JP2004169957A - 水分含水率の高い廃棄物の乾燥処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固形物を得るまでにかかる処理時間の更なる短縮を図ることができる有機廃棄物の乾燥処理方法を提供する。
【解決手段】水分含水率の高い有機廃棄物を乾燥して処理する方法であって、被処理物である有機廃棄物を加熱して、有機廃棄物に含まれる水分を蒸発させて水分含有率を75重量%以上、90重量%以下にするステップ、上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップを含む。
【選択図】 なし
【解決手段】水分含水率の高い有機廃棄物を乾燥して処理する方法であって、被処理物である有機廃棄物を加熱して、有機廃棄物に含まれる水分を蒸発させて水分含有率を75重量%以上、90重量%以下にするステップ、上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップを含む。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分含有率の高い廃棄物の乾燥処理方法に関する。更に詳しくは、水分含有率の高い廃棄物を固液分離せずに乾燥処理する方法であって、当初から増量材を混合した場合より乾燥にかかる処理時間の短縮を図ることができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
例えば、焼酎の製造においては、材料となった麦・米・いも等の粕(以下「焼酎粕」という)が副産物として生成される。焼酎粕は、水分含有率が約93重量%以上と高く、燃焼処理が困難なため、古くから大部分が海洋投棄等によって処理されていた。しかし、近年では資源の節約や環境汚染の防止等を図る観点から、乾燥処理して残った固形物を飼料として有効利用する試みが行われている。
【0003】
焼酎粕は、加熱して水分を強制的に蒸発させることによって、残った固形物が飼料に加工される。この乾燥処理は、単に、焼酎粕を加熱するだけでは、水分の蒸発につれて粘性が高く(ペースト状)なり、攪拌羽根等に付着するようになるので、円滑な処理ができず飼料にすることは困難である。
【0004】
従って、従来から焼酎粕の乾燥処理は、米糠等の増量材を添加して分散性を高めた状態で行われている。例えば、特許文献1には、焼酎粕に米糠等の水分調整材を混合し、この混合物を乾燥して飼料を生成する焼酎粕の処理方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−45120号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された発明には、次のような課題があった。
即ち、特許文献1においては、焼酎粕を遠心分離機によって液分と固形分とに分離して、固形分に米糠を混合したものを乾燥して飼料としていた。そのため、固液分離してできた液分には、焼酎粕の栄養成分が溶け出していたが、この栄養成分については飼料に含ませることができなかった。
【0007】
そこで本発明者は、液分に溶け出していた栄養成分も飼料に含ませることができるようにするために、固液分離せずに、当初から増量材を混合して焼酎粕を乾燥処理する実験を試みた。
しかし、この処理方法では、乾燥した固形物を得るまでに時間がかかるという別の課題が生じた。
【0008】
更に本発明者は、固形分離せずに処理時間の短縮ができないものかと日々研究を重ねた。
そして、米糠を混合する前に、一旦焼酎粕を加熱して水分を所要量蒸発させる工程を入れたところ、最終的に固形物を得るまでにかかる処理時間が、当初から混合した場合より短縮できていることを知見した。
【0009】
本発明者は、更に種々の実験を重ねた。その結果、米糠投入前の水分蒸発工程において、その蒸発量を多くするにつれて、固形物を得るまでにかかる処理時間がより短縮できることがわかった。また、上記工程において蒸発量を多くするにつれて、固形物が粉状から大粒状の塊になって生成されることもわかった。これは焼酎粕の水分が蒸発して、水分含有率が低くなることで粘性が高くなり、米糠とうまく混ざり難くなったからではないかと思われる。なお、塊の状態で生成されたものは、外側は乾燥しているが内側にはまだ水分が残っていることが多いので、カビが発生したり腐敗し易く、長期の保存に向かない。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
【0010】
(本発明の目的)
本発明の目的は、水分含有率の高い廃棄物を固液分離せずに、固形物を粉状または小粒状の状態で生成する乾燥処理方法であって、当初から増量材を混合した場合より乾燥処理にかかる時間の短縮を図ることができるようにする、廃棄物の乾燥処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させるステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0012】
第2の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を蒸発させて水分含有率を75重量%以上、90重量%以下にするステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0013】
第3の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
増量材を混合する前に、被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させるステップを含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0014】
第4の発明にあっては、
水分の蒸発処理を減圧状態で行うことを特徴とする、
第1,第2または第3の発明に係る廃棄物の乾燥処理方法である。
【0015】
本明細書で「乾燥」という用語は、厳密な意味で水分を全く有さない状態のもののみを示すものではなく、若干の水分を有するものも含む概念として使用している。
【0016】
本明細書でいう「廃棄物」としては、例えば、アルコール製造において生成される粕(焼酎粕(「焼酎廃液」ともいう)、酒粕、葡萄酒における葡萄の絞り粕、ビール粕等)、食物残渣(野菜や果物等の絞り粕、魚のあら等の生ゴミ等)、畜糞尿、汚泥(スラッジ)、血液、水母(クラゲ)等を挙げることができる。これらの廃棄物は、限定するものではないが、乾燥をし易くするために細かく粉砕した状態で処理されるようにすることが好ましい。
【0017】
乾燥させた「廃棄物」は、例えば、飼料(被処理物が畜糞尿や汚泥以外のもの)や堆肥として利用可能である。
【0018】
また、本明細書でいう「増量材」としては、例えば、米糠、ふすま(「麦糠」、「からこ」、「むぎかす」ともいう)、トウモロコシ粉等、主に有機物の粉粒状のものが、単独でまたは混合して(組み合わせて)使用できる。しかし、増量材は、廃棄物と混合して乾燥した固形物を得るまでにかかる処理時間が短縮できるようなものであれば、これに限定するものではない。
【0019】
また、増量材の投入量は、経験によるものであるが、少なくとも重量比において廃棄物に含まれる固形分と同程度あれば良いようである。例えば、廃棄物の水分含有率が93重量%であれば、固形分は7重量%であるので、増量材はこれと略同量の7重量%相当で良いし、また、廃棄物の水分含有率が95重量%であれば、固形分は5重量%であるので、増量材は5重量%相当であれば良い。なお、増量材は、投入量を多くした方が、目標とする水分含有率にするために蒸発させる水分量が少なくできるので、処理時間は短くできる。
【0020】
(作 用)
本発明に係る廃棄物の乾燥処理方法は、増量材を投入する前に、廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させる工程を設け、その後に、増量材を混合して更に混合物を加熱することにより、混合物に含まれる水分を蒸発させて固形物を得るものである。この方法によれば、当初から増量材を混合した場合よりも、固形物を得るまでにかかる乾燥処理時間の短縮を図ることができる。
【0021】
水分の蒸発処理を減圧状態で行うようにするものは、減圧によって水分の沸点を低くして低温で処理することができるので、混合物を焦がさず、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は有機廃棄物の乾燥処理方法を実施するための乾燥処理装置の一例を示す正面図、
図2は図1に示す乾燥処理装置の平面図、
図3は図1に示す乾燥処理装置の右側面図、
図4は攪拌槽及び攪拌羽根の構造を示す、一部を断面した要部説明図である。なお、本実施の形態で示す乾燥処理方法は、特許第3099269号に開示されている「堆肥化装置」を使用して実施している。しかし、本発明に係る乾燥処理方法で使用可能な乾燥処理装置は、これに限定するものではなく、前記乾燥処理装置と同等の機能を備えるものであれば、各種公知の装置を採用することができることは言うまでもない。例えば、登録実用新案第3075310号、登録実用新案第3075311号、登録実用新案第3075312号、登録実用新案第3075313号等に記載の乾燥処理装置が使用可能である。
【0023】
符号Mは乾燥処理装置で、H鋼で形成された台座9の上に取り付けてある。乾燥処理装置Mは、攪拌装置1と、加熱装置2と、減圧装置である真空ポンプ3と、液化装置4を備えている。
【0024】
攪拌装置1は、両端部が塞がれた円筒形状の攪拌槽10(図4参照)を備えている。攪拌槽10は横置きに固定されている。攪拌槽10の外周部には、加熱装置2を構成する蒸気通路20(図4参照)が、攪拌槽10の内部と通じないようにして形成されている。
【0025】
蒸気通路20は、攪拌槽10の外周部を螺旋状に周回するようにして設けてある。また、攪拌槽10の上部にあたる蒸気通路20の前後端部には、導入接続管21と排出接続管22が設けてある。なお、蒸気通路20の攪拌槽10の底部側には、四箇所にドレン23が設けてある。
【0026】
攪拌槽10の上部には、攪拌槽10の内部に通じる通管11、12、13が三箇所に並設してある。通管11、12、13は、蒸気通路20と通じないように、この蒸気通路20を貫通して設けられている。図1における左側の通管11は、後述するように液化装置4に接続する連結部となる。また、右側の通管13はホッパー機能を有する蓋130を設けて有機廃棄物の投入部となる。中央部の通管12は設計変更時に対応するための予備で、通常は蓋120で塞がれている。
【0027】
攪拌槽10の両端部には、上記したように円形の端板14、15が設けられている。端板14、15の中心部分には、軸受装置140、150が設けてある。各軸受装置140(150)には、端板14(15)を貫通して管状の回転軸16が軸支してある。回転軸16の両側端部には、導入接続管160と排出接続管161が設けてある。なお、回転軸16の図1において左側の導入接続管160側には従動スプロケット162が設けてある。
【0028】
回転軸16には、長さ方向(図1において横方向)に等間隔をもって10箇所に攪拌羽根17・・・が設けてある(図4参照)。各攪拌羽根17は、攪拌槽10の内径よりやや長さの短い通気管170を備えている。通気管170・・・は、回転軸16の軸線方向と直交するようにして回転軸16を貫通し、この回転軸16の周方向に所要角度ずつずらして取り付けてある。
【0029】
各通気管170の一端部には、中空体である羽根体171a(または171b)が取り付けてある。通気管170は、内部が回転軸16の内部と通気可能に連通させてあり、また、羽根体171a(171b)の内部も同様に通気管170の内部と通気可能に連通させてある。
【0030】
攪拌槽10の図1における右側の端板14の下部には、槽内で処理されてできた固形物(飼料や堆肥等)を取り出すための円形の取出し口18が設けてある。取出し口18の外部側には密閉装置19が設けてある。密閉装置19は、攪拌槽10の内部を減圧するときに塞がれ、できた固形物を排出するときに開けられる。
【0031】
攪拌槽10の上部には、液化装置4が排出側(図3において右側)がやや低くなるように傾斜させて固定されている。液化装置4は両端を封鎖した円筒体内部に多数のパイプを平行に配置し、それらの隙間部分に冷却水を流通させる公知構造を有しており、パイプに蒸気を通してこれを冷却し、液化するものである。
【0032】
攪拌槽10の通管11には連結管110の一端が連結されている。連結管110の他端は、液化装置4の一端寄りに連結してあり、内部のパイプに通じている。また、連結管110の内部には、通過する内部空気の温度を測定するための温度計(図示省略)が設けられている。
液化装置4に接続してある排出管41は、台座9上に攪拌槽10と並設してある真空ポンプ3の吸引側に接続されている。
【0033】
攪拌槽10の上部には、加熱装置2を構成する蒸気発生装置24(図2参照)が配置されている。蒸気発生装置24と上記導入接続管21は接続管25によって接続されている。また、排出接続管22と上記回転軸16の導入接続管160は接続管26で接続されている。更に、排出接続管161には排出管27が接続してあり、排出管27は攪拌槽10の下方へ延長されて上記各ドレン23が合流接続してある。
【0034】
台座9には、減速装置を備えた駆動モーター7が攪拌槽10と並んで設けられている。駆動モーター7の回転軸には駆動スプロケット70が取り付けてある。駆動スプロケット70と、上記回転軸16に設けてある従動スプロケット162の間にはチェーン71が巻掛けてある。
【0035】
(作 用)
図1ないし図4を参照して、乾燥処理装置Mの使用方法と、この装置を使用して有機廃棄物である焼酎粕から飼料をつくる場合の乾燥処理方法について説明する。
攪拌槽10の内部に、蓋130から通管13を通して焼酎粕が投入される。焼酎粕の投入後、蓋130は気密に閉じられる。
【0036】
蒸気が蒸気発生装置24から接続管25を通して送られ、導入接続管21から蒸気通路20内に導入される。攪拌槽10の内部空気及び焼酎粕は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱される。
【0037】
蒸気通路20内の蒸気は、排出接続管22から排出され、接続管26を通って導入接続管160から回転軸16の内部に導入される。回転軸16内の蒸気は、攪拌羽根17の内部にも行きわたり、攪拌槽10の内部空気を加熱する。排出接続管161から排出された蒸気は、排出管27を通ってドレン23から落ちる水滴と共に排出される。
【0038】
一方、投入された焼酎粕は、駆動モーター7によって回転軸16と共に回転されている攪拌羽根17により攪拌されている。
【0039】
攪拌槽10の内部は真空ポンプ3によって減圧される。攪拌槽10の内部空気は、真空ポンプ3により通管11を通して連結管110から液化装置4内に吸い込まれる。なお、減圧により沸点が低下することは周知の通りである。
【0040】
攪拌槽10内に投入された焼酎粕は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱される。更に、焼酎粕は、攪拌槽10内が減圧されているので、含まれる水分が沸点に達して蒸発し始める。攪拌槽10内で発生した蒸気は、内部空気と共に真空ポンプ3によって液化装置4内に吸い込まれる。そして、液化装置4で液化されて外部に排出される。
【0041】
上記状態を所要時間続け、焼酎粕の水分をある程度蒸発させる(蒸発工程)。そして、焼酎粕の水分含有率が所要範囲内の数値になったところで、乾燥処理装置Mを一旦停止させて、増量材である米糠が攪拌槽10内に所要量投入される。米糠は、焼酎粕と混合してできた混合物の水分含有率を極端に低下させない程度の投入量が望まれる。米糠の投入後、蓋130が気密に閉じられて、乾燥処理装置Mの運転が再開される。
【0042】
投入された米糠は、回転されている攪拌羽根17により攪拌されて焼酎粕と混合される。こうして混合物(米糠と焼酎粕が混合してできたもの)の水分含有率は焼酎粕のときよりも相対的に低下する。
【0043】
混合物は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱され、また、攪拌槽10の内部は真空ポンプ3によって減圧される。従って、混合物においても焼酎粕と同様に水分が蒸発される。
【0044】
そして、混合物の水分含有率が10重量%程度になるまで水分を蒸発させて乾燥したところで、乾燥処理装置Mを停止する。混合物を乾燥させてできた固形物は、密閉装置19による密閉状態を解除して取出し口18より取り出される。乾燥してできた固形物は飼料にできる。
【0045】
なお、本実施の形態では有機廃棄物から飼料をつくる場合を例に挙げて示したが、これは限定するものではなく、例えば、微生物を接種し、発酵させて有機廃棄物から堆肥をつくることもできる。この場合、微生物の種類は有機廃棄物が堆肥化できれば、特に限定するものではない。また、堆肥をつくる場合でも、攪拌槽内を減圧して処理することができる。攪拌槽内を減圧することで、有機廃棄物の沸点を下げることができるので、例えば、高い温度では生存できないような土着微生物を使用することもできる。土着微生物は、畑等の土壌に棲息するものを培養した自家製のものが使用でき、この場合では費用をかけずに入手できる。
【0046】
本実施の形態では、攪拌槽内を減圧して有機廃棄物を処理したが、これは限定するものではなく、減圧しないで大気圧のもとで処理することもできる。しかし、大気圧のもとで処理した場合では、有機廃棄物が攪拌槽内で焦げることが考えられ、また、タンパク質などの成分も分解され易くなるので減圧して低温で処理することが望ましい。
【0047】
本実施の形態で示す乾燥処理方法では、焼酎粕から飼料をつくる場合において、米糠を焼酎粕の処理の最初から入れずに、焼酎粕を加熱によりある程度濃縮して水分含有率をやや低下させたところで入れて混合物を乾燥処理するようにした。このような処理方法を用いることで、最終物を得るためにかかる処理時間を短縮することができた。
【0048】
この処理方法は、本発明者が種々の実験を行い導き出したものである。以下に、具体的に数値を挙げて、その比較例と実施例とを説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0049】
【実施例】
焼酎粕23kg(蒸留した状態の水分含有率は93重量%)を乾燥処理する過程において、米糠2kgを投入するタイミングを変えることで、最終的に混合物の水分含有率が10重量%になるまでにかかった処理時間を計測した。具体的には、焼酎粕の水分含有率が90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%になったときに米糠を投入した。
乾燥処理装置は、上記に示した装置を使用した。乾燥処理装置は、攪拌槽10内を減圧して運転した。表中で示す「槽内温度」は連結管110内に設けた温度計が示す温度である。
【0050】
<実施例1>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が90重量%になったときに米糠を投入した(表1参照)。米糠を投入することにより水分含有率が90重量%から80重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は260分であった。固形物は粉状で生成された。
【0051】
【表1】
【0052】
<実施例2>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が85重量%になったときに米糠を投入した(表2参照)。米糠を投入することにより水分含有率が85重量%から71重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は250分であった。固形物は粉状で生成された。
【0053】
【表2】
【0054】
<実施例3>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が80重量%になったときに米糠を投入した(表3参照)。米糠を投入することにより水分含有率が80重量%から64重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は240分であった。固形物は粉状で生成された。
【0055】
【表3】
【0056】
<実施例4>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が75重量%になったときに米糠を投入した(表4参照)。米糠を投入することにより水分含有率が75重量%から57重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は240分であった。固形物は、粉状のものの中に小粒状のものが混じって生成された。
【0057】
【表4】
【0058】
<実施例5>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が70重量%になったときに米糠を投入した(表5参照)。米糠を投入することにより水分含有率が70重量%から51重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は225分であった。固形物は殆どが大粒状の塊になって生成された。塊状の場合では、内部にまだ水分が残っていることが多く、カビが発生したり腐敗し易いので、長期の保存に向かず好ましくない。
【0059】
【表5】
【0060】
<比較例1>
参考として、当初から米糠2kgを焼酎粕(水分含有率は93重量%)に投入した比較例を表6に示す。この場合、米糠を投入することにより水分含有率が93重量%から85重量%になった。また、固形物を得るまでの処理時間は270分であった。固形物は粉状で生成された。
【0061】
【表6】
【0062】
[結 論]
実施例と比較例とを比較すると、実施例1では比較例より10分短縮できた。実施例2では比較例より20分短縮できた。実施例3及び実施例4では比較例より30分短縮できた。実施例5では比較例より45分短縮できた。
上記実施例1ないし5からも明らかなように、固形物を得るまでにかかる処理時間は、米糠投入前の水分蒸発工程において、その蒸発量を多くするにつれて短縮できた。しかし、その蒸発量を多くするにつれて、固形物が粉状から大粒状の塊になって生成された。なお、水分を蒸発させても水分含有率が90重量%に達しない場合では、殆ど処理時間の短縮は図れなかった。
このことから米糠は、焼酎粕の水分含有率を75重量%以上、90重量%以下に調整したときに混合するのが、処理時間の短縮と得られた固形物の品質とのバランスから見て最良なタイミングであると言える。
【0063】
また、上記実施例1ないし5では、攪拌槽10内を減圧して沸点を下げた状態で処理を行っている。つまり、比較的低温で処理しているので、混合物は加熱して乾燥させる際において焦げることはなく、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【0064】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る廃棄物の乾燥処理方法は、増量材を投入する前に、廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させる工程を設け、その後に、増量材を混合して更に混合物を加熱することにより、混合物に含まれる水分を蒸発させて固形物を得るものである。この方法によれば、当初から増量材を混合した場合よりも、固形物を得るまでにかかる乾燥処理時間の短縮を図ることができる。
【0066】
(b)水分の蒸発処理を減圧状態で行うようにするものは、減圧によって水分の沸点を低くして低温で処理することができるので、混合物を焦がさず、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機廃棄物の乾燥処理方法を実施するための乾燥処理装置の一例を示す正面図。
【図2】図1に示す乾燥処理装置の平面図。
【図3】図1に示す乾燥処理装置の右側面図。
【図4】攪拌槽及び攪拌羽根の構造を示す、一部を断面した要部説明図。
【符号の説明】
M 乾燥処理装置
1 攪拌装置
10 攪拌槽
11 通管
110 連結管
12 通管
120 蓋
13 通管
130 蓋
14 端板
140 軸受装置
15 端板
150 軸受装置
16 回転軸
160 導入接続管
161 排出接続管
162 従動スプロケット
17 攪拌羽根
170 通気管
171a 羽根体
171b 羽根体
18 取出し口
19 密閉装置
2 加熱装置
20 蒸気通路
21 導入接続管
22 排出接続管
23 ドレン
24 蒸気発生装置
25 接続管
26 接続管
27 排出管
3 真空ポンプ
4 液化装置
41 排出管
7 駆動モーター
70 駆動スプロケット
71 チェーン
9 台座
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分含有率の高い廃棄物の乾燥処理方法に関する。更に詳しくは、水分含有率の高い廃棄物を固液分離せずに乾燥処理する方法であって、当初から増量材を混合した場合より乾燥にかかる処理時間の短縮を図ることができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
例えば、焼酎の製造においては、材料となった麦・米・いも等の粕(以下「焼酎粕」という)が副産物として生成される。焼酎粕は、水分含有率が約93重量%以上と高く、燃焼処理が困難なため、古くから大部分が海洋投棄等によって処理されていた。しかし、近年では資源の節約や環境汚染の防止等を図る観点から、乾燥処理して残った固形物を飼料として有効利用する試みが行われている。
【0003】
焼酎粕は、加熱して水分を強制的に蒸発させることによって、残った固形物が飼料に加工される。この乾燥処理は、単に、焼酎粕を加熱するだけでは、水分の蒸発につれて粘性が高く(ペースト状)なり、攪拌羽根等に付着するようになるので、円滑な処理ができず飼料にすることは困難である。
【0004】
従って、従来から焼酎粕の乾燥処理は、米糠等の増量材を添加して分散性を高めた状態で行われている。例えば、特許文献1には、焼酎粕に米糠等の水分調整材を混合し、この混合物を乾燥して飼料を生成する焼酎粕の処理方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−45120号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された発明には、次のような課題があった。
即ち、特許文献1においては、焼酎粕を遠心分離機によって液分と固形分とに分離して、固形分に米糠を混合したものを乾燥して飼料としていた。そのため、固液分離してできた液分には、焼酎粕の栄養成分が溶け出していたが、この栄養成分については飼料に含ませることができなかった。
【0007】
そこで本発明者は、液分に溶け出していた栄養成分も飼料に含ませることができるようにするために、固液分離せずに、当初から増量材を混合して焼酎粕を乾燥処理する実験を試みた。
しかし、この処理方法では、乾燥した固形物を得るまでに時間がかかるという別の課題が生じた。
【0008】
更に本発明者は、固形分離せずに処理時間の短縮ができないものかと日々研究を重ねた。
そして、米糠を混合する前に、一旦焼酎粕を加熱して水分を所要量蒸発させる工程を入れたところ、最終的に固形物を得るまでにかかる処理時間が、当初から混合した場合より短縮できていることを知見した。
【0009】
本発明者は、更に種々の実験を重ねた。その結果、米糠投入前の水分蒸発工程において、その蒸発量を多くするにつれて、固形物を得るまでにかかる処理時間がより短縮できることがわかった。また、上記工程において蒸発量を多くするにつれて、固形物が粉状から大粒状の塊になって生成されることもわかった。これは焼酎粕の水分が蒸発して、水分含有率が低くなることで粘性が高くなり、米糠とうまく混ざり難くなったからではないかと思われる。なお、塊の状態で生成されたものは、外側は乾燥しているが内側にはまだ水分が残っていることが多いので、カビが発生したり腐敗し易く、長期の保存に向かない。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
【0010】
(本発明の目的)
本発明の目的は、水分含有率の高い廃棄物を固液分離せずに、固形物を粉状または小粒状の状態で生成する乾燥処理方法であって、当初から増量材を混合した場合より乾燥処理にかかる時間の短縮を図ることができるようにする、廃棄物の乾燥処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させるステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0012】
第2の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を蒸発させて水分含有率を75重量%以上、90重量%以下にするステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0013】
第3の発明にあっては、
水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、
増量材を混合する前に、被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させるステップを含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法である。
【0014】
第4の発明にあっては、
水分の蒸発処理を減圧状態で行うことを特徴とする、
第1,第2または第3の発明に係る廃棄物の乾燥処理方法である。
【0015】
本明細書で「乾燥」という用語は、厳密な意味で水分を全く有さない状態のもののみを示すものではなく、若干の水分を有するものも含む概念として使用している。
【0016】
本明細書でいう「廃棄物」としては、例えば、アルコール製造において生成される粕(焼酎粕(「焼酎廃液」ともいう)、酒粕、葡萄酒における葡萄の絞り粕、ビール粕等)、食物残渣(野菜や果物等の絞り粕、魚のあら等の生ゴミ等)、畜糞尿、汚泥(スラッジ)、血液、水母(クラゲ)等を挙げることができる。これらの廃棄物は、限定するものではないが、乾燥をし易くするために細かく粉砕した状態で処理されるようにすることが好ましい。
【0017】
乾燥させた「廃棄物」は、例えば、飼料(被処理物が畜糞尿や汚泥以外のもの)や堆肥として利用可能である。
【0018】
また、本明細書でいう「増量材」としては、例えば、米糠、ふすま(「麦糠」、「からこ」、「むぎかす」ともいう)、トウモロコシ粉等、主に有機物の粉粒状のものが、単独でまたは混合して(組み合わせて)使用できる。しかし、増量材は、廃棄物と混合して乾燥した固形物を得るまでにかかる処理時間が短縮できるようなものであれば、これに限定するものではない。
【0019】
また、増量材の投入量は、経験によるものであるが、少なくとも重量比において廃棄物に含まれる固形分と同程度あれば良いようである。例えば、廃棄物の水分含有率が93重量%であれば、固形分は7重量%であるので、増量材はこれと略同量の7重量%相当で良いし、また、廃棄物の水分含有率が95重量%であれば、固形分は5重量%であるので、増量材は5重量%相当であれば良い。なお、増量材は、投入量を多くした方が、目標とする水分含有率にするために蒸発させる水分量が少なくできるので、処理時間は短くできる。
【0020】
(作 用)
本発明に係る廃棄物の乾燥処理方法は、増量材を投入する前に、廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させる工程を設け、その後に、増量材を混合して更に混合物を加熱することにより、混合物に含まれる水分を蒸発させて固形物を得るものである。この方法によれば、当初から増量材を混合した場合よりも、固形物を得るまでにかかる乾燥処理時間の短縮を図ることができる。
【0021】
水分の蒸発処理を減圧状態で行うようにするものは、減圧によって水分の沸点を低くして低温で処理することができるので、混合物を焦がさず、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は有機廃棄物の乾燥処理方法を実施するための乾燥処理装置の一例を示す正面図、
図2は図1に示す乾燥処理装置の平面図、
図3は図1に示す乾燥処理装置の右側面図、
図4は攪拌槽及び攪拌羽根の構造を示す、一部を断面した要部説明図である。なお、本実施の形態で示す乾燥処理方法は、特許第3099269号に開示されている「堆肥化装置」を使用して実施している。しかし、本発明に係る乾燥処理方法で使用可能な乾燥処理装置は、これに限定するものではなく、前記乾燥処理装置と同等の機能を備えるものであれば、各種公知の装置を採用することができることは言うまでもない。例えば、登録実用新案第3075310号、登録実用新案第3075311号、登録実用新案第3075312号、登録実用新案第3075313号等に記載の乾燥処理装置が使用可能である。
【0023】
符号Mは乾燥処理装置で、H鋼で形成された台座9の上に取り付けてある。乾燥処理装置Mは、攪拌装置1と、加熱装置2と、減圧装置である真空ポンプ3と、液化装置4を備えている。
【0024】
攪拌装置1は、両端部が塞がれた円筒形状の攪拌槽10(図4参照)を備えている。攪拌槽10は横置きに固定されている。攪拌槽10の外周部には、加熱装置2を構成する蒸気通路20(図4参照)が、攪拌槽10の内部と通じないようにして形成されている。
【0025】
蒸気通路20は、攪拌槽10の外周部を螺旋状に周回するようにして設けてある。また、攪拌槽10の上部にあたる蒸気通路20の前後端部には、導入接続管21と排出接続管22が設けてある。なお、蒸気通路20の攪拌槽10の底部側には、四箇所にドレン23が設けてある。
【0026】
攪拌槽10の上部には、攪拌槽10の内部に通じる通管11、12、13が三箇所に並設してある。通管11、12、13は、蒸気通路20と通じないように、この蒸気通路20を貫通して設けられている。図1における左側の通管11は、後述するように液化装置4に接続する連結部となる。また、右側の通管13はホッパー機能を有する蓋130を設けて有機廃棄物の投入部となる。中央部の通管12は設計変更時に対応するための予備で、通常は蓋120で塞がれている。
【0027】
攪拌槽10の両端部には、上記したように円形の端板14、15が設けられている。端板14、15の中心部分には、軸受装置140、150が設けてある。各軸受装置140(150)には、端板14(15)を貫通して管状の回転軸16が軸支してある。回転軸16の両側端部には、導入接続管160と排出接続管161が設けてある。なお、回転軸16の図1において左側の導入接続管160側には従動スプロケット162が設けてある。
【0028】
回転軸16には、長さ方向(図1において横方向)に等間隔をもって10箇所に攪拌羽根17・・・が設けてある(図4参照)。各攪拌羽根17は、攪拌槽10の内径よりやや長さの短い通気管170を備えている。通気管170・・・は、回転軸16の軸線方向と直交するようにして回転軸16を貫通し、この回転軸16の周方向に所要角度ずつずらして取り付けてある。
【0029】
各通気管170の一端部には、中空体である羽根体171a(または171b)が取り付けてある。通気管170は、内部が回転軸16の内部と通気可能に連通させてあり、また、羽根体171a(171b)の内部も同様に通気管170の内部と通気可能に連通させてある。
【0030】
攪拌槽10の図1における右側の端板14の下部には、槽内で処理されてできた固形物(飼料や堆肥等)を取り出すための円形の取出し口18が設けてある。取出し口18の外部側には密閉装置19が設けてある。密閉装置19は、攪拌槽10の内部を減圧するときに塞がれ、できた固形物を排出するときに開けられる。
【0031】
攪拌槽10の上部には、液化装置4が排出側(図3において右側)がやや低くなるように傾斜させて固定されている。液化装置4は両端を封鎖した円筒体内部に多数のパイプを平行に配置し、それらの隙間部分に冷却水を流通させる公知構造を有しており、パイプに蒸気を通してこれを冷却し、液化するものである。
【0032】
攪拌槽10の通管11には連結管110の一端が連結されている。連結管110の他端は、液化装置4の一端寄りに連結してあり、内部のパイプに通じている。また、連結管110の内部には、通過する内部空気の温度を測定するための温度計(図示省略)が設けられている。
液化装置4に接続してある排出管41は、台座9上に攪拌槽10と並設してある真空ポンプ3の吸引側に接続されている。
【0033】
攪拌槽10の上部には、加熱装置2を構成する蒸気発生装置24(図2参照)が配置されている。蒸気発生装置24と上記導入接続管21は接続管25によって接続されている。また、排出接続管22と上記回転軸16の導入接続管160は接続管26で接続されている。更に、排出接続管161には排出管27が接続してあり、排出管27は攪拌槽10の下方へ延長されて上記各ドレン23が合流接続してある。
【0034】
台座9には、減速装置を備えた駆動モーター7が攪拌槽10と並んで設けられている。駆動モーター7の回転軸には駆動スプロケット70が取り付けてある。駆動スプロケット70と、上記回転軸16に設けてある従動スプロケット162の間にはチェーン71が巻掛けてある。
【0035】
(作 用)
図1ないし図4を参照して、乾燥処理装置Mの使用方法と、この装置を使用して有機廃棄物である焼酎粕から飼料をつくる場合の乾燥処理方法について説明する。
攪拌槽10の内部に、蓋130から通管13を通して焼酎粕が投入される。焼酎粕の投入後、蓋130は気密に閉じられる。
【0036】
蒸気が蒸気発生装置24から接続管25を通して送られ、導入接続管21から蒸気通路20内に導入される。攪拌槽10の内部空気及び焼酎粕は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱される。
【0037】
蒸気通路20内の蒸気は、排出接続管22から排出され、接続管26を通って導入接続管160から回転軸16の内部に導入される。回転軸16内の蒸気は、攪拌羽根17の内部にも行きわたり、攪拌槽10の内部空気を加熱する。排出接続管161から排出された蒸気は、排出管27を通ってドレン23から落ちる水滴と共に排出される。
【0038】
一方、投入された焼酎粕は、駆動モーター7によって回転軸16と共に回転されている攪拌羽根17により攪拌されている。
【0039】
攪拌槽10の内部は真空ポンプ3によって減圧される。攪拌槽10の内部空気は、真空ポンプ3により通管11を通して連結管110から液化装置4内に吸い込まれる。なお、減圧により沸点が低下することは周知の通りである。
【0040】
攪拌槽10内に投入された焼酎粕は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱される。更に、焼酎粕は、攪拌槽10内が減圧されているので、含まれる水分が沸点に達して蒸発し始める。攪拌槽10内で発生した蒸気は、内部空気と共に真空ポンプ3によって液化装置4内に吸い込まれる。そして、液化装置4で液化されて外部に排出される。
【0041】
上記状態を所要時間続け、焼酎粕の水分をある程度蒸発させる(蒸発工程)。そして、焼酎粕の水分含有率が所要範囲内の数値になったところで、乾燥処理装置Mを一旦停止させて、増量材である米糠が攪拌槽10内に所要量投入される。米糠は、焼酎粕と混合してできた混合物の水分含有率を極端に低下させない程度の投入量が望まれる。米糠の投入後、蓋130が気密に閉じられて、乾燥処理装置Mの運転が再開される。
【0042】
投入された米糠は、回転されている攪拌羽根17により攪拌されて焼酎粕と混合される。こうして混合物(米糠と焼酎粕が混合してできたもの)の水分含有率は焼酎粕のときよりも相対的に低下する。
【0043】
混合物は、蒸気通路20内を通る蒸気によって加熱され、また、攪拌槽10の内部は真空ポンプ3によって減圧される。従って、混合物においても焼酎粕と同様に水分が蒸発される。
【0044】
そして、混合物の水分含有率が10重量%程度になるまで水分を蒸発させて乾燥したところで、乾燥処理装置Mを停止する。混合物を乾燥させてできた固形物は、密閉装置19による密閉状態を解除して取出し口18より取り出される。乾燥してできた固形物は飼料にできる。
【0045】
なお、本実施の形態では有機廃棄物から飼料をつくる場合を例に挙げて示したが、これは限定するものではなく、例えば、微生物を接種し、発酵させて有機廃棄物から堆肥をつくることもできる。この場合、微生物の種類は有機廃棄物が堆肥化できれば、特に限定するものではない。また、堆肥をつくる場合でも、攪拌槽内を減圧して処理することができる。攪拌槽内を減圧することで、有機廃棄物の沸点を下げることができるので、例えば、高い温度では生存できないような土着微生物を使用することもできる。土着微生物は、畑等の土壌に棲息するものを培養した自家製のものが使用でき、この場合では費用をかけずに入手できる。
【0046】
本実施の形態では、攪拌槽内を減圧して有機廃棄物を処理したが、これは限定するものではなく、減圧しないで大気圧のもとで処理することもできる。しかし、大気圧のもとで処理した場合では、有機廃棄物が攪拌槽内で焦げることが考えられ、また、タンパク質などの成分も分解され易くなるので減圧して低温で処理することが望ましい。
【0047】
本実施の形態で示す乾燥処理方法では、焼酎粕から飼料をつくる場合において、米糠を焼酎粕の処理の最初から入れずに、焼酎粕を加熱によりある程度濃縮して水分含有率をやや低下させたところで入れて混合物を乾燥処理するようにした。このような処理方法を用いることで、最終物を得るためにかかる処理時間を短縮することができた。
【0048】
この処理方法は、本発明者が種々の実験を行い導き出したものである。以下に、具体的に数値を挙げて、その比較例と実施例とを説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0049】
【実施例】
焼酎粕23kg(蒸留した状態の水分含有率は93重量%)を乾燥処理する過程において、米糠2kgを投入するタイミングを変えることで、最終的に混合物の水分含有率が10重量%になるまでにかかった処理時間を計測した。具体的には、焼酎粕の水分含有率が90重量%、85重量%、80重量%、75重量%、70重量%になったときに米糠を投入した。
乾燥処理装置は、上記に示した装置を使用した。乾燥処理装置は、攪拌槽10内を減圧して運転した。表中で示す「槽内温度」は連結管110内に設けた温度計が示す温度である。
【0050】
<実施例1>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が90重量%になったときに米糠を投入した(表1参照)。米糠を投入することにより水分含有率が90重量%から80重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は260分であった。固形物は粉状で生成された。
【0051】
【表1】
【0052】
<実施例2>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が85重量%になったときに米糠を投入した(表2参照)。米糠を投入することにより水分含有率が85重量%から71重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は250分であった。固形物は粉状で生成された。
【0053】
【表2】
【0054】
<実施例3>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が80重量%になったときに米糠を投入した(表3参照)。米糠を投入することにより水分含有率が80重量%から64重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は240分であった。固形物は粉状で生成された。
【0055】
【表3】
【0056】
<実施例4>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が75重量%になったときに米糠を投入した(表4参照)。米糠を投入することにより水分含有率が75重量%から57重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は240分であった。固形物は、粉状のものの中に小粒状のものが混じって生成された。
【0057】
【表4】
【0058】
<実施例5>
焼酎粕を加熱して、水分含有率が70重量%になったときに米糠を投入した(表5参照)。米糠を投入することにより水分含有率が70重量%から51重量%になった。固形物を得るまでの処理時間は225分であった。固形物は殆どが大粒状の塊になって生成された。塊状の場合では、内部にまだ水分が残っていることが多く、カビが発生したり腐敗し易いので、長期の保存に向かず好ましくない。
【0059】
【表5】
【0060】
<比較例1>
参考として、当初から米糠2kgを焼酎粕(水分含有率は93重量%)に投入した比較例を表6に示す。この場合、米糠を投入することにより水分含有率が93重量%から85重量%になった。また、固形物を得るまでの処理時間は270分であった。固形物は粉状で生成された。
【0061】
【表6】
【0062】
[結 論]
実施例と比較例とを比較すると、実施例1では比較例より10分短縮できた。実施例2では比較例より20分短縮できた。実施例3及び実施例4では比較例より30分短縮できた。実施例5では比較例より45分短縮できた。
上記実施例1ないし5からも明らかなように、固形物を得るまでにかかる処理時間は、米糠投入前の水分蒸発工程において、その蒸発量を多くするにつれて短縮できた。しかし、その蒸発量を多くするにつれて、固形物が粉状から大粒状の塊になって生成された。なお、水分を蒸発させても水分含有率が90重量%に達しない場合では、殆ど処理時間の短縮は図れなかった。
このことから米糠は、焼酎粕の水分含有率を75重量%以上、90重量%以下に調整したときに混合するのが、処理時間の短縮と得られた固形物の品質とのバランスから見て最良なタイミングであると言える。
【0063】
また、上記実施例1ないし5では、攪拌槽10内を減圧して沸点を下げた状態で処理を行っている。つまり、比較的低温で処理しているので、混合物は加熱して乾燥させる際において焦げることはなく、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【0064】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る廃棄物の乾燥処理方法は、増量材を投入する前に、廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させる工程を設け、その後に、増量材を混合して更に混合物を加熱することにより、混合物に含まれる水分を蒸発させて固形物を得るものである。この方法によれば、当初から増量材を混合した場合よりも、固形物を得るまでにかかる乾燥処理時間の短縮を図ることができる。
【0066】
(b)水分の蒸発処理を減圧状態で行うようにするものは、減圧によって水分の沸点を低くして低温で処理することができるので、混合物を焦がさず、また、タンパク質やアミノ酸等の栄養成分も分解されないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機廃棄物の乾燥処理方法を実施するための乾燥処理装置の一例を示す正面図。
【図2】図1に示す乾燥処理装置の平面図。
【図3】図1に示す乾燥処理装置の右側面図。
【図4】攪拌槽及び攪拌羽根の構造を示す、一部を断面した要部説明図。
【符号の説明】
M 乾燥処理装置
1 攪拌装置
10 攪拌槽
11 通管
110 連結管
12 通管
120 蓋
13 通管
130 蓋
14 端板
140 軸受装置
15 端板
150 軸受装置
16 回転軸
160 導入接続管
161 排出接続管
162 従動スプロケット
17 攪拌羽根
170 通気管
171a 羽根体
171b 羽根体
18 取出し口
19 密閉装置
2 加熱装置
20 蒸気通路
21 導入接続管
22 排出接続管
23 ドレン
24 蒸気発生装置
25 接続管
26 接続管
27 排出管
3 真空ポンプ
4 液化装置
41 排出管
7 駆動モーター
70 駆動スプロケット
71 チェーン
9 台座
Claims (4)
- 水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させて水分含水率を低下させるステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法。 - 水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を蒸発させて水分含有率を75重量%以上、90重量%以下にするステップ、
上記ステップを経た被処理物に増量材を混合するステップ、
増量材が混合された混合物を加熱して、混合物に含まれる水分を蒸発させて乾燥した固形物を得るステップ、
を含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法。 - 水分含水率の高い廃棄物を乾燥して処理する方法であって、増量材を混合する前に、被処理物である廃棄物を加熱して、廃棄物に含まれる水分を所要量蒸発させるステップを含むことを特徴とする、
廃棄物の乾燥処理方法。 - 水分の蒸発処理を減圧状態で行うことを特徴とする、
請求項1,2または3記載の廃棄物の乾燥処理方法。
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