JP2004169119A - 溶射装置と溶射方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックのボア内面に形成された溶射被膜の剥がれを防止可能な技術を提供する。
【解決手段】溶射装置20は、シリンダブロック12を貫通するボア14の一方側開口からボア14に挿入する溶射ガン22と、ボア14内にその軸周りに旋回しながらボア14の他方側開口に向かう旋回流28を発生させる手段24とを備えている。
ボア14内に、その軸周りに旋回しながらボア14の他方側開口に向かう旋回流28を発生させると、旋回流28の中心に向かう流れも発生する。旋回流28にその中心に向かう流れが発生すると、溶射粒子中のヒュームは、旋回流28の中心に集まる。旋回流28の中心に集まったヒュームは、ボア14の他方側開口に向かう旋回流28に乗ってボア14から吸い出される。このため、ボア14内面には、ヒュームをほとんど含まない、剥がれが防止された良質な溶射被膜が形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダブロックのボア内面に溶射被膜を形成する技術に関するものである。詳しくは、溶射被膜の剥がれを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダブロックを貫通するボアにシリンダライナを装着せず、ボア内面に溶射被膜を直接形成する技術が知られている。ボアにシリンダライナを装着しないと、ボアどうしの距離を小さくできるのでシリンダブロックの小型化が可能になるとともに、ボア内で発生する燃焼熱が直接ボアに伝わるので、エンジンの冷却効率を向上させることができる。ボア内面に形成された溶射被膜は、さらにホーニング加工が施され、平滑度が良好な面に仕上げられる。溶射被膜の平滑度が良好だと、ボア内面とピストンの摺動抵抗を小さくすることができる。
ボア内面に溶射被膜を形成する際には、ボアの一方側の開口部から溶射ガンをボア内に挿入する。溶射ガンは回転しながらボア軸方向に移動する。溶射ガンの先端部に設けられた溶射孔からは、溶融した鉄等の溶射粒子がボア内面に向けて溶射される(吹きつけられる)。溶射孔から溶射された溶射粒子は、ボア内面に付着して溶射被膜を形成する。
【0003】
溶射された溶射粒子の内の粒子径が小さいものは、温度が高くなって酸化してしまいヒューム(酸化鉄)になる。溶融した溶射粒子とヒュームが溶射されると、ヒュームを含んだ溶射被膜がボア内面に形成される。ヒュームを含んだ溶射被膜は、付着力が弱い。付着力が弱い溶射被膜にホーニング加工を施すと、溶射被膜の一部が剥がれてしまうことがある。
ボアの他方側の開口部から空気を吸引しながら溶射を行う技術が、例えば特許文献1に記載されている。ヒュームは、粒子径が大きい溶射粒子よりも軽い。このため、ボアの開口部から空気を吸引しながら溶射を行うと、ボアからヒュームを吸い出すことができる。従って、溶射被膜に含まれるヒュームを少なくして、溶射被膜の付着力を強くすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−4024号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ボアから空気を吸引しながら溶射を行うと、溶射被膜に含まれるヒュームを少なくすることができる。しかしながら、このようにして形成された溶射被膜であっても、ホーニング加工を施すと依然として溶射被膜の剥がれが生じてしまうことがある。このため、溶射粒子中からより多くのヒュームを除去し、ボア内面により付着力が強い溶射被膜を形成する技術が求められている。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ボア内面に形成された溶射被膜の剥がれを防止する技術を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用と効果】請求項1に記載の溶射装置は、シリンダブロックを貫通するボアの一方側開口からボアに挿入する溶射ガンと、ボア内にその軸周りに旋回しながらボアの他方側開口に向かう旋回流を発生させる手段とを備えている。
ボア内に、その軸周りに旋回しながらボアの他方側開口に向かう旋回流を発生させると、旋回流の速度は、ボア内面から離れてボアの軸(旋回流の中心)に近づくほど早くなる。旋回流の速度がこのような傾向を示すのは、空気の粘性によって旋回流がボア内面の影響を受け、ボア内面に近い旋回流の速度が遅くなるからである。旋回流の速度がボア内面から旋回流の中心に近づくほど早くなると、旋回流の圧力は旋回流の中心に近づくほど小さくなる(ベルヌーイの定理)。このため、旋回流には、旋回しつつ旋回流の中心に向かう流れが生じる。
旋回流にその中心に向かう流れが生じると、ボア内面に向けて溶射される溶射粒子中に含まれているヒュームは、引き戻されるようにして旋回流の中心に集まる。旋回流の中心に集まったヒュームは、ボアの他方側開口に向かう旋回流に乗ってボアから吸い出される。この際には、粒子径がヒュームよりも大きく、ヒュームよりも重い溶融した溶射粒子は、中心に向かう旋回流の流れの影響をそれほど受けず、そのままボア内面に到達する。このため、ボア内面には、ヒュームをほとんど含まない良質な溶射被膜が形成される。従って、溶射被膜の剥がれを防止することができる。
【0008】
請求項2に記載の溶射方法は、シリンダブロックに設けられたボアの内部に、ボア軸周りに旋回しながらボア軸方向に向かう旋回流を発生させながら溶射し、ボア内面に溶射被膜を形成する。
ボアの内部に、ボア軸周りに旋回しながらボア軸方向に向かう旋回流を発生させながら溶射を行うと、旋回流には、旋回しつつ旋回流の中心に向かう流れが生じる。旋回流にその中心に向かう流れが生じると、ヒュームは旋回流の中心に集まり、ボア軸方向に向かう旋回流に乗ってボアから吸い出される。このため、ボア内面には、ヒュームをほとんど含まない良質な溶射被膜が形成される。従って、上記の溶射方法によれば、剥がれが防止された溶射被膜をボア内面に形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
ボアの一方側開口から溶射ガンをボアに挿入し、ボアの他方側開口に複数の吸引パイプを持つ吸引装置を装着する。そして、溶射ガンの溶射孔からボアの内面に向けて溶射しながら、吸引装置の吸引パイプから空気を吸引する。
(第2実施形態)
シリンダヘッドと一体化されたシリンダブロックにおいて、インテークポートとイグゾーストポートから空気を吸引しながら、溶射ガンでボア内面に溶射を行う。
【0010】
【実施例】本発明の実施例に係る溶射装置と溶射方法について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されているように、溶射装置20は、溶射ガン22、吸引アダプタ24、吸引ファン(図示省略)、溶射ガン22の昇降装置(図示省略)等から構成されている。溶射ガン22は、シリンダブロック12を貫通しているボア14の上部開口から挿入され、昇降装置に支持されながら、昇降しつつ回転する。溶射ガン22の先端部の側面には、溶射孔22aが開口している。溶射孔22aの内部には、陽極と陰極を持つ電極が設けられている。溶射ガン22には、昇降装置を介して細かな鉄粉、アルゴンガス、電力が供給される。溶射ガン22の軸は、ボア14の軸に対して傾斜している。溶射ガン22の傾斜角度を変化させると、溶射孔22aとボア14の内面14aとの距離を調整することができる。
【0011】
ボア14の下部開口には、吸引アダプタ24が装着される。吸引アダプタ24は、ボア14の内径にほぼ等しいダクト24cと、吸引パイプ24aと、吸引パイプ24bを備えている。図2に良く示されているように、吸引パイプ24a、24bの軸は、並行、かつダクト24cの軸を挟むように配置されている。吸引パイプ24a、24bは、吸引ファンに接続されている。
【0012】
溶射ガン22の電極に高電圧を印加すると、溶射孔22aの内部で放電が発生する。この状態で溶射ガン22に鉄粉とアルゴンガスが供給すると、溶射孔22aから高温のプラズマとともに、鉄粉が溶融した溶射粒子がボア14の内面14aに勢いよく溶射される。このときに、溶射粒子中の粒子径が小さいものは、温度が高くなって酸化しヒュームになる。溶射ガン22が溶射を行いながら回転し、ボア14内を昇降すると、ボア14の内面14aに溶射被膜が形成される。
吸引ファンが作動すると、吸引アダプタ24の吸引パイプ24a、24bを介してボア14内の空気が吸い出される。上述したように、吸引パイプ24aと24bの軸は、並行、かつダクト24cの軸を挟むように配置されている。このため、吸引パイプ24a、24bが空気を吸い出すと、ボア14内には、ボア14の軸周りに旋回しながらボア14の下部開口に向かう旋回流28が発生する。ボア14の内面14aに近い旋回流28は、空気の粘性によって内面14aの影響を受け、旋回流28の中心(ボア14の軸)よりも遅くなる。このため、旋回流28の速度は、ボア内面から旋回流28の中心に近づくほど早くなる傾向を示す。よって、旋回流28内の圧力分布は、ボア内面から旋回流28の中心に近づくほど小さくなる(ベルヌーイの定理)。従って、旋回流28には、旋回しつつ旋回流28の中心に向かう流れが生じる。
【0013】
旋回流28の中心に向かう流れがボア14内に生じると、重さが軽いので慣性力が小さいヒュームは、空気に乗って旋回流28の中心に集まる。旋回流28の中心に集まったヒュームは、ボア14の下部開口から吸引アダプタ24を介して外部に吸い出される。
粒子径が大きい溶射粒子は、ヒュームになるほど温度が高くならず、溶融した状態でボア14の内面14aに向けて溶射される。粒子径が大きい溶射粒子は、重さが大きいので慣性力も大きい。このため、粒子径が大きい溶射粒子は、旋回流28の中心に向かう流れの影響をほとんど受けず、そのままボア14の内面14aに到達する。よって、ボア14の内面14aには、ヒュームをほとんど含まない、良質な溶射被膜が形成される。従って、溶射被膜にホーニング加工を施す際の、溶射被膜の剥がれが防止される。
【0014】
従来の溶射装置で形成した溶射被膜と比較しながら、本発明の溶射装置20を用いて形成した良質な溶射被膜を説明する。なお、溶射被膜を形成したシリンダブロック12、およびボア14から空気を吸引するのに用いた吸引アダプタ24の寸法は、図3、図4に示すとおりである。なお、溶射に用いた溶射粒子の組成は、炭素(C)が0.4(重量%)、モリブデン(Mo)が2(重量%)、クロム(Cr)が12(重量%)、残りが鉄(Fe)である。
図5は、ボア14内に空気を流さないで状態で溶射被膜を形成し、その後にホーニング加工を施した場合のシリンダブロック12と溶射被膜32の断面図である。溶射被膜32の厚さは、約0.1mmである。円状あるいは楕円状で示されているのは、粒子径が大きすぎて溶融しきれなかった未溶融粒子34であり、小さく線状に示されているのは、ヒューム35である。図5から明らかなように、溶射被膜32の表面に凹状の剥離穴36が空いてしまっている。このように剥離穴36が空いてしまうのは、溶射被膜32中に多くのヒューム35が含まれているために溶射被膜32の付着力弱くなり、ホーニング加工を施した際に溶射被膜32の一部が剥がれてしまうからである。剥離穴36が空いていると、ボア14内をピストンが往復運動するときに、ボア14の内面14aとピストンとの摺動抵抗が大きくなってしまう。
【0015】
図6は、ボア14内に、その軸方向に沿って矢印37方向に空気を流した状態で溶射被膜を形成し、その後にホーニング加工を施した場合のシリンダブロック12と溶射被膜32の断面図である。空気流のボア14軸方向の流速は、8(m/s)である。図6から明らかなように、溶射被膜中32中のヒューム35は、図5に示されているボア14内に空気を流さない状態で形成された溶射被膜32よりも減少している。また、矢印37方向に空気を流した状態で溶射しているので、シリンダブロック12の凸部に引っかかるようにして、部位38にヒュームが積層している。図5で示されていた未溶融粒子34が認められないのは、その大きさがヒュームに比べて大きいため、凸部に引っ掛からないからである。溶射被膜32の表面には、小さいながらも剥離穴36が空いてしまっている。
【0016】
図7は、ボア14内に、その軸周りに旋回しながらボア14の下部開口に向かう旋回流28を発生させた状態で溶射被膜32を形成し、その後にホーニング加工を施した場合のシリンダブロック12と溶射被膜32の断面図である。空気流のボア14軸方向の流速は、8(m/s)である。旋回流28には、旋回しながらその中心に向かう空気流(矢印39)が生じている。図5から明らかなように、溶射被膜32中には、ヒューム35がほとんど含まれておらず、溶射被膜32の表面に剥離穴36は空いていない。このように、本発明の溶射装置20を用いることにより、良好な品質の溶射被膜を形成することができる。
【0017】
ボア14内に空気を流さない状態、ボア14軸方向に沿って空気を流した状態、ボア14軸周りに旋回しながら軸方向に向かう旋回流28を発生させた状態、のそれぞれで形成した溶射被膜の付着力を確認するエロージョン(浸食)試験を行った。以下、その試験結果を説明する。
エロージョン試験では、最初にシリンダブロック12の重量を計測しておく。次に、ボア内に噴射装置を挿入する。噴射装置は、棒状の本体と、本体先端部側面に設けられたノズルを備えている。噴射装置は、その軸がボア14の軸と一致するように配置される。噴射装置は、500(rpm)でその軸周りに回転しながら、3(mm/s)の速度でボア14の軸方向に移動する。ノズル部分の水圧は、173(MPa)である。そして、ノズルから水を噴射しながら、ノズルをボア14の上部から下部に移動させ、さらに下部から上部に移動させてからシリンダブロック12を乾燥させるのを1インターバルとし、それを3インターバル繰り返す。最後に、シリンダブロック12の重量を計測し、エロージョン試験の最初に計測した重量との差分を求める。この差分が大きいほど、エロージョン量が多く、溶射被膜の付着力が弱いことになる。
【0018】
図8は、エロージョン試験の結果を図示している。縦軸は、エロージョン量(g)である。図8に示されているように、ボア14内に空気を流さない状態、ボア14軸方向に沿って空気を流した状態、ボア14軸周りに旋回しながらボア14の軸方向に向かう旋回流28を発生させた状態で形成した溶射被膜のエロージョン量は、それぞれ33(g)、11(g)、4(g)である。この結果から明らかなように、ボア14内に旋回流28を発生させながら溶射することにより、ボア14の内面14aに、従来よりも付着力が強い良質な溶射被膜を形成することができる。
【0019】
ボア14内に発生する旋回流28の強さは、吸引アダプタ24の吸引パイプ24a、24bの径と、それらの軸間距離に依存する。発明者が見出した吸引アダプタ24として好ましい吸引パイプ24a、24bの径と、それらの軸間距離は、図9に示されている符号を用いて次式に示すとおりである。
L=d+d≧0.8(D+D)/2
【0020】
図10に示されているように、滑らかに曲がり、かつ斜め下方向に向く吸引パイプ42a、42bを備えた吸引アダプタ42を用いることもできる。このような吸引アダプタ42は、上述した吸引アダプタ24に比べて空気的な抵抗(圧力損失)が小さい。従って、吸引アダプタ42を用いると、より多くの空気を吸引して、ボア14内により強い旋回流28を発生させることができる。
【0021】
図11、図12に示されているように、シリンダヘッド44と一体化されたシリンダブロック48において、インテークポート45とイグゾーストポート46から空気を吸引すると、ボア14内に旋回流28を発生させることができる。従って、このようなシリンダブロック46では、吸引アダプタ42を用いずに旋回流28を発生させながら溶射して、良質な溶射被膜を形成することができる。
【0022】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る溶射装置がシリンダブロックのボア内面に溶射している状態の断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】実施例に係る溶射装置とシリンダブロックの寸法を示す断面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】実施例に係る溶射被膜とシリンダブロックの細部断面図(ボア内に空気流れ無し)。
【図6】実施例に係る溶射被膜とシリンダブロックの細部断面図(ボア内に空気流れ有り)。
【図7】実施例に係る溶射被膜とシリンダブロックの細部断面図(ボア内に旋回流有り)。
【図8】実施例に係るエロージョン試験結果を示すグラフ。
【図9】実施例に係る吸引アダプタの寸法符号を示す断面図。
【図10】実施例に係るシリンダブロックと吸引アダプタを示す断面図。
【図11】実施例に係るシリンダヘッドと一体型のシリンダブロックを示す断面図。
【図12】図11のXII−XII線矢視図。
【符号の説明】
12:シリンダブロック
14:ボア、14a:内面
20:溶射装置
22:溶射ガン、22a:溶射孔
24:吸引アダプタ、24a、24b:吸引パイプ、24c:ダクト
28:旋回流
32:溶射被膜
34:未溶融粒子
35:ヒューム
36:剥離穴
37、39:空気の流れ方向を示す矢印
42:吸引アダプタ、42a、42b:吸引パイプ
44:シリンダヘッド
45:インテークポート
46:イグゾーストポート
48:シリンダブロック

Claims (2)

  1. シリンダブロックを貫通するボアの一方側開口からボアに挿入する溶射ガンと、ボア内にその軸周りに旋回しながらボアの他方側開口に向かう旋回流を発生させる手段とを備える溶射装置。
  2. シリンダブロックに設けられたボアの内部に、ボア軸周りに旋回しながらボア軸方向に向かう旋回流を発生させながら溶射し、ボア内面に溶射被膜を形成する方法。
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