JP2004169964A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】庫外用イオン発生装置11を冷蔵庫本体1に設け、センサー13、14等により検知した冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じてイオン発生装置11ON中の通電条件、送風機16の送風量及びルーバー19aの送風方向を可変とすることで、庫外の生活空間に存在する浮遊菌及び浮遊ウイルスに対する殺菌能力を調節する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯蔵室外の庫外の生活空間に存在する浮遊菌及び浮遊ウィルスを殺菌するイオン発生装置を備えた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
出願人は、先の出願において、殺菌に必要な十分な量のイオン化空気を貯蔵室外の庫外の生活空間に放出する小型のプラスイオン/マイナスイオン発生装置を冷蔵庫に設けることで、同機能を有する空気清浄機を使わずとも、その極めて優れた殺菌作用により生活空間に浮遊する微生物を殺菌するため、庫外から庫内への浮遊菌の侵入が排除でき、より衛生的な冷蔵庫の庫内環境が実現できることを明らかにした(特許文献1参照)。
【0003】
上記冷蔵庫においては、庫外の生活空間の状態を検出する状態検知センサーを設け、該センサーからの信号によりイオン発生装置のON/OFFを制御することで、電力消費の無駄を抑えるようにしている。
【特許文献1】
特願2002−206163号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来技術においては、プラスイオン/マイナスイオン発生装置ON中には、プラスイオン/マイナスイオンの庫外の生活空間への放出量が常に一定であるため、イオン発生装置のON/OFFの制御でしか、殺菌能力の強弱が付けられないという欠点があった。
【0005】
本発明は上記課題を克服したもので、冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じて殺菌能力を調節できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明においては、冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを発生する庫外用イオン発生装置と、イオン発生装置の運転を制御する制御部とを備え、制御部は、イオン発生装置のON時において、通電条件を調節することでイオンの発生量を制御することを特徴とする。
【0007】
すなわち、上記構成の冷蔵庫では、イオン発生装置のON時においてイオン発生素子に高電圧を印加することでイオンを発生させるが、このとき、イオン発生装置への通電条件を調節することで、冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じてイオン発生量を変化させて殺菌能力を制御することが可能となる。
【0008】
ここで、通電条件を調節するとは、ある一定時間内における電圧印加ON時間の割合、つまり、通電率を調節したり、高電圧を印加する電極形状を変化させたり、印加電圧及び/又は電圧印加周期を調節することなどを示すことができる。上記各条件は、単独で調節を行ってもよいし、2以上組合わせて調節することも可能である。
【0009】
特に、イオン発生素子への電圧印加のON/OFFをデューティー制御すれば、放電に伴う音の発生、イオンおよびオゾンの発生量をコントロールすることができる。
【0010】
また、前記庫外の生活空間の状態を検出する状態検出センサーを設け、この状態検出センサーからの信号により、制御部が冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況を判断して通電条件を調節するようにすれば、イオン発生装置を最適条件で運転させて、微生物を殺菌することが可能となる。なお、ここで、微生物を殺菌するとは、細菌類を殺菌することのほかに、ウィルスを不活性化させることをも含むものである。
【0011】
冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じて殺菌能力を調節するには、イオン発生装置のイオン発生量を変化させることのほかに、イオン発生装置で発生したイオン化空気を庫外の生活空間に放出する送風機を設け、状態検出センサーからの信号により、制御部が送風機のファンモータにかかる電圧を変化させることでイオン化空気の送風量を制御するようにしてもよい。
【0012】
また、イオン発生装置で発生したイオン化空気を庫外に放出する送風方向を調節する可動式のルーバーと、ルーバーを駆動するモータ等の駆動手段とを設け、状態検出センサーからの信号により、制御部がルーバーの駆動手段を制御し、送風方向を変更するような構成を採用することも可能である。これらの構成は、単独で用いてもよいが、併用することでより冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じた殺菌能力を発揮することができる。
【0013】
状態検出センサーとしては、具体的に、オゾンを検出するオゾンセンサー、庫外の生活空間の広さを検出する空間検出センサー、冷蔵庫本体の扉の開閉を検出する扉センサー、あるいは、微生物を検出する微生物検出センサー等を使用することができる。
【0014】
上記各センサーを使用した場合について詳しく説明する。イオン発生装置は、一般的にイオン発生時において、その印加電圧によってはオゾンが発生する。そこで、状態検出センサーとしてオゾンセンサーを使用し、空気中のオゾン量を検出し、その検出信号を基にして通電条件を調節すれば、オゾン発生量を人間が不快に感じないレベルである0.1mg/h以下に抑えながら、殺菌に必要な十分な量のイオンを発生させることが可能となる。
【0015】
また、状態検出センサーとして、例えば、赤外線センサーや超音波センサーなどの空間検出センサーを用い、庫外の生活空間の広さを測定し、部屋全体にイオン化空気を拡散させるようにイオン発生量、送風量及び送風方向を制御すれば、部屋の大きさに応じた殺菌能力を発揮することが可能となる。
【0016】
さらに、状態検出センサーとして、ドアスイッチなどの扉センサーを用い、冷蔵庫本体の扉の開閉状態を認識し、開いた扉の方向にイオン化空気を放出するようにルーバーの駆動手段を制御して送風方向を変更すれば、各貯蔵室に侵入しようとする浮遊菌や浮遊ウィルスを集中的に殺菌することができる。
【0017】
状態検出センサーとして、微生物を検出する光学アレルゲンセンサーなどの微生物検出センサーを使用した場合には、冷蔵庫の周囲環境の浮遊菌や浮遊ウィルスの量を検知することで、菌が多いときにはイオン発生装置のイオン発生量を増加させ、菌が少ないときにはイオン発生量を減少させて状況に応じた殺菌能力を発揮することが可能となる。
【0018】
さらに、イオン発生装置は、昇圧手段であるトランス2次側とACラインをリレーで接続し、そのリレーのON/OFFをおこなうことで、プラスイオンとマイナスイオンの発生割合を調節することができる。
【0019】
プラスイオンとマイナスイオンを同量発生させた場合には、空気中のカビ菌・臭いの分子などの浮遊菌や「インフルエンザウィルス」などの浮遊ウィルスや「MRSA」などの病原性細菌に対する効果殺菌効果が得られ、マイナスイオンのみ発生させた場合には人間に対するリラクゼーション効果が得られる。
【0020】
したがって、微生物検出センサーで検出された菌が多いときは、制御部は、プラスイオンとマイナスイオンとをほぼ同量発生させる殺菌モードを実行し、微生物が少ないと判断したときは、マイナスイオンを多く発生するリラックスモードに切換えるようにすることも可能であり、これにより、殺菌能力に加えて、リラックス能力を備えた冷蔵庫を提供することができる。
【0021】
上述のように、イオン発生装置にはプラスイオンとマイナスイオンとを同量発生する殺菌モード、マイナスイオンを多く発生させるリラックスモード、そして、運転停止、の状態があり、イオン発生装置がどの状態にあるかユーザーが視認できれば、個々の判断でイオン発生装置の運転を制御することが可能となる。
【0022】
そこで、本発明においては、イオン発生装置の運転状況を表示もしくは伝達する手段(表示・伝達手段)を設置可能とした。表示・伝達手段としては、冷蔵庫の確認しやすい場所に設けられた表示部、例えば液晶表示パネルやLEDの点灯などを挙げることができる。
【0023】
表示・伝達手段は、イオン発生装置運転中のイオン発生量や送風機の送風量及び送風方向を併せて表示するのが好ましい。また、状態検出センサーにより検知された空気中の浮遊菌や浮遊ウィルスの量をレベルメータ等を用いて表示すれば、ユーザーは空気の汚染状況を確認することができる。さらに、音声信号やブザー等を用いて、これらの情報を発信可能とすることで、より利便性の高い冷蔵庫を提供することができる。
【0024】
さらに、本発明においては、イオン発生装置の運転を自動運転と手動運転とに切換え可能としたものである。これにより、自動運転では、冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況を状態センサー及び扉センサーにより検知し、空気中に浮遊菌や浮遊ウィルスが検出された場合や、冷蔵庫の使用があった場合にのみイオン発生装置の運転を行う。
【0025】
手動運転では、ユーザーが殺菌モードまたはリラックスモードを選択し、イオン発生装置を運転する。さらに、ユーザーは通電率を選択してイオン発生量を調節することや、送風機の送風量や送風方向を調節することもできる。例えば、ユーザーが殺菌モードを選択し、ルーバーを調節して、まな板の設置場所や流し場の生ゴミを入れる三角コーナーを狙って、通電率及び送風量を高めて集中的にイオン化空気を放出することで、局所的に殺菌能力を高めることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態とも共通する部材については同一の符号を付している。
【0027】
<第一の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態における冷蔵庫の正面図である。冷蔵庫本体1は、上部に冷蔵室2が設けられ、その下に製氷室3、冷凍室4と野菜室5が左右に配置され、これらは断熱仕切り部6により仕切られている。また、各室2〜5はそれぞれ前面に枢支された扉7〜10により開閉可能である。
【0028】
そして、各室2〜5は冷蔵庫本体1の背面側に設けられた圧縮機、蒸発器、凝縮器が順次接続してなされる冷凍サイクル及び冷気循環用ファンモータ(共に図示略)によって、庫内が冷却されるようになっている。なお、野菜室5には冷気吐出口は設けずに間接冷却を行う。
【0029】
また、冷蔵庫本体1の冷蔵室2と下方の製氷室3、野菜室5とを仕切る断熱仕切り部6には、庫外の生活空間にプラスイオンとマイナスイオンとを発生するイオン発生装置11が設けられている。
【0030】
図2、図3に、断熱仕切り部6の前面に配するコントロールパネル本体12の上面図及び正面図を示す。コントロールパネル本体12は、正面から向かって左側に、庫外にプラスイオンとマイナスイオンを放出するイオン発生装置11、送風機16、イオン化空気送風通路17、空気吸入口18、空気吸入口防塵フィルター18a、及びイオン化空気放出口19によって構成されたケーシングユニット本体15を配し、中央部に冷蔵庫の運転状態などをモニターして表示する表示部20を設け、右側にはイオン発生装置11のON/OFFや、イオン発生バランスの切替え設定のほか、冷蔵庫の各種設定が行える操作ボタンを設けた操作パネル部21により構成されている。
【0031】
図4は、イオン発生装置11の外観斜視図である。イオン発生装置11の電源部11bからイオン発生素子11a両端に放電開始電圧以上の正負の高電圧を与えると、放電現象が起こり、強力な電界を形成するため、水分を含んだ空気の絶縁破壊が生じてプラスイオンとマイナスイオンが生成される。
【0032】
出力電圧が正電圧の場合は主としてH+(H2O)nから成るプラスイオンが生成され、負電圧の場合は主としてO2 −(H2O)mから成るマイナスイオンが生成される。H+(H2O)n及びO2 −(H2O)mは微生物の表面で凝集し、空気中の微生物等の浮遊菌や浮遊ウィルスを取り囲む。
【0033】
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH2O2(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝縮生成して浮遊菌や浮遊ウィルスの殺菌を行う。
【0034】
【0035】
図5は、上記沿面放電方式のイオン発生装置11の電気回路図である。電極部11aには、チップヒーター22を装着しており、高湿空気が電極界面を通過したときなどの放電停止現象を防ぐ構造となっている。
【0036】
本形態においては、駆動電源25として交流電源が使用されている。そして、電源部11bにおいて、昇圧トランス23の2次側ラインの一方はリレー24を介してACラインに帰還しており、リレー24がオープンの場合はプラスイオンとマイナスイオンが等量に発生され、クローズ時にはマイナスイオンを選択的に発生させる回路構成となっている。また、印加電圧のピーク電圧を調整することにより、イオンとオゾンの発生割合を制御することが可能とされている。
【0037】
次に、上記構成によるケーシングユニット本体15の動作説明を行う。冷蔵庫本体1を通電し、操作パネル部21によりイオン発生装置11をONの状態に設定にすると、イオン発生装置11と送風機16は同時に作動し、空気吸入口18から吸い込まれた庫外生活空間の空気は空気吸入口防塵フィルター18aを通ってイオン化部17aでイオン化される。
【0038】
イオン化された空気は、イオン化空気送風通路17を通り、イオン化空気放出口19より吐出される。また、イオン化空気吐出口19はルーバー19aによって形成され、電動もしくは手動でイオン化空気吐出方向の指向性を変化できるようになっている。
【0039】
図6は、イオン発生装置11を制御する制御ブロック図である。イオン発生素子11aには、商用電源から雑音防止回路26、電源回路27、高圧駆動回路(電源部)11bを介して高電圧が付加される。また、ケーシングユニット本体15内の送風機16、ルーバー19aの制御用モータには、商用電源から雑音防止回路26、ファンモータ駆動回路28又はルーバー制御用モータ駆動回路29を介して駆動電源が供給される。
【0040】
イオン発生素子11a及び送風機16、ルーバー19aを運転制御する制御部30は、一般的なマイクロコンピュータから構成される。制御部30の入力側には、操作パネル部21のキー入力回路31と、状態センサー13、冷蔵庫の各室扉7〜10の開閉を検出する扉センサー14が接続されている。
【0041】
そして、上記状態センサー13及び扉センサー14が、冷蔵庫の周囲環境状態を検出する状態検出センサーとして用いられている。状態センサー13としては、庫外生活空間の浮遊菌や浮遊ウィルスを検出する光学アレルゲンセンサー、臭いセンサー、冷蔵庫が設置された部屋の大きさを測定する赤外線センサーや超音波センサーが例示できる。また、扉センサー14としては、各室の扉に付設されているドアスイッチを利用することも可能である。
【0042】
本実施形態の冷蔵庫においては、状態検出センサーとして、状態センサー13である光学アレルゲンセンサーが用いられており、操作パネル部21のキー入力操作により、この光学アレルゲンセンサーからの入力信号に基づいてイオン発生装置11ON中の通電率を自動に調節する自動運転モードと、ユーザーが通電率を適宜決定する手動運転モードが切り替え可能になっている。
【0043】
図7は、イオン発生装置11の自動運転モードの実行プログラムの一例を示すフローチャートである。図に示すように自動運転モードでは、イオン発生装置11ON中に状態センサー13により庫外生活空間の浮遊菌や浮遊ウィルスが検出される。
【0044】
制御部30では、状態センサー13からの測定値が設定値V1以下であれば通電率をN1で、測定値が設定値V1より大きくV2以下であれば通電率をN2で、測定値が設定値V2より大きい場合には通電率をN3でイオン発生装置11を運転する。ただし、設定値はV1<V2、通電率はN1<N2<N3である。
【0045】
このことにより、イオン発生量が自動に調節されるため、ユーザーは庫外生活空間の浮遊菌や浮遊ウィルスの量に応じた殺菌効果を得ることができる。また、ここで示したプログラムでは通電率がN1、N2、N3の3段階であるが、これに限らずイオン発生装置11ON中の通電率は何段階に調節可能であってもよい。
【0046】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態を示す送風機16の自動運転モードにおける実行プログラムのフローチャートである。本実施形態の冷蔵庫においては、状態検出センサーとして、光学アレルゲンセンサーの代わりに状態センサー13である空間検出センサー(赤外線センサー)が使用されている点が特徴とされており、その他の構成は第1実施形態と同じとされている。
【0047】
すなわち、本実施形態の冷蔵庫においては、操作パネル部21のキー入力操作により、状態センサー13からの入力信号に基づいてイオン発生装置11ON中における送風機16の送風量を自動に調節する自動運転モードと、ユーザーが送風量を適宜決定する手動運転モードが切り替え可能になっている。
【0048】
図に示すように、自動運転モードでは、状態センサー13により冷蔵庫の設置された部屋の大きさが測定される。制御部30では、状態センサー13からの測定値が設定値W1以下であれば送風量をQ1に、測定値が設定値W1より大きくW2以下であれば送風量をQ2に、測定値が設定値W2より大きい場合には送風量をQ3にして送風機16を運転する。ただし、設定値はW1<W2、送風量はQ1<Q2<Q3である。
【0049】
上記設定により、発生したイオンの拡散が自動的に調節されるため、ユーザーは部屋の大きさに応じた殺菌効果やリラクゼーション効果を得ることができる。また、ここで示したプログラムでは、送風量がQ1、Q2、Q3の3段階であるが、これに限らずイオン化空気送風用の送風機16の送風量は何段階に調節可能であってもよい。
【0050】
<第3の実施形態>
図9は、第3の実施形態を示すルーバー19aの自動運転モードにおける実行プログラムのフローチャートである。本実施形態の冷蔵庫においては、状態検出センサーとして、光学アレルゲンセンサーの代わりに扉センサー14が使用されている点が特徴とされており、その他の構成は第1実施形態と同じとされているいる。
【0051】
すなわち、本実施形態の冷蔵庫においては、操作パネル部21のキー入力操作により、扉センサー14からの入力信号に基づいてイオン発生装置11ON中のイオン化空気の吐出方向を変化させるルーバー19aの向きを自動に調節する自動運転モードと、ユーザーが手動によりルーバー19aの向きを適宜決定する手動モードが切り替え可能となっている。
【0052】
図に示すように、自動運転モードでは、扉センサー14によって冷蔵室2及び野菜室5の扉の開閉状態が検出される。制御部30では、扉センサー14から冷蔵室扉7が開放された信号が入力された時にはルーバー19aの向きを上方向とし、野菜室扉10が開放された信号が入力された時にはルーバー19aの向きを下方向とする。
【0053】
したがって、扉開放の際に冷蔵室2や野菜室5に侵入しようとする浮遊菌や浮遊ウィルスに直接イオン化空気を作用させ、集中的に殺菌することができる。また、扉センサー14により扉開放の信号が入力されない時には、イオン化空気が部屋全体に拡散するようにルーバー19aを動作させる。例えばルーバー19aをスウィングさせることなどが考えられる。
【0054】
<第4の実施形態>
図10は、第4の実施形態を示すイオン発生装置11の自動運転モードにおける実行プログラムのフローチャートである。本実施形態の冷蔵庫においては、状態検出センサーとして、状態センサー13である光学アレルゲンセンサーが用いられており、操作パネル部21のキー入力操作により、状態センサー13からの入力信号に基づいてイオン発生装置11ON中のイオン発生バランスを自動に調節する自動運転モードと、ユーザーがイオン発生バランスを適宜決定する手動運転モードが切り替え可能になっている。
【0055】
図10に示すように、自動運転モードでは、イオン発生装置11ON中に状態センサー13により庫外生活空間の浮遊菌や浮遊ウィルスが検出される。制御部30では、状態センサー13からの測定値が設定値よりも大きい場合には、プラスイオンとマイナスイオンを同量発生させる殺菌モードでの運転を行い、測定値が設定値以下であればマイナスイオンのみを発生させるリラックスモードでの運転を行う。したがって、ユーザーは殺菌モードとリラックスモードの切り替えを行わなくとも、最適なイオンバランスでイオン発生装置11が運転される。
【0056】
<第5の実施形態>
第5の実施形態の冷蔵庫においては、図2に示すように、コントロールパネル本体12の中央部に設けられた表示部20において、冷蔵庫本体1の運転状態を表示するだけでなく、イオン発生装置11及び送風機16の運転状態や、ルーバー19aの送風方向も表示される点が特徴とされている。
【0057】
例えば、イオン発生装置11ON中の運転モード(殺菌モード、リラックスモード)やイオン発生量、送風機16の送風量、ルーバー19aの向きなどを表示する。さらに、状態センサー13により検出された空気中の浮遊菌や浮遊ウィルスの量に応じて、空気の汚染状況を表示することも可能である。
【0058】
また、コントロールパネル本体12上に表示部20と共にスピーカーを設置することで、ユーザーはイオン発生装置等の運転状況を表示部20で確認する以外に、スピーカーから発せられる音声信号やブザー音によっても情報を得ることができる。
【0059】
<第6の実施形態>
図11は、第6の実施形態を示すイオン発生装置11の自動運転モードにおける実行プログラムのフローチャートである。本実施形態においては、状態検出センサーとして、扉センサー13及び光学アレルゲンセンサーが使用されている点が特徴とされている。
【0060】
本実施形態の冷蔵庫は、操作パネル部21のキー入力操作により、状態センサー13からの入力信号に基づいてイオン発生装置11のON/OFFを自動で行う自動運転モードと、ユーザーがイオン発生装置11のON/OFFを適宜決定する手動運転モードが切り替え可能になっている。
【0061】
図11に示すように、自動運転モードでは、扉センサー14により各室の扉7〜10の開閉状態が、状態センサー13により庫外生活空間の浮遊菌や浮遊ウイルスが検出される。制御部30では、扉センサー14から扉7〜10のいずれかが開放された信号が入力されたときには、イオン発生装置11をONにする。また、イオン発生装置11をONにするだけでなく、開放された扉の方にルーバー19aの向きを変えるようにすれば、より効果的な殺菌が可能となる。
【0062】
扉7〜10の開放がないときには、状態センサー13からの測定値が設定値より大きい場合にイオン発生装置11をONにする。扉の開放がなく、状態センサー13からの測定値が設定値より小さい場合にはイオン発生装置11をOFFにする。
【0063】
これにより、ユーザーがイオン発生装置11をON/OFFしなくとも、冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じてプラスイオン/マイナスイオンを発生させ、殺菌効果やリラックス効果を得ることができる。さらに、不必要な時に自動でイオン発生装置11をOFFとするため、無駄な電気エネルギーを抑えることができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施形態においては断熱仕切り部に設けたイオン化空気吐出口の位置、冷蔵庫扉の上方に取り付けられた状態センサーの位置などは変更可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、殺菌効果及びリラクゼーション効果を得るのに十分な量のイオン化空気を生活空間に放出する小型のプラスイオン/マイナスイオン発生装置を冷蔵庫に設け、センサー等により検知した冷蔵庫の周囲環境状態及び使用状況に応じてイオン発生装置ON中の通電条件、送風機の送風量及び送風方向を可変とすることで、庫外の生活空間に存在する浮遊菌及び浮遊ウィルスに対する殺菌能力を調節することのできる冷蔵庫を提供することができる。
【0066】
また、イオン発生装置の運転状況の表示・伝達手段を設けるとともに、手動でのイオン発生装置の運転を可能とすることで、ユーザーにとってより利便性の高い冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における冷蔵庫の正面図
【図2】上記冷蔵庫のコントロールパネル本体を示す正面図
【図3】上記冷蔵庫のコントロールパネル本体を示す平面図
【図4】庫外用イオン発生装置の外観斜視図
【図5】庫外用イオン発生装置の電気回路図
【図6】庫外用イオン発生装置を制御する制御ブロック図
【図7】第1の実施形態におけるイオン発生装置の動作フローチャート
【図8】第2の実施形態におけるイオン発生装置の動作フローチャート
【図9】第3の実施形態におけるイオン発生装置の動作フローチャート
【図10】第四の実施形態におけるイオン発生装置の動作フローチャート
【図11】第六の実施形態におけるイオン発生装置の動作フローチャート
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体
11 イオン発生装置
11a イオン発生素子
11b 電源
12 コントロールパネル本体
13 状態センサー
14 扉センサー
15 ケーシングユニット本体
16 送風機
17 イオン化空気送風通路
17a イオン化部
18 空気吸入口
19 イオン化空気放出口
19a ルーバー
20 表示部
21 操作パネル部
Claims (14)
- 冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを発生する庫外用イオン発生装置と、該イオン発生装置の運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記イオン発生装置のON時において、通電条件を調節することでイオンの発生量を制御することを特徴とする冷蔵庫。
- 前記庫外の生活空間の状態を検出する状態検出センサーが設けられ、前記制御部は、前記イオン発生装置のON時において、前記状態検出センサーからの信号により通電条件を調節することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを発生する庫外用イオン発生装置と、該イオン発生装置の運転を制御する制御部と、前記イオン発生装置で発生したイオン化空気を庫外の生活空間に放出する送風機とを備え、前記制御部は、前記状態検出センサーからの信号により、送風機の送風量を制御することを特徴とする冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを発生する庫外用イオン発生装置と、該イオン発生装置の運転を制御する制御部と、前記イオン発生装置で発生したイオン化空気を庫外に放出する送風方向を調節するルーバーと、該ルーバーを駆動する駆動手段とが設けられ、前記制御部は、前記状態検出センサーからの信号により、前記ルーバーの駆動手段を制御し、送風方向を変更することを特徴とする冷蔵庫。
- 前記状態検出センサーが、前記庫外の生活空間の広さを検出する空間検出センサーである請求項2、3又は4記載の冷蔵庫。
- 前記状態検出センサーが、冷蔵庫本体の扉の開閉を検出する扉センサーである請求項2、3又は4記載の冷蔵庫。
- 前記状態検出センサーが、微生物を検出する微生物検出センサーである請求項2、3又は4記載の冷蔵庫。
- 前記制御部は、前記微生物検出センサーで検出された信号により、微生物が多いと判断したときに、庫外用イオン発生装置にプラスイオンとマイナスイオンとをほぼ同量発生させる殺菌モードを実行し、微生物が少ないと判断したときに、マイナスイオンを多く発生するリラックスモードに切換えることを特徴とする請求項7記載の冷蔵庫。
- 前記通電条件が、通電率である請求項1〜8のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記通電条件が、印加電圧及び/又は電圧印加周期である請求項1〜8のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを放出する庫外用イオン発生装置を備え、前記イオン発生装置の運転状況を表示もしくは伝達する手段を有することを特徴とする冷蔵庫。
- 冷蔵庫本体に設置されて庫外の生活空間へイオンを放出する庫外用イオン発生装置を備え、前記イオン発生装置の運転を自動運転と手動運転とに切換え可能としたことを特徴とする冷蔵庫。
- 前記イオン発生装置は、プラスイオンとマイナスイオンとを発生するものである請求項1〜12のいずれかに記載の冷蔵庫。
- 前記イオン発生装置は、イオン以外にオゾンをも発生するものである請求項1〜13のいずれかに記載の冷蔵庫。
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