JP2004166332A - ブラシレスアクチュエータ装置、及びそれを用いた電動ブレーキ、トランスミッション駆動装置 - Google Patents

ブラシレスアクチュエータ装置、及びそれを用いた電動ブレーキ、トランスミッション駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い減速比の変速機のブラシレスアクチュエータ装置において、高精度、小型軽量、高応答のブラシレスアクチュエータ装置、及び乗り心地のよい自動車を実現する自動車用ブラシレスアクチュエータ装置を提供するものである。
【解決手段】移動対象を駆動する駆動トルクを発生するブラシレスアクチュエータと、ブラシレスアクチュエータで発生した駆動トルクを変速して移動対象に伝達する変速機と、ブラシレスアクチュエータの駆動トルクを制御するところのインバータ駆動回路を含む制御装置とを有し、ブラシレスアクチュエータに給電される制御装置の出力電流が2以上の制御周波数を含むブラシレスアクチュエータ装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレスアクチュエータ装置に係わり、特に高い減速比の変速機が備わるブラシレスアクチュエータ装置において、高精度、小型軽量、高応答のブラシレスアクチュエータ装置、及び乗り心地のよい自動車を実現する自動車用のブラシレスアクチュエータ装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃費向上、排気ガス対策が必要とされている。これを実現するために自動車用油圧機構を電動化することが考えられ、推進中である。この対象としては、電動ブレーキ装置、自動マニュアルトランスミッション等がある。常時油圧を確保するために消費されるエネルギーを電動化することで動作時のみの電力消費で済まそうとするものである。
【0003】
この場合の従来油圧に対抗するだけの力をアクチュエータに要求するのは困難であり、高い減速比の変速機及び回転直動変換機が必要となる。
【0004】
一例に特開平6−33804号公報(特許文献1)に記載されているアクチュエータ構成を示す。
【特許文献1】
特開平6−33804号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記開示例では高減速比の変速機を持つものであり、制御は回転子の位置に同期した単一の周波数による制御であるために、次の欠点があった。
【0006】
第1に、高減速比の変速機は効率が非常に悪い。特に潤滑油等の影響により低温時の効率が低下する。
【0007】
第2に、負荷トルクが大きなヒステリシス特性を有する。
【0008】
このため、適切なブレーキ力の制御が困難である。
【0009】
第3に、磁極位置検出器を必要とする。
【0010】
上記のため、アクチュエータの体格を大きくする必要があり、また、電動ブレーキに用いた場合には電力消費の他に制御精度が悪くなる欠点がある。特に制御対象が有限範囲内で位置決めするアクチュエータ制御装置ではこの影響は非常に大きいという欠点があった。
【0011】
本発明は、以上示した従来例の欠点に対処し、特に、小型軽量、高精度、高応答のブラシレスアクチュエータ装置、及びそれを用いた自動車用アクチュエータ装置、電動ブレーキ装置等を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、移動対象を駆動する駆動トルクを発生するブラシレスアクチュエータと、ブラシレスアクチュエータで発生した駆動トルクを変速して移動対象に伝達する変速機と、ブラシレスアクチュエータの駆動トルクを制御するところのインバータ駆動回路を含む制御装置とを有し、ブラシレスアクチュエータに給電される制御装置の出力電流が2以上の制御周波数を含むことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記制御装置に含まれるPWM制御回路の搬送信号周波数と制御装置(インバータ駆動回路を含む)に付与されるインバータ制御信号の一つの制御周波数とが同期していることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数をブラシレスアクチュエータの静止時と運転時とで大きさを変えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は高速回転時には停止させたことを特徴とする。
【0016】
さらに本発明は、インバータ制御信号の一つの制御周波数は外気温度(雰囲気温度)に応じてその制御信号の大きさ(ベクトル量)が変えられることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は回転子の磁極位置検出に利用することを特徴とする。
【0018】
さらに本発明は、前記2以上の制御周波数は周波数の比が2倍以上であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照し、説明する。
【0020】
図1は本発明の実施例に係わるブラシレスアクチュエータ(回転機)の構造を示す。図2は、本発明の実施例に係わり、図1に示すブラシレスアクチュエータ装置を搭載した電動ブレーキ装置を示す。図3は、本発明の実施例に係わるブラシレスアクチュエータ装置を示す。
【0021】
ここではブラシレスアクチュエータ装置の対象として車載用の電動ブレーキ装置に用いた例を示す。
【0022】
まず、図1に沿ってブラシレスアクチュエータ(回転機/モータ)の構造を説明する。
【0023】
ブラシレスアクチュエータ1は、固定子2と、回転子3とを含み構成される。
【0024】
固定子として集中巻の巻線構造で鉄心歯部42が12個、回転子の極数は8個であるが、もちろんその他の組み合わせでもよい。
【0025】
固定子2は、固定子鉄心4と固定子巻線5とを含み構成される。ここで、固定子鉄心4は、円環状のヨーク41と鉄心歯部42とからなり、複数の鉄心歯部42の間には、固定子巻線5を収納するスロット43が設けられている。一方、回転子3は、磁性体からなる回転子鉄心7とその外周に固着された永久磁石6(N.S)とを含み構成される。
【0026】
ここで、回転子3は後述の支持機構を介して固定子に回転可能に支承されている。
【0027】
固定子鉄心4の固定子突極(鉄心歯部)42には固定子巻線5を有する第1の固定子突極42Aと固定子巻線5を持たない第2の固定子突極42Bとを有している。さらに第2の固定子突極42Bの空隙面には磁極位置検出器11(HU.HV.HW)を収納する磁極位置検出器のスロット42Cが設けられている。これは固定子鉄心4の打ち抜き時に一緒に作ることができる。この磁極位置検出器11のスロット42Cは3相(U1.V1.W1)の場合には一般的には3個を必要とし、磁極位置検出器11も3個必要となる。各スロット42Cの相対的な電気角はそれぞれ120度の位相差を有するように設ける必要がある。
【0028】
回転子3の永久磁石6には円筒状の形状を有する例で示した。永久磁石は極異方性もしくはハルバック着磁(正弦波状着磁)等によって空隙面が正弦波状になるように構成されているものとする。
【0029】
以上の構成によれば、磁極位置検出器のスロット42Cに配置された磁極位置検出器11には回転子位置に応じた歪まない正弦波状の信号波形を得ることができる。これを例えばマイクロプロセッサのAD変換器を介して取り込むことによって、位置情報に変換することができる。
【0030】
このようなブラシレスアクチュエータ1にあっては、各相に誘起する電圧の波形も当然正弦波状信号を得ることができる。これの正弦波誘起電圧に対して、回転子の位置に応じた正弦波電流を通電することで出力トルクの変動の少ないモータを提供することができる。
【0031】
さらに、固定子巻線5を持たない第2の固定子突極42Bのスロット42Cとその両端に設けた磁気バリア42Dを備えることによって固定子巻線5に電流を通電した場合に第1の固定子突極42Aからの磁気漏洩による磁束を磁極位置検出器11が拾うことを防止することができる。
【0032】
磁極位置検出器に漏洩磁束が入ることは磁極の位置を誤って測定することになり、位置に応じたきれいな正弦波信号(歪のない正弦波信号)を得ることが難しくなり、脈動トルクを引き起こすことになる。位置誤差を生じると消費電力の増加や騒音を発生させる等の欠点がある。
【0033】
磁気バリア42Dが備えられることで、前記の欠点が一掃される。
【0034】
また、センサ(磁極位置検出器11)をモータ内に取り込み、180度通電の正弦波電流を通電することによって、従来の120度通電のシステムに比べ、次の利点がある。
【0035】
第1に、位置決めのモータの相切り換えによるトルク脈動を押さえることができる。
【0036】
第2に、トルク定数が回転子の位置により変化することから生じる、制御の不安定を防止できる。
【0037】
次に、図2に沿って本発明のブラシレスアクチュエータ装置を用いた電動ブレーキ装置について説明する。
【0038】
電動ブレーキ装置は支持体であるアーム101によって車軸102を支える。車軸102にはディスクロータ103が備えられる。
【0039】
一方、このディスクロータ103はその両側に置かれ、軸方向に移動可能なブレーキパッド107に挟まれて押圧されることによって車軸102にブレーキ力を発生する。ブラシレスアクチュエータ1は固定子巻線5を備えた固定子鉄心4と永久磁石6との電磁作用によってモータ回転部110(ここでは図3の7と同一)に回転トルクを発生させる。このトルクは回転―直動変換機構を含む変速機105を介してピストン108に推進力を与える。支持機構109,111によって移動可能に支持されたピストン108はディスクロータ103の両側からブレーキパッド107を介して押圧して挟むことによってブレーキ力を発生させる。爪部106,キャリパ本体104は支持対によって移動可能に支承される。
【0040】
なお、変換機105には高粘性物体(潤滑油)が添付されている。
【0041】
以上のような構成を有するブラシレスアクチュエータ1を用いたことによって小型軽量、高精度、高応答の電動ブレーキ装置を提供することができる。
【0042】
駆動機構の小型化によって従来油圧によるブレーキ装置に対して過度に大きく、重量増加を起こさずにすむ。これによって、バネ下加重の増加による乗り心地の低下を生じることなく、低燃費のブレーキシステムを提供することができる。
【0043】
以上は電動ブレーキ装置に関して述べたが、本発明はブラシレスアクチュエータ、高減速比の変速機を有する駆動伝達機構に対して同様の効果を得ることができる。
【0044】
従って、例えば、ブラシレスモータで高変速機(回転―直動変換機構を含む)を介してギヤ変速を行う自動マニュアルトランスミッションのシステム、ブラシレスモータで高変速比のギヤを介してバルブの開度を制御するスロットルアクチュエータ等にも適用することができる。
【0045】
さらに、磁極センサ(磁極位置検出器11)を回転体(モータ回転部110)の中に収納し、180度通電システムを実現することによって小型、軽量、高精度の自動マニュアルトランスミッションシステムを実現することができる。
【0046】
本発明に係わる上記の説明は、ブラシレスアクチュエータとして内転型の回転電機を挙げ述べたが、外転型の回転電機でもよく、また、ホール素子による検出器を用いたが、そのほか磁気抵抗効果素子等を用いても同様な良さ(本発明の効果)を十分に期待することができる。
【0047】
次に図3に沿って本発明の主な特徴であるブラシレスアクチュエータ装置について述べる。
【0048】
ブラシレスアクチュエータ1の各構成は、図1で述べたものと同様なるものとする。
【0049】
さて、図1において、ブラシレスアクチュエータ1の駆動源であるモータの固定子巻線は直流電源等から電力供給を受けるインバータ駆動回路8(制御装置に含まれる)の出力側に接続される。インバータ駆動回路8のゲートはマイクロコンピュータ等によって構成されるPWM制御回路10(制御装置に含まれる)によって制御される。
【0050】
一方、モータの回転子は永久磁石6を有する。モータの回転子は変速機105(回転−直動変換機構)を介して駆動対象であるブレーキパッド107を駆動する構成である。
【0051】
モータに備わる磁極位置検出器11(制御装置に含まれる)は、角度変換器200(制御装置に含まれる)を介して電流指令変換器201(制御装置に含まれる)に接続される。磁極位置検出器11で検出された3相の信号(U.V.W)をもとに角度変換器200は、回転子の位置θを算出する。
【0052】
電流指令変換器201に入力される電流指令Iは、先に算出された位置θによって各3相の電流指令にそれぞれ位相差を有する形(ISU,SV,SW)に変換される。ISUは、I SINθ。ISVは、I SINθ−2π/3。ISWは、I SINθ−4π/3である。
【0053】
これらの各3相の電流指令(ISU,SV,SW)に、それぞれ別の3相の電流指令が加算器を介して加えられる。電流指令ISUには、IaUが、電流指令ISVには、IaVが、電流指令ISWには、IaWが加算されるのである。別の3相の電流指令(IaU、IaV、IaW)は、電流指令(ISU,SV,SW)と異なる制御周波数になっている。しかも、電流指令(IaU、IaV、IaW)の制御周波数は、電流指令(ISU,SV,SW)の制御周波数よりも2倍以上に高い。逆に、電流値の方は電流指令(IaU、IaV、IaW)の方が、半分以下である。
【0054】
電流指令(ISU,SV,SW)に電流指令(IaU、IaV、IaW)が加算された波形は、図1の下側に示したとおりである。
【0055】
この図示のような加算された合成の電流指令が電流制御系202(制御装置に含まれる)に入力される。電流制御系202は、その入力(電流指令)に応じた出力電圧をPWM制御回路10に出力する。PWM制御回路10は、電流制御系202の出力に応じてインバータ駆動回路8にPWMの制御信号を出力する。このインバータ駆動回路8の駆動を制御するPWMの制御信号は、電流指令(ISU,SV,SW)に電流指令(IaU、IaV、IaW)が合わさってできるもので、電流指令(ISU,SV,SW)と電流指令(IaU、IaV、IaW)を含めてインバータ制御信号と言う。
【0056】
モータは、インバータ駆動回路8の出力により駆動される。インバータ駆動回路8の出力は、電流トランス203で検知される。その検知された検知電流(I,I,I)は、電流制御系202にフィードバックされるので、その電流指令の制御値により合致するモータのトルク制御が行なれる。
【0057】
電流指令(ISU,SV,SW)の制御周波数は、周波数が低く、モータの回転子の回転に同期する。この制御周波数の電流により、モータは、一定の駆動トルクで回される。
【0058】
一方、電流指令(IaU、IaV、IaW)の制御周波数は、モータの回転子の回転よりも周波数が高く、単に高速の回転トルク(振動)を発生することに当てられる。殊に、その高速の回転トルクが回転子の回転に非同期の場合には平均トルクとしてはゼロであり、駆動トルクは発生しない。高い周波数の電流は、もっぱら脈動トルクを発生させる。この脈動トルクで、高減速比を有する変速機105が高速で揺すられ、その高周波振動によるトルクが油等の高粘性物体にエーネルギーを与え、それによって温度上昇を起こし、高粘性物体(潤滑油)を低粘性化させる効果がある。これによって、特に低温時の潤滑油粘性を低く下げることができる。さらに、高周波のトルクは平均的な駆動トルクに対して、瞬間的には変速機105の持つヒステリシストルク成分を越えるトルクを発生できるので変速度機105の動きをなめらかにする効果をも持っている。
【0059】
すなわち、摩擦抵抗の大きな変機105を動かすためには駆動トルクがそのヒステリシストルクにうち勝つ間では動き始めることができなかったが、脈動トルクを重畳させることによって、駆動トルクの低い状態でも動かすことができる特徴を有するのである。
【0060】
このように、高粘性物体(潤滑油)を用い、かつ摩擦抵抗の大きな回転―直動の変換をする回転―直動変換機や高減速比を有する変速機105が備わる駆動伝達系で殊に有効なものである。
【0061】
高粘性物体(潤滑油)の低粘性化について、図4を引用して説明を加える。
【0062】
図4は、高減速比の減速機を有するモータ駆動システムの温度と出力トルクとの関係を示している。この出力トルクは、オープンループでステップトルク指令に対するものである。
【0063】
ここでは、T4>T3>T2>T1の温度条件での結果である。T1は自動車の使用運転条件の範囲である−40℃に近い低温である。このような低温ではトルク指令に対して(1)大きな差が生じてしまったり、(2)応答が遅れる等の欠点がある。
【0064】
しかし、本発明にあっては、モータの回転子を回す低い周波数の電流に加えて、高い周波数の電流をモータに供給することにより、高粘性物体(潤滑油)の中に損失を生じさせて粘性を低下ならしめ、T1をT4まで上げることにより応答遅れを少なくでき、制御偏差の少ない特性を得ることができる。
【0065】
上記実施例では、高い周波数の電流は一つであるが、数種類の高い周波電流を加えるようにすることも可能である。
【0066】
逆に高い周波数の電流が加わることによって、ブラシレスアクチュエータ1の効率が悪くなったり、音の発生等の問題も考えられる。この問題に対しては、高速運転時には高周波電流を小さくしたり、あるいは止めるなどの対応をすることによって、その問題を軽減することが可能である。すなわち、高速運転時には、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数について加える量(大きさ)を少なくしたり、止めたりする等の調整が出来るようにした。またブラシレスアクチュエータの静止時(停止時)、運転時のいずれのときでも一つの制御周波数の加える量(大きさ)を加減するようにして騒音の低減、消費電力の低減を計ることが出来る。
【0067】
また、ブラシレスアクチュエータの周りの外気温度を検出し、高温時の低粘性(高粘性物体が低粘化している)の時には高周波電流の値を小さくする。すなわち、外気温度(雰囲気温度)に応じて、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数の加える量(大きさ/ベクトル量)を変えることで高粘性物体の低粘化を適正に行なうことができる。外気温度が低いときには粘度が高いので、制御周波数の加える量を多くすることで発熱量を多くし、逆に外気温度が高いときには粘度が低いので、制御周波数の加える量を少なくすることで発熱量を抑え、外気温度の変動にかかわらず、高粘度性物体は適正な粘度に保たれる。
【0068】
また、高い制御周波数の電流はモータの回転駆動の周波数に影響(ビートによる発生音)を与えないくらいに高く選定することが望ましい。具体的には、回転駆動周波数の最大周波数の2倍以上である。回転駆動周波数に応じて高い制御周波数の電流の大きさを変えることにより、さらに改善が図られる。
【0069】
PWM制御は、搬送信号周波数のパルス巾に占められるオン時間(デューテイ値)を変化させてモータのトルク制御するものである。搬送信号周波数と前記インバータ制御信号の一つの制御周波数とが同期するようになっている。これら同期するようにすることで、電流の波形を常に一定でき、ノイズの発生を抑えることができる。
【0070】
また、前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は、回転子の磁極位置検出に利用できる。この利用を図ることで、例えば、図3に示す磁極位置検出器11を省略することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0071】
さらに、このブラシレスアクチュエータ装置を自動車の操作駆動に用いることで、低温時でも操作駆動に支障が生じないのである。
【0072】
また、このブラシレスアクチュエータ装置を自動車の電動ブレーキ装置に用いることで、低温時でもブレーキの応答性が損なわれることがないのである。
【0073】
さらにまた、このブラシレスアクチュエータ装置を自動車の自動マニアルトランスミッションに用いることで、低温時でも円滑に変速が行なわれるのである。
【0074】
図5は、本発明の他の実施例に係わるブラシレスアクチュエータの構成を示す。
【0075】
左側の図は上半分を断面した側面図。右側の図は全体を断面した正面図である。
【0076】
図5では、先の実施例と共通するところには同一符号を付して説明を省略するようにした。
【0077】
図5に示すブラシレスアクチュエータには、先の実施例に用いられていたホール素子(磁気位置検出器)HA,HB,HCがなく、固定子2の全部の固定子突極42に固定子巻線5が巻回されている。
【0078】
また回転子3は軸方向に2分割された永久磁石6の間にリラクタンス鉄心12が配置される構成を有している。
【0079】
図6は、本発明の他の実施例に係わるブラシレスアクチュエータの構成を示す。
【0080】
図は、回転子のところだけを示している。先の実施例と共通するところには同一符号を付して説明を省略するようにした。
【0081】
図示されているように、周方向の周期が永久磁石6の一磁極を単位とする周期となる空隙の変化を持たせた形状の構成とする。この形状は回転子3の回転とともにリラクタンスが変化して固定子巻線5内に回転子の位置情報を与えることになる。
【0082】
図5に示すものも、図6に示すものも、二つの制御周波数によりブラシレスアクチュエータ1は駆動されるものであるが、その制御周波数の一つは回転子3を駆動する電流として利用し、他方は高周波の電流により、固定子巻線5に現れるリラクタンスの変化から回転子の位置を検出するために使用する。
【0083】
このような構成によって、コンパクトで高精度のブレーキ力制御が可能な電動ブレーキ装置を提供することができる。
【0084】
なお、上記はリラクタンス鉄心の軸方向の両側に永久磁石6を配置する構成について示したが、ボンド磁石等によって両者を一体にすることも可能である。
【0085】
この場合には、さらに、先の実施例(図3)で示したホール素子が不要となることで、これらの配線の断線等によるトラブルのおそれもなく信頼性の高いブラシレスアクチュエータ装置を提供することができる。
【0086】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、小型軽量、高精度、高応答のブラシレスアクチュエータ装置を提供でき、このブラシレスアクチュエータ装置を用いることにより、一充電走行距離の長くでき電動車両、及び燃費効率のよいエンジン始動発電装置、ハイブリッド型電動車両等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるもので、ブラシレスアクチュエータ(回転機)の構造を示す。
【図2】本発明の実施例に係わるもので、図1に示すブラシレスアクチュエータ装置を搭載した電動ブレーキを示す。
【図3】本発明の実施例に係わるもので、ブラシレスアクッチュエータの装置(制御回路)を示す。
【図4】本発明の実施例に係わるもので、高減速比の減速機を有するモータ駆動システムの温度と出力トルクとの関係を示図。
【図5】本発明の他の実施例に係わるもので、ブラシレスアクチュエータ(回転機)の構造を示す。
【図6】本発明の他の実施例に係わるもので、ブラシレスアクチュエータ(回転機)の回転子を示す。
【符号の説明】
1…回転電機、2…固定子、3…回転子、4…固定子鉄心、5…固定子巻線、6…永久磁石、7…回転子鉄心、8…インバータ駆動回路、9…直流電源、10…PWM制御回路、11…磁極位置検出器、12…リラクタンス鉄心、41…固定子ヨーク部、42…固定子突極、43…スロット、42A…第1の固定子突極、42B…第2の固定子突極、42C…磁極位置検出器のスロット、42D…磁気バリア、101…支持部、102…車軸、103…ディスクロータ、104…キャリパ本体、105…変速機:回転―直動変換機構、106…爪部、107…制御対象のブレーキパッド、108…ピストン、109…支持部、110…モータ回転部、200…角度変換器、201…電流指令変換器、202…電流制御系。

Claims (11)

  1. 有限範囲で移動する移動対象と、この移動対象を駆動する駆動トルクを発生するブラシレスアクチュエータと、前記ブラシレスアクチュエータで発生した駆動トルクを変速して前記移動対象に伝達する変速機と、前記ブラシレスアクチュエータの駆動トルクを制御するところのインバータ駆動回路を含む制御装置とを有するブラシレスアクチュエータ制御装置において、
    前記ブラシレスアクチュエータに給電される前記制御装置の出力電流が2以上の制御周波数を含むことを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  2. 有限範囲で移動する移動対象と、この移動対象を駆動する駆動トルクを発生するブラシレスアクチュエータと、前記ブラシレスアクチュエータで発生した駆動トルクを変速して前記移動対象に伝達する変速機と、前記ブラシレスアクチュエータの駆動トルクを制御する制御装置と、この制御装置に含まれ、かつ前記ブラシレスアクチュエータの固定子コイルに給電する出力電流を出力するインバータ駆動回路とを有するブラシレスアクチュエータ制御装置において、
    前記インバータ駆動回路を制御するインバータ制御信号が2以上の制御周波数を含むことを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  3. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ制御装置において、
    前記制御装置はPWM制御回路を含み、このPWM制御の搬送信号周波数と前記インバータ制御信号の一つの制御周波数とが同期していることを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  4. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ装置において、
    前記インバータ制御信号の一つの制御周波数が、ブラシレスアクチュエータの静止時と運転時とで大きさを変えることを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  5. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ装置において、
    前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は、高速回転時には停止させることを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  6. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ装置において、
    前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は、外気温度に応じてその制御信号の大きさを変えることを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  7. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ装置において、
    前記インバータ制御信号の一つの制御周波数は、回転子の磁極位置検出に利用することを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  8. 請求項2記載のブラシレスアクチュエータ装置において、
    前記2以上の制御周波数は、周波数の比が2倍以上であることを特徴とするブラシレスアクチュエータ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載されているブラシレスアクチュエータ装置を自動車における操作駆動に用いたことを特徴とする自動車用ブラシレスアクチュエータ装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一つに記載されているブラシレスアクチュエータ装置を自動車の電動ブレーキに用いたことを特徴とする自動車用電動ブレーキ装置。
  11. 請求項1〜8のいずれか一つに記載されたブラシレスアクチュエータ装置を自動車の自動マニュアルトランスミッションに用いたことを特徴とする自動車用トランスミッション駆動装置
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