JP2004168019A - 自動車用押出し成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】断面U字状の硬質合成樹脂の芯材を軟質合成樹脂等によって被覆した車体のドアー等の開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ等の保持片に使用されるものである。
【構成】成形品本体は断面U字状の硬質合成樹脂芯材に所望する形状の各種形状の切除部を連続又は不連続に打ち抜きし、外周に被覆層を被覆する。該被覆層は、外周を延長して内部に中空室を設けた屈曲帯片を形成し、所望する大きさの保持片を一体的に成形する。
また、硬質合成樹脂芯材は、第1金型ダイス内で断面U字状に押出し成形し、その後、打ち抜き機によって所望する形状の切除部を必要に応じて連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成した後、第2金型ダイスによって軟質合成樹脂又はゴムを外周に被覆層を設けると共に、その延設した内部に中空室を設けて屈曲帯片を延設し、外周に所望する単数又は複数の保持片を同時に成形するものである。
【構成】成形品本体は断面U字状の硬質合成樹脂芯材に所望する形状の各種形状の切除部を連続又は不連続に打ち抜きし、外周に被覆層を被覆する。該被覆層は、外周を延長して内部に中空室を設けた屈曲帯片を形成し、所望する大きさの保持片を一体的に成形する。
また、硬質合成樹脂芯材は、第1金型ダイス内で断面U字状に押出し成形し、その後、打ち抜き機によって所望する形状の切除部を必要に応じて連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成した後、第2金型ダイスによって軟質合成樹脂又はゴムを外周に被覆層を設けると共に、その延設した内部に中空室を設けて屈曲帯片を延設し、外周に所望する単数又は複数の保持片を同時に成形するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の車体のドアー、トランク、ウインド等の開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等の開口部の保持部に使用される自動車用押出し成形品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の自動車ボディの開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等は、芯体として金属製芯材が使用されている。そして、その製造方法としての該金属製芯材は、断面が平板の状態で各種形状の切除部が打ち抜きされ、該切除部付の平板芯材を押出し成形によって合成樹脂又はゴム等の材料で被覆層及び保持片を形成している。その後、断面U字状に折り曲げ加工されて製造化されるため大変に複雑で面倒な作業をしているものである。
しかし、近年の環境問題等の高まりから、金属製芯材を軽量化やリサイクル化するために硬質合成樹脂に取り替えることが検討されている現状である。
【0003】
しかし、硬質合成樹脂製芯材を金属製芯材と同様に平板から製造すると、断面U字状に折り曲げることが非常に困難であったため、予め、断面U字状の合成樹脂製芯材を押出し成形し、打ち抜き機によって多数の切除部を形成された切除部付の芯材を形成し、その後金型ダイスに浸入して金型ダイスの内部で、断面U字状の切除部付の芯材の外周囲に位置する被覆層と、断面U字状の芯材の内面に位置する相対する複数の突設した保持片を形成するものであるが、この相対する保持片と保持片との間が非常に隙間部が狭いために保持片自体を所望する確実な形状に押出し成形できないと云う問題点があった。
【0004】
【発明が解決しよとうする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するために発明したものであって、従来の切除部付の断面U字状の合成樹脂芯材の全外周に軟質合成樹脂による被覆層を形成するが、この際、該断面U字状の内面に先端が尖鋭となっている相対する保持片が隙間が小さいので所望の形状に成形するのが大変に困難である課題があった。
そこで、本発明は、合成樹脂芯材の断面U字状の外周に軟質合成樹脂又はゴムによる被覆層を被覆するのに、予め、図1に示すように、該合成樹脂芯材の外周以外を延長して内部に中空室を設けた屈曲帯片を形成すると共に、屈曲帯片の外周に尖鋭となる所望形状の相対する保持片を容易に押出し成形して所期の目的を達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の押出し成形品においては、断面U字状の長手方向の合成樹脂芯材に必要に応じた各種形状の多数の切除部を連続又は不連続の間隔部に打ち抜きする。該合成樹脂芯材の外周全体に軟質合成樹脂を外周に被覆するものであるが、該合成樹脂芯材の外周以外を延長して内部に中空室を設けて屈曲帯片を形成し、その屈曲帯片の外周に所望形状の保持片を容易に形成するものである。
また、該合成樹脂芯材に被覆層の屈曲帯片は、使用時には該合成樹脂芯材の内方に押込みするものである。
そして、前記成形品本体の製造方法としては、切除部付合成樹脂芯材は、硬質合成樹脂により第1押出し成形機を経て第1金型ダイス内の通過中に断面U字状に押出し成形され、その後打ち抜き機によって、各種形状に切除部を連続又は不連続の間隔部を形成し、その後、切除部付の合成樹脂芯材は、第2金型ダイス内において、第2押出し成形機による軟質合成樹脂又はゴムによって断面U字状の外周に被覆層と連接する屈曲帯片を形成し、該屈曲帯片の外周に所望数の保持片を成形する製造方法である。
また、該合成樹脂芯材と、被覆層の外周に数条の保持片を設けた成形品本体とを各々別個に構成する。この成形品本体の内部の中空部に該合成樹脂芯材を挿通組合せる成形品の製造方法である。
【0006】
【作用】
上記のように構成される自動車用押出し成形品の用法を説明すると、図1の成形品本体(1)を自動車の車体のドアー、トランク、ウインド等の開口部のトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等に用いる時には、該成形品本体(1)の合成樹脂芯材(2)の外周の被覆層(3)を延設された屈曲帯片(5)を該合成樹脂芯材(2)の内部に図2の如く押圧し、該屈曲帯片(5)を押し込み、該屈曲帯片(5)の外周に設けた保持片(6)(6)が相対して狭い隙間部(A)を構成する、該隙間部(A)にドアー、トランク等の開口部の端縁を挿着して取着するものである。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面について説明すると、図1に示すものは、成形品本体(1)の全体を示すもので、この成形品本体(1)は、押出し成形された断面を示すもので、自動車のドアー、トランク及びウインド等の開口部に図2の状態で装着して使用するものである。図3に示すものは、硬質合成樹脂からなる断面U字状の合成樹脂芯材(2)を示すもので、該合成樹脂芯材(2)には、図4、図5に示す如く必要に応じて各種形状の切除部として側部切除部(8)または上部切除部(7)等の各種打ち抜き形状が連続して同じ間隔部(13)(13)(13)又は不連続して違う間隔部(13)(13)(13)に打ち抜き形成してある。
該合成樹脂芯材(2)には、断面U字状の外周全体に軟質合成樹脂又はゴムによる被覆層(3)を外周全体に被覆してある。該被覆層(3)は、該合成樹脂芯材(2)の開口部の両先端部(4)(4)で該合成樹脂芯材(2)の内部に凹弧状に押し込むための外周を延長して内部に中空室(9)を形成する屈曲帯片(5)を連続して一体的に形成してある。該屈曲帯片(5)には外周に相対又は非相対する保持片(6)(6)の単数又は複数形成されている。
【0008】
次に、図2に示すものは、請求項2で述べている図1で形成された成形品本体(1)の該屈曲帯片(5)を自動車の車体に取り付ける時の該屈曲帯片(5)を該合成樹脂芯材(2)の内部に向かって押し込みされた状態を示したものである。この時の該保持片(6)(6)は、確実に成形されているから、保持片(6)(6)の役目を充分に達成する。
更に、接触空間(12)は、図1、図2では、空間として描いているが、接触状態で空間が無い場合もある。
【0009】
また、図6において、本発明の成形品本体(1)の他の実施例を示すもので、屈曲帯片(5)に対応する単数又は複数の保持片(6)(6)が形成され、更に、成形品本体(1)の外周側面に緩衝や密封等の役目をする中空部(14)を設けた膨出部(15)を長手方向に形成してある。
【0010】
次に、本発明の連続生産の製造工程の実施例を図8で説明すると、硬質合成樹脂を注入した第1押出し成形機(16)より第1金型ダイス(17)の内部を通過中に成形される断面U字状の合成樹脂芯材(2)は、冷却層(18)を通過した後に、打ち抜き機(19)によって必要に応じて側部切除部(8)又は上部切除部(7)等の各種形状の切除部が連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成され、その後、該切除部付の合成樹脂芯材(2)は第2金型ダイス(21)に進入し、第2押出し成形機(20)に注入された軟質合成樹脂又は、ゴムによって断面U字状の外周に被覆層(3)を形成すると同時に該被覆層(3)に連接して内部に中空室を設けた屈曲帯片(5)と、該屈曲帯片(5)の外周に所定の形状及び所要数の保持片(6)(6)を一体的に押出し成形した後に冷却層(22)を経て送り出されたものである。更にゴムの押出し成形の場合は第2金型ダイス(21)の後に加硫槽が付加される。
また前記製造工程は、合成樹脂芯材(2)と被覆層(3)、屈曲帯片(5)等を連続した製造工程であるが、硬質合成樹脂の合成樹脂芯材(2)と軟質合成樹脂又はゴムからなる被覆層(3)、屈曲帯片(5)とを各々別個に構成成形して、これの両者を挿通組み合わせる方法もある。
【0011】
図7は、従来技術のものを示すもので、断面U字状の合成樹脂芯材(2)に対して軟質合成樹脂又はゴムの被覆層(3)を以って該合成樹脂芯材(2)の内周面の屈曲帯片(5)と、その屈曲帯片(5)に突設する保持片(6)を同時に成形する場合には、相対する保持片(6)と保持片(6)との隙間が小さく成形できず、隙間部(A)が大きくなる欠点を示したものである。符号(10)(11)は、合成樹脂芯材(2)に設けた連接部である。
【0012】
次に、本発明が使用する材料を説明すると、断面U字状の合成樹脂芯材(2)を形成する硬質合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂等又はそれらの硬質合成樹脂にタルク、マイカ、ガラス繊維等の無機質の粉体を混合して硬質合成樹脂の剛性、耐熱性を高め、線膨張係数を小さくする場合がある。
更に、被覆層(3)を形成する軟質合成樹脂としては、硬度90以下(JISK7215A硬度)のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂又はそれらの熱可塑性エラストマー及び軟質塩化ビニール又はゴムを使用する。
また、屈曲帯片(5)、保持片(6)(6)を形成する軟質合成樹脂も被覆層(3)と同一材料を使用して一台の押出し成形機で製造する方法と、屈曲帯片(5)、保持片(6)の所望される機能、品質等により材料の硬度や種類を変える場合は、ニ台目、三台目の押出し成形機によって重合押出し成形することもある。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように構成されている本発明によれば、従来の金属製芯材を使用した押出し成形品と比較すると、合成樹脂芯材であるから著しく軽量化され、且つリサイクルに優れている効果と、硬質合成樹脂の芯材を平板より断面U字状に折り曲げる加工等の作業も不用になる効果がある。そして、本発明の押出し成形品によれば、断面U字状の切除部付の合成樹脂芯材は、必要に応じて断面U字状の板の厚みを部分的に変えられる効果と、更に、必要に応じて側部切除部又は上部切除部等の各種形状の切除部が連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成したので、従来の金属芯材に充分に対応できる強度と、自動車の車体に三次元的に取り付けることができる。
更に被覆されているだけなので、簡単に合成樹脂芯材と被覆層が分離でき、材質別のリサイクルも可能になる優れた効果がある。
また、成形品本体の外周に被覆した被覆層を延長して内部に中空室を設け、その屈曲帯片の外周に保持片を一体的に形成したので、該保持片の大きさ、形状を所望形状に確実に成形できる実利的な効果と、成形品の車体の開口部への装着保持が極めて確実強固に取り付けられる効果がある。
そして、成形品本体の製造方法としては、硬質合成樹脂芯材を第1金型ダイスで断面U字状に押出し成形した後に、打ち抜き機によって側部切除部又は上部切除部を連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成する便利な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断面U字状の合成樹脂芯材の外周に軟質合成樹脂の被覆層を形成した押出し成形品の断面図である。
【図2】同じく本発明の屈曲帯片を合成樹脂芯材の内面に向かって押し込んだ状態の斜面図である。
【図3】本発明の断面U字状の合成樹脂芯材の斜面図である。
【図4】本発明の合成樹脂芯材の側部切除部、上部切除部を連続的な間隔に切除した斜面図である。
【図5】本発明の側部切除部を不連続な間隔に切除した斜面図である。
【図6】本発明の他の実施例の成形品本体の一方側部に膨出部を一部成形した斜面図である。
【図7】従来の技術で断面U字状の芯材に被覆層を被着すると保持片の成形に隙間部が形成される状態の斜面図である。
【図8】本発明の押出し成形品の連続生産による製造工程を示す側面図である。
【符号の説明】
A 隙間部
1 成形品本体
2 合成樹脂芯材
3 被覆層
4 先端部
5 屈曲帯片
6 保持片
7 上部切除部
8 側部切除部
9 中空室
10、11 連接部
12 接触空間
13 間隔部
14 中空部
15 膨出部
16 第1押出し成形機
17 第1金型ダイス
18 冷却槽
19 打ち抜き機
20 第2押出し成形機
21 第2金型ダイス
22 冷却槽
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の車体のドアー、トランク、ウインド等の開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等の開口部の保持部に使用される自動車用押出し成形品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の自動車ボディの開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等は、芯体として金属製芯材が使用されている。そして、その製造方法としての該金属製芯材は、断面が平板の状態で各種形状の切除部が打ち抜きされ、該切除部付の平板芯材を押出し成形によって合成樹脂又はゴム等の材料で被覆層及び保持片を形成している。その後、断面U字状に折り曲げ加工されて製造化されるため大変に複雑で面倒な作業をしているものである。
しかし、近年の環境問題等の高まりから、金属製芯材を軽量化やリサイクル化するために硬質合成樹脂に取り替えることが検討されている現状である。
【0003】
しかし、硬質合成樹脂製芯材を金属製芯材と同様に平板から製造すると、断面U字状に折り曲げることが非常に困難であったため、予め、断面U字状の合成樹脂製芯材を押出し成形し、打ち抜き機によって多数の切除部を形成された切除部付の芯材を形成し、その後金型ダイスに浸入して金型ダイスの内部で、断面U字状の切除部付の芯材の外周囲に位置する被覆層と、断面U字状の芯材の内面に位置する相対する複数の突設した保持片を形成するものであるが、この相対する保持片と保持片との間が非常に隙間部が狭いために保持片自体を所望する確実な形状に押出し成形できないと云う問題点があった。
【0004】
【発明が解決しよとうする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するために発明したものであって、従来の切除部付の断面U字状の合成樹脂芯材の全外周に軟質合成樹脂による被覆層を形成するが、この際、該断面U字状の内面に先端が尖鋭となっている相対する保持片が隙間が小さいので所望の形状に成形するのが大変に困難である課題があった。
そこで、本発明は、合成樹脂芯材の断面U字状の外周に軟質合成樹脂又はゴムによる被覆層を被覆するのに、予め、図1に示すように、該合成樹脂芯材の外周以外を延長して内部に中空室を設けた屈曲帯片を形成すると共に、屈曲帯片の外周に尖鋭となる所望形状の相対する保持片を容易に押出し成形して所期の目的を達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の押出し成形品においては、断面U字状の長手方向の合成樹脂芯材に必要に応じた各種形状の多数の切除部を連続又は不連続の間隔部に打ち抜きする。該合成樹脂芯材の外周全体に軟質合成樹脂を外周に被覆するものであるが、該合成樹脂芯材の外周以外を延長して内部に中空室を設けて屈曲帯片を形成し、その屈曲帯片の外周に所望形状の保持片を容易に形成するものである。
また、該合成樹脂芯材に被覆層の屈曲帯片は、使用時には該合成樹脂芯材の内方に押込みするものである。
そして、前記成形品本体の製造方法としては、切除部付合成樹脂芯材は、硬質合成樹脂により第1押出し成形機を経て第1金型ダイス内の通過中に断面U字状に押出し成形され、その後打ち抜き機によって、各種形状に切除部を連続又は不連続の間隔部を形成し、その後、切除部付の合成樹脂芯材は、第2金型ダイス内において、第2押出し成形機による軟質合成樹脂又はゴムによって断面U字状の外周に被覆層と連接する屈曲帯片を形成し、該屈曲帯片の外周に所望数の保持片を成形する製造方法である。
また、該合成樹脂芯材と、被覆層の外周に数条の保持片を設けた成形品本体とを各々別個に構成する。この成形品本体の内部の中空部に該合成樹脂芯材を挿通組合せる成形品の製造方法である。
【0006】
【作用】
上記のように構成される自動車用押出し成形品の用法を説明すると、図1の成形品本体(1)を自動車の車体のドアー、トランク、ウインド等の開口部のトリム、ウエザーストリップ、ウインドモール等に用いる時には、該成形品本体(1)の合成樹脂芯材(2)の外周の被覆層(3)を延設された屈曲帯片(5)を該合成樹脂芯材(2)の内部に図2の如く押圧し、該屈曲帯片(5)を押し込み、該屈曲帯片(5)の外周に設けた保持片(6)(6)が相対して狭い隙間部(A)を構成する、該隙間部(A)にドアー、トランク等の開口部の端縁を挿着して取着するものである。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面について説明すると、図1に示すものは、成形品本体(1)の全体を示すもので、この成形品本体(1)は、押出し成形された断面を示すもので、自動車のドアー、トランク及びウインド等の開口部に図2の状態で装着して使用するものである。図3に示すものは、硬質合成樹脂からなる断面U字状の合成樹脂芯材(2)を示すもので、該合成樹脂芯材(2)には、図4、図5に示す如く必要に応じて各種形状の切除部として側部切除部(8)または上部切除部(7)等の各種打ち抜き形状が連続して同じ間隔部(13)(13)(13)又は不連続して違う間隔部(13)(13)(13)に打ち抜き形成してある。
該合成樹脂芯材(2)には、断面U字状の外周全体に軟質合成樹脂又はゴムによる被覆層(3)を外周全体に被覆してある。該被覆層(3)は、該合成樹脂芯材(2)の開口部の両先端部(4)(4)で該合成樹脂芯材(2)の内部に凹弧状に押し込むための外周を延長して内部に中空室(9)を形成する屈曲帯片(5)を連続して一体的に形成してある。該屈曲帯片(5)には外周に相対又は非相対する保持片(6)(6)の単数又は複数形成されている。
【0008】
次に、図2に示すものは、請求項2で述べている図1で形成された成形品本体(1)の該屈曲帯片(5)を自動車の車体に取り付ける時の該屈曲帯片(5)を該合成樹脂芯材(2)の内部に向かって押し込みされた状態を示したものである。この時の該保持片(6)(6)は、確実に成形されているから、保持片(6)(6)の役目を充分に達成する。
更に、接触空間(12)は、図1、図2では、空間として描いているが、接触状態で空間が無い場合もある。
【0009】
また、図6において、本発明の成形品本体(1)の他の実施例を示すもので、屈曲帯片(5)に対応する単数又は複数の保持片(6)(6)が形成され、更に、成形品本体(1)の外周側面に緩衝や密封等の役目をする中空部(14)を設けた膨出部(15)を長手方向に形成してある。
【0010】
次に、本発明の連続生産の製造工程の実施例を図8で説明すると、硬質合成樹脂を注入した第1押出し成形機(16)より第1金型ダイス(17)の内部を通過中に成形される断面U字状の合成樹脂芯材(2)は、冷却層(18)を通過した後に、打ち抜き機(19)によって必要に応じて側部切除部(8)又は上部切除部(7)等の各種形状の切除部が連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成され、その後、該切除部付の合成樹脂芯材(2)は第2金型ダイス(21)に進入し、第2押出し成形機(20)に注入された軟質合成樹脂又は、ゴムによって断面U字状の外周に被覆層(3)を形成すると同時に該被覆層(3)に連接して内部に中空室を設けた屈曲帯片(5)と、該屈曲帯片(5)の外周に所定の形状及び所要数の保持片(6)(6)を一体的に押出し成形した後に冷却層(22)を経て送り出されたものである。更にゴムの押出し成形の場合は第2金型ダイス(21)の後に加硫槽が付加される。
また前記製造工程は、合成樹脂芯材(2)と被覆層(3)、屈曲帯片(5)等を連続した製造工程であるが、硬質合成樹脂の合成樹脂芯材(2)と軟質合成樹脂又はゴムからなる被覆層(3)、屈曲帯片(5)とを各々別個に構成成形して、これの両者を挿通組み合わせる方法もある。
【0011】
図7は、従来技術のものを示すもので、断面U字状の合成樹脂芯材(2)に対して軟質合成樹脂又はゴムの被覆層(3)を以って該合成樹脂芯材(2)の内周面の屈曲帯片(5)と、その屈曲帯片(5)に突設する保持片(6)を同時に成形する場合には、相対する保持片(6)と保持片(6)との隙間が小さく成形できず、隙間部(A)が大きくなる欠点を示したものである。符号(10)(11)は、合成樹脂芯材(2)に設けた連接部である。
【0012】
次に、本発明が使用する材料を説明すると、断面U字状の合成樹脂芯材(2)を形成する硬質合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂等又はそれらの硬質合成樹脂にタルク、マイカ、ガラス繊維等の無機質の粉体を混合して硬質合成樹脂の剛性、耐熱性を高め、線膨張係数を小さくする場合がある。
更に、被覆層(3)を形成する軟質合成樹脂としては、硬度90以下(JISK7215A硬度)のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂又はそれらの熱可塑性エラストマー及び軟質塩化ビニール又はゴムを使用する。
また、屈曲帯片(5)、保持片(6)(6)を形成する軟質合成樹脂も被覆層(3)と同一材料を使用して一台の押出し成形機で製造する方法と、屈曲帯片(5)、保持片(6)の所望される機能、品質等により材料の硬度や種類を変える場合は、ニ台目、三台目の押出し成形機によって重合押出し成形することもある。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように構成されている本発明によれば、従来の金属製芯材を使用した押出し成形品と比較すると、合成樹脂芯材であるから著しく軽量化され、且つリサイクルに優れている効果と、硬質合成樹脂の芯材を平板より断面U字状に折り曲げる加工等の作業も不用になる効果がある。そして、本発明の押出し成形品によれば、断面U字状の切除部付の合成樹脂芯材は、必要に応じて断面U字状の板の厚みを部分的に変えられる効果と、更に、必要に応じて側部切除部又は上部切除部等の各種形状の切除部が連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成したので、従来の金属芯材に充分に対応できる強度と、自動車の車体に三次元的に取り付けることができる。
更に被覆されているだけなので、簡単に合成樹脂芯材と被覆層が分離でき、材質別のリサイクルも可能になる優れた効果がある。
また、成形品本体の外周に被覆した被覆層を延長して内部に中空室を設け、その屈曲帯片の外周に保持片を一体的に形成したので、該保持片の大きさ、形状を所望形状に確実に成形できる実利的な効果と、成形品の車体の開口部への装着保持が極めて確実強固に取り付けられる効果がある。
そして、成形品本体の製造方法としては、硬質合成樹脂芯材を第1金型ダイスで断面U字状に押出し成形した後に、打ち抜き機によって側部切除部又は上部切除部を連続又は不連続の間隔に打ち抜き形成する便利な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断面U字状の合成樹脂芯材の外周に軟質合成樹脂の被覆層を形成した押出し成形品の断面図である。
【図2】同じく本発明の屈曲帯片を合成樹脂芯材の内面に向かって押し込んだ状態の斜面図である。
【図3】本発明の断面U字状の合成樹脂芯材の斜面図である。
【図4】本発明の合成樹脂芯材の側部切除部、上部切除部を連続的な間隔に切除した斜面図である。
【図5】本発明の側部切除部を不連続な間隔に切除した斜面図である。
【図6】本発明の他の実施例の成形品本体の一方側部に膨出部を一部成形した斜面図である。
【図7】従来の技術で断面U字状の芯材に被覆層を被着すると保持片の成形に隙間部が形成される状態の斜面図である。
【図8】本発明の押出し成形品の連続生産による製造工程を示す側面図である。
【符号の説明】
A 隙間部
1 成形品本体
2 合成樹脂芯材
3 被覆層
4 先端部
5 屈曲帯片
6 保持片
7 上部切除部
8 側部切除部
9 中空室
10、11 連接部
12 接触空間
13 間隔部
14 中空部
15 膨出部
16 第1押出し成形機
17 第1金型ダイス
18 冷却槽
19 打ち抜き機
20 第2押出し成形機
21 第2金型ダイス
22 冷却槽
Claims (5)
- 自動車の車体のドアー、トランク及びウインド等の開口部に用いるトリム、ウエザーストリップ、ウインドモールディング等の自動車押出しの成形品本体(1)は、長手方向に断面U字状の合成樹脂芯材(2)を有し、該合成樹脂芯材(2)には必要に応じた各種形状の切除部が連続又は不連続の間隔部(13)(13)(13)に打ち抜き形成され、該切除部付の合成樹脂芯材(2)の断面U字状の外周全体に軟質合成樹脂又はゴムによる被覆層(3)を被覆するとともに被覆層(3)は、該合成樹脂芯材(2)の外周を延長して内部に中空室(9)を設けた屈曲帯片(5)を一体に形成し、該屈曲帯片(5)には外周に保持片(6)(6)を一体的に形成したことを特徴とする自動車用押出し成形品。
- 請求項1における中空室(9)を設けた屈曲帯片(5)を該合成樹脂芯材(2)の内面に向かって押し込みすることを特徴とする請求項1の自動車用押出し成形品。
- 該切除部付の合成樹脂芯材(2)は、硬質合成樹脂を注入した第1押出し成形機(16)より第1金型ダイス(17)内の通過中に断面U字状に押出し成形された後、冷却槽(18)を通過後に打ち抜き機(19)によって必要に応じた各種形状の該切除部が連続又は不連続の間隔部(13)(13)(13)に打ち抜き形成され、その後、該切除部付の合成樹脂芯材(2)は、第2金型ダイス(21)に進入し、第2押出し成形機(20)に注入された軟質合成樹脂又はゴムによって断面U字状の外周に被覆層(3)を成形されると共に、該被覆層(3)に連接した内部に中空室(9)を設けた屈曲帯片(5)を延設し、該屈曲帯片(5)の外周に各種の保持片(6)(6)を一体的に成形したことを特徴とする請求項1記載の自動車用押出し成形品の製造方法。
- 請求項1、3で成形された断面U字状の合成樹脂芯材(2)に各種形状の切除部を連続又は不連続の間隔部(13)(13)(13)を以って形成した該合成樹脂芯材(2)と、内部に中空室(9)を設けた被覆層(3)の外周に数条の保持片(6)(6)を一体に設けた成形品本体(1)とを各々別個に構成し、該成形品本体(1)の内部の中空室(9)に該合成樹脂芯材(2)を挿通組合せしたことを特徴とする請求項1、3の自動車用押出し成形品の製造方法。
- 請求項3、4で製造された自動車用押出し成形品本体(1)の該被覆層(3)に連続された外周に保持片(6)(6)を設けた屈曲帯片(5)を合成樹脂芯材(2)の内方に押し込み挿入することを特徴とした請求項3、4の自動車用押出し成形品の製造方法。
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2002
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