JP2004170439A - クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Naohiro Kumagai
直洋 熊谷
Atsushi Sanpei
敦史 三瓶
Masahito Yanagida
雅人 柳田
Takashi Shintani
剛史 新谷
Eisaku Murakami
栄作 村上
Masanori Kawasumi
正則 川隅
Toshio Koike
寿男 小池
Masami Tomita
正実 富田
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Abstract

【課題】像担持体である感光体の表面に強固に付着しているシリカ等の外添剤を除去するクリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体1上に担持されるトナーを清掃するクリーニング部材を配設するクリーニング装置8において、感光体1に当接される2つのクリーニングブレードを有し、感光体1の回転方向に対して、第1クリーニングブレード8aの下流側に設けられる第2クリーニングブレード8bは、第1クリーニングブレード8aより硬度が高いクリーニング装置8とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式により記録画像を作成する際に、可視像が形成される像担持体上の残留トナー、付着物をクリーニングするクリーニング装置に関するものであり、さらに、このクリーニング装置を備えるプロセスカートリッジ、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、静電潜像を像担持体上に形成し、この静電潜像を電荷の極性の異なるトナーで現像することで、可視化されたトナー像を形成している。このトナー像を、一旦中間転写体に転写して中間転写体上に形成されるトナー像を又はこの中間転写体への転写を省略して直接像担持体上のトナー像を記録紙に転写して、記録紙上にトナー像を形成し、次に定着装置でトナーを溶融させて、記録紙上に固定させている。
転写された後の像担持体上には、未転写の残留トナーが付着している。このトナーには、トナーの流動性、帯電性を調整するためにシリカ、チタニア、アルミナ等の金属酸化物、窒化物、炭化物の外添剤が添加されている。また、最近は、画像形成装置に対して、高精度の記録画像が求まられており、トナーの粒径を小さくする改善が行われている。トナーを小粒径にすると、像担持体上のトナーをクリーニングして除去するのに大きな力が必要となるためにクリーニングしづらくなる。したがって、小粒径にすると一定重量のトナーの表面積が大きくなるために、その表面積に応じて外添剤の量を多くして流動性を向上させる必要がある。
【0003】
しかしながら、外添剤の外添量を多くすると、転写後の像担持体上に残留する外添剤が増加する。この像担持体上に残留する外添剤は、電気的に絶縁性であり帯電装置の帯電により像担持体に強固に付着し、さらに、クリーニング装置のクリーニングブレードにより像担持体に押し込められることになる。さらに、像担持体上の外添剤が起点になりトナー又はトナーの構成材料である結着樹脂、ワックス等が付着して成長し、形成される画像上に黒い点となって画像を汚す現象が発生する。
【0004】
このために、従来は、実開昭62−164376号公報では、「クリーニング部材の下流側に、研摩剤を分散した弾性体からなる研摩部材を感光体の表面に接して設けた」という「感光体表面付着物除去装置」が開示されている。
また、特開平3−65980号公報では、「像担持体に対して逆方向に圧接配置したクリーニングブレードと、像担持体表面を摺擦クリーニングするように圧接配置したクリーニング部材とを備えてなる」という「画像形成装置のクリーニング装置」が開示されている。
【0005】
しかし、実開昭62−164376号公報の「感光体表面付着物除去装置」では、コロナ放電で発生した窒素酸化物、硫黄酸化物等の汚染物質又は記録するための用紙に含まれるサイズ剤、顔料等の処理剤の感光体への付着物を除去するため同質のクリーニング部材を用いているが、強固に感光体に付着した外添剤を除去するには研摩力が十分ではない。また、特開平3−65980号公報の「画像形成装置のクリーニング装置」では、小粒径のトナーのクリーニング性を向上させるためであって、特に、2枚目のクリーニングブレードは、薄くして、かつ、当接圧を少なくして感光体の摩耗を少なくすることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、いずれに開示されたクリーニングブレードでは、感光体上に強く付着したシリカ等の外添剤が、帯電装置により電荷を受けて強く感光体に付着し、さらに、通常のクリーニングブレードで除去されず、逆に感光体に押しつけられて一層強固に付着したシリカを除去することは困難である。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、像担持体である感光体の表面に強固に付着しているシリカ等の外添剤を除去するクリーニング装置を提供することを課題としている。
さらに、感光体の表面に強固に付着しているシリカ等の外添剤を除去するクリーニング装置を備えることで、感光体の寿命を延ばすことができるプロセスカートリッジを提供することを課題としている。
また、乾式粉砕法又は湿式重合法による小粒径トナーを使用する場合であっても、感光体の表面に強固に付着しているシリカ等の外添剤を除去するクリーニング装置を備えることで、高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング部材を配設するクリーニング装置において、 前記クリーニング装置は、像担持体に当接される2つのクリーニングブレードを有し、像担持体の回転方向に対して、第1クリーニングブレードの下流側に設けられる第2クリーニングブレードは、第1クリーニングブレードより硬度が高いクリーニング装置とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードが、第1クリーニングブレードより当接圧が高いクリーニング装置とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクリーニング装置において、 前記クリーニング装置は、第1クリーニングブレードが、第2クリーニングブレードより像担持体の研摩力が大きく、かつ、第2クリーニングブレードの研摩力が、第1クリーニングブレードの研摩力が1/7〜1/2の範囲にあるクリーニング装置とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第1クリーニングブレードの像担持体の研磨速度が、像担持体10,000回転の当接に対して7μm未満であって、
第2クリーニングブレードの像担持体の研磨速度が、像担持体10,000回転の当接に対して1〜3.5μmであるクリーニング装置とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第1及び第2クリーニングブレードがカウンター方式であるクリーニング装置とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードがトレーリング方式であるクリーニング装置とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードが、像担持体の回転方向に対して、帯電装置の上流側に配設されるクリーニング装置とする。
請求項8に記載の発明は、像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング部材を配設するクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、像担持体に当接される2つのクリーニングブレードを有し、像担持体の回転方向に対して、転写部の下流側であって、第1クリーニングブレードの上流側に配設される第2クリーニングブレードは、第1クリーニングブレードより硬度が高いクリーニング装置とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、請求項2ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置であるクリーニング装置とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のクリーニング装置において、前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードを像担持体から離間させる離間機構を備えるクリーニング装置とする。
【0009】
請求項11に記載の発明は、像担持体と、像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング装置と少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置に本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、前記プロセスカートリッジは、請求項1ないし10のいずれかに記載のクリーニング装置が配置されているプロセスカートリッジとする。
【0010】
請求項12に記載の発明は、潜像を形成する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写装置と、 転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、クリーニング装置が請求項1ないし11のいずれかに記載のクリーニング装置である画像形成装置とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置に用いられるトナーは、着色剤、少なくともN(窒素)原子を含む官能基を有するポリエステル、離型剤を主成分とし、荷電制御剤を有するトナー母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添するトナーであって、トナーの体積平均粒径が、3〜10μmである画像形成装置とする。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像形成装置において、前記トナーは、トナー表面とトナー内部で窒素原子の濃度に分布があり、トナー表面がトナー全体より窒素濃度が高く分布している画像形成装置とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の画像形成装置において、前記トナーはトナー及び添加剤と同極性の荷電制御剤を含有し、かつ、該荷電制御剤はトナー表面に存在する荷電制御剤とトナー全体に存在する荷電制御剤との重量比が100〜1,000で分布している画像形成装置とする。
請求項16に記載の発明は、請求項13ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、トナー母体粒子が、平均円形度が0.90〜1.00である画像形成装置とする。
請求項17に記載の発明は、請求項13ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、平均円形度のうちSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜190の範囲にある画像形成装置とする。
請求項18に記載の発明は、請求項13ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、少なくともN(窒素)原子を含む官能基を有するプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤からなるトナー材料を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ、重付加反応させるトナーである画像形成装置とする。
請求項19に記載の発明は、請求項13ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、紡錘形状である画像形成装置とする。
請求項20に記載の発明は、請求項13ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは紡錘形状であって、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される画像形成装置とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のクリーニング装置を装着した画像形成装置の像担持体周囲の構成を示す概略図である。
像担持体である感光体1の周囲は、帯電装置2、図示しない露光装置3、現像装置4、転写装置6、定着装置7及びクリーニング装置8が配置されている。
感光体1は、一般的に用いられている有機感光体を用いることもできる。
帯電装置2は、コロナ方式、ローラ方式、ブラシ方式、ブレード方式のいずれであってもよく、ここでは、ローラ方式の帯電装置2を示す。帯電装置2は、帯電ローラ2a、帯電ローラ2aを清掃するために当接されているクリーニングパッド2b、帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ2aに高電圧を印加して、曲率を有する帯電ローラ2aと感光体1との間に所定の電圧を印加し、感光体1との間でコロナ放電を発生させて感光体1の表面を一様に帯電するものである。
露光装置3は、読取装置内のスキャナーで読み取ったデータ及び、図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光3aをスキャンさせミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
【0012】
現像装置4は、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体と、トナー供給室等を備える。感光体1と微小間隔をおいて配置された円筒状の現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材とを有している。現像剤担持体は、回転可能に支持された中空円筒状の現像剤担持体と、現像剤担持体の内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像剤担持体の外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送できるようになっている。現像剤担持体は導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための電源が接続されている。現像剤担持体と感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
【0013】
転写装置6は、転写ベルト6aと転写バイアスローラ6bとテンションローラ6cから構成されている。転写バイアスローラ6bは、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に弾性層を設けて構成する。転写バイアスローラ6bには、記録紙を感光体1に密着させるために、感光体1側に必要な圧力がかけられる。転写ベルト6aは、基材として耐熱性の材料を種々選択する事で効果が得られ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成とすることができる。又、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設けてもよい。転写ベルト6aの内側には、転写ベルト6aの駆動及び張架のためのテンションローラが設けられている。
【0014】
定着装置7は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒーターを有する定着ローラ71と、圧接される加圧ローラ72とを備えている。定着ローラ71は、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラ71の外周面には、図示しない温度検知手段が設けられ、定着ローラ71の表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータ74が制御されている。加圧ローラ72は、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラ71と同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けもよいし、ヒータ73を設けてもよい。
【0015】
ここで、クリーニング装置8について詳細に説明する。クリーニング装置8は、第1クリーニングブレード8a、第2クリーニングブレード8b、トナー回収羽根8d、トナー回収コイル8c、図示されないトナー回収ボックスを備える。第1クリーニングブレード8aは、転写後に残留する感光体1上のトナーを除去する。第1クリーニングブレード8aの材質は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の弾性体を用いる。特に、ウレタンゴムが、耐摩耗性、耐オゾン性、耐汚染性の観点から好ましい。第1クリーニングブレード8aの硬度(JIS―A)は、65〜85度の範囲が好ましい。硬度が65度未満ではクリーニングブレードの変形が大きくトナー等のクリーニングが困難になり、硬度が85度を越えるとブレード先端が欠けやすくなる。第1クリーニングブレード8aは、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。第1クリーニングブレード8aの軸方向の長さは、感光体1の軸方向の長さより若干短めにして端部からクリーニングしたトナーがこぼれるのを防止する。又、当接角度は、当接位置の接線から5〜25度の範囲になることが好ましい。当接角度が5度未満ではトナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすく、25度を越えるとクリーニング時にブレードめくれが生じることがある。
【0016】
また、第1クリーニングブレード8aは、均一な当接角度と当接圧を維持するために、ホルダに固定又は一体成形されていることが好ましい。ホルダは、鋼板、アルミ板等の金属板、硬度の異なるウレタンゴムであってもよい。
第1クリーニングブレード8aの当接圧は、10〜60gf/cmの範囲にあることが好ましい。当接圧が10gf/cm未満では2μm未満のトナーのクリーニングが困難であり、60gf/cmを越えるとクリーニングブレードがめくれたり、バウンディングしやすくなって、クリーニング性が低下する。
【0017】
第2クリーニングブレード8bは、感光体1の回転方向に対して第1クリーニングブレード8aより下流側に設けられ、主に、感光体1表面を研摩しつつ、感光体1上に付着する付着物を除去する。しかし、第1クリーニングブレード8aのみでは感光体1表面に付着した外添剤、帯電生成物を完全に除去することができない。第1クリーニングブレード8aの研摩力をさらに大きくするために、表面硬度、当接圧、ゴム硬度を大きくすると、ブレードめくれ、ブレードの振動であるバウンディングが発生し、クリーニング不良が生ずる。そこで、第2クリーニングブレード8bを設け、除去しきれない感光体1上の外添剤等を除去するため第1クリーニングブレード8aより下流側に配設する。また、帯電装置2の上流側に配設することが好ましい。感光体1にクリーニングブレードを当接すると、摩擦帯電するために、帯電装置2により設定された異なる感光体表面電位になる。このために、感光体1の回転方向に対して帯電装置2の上流側に設ける。
【0018】
感光体1の研摩は、クリーニングブレード自身で研摩するが、クリーニングブレードと感光体1の間に狭持されるトナーによっても研摩される。したがって、いずれに重点を置いてもよいが、感光体1上に強く付着したシリカ等の外添剤を除去し、かつ感光体1の削れ量が小さい方が好ましい。
感光体1をクリーニングブレード自身で研摩し、かつ、感光体1上に強く付着したシリカ等を除去するために、第2クリーニングブレード8bの硬度を第1クリーニングブレード8aより高くする。第2クリーニングブレード8bの材質は、第1クリーニングブレード8aの材質と同じものを用いることができるが、異なる材質であってもよい。これで、第1クリーニングブレード8aで除去できなかった感光体1表面の付着物を除去する。このために、少なくとも硬度は65度以上が好ましい。
第2クリーニングブレード8bは、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。厚さは、第1クリーニングブレード8aより薄いことが好ましい。薄くすることで、当接圧を高くすることができる。
【0019】
また、第2クリーニングブレード8bは、均一な当接角度と当接圧を維持するために、ホルダに固定又は一体成形されていることが好ましい。ホルダは、鋼板、アルミ板等の金属板、硬度の異なるウレタンゴムであってもよい。
また、感光体1をクリーニングブレードと感光体1の間に狭持されるトナーで研摩するために、第2クリーニングブレード8bの当接圧は、10〜60gf/cmが好ましい。当接圧が10gf/cm未満では研摩性が小さく、強固に感光体1に付着しているシリカ等の付着物を除去することができない。60gf/cmを越えると、クリーニングブレード先端が削れやすくなり耐久性が低下し、また、第1クリーニングブレード8aでクリーニングされた後であるために第2クリーニングブレード8bに狭持されるトナーが少なく、摩擦力が高くなりすぎブレードめくれが発生する。
また、第2クリーニングブレード8bは、第1クリーニングブレード8aより研摩力を小さくし、かつ、第1クリーニングブレード8aの研摩力を1/7〜1/2の範囲にする。これは、第2クリーニングブレード8bは、第1クリーニングブレード8aで除去しきれない感光体1上の外添剤等を除去するためであり、研摩力を大きくすると感光体1の削れ量が多くなり、感光体1の寿命が短くなる。
【0020】
第1及び第2クリーニングブレード8a、8bの当接方式は、カウンター方式、トレーリング方式のいずれであってもよいが、カウンター方式が好ましい。カウンター方式の方が、比較的小さな力で大きなクリーニング力を得ることができ、ブレードめくれ等の発生を防止することができる。第2クリーニングブレード8bは、トレーリング方式であってもよい。図2は、本発明のクリーニング装置8であって、第2クリーニングブレード8bをトレーリング方式にしたクリーニング装置8を装着した画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。カウンター方式に比較してトレーリング方式にすると、残留トナーのクリーニング性は多少低下するが、感光体1との摩擦力が低下してブレードめくれが減少し、また、トナーを狭持する面積が増加するために感光体1上の付着物を除去するための感光体1の研摩力はほとんど低下しない。
【0021】
また、第2クリーニングブレード8bは、感光体1に当接できれば、感光体1のいずれの部位に配設するものであってもよい。感光体1表面の外添剤等を除去できれば足りるからである。この場合、画像形成時は感光体1から離間しておき、空転時などの非画像形成時に画像形成に影響を与えないタイミングで感光体1に当接し、感光体1上の外添剤等を除去する。常時当接させないことで感光体1の削れ量を少なくして、感光体1の寿命を長くすることができる。特に、例えば、転写部の下流で、第1クリーニングブレード8aの上流側であってもよい。このとき、転写工程後では、感光体1上の残留トナーが多いために、第1クリーニングブレード8aで残留トナーが除去される前は、第2クリーニングブレード8bは、離間手段で感光体1から離間しておく。例えば、カムは半回転ステップのスプリングクラッチによって半回転制御を行って、スプリングクラッチの半回転動作はフラッパタイプのソレノイドにより行うようにし、スプリングクラッチは、ソレノイドをON状態にしてカムを引いた状態の時に、第2クリーニングブレード8aを感光体1に接触させる方向に移動する。また、ソレノイドがOFF状態の時、第2クリーニングブレード8aを感光体1から離間する方向に移動させる機構を設けてもよい。
【0022】
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも、像担持体である感光体1と、感光体1上の担持されるトナーを除去するクリーニング装置8を一体に支持して、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、上述のクリーニング装置8を配置するものであってもよい。感光体1の寿命に至る前に、感光体1上の外添剤、帯電生成物により感光体1が汚染され、黒い点のある低品位の画像が形成されるのを防止することができる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成を示す概略図である。また、本発明の潜像を形成する像担持体である感光体1と、感光体1表面に均一に帯電を施す帯電装置2と、帯電した感光体1表面に画像データに基づいてレーザ光3aを照射し、潜像を書き込む露光装置3と、感光体1表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置4と、感光体1表面の可視像を記録紙に転写する転写装置6と、転写後の感光体1表面をクリーニングするクリーニング装置8とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、上述のクリーニング装置8を用いる。これにより、感光体1の寿命に至る前に、感光体1上の外添剤、帯電生成物により感光体1が汚染され、黒い点のある低品位の画像が形成されるのを防止することができる。
【0024】
さらに、作像動作は、次のように行われる。感光体1は、図1では、反時計方向に回転している。感光体1は除電ランプ9により除電され、表面電位が0〜−150Vの基準電位に平均化される。次に、帯電ローラ2aにより帯電され、表面電位が−800V前後となる。次に、露光装置3で露光され、光が照射された部分(画像部)は表面電位が0〜−200Vとなる。現像装置4により現像剤担持体上のトナーが画像部分に付着する。トナー像が作られた感光体1は回転移動し、給紙部より記録紙先端部と画像先端部とが転写ベルト6aで一致するようなタイミングで、記録紙が送られ、転写ベルト6aで感光体1表面のトナー像が記録紙に転写される。その後、記録紙は、定着装置7へ送られ、熱と圧力によりトナーが記録紙に融着されて、コピーとして排出される。感光体1上に残った残留トナーはクリーニング装置8の第1及び第2クリーニングブレード8a、8bによりクリーニングされ、その後、感光体1は除電ランプ9により残留電荷が除電されてトナーのない初期状態となり、再び次の作像工程へ移る。この画像形成装置には、磁性キャリアとトナーから成る二成分現像剤、磁性又は非磁性一成分現像剤いずれでもよく、ここに用いるトナーが溶融混練された後乾式粉砕法によるトナーであっても、溶媒中の湿式重合法によるトナーのいずれであってもよい。
【0025】
次に、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーについて説明する。トナーは、着色剤と少なくともN(窒素)原子を含む官能基を有するポリエステルを主成分とし、荷電制御剤を含有してなるトナー母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添してなるトナーであって、トナー表面がトナー内部より硬いトナーを用いる。
【0026】
以下に、本発明の画像形成装置に用いるトナーの構成材料について説明する。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%である。
【0027】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0028】
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0029】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0030】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
【0031】
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルのプレポリマー(A)を得、これとアミン類との重付加反応により分子鎖が伸長されて得られるものである。ポリエステルのプレポリマーはイソシアネート基の官能基を有することでN原子を含んでいる。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0032】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0033】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0034】
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこのポリエステルプレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
【0035】
多価イソシアネート(PIC)を反応させる際、及びポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長反応には、必要により伸長停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常10,000以上、好ましくは20,000〜10,000,000、さらに好ましくは30,000〜1,000,000である。10,000未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2,000〜15,000、好ましくは2,000〜10,000、さらに好ましくは2,000〜8,000である。20,000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0036】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでもよい。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0037】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0038】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
【0039】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0040】
なお、キャリアに用いる磁性材料は、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。磁性材料としては、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高く好ましいが、画像形成装置のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0041】
次に、溶媒中の湿式重合法によるトナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0042】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
【0043】
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0044】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0045】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0046】
また、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸価チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0047】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との重付加反応を行わせる。この反応は、分子鎖の伸長を伴うため伸長反応とも呼ぶ。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0048】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0049】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
【0050】
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球形状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
特に、本発明の画像形成装置に用いるトナーは、その表面がその内部より硬くする。溶融混錬した後に乾式粉砕するトナーでは、トナーの硬さを傾斜させることは困難であるが、本発明に係る溶液内で重合する湿式重合トナーでは、傾斜構造を持たせることが容易にできる。
【0051】
このトナーの体積平均粒径は、3〜10μmの範囲が好ましい。粒径が小さいほど、細線の再現性が高くなり、高品位な画質を得ることができる。3μm未満では液滴の形成が困難であり、10μmを越えると乾式粉砕法によるトナーの方が低コストになる。また、粒径分布は、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。Dv/Dnが、1.40を越えると帯電量分布も広がるために高品位な画像を得るのが困難になる。
【0052】
トナー全体の硬さの分布は含まれる構成元素を分析することで把握することができる。ウレア結合したポリエステル樹脂は、Nを多く含む方が硬くなり、これをXPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。トナー表面を硬くすることで、長期間使用する場合であってもブロッキングすることを防止し、また、トナー粒子自体の流動性を良くすることで攪拌性・混合性を良くすることができる。さらに、トナー表面が硬いことは外添剤がトナー表面に埋め込まれにくくなることで、現像装置4内で長期間攪拌しても、トナーの流動性・帯電性が一定に保つことができる。また、内部の硬さを低くすることで、定着時における熱と圧力でトナー表面を破壊し、容易に変形させることで、離型剤を含むトナー内部を露出させ定着性を向上させることができる。
【0053】
しかし、トナー表面が硬くなることで、外添剤の埋め込みが少なくなるが、外添剤がトナー表面から遊離しやすくなり、感光体1表面に埋め込まれたり又は強く付着する。この付着した外添剤が起点となって、トナーが付着し成長して、感光体1上に黒点を形成しやすくなる。したがって、このようなトナーを用いる画像形成装置では、クリーニング装置8に第1及び第2クリーニングブレード8a、8bを配設し、上述したように、第2クリーニングブレード8bの硬度を高くし及び/又は当接圧を強くすることで、第1クリーニングブレード8aで除去できなかった又は除去しきれなかった感光体1表面に埋め込まれたシリカを除去することができる。
【0054】
また、本発明に係る画像形成装置で使用されるトナーは、トナー表面に存在する荷電制御剤とトナー全体に存在する荷電制御剤との重量比が100〜1,000である。トナーの母体粒子に荷電制御剤を混合・攪拌してトナー表面に存在させることができる。これも、XPS(X線光電子分光法)等で組成分布を測定して確認することができる。荷電制御剤としては、トナーの帯電極性と同一の極性を有する荷電制御剤を用いることが好ましい。これにより、トナー母体粒子の帯電性と外添剤の帯電性を同じにすることで、トナーの帯電立ち上がりを速くし、帯電量分布を狭くすることができる。これにより、画像形成装置においてトナー補給時のかぶり等を減少させて高品位の画像を得ることができる。しかし、トナー表面と外添剤が同一極性では、外添剤が反発して遊離しやすくなり、感光体1上に黒点を形成しやすくなるが、クリーニング装置8に第1及び第2クリーニングブレード8a、8bを配設し、感光体1表面に埋め込まれたシリカを除去することができる。
【0055】
また、このような湿式重合法では、さらに、離型剤をトナー表面に露出させずに、トナーの内側であってトナー表面近傍に優先的に分散させることができる。特に、トナー表面から1μm内部までの領域に、離型剤の占める面積率が5〜40%の範囲にあることが好ましい。これにより、軟化点が低く、柔らかい離型剤が磁性キャリアに移行し、トナーとの帯電性を阻害することを防止して現像剤の寿命を延ばすことができ、良好な定着性とを両立することができる。
【0056】
また、トナー母体粒子の平均円形度が0.90〜1.00の範囲にある。より好ましくは平均円形度が0.93〜0.97で、円形度が0.94未満のトナーが10%以下である。平均円形度が0.90未満では、球形からあまり離れた不定形のトナーでは転写が均一に行われないために記録紙に転写した際に細線の間でトナーが散ってしまい、高品質の画像が得られない。
トナーの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100:東亜医用電子株式会社製)を用いて、容器中に予め不純固形物を除去した水100〜150mL中に分散剤として界面活性剤を0.1〜0.5mL加え、さらに、測定資料を0.1〜9.5g程度を加える。資料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
【0057】
また、トナーの形状は、紡錘形状であることが好ましい。図3は、本発明のトナー形状を示す模式図である。トナー形状が一定しない不定形又は扁平形状では粉体流動性が悪いことから、摩擦帯電が円滑に行えないために、画像上に地肌汚れ等の問題が発生しやすい。さらに、微小な潜像ドットを現像する際には、緻密で均一なトナー配置をとりにくいことから、ドット再現性に劣る。また、静電転写方式では、電気力線の影響を受けにくく、転写効率が劣る。トナーが真球に近い場合、粉体流動性が良すぎて、外力に対して過度に作用してしまうことから、現像及び転写の際に、ドットの外側にトナー粒子が飛び散りやすい。また、球形トナーでは、感光体上で転がりやすいために、感光体とクリーニング部材との間に潜り込みクリーニング不良となることが多い。
その点で、紡錘形状を有するトナーは、粉体流動性が適度に調節されているために、摩擦帯電が円滑に行われて地肌汚れを発生させることがなく、微小な潜像ドットに対して整然と現像され、その後、効率よく転写されてドット再現性に優れる。さらに、その際の飛び散りに対しては、粉体流動性が適度にブレーキをかけて飛び散りを防いでいる。また、紡錘形状のトナーは、球形トナーに比べて、転がる軸が限られていることから、クリーニング部材の下に潜り込むようなクリーニング不良が発生しにくい。
【0058】
特に、紡錘形状であって、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが一層好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにクリーニング性が高いが、ドット再現性及び転写効率が劣るために高品位な画質が得られなくなる。
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.8を越えると、球形に近づくために、低温低湿の環境下では特にクリーニング不良が発生することがある。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近く、不定形トナーのように飛び散りは少ないが、球形トナーのような高転写率は得られない。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となる。これに近い紡錘状形状にすることで不定形・扁平形状でもなく真球状でもない形状であって、双方の形状が有する摩擦帯電性、ドット再現性、転写効率、飛び散りの防止性、クリーニング性の全てを満足させる形状となる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、観察しながら、視野の角度を変えて写真を撮り、測定した。
【0059】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜190の範囲にあることが好ましい。
図5は、形状係数SF−1、形状係数SF−2と説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0060】
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナー又は感光体との接触合点接触になるためにトナーの流動性が高くなり、お互いの吸着力が低下してし、流動性が良くなり、また、転写率が高くなる。しかし、吸着力が良くなって、クリーニングブレードと感光体の間隙に入り込んで、クリーニングブレードがトナーの上を容易に通過するようになる。したがって、トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は190を越えない方が好ましい。
【0061】
【実施例】
以下に、湿式重合法によるトナーを用いる画像形成装置について、さらに詳細に説明する。
(トナーの製造例)
ポリエステルの製造例
冷却機、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物690部、テレフタル酸256部を常圧下で、230℃8時間重縮合し、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに無水フタル酸18部を加えて、2時間反応し変性されていないポリエステル(a)を得る。
プレポリマーの製造例
冷却機、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物800部、イソフタル酸180部、テレフタル酸60部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに、10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマーを得た。
ケチミン化合物の製造例
攪拌棒及び温度計の付いた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン(MEK)70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物を得た。
【0062】
トナー母体粒子の製造例
ビーカー内に前記プレポリマー15.4部、ポリエステル60部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌して溶解した。次いで、離型剤であるライスワックス(融点83℃)10部、顔料カーボンブラック10部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12,000rpmで攪拌し、均一に溶解・分散させた。最後に、ケチミン化合物2.7部を加え溶解させた。これをトナー材料溶液とする。ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、平均粒径0.20μmのスチレン−アクリル系樹脂微粒子を入れ均一に溶解した。次いで、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入して10分間攪拌した。次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付きのコルベンに500g計量して移し、45℃まで昇温して減圧下ウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14,000rpmにあげさらに5分行う。ついで、この混合液を攪拌棒および温度計付の丸底コルベンに500g計量して移し、45℃まで昇温して、2時間200〜400回転の高速攪拌を行い紡錘状の母体トナー粒子を得た。紡錘形が不足の場合は攪拌時間の延長を行う。その後減圧下1.0時間かけ溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級した。これにより、紡錘形状であって、体積平均粒径5.1μmの母体粒子を得た。
【0063】
トナーの製造例
トナー母体粒子100部、帯電制御剤(ボントロンE−84、オリエント化学社製)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン羽根の周側50m/secに設定し、2分間運転し、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)0.5部添加し、周側15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行い、ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部、疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、ブラックトナーを得た。
【0064】
画像形成装置による研摩例
次に、このブラックトナーを用いて、研摩による感光体1の削れ量を測定した。
画像形成装置の構成を図3に示し、主要なデータおよび設定は次のとおりである。
感光体:有機感光体(φ60)
潜像電位 背景部:−550V、画像部:−150V
プロセス速度:160mm/sec
現像剤担持体:スリーブ回転方式
磁束密度:500G(スリーブ上)
スリーブ径:φ25
スリーブ回転速度:300mm/sec
現像バイアスDC成分:−500V
AC成分:2.0kVp−p(Vp =1.0kV)周波数8kHz
転写条件
転写ベルト:基層がカーボンブラックを分散させたポリイミド製、表層がPVDF製
転写電圧:5.0kV
【0065】
画像形成装置が、上記の条件であって、クリーニング条件を以下のようにして、画像を形成して、各回転数における感光体1の削れ量を、感光体1の削られた膜厚で評価した。
この結果を図6に示し、あわせて表1に削れ量と黒点の発生ランクを示す。
Figure 2004170439
【表1】
Figure 2004170439
図5及び表1からも、明らかなように、2枚のクリーニングブレードを用いる実施例1及び2では、感光体1の削れ量が10,000回転で8μm以上で、画像上に黒点が表れなかった。しかし、1枚のクリーニングブレードのみの比較例1では、感光体1の削れ量は7μmと実施例1等よりはわずかに少ないながら、画像上の白地の非画像部に黒い点が表れ、画像品位が低下した。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクリーニング装置では、クリーニングブレードを2枚設けることで、感光体上に転写後に残留する残留トナー又は外添剤を除去し、最初のクリーニングブレードで除去しきれない、感光体上に強固に付着したシリカ等の外添剤を除去することで、この強固に付着したシリカが起点となって生ずる記録紙上の黒点の発生を防止することができる。
また、本発明のプロセスカートリッジは、クリーニングブレードを2枚設けるクリーニング装置を備えることで、記録紙上の黒点の発生を防止し、その上で、研摩される感光体膜の削れ量を少なく抑えることでプロセスカートリッジの寿命を延ばすことができる。
また、本発明の画像形成装置では、クリーニングブレードを2枚設けるクリーニング装置を備えることで、クリーニング不良を生ずることなく小粒径のトナーを用いることが可能になり、さらに、小粒径にすることで添加量が増えたことで記録紙上の黒点の発生を防止し、細かい線を再現することで高品位の画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニング装置を装着した像担持体周囲の構成を示す概略図である。
【図2】本発明のクリーニング装置であって、第2クリーニングブレードをトレーリング方式にしたクリーニング装置を装着した感光体周囲の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図4】本発明のトナー形状を示す模式図である。
【図5】形状係数SF−1、形状係数SF−2と説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図6】感光体の回転数と感光体膜の削れ量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 像担持体(感光体)
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b クリーニングパッド
3 露光装置
3a レーザ光
4 現像装置
6 転写装置
6a 転写ベルト
6b 転写バイアスローラ
6c テンションローラ
7 定着装置
8 クリーニング装置
8a 第1クリーニングブレード
8b 第2クリーニングブレード
8c トナー回収コイル
8d トナー回収羽根
9 除電ランプ
10 転入入口ガイド
11 ドラム分離爪
20 離間手段
30 読取装置
40 画像形成部
50 給紙部

Claims (20)

  1. 像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング部材を配設するクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、像担持体に当接される2つのクリーニングブレードを有し、
    像担持体の回転方向に対して、第1クリーニングブレードの下流側に設けられる第2クリーニングブレードは、第1クリーニングブレードより硬度が高い
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1に記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードが、第1クリーニングブレードより当接圧が高い
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第1クリーニングブレードが、第2クリーニングブレードより像担持体の研摩力が大きく、かつ、第2クリーニングブレードの研摩力が第1クリーニングブレードの研摩力が1/7〜1/2の範囲にある
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第1クリーニングブレードの像担持体の研磨速度が、像担持体10,000回転の当接に対して7μm未満であって、
    第2クリーニングブレードの像担持体の研磨速度が、像担持体10,000回転の当接に対して1〜3.5μmである
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第1及び第2クリーニングブレードがカウンター方式である
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードがトレーリング方式である
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードが、像担持体の回転方向に対して、帯電装置の上流側に配設される
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  8. 像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング部材を配設するクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、像担持体に当接される2つのクリーニングブレードを有し、
    像担持体の回転方向に対して、転写部の下流側であって、第1クリーニングブレードの上流側に配設される第2クリーニングブレードは、第1クリーニングブレードより硬度が高い
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  9. 請求項8に記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、請求項2ないし6のいずれかに記載のクリーニング装置である
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  10. 請求項8又は9に記載のクリーニング装置において、
    前記クリーニング装置は、第2クリーニングブレードを像担持体から離間させる離間機構を備える
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  11. 像担持体と、像担持体上に担持されるトナーを清掃するクリーニング装置とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置に本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
    前記プロセスカートリッジは、請求項1ないし10のいずれかに記載のクリーニング装置が配置されている
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 潜像を形成する像担持体と、
    像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、
    帯電した像担持体表面に画像データに基づいて露光し、潜像を書き込む露光装置と、
    像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、可視像化する現像装置と、
    像担持体表面の可視像を記録紙に転写する転写装置と、
    転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置と を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、クリーニング装置が請求項1ないし11のいずれかに記載のクリーニング装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12に記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置に用いられるトナーは、着色剤、少なくともN(窒素)原子含む官能基を有するポリエステル、離型剤を主成分とし、荷電制御剤を有するトナー母体粒子に、少なくともシリカ微粒子を外添するトナーであって、トナーの体積平均粒径が、3〜10μmである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13に記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、トナー表面とトナー内部で窒素原子の濃度に分布があり、トナー表面がトナー全体より窒素濃度が高く分布している
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13又は14に記載の画像形成装置において、
    前記トナーはトナー及び添加剤と同極性の荷電制御剤を含有し、かつ、荷電制御剤はトナー表面に存在する荷電制御剤とトナー全体に存在する荷電制御剤との重量比が100〜1,000で分布している
    ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項13ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、
    トナー母体粒子が、平均円形度が0.90〜1.00である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項13ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、平均円形度のうちSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜190の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項13ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、少なくともN(窒素)原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤からなるトナー材料を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させ、重付加反応させるトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項13ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、紡錘形状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項13ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは紡錘形状であって、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される
    ことを特徴とする画像形成装置。
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