JP2004169311A - 石材を下地に装着する方法及びこれに使用する治具 - Google Patents

石材を下地に装着する方法及びこれに使用する治具 Download PDF

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Abstract

【課題】接着剤は経時変化によって劣化せしめられる虞があり、それ故に従来においては長期間の使用の間に建造物の下地から石材が離脱し落下せしめられる虞を否定できない。
【解決手段】本発明の石材を下地に装着する方法は、
石材(4)の裏面に幅方向に間隔をおいて複数個の被係止盲孔(8)を形成すること、
金属薄板製ストリップから構成され、ストリップの上端部には孔(10)が形成されており、ストリップの下端部には該ストリップの下端から上方に延びる2本の平行線(12)に沿って切断し、2本の平行線間の部分を、2本の平行線の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片(14)が配設されている複数個の治具(6)を使用して、治具の各々の係止片を石材の被係止盲穴の各々に挿入し、治具の各々の孔を通して下地に締結ねじを螺着して治具を各々を下地(2)に固定すること、
を含む。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の下地に花崗岩(御影石とも称される)の如き石材を装着する方法及びこれに使用する治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
当業者には周知の如く、高級建造物の外装には花崗岩の如き石材が好適に使用されている。かような石材は比較的薄い平板状に加工せしめられており、その片面即ち表面は磨かれていて優れた外観を呈している。石材に所要加工を加えて段差部或いは溝等を形成することは容易ではなく、石材の裏面は通常平坦面である。かような石材を建造物の外装すべき下地に装着する際には、通常、適宜に間隔をおいた複数個の領域において石材の裏面を下地にエポキシ系接着剤の如き適宜の接着剤によって接着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、当業者には周知の如く、接着剤は経時変化によって劣化せしめられる虞があり、それ故に従来においては長期間の使用の間に建造物の下地から石材が離脱し落下せしめられる虞を否定できない。
【0004】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、接着剤が劣化せしめられても建造物の下地から石材が離脱し落下せしめられることが充分確実に回避される、建造物の下地に平板状石材を装着する方法、及びかかる方法に使用する治具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、上記技術的課題を達成する方法として、建造物の下地に平板状石材を装着する方法にして、
該石材の裏面に幅方向に間隔をおいて複数個の被係止盲孔を形成すること、
金属薄板製ストリップから構成され、該ストリップの上端部には孔が形成されており、該ストリップの下端部には該ストリップの下端から上方に延びる2本の平行線に沿って切断し、該2本の平行線間の部分を、該2本の平行線の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片が配設されている複数個の治具を使用して、該治具の各々の該係止片を該石材の該被係止盲穴の各々に挿入し、該治具の各々の該孔を通して下地に締結ねじを螺着して該治具を各々を下地に固定すること、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0006】
該盲孔は水平に対して5乃至45度の傾斜角度γをなして上方に傾斜して延び、該治具の各々の該係止片は、水平に対して5乃至45度の傾斜角度αをなして上方に傾斜して延出し、次いで鉛直に対して5乃至20度の傾斜角度βをなして下方に向かって該ストリップの主部に接近する方向に傾斜して延びるのが好適である。好ましくは、該治具の各々はばね鋼薄板から形成されており、該治具の各々の該係止片は弾性変形せしめて該石材の該盲鋼の各々に挿入せしめられる。
【0007】
本発明の他の局面によれば、上記技術的課題を達成する治具として、金属薄板製ストリップから構成され、該ストリップの上端部には孔が形成されており、該ストリップの下端部には該ストリップの下端から上方に延びる2本の平行線に沿って切断し、該2本の平行線間の部分を、該2本の平行線の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片が配設されている、石材を下地に装着するための治具が提供される。
【0008】
該係止片は、水平に対して5乃至45度の傾斜角度αをなして上方に傾斜して延出し、次いで鉛直に対して5乃至20度の傾斜角度βをなして下方に向かって該ストリップの主部に接近する方向に傾斜して延びるのが好ましい。治具はばね鋼薄板から形成されているのが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成された、建造物の下地に石材を装着する方法、及びかかる方法に使用する治具の好適実施形態について、更に詳細に説明する。
【0010】
図1及び図2には、建造物の下地2に装着される平板状石材4、及び下地2に平板状石材4を装着する際に使用する治具6が図示されている。
【0011】
石材4は花崗岩、大理石等の適宜の石材から矩形平板形状に加工せしめられており、その片面即ち表面(図1において手前の面の背面、図2においては下地2に接触している面の背面)は研磨加工が施され優れた外観を呈している。かように構成された石材4の裏面(図1において手前の面、図2においては下地2に接触している面)には幅方向に間隔をおいて複数個の被係止盲孔8が形成されている。好ましくは、盲孔8は水平方向に対して5乃至45度の傾斜角度γをなして上方に傾斜して延びている。
【0012】
図示の実施形態における治具6はばね製薄板ストリップから構成されている。かかるストリップの上端部には孔10が形成されており、ストリップの下端部にはストリップの下端から上方に延びる二本の平行線12に沿って切断し、かかる二本の平行線12間の部分を、二本の平行線12の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片14が配設されている。図示の実施形態における二本の平行線12間は上記石材4の裏面に形成されている盲孔8の直径と実質上同一にせしめられている。好ましくは、係止片14は水平に対して5乃至45度の傾斜角度αをなして上方に傾斜して延出し、次いで鉛直に対して5乃至20度の傾斜角度βをなして下方に向かってストリップの主部16に接近する方向に傾斜して延びている。
【0013】
モルタルセメントでよい下地2に石材4を装着する際には、上述されたように構成された複数個の治具6を使用して、治具6の各々の係止片14を弾性変形せしめて石材4の被係止盲孔8の各々に挿入する。しかる後において、石材4の裏面(図2において下地2に接触している面)或いは下地2の表面(図2において石材4に接触している面)にエポキシ系接着材の如き適宜の接着材を塗布し、石材4の被係止盲孔8の各々に挿入された治具6の各々の孔10を通して締結ねじ18を建造物の下地2に螺着し、次いで石材4の裏面を下地2の表面に接触せしめ、これによって石材4を治具6及び接着材を介して建造物の下地2に固定し、その後に下地2に固定された石材4間に目地モルタル20を施している。上述した方法に代えて、下地2に治具6を水平方向に所定距離(石材4における被係止盲孔8間の間隔)離して締結ねじ18で螺着し、石材4の裏面或いは下地2の表面にエポキシ系接着材の如き適宜の接着材を塗布し、次いで下地2に固定された治具6の係止片14を弾性変形せしめて石材4の被係止盲孔8の各々に挿入し、石材4の裏面を下地2の表面に接触せしめ、これによって石材4を治具6及び接着材を介して建造物の下地2に固定して、その後に下地2に固定された石材4間に目地モルタル20を施すこともできる。本発明の、石材4を下地2に装着する方法においては、接着材が経時変化により劣化せしめられても、建造物の下地2から石材4が離脱し落下せしめられることが確実に回避される。
【0014】
【発明の効果】
本発明の、石材を下地に装着する方法及びこれに使用する治具においては、建造物の下地から石材が離脱し落下せしめられる虞を防止乃至抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従がって構成された、石材を下地に装着する方法に使用される治具を図示する斜視図。
【図2】図1の治具を使用して石材を下地に装着せしめた状態を図示する断面図。
【符号の説明】
2:下地
4:石材
6:治具
8:盲孔
10:孔
12:平行線
14:係止片
16:主部
18:締結ねじ

Claims (6)

  1. 建造物の下地に平板状石材を装着する方法にして、
    該石材の裏面に幅方向に間隔をおいて複数個の被係止盲孔を形成すること、
    金属薄板製ストリップから構成され、該ストリップの上端部には孔が形成されており、該ストリップの下端部には該ストリップの下端から上方に延びる2本の平行線に沿って切断し、該2本の平行線間の部分を、該2本の平行線の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片が配設されている複数個の治具を使用して、該治具の各々の該係止片を該石材の該被係止盲穴の各々に挿入し、該治具の各々の該孔を通して下地に締結ねじを螺着して該治具を各々を下地に固定すること、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 該盲孔は水平に対して5乃至45度の傾斜角度γをなして上方に傾斜して延び、該治具の各々の該係止片は、水平に対して5乃至45度の傾斜角度αをなして上方に傾斜して延出し、次いで鉛直に対して5乃至20度の傾斜角度βをなして下方に向かって該ストリップの主部に接近する方向に傾斜して延びる、請求項1記載の方法。
  3. 該治具の各々はばね鋼薄板から形成されており、該治具の各々の該係止片は弾性変形せしめて該石材の該盲鋼の各々に挿入せしめられる、請求項1又は2記載の方法。
  4. 金属薄板製ストリップから構成され、該ストリップの上端部には孔が形成されており、該ストリップの下端部には該ストリップの下端から上方に延びる2本の平行線に沿って切断し、該2本の平行線間の部分を、該2本の平行線の上端間から延出し、次いで下方に向かって延びる形態に変形せしめることによって形成された係止片が配設されている、石材を下地に装着するための治具。
  5. 該係止片は、水平に対して5乃至45度の傾斜角度αをなして上方に傾斜して延出し、次いで鉛直に対して5乃至20度の傾斜角度βをなして下方に向かって該ストリップの主部に接近する方向に傾斜して延びる、請求項4記載の治具。
  6. ばね鋼薄板から形成されている、請求項1又は2記載の治具。
JP2002333634A 2002-11-18 2002-11-18 石材を下地に装着する方法及びこれに使用する治具 Withdrawn JP2004169311A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106049798A (zh) * 2016-07-13 2016-10-26 六合峰(天津)科技股份有限公司 一种小块异形石材镶贴安装结构及施工方法
JP2018096133A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 旭化成ホームズ株式会社 外壁パネルの固定構造及び建物
JP2018141294A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 積水ハウス株式会社 脱落防止金具及び外壁パネル

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