JP2004167698A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクカートリッジ内のインクにおける顔料粒子の沈降状態を好適に解消することができるインクジェット式記録装置、広くは、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体噴射装置は、液体を収容する液体容器2が設置されると共に、ノズル開口17と、ノズル開口と液体容器とを連通させる液体供給路と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有するヘッド部材4を備える。ヘッド部材4は、キャリッジ部材5に揺動可能に支持される。キャリッジ部材5は、走査機構7によって直線方向に移動される。ヘッド部材4の一部分4pを押圧することにより、当該一部分4pをキャリッジ部材5に対して変位させる変位力付与機構100が設けられている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体滴を吐出させるヘッド部材を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置は、ノズル開口を有する記録ヘッドと、ノズル開口部分のインクを吐出させる吐出駆動手段(例えば、圧電振動子や発熱素子)と、記録データに応じて吐出駆動手段を制御する吐出制御手段とを備えている。ノズル開口へのインクの供給は、インクカートリッジ(液体容器)と、インクカートリッジからノズル開口に至るインク連通路とによって行われる。インクカートリッジは、通常交換可能である。
【0003】
近年、耐光性に優れるインクとして、顔料インクが用いられている。顔料インクは、例えば、顔料と、分散剤と、溶剤と、添加剤とから構成され、特に対紫外線性に優れたインクである。しかしながら、顔料インクは、顔料粒子が分散剤によって溶媒中に分散している液体であるため、沈降現象が生じ易い。
【0004】
インクカートリッジ内での顔料粒子の沈降は、インクカートリッジ内でのインク濃度差の発生を意味するため、これが放置されると、所定のインク濃度での記録を行うことができない。
【0005】
このような問題を解決するために、特開昭57−12076号公報は、沈降現象が生じ難い顔料インクを開示している。このインクは、非水系液媒体中に顔料微粒子を分散して成り被記録材に記録をなすための記録液において、前記顔料の比重と前記液媒体の比重との差が0.3以下であることを特徴とするものである。同公報によれば、前記条件を満たす顔料インクにおいては、顔料粒子が凝集したり沈降したりすることがない。
【0006】
また、特開昭60−110458号公報は、インクジェット記録装置用インクタンクを開示している。このインクタンクには、インク攪拌用の回転子が内蔵されており、当該回転子を作動させることによってインクの攪拌が実現されて、インクの沈降が解消される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本件発明者の検討によれば、特開昭57−12076号公報に開示された条件のインクであっても、顔料粒子の種類(色種)、目詰まり特性、吐出特性、その他の信頼性等との関連から、常に十分な沈降対策を確保することは困難である。
【0008】
一方、回転子を内蔵させるインクタンクの場合、回転子自体及び回転子を回転させる機構が比較的大型であるため、小型化に不適であり、さらにコスト的にも問題がある。当該インクタンクの技術を使い捨てタイプの小型カートリッジに適用することは、実質的に不可能である。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、インクカートリッジ内のインクにおける顔料粒子の沈降状態を好適に解消することができるインクジェット式記録装置、広くは、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】
特開昭57−12076号公報
【特許文献2】
特開昭60−110458号公報
【特許文献3】
特開2001−353885号公報
【特許文献4】
特開2002−234196号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体を収容する液体容器が設置されると共に、ノズル開口と、ノズル開口と液体容器とを連通させる液体供給路と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有するヘッド部材と、ヘッド部材を揺動可能に支持するキャリッジ部材と、吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、ヘッド部材の一部分を押圧することにより、当該一部分をキャリッジ部材に対して変位させる変位力付与機構と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0012】
本発明によれば、変位力付与機構によってヘッド部材の一部分がキャリッジ部材に対して変位させられることにより、結果的にヘッド部材が揺動される。これにより、ヘッド部材に設置された液体容器が攪拌されて、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。従って、液体容器に回転子を内蔵させる等の必要が無いため、液体容器の小型化及び低コスト化を図ることが可能である。
【0013】
好ましくは、変位力付与機構は、ヘッド部材の前記一部分を押圧可能に配置されたカムを有している。
【0014】
この場合、当該カムの形状及び配置は、当該カムの回転の位相によって、当該カムとヘッド部材の前記一部分とが当接したり離れたりするようになっていることが好ましい。両者の当接によって、カムからの押圧力がヘッド部材の前記一部分に伝達され、結果的にヘッド部材が揺動され得る。一方、ヘッド部材を揺動させない通常の液体噴射動作中には、両者を離反させておくことができる。
【0015】
あるいは、カムは、ヘッド部材の前記一部分と当接可能な変位力付与位置と、ヘッド部材の前記一部分から(例えば下方に)離れた退避位置と、の間で移動可能となっていてもよい。
【0016】
また、カムの回転速度は可変であることが好ましい。カムの回転速度を下げることによって、比較的緩やかなヘッド部材の揺動(液体容器の攪拌)を実現することができる。一方、カムの回転速度を上げることによって、比較的激しいヘッド部材の揺動(液体容器の攪拌)を実現することができる。
【0017】
変位力付与機構により押圧されるヘッド部材の一部分は、例えば、ヘッド部材の底面から突出した突出部分である。あるいは、変位力付与機構により押圧されるヘッド部材の一部分は、ヘッド部材の底面から突出して設けられた回転ローラである。後者の場合、回転ローラとカムとの間の接触が低摩擦状態でなされるため、ヘッド部材がより円滑に移動され得る。
【0018】
また、ヘッド部材の揺動を抑制可能な係止部材が設けられることが好ましい。例えば通常の液体噴射動作中、係止部材によってヘッド部材の揺動が抑制されることにより、当該液体噴射動作中の不所望のヘッド部材の振動発生が防止され得る。
【0019】
また、本発明は、液体を収容する液体容器が設置される液体容器設置部材と、ノズル開口と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有すると共に、液体容器設置部材を揺動可能に支持するヘッド部材と、ヘッド部材のノズル開口と液体容器設置部材の液体容器とを連通させる液体供給路と、吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、液体容器設置部材の一部分を押圧することにより、当該一部分をヘッド部材に対して変位させる変位力付与機構と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0020】
本発明によれば、変位力付与機構によって液体容器設置部材の一部分がヘッド部材に対して変位させられることにより、結果的に液体容器設置部材が揺動される。これにより、液体容器設置部材に設置された液体容器が攪拌されて、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。従って、液体容器に回転子を内蔵させる等の必要が無いため、液体容器の小型化及び低コスト化を図ることが可能である。
【0021】
好ましくは、変位力付与機構は、液体容器設置部材の前記一部分を押圧可能に配置されたカムを有している。
【0022】
この場合、当該カムの形状及び配置は、当該カムの回転の位相によって、当該カムと液体容器設置部材の前記一部分とが当接したり離れたりするようになっていることが好ましい。両者の当接によって、カムからの押圧力が液体容器設置部材の前記一部分に伝達され、結果的に液体容器設置部材が揺動され得る。一方、液体容器設置部材を揺動させない通常の液体噴射動作中には、両者を離反させておくことができる。
【0023】
あるいは、カムは、液体容器設置部材の前記一部分と当接可能な変位力付与位置と、液体容器設置部材の前記一部分から(例えば下方に)離れた退避位置と、の間で移動可能となっていてもよい。
【0024】
また、カムの回転速度は可変であることが好ましい。カムの回転速度を下げることによって、比較的緩やかな液体容器設置部材の揺動(液体容器の攪拌)を実現することができる。一方、カムの回転速度を上げることによって、比較的激しい液体容器設置部材の揺動(液体容器の攪拌)を実現することができる。
【0025】
変位力付与機構により押圧される液体容器設置部材の一部分は、例えば、液体容器設置部材の底面から突出した突出部分である。あるいは、変位力付与機構により押圧される液体容器設置部材の一部分は、液体容器設置部材の底面から突出して設けられた回転ローラである。後者の場合、回転ローラとカムとの間の接触が低摩擦状態でなされるため、液体容器設置部材がより円滑に移動され得る。
【0026】
また、液体容器設置部材の揺動を抑制可能な係止部材が設けられることが好ましい。例えば通常の液体噴射動作中、係止部材によって液体容器設置部材の揺動が抑制されることにより、当該液体噴射動作中の不所望の液体容器設置部材の振動発生が防止され得る。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
図1に示すように、本発明の一実施の形態のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)は、インクジェット式プリンタ1であり、インクカートリッジ2(液体容器)を保持可能なカートリッジホルダ部4aを有する記録ヘッド4(ヘッド部材)が、キャリッジ5(キャリッジ部材)に支持されている。図4を用いて後述するように、記録ヘッド4はキャリッジ5に対して揺動可能である。キャリッジ5は、ヘッド走査機構によって、主走査方向に沿って往復移動されるようになっている。
【0029】
ヘッド走査機構は、ハウジングの左右方向に架設されたガイド部材6と、ハウジングの一方側に設けられたパルスモータ7と、パルスモータ7の回転軸に接続されて回転駆動される駆動プーリー8と、ハウジングの他方側に取付けられた遊転プーリー9と、駆動プーリー8及び遊転プーリー9の間に掛け渡されると共にキャリッジ5に結合されたタイミングベルト10と、パルスモータ7の回転を制御する制御部11(図6参照)と、から構成されている。これにより、パルスモータ7を作動させることによって、キャリッジ5、即ち、記録ヘッド4を、記録紙12の幅方向である主走査方向に往復移動させることができる。
【0030】
また、プリンタ1は、記録紙12等の記録用媒体(液体被噴射媒体)を紙送り方向(副走査方向)に送り出す紙送り機構を有する。この紙送り機構は、紙送りモータ13及び紙送りローラ14等から構成される。記録紙12等の記録媒体は、記録動作に連動して、順次送り出される。
【0031】
本実施の形態のプリンタ1は、記録ヘッド4の往動時に記録動作を実行する(単方向記録を行う)ようになっている。
【0032】
キャリッジ5の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域には、ホームポジションと、記録ヘッド4(キャリッジ5)の待機ポジションと、が設定されている。図2(a)に示すように、ホームポジションは、記録ヘッド4が移動し得るヘッド移動範囲の一側(図の右側)端部に設定されている。また、待機ポジションは、ホームポジションに対して記録領域側に略隣接して設定されている。
【0033】
本発明は、記録ヘッド4の往動時及び復動時の両方で記録動作を実行する(双方向記録を行う)ように構成されたプリンタにも適用可能である。このようなプリンタでは、図2(b)に示すように、ホームポジションと略隣接する第1の待機ポジションWP1に加えて、ホームポジションとは反対側の端部に第2の待機ポジションWP2が設けられ得る。
【0034】
ホームポジションは、電源オフ時や長時問に亘って記録が行われなかった場合に記録ヘッド4が移動して留まる場所である。記録ヘッド4がホームポジションに位置する時には、図3(d)に示すように、キャッピング機構のキャップ部材15がノズルプレート16(図6参照)に当接してノズル開口17(図6参照)を封止する。キャップ部材15は、ゴム等の弾性部材を上面が開放した略四角形トレー状に成型した部材であり、内部にはフェルト等の保湿材が取り付けられている。記録ヘッド4がキャップ部材15により封止されることで、キャップ内部が高湿度に保たれて、ノズル開口17からのインク溶媒の蒸発が緩和される。
【0035】
待機ポジションは、記録ヘッド4を走査する際の起点となる位置である。即ち、記録ヘッド4は、通常、この待機ポジションで待機し、記録動作時に待機ポジションから記録領域側へ走査され、記録動作が終了すると待機ポジションに戻る。
【0036】
双方向記録を行うプリンタの場合、図2(b)を参照して、記録ヘッド4は、第1の待機ポジションWP1で待機している状態から第2の待機ポジションWP2側へ走査されて往動時の記録動作を行う。この記録動作が終了すると、第2の待機ポジションWP2で待機する。次に、記録ヘッド4は、第2の待機ポジションWP2で待機している状態から第1の待機ポジションWP1側へ走査されて復動時の記録動作を行う。この記録動作が終了すると、第1の待機ポジションWP1で待機する。以後は、往動時の記録動作と復動時の記録動作とを交互に繰り返し実行する。
【0037】
待機ポジションには、フラッシング動作(メンテナンス動作の一種)によって記録ヘッド4が排出するインクを回収するためのインク受け部材が設けられる。本実施の形態では、上記のキャップ部材15が、インク受け部材を兼ねている。即ち、キャップ部材15は、図3(a)に示すように、通常は記録ヘッド4の待機ポジションの下方位置(ノズルプレート16の下方に少し離隔した位置)に配置されている。そして、記録ヘッド4のホームポジションヘの移動に伴って、図3(d)に示すように、斜上方側(ホームポジション側かつノズルプレート16側)に移動して、ノズル開口17を封止する。
【0038】
双方向記録を行うプリンタの場合には、図2(b)に示すように、第2の待機ポジションWP2にもインク受け部材18が配設される。このインク受け部材18は、例えば、記録ヘッド4との対向面が開放した箱状のフラッシングボックスによって構成され得る。
【0039】
さらに、本実施の形態では、待機ポジションと記録領域との間に、加速領域が設定されている。加速領域は、記録ヘッド4の走査速度を所定速度まで加速させるための領域である。
【0040】
さて、本実施の形態の記録ヘッド4は、図4に示すように、揺動可能にキャリッジ5に軸支されている。記録ヘッド4の揺動運動の軸心は、主走査方向に平行となっている。また、記録ヘッド4の底面からは、突起部4p(突出部分)が突出している。突起部4pは、図4に示すように、記録ヘッド4の揺動運動の軸心から離れた位置に設けられている。
【0041】
本実施の形態のキャリッジ5には、図4に示すように、記録ヘッド4の揺動を抑制するための係止機構110が設けられている。この場合、記録ヘッド4の上面に係合突起4eが設けられており、係止機構110は、係合突起4eと解除可能に係合する係止爪111(係止部材)を有している。もっとも、係止機構としては、公知の種々の態様が採用され得る。
【0042】
ホームポジション(図2参照)における記録ヘッド4の突起部4pの下方に対応する位置には、カム100が設けられている。カム100は、キャップ部材15と干渉しないように設けられている。
【0043】
カム100は、図5に示すように、その回転の位相に応じて突起部4pと当接したり離れたりするように配置されている。カム100と突起部4pとの当接によって、カム100からの押圧力が突起部4pに伝達されるようになっている。これにより、突起部4pがキャリッジ部材5に対して変位して、記録ヘッド4が揺動されるようになっている。また、カム100の回転速度は、可変となっている。
【0044】
本実施の形態では、係止機構110の制御とカム100の回転制御とが連動するようになっている。具体的には、記録ヘッド4を揺動すべくカム100が回転駆動される時には、係止爪111はヘッド部材4の揺動を抑制しない開放状態とされ、記録ヘッド4を揺動する必要が無い時には、係止爪111はヘッド部材4の揺動を抑制する係合状態とされるようになっている。
【0045】
次に、記録ヘッド4の内部機構について説明する。記録ヘッド4は、ブラックインクを吐出可能なブラックヘッドユニットと、シアンインクを吐出可能なシアンヘッドユニットと、マゼンタインクを吐出可能なマゼンタヘッドユニットと、イエローインクを吐出可能なイエローヘッドユニットと、ライトシアンインクを吐出可能なライトシアンヘッドユニットと、ライトマゼンタインクを吐出可能なライトマゼンタヘッドユニットと、を有する。また、各ヘッドユニットの底面には、副走査方向に沿って、複数のノズル開口17が形成されている。各ヘッドユニット毎のノズル開口17は、同数であって、互いに1対1に対応して主走査方向に整列している。
【0046】
次に、各ヘッドユニットについて、図6を用いて説明する。各ヘッドユニットは、共通の構造を有しており、図6に示すように、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動子21が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部21aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部21aは、それぞれ流路ユニット74の所定部位に当接固定されている。
【0047】
圧電振動子21は、圧電体21bを挟んで共通内部電極21cと個別内部電極21dとを交互に積層した板状の振動子板を、ドット形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極21cと個別内部電極21dとの間に電位差を与えることにより、各圧電振動子21は、積層方向と直交する振動子長手方向に伸縮する。
【0048】
流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート16と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
【0049】
流路形成板75は、ノズルプレート16に複数開設したノズル開口17とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室22と、各圧力発生室22の少なくとも一端に連通する複数の供給部82と、全供給部82が連通する細長い共通室83と、が形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通室83が形成され、共通室83の長手方向に沿って圧力発生室22がノズル開口17のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室22と共通室83との間に溝状の供給部82が形成され得る。なお、この場合、圧力発生室22の一端に供給部82が接続し、この供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口17が位置するように配置されている。また、共通室83は、インクカートリッジ2に貯留されたインクを圧力発生室22に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央に供給管84が連通している。
【0050】
弾性板77は、ノズルプレート16とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室22に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電振動子21を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
【0051】
上記の構成を有する各ヘッドユニットでは、圧電振動子21を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート16側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室22が収縮する。また、圧力発生室22の収縮状態から圧電振動子21を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室22が膨張する。圧力発生室22を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室22内のインクの圧力が高まって、ノズル開口17からインク滴が吐出される。
【0052】
すなわち、各ヘッドユニットにおいては、圧電振動子21に対する充放電に伴って、対応する圧力室22の容量が変化する。このような圧力室22の圧力変動を利用して、ノズル開口17からインク滴を吐出させたり、メニスカス(ノズル開口17で露出しているインクの自由表面)を微振動させたりすることができる。
【0053】
なお、上記の縦振動振動モードの圧電振動子21に代えて、いわゆるたわみ振動モードの圧電振動子を用いることも可能である。たわみ振動モードの圧電振動子は、充電による変形で圧力室を収縮させ、放電による変形で圧力室を膨張させる圧電振動子である。
【0054】
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図7に示すように、このインクジェット式プリンタ1は、プリンタコントローラ30とプリントエンジン31とを備えている。
【0055】
プリンタコントローラ30は、外部インターフェース(外部I/F)32と、各種データを一時的に記憶するRAM33と、制御プログラム等を記憶したROM34と、CPU等を含んで構成された制御部11と、クロック信号を発生する発振回路35と、記録ヘッド4の各ヘッドユニットへ供給するための駆動信号等を発生する駆動信号発生回路36と、駆動信号や、印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン31に送信する内部インターフェース(内部I/F)37と、を備えている。
【0056】
外部I/F32は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、ビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、外部I/F32を通じて、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0057】
RAM33は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)を有している。そして、受信バッファは、外部I/F32を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは、制御部11により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
【0058】
ROM34には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。さらにROM34は、メンテナンス情報保持手段として、メンテナンス動作用の設定データをも記憶している。
【0059】
制御部11は、ROM34に記憶された制御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部11は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM34に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部11は、必要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを出力バッファに記憶させる。
【0060】
記録ヘッド4の1回の主走査により記録可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファから内部I/F37を通じて順次記録ヘッド4の各インクヘッドユニットの電気駆動系39に出力され、キャリッジ5が走査されて1行分の印刷が行われる。出力バッファから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0061】
さらに、制御部11は、記録ヘッド4による記録動作とは別途に実施されるメンテナンス動作(回復動作)、及び、後述する攪拌動作をも制御するようになっている。
【0062】
プリントエンジン31は、紙送り機構としての紙送りモータ13と、ヘッド走査機構としてのパルスモータ7と、記録ヘッド4の電気駆動系39と、を含んで構成してある。
【0063】
次に、記録ヘッド4の電気駆動系39について説明する。電気駆動系39は、図7に示すように、順に電気的に接続されたシフトレジスタ回路40、ラッチ回路41、レベルシフタ回路42、スイッチ回路43及び圧電振動子21を備えている。これらのシフトレジスタ回路40、ラッチ回路41、レベルシフタ回路42、スイッチ回路43及び圧電振動子21は、それぞれ、記録ヘッド4の各ヘッドユニットの各ノズル開口17毎に設けられている。
【0064】
この電気駆動系39では、スイッチ回路43に加わる選択データが「1」の場合、スイッチ回路43は接続状態となって駆動信号が圧電振動子21に直接印加され、各圧電振動子21は駆動信号の信号波形に応じて変形する。一方、スイッチ回路43に加わる選択データが「0」の場合、スイッチ回路43は非接続状態となって圧電振動子21への駆動信号の供給が遮断される。
【0065】
このように、選択データに基づいて、各圧電振動子21に対して駆動信号を選択的に供給できる。このため、与えられる選択データ次第で、ノズル開口17からインク滴を吐出させたり、メニスカスを微振動させたりすることができる。
【0066】
次に、プリンタ1の動作について説明する。
電源が投入されると、まず必要な初期化動作が行われる。その後、記録ヘッド4は待機ポジションで待機する。1行分の印字データがRAM33の出力バッファから出力されると、記録ヘッド4は、記録動作に先だって、メンテナンス動作(回復動作)を実施する。
【0067】
このメンテナンス動作は、記録ヘッド4のインク滴の吐出能力を維持するために行われるもので、例えばフラッシング動作と微振動動作とがあり、適宜に選択されて実施される。
【0068】
記録ヘッド4の移動は、フラッシング動作が行われる場合には、当該フラッシング動作の後に直ちに開始され、微振動動作が行われる場合には、印字データの受信の終了後の適宜のタイミングで開始される。
【0069】
そして、メンテナンス動作がなされた後に、印字データに基づく記録動作が行われる。具体的には、記録ヘッド4の主走査方向の移動中に、ノズル開口17から適宜のタイミングでインク滴が吐出され得る。
【0070】
以上のメンテナンス動作及び記録動作の実行中、カム100は記録ヘッド4と接触しない状態のまま回転駆動されないで、係止爪111は記録ヘッド4のキャリッジ5に対する揺動を抑制すべく係合突起4pとの係合状態を維持する。
【0071】
さて、本実施の形態のプリンタ1は、メンテナンス動作及び記録動作に加えて、インクカートリッジ2の攪拌動作を行うことができる。例えば、当該攪拌動作は、インクカートリッジ2が記録ヘッド4に設置されてからの経過時間が所定時間を越えた時に実施され得る。攪拌動作の実施時には、記録紙12等の記録媒体は供給されず、記録ヘッド4はホームポジションに移動される。
【0072】
この場合、まず、係止爪111と係合突起4eとの係合状態が解除される。そして、カム100が回転駆動されて、カム100が記録ヘッド4の突起部4pと当接してこれを押し上げる。突起部4pは、カム100の形状及び回転の位相に応じて略鉛直方向に変位する。これに伴って、記録ヘッド4が略鉛直方向に揺動され、記録ヘッド4のカートリッジホルダ部4aに設置されたインクカートリッジ2が攪拌される。
【0073】
以上のように、本実施の形態によれば、カム100によって記録ヘッド4が略鉛直方向に変位させられることにより、記録ヘッド4が揺動される。これにより、記録ヘッド4に設置されたインクカートリッジ2が攪拌されて、当該インクカートリッジ2内のインクにおける含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。
【0074】
なお、インクカートリッジ2の攪拌動作中は、記録ヘッド4に対するキャップ部材15の封止動作は行われない方が好ましい。
【0075】
また、本実施の形態では、記録ヘッド4を揺動させないことが好ましいメンテナンス動作中及び記録動作中は、カム100が記録ヘッド4と接触しない状態に維持される。従って、カム100の存在が記録動作の障害となることがない。
【0076】
また、本実施の形態では、記録ヘッド4を揺動させないことが好ましいメンテナンス動作中及び記録動作中は、係止機構110によって記録ヘッド4の揺動が抑制されている。これにより、メンテナンス動作中及び記録動作中の不所望の記録ヘッド4の振動発生が防止され得る。
【0077】
なお、インクカートリッジ2の攪拌動作は、インクカートリッジ2が記録ヘッド4に設置されてからの経過時間の他、種々のパラメータに基づいて実施され得る。例えば、インクカートリッジ2の攪拌動作は、前回のインク滴吐出時点から現在時点までの経過時間に基づいて実施され得るし、前回のインクカートリッジ2の攪拌時点から現在時点までの経過時間に基づいて実施され得る。更に、インクカートリッジ2の攪拌動作は、インクカートリッジ2の製造時点から現在時点までの経過時間に基づいて実施され得る。この場合、インクカートリッジ2の製造時点についての情報は、例えばインクカートリッジ2に設けられ得る記憶部材から適宜の方法によって読み取られ得る。
【0078】
また、インクカートリッジ2の攪拌の程度は、カム100の形状に依存する他、カム100の回転速度にも依存する。従って、カム100の回転速度が可変であることによって、インクカートリッジ2の攪拌の程度が調整できる。
【0079】
なお、カムの形状については、製造の容易性のために、図5に示すような楕円状が好ましい。もっとも、図8に示すように、三角形状や星形形状等も採用され得る。
【0080】
また、本実施の形態では、カム100の回転軸の位置は固定されているが、カム100の回転軸は、カム100がヘッド部材4の突起部4pと当接可能な位置(変位力付与位置)と、カム100が回転の位相に関わらずヘッド部材4の突起部4pと当接不可能な位置(退避位置)と、の間で移動可能に配置されてもよい。
【0081】
次に、図9は、本発明の他の実施の形態の記録ヘッドを副走査方向から見た図である。図9に示す記録ヘッド4は、突起部4pの代わりに、回転ローラ120を有するローラ部4rが設けられている。この場合、ローラ部4rの回転ローラ120がカム100上を転がりながら、略鉛直方向に揺動される。その他の構成については、図1乃至図7を用いて説明した前記の実施の形態と略同様である。
【0082】
本実施の形態の場合、ローラ部4rがカム100に対して低摩擦状態で接触するため、記録ヘッド4はより円滑に揺動され得る。
【0083】
図10は、本発明の更に他の実施の形態の記録ヘッドを主走査方向から見た図である。本実施の形態では、インクカートリッジホルダ部がヘッド部材4から独立のインクカートリッジ保持部材3(液体容器設置部材)として形成され、キャリッジがキャリッジ部4cとしてヘッド部材4と一体になっている。そして、ヘッド部材4は揺動せず、インクカートリッジ保持部材3がヘッド部材4(及びキャリッジ部4c)に対して揺動可能となっている。
【0084】
すなわち、本実施の形態では、インクカートリッジ2(液体容器)を保持可能なインクカートリッジ保持部材3が、キャリッジ部4cを有する記録ヘッド4(ヘッド部材)に支持されている。図10に示すように、インクカートリッジ保持部材3はヘッド部材4に対して揺動可能である。ヘッド部材4は、ヘッド走査機構によって、主走査方向に沿って往復移動されるようになっている。
【0085】
この場合、ヘッド走査機構は、ハウジングの左右方向に架設されたガイド部材6(図1参照)と、ハウジングの一方側に設けられたパルスモータ7(図1参照)と、パルスモータ7の回転軸に接続されて回転駆動される駆動プーリー8(図1参照)と、ハウジングの他方側に取付けられた遊転プーリー9(図1参照)と、駆動プーリー8及び遊転プーリー9の間に掛け渡されると共にヘッド部材4のキャリッジ部4cに結合されたタイミングベルト10(図1参照)と、パルスモータ7の回転を制御する制御部11(図6参照)と、から構成されている。これにより、パルスモータ7を作動させることによって、キャリッジ部4c、即ち、記録ヘッド4を、記録紙12の幅方向である主走査方向に往復移動させることができる。
【0086】
本実施の形態のインクカートリッジ保持部材3は、図10に示すように、揺動可能にヘッド部材4に軸支されている。インクカートリッジ保持部材3の揺動運動の軸心は、主走査方向に平行となっている。また、インクカートリッジ保持部材3の底面からは、突起部3p(突出部分)が突出している。突起部3pは、図10に示すように、インクカートリッジ保持部材3の揺動運動の軸心から離れた位置に設けられている。
【0087】
本実施の形態のヘッド部材4のキャリッジ部4cには、図10に示すように、インクカートリッジ保持部材3の揺動を抑制するための係止機構110が設けられている。この場合、インクカートリッジ保持部材3の上面に係合突起3eが設けられており、係止機構110は、係合突起3eと解除可能に係合する係止爪111(係止部材)を有している。もっとも、係止機構としては、公知の種々の態様が採用され得る。
【0088】
そして、記録ヘッド4がホームポジション(図2参照)に位置している際のインクカートリッジ保持部材3の突起部3pの下方に対応する位置に、カム100が設けられている。
【0089】
カム100は、図11に示すように、その回転の位相に応じて突起部3pと当接したり離れたりするように配置されている。カム100と突起部3pとの当接によって、カム100からの押圧力が突起部3pに伝達されるようになっている。これにより、突起部3pがヘッド部材4に対して変位して、インクカートリッジ保持部材3が揺動されるようになっている。また、カム100の回転速度は、可変となっている。
【0090】
本実施の形態では、係止機構110の制御とカム100の回転制御とが連動するようになっている。具体的には、インクカートリッジ保持部材3を揺動すべくカム100が回転駆動される時には、係止爪111はインクカートリッジ保持部材3の揺動を抑制しない開放状態とされ、インクカートリッジ保持部材3を揺動する必要が無い時には、係止爪111はインクカートリッジ保持部材3の揺動を抑制する係合状態とされるようになっている。
【0091】
その他の構成については、図1乃至図7を用いて説明した前記の実施の形態と略同様である。
【0092】
本実施の形態において、メンテナンス動作及び記録動作の実行中、カム100はインクカートリッジ保持部材3と接触しない状態のまま回転駆動されないで、係止爪111はインクカートリッジ保持部材3の記録ヘッド4に対する揺動を抑制すべく係合突起3pとの係合状態を維持する。
【0093】
本実施の形態において、攪拌動作の実施のためには、まず、記録ヘッド4がホームポジションに移動され、係止爪111と係合突起3eとの係合状態が解除される。そして、カム100が回転駆動されて、カム100がインクカートリッジ保持部材3の突起部3pと当接してこれを押し上げる。突起部3pは、カム100の形状及び回転の位相に応じて略鉛直方向に変位する。これに伴って、インクカートリッジ保持部材3が略鉛直方向に揺動され、インクカートリッジ保持部材3に設置されたインクカートリッジ2が攪拌される。
【0094】
以上のように、本実施の形態によれば、カム100によってインクカートリッジ保持部材3が略鉛直方向に変位させられることにより、インクカートリッジ保持部材3が揺動される。これにより、インクカートリッジ保持部材3に設置されたインクカートリッジ2が攪拌されて、当該インクカートリッジ2内のインクにおける含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、記録ヘッド4が揺動されないので、インクカートリッジ2の攪拌動作中であっても、キャップ部材15による記録ヘッド4の封止動作を継続することが可能である。
【0096】
また、本実施の形態では、インクカートリッジ保持部材3を揺動させないことが好ましいメンテナンス動作中及び記録動作中は、カム100がインクカートリッジ保持部材3と接触しない状態に維持される。従って、カム100の存在が記録動作の障害となることがない。
【0097】
また、本実施の形態では、インクカートリッジ保持部材3を揺動させないことが好ましいメンテナンス動作中及び記録動作中は、係止機構110によってインクカートリッジ保持部材3の揺動が抑制されている。これにより、メンテナンス動作中及び記録動作中の不所望のインクカートリッジ保持部材3の振動発生が防止され得る。
【0098】
図12は、本発明の他の実施の形態のインクカートリッジ保持部材を副走査方向から見た図である。図12に示すインクカートリッジ保持部材3は、突起部3pの代わりに、回転ローラ120を有するローラ部3rが設けられている。この場合、ローラ部3rの回転ローラ120がカム100上を転がりながら、略鉛直方向に揺動される。その他の構成については、図10及び図11を用いて説明した前記の実施の形態と略同様である。
【0099】
本実施の形態の場合、ローラ部3rがカム100に対して低摩擦状態で接触するため、インクカートリッジ保持部材3はより円滑に揺動され得る。
【0100】
更に、上記の各実施の形態に関し、上述した本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。
【0101】
例えば、圧力室22の容積を変化させる圧力発生素子は、圧電振動子21に限定されるものではない。例えば、磁歪素子を圧力発生素子として用い、この磁歪素子によって圧力室22を膨張・収縮させて圧力変動を生じさせるようにしてもよいし、発熱素子を圧力発生素子として用い、この発熱素子からの熱で膨張・収縮する気泡によって圧力室22に圧力変動を生じさせるように構成してもよい。
【0102】
また、インクカートリッジ2は、一般に記録ヘッド4またはインクカートリッジ保持部材3に対して取り外し可能であるが、記録ヘッド4またはインクカートリッジ保持部材3に対して固定に設置されたインクタンクタイプのインク容器が用いられる場合にも、本発明は適用可能である。
【0103】
また、以上の説明はインクジェット記録装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア、導電性液体(液体金属)等が用いられ得る。更に、本発明は、液晶等の表示体におけるカラーフィルタの製造用装置にも適用され得る。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変位力付与機構によってヘッド部材の一部分がキャリッジ部材に対して変位させられることにより、結果的にヘッド部材が揺動される。これにより、ヘッド部材に設置された液体容器が攪拌されて、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。
【0105】
あるいは、本発明によれば、変位力付与機構によって液体容器設置部材の一部分がヘッド部材に対して変位させられることにより、結果的に液体容器設置部材が揺動される。これにより、液体容器設置部材に設置された液体容器が攪拌されて、液体容器内の液体における含有成分の沈降状態を好適に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの走査範囲を説明する模式図であり、(a)は単方向記録を行うプリンタの走査範囲を、(b)は双方向記録を行うプリンタの走査範囲をそれぞれ示す。
【図3】記録ヘッドの動作を説明する模式図であり、(a)は待機ポジションに位置している状態を、(b)は待機位置から記録領域側へ移動している状態を、(c)は記録領域側から待機ポジションに戻ってくる時の状態を、(d)はホームポジションに位置している状態を、それぞれ示す。
【図4】本実施の形態の記録ヘッド及びキャリッジを主走査方向から見た図である。
【図5】本実施の形態の記録ヘッド及びカムを副走査方向から見た図である。
【図6】本実施の形態の記録ヘッドのヘッドユニットの構成を説明する図である。
【図7】本実施の形態の記録ヘッドの電気的構成を示す概略ブロック図である。
【図8】カムの他の例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の記録ヘッドを副走査方向から見た図である。
【図10】本発明の更に他の実施の形態のインクカートリッジ保持部材及び記録ヘッドを主走査方向から見た図である。
【図11】本実施の形態のインクカートリッジ保持部材を副走査方向から見た図である。
【図12】本発明の他の実施の形態のインクカートリッジ保持部材を副走査方向から見た図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 インクカートリッジ
3 インクカートリッジ保持部材
3p 突起部
3r ローラ部
3e 係合突起
4 記録ヘッド
4p 突起部
4r ローラ部
4e 係合突起
5 キャリッジ
6 ガイド部材
7 パルスモータ
8 駆動プーリー
9 逆転プーリー
10 タイミングベルト
11 制御部
12 記録紙
13 紙送りモータ
14 紙送りローラ
16 ノズルプレート
17 ノズル開口
21 圧電振動子
21a 櫛歯状先端部
21b 圧電体
21c 共通内部電極
21d 個別内部電極
22 圧力発生室
30 プリンタコントローラ
31 プリントエンジン
32 外部インターフェース
33 RAM
34 ROM
35 発振回路
36 駆動信号発生回路
37 内部インターフェイス
39 記録ヘッドの電気駆動系
40 シフトレジスタ回路
41 ラッチ回路
42 レベルシフタ回路
43 スイッチ回路
71 ケース
72 収納室
74 流路ユニット
75 流路形成板
77 弾性板
80 ノズル開口
82 供給部
83 共通室
84 供給管
87 ステンレス板
88 弾性体膜
89 アイランド部
100 カム
110 係止機構
111 係止爪
120 回転ローラ

Claims (12)

  1. 液体を収容する液体容器が設置されると共に、ノズル開口と、ノズル開口と液体容器とを連通させる液体供給路と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有するヘッド部材と、
    ヘッド部材を揺動可能に支持するキャリッジ部材と、
    吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、
    ヘッド部材の一部分を押圧することにより、当該一部分をキャリッジ部材に対して変位させる変位力付与機構と、
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 変位力付与機構は、ヘッド部材の前記一部分を押圧可能に配置されたカムを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. カムの回転速度は、可変である
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 変位力付与機構により押圧されるヘッド部材の一部分は、ヘッド部材の底面から突出した突出部分である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 変位力付与機構により押圧されるヘッド部材の一部分は、ヘッド部材の底面から突出して設けられた回転ローラである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. ヘッド部材の揺動を抑制可能な係止部材が更に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体噴射装置。
  7. 液体を収容する液体容器が設置される液体容器設置部材と、
    ノズル開口と、ノズル開口部分の液体を噴射させる液体噴射手段と、を有すると共に、液体容器設置部材を揺動可能に支持するヘッド部材と、
    ヘッド部材のノズル開口と液体容器設置部材の液体容器とを連通させる液体供給路と、
    吐出データに基づいて液体噴射手段を駆動させる制御本体部と、
    液体容器設置部材の一部分を押圧することにより、当該一部分をヘッド部材に対して変位させる変位力付与機構と、
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 変位力付与機構は、液体容器設置部材の前記一部分を押圧可能に配置されたカムを有している
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
  9. カムの回転速度は、可変である
    ことを特徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。
  10. 変位力付与機構により押圧される液体容器設置部材の一部分は、液体容器設置部材の底面から突出した突出部分である
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の液体噴射装置。
  11. 変位力付与機構により押圧される液体容器設置部材の一部分は、液体容器設置部材の底面から突出して設けられた回転ローラである
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の液体噴射装置。
  12. 液体容器設置部材の揺動を抑制可能な係止部材が更に設けられている
    ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011110487A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置

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