JP2004167516A - フランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法 - Google Patents

フランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】疲労亀裂の発生と進展を抑制するフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法を提供する。
【解決手段】フランジガセットを持つ桁構造の、フランジガセット端部の溶接部のフランジ側止端について、フランジガセットの板厚をtとしたとき、フランジガセット端部から上面と下面のそれぞれ少なくとも1t以上の範囲について、超音波衝撃処理を施して溝を形成し、止端形状を改善したことを特徴とするフランジガッセットを持つ桁構造の疲労補強工法。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材を溶接接合して形成されるクレーン走行桁において、疲労弱点部としてのフランジガッセットを持つ桁構造の耐久性を向上させる疲労補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属部材の耐久性は、しばしば疲労によって規定される。複数の金属材を溶接接合して構成される金属部材においては、溶接部が疲労弱点部となり、金属部材の耐久性を低下させる要因となっている。そのため、様々な溶接部の疲労向上処理策が取られている。特に、フランジガセットを持つ桁構造においては、フランジガセット端部の溶接部のフランジ側止端から疲労亀裂が発生しやすい。
【0003】
【特許文献1】
特開昭54−56953号公報
【特許文献2】
特開昭62−207579号公報
【特許文献3】
特開平10−279273号公報
【非特許文献1】
(Surface Nanocrystallization(SN C)of metallic Materials−Presentaion of the Concept behind a New Approach,J.Master.Sci.Technol.Vol.15 No.3,1999)
【0004】
金属部材の溶接部の疲労向上処理策には大きく分けて2種類あり、まず、疲労が問題となる部分の形状を変えて応力集中を少なくする、グラインディング、TIGドレッシングなどがある。また、疲労が問題となる部分に圧縮残留応力を与えて、実質的な繰り返し応力範囲を小さくする、ハンマーピーニング、ニードルピーニング、ショットピーニング、低温変態溶材などがある。このうち、ハンマーピーニングに関しては、応力集中を少なくする効果と圧縮応力を導入する効果の両方を持つとされている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
上記の疲労向上処理策のうち、応力集中を少なくする処理策の効果は目に見えて明らかであるが、実際には、疲労が問題となる箇所においてはわずかな傷などが疲労強度をむしろ悪化させる原因となることがあるために、グラインダー処理などに関しては処理に熟練が必要のみならず、作業に時間が必要であり、大きなコスト増加要因となる。
【0006】
また、TIGドレッシングに関しても、作業には熟練者が必要なのと、適用部位に熱を加えるために、金属部材の補修に使う場合などについては、応力変動に起因する溶接材料の高温割れを防ぐために作業中は走行桁等の使用を止める必要があるなど、やはり大きなコスト増加要因となる。
【0007】
一方、圧縮残留応力を導入する処理策であるが、圧縮残留応力は目に見えないために、処理後の影響が測定しにくく、検査によって効果を保証することが困難であるということが問題となり、品質管理上の観点から、判断・診断能力あるエンジニアが立ち会えないような状況では、通常は使われない。
【0008】
また、ハンマーピーニングでは、処理部に大きな塑性変形を与えることができるため、処理の痕跡を大きくし、実施後に処理を特定することはできるが、処理時にできる表面の傷がかえって応力集中をもたらし、疲労強度を低下させることがあるのと、その塑性変形を与えるときの大きな反動のために著しく作業性が悪いために、細かいコントロールが困難であり、品質管理が非常に難しい。
【0009】
また、上記のような圧縮残留応力を導入する疲労向上処理策を特に金属部材の補修に用いる場合、疲労亀裂の発生初期である寸法1mm以下の小さな時点では、浸透探傷試験、磁粉探傷試験、渦流探傷試験などの現在の検査法では検出は不可能であるが、このような亀裂を残している状態で、上記の疲労寿命向上処理策を適用しても、亀裂の進展を止めることができないために、圧縮残留応力導入による疲労寿命向上効果はほとんど無いと考えられる。
【0010】
また、溶接部に低温変態溶材を使用する場合についても、止端部に圧縮残留応力を導入する場合についても、高強度鋼では効果が大きいが、低強度鋼では効果がほとんど無くなってしまうという特性があるのと、やはり、溶接による熱が加えられることから、TIGドレッシング同様、施工上の問題があって使いにくい部分があり、また、他の処理法と同様に導入した圧縮残留応力の効果が判定しにくい。
【0011】
上記のように、応力集中を減らす疲労向上処理策には、主に施工上の効率、施工者の熟練の問題があり、一方、圧縮応力を導入する疲労向上処理策には、その効果を計測して、品質管理を行うことができないことが問題であり、そのために、このような疲労寿命向上処理策を一般的金属部材に使うことは困難であった。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、金属部材の溶接部、特に疲労亀裂の発生しやすいフランジガセットを持つ桁構造の疲労性能向上方法として、超音波で先端を振幅20μm〜60μm、周波数15kHz〜60kHzで振動させる工具を用いて、フランジガッセットの溶接部表面を打撃するピーニングを行う超音波衝撃処理を行い、溶接部の疲労強度を向上させ、耐久性の高いフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本第1発明は、前記課題を解決するために、フランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法において、フランジガセット端部の溶接部のフランジ側止端について、フランジガセットの板厚をtとしたとき、フランジガセット端部から上面と下面のそれぞれ少なくとも1t以上の範囲について、超音波衝撃処理を施して溝を形成し、止端形状を改善したことを特徴とする。
【0014】
本第2発明は、本第1発明のフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法において、前記超音波衝撃処理を行う前に、非破壊の亀裂探傷試験を行なって、予め亀裂がないことを確認し、亀裂を発見したらグラインダーで亀裂の明示が消えるまで研削を行ってから超音波衝撃処理を実施することを特徴とする。
【0015】
本第3発明は、本第1発明のフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法において、前記超音波衝撃処理を行う前に、フランジガセットのまわし溶接の脚長が5mm以上であることを確認し、それ以下の場合、溶接を増し盛りして脚長を5mm以上とした上で、その増し盛りしたビードの止端部および元ビードと増し盛ビード間を温度100℃以下で超音波衝撃処理したことを特徴とする。
【0016】
本第4発明は、本第1〜第3のいずれか1つの発明のフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法において、いったん超音波衝撃処理を行った後、定期的に超音波衝撃処理を行うことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施形態】
金属部材の疲労破壊の発生は、応力集中と残留応力に大きく影響される。荷重を受ける金属材においては応力集中部に転移がたまり、それがすべり線の蓄積となって亀裂に発展し、亀裂が発生後はそれが進展して行く。残留応力は、通常、溶接部などで引張残留応力として存在し、実効的な繰り返し応力範囲を拡大させて亀裂を発生しやすくするとともに、生成した亀裂の開口を促進すると考えられている。そのため、金属材料の疲労寿命を向上させるには、応力集中を緩和するとともに、残留応力をできるだけ圧縮状態に近づけることが必要となってくる。
【0018】
フランジとガセットの溶接部には、表面形状の急変部と引っ張り残留応力の両方が存在し、疲労強度的に最も弱点となる。この表面形状の急変部が切り欠きとして作用し、応力集中部となるために、この応力集中部に塑性変形を与え、なだらかな止端半径が大きな曲面によって形成された表面を形成することが、応力集中部を緩和することになる。また、このときフランジの板厚方向に塑性変形を与えれば、その塑性化したフランジが周囲の金属によって拘束されることによって圧縮力が導入される。
【0019】
このような、フランジとガセットとの溶接部に対する塑性加工を可能とする手段として、超音波で先端を振幅20μm〜60μm、周波数15kHz〜60kHzで振動させる工具を用いて、溶接部表面を打撃するピーニングを行う超音波衝撃処理という処理がある。この手法を用いることによって、溶接部表面に塑性加工を行い、深さ1.5mmほどにまで圧縮残留応力を導入することができる。
【0020】
この超音波衝撃処理という手法は、基本的にはハンマーピーニングと疲労強度向上に関する基本メカニズムは変わらないが、一回一回の打撃のエネルギーを小さい変わりに、1秒間に1万回以上の打撃を与えることによって、同じような塑性変形を実現している。しかも、一回一回の打撃力は小さいために、機器に生じる反動はほとんどまったく無く、ハンマーピーニングと比較して使用性、施工性の面で非常に有利である。
【0021】
また、この超音波衝撃処理という処理は、この金属表面に対し非常に多くの回数の打撃を与えているということで、金属材表面に対して従来のハンマーピーニングには無い効果をもたらしている。また、一回一回の打撃エネルギーがショットピーニングより大きいことで、従来のショットピーニングにも無い効果をもたらしている。
【0022】
まず、回数を多く表面を叩くことで、処理の均一性が得られる。ハンマーピーニングでも数パスを同一線上で実施すればある程度の均一性が得られることは知られているが、超音波衝撃処理の打撃サイクル数は15〜60kHzであり、その得られる均一性はハンマーピーニングと全く異なるレベルにあり、処理スピードが0.5m/分程度であれば、ほとんど溶接部表面を均一に仕上げ、欠陥を全く残すことがない。
【0023】
また、その処理後の表面は著しい平滑さを持つ。超音波衝撃処理による処理後の平滑さは、グラインダー仕上げ後の溶接部表面よりも著しく平滑である。
【0024】
また、処理後の溶接部表面の組織は超音波を利用して塑性加工を数多く繰り返すことによって、著しく組織が細かくなることがわかっている。(非特許文献1参照)
【0025】
実際、超音波衝撃処理を疲労向上の目的で金属材に使った結果、処理前後で金属材組織は大きく変化している。このような、金属材の組織を細かくする効果は、特に金属材の組織が粗大化する溶接近傍のHAZ部で顕著であり、通常は100μmまで粗大化するHAZの粒径が、超音波衝撃処理の処理後はほとんど粒径が観察できないほどの寸法に小さくなっており、独特な金属材組織が超音波衝撃処理によって達成されている。
【0026】
また、超音波衝撃処理によって金属材の表面での金属材の組織が細かくなるのに伴って、硬さが増す。超音波衝撃処理後の母材部、溶金部、HAZ部の硬さの分布は、特に溶接金属材としてよく用いられる高強度の鋼については、硬さが20%以上増している。ほか、材質と処理時間によっては、硬さは最大、処理前の約2倍まで増加することがあるが、ただし、これは固くてもろいマルテンサイとなったわけではなく、主に、細粒化による効果と、転移の蓄積による加工硬化であるため、溶接割れをもたらすような種類の硬さの増加ではない。
【0027】
金属材の疲労破壊は、亀裂の発生と進展から構成される。亀裂発生寿命と亀裂進展寿命の合計が疲労亀裂にいたる全寿命となる。そして、応力集中や、残留応力が厳しい箇所から亀裂が発生する場合が多く、発生した亀裂は、さらに進展を継続して最終的に部材の破断に至る。金属材の疲労破壊の寿命を向上させるためには、疲労亀裂の発生及び疲労亀裂の進展を抑制することが必要である。
【0028】
しかし、通常はいったん金属材に亀裂が発生すると、その亀裂先端での応力集中は極めて大きく、この進行を止めることは極めて困難であるとされている。例えば、先端にストップホールをあけ、その穴を高力ボルトで締め上げても、亀裂先端を残した場合はボルト内部に亀裂が進展して、切断してしまうことすらある。
【0029】
初期の疲労亀裂を観察すると、まわし溶接試験体の疲労試験中のひずみ計測により、発生を検知した時点の亀裂の状態である初期の疲労亀裂を観察すると、この時点でまわし溶接継ぎ手での普通の疲労寿命の約1割が経過しており、残りの9割の寿命は、この亀裂の進展寿命であり、この亀裂を取り除かない限りほとんど決まってしまう状態にある。
【0030】
しかしながら、この状態の亀裂は通常の浸透探傷試験や、磁粉探傷試験では検知することができない。もし、この状態で従来の疲労寿命向上手法であるハンマーピーニングやショットピーニングを行ったとすると、この亀裂を残したまま処理を行ってしまうため、見かけ上は処理面には塑性変形が生じているが、亀裂の進展は止められないために、改善効果は形状改良による応力集中の低減程度しかなく、寿命がほとんど伸びないという状況が考えられる。
【0031】
ところが、この状態でも超音波衝撃処理を行うと、深さ1.5mm程度まで塑性変形による圧縮応力を導入するために、亀裂を叩き潰し、亀裂先端を開口しないようにしてしまうことができる。もちろん、圧縮応力を導入できる深さは、ハンマーピーニングでも同程度以上の深さが可能であるが、ハンマーピーニングは処理効果にむらがあり、亀裂を叩けずに残す部分が多いと考えられ、その点、超音波衝撃処理は前述のように打撃回数が著しく多いために、均一に亀裂の開口を抑制することができる。
【0032】
よって、効果的に疲労寿命向上効果を得るには、溶接金属材については超音波衝撃処理を溶接部の止端部を中心に、溶接金属部、HAZ部に処理することが基本である。もっとも疲労的な弱点になる溶接金属とHAZの境界面を疲労に対して強化する、また、溶接金属部表面に生じる高温割れの悪影響も著しく緩和できる。ただし、低温の水素割れについてはほとんど効果を持たないと考えられるので注意が必要である。
【0033】
溶接部の処理にあたっては、1処理線での処理回数は1パスでも充分であるが、より均一性を高めたい場合や、よりコントロール性を向上させたり、過大な塑性変形を防止するために、処理1回あたりの入力パワーを押えたい場合は、2回以上の処理を同一線上に対して行うことにより、より確実な疲労寿命向上効果を得ることができる。
【0034】
本発明の一実施形態を図により説明する。図1は、金属部材の一例として、形鋼等の金属材を溶接接合して形成される天井クレーン走行桁1をあげ、その金属部材の疲労亀裂の発生する可能性のある溶接部を示すものである。
【0035】
図2は、前記天井クレーン走行桁1の疲労亀裂の発生する可能性の大きいH形金属材2のフランジ3とフランジガセット4との溶接部5示す。この溶接部5には、表面形状の急変部と引っ張り残留応力が存在し、この表面形状の急変部が切り欠きとして作用し、応力集中部となるため疲労亀裂6を発生させ、引っ張り残留応力は応力範囲を拡大して疲労亀裂を発生しやすくするとともに、生成した疲労亀裂の進展を促進すると考えられる。この対策として、本第1発明は、図3に示されるように、フランジガセット4の端部から上面と下面の溶接部5のそれぞれフランジガセット4の板厚t以上の範囲について、超音波衝撃処理をしてなだらかな曲面の溝を形成し、止端部形状を応力集中のしなものに改善する。板厚t以上の範囲とは応力集中する止端部の範囲はほぼ板厚程度であるから、止端部の形状改善の範囲として板厚t以上としいたものである。さらに、溶接部5の上面と下面のそれぞれに超音波衝撃処理を行うことにより、板厚方向に塑性変形を与え、その塑性化した金属材が周囲の金属材により拘束され圧縮残留応力が導入され、引っ張り残留応力を緩和し、疲労亀裂の発生と進展を抑制する。
【0036】
本第2発明の構成は、超音波衝撃処理により除去できる亀裂は非破壊の亀裂探傷試験で発見できない程度の亀裂であり、それ以上の大きさの亀裂は超音波衝撃処理では除去できないため、超音波衝撃処理の前にグラインダーで除去するということである。
【0037】
本第3発明の構成は、前記のように溶接部の止端部の形状改善し応力集中をなくす範囲は、少なくとも板厚以上であるから、5mm以下の脚長では、止端部の形状改善が十分でないので増し盛りして5mm以上として超音波衝撃処理をするということである。また、100℃以下で超音波衝撃処理するとは、溶接直後の熱い時点よりも、温度の下がったときの方が圧縮残留応力の導入には効率がよいからである。
【0038】
本第4発明の構成は、超音波衝撃処理を行った後も、定期的に超音波衝撃処理を行うことにより、発生した疲労亀裂が超音波衝撃処理により除去できる程度の小さな段階で除去して、耐久性を向上するということである。
【0039】
【発明の効果】
本発明の疲労補強工法における超音波衝撃処理は、1秒間に1万回以上の打撃を与え、一回一回の打撃力が小さいので、他のピーニングに比較し使用性、施工性が優れた衝撃処理が可能となり、効率的にフランジガセットの溶接部の板厚以上の範囲の止端部形状改善が可能となり応力集中を抑制し、優れたフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法となる。
【0040】
本発明の超音波衝撃処理は、回数を多く金属表面を打撃するので、処理の均一性が得られ、処理後の表面の平滑さを得られ、溶接部の止端部の形状改善性に優れ、さらに圧縮残留応力の導入も効率的に行えるフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法となる。
【0041】
本発明の超音波衝撃処理は、数多くの打撃による塑性加工を繰り返すことにより処理後の金属表面の組織を著しく細かくすることができ、疲労亀裂の発生を抑制でき、効果的なフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法となる。
【0042】
本発明の超音波衝撃処理は、一度処理を行った後、定期的に処理を行うことにより、疲労亀裂が大きくならない段階で除去できるので、効果的なフランジガセットを持つ桁構造の疲労補強工法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】疲労補強工法を適用する桁構造としての走行桁の一実施形態を示す斜視図。
【図2】フランジガセットとフランジの溶接部の斜視図。
【図3】(a)(b)溶接部の超音波衝撃処理範囲を示す斜視図。
【符号の説明】
1:天井クレーン走行桁
2:H形金属材
3:下フランジ
4:フランジガセット
5:溶接部
6:疲労亀裂

Claims (4)

  1. フランジガセットを持つ桁構造の、フランジガセット端部の溶接部のフランジ側止端について、フランジガセットの板厚をtとしたとき、フランジガセット端部から上面と下面のそれぞれ少なくとも1t以上の範囲について、超音波衝撃処理を施して溝を形成し、止端形状を改善したことを特徴とするフランジガッセットを持つ桁構造の疲労補強工法。
  2. 前記超音波衝撃処理を行う前に、非破壊の亀裂探傷試験を行なって、予め亀裂がないことを確認し、亀裂を発見したらグラインダーで亀裂の明示が消えるまで研削を行ってから超音波衝撃処理を実施することを特徴とする請求項1に記載のフランジガッセットを持つ桁構造の疲労補強工法。
  3. 前記超音波衝撃処理を行う前に、フランジガセットのまわし溶接の脚長が5mm以上であることを確認し、それ以下の場合、溶接を増し盛りして脚長を5mm以上とした上で、その増し盛りしたビードの止端部および元ビードと増し盛ビード間を温度100℃以下で超音波衝撃処理したことを特徴とする請求項1に記載のフランジガッセットを持つ桁構造の疲労補強工法。
  4. いったん超音波衝撃処理を行った後、定期的に超音波衝撃処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフランジガッセットを持つ桁構造の疲労補強工法。
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