JP2004167550A - 取鍋敷流し込み装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の簡易化を図り、かつ作業者が取鍋に入っての作業を全廃させることを課題とする。
【解決手段】取鍋1の上部に架設される架台2と、この架台2に支持される上部ホッパ3と、この上部ホッパ3の下部に首振り揺動自在に設けられた下部シュート4と、この下部シュート4を首振り揺動させる首振り揺動手段とを具有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】取鍋1の上部に架設される架台2と、この架台2に支持される上部ホッパ3と、この上部ホッパ3の下部に首振り揺動自在に設けられた下部シュート4と、この下部シュート4を首振り揺動させる首振り揺動手段とを具有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取鍋の底部の敷流し込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
取鍋は、鉄皮の内面に耐火煉瓦を内張りし、底部の耐火煉瓦上には不定形耐火物(敷)を施工して構成されている。
【0003】
上記の取鍋は、上部開口部から溶融金属を受け入れる際に、溶融金属が底部の敷に当たるので、その衝撃により敷が損傷し、適時に補正を行うことが必要となる。
【0004】
上記敷の補修施工を行なう手段として、天井クレーンにより敷用流し込み材のバケットを取鍋の補修箇所の真上へ移動させ、バケットの下端のバルブを開けて流し込み材を適量投入したのち作業者が棒状のバイブレータを操作して流し込み材を充填するようにしていた。
【0005】
しかし上記の天井クレーンを使用してバケットを取鍋内に吊り込む在来の手法では、補修施工を行っている間中、天井クレーンを占用することになり、同一ヤード内での天井クレーンを使用する他の作業に制約を与えることになり、他の作業の進行を妨げるという問題、および取鍋内に作業者が入ってバイブレータによる加振作業を行なうことが必要であり、そのため、作業者の取鍋への出入り自体容易でないうえ、安全基準によりバケットをクレーンで吊り下げ・吊り上げしている作動中の間は取鍋外に出ていなければならず、例えば施工量が8トン、ミキサー容量が1トンであると8回の出入りが必要となるなど、一層容易でないことになる。
【0006】
そこで天井クレーンやバケットを用いずに敷用流し込み材を所定の箇所へ投入するものとして取鍋用不定形耐火物供給機が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
このものは、取鍋の上縁間に支持台を架け渡し、この支持台の略中央位置にホッパを通じて不定形耐火物が上方から投入される縦案内管を一定高さ位置で回転駆動自在に設け、この縦案内管の下端に出口案内管の上端を外嵌させて軸により傾動自在に連結し、この出口案内管を伸縮作動装置(シリンダ)の伸縮により傾動させるようになされたものである。
【0008】
こうしたことにより、出口案内管を伸縮作動装置により任意の傾斜角に設定し、かつ縦案内管の回転により出口案内管の下端に所用半径の円運動を行なわせ、不定形耐火物を取鍋の底部の所定箇所に供給することができるとするものである。
【0009】
【特許文献1】
実用新案第3008471号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに上記特許文献1に記載のものは、取鍋上に架け渡す支持台、この支持台に回転駆動自在に設けられる縦案内管、この縦案内管に枢支される出口案内管、この出口案内管を傾動させる伸縮駆動装置などを構成部材とするので、その設備費が著しく高価となり、また出口案内管にバイブレータを付設する必要があるが、この出口案内管自体旋回動するため電源ケーブルの取り廻しが難しく、無制限に旋回させるにはスリップリングが必要となる。
【0011】
一方、流し込みが終了したあと、流し込み材が付着する部材を必ず水で洗浄することを要するが、前記のスリップリングは防水が難しく、故障の原因となりやすいなどの問題がある。
【0012】
本発明は、上記従来の技術が有する問題点を解消することを課題としてなされたもので、装置自体を廉価に得られ、また作業者が取鍋内に入ることなく流し込み作業を行なえるようにしたことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、取鍋の上部に架設される架台と、この架台に支持される上部ホッパと、この上部ホッパの下部に首振り揺動自在に設けられた下部シュートと、この下部シュートを首振り揺動させる首振り揺動手段とを具有することを特徴とする。
【0014】
こうしたことにより、首振り揺動手段を操作することで下部シュートを首振り揺動させることができ、取鍋の要補修箇所へ向けて的確に流し込み材を流し込むことができる。
【0015】
前記下部シュートに棒状のバイブレータを付設すれば、流し込み材の流し込み後直ちに突き均しができ、またバイブレータの作動は取鍋外で遠隔操作が可能であるから、作業者が取鍋内に入って突き均しを行なわずともよい。
【0016】
前記架台を複数本の脚杆で構成し、少なくとも2本の脚杆を折り畳み可能とすることにより、不使用時における格納スペースを少なくすることができ、下部シュートも複数に分割可能な構成とすることにより、流し込み装置全体をよりコンパクト化して運搬や格納に便ならしめることができる。さらに下部シュートを複数に分割可能な構成とすれば、使用後の洗浄がしやすく、内部に流し込み材が付着残存して固化してしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明による取鍋敷流し込み装置の一実施形態の使用状態を示すもので、取鍋1の上部開口縁に架け渡される架台2と、この架台2の中央位置に支持される上部ホッパ3と、この上部ホッパ3の下部に首振り揺動自在に設けられる下部シュート4とを有し、この下部シュート4の首振り揺動機構については前記架台2に首振り揺動自在に設けられたユニバーサルジョイント5が用いられており、前記下部シュート4の首振り揺動手段として下部シュート4の下方位置に結着されたワイヤ6,6を巻き取り巻き戻しする等角配置の4台の巻上げ機7,7…が用いられている。なおこの巻上げ機7の設置数は等角配置の3台としてもよい。
【0019】
上記ユニバーサルジョイント5としては汎用品を用いることができる。例えば図3に示すように、架台2側にボールジョイント5aを、下部シュート4側にこのボールジョイント5aの連結部5bに連結する連結具5cを設け、連結部5bに連結具5cを図示しないボルト等で固定または分離可能とした構造を採用することができる。
【0020】
図1の実施形態においては、前記下部シュート4の下端に棒状のバイブレータ8が付設されており、このバイブレータ8は下部シュート4に設けられたガイド9,9により支持されているバイブレータホース10を通じバイブレータ制御器11により運転が制御されるようになされている。符号12は上部ホッパ3内へ流し込み材を供給するミキサーである。
【0021】
前記架台2は、取鍋1の上端開口縁に架け渡される複数本の脚杆2A,2Bを有し、少なくとも左右の脚杆2B,2Bは折り畳み可能とされ、収納時に嵩張ることのない構造とされている。図示の実施形態では図2(A)に使用状態の、図2(B)に格納時の状態の各平面図を示すように、平面視十字状として使用するようにした場合を示しており、脚杆2A,2Aは1本の直状とされ、左右の脚杆2B,2Bは前記脚杆2A,2Aの基部13から一体的に延びる取付部14,14に軸15,15により水平面内で回転可能に枢支され、図2(A)の使用形態から同図(B)のようにコンパクトな形態に折り畳むことができるように形成されている。
【0022】
前記基部13に上部ホッパ3の下部の管状部3aが挿通支持されるようになっている。
【0023】
前記下部シュート4は、図1および図3にみられるように、前記上部ホッパ3の架台2より下部に突出する管状部3aに遊びを持って外嵌される上端部4aと、この上端部4aに接合される下端部4bとで構成されており、その接合部は上端部4aの下端のフランジ4cと、下端部4bの上端のフランジ4dとがピン16,16の挿入により接合され、このピン16,16の突出部にコッタ(図示せず)を打ち込むことにより強固に結合されるようになされている。
【0024】
この下部シュート4に関しては、図4、図5に示すように、上端部4a、中間部4e、下端部4bの3部材に分割可能に構成し、不使用時によりコンパクト化し得るようにしてもよい。この場合も、各部の接合部にフランジ4f,4g,4c,4dを設け、ピン16,16とコッタとで組み立て解体を容易に行なえるようにすることができ、このようにすれば特に使用後の洗浄を容易にかつ良好に行なううえで好ましい。
【0025】
図中符号17は取鍋1の底部の敷を示す。
【0026】
次に上記実施形態の作用を説明する。
【0027】
取鍋1の敷17を補修施工するに際しては、まず取鍋1の上部開口縁に各脚杆2A,2Bを十字状に拡大した架台2を設置し、その中心部に上部ホッパ3をセットするとともに、ワイヤ6,6…で吊持される下部シュート4の上端部4aを上部ホッパ3の下部の管状部3aに遊嵌させ、ユニバーサルジョイント5の連結部5bと下部シュート4の連結具5cとを結合する。
【0028】
次いで巻上げ機7,7…を操作して下部シュート4の下端の向きを補修すべき箇所へ向け、上部ホッパ3内にミキサー12から流し込み材を供給する。
【0029】
上部ホッパ3内に供給された流し込み材は、上部ホッパ3の下部の管状部3aの下端から下部シュート4の上端部4a内へ流入し、下部シュート4の下端から取鍋1の敷17の補修箇所へ流し込まれる。
【0030】
所定の箇所へ流し込んだのち棒状のバイブレータ8を制御器11により作動して流し込み材を突き、高密度に充填する。
【0031】
流し込み材の流し込み位置を変えるには、巻上げ機7,7…を操作することにより下部シュート4の向きを変えることができる。すなわち図1の場合、右側の巻上げ機7を巻き上げ方向に駆動してワイヤ6を巻きとると同時に左側の巻上げ機7を巻きほどけば、下部シュート4はユニバーサルジョイント5を回動支点として図1に鎖線で示すように右方へ揺動し、下部シュート4の下端の位置を右方へ変更することができる。
【0032】
また図示していない前後の巻上げ機を操作することにより下部シュート4の向きを紙面に対し前後方向へ変更することができ、これら巻上げ機7,7…を複合操作することにより下部シュート4の下端を任意所望の位置に向けることができる。
【0033】
流し込み材の流し込みが完了し、棒状のバイブレータ8による突き均しが終了したら、上部ホッパ3、架台2、バイブレータ8を含む下部シュート4を回収する。
【0034】
その回収後、架台2は図2(B)のように脚杆2B,2Bを折り畳むことによりコンパクトな形態として所定の場所へ格納し、また下部シュート4はユニバーサルジョイント5の連結部5bと連結具5eとを切り離したのち上端部4aと下端部4bとを結合しているコッタを抜き外して分離させ、洗浄しやすい状態として洗浄を行なう。洗浄後は分離した状態で上端部4aと下端部4bとを所定の場所へ収納しておくことができる。
【0035】
図4、図5のように下部シュート4を3分割する構成とすれば、洗浄が一層容易となるとともに流し込み材が残留することがない状態に洗浄することができ、収納時にも嵩張らない利点を得ることができる。
【0036】
図6は下部シュート4の首振り揺動機構の他の例を示すもので、上部ホッパ3の下端と下部シュート4の上端とを蛇腹管18で連結し、この蛇腹管18の部分で首振り揺動するようにしたものである。他の構成部分は図1と同様であるからこれと同一符号を付すに留める。
【0037】
図7は下部シュート4の首振り揺動機構のさらに他の例を示すもので、上部ホッパ3の下端近くの外周に円板状の支持部19が設けられ、下部シュート4の上端に前記支持部19を包含するよう球形状に形成された抱持部20が前記支持部19に外嵌されてこの抱持部20の内周面と支持部19の外周縁との摺動で下部シュート4がユニバーサルジョイント状に首を振れるようにしたものである。
【0038】
これらの構成を採用しても、前記実施形態と同様の作用を行なわせることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、上部ホッパの下部に位置する下部シュートをユニバーサルジョイントにより任意の向きに揺動自在に設け、この下部シュートを所望の方向へ向けて流し込み材を流入させるようにしたので、構造が簡単で製作費も廉価に得られ、故障の発生も減少させることができる。
【0040】
また請求項3記載の発明のように、前記下部シュートにバイブレータを付設すれば、流し込み材の流し込み後、直ちに突き均し作業に移行することができ、このバイブレータは取鍋外で遠隔操作が可能であるから、作業者が取鍋に入って突き均し作業を行なうことを皆無とすることができる。
【0041】
請求項5記載の発明によれば、下部シュート等を支持する架台を不使用時にコンパクトな形態に折り畳むことができるので、格納や運搬に便ならしめることができる。
【0042】
さらに請求項4記載のように下部シュートを複数の部片に分離可能な構成とすれば、使用後の内部洗浄がしやすく、流し込み材の付着固化による閉塞を未然に防止することができると同時に収納時に嵩張ることがなく、場所をとらずに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による取鍋敷流し込み装置の一実施形態の使用状態を示し、取鍋を断面とした正面図。
【図2】図1における架台を示し、(A)は使用状態時、(B)は不使用時の各平面図。
【図3】図1における下部シュート部分を分解して示す正面図。
【図4】同、下部シュートの他の実施形態を示す図1相当図。
【図5】図4における下部シュート部分を分解して示す正面図。
【図6】本発明における下部シュート首振り揺動手段の他の実施形態を示す図1相当図。
【図7】同、(A),(B)はさらに他の実施形態を示す要部の拡大断面図。
【符号の説明】
1 取鍋
2 架台
2A,2B 脚杆
3 上部ホッパ
4 下部シュート
5 ユニバーサルジョイント
6 ワイヤ
7 巻上げ機
8 バイブレータ
10 バイブレータホース
11 バイブレータ制御器
12 ミキサー
17 取鍋の敷
18 蛇腹管
19 支持部
20 抱持部
【発明の属する技術分野】
本発明は、取鍋の底部の敷流し込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
取鍋は、鉄皮の内面に耐火煉瓦を内張りし、底部の耐火煉瓦上には不定形耐火物(敷)を施工して構成されている。
【0003】
上記の取鍋は、上部開口部から溶融金属を受け入れる際に、溶融金属が底部の敷に当たるので、その衝撃により敷が損傷し、適時に補正を行うことが必要となる。
【0004】
上記敷の補修施工を行なう手段として、天井クレーンにより敷用流し込み材のバケットを取鍋の補修箇所の真上へ移動させ、バケットの下端のバルブを開けて流し込み材を適量投入したのち作業者が棒状のバイブレータを操作して流し込み材を充填するようにしていた。
【0005】
しかし上記の天井クレーンを使用してバケットを取鍋内に吊り込む在来の手法では、補修施工を行っている間中、天井クレーンを占用することになり、同一ヤード内での天井クレーンを使用する他の作業に制約を与えることになり、他の作業の進行を妨げるという問題、および取鍋内に作業者が入ってバイブレータによる加振作業を行なうことが必要であり、そのため、作業者の取鍋への出入り自体容易でないうえ、安全基準によりバケットをクレーンで吊り下げ・吊り上げしている作動中の間は取鍋外に出ていなければならず、例えば施工量が8トン、ミキサー容量が1トンであると8回の出入りが必要となるなど、一層容易でないことになる。
【0006】
そこで天井クレーンやバケットを用いずに敷用流し込み材を所定の箇所へ投入するものとして取鍋用不定形耐火物供給機が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
このものは、取鍋の上縁間に支持台を架け渡し、この支持台の略中央位置にホッパを通じて不定形耐火物が上方から投入される縦案内管を一定高さ位置で回転駆動自在に設け、この縦案内管の下端に出口案内管の上端を外嵌させて軸により傾動自在に連結し、この出口案内管を伸縮作動装置(シリンダ)の伸縮により傾動させるようになされたものである。
【0008】
こうしたことにより、出口案内管を伸縮作動装置により任意の傾斜角に設定し、かつ縦案内管の回転により出口案内管の下端に所用半径の円運動を行なわせ、不定形耐火物を取鍋の底部の所定箇所に供給することができるとするものである。
【0009】
【特許文献1】
実用新案第3008471号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに上記特許文献1に記載のものは、取鍋上に架け渡す支持台、この支持台に回転駆動自在に設けられる縦案内管、この縦案内管に枢支される出口案内管、この出口案内管を傾動させる伸縮駆動装置などを構成部材とするので、その設備費が著しく高価となり、また出口案内管にバイブレータを付設する必要があるが、この出口案内管自体旋回動するため電源ケーブルの取り廻しが難しく、無制限に旋回させるにはスリップリングが必要となる。
【0011】
一方、流し込みが終了したあと、流し込み材が付着する部材を必ず水で洗浄することを要するが、前記のスリップリングは防水が難しく、故障の原因となりやすいなどの問題がある。
【0012】
本発明は、上記従来の技術が有する問題点を解消することを課題としてなされたもので、装置自体を廉価に得られ、また作業者が取鍋内に入ることなく流し込み作業を行なえるようにしたことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、取鍋の上部に架設される架台と、この架台に支持される上部ホッパと、この上部ホッパの下部に首振り揺動自在に設けられた下部シュートと、この下部シュートを首振り揺動させる首振り揺動手段とを具有することを特徴とする。
【0014】
こうしたことにより、首振り揺動手段を操作することで下部シュートを首振り揺動させることができ、取鍋の要補修箇所へ向けて的確に流し込み材を流し込むことができる。
【0015】
前記下部シュートに棒状のバイブレータを付設すれば、流し込み材の流し込み後直ちに突き均しができ、またバイブレータの作動は取鍋外で遠隔操作が可能であるから、作業者が取鍋内に入って突き均しを行なわずともよい。
【0016】
前記架台を複数本の脚杆で構成し、少なくとも2本の脚杆を折り畳み可能とすることにより、不使用時における格納スペースを少なくすることができ、下部シュートも複数に分割可能な構成とすることにより、流し込み装置全体をよりコンパクト化して運搬や格納に便ならしめることができる。さらに下部シュートを複数に分割可能な構成とすれば、使用後の洗浄がしやすく、内部に流し込み材が付着残存して固化してしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明による取鍋敷流し込み装置の一実施形態の使用状態を示すもので、取鍋1の上部開口縁に架け渡される架台2と、この架台2の中央位置に支持される上部ホッパ3と、この上部ホッパ3の下部に首振り揺動自在に設けられる下部シュート4とを有し、この下部シュート4の首振り揺動機構については前記架台2に首振り揺動自在に設けられたユニバーサルジョイント5が用いられており、前記下部シュート4の首振り揺動手段として下部シュート4の下方位置に結着されたワイヤ6,6を巻き取り巻き戻しする等角配置の4台の巻上げ機7,7…が用いられている。なおこの巻上げ機7の設置数は等角配置の3台としてもよい。
【0019】
上記ユニバーサルジョイント5としては汎用品を用いることができる。例えば図3に示すように、架台2側にボールジョイント5aを、下部シュート4側にこのボールジョイント5aの連結部5bに連結する連結具5cを設け、連結部5bに連結具5cを図示しないボルト等で固定または分離可能とした構造を採用することができる。
【0020】
図1の実施形態においては、前記下部シュート4の下端に棒状のバイブレータ8が付設されており、このバイブレータ8は下部シュート4に設けられたガイド9,9により支持されているバイブレータホース10を通じバイブレータ制御器11により運転が制御されるようになされている。符号12は上部ホッパ3内へ流し込み材を供給するミキサーである。
【0021】
前記架台2は、取鍋1の上端開口縁に架け渡される複数本の脚杆2A,2Bを有し、少なくとも左右の脚杆2B,2Bは折り畳み可能とされ、収納時に嵩張ることのない構造とされている。図示の実施形態では図2(A)に使用状態の、図2(B)に格納時の状態の各平面図を示すように、平面視十字状として使用するようにした場合を示しており、脚杆2A,2Aは1本の直状とされ、左右の脚杆2B,2Bは前記脚杆2A,2Aの基部13から一体的に延びる取付部14,14に軸15,15により水平面内で回転可能に枢支され、図2(A)の使用形態から同図(B)のようにコンパクトな形態に折り畳むことができるように形成されている。
【0022】
前記基部13に上部ホッパ3の下部の管状部3aが挿通支持されるようになっている。
【0023】
前記下部シュート4は、図1および図3にみられるように、前記上部ホッパ3の架台2より下部に突出する管状部3aに遊びを持って外嵌される上端部4aと、この上端部4aに接合される下端部4bとで構成されており、その接合部は上端部4aの下端のフランジ4cと、下端部4bの上端のフランジ4dとがピン16,16の挿入により接合され、このピン16,16の突出部にコッタ(図示せず)を打ち込むことにより強固に結合されるようになされている。
【0024】
この下部シュート4に関しては、図4、図5に示すように、上端部4a、中間部4e、下端部4bの3部材に分割可能に構成し、不使用時によりコンパクト化し得るようにしてもよい。この場合も、各部の接合部にフランジ4f,4g,4c,4dを設け、ピン16,16とコッタとで組み立て解体を容易に行なえるようにすることができ、このようにすれば特に使用後の洗浄を容易にかつ良好に行なううえで好ましい。
【0025】
図中符号17は取鍋1の底部の敷を示す。
【0026】
次に上記実施形態の作用を説明する。
【0027】
取鍋1の敷17を補修施工するに際しては、まず取鍋1の上部開口縁に各脚杆2A,2Bを十字状に拡大した架台2を設置し、その中心部に上部ホッパ3をセットするとともに、ワイヤ6,6…で吊持される下部シュート4の上端部4aを上部ホッパ3の下部の管状部3aに遊嵌させ、ユニバーサルジョイント5の連結部5bと下部シュート4の連結具5cとを結合する。
【0028】
次いで巻上げ機7,7…を操作して下部シュート4の下端の向きを補修すべき箇所へ向け、上部ホッパ3内にミキサー12から流し込み材を供給する。
【0029】
上部ホッパ3内に供給された流し込み材は、上部ホッパ3の下部の管状部3aの下端から下部シュート4の上端部4a内へ流入し、下部シュート4の下端から取鍋1の敷17の補修箇所へ流し込まれる。
【0030】
所定の箇所へ流し込んだのち棒状のバイブレータ8を制御器11により作動して流し込み材を突き、高密度に充填する。
【0031】
流し込み材の流し込み位置を変えるには、巻上げ機7,7…を操作することにより下部シュート4の向きを変えることができる。すなわち図1の場合、右側の巻上げ機7を巻き上げ方向に駆動してワイヤ6を巻きとると同時に左側の巻上げ機7を巻きほどけば、下部シュート4はユニバーサルジョイント5を回動支点として図1に鎖線で示すように右方へ揺動し、下部シュート4の下端の位置を右方へ変更することができる。
【0032】
また図示していない前後の巻上げ機を操作することにより下部シュート4の向きを紙面に対し前後方向へ変更することができ、これら巻上げ機7,7…を複合操作することにより下部シュート4の下端を任意所望の位置に向けることができる。
【0033】
流し込み材の流し込みが完了し、棒状のバイブレータ8による突き均しが終了したら、上部ホッパ3、架台2、バイブレータ8を含む下部シュート4を回収する。
【0034】
その回収後、架台2は図2(B)のように脚杆2B,2Bを折り畳むことによりコンパクトな形態として所定の場所へ格納し、また下部シュート4はユニバーサルジョイント5の連結部5bと連結具5eとを切り離したのち上端部4aと下端部4bとを結合しているコッタを抜き外して分離させ、洗浄しやすい状態として洗浄を行なう。洗浄後は分離した状態で上端部4aと下端部4bとを所定の場所へ収納しておくことができる。
【0035】
図4、図5のように下部シュート4を3分割する構成とすれば、洗浄が一層容易となるとともに流し込み材が残留することがない状態に洗浄することができ、収納時にも嵩張らない利点を得ることができる。
【0036】
図6は下部シュート4の首振り揺動機構の他の例を示すもので、上部ホッパ3の下端と下部シュート4の上端とを蛇腹管18で連結し、この蛇腹管18の部分で首振り揺動するようにしたものである。他の構成部分は図1と同様であるからこれと同一符号を付すに留める。
【0037】
図7は下部シュート4の首振り揺動機構のさらに他の例を示すもので、上部ホッパ3の下端近くの外周に円板状の支持部19が設けられ、下部シュート4の上端に前記支持部19を包含するよう球形状に形成された抱持部20が前記支持部19に外嵌されてこの抱持部20の内周面と支持部19の外周縁との摺動で下部シュート4がユニバーサルジョイント状に首を振れるようにしたものである。
【0038】
これらの構成を採用しても、前記実施形態と同様の作用を行なわせることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、上部ホッパの下部に位置する下部シュートをユニバーサルジョイントにより任意の向きに揺動自在に設け、この下部シュートを所望の方向へ向けて流し込み材を流入させるようにしたので、構造が簡単で製作費も廉価に得られ、故障の発生も減少させることができる。
【0040】
また請求項3記載の発明のように、前記下部シュートにバイブレータを付設すれば、流し込み材の流し込み後、直ちに突き均し作業に移行することができ、このバイブレータは取鍋外で遠隔操作が可能であるから、作業者が取鍋に入って突き均し作業を行なうことを皆無とすることができる。
【0041】
請求項5記載の発明によれば、下部シュート等を支持する架台を不使用時にコンパクトな形態に折り畳むことができるので、格納や運搬に便ならしめることができる。
【0042】
さらに請求項4記載のように下部シュートを複数の部片に分離可能な構成とすれば、使用後の内部洗浄がしやすく、流し込み材の付着固化による閉塞を未然に防止することができると同時に収納時に嵩張ることがなく、場所をとらずに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による取鍋敷流し込み装置の一実施形態の使用状態を示し、取鍋を断面とした正面図。
【図2】図1における架台を示し、(A)は使用状態時、(B)は不使用時の各平面図。
【図3】図1における下部シュート部分を分解して示す正面図。
【図4】同、下部シュートの他の実施形態を示す図1相当図。
【図5】図4における下部シュート部分を分解して示す正面図。
【図6】本発明における下部シュート首振り揺動手段の他の実施形態を示す図1相当図。
【図7】同、(A),(B)はさらに他の実施形態を示す要部の拡大断面図。
【符号の説明】
1 取鍋
2 架台
2A,2B 脚杆
3 上部ホッパ
4 下部シュート
5 ユニバーサルジョイント
6 ワイヤ
7 巻上げ機
8 バイブレータ
10 バイブレータホース
11 バイブレータ制御器
12 ミキサー
17 取鍋の敷
18 蛇腹管
19 支持部
20 抱持部
Claims (5)
- 取鍋の上部に架設される架台と、この架台に支持される上部ホッパと、この上部ホッパの下部に首振り揺動自在に設けられた下部シュートと、この下部シュートを首振り揺動させる首振り揺動手段とを具有することを特徴とする取鍋敷流し込み装置。
- 前記首振り揺動手段が、前記下部シュートに結着されたワイヤと、このワイヤを巻き取り巻きほどきして下部シュートを首振り揺動させる巻上げ機とで構成されている請求項1記載の取鍋敷流し込み装置。
- 取鍋下部シュートにバイブレータが付設されている請求項1または2記載の取鍋敷流し込み装置。
- 前記下部シュートは前記上部ホッパ下部に分離可能に結合されている請求項1〜3のいずれか1項記載の取鍋敷流し込み装置。
- 前記架台は取鍋の上端に係止し得る複数本の脚杆を有し、少なくとも2本の脚杆は水平面内で折り畳み可能とされている請求項1〜4のいずれか1項記載の取鍋敷流し込み装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002336344A JP2004167550A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 取鍋敷流し込み装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002336344A JP2004167550A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 取鍋敷流し込み装置 |
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---|---|
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ID=32700212
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JP (1) | JP2004167550A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010094507A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-30 | Mg2 Srl | カプセル等の中に粉末状又は粒状物質を分け与えるための装置 |
KR20220099277A (ko) * | 2021-01-06 | 2022-07-13 | 두텍 주식회사 | 진자(회전)형 텔레스코픽 슈트수단을 위한 장력 교번기능이 있는 슈트 끝단부 장력장치 |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336344A patent/JP2004167550A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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KR102543662B1 (ko) | 2021-01-06 | 2023-06-16 | 두텍 주식회사 | 진자(회전)형 텔레스코픽 슈트수단을 위한 장력 교번기능이 있는 슈트 끝단부 장력장치 |
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