JP2004169038A - ポリウレタン・ポリウレア系均一研磨シート材 - Google Patents
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Abstract
精密研磨分野における研磨シート材としては、凡そ20年以上回文式の製法であった。これは大型の樹脂ブロック体から2次的に所望の薄いシート状に加工して、その硬度や気泡サイズ等のバラツキは非常に大きい物であり課題を残していた。
〔解決手段〕
ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材を以下の(イ)〜(ハ)の条件を満たすことにより要求される均一性において見かけ密度のバラツキを中心値±5%以内におさえ、超精密鏡面研磨業界が長年の望んでいた製品を供給することを可能にした。
(イ)ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材原料として、所定の成分を2〜3成分に配合、混合する工程。
(ロ)25mm以下の有効間隔を有する相対する2枚の無限軌道ステンレススチールベルト間に吐出する工程。
(ハ)該ベルト間で加熱処理して必要時実質的キュアリング迄連続する工程から製造されるポリウレタン・ポリウレア研磨シート材
【選択図】 なし
Description
超LSI、高密度記録用ハードディスクに代表されるコンピューター部品の代表的な材料の一つである前記半導体、金属やガラス材料はある工程で超平滑な鏡面が要求される。その要求の一つに常に安定な面粗度やロールオフ値がナノメートル的数値管理される時代に人っている。また超鏡面とは定義が違うが、精密研磨分野ではそれに劣らず平坦化研磨が不可欠のCMP研磨用のシートをも渇望されている。このために超平滑性研磨に対する研磨シート材にも、従来にない性能及び品質が要求されるようになった。連続化、大型化及びシステム化された超平滑性研磨工程には、品質も大ロットの一定化の要望は特に強い。
〔技術背景〕
中でもポリウレタン材料を主体とする研磨シート材の従来製造の最大の不安定要素はバッチ方式(回分方式)の製造法である事に由来する。この分野ではおよそ20年近い経過実績を有する研磨シート材が現在も使用されているが相変わらずバッチ式の製造方法によるものである。
このバッチ式の製造方法の場合はポリウレタンのブロック(塊)を先ず作成しそれを二次的に所望の薄いシート状に加工するものである。先ず該ブロックは円筒形や立方体形けでその厚みは少なくとも50mm以上もあり、円筒形に至ってはその数十倍位も厚いものである。いづれもその中心、上下、端部はポリウレタンの重合熱の蓄積度のバラツキから熱劣化、着色、品質劣化等のアンバランスが大きい。又その熱の蓄積度のバラツキは直接的にポリウレタンの気泡サイズのバラツキを大きく促すもので、これが密度のバラツキとなり研磨シート材の品質的にも超精密研磨には到底使用に及ばないか、困難さを伴う。
また前述の研磨シート材に加工する手段も、既存産業機械で対応しておりスライスやベニヤ板の製造方式に使うかつら剥き方式等の主として木材産業機械で対応している状況である。ここにも厚み一定化等では高い歩留りが望めず工業的な困難さは何ら解決されていない。
〔発明の開示〕
〔発明が解決しようとする課題〕
こうすることでシート材料の硬度、ミクロ発泡具合がシート材全製品で安定するものである。実際研磨実験の実施例でも述べる如く、研磨シートの生産時に於ける如何なる部位別,ロット別を用ちいて研磨作業を実施しその研磨品質は結果的に研磨レートや研磨ライフの安定化に、非常に有用性を発揮出来るものである。
一方従来技術の厚み80mmの立方体ブロックのバッチ方式では上下2分割した各々の全体ブロックに対する密度の差が10〜30%にもなる事が珍しくない。このブロック体からスライス方式等で研磨シート材を得た場合、ポリウレタン・ウレア硬化反応熱の比較的蓄積が少なく安定している下方部分を含む厚みで60%位が市場要求に合格しているようで密度に代表される品質のバラツキが非常に大きい。即ち歩留りがとても悪いものである。
本発明者らは常に安定した研磨性能を発揮する研磨シート材を製造する事は、原料及び加工条件をある特定の限定された条件に絞る事が最肝要であると確認した。
これは従来はポリウレタン・ポリウレア樹脂の注形製品を得る場合、常識的に一つひとつの注形体をバッチ式に得る方式であった。
このバッチ式方式は現状の望むべき最高の生産方式を持ってしても、上記密度に代表されるバラツキは防止しえなかった。それぼど研磨シート材料の品質は厳密管理を必要とするものである。
厚み全体の密度一定の均一化に劣らず重要な品質は、シリコンウエハーに代表される研磨対象物と接触する研磨シート材の表面の均一性である。研磨シート材の表面の均一性とは研磨促進剤や又原料中の含有水分とイソシアネート基と反応して生じる微細空洞及び研磨促進剤の前述の様な化学的溶解除去された微細空洞の分布がポリウレタン・ポリウレア研磨シート材の全表面的に均一に分布する事を言う。
本発明者らは原料及び加工条件をある特定の限定された条件で、連続して生産する事以外にないと判断し、あらゆるポリウレタン・ウレアシート系材料の連続生産方式を鋭意研究した。
〔課題を解決するための手段〕
〔請求項1〕
(イ)下記の(a)〜(d)
(a)平均分子量5000以下のポリオール
(b)有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する分子量300以下の化合物
(c)研磨促進材
(d)重合硬化触媒
を含んでなるA成分と、下記の(e)及び(f)
(e)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネート
(f)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる末端イソシアネート基を有する平均分子量2000以下のプレポリマー
から選ばれた1種以上を含んでなるB成分とを、A成分中の活性水素の総化学当量がB成分中のイソシアネート基の総化学当量と同じかそれ以下となるような割合で混合する工程、
(ロ)上記工程で得られた混合物を、相対する双方のベルト面が25mm以下の有効間隔を保ちつつ走行するように対向して配設された一対の無限軌道面ベルトと該面ベルトの走行路に沿って設けられた加熱手段とを具えてなる加熱成形機構の上記双方の面ベルト間に吐出し流延させる工程、及び
(ハ)上記双方の面ベルト間に流延され挟持されて移動する混合物を、上記加熱手段によって加熱処理して重合反応を完結せしめ、必要ならばさらにキュアリングを行った後、生成したシート状成形物を面ベルトから分離する工程
からなる連続する工程によって得られる見かけ密度が少なくとも0.25以上で且つ厚み方向に2層に分割した時の各層の見かけ密度の全体の見かけ密度に対する差が5%以内である均質なポリウレタン・ポリウレア研磨シート材。
〔請求項2〕
(イ)下記の(a)〜(d)
(a)平均分子量5000以下のポリオール
(b)有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する分子量300以下の化合物
(c)研磨促進材
(d)重合硬化触媒
を含んでなるA成分と、下記の(e)及び(f)
(e)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネート
(f)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる末端イソシアネート基を有する平均分子量2000以下のプレポリマー
から選ばれた1種以上を含んでなるB成分とを、A成分中の活性水素の総化学当量がB成分中のイソシアネート基の総化学当量と同じかそれ以下となるような割合で混合する工程、
(ロ)上記工程で得られた混合物を、相対する双方のベルト面が25mm以下の有効間隔を保ちつつ走行するように対向して配設された一対の無限軌道面ベルトと該面ベルトの走行路に沿って設けられた加熱手段とを具えてなる加熱成形機構の上記双方の面ベルト間に吐出し流延させる工程、及び
(ハ)上記双方の面ベルト間に流延され挟持されて移動する混合物を、上記加熱手段によって加熱処理して重合反応を完結せしめ、必要ならばさらにキュアリングを行った後、面ベルトから分離する連続する工程からなる連続する工程によって得られるシート状成形物に、さらに
層の見かけ密度の全体の見かけ密度に対する差が5%以内である均質なポリウレタン・ポリウレア研磨シート材。
以上が課題を解決するための手段の要約である。
〔発明の効果〕
それは大きくは化学的耐久性等は従来公知技術でもほぼ合格点であったが、物理的な均一性即ちどの生産部位においても、見かけ密度の均一性と該シート材の表面微細空洞の全面積的な均一分布の技術的達成である。
これらの物理的均一性は光学顕微鏡による単純な観察で充分確認できる。即ち該シート材の幅方向、長さ方向及び厚み方向(所謂XYZ軸方向)の断面構造及び表面構造の均一性は一目瞭然である。
見かけ蜜度のバラツきは中心値±5%は充分保証できる。このために超精密鏡面研磨業界が長年望んでいた製品が工業的に供給することが可能になった。
〔発明を実施するための最良の形態〕
先ず本発明の主要構成体であるポリウレタン・ポリウレア系樹脂を説明する。
ポリウレタン・ポリウレア系樹脂とは、有機ジイソシアネート又は有機ポリイソシアネートと後述するポリオール及び比較的で低分子量例えば分子量1000以下の化合物からなる樹脂を言う。ここで低分子量化合物の中にはアミノ基を含む化合物や水分も少量でも含有する原料種類から構成するものであり、これらをポリウレタン・ポリウレア系樹脂と称し実質的にポリウレタン・ポリウレア樹脂と同一である。ここに極少量の水分でも、厳密に原料を気密化に貯蔵しても又配合、混合作業中空気中からも水分が導入され物性的に優れたポリウレア結合が導入されて、又特に意識して水分を配合し、微細空洞を樹脂中に分散させる技術もポリウレタン・ポリウレア研磨シート材には多用されるものであり、これらの樹脂系を本発明では対象とする物である。
本発明の主要構成体であるポリウレタン・ポリウレア系樹脂の原料には公知の物が全て使用可能である。この原料は大きく分けて2成分系に調整される。
後述するが本発明の如く非常に精密な品質管理の上製造する場合には、更にその1成分を2分割して化学的力価の貯蔵安定化をしておくのが望ましい。この場合は全原料系は3成分系として混合ノズルに定量供給されるものである。
先ずA成分として当業者は所謂ポリオール成分と称するが、数平均分子量5000以下の両末端に−OH基を有するポリエステル系又はポリエーテル系のものが使用される。しかしこのもの単独使用の場合、大幅な粘度差例えば粘土差が3桁もあれば更に後述するB成分との混和性が劣る事が多い。
そのため有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネートを反応せしめた結果、両末端に−OH基を有するプレポリマーをA成分の一部として混合して、該粘土差を2桁前後以下にすることも有用である。
更に硬質化及びB成分との速硬化性の達成のため、分子量300以下の−NCO基と反応しえる活性水素を2つ以上有する低分子化合物を副成分としてA成分と合体することは必須条件である。
その場合は経験的に当業者はA成分を2分割して化学的力価を失しないようにうに配合成分を安定化する。例えば重合硬化触媒の内よく使用するジブチルスズジラウレートの様な有機錫化合物は、微量であってもジアミン系低分子化合物や酸化セリウムのような研磨促進材と共存していると化学的力価を阻害する物である。これらの配合組み合わせ方は色々経験的に実施して、安定か不安定かは当業者は容易に判断可能である。例えばA成分中に所要の重合硬化触媒と研磨促進材を配合しておき、60°Cで24時間水分フリーで保管しておき、所定のNCO/OH比率で混合、重合硬化せしめた場合、重合硬化が進まない場合はその配合組み合わせは不適と判断し得る。かような単純選別試験で合格したものは、20〜30°Cの通常保管条件では10日間程度、即ち本技術分野の原料の貯蔵期間としては充分である。
以上の如く、等業者らはこれらの配合の組み合わせ方による化学的力価の安定性判断は試験的、経験的に充分可能である。
先ず数平均分子量5000以下のポリエステル系ポリオールとしては所定モル比過剰のグリコールとジカルボン酸から製造される。グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等又ジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、オルソフタル酸等その他があげられる。両者の所定モル比で加熱、減圧反応で副生する水分を除去する方法で製造される。
ポリエーテル系ポリオールとしてはポリエチレンオキシポリエーテル、ポリプロピレンオキシポリエーテル、ポリブチレンオキシポリエーテル等が代表的なものである。またトリメチロールプロパンやソルビトールのプロピレンオキシド変成した硬質用ポリオールも望ましい原料である。これらのポリエステル系、ポリリエーテル系ポリオールとしは単独あるいは2種以上の混合で使用される。
一般にこれらから選ばれたポリオールとしては、比較的低分子且つ低粘度の物が好適である。
次に両末端に−OH基を有するプレポリマーとしは、有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物、好ましくはモル比過剰の数平均分子量2000〜5000の前記ポリオールとを反応せしめたものである。ここに得た両末端に−OH基を有するプレポリマーをA成分の一部として混合して、後述のB成分との粘度差を2桁前後以下にすることが好ましい。
短時間で混合可能な粘度域としては、A成分、B成分ともに30°Cで50〜5000mPa・sの中でまず2桁の粘度差の中にあれば問題はない。
オルソトルエンジアミンを主成分とするその異性体混合物やまた反応性を化学分子的に抑制した物が各種の商品名で入手可能である。この反応性を化学分子的に抑制した化合物はアミノ基のアルファー位及びメタ位の炭素原子に水素原子より遙に嵩高い原子が置換された化合物を言う。例えばメチル基、エチル基、ニトロ基やハロゲン原子等がある。
ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材用の樹脂を得るためには、ここに述べた分子量300以下の低分子化合物の中でグリコール、トリオール系の多価アルコールとジアミン系との混合物の使用が望ましい。
その使用重量比率は各々の分子量により又所望樹脂の硬度如何で変化するが、ほぼ95〜70部対5〜30部の範囲内に入る。
又A成分の内、大部分を占めるのは(a)と(b)であるが、(a)100部に対して(b)はその分子量の大小にも起因するが,多くとも30部が好ましい。
又A成分の内(a)と(b)の合計100部に対して、後述のB成分の配合比率の最も好ましいのは100部であるか、種々の分子量的当量比率で大きく変化して60〜120部の範囲が好ましい。
ここに使用しえるイソシアネート基を含む成分は、硬質ポリウレタン樹脂を製造する場合に使用する化合物を適用する。ポリイソシアネートとしてはポリメチレンポリフェニールポリイソシアネート、変成ジフェニールメタンジイソシアネート、トエフェニールメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が好ましい。又有機ジイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート、ジフェニールメタン−2,4’−及び/又は−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネートを前記ポリイソシアネートの一部に配合添加しても勿論問題はない。
又モル比過剰のこれらの有機ジイソシアネートと前記A成分の項で述べたポリオールと反応せしめた平均分子量2000以下の両末端イソシアネート基を有するプレポリマーについて述べる。
ここにわざわさ平均分子量2000以下のプレポリマーを挙げたのは次の技術的要素からである。2〜3成分系にポリウレタン・ウレア系樹脂のレシピーを決定する場合、特に(e)成分の液状粘度が低いことが多い。その場合にA成分の粘度に両者比較的接近させるために平均分子量2000以下のイソシアネート成分を配合の1成分とする。このことで2〜3成分系の混合ノズル内で安定に各成分が比較的短時間に混合される。
ここに(e)成分と(f)成分の配合比率としては、A成分に比較的近似(前述の如く、粘度は技術的には指数的に動くものであるため1〜2桁の差でも近似と言う。)したものは、(f)成分でありこれを主体に−NCO基総化学当量の比率を技術的調整するために(e)成分を必要量、通常B成分100部のうち5〜40部程度配合することが有用である。
−NCO基と反応する活性水素基を有する前記のA成分の総化学当量とB成分の総化学当量の比率は理論的には100対100で良いが、本発明では前述の如く水分の微量混入、−NCO基の失活性不純物の微量混入や、又意図的に3次元化促進用に必要な−NCO基の過剰分等を考慮に入れて100対105〜1000対130の間に設定するのが望ましい。
主として300μm以下の粒子径を持つ微粉末に技術的に重要かつ興味ある各種の化学的メカニズムを付与出来る事を次に述べる。
本研磨シートの好適な適用現場は主として湿式研磨環境であり、一般にスラリ−と称する液状媒体を介して研磨シートと被研磨物が精密に平行面を保ちながらかなりの高速で連続自動接触走行をしているものである。
更に研磨効率を向上するために該液状媒体は化学的力価の非常に高い酸性、塩基性又は及び酸化性環境である。ここに用いる主として300μm以下の粒子径を有する微粉末は酸性、塩基性及び/又は酸化性環境で化学的反応で液状媒体中に溶解除去されるものを好んで適用出来る。しかも研磨シートの公知の表面加工工程であるバフィング工程では、その研磨シート表面に300μm以下の粒子径を持つ微粉末が種々の結合深度で露出しているものである。
而して表面の微粒子は容易に化学的反応で液状媒体中に強制的に溶解除去されて所望の300μm以下の空洞を研磨シートの表面に付与する事が出来る。
このような300μm以下の粒子径跡の該研磨シート表面に均一に分布していることは、研磨レート及び研磨ライフの向上に非常に有利である。従来は−NCO基と水分(原料として使用する場合は前述のように厳密な配合比管理が必要。)から発生する気体空洞やまた破壊されやすい空洞を含む微粒子の添加で、かような空洞をポリウレタン・ポリウレア樹脂系に発現させていた。しかしその分布は表面と樹脂内部で重合硬化発熱の蓄積度の差で非常にバラツクものである。また従来式の回分生産方式ではロット別バラツキは更に大きい。
本発明はその点、原料配合を一定にして適度の混合操作のみ一定にすれば、且つ連続生産方式の強みで品質は一定に収斂する。
ここに用いる主として300μm以下の粒子径を持つ微粉末は、本研磨シートを製造す条件に耐える必要がある。耐熱的には重合硬化温度やバフィング工程で形状を保つ必要があり、一般に高くとも200℃も有れば十分であが、それ以上でもさしえない。又前記A成分、B成分のどちらにも溶解しないことも必要である。
一例を挙げれば次のようである。
酸性可溶性の300μm以下の粒子径を持つ微粉末は比較的低分子量、例えば1000以下のキトサンおよびその誘導体、一級及び二級アミン末端を有する比較的低分子量、例えば2000以下のポリアミド及びその誘導体、アクリルアミドおよびその誘導体などがある。
又有機系として主として300μm以下の粒子径を持つ微粉末も配合される。これらの有機物質の微粉末は、有機物質粉末又は結晶の径が300μm以下20μm程度以上であればそのまま使用してもさしえないが、20μm以下を下回る場合には常法に従って造粒するかもしくは前記A、B成分に丕活性な無機又は有機物質を担体として、該担体の表面に被覆せしめることにより造粒成形して径が300μm程度までの所望の範囲とすることが好ましい。
また造粒にさいして担体を用いる場合には、担体の粒子及び担体と有機物質との量比は造粒によって得られる微粉末が、研磨湿式環境下で容易に溶解除去されるような範囲のものとすることが肝要である。
更に、微粉末粒子の粒子径がバラツイて生成された場合は、工業的常法によって篩分けし所望の粒子径のみ収集することは当然である。
又塩基性可溶性の300μm以下の粒子径を持つ微粉末としては比較的低分子量、例えば1000以下のカルボキシル基を有するポリエステルおよびその誘導体が好適である。
又塩基性可溶能力に優れたオルソ体、イソ体やパラ体のフタール酸の微粒子は単独又は混合の形で用いることは、特に好ましい。
又酸化性環境そのものでスラリー液状媒体中に溶性化する300μm以下の粒粒子径を有する微粉末は同時に水溶性化物質で在ることが多い。故に只単に水溶性の微粉末を用いて、あらゆる研磨湿式環境に適用しても何ら問題は無い。これに耐える研磨促進材として前述の高齢化度の分子量500以下のポバール粒子等、前述の無機系微粉末と混合使用することも可能である。
又発泡剤として各種の有機発泡剤も配合可能である。極端な場合、ある沸点を持つ液体、例えばジアゾ系の有機発泡性化合物、又ベンゼン、トルエンやメチーールエチールケトン等も単独又は他の研磨促進材と併用して用いることも可能でである。
又A成分の粘度が過度に高い場合、少量の不活性溶媒を配合する事も有用手段である。この場合化学的作用として前記有機発泡剤としての機能も合わせもつ。
A成分の中に上記の研磨促進剤、種々の重合硬化触媒及び前述の低分子化合物、中でもジアミン系化合物は相互に共存安定性の悪い場合が存在する。このような場合、Aの主成分を2分割して分別した各々に分けて合わせて原料を3成分系にし混合ノズルに定量供給する。
先ず、2又は3成分系とした原料配合物をそれぞれ所定の一定定量供給し、ここに言う混合ノズルで混合する。混合ノズルは公知の技術で当業界で使用されているものであり、なるべく混合時間の短く平均滞留時間の少ない、又混合攪拌熱発生の小さいノズルが好ましい。実質上数十秒以下で充分混合する瞬間混合ノズルは特に好ましい。
また、2又は3成分系として、比較的高サイクルプランシャーポンプやギヤーポンプの回転数を正確に制御して、前記−OH/−NCOの等量比が100対105〜100対130となるように供給するものである。
(ロ)以下工程である無限軌道状のベルトと加熱手段をそなえてなる加熱成形機構についてのべる。
無限軌道状のベルトの材質は金属,高張力耐久性を付与した高分子シート材料あるいはガラス繊維、ポリイミド系繊維等で補強複合された高分子シート材料なが挙げられる。金属ベルトとしてはスチール、ステンレススチールなど、又高分子シート材料としてはポリフッソ系樹脂、その補強複合材等が使用できる。
特にステンレススチール製のベルト材質は本発明に好ましい。これは高張力、高い耐圧力にも耐え且つ化学的耐久性も優れて好適である。
無限軌道状ベルトの幅は必要最小限に設計するのが好ましい。最大2m程度は機械的には問題なきも、製品の品質安定性を考慮すればそれ以下が適当である。長さは10m程度で連続Uターンする無限軌道が温度管理その他機械的維持管理がし易い。
本発明の加熱成形機構について述べる。一対の無限軌道状ステンレスベルトは相対する双方のベルト面が25mm以下の有効間隔保ちつつ、同一相対速度で移動するように構成されている。
相対する2枚の無限軌道状ステンレスベルトが同一相対速度で移動しているものにして、将来その間隔内で発泡性の重合硬化物の圧力に耐える設計が必要で、ステンレスベルトは高張力に耐え且つ所々複数の耐圧性補強ロール等の公知の機構で可能である。又蛇行防止機構も無限軌道状ステンレスベルトに採用されている公知の機構、ベルト移動面にたいして蛇行防止用の限度センサーによりターンロール軸を僅かに稼働し、蛇行を復元するものである。
又、25mm以下の有効間隔は製品仕様に応じて最低0.5mmまでの精密に所望の厚みに制御できることが必要である。相対する該ベルト面の一面が最大25mmの有効間隔まで、全長さ方向に耐圧機構を保持したまま稼働制御するものである。例えば製品仕様2.0mmのポリウレタン・ポリウレア研磨シート状成形物を希望する場合、ベルト面間の有効間隔を2.0mmにして、該研磨シート状物へ加熱、重合硬化せしめて、発泡性の重合硬化物の膨張圧力に耐えて所定の厚みにほぼ保持することを意味する。10mm以下の厚み製品に対しては、設定有効間隔通りのポリウレタン・ポリウレア研磨シート材成形物を得ることが出米て好ましい。
且つ相対する2枚の無限軌道ベルト部分は常温から130度C程度の必要所定温度調節機能の付与も重合硬化性物が実質的にシート状の形状を充分保持するまで硬化せしめる為の加熱帯である。前記の如くベルト面の長さが10mの場合は走行面の後半の70〜80%の部分を製品保持ベルト面の裏側から、輻射熱や遠赤外線加熱で所望の温度に加熱制御するもので、この点から熱伝導性の良いステンレスベルトは好都合である。
その理由は混合ノズルから液状成分が吐出される受け皿機能を果たす為である。勿論ある幅を有する無限軌道ベルト上に混合ノズルから液状成分吐出させる位置関係は、固定した一定の位置ではベルトの幅全体に液状成分が流延しにくく所定厚みの製品は得ることは困難である。当然公知の方法で混合ノズルにトラバース機構を付与することが時に望ましい。
ある一定の厚みを有する製品を得るためのトラバースサイクルは、ベルトの走行速度、発泡性重合硬化物成分の単位時間当たりの吐出量、及び液状流動性を充分保持している間の吐出軌跡が実質的に混合流延一体化するに必要なサイクルである。これは等業者では比較的簡単な経験的実施で最適条件を見いだすことは容易である。
又該ポリウレタン・ウレアシート状成形物成分の取り扱い雰囲気は温度、湿度にその力価は大いに影響を受ける。これを防止または軽減するために吐出ノズル部分とトラバース機構を有する相対する無限軌道ベルトの前部は純乾燥空気又は乾燥窒素ガスの雰囲気で満たすことは重要である。又必要時該設備を設置している空間全体を温調する事は好ましい。
製品内部の温度が通常加熱ゾーンの前半で60〜80°C前後、後半では100〜120°C前後になるように加熱制御すれば、約10分前後でキュアリングも可なり進んで完結に近い。
ベルト走行スピードを上げた場合はキュアリング不足も生じることがあり、別途後キュアリングすればよい。この工程は必ずしも連続である必要はなく、或る定尺にカットして加温室で例えば60〜80°C前後で1〜3日後キュアリングすれば充分である。
ここに於いて、ベルト面にポリレタン・ウレアシート状成形物が固着する可能性が大の時は、公知の離型剤処理を施すことが望ましい。例えばベルト表面にフッソ系樹脂の塗布或いは焼き付け加工を行う。又前記原料のA、B成分の一部にその化学的力価を失しないポリシリコン系の離型剤を少量配合しておくことは非常に望ましい。
ここに得られたポリレタン・ウレアシート状成形物は厚みや表面状態の均一性は勿論研磨シート材としての諸物性の均一性を満足しているものである。故にごの段階の製品でも勿論研磨シート材として直ぐにも使用可能である。
所望の厚みにスライス、バフィング等の厚み調整のための加工及び/又は表面仕上げ加工等の研磨パッド化に必要な工程である。これは顧客の要望に応じて順次半製品の状態から都度最終製品にする工程であり必ずしも連続生産の必要はない。
特に所望の厚みにスライス、バフィング等の厚み調整のための加工技術は単純ではあるが、研磨対象物と接するポリレタン・ウレアシート面の研磨能力を最大限に発揮するものである。その意味で表面仕上げ加工とも区別は仕切れないものである。
該ステンレスベルト面から分離したままのポリレタン・ウレアシート状成形物の表面は、極薄い数μm以下の該樹脂スキン層の存在がある。この薄いスキン層はその下の極近傍に存在する研磨促進剤の頭により、樹脂歪みが存在し物理的強度が小さく研磨作業時の摩擦力により序々に破壊されるものである。
故に、物理的研磨作業時には特別問題にならず、通常ドレッシング加工と言う研磨の第1回作業のブランク研磨の後、本研磨作業に入ることができるものである。
ここに該厚み調整のための加工と該表面仕上げ加工は、一回の工程で数十μmの厚みを研削し存在するする研磨促進剤を100%露出せしめ、研磨効率を有効に進めることが可能である。特にパッド化前の湿式化学的処理、すなわちここで言う酸性、アルカリ性及び/又は酸化性の環境下で液状媒体により、所定の研磨促進剤を効率よく除去するのには非常に有効である。
この連続生産により初めてその製品はバッチ毎、ロット毎にその品質が完全に一定に揃う。且つ最初から所望厚みに近い製品設計で有るためにその製品を仮に2枚スライス分割した各々のシート材料の全シート材料に対する見かけ密度の差は5%以内に安定している。
有機微粉末を添加したものも、全く同様の効果が発現する。2枚スライス分割したもの、及びその一面を酸性、アルカリ性及び/又は酸化性の環境下で所定の有機微粉末を除去したものも、共に各々のシート材料の全シート材料に対する見かけ密度は優に5%以内を合格している。
又、テレフタール酸をポリウレタン・ポリウレア系樹脂100部に対して20部添加したものも、バフィングによる表面仕上げ加工したものはpH10の水酸化ナトリューム溶液により60℃で5分間処理したものは、その表面は見事に平均230μmの粒径を持つテレフタール酸の痕跡空洞が30〜260μmの大きさで発現していた。
これらの事は当業界には驚くべき事であり、如何に重要工程の全連続化が必要であったかを本発明は証明したものである。
A成分として以下の混合成分を使用する。
但し混合物の長期保存安定性を考慮してA−1成分とA−2成分の2つに分割ておく。A−1成分としてトリメチロ−ルプロパンと過剰モル比のエチレンオキシドより重合されるOH価56のポリエーテルトリオール(分子量3000)150部、トルエンを工業的にジニトロ化し、次いで水素還元し精製した2,4−、2,6−混合トルエンジアミン9部、ジブチールチンジラウレート0.03部、トリエチレンジアミンを主体とするアミン系触媒(商品名TDEA−L33)を0.09部、更にポリプロピレングリコール変成シリシリコンを0.3を混合しておく。
3成分系瞬間混合ノズルの1ヘッドにこのA−1成分を1分間当たり159.4部を以下に述べる他の2成分の供給と同期的に連続して供給するものである。
次いでA−2成分としてアジピン酸と過剰モル比の1,2プロピレングリコール、1,4ブチレングリコールより重合されるOH価56のポリプロピレン,ブチレンアジペート(分子量2000)150部、1,4ブチレングリコール30部及び平均空洞径250μmを付与出来る微粉末を55部を混合しておく。
この成分も一分間当たり235部を3成分系瞬間混合ノズルの他のヘッドに連続供給する。
いづれも乾燥窒素気流雰囲気中で取り扱いの上、長期保管必要時の場合は密閉しておく事が必要である。
なをここに用いた平均粒子径250μmの微粉末は以下の如く製造した。
1,4ブチレングリコールと過剰モル比のフタール酸(イソフタール酸対テレフタール酸の比率3対7)を強減圧下で加熱反応せしめ、平均分子量700の両末端カルボキシル基を有するオリゴマーを作成する。次いで該オリゴマー1部と0.1%のラウリン酸ソーダを含む水10をオートクレーブ中でl20度Cで10分間高速攪拌し直ぐ冷却してここに出来た微粉末を分離乾燥する。更に粒子径約150〜400μmの微粒子をふるい分けしたものを、乾燥流動気流中に強制分散浮遊せしめ、その気流中に10%のポリビニールアルコール水溶液を少量づつ粉霧し微粒子表面を重量比で1%のポリビニールアルコール成分で均一に被覆する。更に230〜270μmの粒子径を有する微粒子を分別収集し充分に乾燥したものである。
次いでB成分として、−NCO基含有量26.3%の変成ジフェニールメタンジイソシアネートを1分間当たり167部を3成分系瞬間混合ノズルの残る他の一つのヘッドに連続してここに3成分すべて同期的に供給するものである。
3つの何れの成分も前記割合に正確に混合し、生産計画上所望の必要量を事前の準備しておくことは当然の事である。
次の工程(ロ)の同一有効間隔を保ちつつ相対する2枚の無限軌道ステンレススチールベルトの態様をのべる。
2枚のステンレススチールベルトは、それ厚さ1.0mm、幅800mm、軸間距離が上部6000mm、下部のそれは7000mmを有し直径200mmのターンローラーを介して、上下同調して駆動する機構を有する。且つ上下間の同一有効間隔の最大幅は25mmでかつステンレススチールベルトの蛇行防止機構、上下ベルト間のポリウレタン・ポリウレア研磨シート状成形物の耐圧ロールは上下相対して18対を有し、更に輻射熱による加熱成形機構を合わせ持つ。
更に下ベルトの前部ターンローラーは水冷機構を有し該3成分系瞬間混合ノズルから吐出樹脂原料を受ける部分は25℃の冷却温度に保ち得ることができる。
ここに設計、駆動している無限軌道ステンレススチールベルト機械は吐出樹脂原料を受ける部分を上にして後部のターンローラーに対して水平より15度の角度で降下する様に設置されおり、一分間に0.9mのスピードで連続走行している。上下のベルトの有効間隔は正確に1.0mmに調整されている。
25℃に温度調節された下部ステンレススチールベルト上に(前部のターンローラーから初まる最初の1000mmはその上部には上ベルトは無く、丁度前部ターンローラー中心軸の上方位置)前記の3成分を該量的比率を保ちながら自動的に瞬間混合ノズルから混合樹脂液が吐出される。3つの自動送液ヘッドが集まる瞬間混合ノズル部分は、ベルトの走行軸の中心軸を跨いで往復幅650mmの幅で1分間15サイクルで定速トラバース走行している。且つこの部分は乾燥空気の雰囲気を充当し湿度的外乱を防止している。
該ジグザグ吐出後最初の約3分半の時間で、加熱成形用に80°Cに加熱調整された上下部のステンレススチールベルト部で該ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材成形物の重合硬化反応は略完了に近く、見かけ上しっかりした成形物の様相を呈している。更にキュアリングを進めるため、該上下部のステンレススチールベルト設備の略後半3000mmは120°Cに加熱温度調整されている。
このようにして6時間の連続稼働生産した約320mのポリウレタン・ポリウレア研磨シート材の品質安定性の試験を以下のごとくした。
連続生産物の3ヶ所からサンプリングを行う。即ち最初の10m部分、更に真ん中の160m部分、及び最後部分の310m部分である。この3枚の650mm角をそれぞれ正確に即ち0.5mm厚みに2等分してその見かけ密度を測定した。なをこの3枚のシート全体の平均見かけ密度は0.97であった。
その結果は次表の如くである。
更に、2等分したその表面状態は全て均一性に富み、カルボキシル基を有する変成ポリエステル微粒子の250μm以下大小の円形外観の輪郭が、わずかでは有るが顕微鏡観察で色の違いとして均一に分散して内在されている事も観察されれた。
この様に、連続製造方法によるポリウレタン・ポリウレア研磨シート材の品質均一性は従来の回文式製造方法による品質バラツキ範囲の大きさを当然の如くとしていた当業者には驚くべき程優れていた。
本実施例は本発明の得られるべきポリウレタン・ポリウレア研磨シート材の見かけ密度の最高領域を示していることの1つとして例証した。
更に低い見かけ密度のそれは、空洞を有する微粒子を比較的多く配合したり、又発泡材を配合するす事で得られる。ポリウレタン発泡技術当業者には容易に出来る水配合も有力な技術手段であることを付記しておく。
る。
業界使用中のCMP研磨機を使用し、該パッドを定盤に設定しアルカリ性スラリーを採用していた当業技術を用いてシリコン酸化膜を研磨した。
結果は現在の当業技術で使用中のパッドによる研磨性能としての研磨レート、研磨品質としての平坦度は、共に120%の良好な結果であった。ここに充分研磨シートとしての性能を有している事を証明できた。
平均分子量700の両末端カルボキシル基を有するオリゴマーの代わりに、150〜250μmに分級した結晶体のテレフタル酸を80部使用した他は実施例1と全く同様に処理して厚さ1.0mmの連続したポリウレタン・ポリウレア研磨シート状成形物をを得た上で、該シート状成形物を650mm角に整形した。
その片面をバフ機で0.07mm研削してから60°CでpH10の水酸化ナトリューム溶液で洗浄処理を5分間して、結晶体のテレフタル酸の痕跡あととしてその表面に空洞跡を付与した。
このものは、シリコンウヘハーの研磨パッドとしてそのライフ、研磨レート共に等業者使用品に比べてそれぞれ50%、35%優れていて大変有用であった。
Claims (6)
- (イ)下記の(a)〜(d)
(a)平均分子量5000以下のポリオール
(b)有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する分子量300以下の化合物
(c)研磨促進材
(d)重合硬化触媒
を含んでなるA成分と、下記の(e)及び(f)
(e)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネート
(f)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる末端イソシアネート基を有する平均分子量2000以下のプレポリマー
から選ばれた1種以上を含んでなるB成分とを、A成分中の活性水素の総化学当量がB成分中のイソシアネート基の総化学当量と同じかそれ以下となるような割合で混合する工程、
(ロ)上記工程で得られた混合物を、相対する双方のベルト面が25mm以下の有効間隔を保ちつつ走行するように対向して配設された一対の無限軌道面ベルトと該面ベルトの走行路に沿って設けられた加熱手段とを具えてなる加熱成形機構の上記双方の面ベルト間に吐出し流延させる工程、及び
(ハ)上記双方の面ベルト間に流延され挟持されて移動する混合物を、上記加熱手段によって加熱処理して重合反応を完結せしめ、必要ならばさらにキュアリングを行った後、生成したシート状成形物を面ベルトから分離する工程
からなる連続する工程によって得られる見かけ密度が少なくとも0.25以上で且つ厚み方向に2層に分割した時の各層の見かけ密度の全体の見かけ密度に対する差が5%以内である均質なポリウレタン・ポリウレア研磨シート材。 - (イ)下記の(a)〜(d)
(a)平均分子量5000以下のポリオール
(b)有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する分子量300以下の化合物
(c)研磨促進材
(d)重合硬化触媒
を含んでなるA成分と、下記の(e)及び(f)
(e)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネート
(f)有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネート及び/又は有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる末端イソシアネート基を有する平均分子量2000以下のプレポリマー
から選ばれた1種以上を含んでなるB成分とを、A成分中の活性水素の総化学当量がB成分中のイソシアネート基の総化学当量と同じかそれ以下となるような割合で混合する工程、
(ロ)上記工程で得られた混合物を、相対する双方のベルト面が25mm以下の有効間隔を保ちつつ走行するように対向して配設された一対の無限軌道面ベルトと該面ベルトの走行路に沿って設けられた加熱手段とを具えてなる加熱成形機構の上記双方の面ベルト間に吐出し流延させる工程、及び
(ハ)上記双方の面ベルト間に流延され挟持されて移動する混合物を、上記加熱手段によって加熱処理して重合反応を完結せしめ、必要ならばさらにキュアリングを行った後、面ベルトから分離する連続する工程からなる連続する工程によって得られるシート状成形物に、さらに
(ニ)厚み調整のための加工及び/又は表面仕上げ加工の工程を施して得られる見かけ密度が少なくとも0.25以上で、且つ厚み方向に2層に分割した時の各層の見かけ密度の全体の見かけ密度に対する差が5%以内である均質なポリウレタン・ポリウレア研磨シート材。 - 工程(イ)のA成分とてして、更に有機ジイソシアネートと反応し得る活性水素を2つ以上有する化合物と有機ジイソシアネートを反応させて得られる末端ヒドロキシル基を有する平均分子量5000以下のプレポリマーを含むものを用いる請求項1又は2に記載の研磨シート材。
- 工程(イ)のA成分の研磨促進材として、酸性、アルカリ性及び/酸化性の環境下で液状媒体により溶解除去され得る物質からなる平均粒子径300μm以下の微粉末を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の研磨シート材。
- 工程(イ)のA成分の研磨促進材として、酸性、アルカリ性及び/酸化性の環境下で液状媒体により溶解除去され得る物質からなる平均粒子径300μm以下の微粉末を用い、工程(ニ)のシート状成形物の表面仕上げ加工物をパッド化前又はパッド化後に、その少なくとも1面を酸性、アルカリ性及び/酸化性の環境下に液状媒体で処理して研磨促進材を実質的に全て除去するすることによって行う請求項2〜4ののいずれかに記載の研磨シート材。
- 酸性、アルカリ性及び/又は酸化性の環境下で液状媒体により溶解除去され得る物質が、オルソ体、イソ体およびパラ体のフタール酸から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項4又は5に記載の研磨シート材。
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