行する装置を選択したが、所定の対応テーブルを参照して印刷処理を実行する装置を選択するようにしてもよい。
図9は変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段が行う処理を示しており、図10は同処理にて参照される対応テーブルT1の構造を模式的に示している。同テーブルT1は、CPUの種類やクロック数やメモリ容量等、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報と、最終段階とすることができる印刷処理のうち総合的な処理時間が最も短くなる印刷処理を表す情報との対応関係を格納している。ここで、総合的な処理時間が最も短くなる印刷処理とは、印刷処理の最終段階を変更したとして、複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理までホストで実行して上記中間画像データを生成し、プリンタに対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を意味している。同テーブルT1はプリンタの機種別に設けられているため、プリンタの機種が異なれば格納される印刷処理の最終段階も異なる。そして、同テーブルT1は、プリンタの機種に対応したプリンタドライバをホストにインストールしたときにHD14に記憶されるようになっている。
【0055】
図9のフローを開始すると、まず、印刷処理選択画面を表示する(S405)。次に、印刷処理を自動選択するか否かを判断する(S410)。自動選択しない場合には、図示していないが図5のS165〜S170と同じ処理を行い、複数段階の印刷処理についてどこまでをホストで行ってどこからをプリンタで行うかを手動で設定可能である。
印刷処理を自動選択する場合、S415に進み、CPUの種類やクロック数やメモリ容量等、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報を取得する。次に、HD14から対応テーブルT1を読み出し、同テーブルT1を参照してホストの印刷処理の処理速度を表す情報に対応する最終段階の印刷処理を表す情報を取得する(S420)。図10の例では、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報として、CPU「BBB」、クロック「500MHz」、メモリ「64MB」である場合、対応する最終段階の印刷処理「色変換処理」を取得することになる。そして、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S425)、本フローを終了する。
【0056】
以上の処理により、処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が選択される。このように、対応テーブルT1を参照するという簡易な構成でホストとプリンタの印刷処理の処理能力が反映されて印刷処理の各段階について実行する装置が選択され、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0057】
また、上述した実施形態ではデフォルトの印刷処理プログラムをプリンタのROMに記憶させて各種印刷処理を実行する構成としたが、書き替え可能なメモリに印刷処理プログラムを記憶させて各種印刷処理を実行するようにしてもよい。図11は別の変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段と印刷装置が行う処理を示しており、図の下段には同処理にて参照されるプログラム対応テーブルT2の構造を模式的に示している。同テーブルT2は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理と、プリンタに送信する印刷処理プログラムとの対応関係を格納している。ここで、印刷処理プログラムは、プリンタに印刷処理を実行させるにあたり、同プリンタに必要な段階の印刷処理を実行可能なプログラムである。同テーブルT2はプリンタの機種別に設けられているため、プリンタの機種が異なれば格納される印刷処理プログラムも異なる。そして、同テーブルT2は、プリンタの機種に対応したプリンタドライバをホストにインストールしたときにHD14に記憶されるようになっているし、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムがバージョンアップされたときにもHD14に上書きされるようになっている。
【0058】
ホストで図11のフローを開始すると、図示していないが図5のS105〜S150と同じ処理を行った後、S155,S165と同様に最終段階の印刷処理を表す情報を取得する(S505)。次に、HD14からプログラム対応テーブルT2を読み出し、同テーブルT2を参照してホストで実行する最終段階の印刷処理に対応する印刷処理プログラムを取得する(S510)。図11の例では、最終段階の印刷処理が「解像度変換処理」である場合、対応する「色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理」の印刷処理プログラムを取得することになる。さらに、取得した印刷処理プログラムをプリンタに対して送信する(S515)。
すると、プリンタで図に示すプログラム記憶処理が開始され、ホストから印刷処理プログラムを受信する(S555)。そして、受信した印刷処理プログラムをRAM23に記憶し(S560)、本フローを終了する。なお、プリンタの電源をオフにしたときでもRAM23への電源がバックアップされるようにしてあれば、プリンタの電源をオンにしたときに印刷処理プログラムを送信し直す処理を行う必要がなくなるので利便性が向上する。
ホストでは、S515終了後、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S520)、本フローを終了する。
【0059】
画像を印刷するとき、ホストでは図8で示したフローに従って処理を行い、プリンタでは図7で示したフローに従って処理を行えばよい。その際、S230〜S245の印刷処理は、RAMに記憶した印刷処理プログラムに従って実行すればよい。
このように、プリンタが印刷処理プログラムを受信して記憶可能であって記憶した印刷処理プログラムに従って印刷処理を実行可能であれば、印刷処理プログラムを予めプリンタに記憶させておく必要なく、プリンタで各種印刷処理を実行して画像を印刷させることができる。すなわち、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムがバージョンアップした際に、印刷処理プログラムを動的に変更することが可能であるので、利便性が向上する。
本発明によると、種々の態様により、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置を提供することができる。また、印刷制御装置の制御方法としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成図。
【図2】プリンタのブロック構成をホストとともに示すブロック構成図。
【図3】印刷システムの構成を模式的に示す図。
【図4】各段階の印刷処理の内容の一例を対比して説明する図。
【図5】印刷処理選択処理を示すフローチャート。
【図6】印刷処理選択画面の表示画面例を示す図。
【図7】プリンタが行う処理を示すフローチャート。
【図8】印刷制御手段が行う処理を示すフローチャート。
【図9】変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段が行う処理を示すフローチャート。
【図10】対応テーブルT1の構造を模式的に示す図。
【図11】別の変形例にかかる印刷システムが行う処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…ホストコンピュータ(印刷制御装置)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク、17a〜e…インターフェイス、18a…ディスプレイ、18b…キーボード、18c…マウス、20…インクジェットプリンタ(印刷装置)、22…ROM、23…RAM、100…印刷システム、T1…対応テーブル、T2…プログラム対応テーブル、U1…処理選択手段、U2…印刷制御手段、U21…画像入力部、U22,U31…解像度変換部、U23,U32…色変換部、U24,U33…ハーフトーン処理部、U25,U34…ラスタライズ処理部、U35…印刷実行部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の印刷制御装置は、プリンタを接続したホスト(ホストコンピュータ)で構成されている。同印刷制御装置は、画像データを入力し、同画像データの解像度をプリンタの印刷解像度に応じて変換し、変換後の画像データをインクの色に対応した画像データに色変換し、色変換後の画像データに対してハーフトーン処理を行い、さらにラスタライズ処理を行ってラスタデータを生成する印刷処理を行い、同ラスタデータをプリンタに送信することにより、印刷制御を行っている。コンピュータの高性能化によるスループット(処理能力)の向上に伴って、より高画質の画像に対応したプリンタドライバによって各印刷処理を行い、より高画質の画像を印刷することを可能にさせるようにしている。
また、プリンタサーバに複数のプリンタを接続し、同プリンタサーバが最も負荷の軽いプリンタを選択し、選択したプリンタに対して印刷データを送出することにより、印刷が行われるまでの時間を短くさせることも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−219730号公報(段落0021−0042、第1−4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、以下のような課題があった。
前者の印刷制御装置では、旧機種のように処理能力の小さいホストを採用している場合、高画質の画像に対応した各印刷処理の処理速度が十分ではなく、印刷が完了するまでに時間がかかりすぎるという問題があった。
後者の技術では、複数のプリンタを用意することによって印刷が完了するまでの時間が若干短縮されることにはなるものの、プリンタを1台しか用意できない場合には適用することができないことになる。また、処理能力の小さいホストを採用している場合には、ホストの印刷処理が律速となり、やはり印刷が完了するまでに時間がかかりすぎることになる。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御方法、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、画像を印刷する印刷装置に対して印刷制御を実行する印刷制御装置であって、上記印刷装置は、上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、画像データを入力し、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる構成としてある。
【0007】
設定情報は、印刷処理の各段階について印刷制御装置で実行するか印刷装置で実行するかを設定可能とされている。画像データが入力されると、設定情報に基づいて、印刷制御装置では当該印刷制御装置が設定された段階の印刷処理が実行され、印刷装置では当該印刷装置が設定された段階の印刷処理が実行される。そして、印刷装置は、画像データに対応する画像を印刷する。
ここで、印刷制御装置の印刷処理の処理能力等に応じて印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
なお、上記印刷処理の全てを印刷制御装置で実行してもよいし、印刷装置で実行してもよく、これらの場合であっても請求項1に記載した発明に含まれる。
また、印刷装置の処理状況に応じて各段階について実行する装置を変更するようにしてもよい。例えば、印刷装置から印刷ジョブの進行状況を表す情報を取得し、印刷ジョブが多く残されている場合には印刷制御装置にて多くの段階の印刷処理を行い、印刷ジョブがほとんど残されていない場合には印刷装置にて多くの段階の印刷処理を行うようにしてもよい。
【0008】
ここで、上記設定情報を取得する処理設定手段と、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる印刷制御手段とを具備する構成としてもよい。
すなわち、設定情報は、処理設定手段により取得されるようになっている。画像データが入力されると、設定情報に基づいて、印刷制御装置では当該印刷制御装置が設定された段階の印刷処理が実行され、印刷装置では当該印刷装置が設定された段階の印刷処理が実行される。従って、印刷制御装置の印刷処理の処理能力等に応じて印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0009】
上記処理設定手段は、本印刷制御装置および上記印刷装置による上記複数段階の印刷処理の処理能力を表す情報を取得し、取得した情報に応じて上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報を取得してもよい。すると、印刷制御装置と印刷装置の印刷処理の処理能力が反映されて、印刷処理の各段階について実行する装置が設定される。そして、総合的な印刷処理の処理時間を短くさせるように印刷処理を実行する装置を設定すれば、印刷処理のスループットを良好にさせ、ホストの処理能力が小さい場合でも印刷に時間がかかりすぎる現象がなくなる。従って、より思い通りに印刷させることができる。
なお、印刷処理の処理能力は、様々考えられ、例えば印刷処理の処理速度であってもよいし、印刷処理の処理時間であってもよい。
【0010】
上記設定情報は、本印刷制御装置で実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされ、上記印刷制御手段は、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、上記複数段階の印刷処理のうち設定された最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに、上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して上記設定された最終段階の印刷処理の次の段階から残りの印刷処理を実行させて上記画像を印刷させてもよい。印刷制御装置から印刷装置へのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
なお、印刷処理の全ての段階が終了するまで印刷制御装置で印刷処理を実行してもよいし、印刷処理の最初の段階から印刷装置で印刷処理を実行してもよく、これらの場合であっても請求項4に記載した発明に含まれる。
むろん、上記設定情報は、上記印刷装置で実行する開始段階とする印刷処理を表す情報とされ、上記印刷制御手段は、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、上記複数段階の印刷処理のうち設定された開始段階における印刷処理の前の段階における印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに、上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して上記開始段階から残りの印刷処理を実行させて上記画像を印刷させてもよい。同様に、印刷制御装置から印刷装置へのデータ送信を1回で済ますことができる。
【0011】
ここで、上記処理設定手段は、テスト用の画像データを入力し、本印刷制御装置で実行する印刷処理の最終段階を変更しながら、上記複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間を計測し、計測した処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を表す情報を上記設定情報として取得してもよい。処理時間を計測することにより処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が設定されるので、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0012】
むろん、上記処理設定手段は、本印刷制御装置の印刷処理の処理速度を表す情報と、上記印刷処理の最終段階を変更したとして上記複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理まで実行して上記中間画像データを生成するとともに上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を表す情報と、の対応関係を格納した対応テーブルを記憶しており、当該対応テーブルを参照して上記最終段階の印刷処理を表す情報を上記設定情報として取得してもよい。簡易な構成で印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0013】
ところで、印刷装置が印刷制御装置の実行する印刷処理とは異なる画質の画像を印刷させる複数段階の印刷処理を実行可能とされている場合、上記処理設定手段は、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかの選択入力を受け付け、入力された内容から上記設定情報を取得してもよい。印刷処理の各段階を印刷制御装置で実行するか印刷装置で実行するかについて選択入力することにより画像の画質が変わるので、所望の画質で印刷を行うことができ、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0014】
ここで、上記印刷制御手段は、印刷装置が実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行してもよい。印刷制御装置で実行する印刷処理の段階を多くするほど、より高画質となるように印刷が行われるので、より思い通りに印刷させることが可能となる。
より思い通りに印刷させるのに好適な印刷処理の一例として、請求項8にかかる発明のように構成してもよい。
【0015】
印刷装置に印刷処理を実行させるにあたり、印刷装置に必要な段階の印刷処理を実行可能な印刷処理プログラムを印刷装置に対して送信するようにしてもよい。印刷装置が印刷処理プログラムを受信して記憶可能であって記憶した印刷処理プログラムに従って印刷処理を実行可能であれば、印刷処理プログラムを予め印刷装置に記憶させておく必要がないので、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムを動的に変更可能となり、利便性が向上する。
むろん、プログラムを動的に変更できなくても、デフォルトの印刷処理プログラムを印刷装置の書き替え不可能なメモリに記憶させておくことにより、簡易な構成にて印刷装置で印刷処理を実行可能とすることができる。
【0016】
ところで、上述した印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。
また、上述した印刷制御を実行する際の手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。従って、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項10にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
【0017】
本発明を実施しようとする際に、印刷制御装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項11にかかる発明のように、本発明はその制御プログラムとしても適用可能である。さらに、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられる。すなわち、本発明はその制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能である。
さらに、請求項12にかかる発明のように本発明は印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能であるし、請求項13にかかる発明のように本発明は印刷装置単体としても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項9に記載された構成を上記制御方法や制御プログラムや制御プログラムを記録した媒体や印刷システムや印刷装置に対応させることも可能である。
ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。一次複製品、二次複製品などの複製段階も問わない。一部がハードウェアで実現される場合や、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む場合も本発明の思想に含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷システムが行う処理:
(3)変形例:
【0019】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成を示している。本印刷システム100は、本発明にいう印刷制御装置となるホスト10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20等から構成されている。
ホスト10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してホスト10全体の制御を行う。同バス10aには、タイマ回路11a、ROM12、RAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続されている。また、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本実施形態のホストにはデスクトップ型PCを採用しているが、ホストとしては一般的な構成を有するコンピュータを採用可能である。
【0020】
HD14には、オペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されている。実行時には、CPU11がこれらのソフトウェアを適宜RAM13に転送し、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながらプログラムを実行する。
周辺機器I/F(PIF)17aには、デジタルカメラ30や、図示しないカラースキャナ等が接続されるようになっている。CRTI/F17bには画像データに基づく画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続されている。また、プリンタI/F17eには、例えばパラレルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
【0021】
画像データに対応した画像を印刷するプリンタ20は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインク(印刷用色剤)を使用して、印刷用紙等の印刷媒体に対して印刷を行う。むろん、6色等、4色以外のインクを使用するプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、レーザープリンタ等、種々の画像出力機器を採用可能である。
図2に示すように、プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続されている。通信I/O24はホスト10のプリンタI/F17eと接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してホスト10から送信されるCMYKに変換されたデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してCMYKデータに基づく印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドはCMYK別に多数のノズルを有しており、印加電圧パターンに対応したインク滴を各ノズルからドット単位で吐出する。
I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷媒体を順次送り出して副走査を行ったりする。そして、CPU21が、RAM23をワークエリアとして利用しながらROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
【0022】
ホスト10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、プリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等の各種のドライバ類が組み込まれ、ハードウェアの制御を実行する。プリンタドライバは、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、APLから画像データを受け取って印刷ジョブを作成してプリンタ20に送出する。本発明の印刷制御装置の制御プログラムは、同プリンタドライバから構成されるが、APLにより構成されてもよい。また、HD14は同プログラムを記録した媒体であるが、同媒体は、例えば、CD−ROM、FD16a、光磁気ディスク、不揮発性メモリ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷媒体、等であってもよい。むろん、通信I/F17dからインターネット網を介して所定のサーバに格納された制御プログラムをダウンロードして実行させることも可能である。
そして、上記ハードウェアと制御プログラムとが協働して印刷制御装置を構築する。
【0023】
図3は、印刷システムの構成を模式的に示している。印刷制御装置の制御プログラムは、処理選択手段(本発明にいう処理設定手段)U1と各部U21〜U25に対応した機能を実現させる複数のモジュールから構成されている。また、プリンタのROM22に記憶されたプログラムは、プリンタ20に構成される各部U31〜U35に対応した機能を実現させる。
印刷制御手段U2は、画像入力部U21により画像データを入力するとともに、各部U22〜U25により複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能である。入力する画像データは、画像をドットマトリクス状の多数の画素別とされた階調データで構成したデータであり、様々な種類がある。例えば、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系における輝度(Y成分)、Bの色差(U成分)、Rの色差(V成分)から構成された画像データ等がある。また、画像データの各成分も様々な階調数とされている。本実施形態の画像入力部U21は、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを例えば広域RGB色空間内のRGB各256階調(0〜255の整数値)の画像データ(RGBデータとも記載)に変換する。
【0024】
ここで、解像度変換部U22では、画像を多数の画素でRGB別に階調表現した画像データの解像度を、プリンタ20の印刷解像度に合わせて(応じて)変換する解像度変換処理を行う。具体的には、図中模式的に示した画像データのように、解像度変換後の画像データを構成する各画素について順次対象画素を移動させながら階調データを算出していく。
色変換部U23では、変換後の画像データを、プリンタ20が使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなる画像データに色変換する色変換処理を行う。具体的には、図中模式的に示した画像データのように、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、LUT(色変換テーブル)を参照してRGBからなる画像データをCYMKインクのそれぞれの使用量に対応した例えばCYMK各256階調(0〜255の整数値)の画像データ(CMYKデータとも記載)に色変換する。LUTはCYMK別に階調データが格納されてHD14に記憶されており、補間演算を前提として、例えばRGB各17すなわち17の3乗個の格子点に対応した大量のデータを備えている。従って、入力するRGBデータに一致するCYMKデータがLUTに格納されていない場合には、入力するRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCYMKデータを取得し、体積補間等の補間演算によりCYMKデータを算出する。
【0025】
ハーフトーン処理部U24では、色変換後の画像データからプリンタ20が形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理を行う。具体的には、誤差拡散法等により、256階調のCYMKデータを例えば2階調に変換してビットデータとし、ハーフトーンデータとする。ここで、階調値「1」、「0」は、それぞれドット形成、ドット形成せずに割り当てている。なお、大中小3段階の大きさのドットを形成可能なプリンタであれば4階調のハーフトーンデータを生成するし、さらにドットの大きさがきめ細やかに設けられていれば8階調等のハーフトーンデータを生成する。
ラスタライズ処理部U25では、生成したハーフトーンデータから、プリンタ20が行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を行う。ラスタライズ処理は、印刷ヘッドの各ノズルに対応したノズルデータに変換する処理である。例えば変則紙送りを行うマイクロウィーブによる走査によりドットを形成させる場合、このような走査で各ノズルから吐出するインク滴のタイミングに合わせてハーフトーンデータの各ビットを並べ替え、ラスタデータとする。
【0026】
従来は、ホストが生成したラスタデータをプリンタに送信し、プリンタはラスタデータに基づいて画像を印刷していた。本実施形態では、上記各部U22〜U25に相当する複数段階の印刷処理を実行可能な解像度変換部U31、色変換部U32、ハーフトーン処理部U33、ラスタライズ処理部U34をプリンタに設けてあり、解像度変換、色変換、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のそれぞれをホスト10とプリンタ20のいずれでも実行することが可能となっている。これらの処理を実現させる印刷処理プログラムは、書き替え不可能なメモリであるROM22にデフォルトのプログラムとして記憶されている。そして、プリンタの印刷実行部U35は、ラスタライズ処理部U25,U34にて生成されたラスタデータに基づいて印刷ヘッドを主走査させるとともに紙送りしながらインク滴を吐出させ、印刷媒体上にドットを形成する。すると、画像データに対応する画像が印刷媒体に印刷される。
【0027】
ホストの処理選択手段U1は、上記印刷処理U22〜U25,U31〜U24の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかを選択(設定)可能とする選択情報(本発明にいう設定情報)を取得し、印刷制御手段U2は、選択情報に基づいてホストが選択(設定)された段階の印刷処理を実行するとともにプリンタに対して同プリンタが選択(設定)された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させる。すなわち、処理選択手段U1は、どの段階までホストで印刷処理を実行させてどの段階からプリンタで印刷処理を実行させるかのスイッチを切り替えることにより、どの処理ルートにより印刷処理を実行させるかを決定しているとも言える。図3に示した複数のスイッチは、いずれか一つのみがプリンタ側に切り替えられて中間画像データをプリンタに送信させるか、または、いずれもホスト側とされてラスタライズ処理部U25により生成されたラスタデータを中間画像データとしてプリンタに送信させる。そして、選択情報は自動的に取得されるようにもなっているし、ユーザ設定(カスタム設定)により取得されるようにもなっている。
【0028】
図4は、本実施形態における印刷システムにおいて、ホストとプリンタとで実行可能な各段階の印刷処理の内容の一例を対比して説明する図である。図に示すように、プリンタは、ホストが実行する印刷処理とは異なる画質の画像を印刷させる複数段階の印刷処理を実行可能とされている。もっと言うと、プリンタ側では印刷処理を高速かつ少ないメモリ容量にて行えるように処理が設定されている一方、ホスト側では最近のコンピュータの高性能化による処理能力の向上に伴って、より高画質の画像を印刷させる印刷処理を行うようになっている。図では、上側となるほど高画質の画像を印刷させる処理であることを示している。
例えば、解像度変換を行う際の補間方法として、プリンタではニアリストネイバーが採用されている一方、ホストではより高画質の画像を印刷させることを可能とするバイキュービックやバイリニアが採用されている。ここで、バイキュービックでは、解像度変換後の注目画素の位置を中心とした4×4画素の解像度変換前の階調データを参照することにより、変換後の注目画素の階調データを生成する。一方、ニアリストネイバーでは、変換後の注目画素の位置に最も近い変換前の階調データを変換後の注目画素の階調データとする。従って、ホストでは、プリンタが実行する解像度変換処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる解像度変換処理を実行することが可能である。
なお、図で示す補間方法の対比は一例にすぎないため、例えばプリンタでバイリニアによる補間処理により解像度変換を行うようにすることも可能である。
【0029】
また、色変換を行う際に使用するLUTの参照点の数として、プリンタでは9×9×9グリッドが採用されている一方、ホストでは64×64×64グリッドや32×32×32グリッドや17×17×17グリッドが採用されている。グリッド数が多いほど補間演算による誤差が少なくなるため、ホストの行う色変換処理のほうが高画質の画像を印刷させることになる。
ハーフトーン処理を行う手法として、プリンタでは128×128のディザマトリクスを用いたディザが採用されている一方、ホストでは誤差拡散法や256×256または512×512のディザマトリクスを用いたディザが採用されている。ここで、ディザと異なり、誤差拡散法では注目画素の階調データについて256階調を2〜8階調に減らす際に生じる階調誤差が他の画素の階調データに反映される。また、ディザマトリクスが大きいほど形成されるドットの分散性がよくなる。従って、ホストの行うハーフトーン処理のほうが高画質の画像を印刷させることが可能である。
【0030】
ラスタライズ処理を行う際の紙送り方法として、プリンタでは毎回23ラスタずつ紙送りする定則紙送りが採用されている一方、ホストでは23ラスタ、21ラスタ、24ラスタ、23ラスタの順にラスタ数を変更しながら紙送りする変則紙送りが採用されている。例えば、紙送り方向のノズルのピッチが副走査方向に形成するドットの間隔の4倍とされているとき、ノズルのピッチに相当する4ラスタ分のドットを形成する際に、定則紙送りでは毎回の紙送り誤差が3ラスタ分累積されてバンディングが生じやすい一方、変則紙送りでは毎回の紙送り誤差が累積されないのでバンディングが生じにくい。
以上説明したように、ホストでは、複数段階の印刷処理を実行するにあたり、プリンタが実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行することが可能となっている。
むろん、ホストとプリンタとで実行する印刷処理が同じ画質の画像を印刷させる処理であっても、印刷処理を実行する装置を選択することによっては画質を変えることはできないものの、本発明を適用可能であることに変わりはない。
【0031】
本実施形態の処理選択手段U1により取得される選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされている。そして、ホストの印刷制御手段U2は、この選択情報に基づいて、選択された最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成し、プリンタに対して同中間画像データを送信する。すると、プリンタは、選択された最終段階の印刷処理の次の段階から残りの印刷処理を実行して画像データに対応する画像を印刷する。
【0032】
(2)印刷システムが行う処理:
以下、本印刷システムが行う処理を説明する。
図5は、ホスト10の処理選択手段が行う印刷処理選択処理をフローチャートにより示している。
OSに備わる環境設定機能にてディスプレイ18aに表示される印刷処理選択メニューが選択されると、本フローを開始し、図6に示す印刷処理選択画面を表示する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。具体的には、予めHD14にホストで実行する最終段階の印刷処理を表す情報を記憶させておき、記憶したどうかを判断する情報を読み出して現在設定欄91aに表示する。また、印刷処理の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかの選択入力を受け付ける印刷処理選択欄91bや、各種ボタン91c,dを表示する。
【0033】
その後、印刷処理を自動選択するか否か、すなわち、印刷処理選択欄91bで「自動選択」が選択入力され、マウス18cにてOKボタン91cがクリック操作されたか否かを判断する(S110)。「自動選択」が選択入力された場合にはS115に進み、それ以外の項目が選択入力された場合にはS165に進む。なお、印刷処理選択欄91bの「自動選択」以外の項目については、図6の下側になるほどホスト側で多くの段階の印刷処理が実行され、より高画質となるように印刷が行われることになる。
印刷処理を自動選択する場合、まずS115にて、テスト用の画像データを入力する。テスト用の画像データは、所定の画像を表現する所定数の画素別とされた画像データであってもよいし、実際に印刷しようとする画像の一部やサムネイルを表現する画像データであってもよい。本実施形態では印刷処理が実行完了となる処理時間を計測するため、印刷処理を自動選択する処理に時間がかかりすぎないよう、画像データの画素数は実際に印刷する画像の画素数よりも小さいほうが好ましい。
【0034】
次に、ホストで実行する印刷処理の最終段階を設定する(S120)。本実施形態では、印刷処理の最終段階として、画像入力部U21が行う画像入力処理も含めて、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のいずれかを設定可能である。S120では全ての最終段階が設定されるように印刷処理の最終段階を変更しながら設定する。
その後、タイマ回路11aの所定のカウンタをリセットし、処理時間の計測を開始する(S125)。
【0035】
S125終了後、複数段階の印刷処理のうちS120で変更しながら設定した最終段階の印刷処理まで実行して、中間画像データを生成する(S130)。ここで、最終段階が画像入力処理、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理であるとき、それぞれ画像データ入力直後のRGBデータ、解像度変換後のRGBデータ、色変換後のCMYKデータ、ハーフトーン処理後の2〜8階調のハーフトーンデータ、ラスタライズ処理後のラスタデータが中間画像データとなる。なお、中間画像データには、ホストが実行した最終段階の印刷処理を表す情報や、中間画像データがテスト用であることを表す情報を付加している。
S130終了後、生成した中間画像データをプリンタ20に対して送信する(S135)。すると、プリンタでは、図7に示すフローに従って印刷処理を実行する。
【0036】
図7は、プリンタ20が行う処理を示している。
まず、ホスト10が送信した中間画像データを受信する(S205)。次に、受信したデータに付加された最終段階の印刷処理を表す情報に基づいて、画像入力処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S210)。条件成立の場合、S230〜S245にて残りの印刷処理である解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、解像度変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S215)。条件成立の場合、S235〜S245にて色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、色変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S220)。条件成立の場合、S240〜S245にてハーフトーン処理、ラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ハーフトーン処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S225)。条件成立の場合、S245にてラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ラスタライズ処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であり、S230〜S245の印刷処理を実行せずに、S250に進む。
【0037】
なお、S230〜S245では、ホストが実行するのと同様の印刷処理を実行する。S230では、解像度変換後のRGBデータを構成する各画素について対象画素毎に、プリンタの印刷解像度に合わせて画像データの解像度を変換する。ここで、画像データが印刷解像度よりも低い場合にはニアリストネイバーにより隣接する画像データの間に新たなデータを生成し、画像データが印刷解像度よりも高い場合には一定の割合でデータを間引く。S235では、変換対象とする対象画素毎に、LUTを参照して、解像度変換後のRGBデータをプリンタが使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータに色変換する。S240では、変換対象とする対象画素毎に、CMYKデータからプリンタが形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成する。S245では、ハーフトーンデータからプリンタが行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成する。
【0038】
S250では、中間画像データに付加された情報に基づいて、同中間画像データがテスト用であるか否かを判断する。テスト用である場合には、残りの印刷処理が実行完了した旨を表す情報をホストに対して送信し(S255)、本フローを終了する。
ホストでは、残りの印刷処理が実行完了した旨を表す情報を受信し(図5のS140)、タイマ回路11aのカウンタの値を読み込むことにより、処理時間の計測を終了してHD14に記憶する(S145)。このようにして、ホストはプリンタに対して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間を計測することができる。すなわち、ホストで実行する印刷処理の最終段階に対応した処理時間が取得されたことになり、同処理時間がホストおよびプリンタによる複数段階の印刷処理の処理能力を表す情報となる。
【0039】
その後、他に設定可能な最終段階の印刷処理が有るか否かを判断する(S150)。条件成立の場合、繰り返しS120〜S150の処理を行う。条件不成立の場合、計測した印刷処理の最終段階別の処理時間に基づいて、処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を選択(設定)して当該最終段階の印刷処理を表す情報を取得し(S155)、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S160)、本フローを終了する。すなわち、取得される選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされている。
なお、ホストからプリンタへのデータ送信量について、解像度変換後のRGBデータの場合には、各色8bit×3色×画素数=24bit×画素数となる。色変換後のCMYKデータの場合には、各色8bit×4色×画素数=32bit×画素数となる。ハーフトーン処理後のハーフトーンデータの場合には、各色1〜3bit×4色×画素数=4〜12bit×画素数となる。ラスタライズ処理後のラスタデータの場合にも、各色1〜3bit×4色×画素数=4〜12bit×画素数となる。従って、プリンタへのデータ送信に比較的時間がかかる場合には、データ送信量の少ないハーフトーンデータやラスタデータを中間画像データとするように処理ルートが選択されることになる。
【0040】
S105〜S160の処理により、印刷処理の各段階についてホストで実行するかプリンタで実行するかを選択(設定)可能とする選択情報を取得することができる。そして、処理時間を計測することにより処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が選択される。このように、ホストとプリンタの印刷処理の処理能力が反映されて印刷処理の各段階について実行する装置が選択され、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0041】
図5のS110において、「自動選択」以外の項目が選択入力された場合、S165〜S170の処理を行い、複数段階の印刷処理についてどこまでをホストで行ってどこからをプリンタで行うかが手動で設定される。すなわち、印刷処理選択欄91bで「全てプリンタで実行」、「解像度変換処理まで実行」、「色変換処理まで実行」、「ハーフトーン処理まで実行」、「ラスタライズ処理まで実行」の選択入力を受け付けると、入力された内容からそれぞれ画像入力処理、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を表す情報を選択情報として取得する(S165)。同選択情報は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を表す情報となる。そして、取得した選択情報をHD14に記憶し(S170)、本フローを終了する。
すると、印刷処理の各段階をホストで実行するかプリンタで実行するかについて選択入力することにより画像の画質を変えることができるので、所望の画質で印刷を行うことが可能となる。
【0042】
図8は、ホスト10の印刷制御手段が行う処理をフローチャートにより示している。
APLに備わるAPL用印刷機能にてディスプレイ18aに表示される印刷実行メニューが選択されると、本フローを開始し、図示しない印刷インターフェイス画面を表示する(S305)。同画面には、解像度選択欄、印刷モード選択欄、等が設けられている。なお、これらの選択欄にて選択入力されない場合には、デフォルトの条件(例えば、中解像度の普通モード)が選択される。
印刷インターフェイス画面に設けたOKボタンがマウスにてクリック操作されると、画質設定や解像度等の各種印刷パラメータを取得する(S310)。
その後、画像を表現する画像データを入力する画像入力処理を実行する(S315)。入力する画像データは、デジタルカメラ30等にて取り込まれた画像のデータや、FD16a等に記録した画像データ等がある。なお、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。
【0043】
画像データを入力すると、HD14に記憶された最終段階の印刷処理を表す選択情報を読み出して取得する(S320)。次に、取得した選択情報に基づいて、画像入力処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S325)。条件成立の場合、入力したRGBからなる画像データを中間画像データとするとともに、同データにホストで画像入力処理しか実行していない旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S330)、本フローを終了する。
【0044】
S325で条件不成立の場合、解像度変換後のRGBデータを構成する各画素について順次対象画素を移動させながら、プリンタの印刷解像度に合わせて画像データの解像度を変換する解像度変換処理を実行する(S335)。ここで、画像データが印刷解像度よりも低い場合にはバイキュービック等の補間処理により隣接する画像データの間に新たなデータを生成し、画像データが印刷解像度よりも高い場合には一定の割合でデータを間引く。
その後、上記選択情報に基づいて、解像度変換処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S340)。条件成立の場合、解像度変換後のRGBデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が解像度変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S345)、本フローを終了する。
【0045】
S340で条件不成立の場合、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、LUTを参照して、解像度変換後のRGBデータをプリンタが使用する複数のインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータに色変換する色変換処理を実行する(S350)。
その後、上記選択情報に基づいて、色変換処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S355)。条件成立の場合、色変換後のCMYKデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が色変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S360)、本フローを終了する。
【0046】
S355で条件不成立の場合、CMYKデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換後のCMYKデータからプリンタが形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理を実行する(S365)。その後、上記選択情報に基づいて、ハーフトーン処理が最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S370)。条件成立の場合、ハーフトーンデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階が色変換処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S375)、本フローを終了する。
【0047】
S370で条件不成立の場合、ホストが実行した印刷処理の最終段階はラスタライズ処理であるので、生成したハーフトーンデータからプリンタが行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理を実行する(S380)。その後、ラスタデータを中間画像データとするとともに、同データにホストが実行した印刷処理の最終段階がラスタライズ処理である旨を表す情報を付加し、情報付加後の中間画像データをプリンタ20に対して送信して(S385)、本フローを終了する。
【0048】
すると、プリンタ20は、図7で示したフローに従って各種処理を実行する。すなわち、ホスト10が送信した中間画像データを受信し、受信したデータに付加された最終段階の印刷処理を表す情報に基づいて、画像入力処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S205〜S210)。条件成立の場合、S230〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、解像度変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S215)。条件成立の場合、S235〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、色変換処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S220)。条件成立の場合、S240〜S245にて残りの印刷処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、ハーフトーン処理がホストで実行した最終段階の印刷処理であるか否かを判断する(S225)。条件成立の場合、S245にてラスタライズ処理を実行し、S250に進む。条件不成立の場合、残りの印刷処理はないので、S250に進む。
【0049】
S250では、中間画像データに付加された情報に基づいて、同中間画像データがテスト用であるか否かを判断する。テスト用でない場合には、ラスタデータに基づいて主走査と副走査を行いながらノズルからドット単位でインク滴を吐出させ、入力した画像データに対応する画像を印刷する印刷実行処理を行い(S260)、本フローを終了する。
以上説明したように、ホストは図8で示したフローに従って、ホストが選択(設定)された段階の印刷処理を実行するとともに、プリンタに対してプリンタが選択(設定)された段階の印刷処理を実行させて画像データに対応する画像を印刷させることができる。
【0050】
ここで、図5で示したフローに従って印刷処理の処理時間が最も短くなるように印刷処理の最終段階を選択することにより、印刷処理のスループットを良好にさせることができる。従って、旧機種のようにホストの処理能力が小さい場合でも印刷が完了するまでに時間がかかりすぎる現象がなくなる。なお、印刷処理の各段階をホストで実行するかプリンタで実行するかを選択するにあたり、ホストで実行する最終段階とする印刷処理を選択することによって、ホストからプリンタへのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実にスループットを良好にさせることができる。一方、ホストはプリンタが実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行するので、ホストで実行する印刷処理の段階を多くするほど、より高画質となるように印刷が行われる。このように、本発明によると、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能となる。
【0051】
(3)変形例:
本発明の印刷制御装置と印刷装置を含む印刷システムは、様々な構成が可能である。
例えば、印刷装置は、ホストと一体化されたものでもよいし、単色画像のみを印刷する専用品であってもよい。また、マイクロウィーブにより紙送りをしながらドットを形成するプリンタ以外にも、様々な印刷装置を採用可能である。例えば、多数のラスタのうち所定数のラスタについて1ラスタずつ紙送りをしながら全ドットを形成した後に次の所定数のラスタについて同様にして全ドットを形成する処理を繰り返す印刷装置であってもよい。むろん、バンド送りを繰り返しながらドットを形成する印刷装置であってもよい。さらに、ASICにより印刷ヘッドを駆動するプリンタ以外にも、例えばファームウェア(F/W)により印刷ヘッドを駆動する印刷装置であってもよい。
【0052】
印刷制御装置と印刷装置が行う複数段階の印刷処理を上述した解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理とするとより思い通りに印刷させるのに好適となるが、このような構成は一例にすぎない。例えば、これらの処理の二つ以上(例えば解像度変換処理と色変換処理)を一つの段階の印刷処理としてもよいし、これらの処理をさらに二以上の処理とて別々の段階の印刷処理としてもよい。また、簡易な構成とするため、複数段階の印刷処理を例えばハーフトーン処理とラスタライズ処理のみとしてもよい。すると、ホストが実行する印刷処理の最終段階として、解像度変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理のいずれかを選択することが可能となる。
さらに、ホストとプリンタとの間の通信を速く行うことができるならば、例えば解像度変換処理までをホストで実行して中間画像データをプリンタに送信し、色変換処理をプリンタで実行して中間画像データをホストに送信し、ハーフトーン処理をホストで実行して中間画像データをプリンタに送信し、ラスタライズ処理をプリンタで実行して画像を印刷させるようにしてもよい。例えば色変換処理をプリンタのハードウェアで行うことが可能であれば、このような処理ルートを選択することにより処理時間を短くすることが可能である。
【0053】
また、ホストが実行する最終段階の印刷処理を表す情報を上記選択情報とする以外にも、プリンタが実行する最初の段階(開始段階)の印刷処理を表す情報を上記選択情報としてもよい。同開始段階の印刷処理を自動選択する場合、図4のS120ではプリンタで実行する印刷処理の開始段階を変更しながら設定し、S130では設定された開始段階の前の段階における印刷処理を実行し、S155では処理時間が最も短くなる開始段階の印刷処理を表す情報を取得し、S160では開始段階の印刷処理を表す情報を選択情報として記憶すればよい。手動選択する場合、S165ではプリンタで実行する開始段階の印刷処理を表す情報を取得し、S170では開始段階の印刷処理を表す情報を選択情報として記憶すればよい。このような場合でも、ホストからプリンタへのデータ送信を1回で済ますことができるので、より確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0054】
上述した実施形態では処理時間を計測することにより印刷処理を実行する装置を選択したが、所定の対応テーブルを参照して印刷処理を実行する装置を選択するようにしてもよい。
図9は変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段が行う処理を示しており、図10は同処理にて参照される対応テーブルT1の構造を模式的に示している。同テーブルT1は、CPUの種類やクロック数やメモリ容量等、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報と、最終段階とすることができる印刷処理のうち総合的な処理時間が最も短くなる印刷処理を表す情報との対応関係を格納している。ここで、総合的な処理時間が最も短くなる印刷処理とは、印刷処理の最終段階を変更したとして、複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理までホストで実行して上記中間画像データを生成し、プリンタに対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を意味している。同テーブルT1はプリンタの機種別に設けられているため、プリンタの機種が異なれば格納される印刷処理の最終段階も異なる。そして、同テーブルT1は、プリンタの機種に対応したプリンタドライバをホストにインストールしたときにHD14に記憶されるようになっている。
【0055】
図9のフローを開始すると、まず、印刷処理選択画面を表示する(S405)。次に、印刷処理を自動選択するか否かを判断する(S410)。自動選択しない場合には、図示していないが図5のS165〜S170と同じ処理を行い、複数段階の印刷処理についてどこまでをホストで行ってどこからをプリンタで行うかを手動で設定可能である。
印刷処理を自動選択する場合、S415に進み、CPUの種類やクロック数やメモリ容量等、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報を取得する。次に、HD14から対応テーブルT1を読み出し、同テーブルT1を参照してホストの印刷処理の処理速度を表す情報に対応する最終段階の印刷処理を表す情報を取得する(S420)。図10の例では、ホストの印刷処理の処理速度を表す情報として、CPU「BBB」、クロック「500MHz」、メモリ「64MB」である場合、対応する最終段階の印刷処理「色変換処理」を取得することになる。そして、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S425)、本フローを終了する。
【0056】
以上の処理により、処理時間が最も短くなるように印刷処理を実行する装置が選択される。このように、対応テーブルT1を参照するという簡易な構成でホストとプリンタの印刷処理の処理能力が反映されて印刷処理の各段階について実行する装置が選択され、確実に印刷処理のスループットを良好にさせることができる。
【0057】
また、上述した実施形態ではデフォルトの印刷処理プログラムをプリンタのROMに記憶させて各種印刷処理を実行する構成としたが、書き替え可能なメモリに印刷処理プログラムを記憶させて各種印刷処理を実行するようにしてもよい。図11は別の変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段と印刷装置が行う処理を示しており、図の下段には同処理にて参照されるプログラム対応テーブルT2の構造を模式的に示している。同テーブルT2は、ホストで実行する最終段階とする印刷処理と、プリンタに送信する印刷処理プログラムとの対応関係を格納している。ここで、印刷処理プログラムは、プリンタに印刷処理を実行させるにあたり、同プリンタに必要な段階の印刷処理を実行可能なプログラムである。同テーブルT2はプリンタの機種別に設けられているため、プリンタの機種が異なれば格納される印刷処理プログラムも異なる。そして、同テーブルT2は、プリンタの機種に対応したプリンタドライバをホストにインストールしたときにHD14に記憶されるようになっているし、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムがバージョンアップされたときにもHD14に上書きされるようになっている。
【0058】
ホストで図11のフローを開始すると、図示していないが図5のS105〜S150と同じ処理を行った後、S155,S165と同様に最終段階の印刷処理を表す情報を取得する(S505)。次に、HD14からプログラム対応テーブルT2を読み出し、同テーブルT2を参照してホストで実行する最終段階の印刷処理に対応する印刷処理プログラムを取得する(S510)。図11の例では、最終段階の印刷処理が「解像度変換処理」である場合、対応する「色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理」の印刷処理プログラムを取得することになる。さらに、取得した印刷処理プログラムをプリンタに対して送信する(S515)。
すると、プリンタで図に示すプログラム記憶処理が開始され、ホストから印刷処理プログラムを受信する(S555)。そして、受信した印刷処理プログラムをRAM23に記憶し(S560)、本フローを終了する。なお、プリンタの電源をオフにしたときでもRAM23への電源がバックアップされるようにしてあれば、プリンタの電源をオンにしたときに印刷処理プログラムを送信し直す処理を行う必要がなくなるので利便性が向上する。
ホストでは、S515終了後、取得した最終段階の印刷処理を表す情報を選択情報としてHD14に記憶して(S520)、本フローを終了する。
【0059】
画像を印刷するとき、ホストでは図8で示したフローに従って処理を行い、プリンタでは図7で示したフローに従って処理を行えばよい。その際、S230〜S245の印刷処理は、RAMに記憶した印刷処理プログラムに従って実行すればよい。
このように、プリンタが印刷処理プログラムを受信して記憶可能であって記憶した印刷処理プログラムに従って印刷処理を実行可能であれば、印刷処理プログラムを予めプリンタに記憶させておく必要なく、プリンタで各種印刷処理を実行して画像を印刷させることができる。すなわち、技術の進歩に伴って印刷処理プログラムがバージョンアップした際に、印刷処理プログラムを動的に変更することが可能であるので、利便性が向上する。
本発明によると、種々の態様により、印刷処理のスループットを良好にさせたり、高画質の画像を印刷させたりと、より思い通りに印刷させることが可能な印刷制御装置、印刷制御装置の制御プログラム、印刷システムおよび印刷装置を提供することができる。また、印刷制御装置の制御方法としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成図。
【図2】プリンタのブロック構成をホストとともに示すブロック構成図。
【図3】印刷システムの構成を模式的に示す図。
【図4】各段階の印刷処理の内容の一例を対比して説明する図。
【図5】印刷処理選択処理を示すフローチャート。
【図6】印刷処理選択画面の表示画面例を示す図。
【図7】プリンタが行う処理を示すフローチャート。
【図8】印刷制御手段が行う処理を示すフローチャート。
【図9】変形例にかかる印刷制御装置の処理選択手段が行う処理を示すフローチャート。
【図10】対応テーブルT1の構造を模式的に示す図。
【図11】別の変形例にかかる印刷システムが行う処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…ホストコンピュータ(印刷制御装置)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク、17a〜e…インターフェイス、18a…ディスプレイ、18b…キーボード、18c…マウス、20…インクジェットプリンタ(印刷装置)、22…ROM、23…RAM、100…印刷システム、T1…対応テーブル、T2…プログラム対応テーブル、U1…処理選択手段、U2…印刷制御手段、U21…画像入力部、U22,U31…解像度変換部、U23,U32…色変換部、U24,U33…ハーフトーン処理部、U25,U34…ラスタライズ処理部、U35…印刷実行部
Claims (13)
- 複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、画像を印刷する印刷装置に対して印刷制御を実行する印刷制御装置であって、
上記印刷装置は、上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、
画像データを入力し、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させることを特徴とする印刷制御装置。 - 上記設定情報を取得する処理設定手段と、
上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、本印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる印刷制御手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。 - 上記処理設定手段は、本印刷制御装置および上記印刷装置による上記複数段階の印刷処理の処理能力を表す情報を取得し、取得した情報に応じて上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
- 上記設定情報は、本印刷制御装置で実行する最終段階とする印刷処理を表す情報とされ、
上記印刷制御手段は、上記画像データを入力し、上記設定情報に基づいて、上記複数段階の印刷処理のうち設定された最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに、上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して上記設定された最終段階の印刷処理の次の段階から残りの印刷処理を実行させて上記画像を印刷させることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。 - 上記処理設定手段は、テスト用の画像データを入力し、本印刷制御装置で実行する印刷処理の最終段階を変更しながら、上記複数段階の印刷処理のうち変更した最終段階の印刷処理まで実行して中間画像データを生成するとともに上記印刷装置に対して同中間画像データを送信して残りの印刷処理を実行させて実行完了となるまでの処理時間を計測し、計測した処理時間が最も短くなる最終段階の印刷処理を表す情報を上記設定情報として取得することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
- 上記印刷装置は、本印刷制御装置が実行する印刷処理とは異なる画質の画像を印刷させる上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、
上記処理設定手段は、上記印刷処理の各段階について本印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかの選択入力を受け付け、入力された内容から上記設定情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。 - 上記印刷制御手段は、上記複数段階の印刷処理を実行するにあたり、上記印刷装置が実行する印刷処理による画像の画質よりも高画質の画像を印刷させる印刷処理を実行することを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記印刷処理の各段階には、画像を多数の画素別の階調データで構成した上記画像データの解像度を上記印刷装置の印刷解像度に応じて変換する解像度変換処理、変換後の画像データを上記印刷装置が使用する複数の印刷用色剤のそれぞれの使用量に対応した階調データからなる画像データに色変換する色変換処理、色変換後の画像データから上記印刷装置が形成するドットのそれぞれに対応してドット形成の有無により画像を表現するハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理、生成したハーフトーンデータから上記印刷装置が行う走査に合わせて並べ替えてラスタデータを生成するラスタライズ処理、の少なくとも一部が含まれることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記印刷制御手段は、上記印刷装置に上記印刷処理を実行させるにあたり、同印刷装置に必要な段階の印刷処理を実行可能な印刷処理プログラムを同印刷装置に対して送信し、
上記印刷装置は、上記印刷処理プログラムを受信して記憶可能であるとともに、記憶した印刷処理プログラムに従って上記印刷処理を実行可能であることを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれかに記載の印刷制御装置。 - 複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、画像を印刷する印刷装置に対して印刷制御を実行する印刷制御装置の制御方法であって、
上記印刷装置は、上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、
画像データを入力し、上記印刷処理の各段階について上記印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、上記印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させることを特徴とする印刷制御装置の制御方法。 - 複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、画像を印刷する印刷装置に対して印刷制御を実行する印刷制御装置の制御プログラムであって、
上記印刷装置は、上記複数段階の印刷処理を実行可能とされており、
画像データを入力し、上記印刷処理の各段階について上記印刷制御装置で実行するか上記印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、上記印刷制御装置が設定された段階の印刷処理を実行するとともに、上記印刷装置に対して同印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行させて上記画像データに対応する画像を印刷させる機能をコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御装置の制御プログラム。 - ホストと印刷装置とから構成され、複数段階とされた所定の印刷処理を実行して同印刷装置から印刷する印刷システムであって、
上記ホストと印刷装置は、ともに上記複数段階の印刷処理を実行可能であり、
上記ホストは、画像データを入力し、上記印刷処理の各段階についてホストで実行するか印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、ホストを設定した段階の印刷処理を実行し、
上記印刷装置は、上記ホストにて印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行して上記画像データに対応する画像を印刷することを特徴とする印刷システム。 - ホストに接続されて画像を印刷する印刷装置であって、
上記ホストと印刷装置は、ともに複数段階とされた所定の印刷処理を実行可能であり、
上記ホストは、画像データを入力し、上記印刷処理の各段階についてホストで実行するか印刷装置で実行するかを設定可能とする設定情報に基づいて、ホストを設定した段階の印刷処理を実行するものであり、
上記ホストにて印刷装置が設定された段階の印刷処理を実行して上記画像データに対応する画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
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