JP2004166181A - 移動通信システム、サーバ装置、及びデータ送信方法 - Google Patents

移動通信システム、サーバ装置、及びデータ送信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチキャストポイントを動的に変化させることにより、冗長経路を排除した効率的なリソース使用を可能とすることである。
【解決手段】本発明に係る移動通信システム100は、制御サーバ1と、複数の中継ルータ21〜25と、複数のアクセスルータ31〜34とを備えて構成される。移動通信システム100は、移動端末51によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して通信相手端末11から移動端末51にデータが到達するまでの経路上に存在するルータにて、データをマルチキャストする。制御サーバ1は、データがマルチキャストされるルータを、移動端末51又は通信相手端末11の移動に伴って動的に変化させる制御を行う。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システム、サーバ装置、及びデータ送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、3GPP(3rd Generation Partnership Project)により標準化されている移動通信システムとして、UMTS (Universal Mobile Telecommunications System)が存在する。UMTSでは、無線通信経路の多重化方式としてW-CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)を用い、移動端末のハンドオーバ方式としてソフトハンドオーバ(ダイバーシチハンドオーバ)を提供している。
【0003】
このソフトハンドオーバにおいては、加入者線延長方式が採用されており、移動端末がサイトダイバーシチ状態にあるときのデータがマルチキャストされるルータ(以下、「マルチキャストポイント」と記す。)は、通信中は不変である。このため、移動端末が移動した場合であっても、データは、マルチキャストポイントを必ず経由してから、移動先に位置する移動端末まで送信される(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
3G TR25.832 "Manifestations of Handover and SRNS Relocation"
【0005】
上述した従来の移動通信システムは、以下に概略的に示す動作をとる。すなわち、移動端末が通信の開始時に使用した無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)が、アンカーのマルチキャストポイントであるSRNC(Serving RNC)となる。また、SRNC配下の無線基地局(NB:NodeB)間で移動端末がハンドオーバ(Intra-RNCハンドオーバ)する場合には、データは、移動端末が接続している各NBに対してSRNCから直接マルチキャストされる。
【0006】
一方、移動端末が異なるRNC配下のNB間でハンドオーバ(Inter-RNCハンドオーバ)する場合には、データは、SRNCを経由した上で、移動先のRNC(DRNC:Drift RNC)を更に経由して、移動先のNBに対して送信される。なお、従来技術におけるRNC及びSRNCは、本発明における中継ルータに対応し、NBはアクセスルータに対応する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のUMTSにおける加入者線延長方式を用いたダイバーシチハンドオーバ制御においては、Intra-RNCハンドオーバの場合には、SRNCからスター型に接続された各NBに対してデータがマルチキャストされる。このため、最適な経路(最短経路)を使用したデータ送信という意味で問題は無い。しかしながら、Inter-RNCハンドオーバの場合には、SRNC配下のNBに対してデータが直接送信される場合と、SRNCからDRNCを経由してDRNC配下のNBに対してデータが送信される場合とがある。
【0008】
かかるInter-RNCハンドオーバの場合に、最短経路を使用したデータ送信を行うためには、SRNC及びDRNCの双方に対して、移動交換局(MSC:Mobile-services Switching Center又はSGSN:Serving GPRS Support Node)をマルチキャストポイントとしたデータ送信を行う必要がある。しかし、DRNCへのデータ送信の際にSRNCを経由する経路は冗長であり、ネットワークリソースを浪費することになる。
【0009】
これは、以下に示す要因によるものであった。すなわち、UMTS(3GPP R99)では、ダイバーシチハンドオーバの実現に必要となる複雑な各種制御をSRNCが行う仕様になっており、制御の簡略化のために、通信継続中にダイバーシチハンドオーバを制御するポイント(ルータ)をSRNCから移動させないことにしている。
【0010】
以下、上記問題点について、図面を参照して、より詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)は、UMTSにおけるダイバーシチハンドオーバ時の移動端末の移動に応じたルーチングの様子を示す図である。図1(a)及び図1(b)において、CN111は通信相手端末であり、MSC/SGSN121は移動加入者交換機(MSC又はSGSN)であり、RNC131,132はそれぞれ無線ネットワーク制御装置であり、NB141,142,143,144,145,146はそれぞれ無線基地局であり、MN151は移動端末である。
【0011】
これらの図においては、CN111がMSC/SGSN121よりも上位に位置する状況を想定している。RNC131,132は、無線リソースの制御やMN151が移動した際のハンドオーバ制御を行う。RNC131,132には、複数のNBがスター型に接続される。
【0012】
MN151は、NBに接続して通信を行う。特に、サイトダイバーシチ時には、MN151は、複数のNBに同時に接続し、周知慣用のサイトダイバーシチ受信技術によって、各NBから送信される下り信号を最大比合成することにより、より品質の高い受信環境を実現する。
【0013】
図1(a)は、MN151がNB142及びNB143に接続するIntra-RNCダイバーシチハンドオーバの様子を示す図であり、図1(b)は、MN151が、NB142、NB143、及びNB144に接続するInter-RNCダイバーシチハンドオーバの様子を示す図である。両図において、MN151が通信開始時に使用したRNC(すなわちSRNC)はRNC131である。
【0014】
図1(a)に示す様に、Intra-RNCハンドオーバの場合は、MN151が接続しているNB142,143は、共に1つのRNC(RNC131)の配下に存在している。このため、CN111からMN151宛に送信されたデータは、矢印A11に示す様に、まず、MSC/SGSN121を経由して、マルチキャストポイントであるSRNC(RNC131)にルーチングされる。続いて、RNC131からマルチキャストされたデータは、矢印A12,A13に示す様に、NB142,143に直接送信されることになるので、ルーチング経路に冗長な部分は存在しない。
【0015】
一方、図1(b)に示すInter-RNCハンドオーバの場合には、MSC/SGSN121〜SRNC(RNC131)〜NB142,143のルーチング経路は、矢印B11,B12,B13に示す様に、Intra-RNCハンドオーバにおける経路と同様である。これに対して、移動先のMN151と通信を行うDRNC(RNC132)配下に位置するNB144宛のデータは、実線矢印B14に示す様に、SRNCを経由した上でDRNCを通ってルーチングされることになる。
【0016】
すなわち、MSC/SGSN121からDRNCに直接データが送信される場合に比べて、ルーチング経路に冗長部分が生じることになる。この冗長部分を排除するためには、破線矢印B15に示す様に、NB144宛のデータが、MSC/SGSN121にてマルチキャストされる必要がある。しかしながら、上述した様に、従来のUMTSでは、マルチキャストポイントが1つのRNCに固定されているため、冗長部分が必然的に発生してしまうという難点がある。
【0017】
かかる難点を解消するための一手段として、データをマルチキャストする機能をRNC以外のノードにももたせることが考えられる。しかし、その場合、冗長性の無いルーチング経路を提供するマルチキャストポイントを選択する方法が問題となる。常に最適なマルチキャストポイントを選択することは、セルラーネットワークの様に計画されたツリー構造を有するネットワークでは比較的容易であるが、一般的なIPネットワークの様に複雑なメッシュ構造のトポロジ(接続形態)を有するネットワークにおいては困難である。
【0018】
また、最適なマルチキャストポイントは、MN151のネットワークヘの接続位置と、その通信相手であるCN111のネットワークヘの接続位置によって変化する。例えば、図1(a)における最適なマルチキャストポイントはRNC131であるが、図1(b)においては、RNC131及びMSC/SGSN121が最適なマルチキャストポイントとなる。
【0019】
このため、移動端末の移動先に応じたルーチング経路毎に、最適なマルチキャストポイントを予め設定しておくことが望まれる。しかし、移動端末の全ての移動先を予測し、ルーチング経路を網羅しておくことは事実上不可能なため、メッシュ構造と同様にツリー構造のネットワークにおいても、最適なマルチキャストポイントを予め静的に設定しておくことは困難である。したがって、移動端末の位置が変化した場合に、その位置に応じてマルチキャストポイントを動的に変化させる手法の確立が有効である。
【0020】
そこで、本発明の課題は、最適なマルチキャストポイントを発見すると共に、マルチキャストポイントを動的に変化させることにより、冗長経路を排除した効率的なリソース使用を可能とすることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る移動通信システムは、複数の中継ルータと、複数のアクセスルータと、サーバ装置と、移動端末とを備えて構成され、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータ(例えばパケット)が到達するまでの経路上に存在するルータにて、前記データがマルチキャストされる移動通信システムにおいて、前記サーバ装置は、前記データがマルチキャストされるルータ(マルチキャストポイント)を、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って動的に変化させる制御を行う。
【0022】
本発明に係るデータ送信方法は、複数の中継ルータと、複数のアクセスルータと、サーバ装置とを備えて構成され、移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到達するまでの経路上に存在するルータにて、前記データがマルチキャストされる移動通信システムにおけるデータ送信方法において、前記サーバ装置が、前記データがマルチキャストされるルータを、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って動的に変化させる制御ステップを含む。
【0023】
ここで、ルータには、中継ルータとアクセスルータとを含む。また、マルチパスハンドオーバ状態とは、以下に説明する三つの状態の内の何れかの状態である。すなわち、三つの状態とは、移動端末が複数のアクセスルータに接続して同一のデータを送受信する状態(ソフトハンドオーバ状態)、複数のアクセスルータから移動端末に向けて同一のデータが送信されているが、移動端末は、その内の1つのアクセスルータのみからデータを受信する状態、網内においてはデータはマルチパスでルーチングされるが、移動端末に対しては、複数のアクセスルータの内の1つのアクセスルータからデータが送信され、移動端末は、その1つのアクセスルータのみからデータを受信する状態、である。
【0024】
これらの発明によれば、移動端末又は通信相手端末の移動に伴って、最適なマルチキャストポイントが発見されると共に、データがマルチキャストされるルータ(マルチキャストポイント)が動的に変更され、最適なルータにてデータがマルチキャストされる。その結果、冗長経路を排除した効率的なリソース使用が可能となる。
【0025】
本発明に係る移動通信システムにおいて好ましくは、前記サーバ装置は、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得手段と、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段とを備える。
【0026】
本発明に係るサーバ装置は、複数の中継ルータと、複数のアクセスルータとに接続され、移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到達するまでの経路上に存在するルータに対して、前記データのマルチキャストを指示するサーバ装置において、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得手段と、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段とを備える。
【0027】
本発明に係るデータ送信方法において好ましくは、前記サーバ装置の取得手段が、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得ステップと、前記サーバ装置の選択手段が、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択ステップと、前記サーバ装置の指示手段が、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示ステップとを含む。
【0028】
ここで、経路情報要求を終端するルータは、例えば、ゲートウェイルータ、アクセスルータ、ルータである。具体的には、移動端末が存在する網(自網)とは別の網(他網)に通信相手端末が存在する場合には、経路情報要求を終端するルータは、通信相手端末と移動端末との間で送受信されるデータのルーチング経路上に位置する、自網側のゲートウェイルータである。また、通信相手端末が自網に存在する場合には、経路情報要求を終端するルータは、自網のアクセスルータ又は自網のルータである。
【0029】
これらの発明によれば、サーバ装置は、ルータから取得した経路情報の比較結果に基づいて、マルチキャストに最適なルータを動的に選択できる。更に、サーバ装置は、選択されたルータに対して、データのマルチキャストを指示することにより、冗長経路を排除した効率的なリソース使用が可能となる。
なお、サーバ装置の代わりにルータが、経路情報の比較結果に基づいて、マルチキャストに最適なルータを動的に選択してもよい。
【0030】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記通信相手端末が接続するルータは、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータに向けて経路情報を送信し、各経路情報が、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでそれぞれ最短経路でルーチングされ、各経路情報が通過するルータにおいて当該ルータの識別情報が各経路情報に順次記録(追記)され、前記各アクセスルータは、受信された当該各経路情報を参照することにより、始点から終点までの最短経路上のルータ、及び最短経路上の通過順序を取得する。
【0031】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記通信相手端末が接続するルータが、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータに向けて経路情報を送信するステップと、各経路情報が、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでそれぞれ最短経路でルーチングされ、各経路情報が通過するルータにおいて当該ルータの識別情報が各経路情報に記録され、前記各アクセスルータが、受信された当該各経路情報を参照することにより、始点から終点までの最短経路上のルータ、及び最短経路上の通過順序を取得するステップとを含む。
【0032】
これらの発明によれば、最短経路でルーチングされた経路情報に基づいて、通信相手端末から各アクセスルータまでのデータの通信経路が決定される。したがって、各アクセスルータに対応する各マルチキャストポイントも上記最短経路上に存在することになり、可変的なマルチキャストポイントを利用したデータ送信に際しての冗長経路が排除される。
【0033】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記サーバ装置の選択手段は、前記取得手段により取得された各経路情報を始点から1ホップ毎に順次比較し、当該比較対象のホップに関して、全ての経路で通過するルータが同一であれば、次のホップに関する比較を行い、同一のルータを通過している経路が他に存在しない経路の1ホップ前の(全ての経路で同一であった)ルータを、前記データがマルチキャストされるルータとして選択した後、前記経路を除外した上で、比較対象の経路が1以下になるまで、又は、終点(移動端末が使用するアクセスルータ)のホップの比較が終了するまで、前記比較及び選択処理を繰り返すことにより、前記データがマルチキャストされる別のルータを選択する。
【0034】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記選択ステップでは、前記サーバ装置の選択手段は、前記取得手段により取得された各経路情報を始点から1ホップ毎に順次比較し、当該比較対象のホップに関して、全ての経路で通過するルータが同一であれば、次のホップに関する比較を行い、同一のルータを通過している経路が他に存在しない経路の1ホップ前のルータを、前記データがマルチキャストされるルータとして選択した後、前記経路を除外した上で、比較対象の経路が1以下になるまで、又は、終点のホップの比較が終了するまで、前記比較及び選択処理を繰り返すことにより、前記データがマルチキャストされる別のルータを選択する。
【0035】
これらの発明によれば、通信相手端末が接続するルータから各アクセスルータまでの最短経路を比較することにより、各経路において重複している部分経路が検出される。そして、この検出結果に基づいて、重複経路の内、最も移動端末に近いルータが最適なマルチキャストポイントとして選択される。マルチキャストポイントが既に選択された経路を除外した上で、これらの比較及び選択処理を繰り返すことにより、2つのアクセスルータに関しては勿論のこと、3以上のアクセスルータとの間でマルチパスハンドオーバを行う移動端末に関して、最適なマルチキャストポイントの選択が可能となる。
【0036】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記サーバ装置の指示手段は、前記選択手段により新たに選択された前記ルータに対して、前記データのマルチキャストを開始する指示を行うと共に、前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータに対して、前記データのマルチキャストを解除する指示を行う。
【0037】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記指示ステップでは、前記サーバ装置の指示手段は、前記選択手段により新たに選択された前記ルータに対して、前記データのマルチキャストを開始する指示を行うと共に、前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータに対して、前記データのマルチキャストを解除する指示を行う。
【0038】
これらの発明によれば、現行のマルチキャストポイントから新規のマルチキャストポイントへの切り替えが可能となる。つまり、マルチキャストポイントの可変制御が実現される。
【0039】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記サーバ装置は、マルチパスハンドオーバ状態において前記移動端末が使用するアクセスルータの変更を契機として、前記取得処理、前記選択処理、及び前記指示処理を順次実行する。
【0040】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記サーバ装置が、マルチパスハンドオーバ状態において前記移動端末が使用するアクセスルータの変更を契機として、前記取得処理、前記選択処理、及び前記指示処理を順次実行するステップを含む。
なお、アクセスルータの変更には、前記移動端末が使用するアクセスルータ数の増加又は減少を含む。
【0041】
データのマルチキャストポイントは、通信相手端末と移動端末との間の経路上に存在するので、通信相手端末が位置を変更しない固定端末である場合には、マルチキャストポイントの変更は、移動端末が使用するアクセスルータを変更した場合に行われることが効果的である。したがって、サーバ装置は、当該アクセスルータの変更を契機として、前記取得処理、前記選択処理、及び前記指示処理を順次実行することにより、マルチキャストポイントの動的制御を適切なタイミングで行うことができる。
【0042】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータは、前記移動端末が通信を行っている通信相手端末宛に経路情報要求を送信し、当該通信相手端末が接続するルータは、前記経路情報要求を終端し、これを契機として、前記ルータから、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している各アクセスルータに向けて経路情報を送信する。
【0043】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータが、前記移動端末が通信を行っている通信相手端末宛に経路情報要求を送信するステップと、当該通信相手端末が接続するルータが、前記経路情報要求を終端し、これを契機として、前記ルータから、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している各アクセスルータに向けて経路情報を送信するステップとを含む。
【0044】
これらの発明によれば、移動端末が使用しているアクセスルータからの要求を契機として、最適なマルチキャストポイントを選択する為の契機となる、経路情報の送信が開始される。したがって、移動端末が使用するアクセスルータの位置に応じた柔軟性の高いマルチキャストポイント選択が可能となる。例えば、移動端末の移動に伴って、使用されるアクセスルータが変更した場合にも迅速に対応できる。
【0045】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記経路情報を受信した各アクセスルータは、アクセスルータ自体の識別情報を前記経路情報に記録し、前記サーバ装置宛に当該経路情報を送信する。
【0046】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記経路情報を受信した各アクセスルータが、アクセスルータ自体の識別情報を前記経路情報に記録し、前記サーバ装置宛に当該経路情報を送信するステップを含む。
【0047】
これらの発明によれば、サーバ装置は、通信相手端末から各アクセスルータまでの最短経路上のルータのみならず、マルチキャスト先のアクセスルータを容易に認識できる。したがって、マルチキャストポイントに対して、マルチキャスト先を迅速に通知できる。
【0048】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記選択手段により新たに選択された前記ルータは、マルチキャスト起動要求を前記サーバ装置から受信し、前記マルチキャスト起動要求内の情報(マルチキャスト先)を保持して、前記移動端末宛のデータをマルチキャストし、前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータは、マルチキャスト停止要求を前記サーバ装置から受信し、前記データのマルチキャストを停止する。
【0049】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記選択手段により新たに選択された前記ルータが、マルチキャスト起動要求を前記サーバ装置から受信し、前記マルチキャスト起動要求内の情報(マルチキャスト先)を保持して、前記移動端末宛のデータをマルチキャストするステップと、前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータが、マルチキャスト停止要求を前記サーバ装置から受信し、前記データのマルチキャストを停止するステップとを含む。
【0050】
これらの発明によれば、マルチキャスト起動要求を受信したルータは、新たなマルチキャストポイントとして自ルータが選択されたことのみならず、受信した移動端末宛のデータのマルチキャスト先を容易に認識できる。また、マルチキャスト停止要求を受信したルータは、マルチキャストポイントから自ルータが除外されたことに伴い、以後受信した移動端末宛のデータのマルチキャストを停止すべき旨を容易に認識できる。
【0051】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記選択手段により新たに選択された前記ルータは、前記移動端末宛のデータを受信した場合に、マルチキャスト先のルータ数分の前記データをコピーし、各マルチキャスト先にデータを送信する。
【0052】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記選択手段により新たに選択された前記ルータが、前記移動端末宛のデータを受信した場合に、マルチキャスト先のルータ数分の前記データをコピーし、各マルチキャスト先にデータを送信するステップを含む。
【0053】
これらの発明によれば、マルチキャストポイントとしてのルータは、受信した移動端末宛のデータと同一のデータを、マルチキャスト先の各アクセスルータに同時に送信できる。これにより、各アクセスルータから移動端末に向けて、同一のデータが複数送信されることになる。移動端末は、これらのデータを合成して受信すること等により、より安定したデータ受信が可能となる。
【0054】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記経路情報要求は、当該経路情報要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、前記経路情報の送信先とすべき複数のアクセスルータの識別情報を含む。
【0055】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記経路情報要求は、当該経路情報要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、前記経路情報の送信先とすべき複数のアクセスルータの識別情報を含む。
【0056】
これらの発明によれば、通信相手端末に接続するルータは、経路情報要求の送信元及び送信先はもとより、データの宛先となる移動端末、及び、経路情報の送信先とすべき複数のアクセスルータを容易に認識できる。
【0057】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記経路情報は、当該経路情報の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、前記経路情報が示す経路の始点であるルータの識別情報を含む。
【0058】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記経路情報は、当該経路情報の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、前記経路情報が示す経路の始点であるルータの識別情報を含む。
【0059】
これらの発明によれば、各ルータは、経路情報の送信元及び送信先はもとより、データの宛先となる移動端末、データの送信元である通信相手端末、及び、通信相手端末に接続するルータ(経路の始点)を容易に認識できる。
【0060】
本発明に係る移動通信システムにおいて、より好ましくは、前記マルチキャスト起動要求は、当該マルチキャスト起動要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、マルチキャスト先のルータの識別情報を含み、前記マルチキャスト停止要求は、当該マルチキャスト停止要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含む。
【0061】
本発明に係るデータ送信方法において、より好ましくは、前記マルチキャスト起動要求は、当該マルチキャスト起動要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、マルチキャスト先のルータの識別情報を含み、前記マルチキャスト停止要求は、当該マルチキャスト停止要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含む。
【0062】
これらの発明によれば、マルチキャスト起動要求を受信したルータは、マルチキャスト起動要求の送信元及び送信先はもとより、マルチキャストの起動が何れの移動端末宛のデータに関するものか、及び、受信したデータのマルチキャスト先を容易に認識できる。また、マルチキャスト停止要求を受信したルータは、マルチキャスト停止要求の送信元及び送信先はもとより、マルチキャストの停止が何れの移動端末宛のデータに関するものかを容易に認識できる。
【0063】
本発明に係る移動通信システムにおいては、前記サーバ装置は、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得手段と、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段とを備える。
【0064】
本発明に係るサーバ装置は、複数の中継ルータと、複数のアクセスルータとに接続され、移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到着するまでの経路上に存在するルータに対して、前記データのマルチキャストを指示するサーバ装置において、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得手段と、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段とを備える。
【0065】
本発明に係るデータ送信方法は、前記サーバ装置の取得手段が、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得ステップと、前記サーバ装置の選択手段が、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択ステップと、前記サーバ装置の指示手段が、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示ステップとを含む。
【0066】
本発明に係る移動通信システムにおいて、OSPFのリンクステートデータベースを参照した経路情報の取得を実現するために、前記サーバ装置の取得手段は、ネットワークの使用するOSPFの各管理エリアに属する少なくとも1つのルータから、当該ルータの属する管理エリアにて作成されているリンクステートデータベース内の情報を取得し、当該リンクステートデータベースに記録されている、各ルータ又はアクセスルータ間の全てのコスト値を、必要に応じて、0より大きい同一の値に変更し、前記通信相手端末が接続するルータから、当該ルータが経路情報の始点である旨を示す始点探索応答を受信し、当該始点探索応答の示すルータを始点として最短パスアルゴリズムを動作させることにより、当該ルータを始点とする最短ホップツリー(最適経路)を生成し、当該最短ホップツリーを参照することにより、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでの最短経路上のルータ及びその通過順序を、経路情報として取得する。
【0067】
同様に、本発明に係るデータ送信方法において、OSPFのリンクステートデータベースを参照した経路情報の取得を実現するために、前記取得ステップでは、前記サーバ装置の取得手段は、ネットワークの使用するOSPFの各管理エリアに属する少なくとも1つのルータから、当該ルータの属する管理エリアにて作成されているリンクステートデータベース内の情報を取得し、当該リンクステートデータベースに記録されている、各ルータ又はアクセスルータ間の全てのコスト値を、必要に応じて、0より大きい同一の値に変更し、前記通信相手端末が接続するルータから、当該ルータが経路情報の始点である旨を示す始点探索応答を受信し、当該始点探索応答の示すルータを始点として最短パスアルゴリズムを動作させることにより、当該ルータを始点とする最短ホップツリー(最適経路)を生成し、当該最短ホップツリーを参照することにより、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでの最短経路上のルータ及びその通過順序を、経路情報として取得する。
【0068】
これらの発明によれば、経路情報は、ルータ又はアクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得される。したがって、サーバ装置が経路情報を取得するにあたり、ルータやアクセスルータが経路情報を送受信したり更新する処理が不要となる。これにより、ネットワーク内のノードの処理負荷や通信負荷が低減される。その結果、ネットワークの負荷を低減しつつ、本発明の課題である冗長経路を排除した効率的なリソース使用が可能となる。
【0069】
本発明に係る移動通信システムにおいて、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータは、前記移動端末の通信相手である通信相手端末宛に始点探索要求を送信し、当該通信相手端末が接続するルータは、前記始点探索要求を当該ルータで終端すると共に、これを契機として、当該ルータの識別情報が記録された前記始点探索応答を前記サーバ装置に対して送信するものとしもよい。
【0070】
本発明に係るデータ送信方法において、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータが、前記移動端末の通信相手である通信相手端末宛に始点探索要求を送信するステップと、当該通信相手端末が接続するルータが、前記始点探索要求を当該ルータで終端すると共に、これを契機として、当該ルータの識別情報が記録された前記始点探索応答を前記サーバ装置に対して送信するステップとを更に含むものとしもよい。
【0071】
これらの発明によれば、アクセスルータからの始点探索要求に応じた始点探索応答が、通信相手端末の接続するルータからサーバ装置に送信される。サーバ装置は、この始点探索応答を受信することで、最短パスアルゴリズムを動作させる際に必要な始点のルータを容易に把握することができる。更に、サーバ装置は、該ルータを始点とする最短ホップツリーを生成して、当該最短ホップツリーを参照することにより、経路情報の取得が可能となる。
【0072】
本発明に係る移動通信システムにおいて好ましくは、前記始点探索要求は、当該始点探索要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含む。
本発明に係るデータ送信方法において好ましくは、前記始点探索要求は、当該始点探索要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含む。
【0073】
これらの発明によれば、移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータから通信相手端末宛に送信される始点探索要求には、その送信元及び送信先の識別情報はもとより、移動端末の識別情報も含まれている。したがって、始点探索要求が必ず経由する、通信相手端末の接続するルータは、始点探索要求を受信することで、該要求が、何れの移動端末を到達点とする経路に関するものであるかを容易に把握することができる。
【0074】
本発明に係る移動通信システムにおいて好ましくは、前記始点探索応答は、当該始点探索応答の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、探索された始点としてのルータの識別情報を含む。
本発明に係るデータ送信方法において好ましくは、前記始点探索応答は、当該始点探索応答の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、探索された始点としてのルータの識別情報を含む。
【0075】
これらの発明によれば、始点探索要求を終端した、通信相手端末が接続するルータから、サーバ装置宛に送信される始点探索応答には、その送信元及び送信先の識別情報はもとより、移動端末の識別情報、通信相手端末の識別情報が含まれている。したがって、サーバ装置は、始点探索応答を受信することで、該応答が、何れの移動端末と何れの通信相手端末との間における経路に関するものであるかを容易に把握することができる。また、始点探索応答には、探索された始点としてのルータの識別情報も含まれている。したがって、サーバ装置は、始点探索応答を受信することで、最短パスアルゴリズムを動作させる際に必要な始点が何れのルータであるかを容易に把握することができる。
【0076】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図2(a)は、MN51が接続しているネットワーク(以下、「自網」と記す。)内のルータにCN11が接続している場合に適用されるマルチキャストポイント選択の様子を示した図である。図2(a)に示す様に、本発明に係る移動通信システム100は、制御サーバ1と、複数のRT21〜25と、複数のAR31〜34と、MN51とを備えて構成される。CN11は、自網内の中継ルータRT21に接続されている。
【0077】
ここで、発明の実施の形態と特許請求の範囲とにおける構成要素の対応関係を以下に示す。制御サーバ1はサーバ装置に対応し、CN(CorrespondentNode)11は通信相手端末に対応し、RT(RouTer)21〜25は中継ルータに対応し、AR(AccessRouter)31〜34はアクセスルータに対応し、MN(MobileNode)51は移動端末にそれぞれ対応する。以下、必要に応じて、RTとARとを纏めてルータと記す。
【0078】
MN51は、CN11との通信開始時には、アクセスルータとしてAR32のみ使用しており、CN11からMN51宛に送信されたデータは、矢印Y1に示す様な最短経路でルーチングされている。AR32は、MN51による通信開始当初に使用されたアクセスルータであるため、移動通信システム100は、マルチキャストポイントの選択処理を必ずしも実行しなくてもよい。なお、仮に実行された場合であっても、MN51が使用するアクセスルータはAR32のみであるため、マルチキャストポイントは選択されない。
【0079】
続いて、MN51によるAR33からの電波受信も可能になると、MN51が使用するアクセスルータは2つになるので、マルチキャストポイントの選択が行われる。
【0080】
ここで、制御サーバ1は、本発明に係る移動通信システム100の構成要素であると共に、マルチキャストポイントの動的制御の主要な実行主体であるので、その構成について詳説する。図3は、制御サーバ1の機能的構成を示すブロック図である。図3に示す様に、制御サーバ1は、経路情報取得部2と経路情報テーブル3とマルチキャストポイント選択部4とマルチキャスト関連情報格納部5とマルチキャスト指示部6とを少なくとも備える。
【0081】
経路情報取得部2は、例えば、AR32及びAR33にそれぞれ集約されたRT21からの経路情報をAR32及びAR33から取得し、経路情報テーブル3に格納する。
経路情報テーブル3には、MN51により使用されるアクセスルータを終点とした最短経路上に存在するルータの識別情報が、ホップとして経路別に格納される。ルータの識別情報とは、例えば、ルータのIPアドレス、MACアドレス等である。
【0082】
マルチキャストポイント選択部4は、経路情報テーブル3に格納された経路別のホップを参照して、CN11からAR32,33までの最短経路を提供するマルチキャストポイントを選択する。
マルチキャスト関連情報格納部5には、マルチキャストポイント選択部4により選択されたマルチキャストポイントとマルチキャスト先とが対応付けられ、マルチキャスト関連情報として更新可能に保持される。
【0083】
マルチキャスト指示部6は、マルチキャストポイント選択部4により選択されたマルチキャストポイントに対して、MN51宛のデータのマルチキャストを指示する。
【0084】
以下、MN51がAR32,33を同時に使用してデータ受信を行う状態(マルチパスハンドオーバ状態)に移行する時のマルチキャストポイント選択、及びマルチキャストの様子を説明する。
【0085】
(経路情報取得ステップ)
まず、制御サーバ1が経路情報を取得するまでのステップについて、図2(a)を参照して説明する。MN51は、使用するアクセスルータにAR33が追加されたことに伴い、アクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR33)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR32,33)の識別情報及び現在通信中の通信相手端末(CN11)の識別情報を送信する(A1参照)。ここで、通信相手端末の識別情報とは、例えば、通信相手端末のIPアドレス等である。
【0086】
AR33は、A1においてMN51から送信されたAR32,AR33,CN11の識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理が起動された旨を制御サーバ1に通知する。当該通知は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報(例えばIPアドレス)、及びAR32,AR33,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(A2)。
【0087】
制御サーバ1は、A2においてAR33から送信されたMN51,AR32,AR33,CN11の識別情報を受信すると、マルチキャストポイント選択処理が起動されたことを認識し、各アクセスルータ(AR32,AR33)からの経路情報の送信を待機する。
【0088】
A3では、AR33は、A1で受信されたCN11の識別情報を参照して、CN11に向けて経路情報要求を送信する。この経路情報要求には、データ送信先の移動端末であるMN51の識別情報と、経路情報の送信先であるAR32,33の識別情報とが含まれている。なお、この送信処理は、A2の通知処理の終了を待って実行されてもよいし、A2の通知処理と並行して実行されてもよい。
【0089】
経路情報要求はCN11宛にルーチングされるが、RT21は、経路情報要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、経路情報要求がRT21に到達した時点で、経路情報要求を終端する(A4)。
【0090】
次いで、RT21は、A3で受信されたAR32,33の識別情報を参照して、AR32,33の双方に向けて経路情報を送信する。この経路情報には、データの送信元であるCN11の識別情報と、データの宛先であるMN51の識別情報と、RT21自体の識別情報とが含まれている。各経路情報は、送信先のアクセスルータに到達するための最短経路をとる様にルーチングされる。
【0091】
本実施の形態では、各経路情報は、先ずRT22に送信される(A5及びA6)。RT22は、RT21から受信した情報が経路情報であるか否かを判別した上で、RT22自体の識別情報を各経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータにこの経路情報を送信する。すなわち、経路情報は、RT22からRT23,RT24のそれぞれに送信される(A7及びA8)。
【0092】
以下同様に、経路情報を受信したRT24は、RT24自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるAR32に、この経路情報を送信する(A9)。また、経路情報を受信したRT23は、RT23自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるRT25に、この経路情報を送信する(A10)。更に、RT25は、RT25自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるAR33に、この経路情報を送信する(A11)。
【0093】
上記処理の結果、各経路情報は、各経路の終点であるAR32及びAR33に到達する。AR32,33においても、受信された経路情報に自らの識別情報を追記する。そして、AR32は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(A12)。同様に、AR33は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(A13)。これにより、RT21からAR32までの最短経路と、RT21からAR33までの最短経路とが記載された経路情報が制御サーバ1に集約される。
【0094】
ここで、図4は、制御サーバ1に集約された経路情報が格納される経路情報テーブル3の構成例を示す図である。図4に示す様に、経路情報テーブル3には、MN51により使用されるアクセスルータを終点とした最短経路上に存在するルータの識別情報が、経路(経路1,経路2)毎に格納されている。なお、本実施の形態では、簡単の為、ルータの識別情報は、ルータの図面参照符号と同一であるものとする。
【0095】
より具体的には、経路情報テーブル3は、経路1格納領域3aと経路2格納領域3bとを有する。経路1格納領域3aには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第4ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報であるRT21,RT22,RT24,AR32が、その通過順に格納されている。経路2格納領域3bには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第5ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報であるRT21,RT22,RT23,RT25,AR33が、その通過順に格納されている。
【0096】
(経路情報比較ステップ)
次に、制御サーバ1が、経路情報テーブル3を参照して経路情報を比較するステップについて、図5を参照して説明する。図5は、経路情報比較処理を説明するためのフローチャートである。
【0097】
経路情報の比較処理は、1ホップ目すなわち経路情報の始点のルータから開始される。図5のステップS1においては、比較の対象となる経路が2以上存在するか否かが判定される。判定の結果、経路が2以上存在する場合にはステップS2へ移行し、1以下である場合にはステップS7へ移行する。
【0098】
ステップS2では、比較の対象となる経路の数が、直前に比較されたホップにおいて比較対象となっていた経路の数と比べて減少しているか否かが判定される。但し、当該判定は、後述のステップS4における経路の除外による減少分を除いた上で行われる。判定の結果、減少していない場合にはステップS3へ移行し、減少している場合はステップS8へ移行する。
【0099】
ステップS3では、現在比較されているホップにおける各経路上の通過ルータ(RT又はAR)の同一性が判定され、自ルータと同一のルータを通過している経路が他に存在しない経路(以下、「孤立経路」と記す。)が存在するか否かが判定される。判定の結果、孤立経路が存在する場合にはステップS4へ移行し、存在しない場合はステップS6へ移行する。
【0100】
ステップS4では、直前に比較されたホップまでは各経路の通過ルータが同一であり、現在比較されているホップにおいて通過ルータが変わっていることから、各ホップの間に位置するルータがマルチキャストポイントであると判断される。換言すれば、直前に比較されたホップにより各経路が通過したRTあるいはARがマルチキャストポイントとして選択される。また、当該マルチキャストポイントからのデータのマルチキャスト先に関しては、上記孤立経路の最終ホップであるアクセスルータ、及び孤立経路以外の経路の内、任意の何れか1つの経路の最終ホップであるアクセスルータとする。更に、孤立経路が比較の対象の経路から除外され、ステップS5に移行する。
【0101】
ステップS5では、上記孤立経路を比較対象から除外した結果残った比較対象経路の数が2以上存在するか否かが判定される。判定の結果、2以上存在する場合にはステップS6へ移行する。一方、1以下の場合には、それ以上比較を行う必要は無いものと判断し、一連の比較処理により選択された全てのマルチキャストポイントが、経路情報比較ステップにおけるマルチキャストポイントとして選択され、経路情報比較処理が終了する。
【0102】
ステップS6では、比較対象のホップが次ホップに進められ、再びステップS1以降の処理が実行される。
ステップS7においては、直前に比較されたホップにおける各経路上の通過ルータ(これは必然的に各経路間で全て同一となっている。)がマルチキャストポイントとして選択される。該ルータからのマルチキャスト先としては、残っている経路の最終ホップであるアクセスルータが選択される。更に、比較対象の経路数が1つであることから、一連の比較処理により選択された全てのマルチキャストポイントが、経路情報比較ステップにおけるマルチキャストポイントとして選択され、経路情報比較処理が終了する。
【0103】
ステップA8では、直前に比較されたホップに相当する、各経路上の通過ルータ(これは必然的に各経路間で全て同一となっている。)がマルチキャストポイントとして選択される。該ルータからのマルチキャスト先としては、残っている経路の最終ホップに相当するアクセスルータが選択される。更に、比較対象の経路数が2以上存在することから、ステップS3に移行して経路情報比較ステップを続行する。
【0104】
以下、上述した経路情報比較ステップの具体的処理例として、図4に示した経路情報テーブルに基づいてマルチキャストポイントが選択される過程を説明する。
1.経路情報比較ステップは、第1ホップであるRT21から開始される。
2.第1ホップにおける比較経路数は、図2(a)のA5及びA6に示した2経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
3.第1ホップよりも前のホップは存在せず、比較される経路数が直前のホップの経路数と比較して減少していない場合に該当する。したがって、ステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
4.図2(a)に示した経路A5からみると図2(a)に示した経路A6が、経路A6からみると経路A5が、同一のルータであるRT21を通過しており、孤立経路は存在しない。したがって、ステップS6に移行する(図5のステップS3に対応。)。
5.第2ホップに相当するRT22に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
【0105】
6.この場合、比較経路数は、図2(a)のA7及びA8に示した2経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
7.比較経路数は、依然として、第1ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
8.この時点では、図2(a)に示した経路A7からみると経路A8が、経路A8からみると経路A7が、同一のルータであるRT22を通過しており、孤立経路は存在しない。したがって、ステップS6に移行する(図5のステップS3に対応。)。
9.第3ホップに相当するRT24及びRT23に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
【0106】
10.この場合においても、比較経路数は、図2(a)のA9及びA10に示した2経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
11.比較経路数は、依然として、第2ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
12.図2(a)に示した経路A9からみると経路A10が、経路A10からみると経路A9が、共に同一のルータを通過しておらず、孤立経路が出現したことになる。したがって、ステップS4に移行する(図5のステップS3に対応。)。
【0107】
13.直前のホップ(第2ホップ)に相当するRT22がマルチキャストポイントに選択される。また、RT22からのマルチキャスト先は、孤立経路である経路A9の最終ホップであるAR32、及び、他の孤立経路である経路A10の最終ホップであるAR33に決定される。更に、孤立経路である経路A9及び経路A10が比較対象から除外され、ステップS5に移行する(図5のステップS4に対応。)。
14.ステップS4において経路A9及び経路A10が比較対象から除外されており、比較対象の経路数は図2(a)に示した経路A11の一経路、すなわち2以上存在しない場合に該当するため、経路情報比較ステップは終了する。
【0108】
上述した様に、本実施の形態における経路情報比較ステップでは、マルチキャストポイントとしてRT22(図2(b)の斜線を施した中継ルータ)が選択され、このマルチキャストポイントからのマルチキャスト先としてAR32及びAR33が決定される。
【0109】
(指示ステップ)
指示ステップでは、経路情報比較ステップにて選択されたマルチキャストポイントが、決定されたマルチキャスト先にデータをマルチキャストする様に、制御サーバ1が各ルータに対して指示を出す。以下、図2(b)を参照して、指示ステップについて説明する。
【0110】
制御サーバ1は、経路情報比較ステップにて得た情報、及びそれ以前に保持していた情報を基に、マルチキャスト機能の起動及び停止を指示するメッセージの送信先を決定すると共に、マルチキャストポイントに関して保持している情報を更新する。
【0111】
本実施の形態では、MN51がAR33を使用する前に既に使用していたマルチキャストポイントは存在しておらず、制御サーバ1も、これを認識している。このため、マルチキャスト機能の停止を指示するメッセージの送信は必要無く、マルチキャスト機能の起動を指示するメッセージ(以下、「マルチキャスト起動要求」と記す。)をマルチキャストポイント宛に送信すればよいことになる。
【0112】
したがって、制御サーバ1は、マルチキャスト起動要求をRT22宛に送信する(図2(b)の矢印B1)。マルチキャスト起動要求には、マルチキャストされるデータの宛先であるMN51の識別情報、及びマルチキャスト先であるAR32及びAR33の識別情報が含まれている。
【0113】
RT22は、マルチキャスト起動要求を制御サーバ1から受信すると、該マルチキャスト起動要求に含まれている各種情報(例えば、マルチキャスト先の情報)を内蔵キャッシュに保持し、マルチキャスト機能を起動する。すなわち、以後RT22は、MN51宛のデータを受信した場合にはそのデータをコピーし、AR32,33の双方のアクセスルータ宛に送信する。
【0114】
また、制御サーバ1は、マルチキャストポイントに関して保持している情報を更新する。本実施の形態では、MN51に関して以前に使用されていたマルチキャストポイントは存在しない。このため、現時点におけるMN51についてのマルチキャスト関連情報を、「ポイント:RT22,マルチキャスト先:AR32,AR33」に更新し記憶する。
【0115】
ここで、CN11からMN51宛のデータが送出され、RT21を経由してRT22に到達した場合を想定する(図2(b)の矢印B2)。
RT22は、MN51宛のデータを受信すると、内蔵キャッシュに保持されている各種情報(例えば、マルチキャスト先の情報)を参照し、上記データをコピーしてAR32,AR33に向けてマルチキャストする。これにより、データは、AR32,AR33に最短経路で到着する(図2(b)の矢印B3,B4)。
【0116】
以上説明した様に、第1の実施形態における移動通信システム100では、複数の中継ルータRT21〜25の中から、RT22をマルチキャストポイントとして選択する。これにより、データは、送信先のアクセスルータAR32,AR33に到達するまでに、冗長部分の無い最適な経路を通ってマルチキャストされる。MN51は、複数のアクセスルータ(AR32,AR33)を同時に使用して所望のデータを受信することにより(図2(b)の矢印B5,B6)、マルチパスハンドオーバの利得を得ることができる。
【0117】
次に、図6(a)は、図2(b)に示した状態から、MN51が、AR32,33に加えてAR34を更に使用してデータ受信を行う状態に移行する時のマルチキャストポイント選択の様子を示す図である。すなわち、MN51は、AR34の使用を追加する前には、CN11からMN51宛のデータは、RT22においてAR32,33にマルチキャストされ、図2(b)の矢印B2〜B6に示す経路でルーチングされている。ここで、MN51がAR34から電波を受信することも可能になり、AR34を新規に使用するマルチパスハンドオーバ状態になると、以下に説明する様なマルチキャストポイントの選択が行われる。
【0118】
(経路情報取得ステップ)
まず、制御サーバ1が経路情報を取得するまでのステップについて説明する。MN51は、使用するアクセスルータにAR34が追加されたことに伴うアクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR34)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR32,33,34)の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報を送信する(C1参照)。
【0119】
AR34は、C1においてMN51から送信された識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理が起動された旨を制御サーバ1に通知する。当該通知は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報、及びAR32,AR33,AR34,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(C2)。
【0120】
制御サーバ1は、C2においてAR34から送信された識別情報を受信すると、マルチキャストポイント選択処理が起動されたことを認識し、各アクセスルータ(AR32,AR33,AR34)からの経路情報の送信を待機する。
【0121】
C3では、AR34は、C1で受信されたCN11の識別情報を参照して、CN11に向けて経路情報要求を送信する。この経路情報要求には、データ送信先の移動端末であるMN51の識別情報と、経路情報の送信先であるAR32,33,34の識別情報とが含まれている。なお、この送信処理は、C2の通知処理の終了を待って実行されてもよいし、C2の通知処理と並行して実行されてもよい。
【0122】
経路情報要求はCN11宛にルーチングされるが、RT21は、経路情報要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、経路情報要求がRT21に到達した時点で、経路情報要求を終端する(C4)。
【0123】
次いで、RT21は、C3で受信されたAR32,33,34の識別情報を参照して、AR32,33,34の全てに向けて経路情報を送信する。この経路情報には、データの送信元であるCN11の識別情報と、データの宛先であるMN51の識別情報と、RT21自体の識別情報とが含まれている。各経路情報は、送信先のアクセスルータに到達するための最短経路を採るようにルーチングされる。
【0124】
本実施の形態では、各経路情報は、先ずRT22に送信される(C5、C6、及びC7)。RT22は、RT21から受信した情報が経路情報であるか否かを判別した上で、RT22自体の識別情報を各経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータにこの経路情報を送信する。すなわち、RT22から送信された経路情報は、RT24を経由してAR32に到達し(C8)、RT23及びRT25を経由してAR33,AR34のそれぞれに到達する(C9及びC10)。
【0125】
具体的には、経路情報を受信したRT24は、RT24自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるAR32に、この経路情報を送信する(C8)。また、経路情報を受信したRT23は、RT23自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるRT25に、この経路情報を送信する。更に、RT25は、RT25自体の識別情報を経路情報に追記して、AR33までの最短経路上の次なるルータであるAR33に、この経路情報を送信する(C9)。同様に、RT25は、RT25自体の識別情報を経路情報に追記して、AR34までの最短経路上の次なるルータであるAR34に、この経路情報を送信する(C10)。
【0126】
上記処理の結果、各経路情報は、各経路の終点であるAR32〜AR34に到達する。AR32〜AR34においても、受信された経路情報に自らの識別情報を追記する。そして、AR32は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(C11)。同様に、AR33は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(C12)。同様に、AR34は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(C13)。これらの送信処理を経て、RT21からAR32までの最短経路と、RT21からAR33までの最短経路と、RT21からAR34までの最短経路とが記載された経路情報が制御サーバ1に集約される。
【0127】
ここで、図7は、制御サーバ1に集約された経路情報が経路情報テーブル3に格納された状態を示す図である。図7に示す様に、経路情報テーブル3には、MN51により使用されるアクセスルータを終点とした最短経路上に存在するルータの識別情報が、第1〜第5ホップとして経路別に格納されている。なお、本実施の形態では、簡単の為、ルータの識別情報は、ルータの図面参照符号と同一であるものとする。
【0128】
詳細には、経路情報テーブル3は、経路1格納領域3aと経路2格納領域3bとに加えて、経路3格納領域3cを有する。経路1格納領域3aには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第4ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報として、“RT21,RT22,RT24,AR32”が、その通過順に格納されている。経路2格納領域3bには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第5ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報として、“RT21,RT22,RT23,RT25,AR33”が、その通過順に格納されている。更に、経路3格納領域3cには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第5ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報として、“RT21,RT22,RT23,RT25,AR34”が、その通過順に格納されている。
【0129】
(経路情報比較ステップ)
次に、制御サーバ1が、経路情報テーブル3を参照して経路情報を比較するステップについて説明する。なお、本ステップにて実行される経路情報比較処理は、図5のフローチャートを参照して説明した経路情報比較処理と同一である。したがって、その説明は省略すると共に、以下、経路情報比較ステップの具体的処理例として、図7に示した経路情報テーブルに基づいてマルチキャストポイントが選択される過程を説明する。
【0130】
1.経路情報比較ステップは、第1ホップとしてのRT21から開始される。2.第1ホップにおける比較経路数は、図6(a)のC5〜C7に示した3経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
3.第1ホップよりも前のホップは存在せず、比較される経路数が直前のホップの経路数と比較して減少していない場合に該当する。したがって、ステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
4.図6(a)のC5〜C7は、何れも、同一のルータであるRT21を通過しており、孤立経路は存在しない。したがって、ステップS6に移行する(図5のステップS3に対応。)。
5.第2ホップであるRT22に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
【0131】
6.この場合、比較経路数は、図6(a)のC8〜C10に示した3経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
7.比較経路数は、依然として、第1ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
8.この時点では、図6(a)のC8〜C10は、何れも、同一のルータであるRT22を通過しており、孤立経路は存在しない。したがって、ステップS6に移行する(図5のステップS3に対応。)。
9.第3ホップであるRT24及びRT23に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
【0132】
10.この場合においても、比較経路数は、C8〜C10に示す3経路であるので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
11.比較経路数は、依然として、第2ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
12.この時点で、経路C8は、経路C9及びC10と同一のルータを通過しておらず、孤立経路(図7の経路1)が出現したことになる。したがって、ステップS4に移行する(図5のステップS3に対応。)。
【0133】
13.直前のホップ(第2ホップ)であるRT22がマルチキャストポイントに選択される。また、RT22からのマルチキャスト先は、孤立経路である経路C8の最終ホップに相当するAR32、及び、それ以外の経路の内の任意の一経路の最終ホップ(例えばAR33)に決定される。更に、孤立経路である経路C8が比較対象から除外され、ステップS5に移行する(図5のステップS4に対応。)。
14.ステップS4において経路C8が比較対象から除外されたが、比較対象の経路数は、依然として経路C9,C10の2経路、すなわち2以上存在する場合に該当する。したがって、再びステップS6に移行する(図5のステップS5に対応。)。
【0134】
15.第4ホップに相当するRT25に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
16.比較経路数は、図6(a)のC9及びC10に示した2経路存在するので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
17.比較経路数は、孤立経路の除外に起因する減少分を除いては、依然として、第3ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
18.経路C9からみると経路C10が、経路C10からみると経路C9が、同一のルータであるRT25を通過しており、孤立経路は存在しない。したがって、ステップS6に移行する(図5のステップS3に対応。)。
19.第5ホップに相当するAR33及びAR34に移り、ステップS1に移行する(図5のステップS6に対応。)。
【0135】
20.この場合、比較経路数は、経路C9及び経路C10に示した2経路存在するので、ステップS2に移行する(図5のステップS1に対応。)。
21.比較経路数は、依然として、第4ホップにおける比較経路数と変化が無い、つまり減少していないのでステップS3に移行する(図5のステップS2に対応。)。
22.この時点で、各経路C9,C10はそれぞれ孤立経路となる。したがって、ステップS4に移行する(図5のステップS3に対応。)。
【0136】
23.直前のホップ(第4ホップ)であるRT25がマルチキャストポイントに選択される。また、RT25からのマルチキャスト先は、孤立経路である経路C9の最終ホップに相当するAR33、及び孤立経路である経路C10の最終ホップに相当するAR34に決定される。更に、孤立経路である経路C9及び経路C10が比較対象から除外され、ステップS5に移行する(図5のステップS4に対応。)。
24.ステップS4において経路C9及び経路C10が比較対象から除外されており、比較対象の経路は無い、すなわち2以上存在しない場合に該当するため、経路情報比較ステップは終了する。
【0137】
上述した様に、本実施の形態における経路情報比較ステップでは、マルチキャストポイントとしてRT22とRT25とが選択される(図6(b)の斜線を施した中継ルータ)。また、RT22からのマルチキャスト先としてAR32,AR33が決定され、RT25からのマルチキャスト先としてAR33,AR34が決定される。
【0138】
(指示ステップ)
指示ステップでは、経路情報比較ステップにて選択されたマルチキャストポイントが、決定されたマルチキャスト先にデータをマルチキャストする様に、制御サーバ1が各ルータ(RT又はAR)に対して指示を出す。以下、図6(b)を参照して、指示ステップについて説明する。
【0139】
制御サーバ1は、経路情報比較ステップにて得た情報、及びそれ以前に既に保持していた情報を基に、マルチキャスト機能の起動及び停止を指示するメッセージの送信先を決定すると共に、マルチキャストポイントに関して保持している情報を更新する。
【0140】
ここで、MN51がAR34を使用する前に既に使用していたマルチキャストポイントはRT22であり、RT22のマルチキャスト先はAR32及びAR33である。これらの情報は、制御サーバ1に保持されており、前記経路情報比較ステップにて決定された最新のマルチキャストポイントの1つと、そのマルチキャスト先も含めて同一である。
【0141】
このため、制御サーバ1は、RT22に対して、マルチキャスト機能を停止するメッセージ(以下、「マルチキャスト停止要求」と記す。)を送信する必要は無い。なお、新たなマルチキャスト起動要求は、送信されてもよいし(図6(b)の矢印D1)、されなくてもよい。送信されない場合であっても、RT22は、マルチキャスト停止要求を受信しない限り、マルチキャスト機能を継続する。
【0142】
続いて、制御サーバ1は、新規のマルチキャストポイントであるRT25宛にマルチキャスト起動要求を送信する(図6(b)の矢印D2)。当該マルチキャスト起動要求には、マルチキャストされるデータの宛先であるMN51の識別情報、及びマルチキャスト先であるAR33及びAR34の識別情報が含まれている。
【0143】
RT25は、マルチキャスト起動要求を制御サーバ1から受信すると、当該マルチキャスト起動要求に含まれている各種情報(例えば、マルチキャスト先の情報)を内蔵キャッシュに保持した後、マルチキャスト機能を起動する。
【0144】
また、制御サーバ1は、マルチキャストポイントに関して保持している情報を更新する。すなわち、制御サーバ1は、現時点におけるMN51についてのマルチキャスト関連情報を、「ポイント:RT22,マルチキャスト先:AR32,AR33」及び「ポイント:RT25,マルチキャスト先:AR33,AR34」に更新して記憶する。
【0145】
ここで、CN11からMN51宛のデータが送出され、RT21を経由してRT22に到達した場合を想定する(図6(b)の矢印D3)。
RT22は、MN51宛のデータを受信すると、内蔵キャッシュに保持されている各種情報(例えば、マルチキャスト先の情報)を参照し、上記データをコピーしてAR32,AR33に向けてマルチキャストする。これにより、AR32宛のデータは、RT24を通過して最短経路でAR32に到着する(図6(b)の矢印D4)。一方、AR33宛のデータは、RT23を通過して最短経路でAR33に向かうが、途中でRT25を経由する(図6(b)の矢印D5)。
【0146】
RT23経由のデータを受信したRT25は、内蔵キャッシュに保持されているマルチキャスト先の情報を参照し、上記データをコピーしてAR33,AR34に向けてマルチキャストする。これにより、各データは、RT25から最短経路でAR33及びAR34に到着する(図6(b)の矢印D6,D7)。
【0147】
以上説明した様に、第1の実施形態における移動通信システム100では、移動端末により使用されるアクセスルータが増加した場合であっても、複数の中継ルータRT21〜25の中から、最適なマルチキャストポイントとしてRT22,RT25が選択される。これにより、データは、送信先のアクセスルータAR32,AR33,AR34に到達するまでに、冗長部分の無い最適な経路を通ってマルチキャストされる。MN51は、複数のアクセスルータ(AR32〜AR34)を同時に使用して所望のデータを受信することにより、マルチパスハンドオーバの利得を得ることができる(図6(b)の矢印D8,D9,D10)。
【0148】
次に、図8(a)は、図6(b)に示した状態において、AR32の使用をMN51が中止する時のマルチキャストポイント選択の様子を示す図である。すなわち、MN51は、AR32の使用を中止する前には、CN11からMN51宛のデータは、RT22及びRT25においてAR32,33,34宛にマルチキャストされ、図6(b)の矢印D3〜D10に示す経路でルーチングされている。ここで、MN51とAR32との間における電波状態が悪化する等の要因により、MN51がAR32の使用を中止して、AR33,AR34のみを使用するマルチパスハンドオーバ状態になると、以下に説明する様なマルチキャストポイント選択が開始される。
【0149】
(経路情報取得ステップ)
まず、制御サーバ1が経路情報を取得するまでのステップについて説明する。E1では、MN51は、AR32の使用を中止する。なお、この中止処理は、経路情報取得ステップの最初に実行されてもよいし、新たなマルチキャストポイントが選択された後に実行されてもよい。
【0150】
MN51は、AR32の使用が中止されたことに伴うアクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR34)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR33,34)の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報を送信する(E2参照)。
【0151】
AR34は、E1においてMN51から送信された識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理が起動された旨を制御サーバ1に通知する。かかる通知処理は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報、及びAR33,AR34,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(E3)。
【0152】
制御サーバ1は、E3においてAR34から送信された識別情報を受信すると、マルチキャストポイント選択処理が起動されたことを認識し、各アクセスルータ(AR33,AR34)からの経路情報の送信を待機する。
【0153】
E4では、AR34は、E2で受信されたCN11の識別情報を参照して、CN11に向けて経路情報要求を送信する。この経路情報要求には、データ送信先の移動端末であるMN51の識別情報と、経路情報の送信先であるAR33,34の識別情報とが含まれている。なお、この送信処理は、E3の通知処理の終了を待って実行されてもよいし、E3の通知処理と並行して実行されてもよい。
【0154】
経路情報要求はCN11宛にルーチングされるが、RT21は、経路情報要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、経路情報要求がRT21に到達した時点で、経路情報要求を終端する(E5)。
【0155】
次いで、RT21は、E4で受信されたAR33,34の識別情報を参照して、AR33,34の双方に向けて経路情報を送信する。この経路情報には、データの送信元であるCN11の識別情報と、データの宛先であるMN51の識別情報と、RT21自体の識別情報とが含まれている。各経路情報は、送信先のアクセスルータに到達するための最短経路をとる様にルーチングされる。
【0156】
本実施の形態では、各経路情報は、先ずRT22に送信される(E6、及びE7)。RT22は、RT21から受信した情報が経路情報であるか否かを判別した上で、RT22自体の識別情報を各経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータに対して、この経路情報を送信する。すなわち、RT22から送信された経路情報は、RT23及びRT25を経由して、AR33,AR34のそれぞれに到達する(E8及びE9)。
【0157】
具体的には、経路情報を受信したRT23は、RT23自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるRT25に、この経路情報を送信する。また、経路情報を受信したRT25は、RT25自体の識別情報を経路情報に追記して、最短経路上の次なるルータであるAR33に、この経路情報を送信する(E8)。同様に、RT25は、RT25自体の識別情報を経路情報に追記して、AR34までの最短経路上の次なるルータであるAR34に、この経路情報を送信する(E9)。
【0158】
上記処理の結果、各経路情報は、各経路の終点であるAR33,AR34に到達する。AR33,AR34においても、受信された経路情報に自らの識別情報を追記する。そして、AR33は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(E10)。同様に、AR34は、完成した経路情報を制御サーバ1宛に送信する(E11)。これにより、RT21からAR33までの最短経路と、RT21からAR34までの最短経路とが記載された経路情報が制御サーバ1に集約される。
【0159】
ここで、図9は、制御サーバ1に集約された経路情報が経路情報テーブル3に格納された状態を示す図である。図9に示す様に、経路情報テーブル3には、MN51により使用されるアクセスルータを終点とした最短経路上に存在するルータの識別情報が、第1〜第5ホップとして経路別に格納されている。
【0160】
詳細には、経路情報テーブル3は、経路1格納領域3bと経路2格納領域3cとを有する。経路1格納領域3bには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第5ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報として、“RT21,RT22,RT23,RT25,AR33”が、その通過順に格納されている。経路2格納領域3cには、第1ホップ(始点)から終点ホップ(第5ホップ)に至るまでに通過するルータの識別情報である“RT21,RT22,RT23,RT25,AR34”が、その通過順に格納されている。
【0161】
(経路情報比較ステップ)
次に、制御サーバ1が、経路情報テーブル3を参照して経路情報を比較するステップについて説明する。なお、本ステップにて実行される経路情報比較処理は、図5のフローチャートを参照して説明した経路情報比較処理と同一であるので、その詳細な説明は省略するが、この経路情報比較ステップでは、マルチキャストポイントとしてRT25(図8(b)の斜線を施した中継ルータ)が選択される。また、RT25からのマルチキャスト先としてAR33,AR34が決定される。
【0162】
(指示ステップ)
指示ステップでは、経路情報比較ステップにて選択されたマルチキャストポイントが、決定されたマルチキャスト先にデータをマルチキャストする様に、制御サーバ1が各ルータに対して指示を出す。以下、図8(b)を参照して、指示ステップについて説明する。
【0163】
前提として、AR32の使用を中止する以前のマルチキャストポイントであるRT22に関しては、今回のマルチキャストポイントから除外されるので、制御サーバ1は、RT22に対して、マルチキャスト停止要求を送信する(図8(b)の矢印F1)。このマルチキャスト停止要求には、マルチキャストされるデータの宛先であるMN51の識別情報が含まれている。
【0164】
RT22は、マルチキャスト停止要求を制御サーバ1から受信すると、MN51に関するマルチキャスト機能を停止し、内蔵キャッシュに保持していた情報を消去する。
【0165】
RT25は、AR32の使用をMN51が中止する以前から継続してマルチキャストポイントとして動作しており、かつ、マルチキャスト先も変化していない。このため、制御サーバ1は、RT25に対して、マルチキャスト停止要求を送信する必要は無い。なお、新たなマルチキャスト起動要求は、送信されてもよいし(図8(b)の矢印F2)、送信されなくてもよい。送信されない場合であっても、RT25は、マルチキャスト停止要求を受信しない限り、マルチキャスト機能を継続する。
【0166】
また、制御サーバ1は、マルチキャストポイントに関して保持している情報を更新する。すなわち、制御サーバ1は、現時点におけるMN51についてのマルチキャスト関連情報を、「ポイント:RT25,マルチキャスト先:AR33,AR34」に更新して記憶する。
【0167】
CN11からMN51宛に送出されたデータは、RT21,RT22,RT23を順次経由してRT25に到達する(図8(b)の矢印F3)。
RT25は、MN51宛のデータを受信すると、内蔵キャッシュに保持されているマルチキャスト先の情報を参照して、上記データをコピーしてAR33,AR34に向けてマルチキャストする。これにより、AR33宛のデータは、RT25から最短経路でAR33に到達する(図8(b)の矢印F4)。一方、AR34宛のデータは、RT25から最短経路でAR34に到達する(図8(b)の矢印F5)。
【0168】
以上説明した様に、第1の実施形態における移動通信システム100では、移動端末により使用されるアクセスルータが減少した場合であっても、複数の中継ルータRT21〜25の中から、最適なマルチキャストポイントとしてRT25を選択する。したがって、データは、送信先のアクセスルータAR33,AR34に到達するまでに、冗長部分の無い最適な経路を通ってマルチキャストされる。MN51は、複数のアクセスルータ(AR33,AR34)を同時に使用して、所望のデータを受信することによりマルチパスハンドオーバの利得を得ることができる(図8(b)の矢印F6,F7)。
【0169】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態では、通信相手端末としてのCN11が、移動端末としてのMN51と同一のネットワーク(自網)の中継ルータRT21に接続されている場合を想定した。これに対して、本実施の形態では、CN11が、MN51とは異なるネットワーク(以下、「他網」と記す。)のルータに接続されている場合を想定する。
【0170】
図10は、CN11が他網のルータに接続されている場合におけるマルチキャストポイント選択の一行程を示す図である。本実施の形態における移動通信システムの要部構成は、図2(a)を参照して説明した移動通信システム100の構成と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付すと共に、その構成の図示及び詳細な説明は省略する。制御サーバの要部構成に関しても同様に、図3を参照して説明した制御サーバ1の構成と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付すと共に、その構成の図示及び詳細な説明は省略する。
【0171】
以下、第2の実施形態の移動通信システム200における移動通信システム100との差異について詳説する。図10に示す様に、CN11は他網を構成するルータ網Rに接続しており、RT21は自網と他網とを接続する自網側のゲートウェイルータの内の1つである。移動通信システム200は、CN11に直接接続されるルータではなく、自網の最終通過点に位置するルータ(RT21)が経路情報要求を終端し、その結果、経路情報の送信元となるルータが変化する点においてのみ、移動通信システム100と異なる。
【0172】
本実施の形態では、MN51がAR32及びAR33を使用して、他網に存在するCN11と通信を行っている際に、AR34の使用を追加する場合を例に採る。まず、図6(a)のC1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR34が追加されたことをMN51が検知すると、現在使用中のAR32,AR33,AR34の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報がMN51からAR34に送信される。
【0173】
その後、AR34からCN11宛に経路情報要求が送信されるが、経路情報要求が自網から他網に送信される場合、自網内の最終通過点となるルータ(RT21)、すなわち自網と他網とを接続する自網側のゲートウェイルータがこの経路情報要求を終端する。なお、ゲートウェイルータが複数存在する場合には、複数のゲートウェイルータの中でも、MN51とCN11とを結ぶ最短経路上に位置するルータ、すなわち経路情報要求がCN11まで最短経路でルーチングされる際にその経路上にあるゲートウェイルータが、経路情報要求を終端することになる。
【0174】
より詳細には、本実施の形態では、経路情報要求は、図10の矢印G1に示す経路でルーチングされた後、MN51からCN11への最短経路上に存在するゲートウェイルータであるRT21により終端される(G2参照)。以降、RT21は各AR32,33,34宛に経路情報を送信し、上述した経路情報取得ステップ、経路情報比較ステップ、及び指示ステップが実行される。
【0175】
その結果、マルチキャストポイントとしてRT22とRT25とが選択される(図10の斜線を施した中継ルータ)。また、RT22からのマルチキャスト先としてAR32,AR33が決定され、RT25からのマルチキャスト先としてAR33,AR34が決定される。この様に、本発明に係るマルチキャストポイントの動的制御は、相互に異なる網に接続された端末間においても適用可能である。
【0176】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1及び第2の実施形態では、通信相手端末としてのCN11は固定端末であったが、本実施の形態では、CN11が、MN51と同一のネットワーク(自網)内に存在する移動端末である場合、つまり移動端末同士でデータを送受信する場合を想定する。
【0177】
図11(a)は、移動端末としてのCN11が自網のルータに接続されている場合におけるマルチキャストポイント選択の一行程を示す図である。本実施の形態における移動通信システムの要部構成は、図2(a)を参照して説明した移動通信システム100の構成と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付すと共に、その構成の図示及び詳細な説明は省略する。制御サーバの要部構成に関しても同様に、図3を参照して説明した制御サーバ1の構成と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付すと共に、その構成の図示及び詳細な説明は省略する。
【0178】
以下、第3の実施形態の移動通信システム300における移動通信システム100との差異について詳説する。本実施の形態では、MN51及びCN11は、通信開始当初にはそれぞれAR31及びAR34のみ使用しており、CN11が2つ目のアクセスルータの使用を追加する前(あるいは、CN11がマルチパスハンドオーバに対応していない場合)に、MN51がAR32の使用を追加(H1参照)する場合を例に採る。
【0179】
まず、図6(a)のC1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR32が追加されたことをMN51が検知すると、現在使用中のAR31,AR32の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報がMN51からAR32に送信される。その後、経路情報要求が、図11(a)の矢印H2に示す経路を通ってAR32からCN11宛に送信され、CN11に接続されているAR34に到達した時点で、AR34により終端される(H3参照)。
【0180】
以降、AR34は各AR31,32宛に経路情報を送信し、上述した経路情報取得ステップ、経路情報比較ステップ、及び指示ステップが実行される。その結果、マルチキャストポイントとしてRT24が選択される(図11(a)の斜線を施したルータ)。また、RT24からのマルチキャスト先としてAR31,AR32が決定される。この様に、本発明に係るマルチキャストポイントの動的制御は、同一の網に接続された複数の移動端末間においても適用可能である。
【0181】
次に、図11(b)は、図11(a)に示した状態から、CN11がAR33の使用を追加(J1参照)した時のマルチキャストポイント選択の様子を示す図である。まず、図6(a)のC1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR33が追加されたことをCN11が検知すると、現在使用中のAR33,AR34の識別情報、及び現在通信中のMN51の識別情報がCN11からAR33に送信される。その後、経路情報要求は、図11(b)の矢印J2に示す経路を通ってAR33からMN51宛に送信される。
【0182】
この時点で、MN51からCN11宛にデータを送信する際のマルチキャストポイントとしては、RT24が既に選択されている。このため、経路情報要求自体が、MN51宛のデータと同様に、AR31,AR32の双方に送信されることになり、データの送信制御が複雑になってしまうことが懸念される。そこで、経路情報要求が、その宛先であるMN51にとってのマルチキャストポイントであるRT24で終端される様にすれば(J3参照)、経路情報はRT24のみから送信されることになり、かかる懸念は解消される。
【0183】
以降、RT24は各AR33,34宛に経路情報を送信し、上述した経路情報取得ステップ、経路情報比較ステップ、及び指示ステップが実行される。その結果、MN51からCN11宛のデータのマルチキャストポイントとしてRT25が選択される(図11(b)の斜線を施したルータ)。また、RT25からのマルチキャスト先としてAR33,AR34が決定される。
【0184】
以上説明した様に、移動通信システム300では、移動端末が自網内の他の移動端末とデータの送受信を行う際に、データの送信先である移動端末のマルチキャストポイントにて経路情報要求が終端される。これにより、マルチパスハンドオーバ状態にあり、かつ、マルチキャストポイントが既に選択されている移動端末との通信においても、本発明に係るマルチキャストポイントの動的制御を適用可能となる。
【0185】
なお、上述した第1〜第3の実施形態に記載の態様は、本発明に係る移動通信システムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、第1〜第3の実施形態では、制御サーバは、ルータ等の他のノードとは独立した構成要素としたが、制御サーバ1の機能を任意のノードが有するものとしてもよい。具体的には、マルチキャストポイント選択処理の起動を目的として移動端末が最初に情報を送信したアクセスルータにおいて、サーバ機能を実現する。更に、経路情報要求を終端したルータ(RT又はAR)、換言すれば経路情報の送信元であるルータが、サーバ機能を実現する。
【0186】
また、第1〜第3の実施形態では、経路情報は、アクセスルータからの経路情報要求を契機として送信されるものとした。しかし、例えば、以下に説明する手順に従って、経路情報の送信が開始されるものとしてもよい。すなわち、移動端末が、制御サーバ1又は網内の別のサーバ(以下、纏めて「サーバ」と記す。)に対して経路情報要求を送信する。続いて、経路情報要求を受信したサーバが、網のトポロジを管理し、通信相手端末が接続するルータを判別する。そして、当該サーバが、通信相手端末との接続が判別されたルータに対して経路情報の送信を指示する。
【0187】
更に、通信相手端末が同時に複数存在する場合には、移動端末は、これら全ての通信相手端末の識別情報をアクセスルータに通知する。その後、移動通信システムは、各通信相手端末に関して独立に、上述した経路情報取得ステップ、経路情報比較ステップ、及び指示ステップを実行する。これにより、複数の通信相手端末に関しても、各通信相手端末毎に最適なマルチキャストポイントを選択することが可能となる。
【0188】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1〜第3の実施形態では、制御サーバ1は、ルータからアクセスルータまでの最短経路が記載された経路情報を実際に受信することにより経路情報を取得するものとした。しかしながら、これらの形態では、MN51によるハンドオーバの回数が増加するのに伴い、移動通信システム内における経路情報の送受信回数が増加し、ネットワークに多少の負荷が掛かることが懸念される。そこで、本実施の形態では、制御サーバ1は、ルーチングプロトコルの1つであるOSPF(Open Shortest Path First)により作成されるリンクステートデータベース(以下、「LSDB」:Link State Data Baseと記す。)に格納されている情報を使用することで、経路情報を受信することなく経路情報を取得する。
【0189】
ここで、LSDBとは、OSPFによって作成されているグラフ構造を有するデータベースであり、管理エリア内におけるルータの接続関係及びリンクにデータを送出する際のコストが記載されている。定常状態においては、任意の管理エリア内の全てのルータがその管理エリアに関する同一のLSDBを有する。例えば、エリア0に存在する全てのルータRT21〜25は、エリア0のLSDBを保持しており、その内容は全て同一である。したがって、ある管理エリアのLSDB内の情報(以下、「LSDB情報」と記す。)の取得が必要である場合、その管理エリアに属する任意の1つのルータからLSDB情報を取得すればよい。
【0190】
図12は、自網内のルータにCN11が接続している場合に適用される経路情報取得ステップの様子を示した図である。移動通信システム400においては、ルーチングプロトコルとしてOSPFが使用されており、その管理エリアは、図12に示すように、エリア0(バックボーンエリア)、エリア1、及びエリア2の3つの管理エリアに分割されている。
【0191】
MN51は、CN11との通信開始時には、アクセスルータとしてAR32のみ使用しており、CN11からMN51宛に送信されたデータは、矢印Y2に示す様な最適経路でルーチングされている。AR32は、MN51による通信開始当初に使用されたアクセスルータであるため、移動通信システム400は、マルチキャストポイントの選択処理を必ずしも実行しなくてもよい。なお、仮に実行された場合であっても、MN51が使用するアクセスルータはAR32のみであるため、マルチキャストポイントは選択されない。
【0192】
続いて、MN51によるAR33からの電波受信も可能になると、MN51が使用するアクセスルータは2つになるので、マルチキャストポイントの選択が行われる。
【0193】
制御サーバ1の機能的構成は図3に示した構成と同様であるが、本実施の形態では、経路情報取得部2は、第1の実施の形態とは異なる機能を有する。すなわち、経路情報取得部2は、エリア0、エリア1、エリア2の各管理エリア内に存在するルータ(例えば、RT23、AR32、及びAR33)から各管理エリアのLSDB情報を取得し、該情報を基に最短ホップツリーを生成し、そのツリーから所望の経路情報を取得して、経路情報テーブル3に格納する。本実施の形態における制御サーバ1の他の構成部分に関しては、第1の実施の形態における構成部分と機能を同一とするので、その説明は省略する。
【0194】
以下、MN51がAR32,33を同時に使用してデータの送受信を行う状態(マルチパスハンドオーバ状態)に移行するときのマルチキャストポイント選択の様子を説明する。
【0195】
(経路情報取得ステップ)
まず、制御サーバ1が経路情報を取得するまでのステップについて、図12を参照して説明する。MN51は、使用するアクセスルータにAR33が追加されたことに伴い、アクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR33)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR32,AR33)の識別情報及び現在通信中の通信相手端末(CN11)の識別情報を送信する(K1参照)。ここで、通信相手端末の識別情報とは、例えば、通信相手端末のIPアドレス等である。
【0196】
AR33は、K1においてMN51から送信されたAR32,AR33,CN11の識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理の起動要求を制御サーバ1に行う。当該要求は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報(例えばIPアドレス)、及びAR32,AR33,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(K2)。
【0197】
制御サーバ1は、K2の起動要求を受信すると、マルチキャストポイント選択処理を起動する。その最初のステップとして、まず経路情報取得ステップが実行される。経路情報取得ステップにおいて実行される具体的処理を説明するためのフローチャートを図13に示す。
【0198】
経路情報取得ステップは、マルチキャストポイント選択処理の起動要求を受信した時点で開始される。図13のステップS41では、制御サーバ1は、通信相手端末CN11が接続するルータ(本実施の形態の場合にはRT21)からの始点探索応答を待機し、経路情報取得部2により、各管理エリア0,1,2に属する任意のルータから、その管理エリアに対応したLSDB情報を取得する。
【0199】
ステップS42では、制御サーバ1は、必要に応じて、ステップS41で取得された各管理エリアのLSDB情報に関して、記入されているコスト値を全て0より大きい同一の値に変更したLSDB情報を作成する。コストが記入されていない部分に関しては変更しない。ここで、「必要に応じて」の必要とは、制御サーバ1が「最短ホップ経路」の情報を必要とする場合を指す。コスト値を変更せずに以降の処理を進めれば、制御サーバ1は、「OSPFによって生成される最適な(コストが最小の)経路」の情報を得ることができる。このように、制御サーバ1が必要とする経路情報の内容によって、コスト値を変更してもよいし、変更しなくてもよい。
【0200】
ステップS43では、経路情報取得部2により、始点探索応答を受信しているか否かが判定される。当該判定の結果、受信していない場合にはステップS44へ移行し、受信している場合にはステップS45に移行する。ステップS44では、制御サーバ1は、始点探索応答を受信するまで待機し、受信するとステップS45に移行する。
【0201】
ステップS45においては、制御サーバ1は、経路情報取得部2により、S1で取得されたLSDB情報自体、あるいはS2で作成されたLSDB情報に関して、上記始点探索応答から判明した始点から見た最短ホップツリーを、周知慣用のDijkstraのアルゴリズムを用いて生成する。
【0202】
前述のように、コスト値を全て同一の値としたLSDB情報にDijkstraのアルゴリズムを適用することにより、元のコスト値に関係なくホップ数が純粋に最短のツリーを生成することができる。これに対して、コスト値を変更していないオリジナルのLSDB情報にDijkstraのアルゴリズムを適用すれば、「OSPFによる最適経路」のツリーを生成することができる。始点から終点までの経路が管理エリアを跨る場合には、制御サーバ1は、始点から管理エリアの境界まで、管理エリアの境界から管理エリアの境界まで、管理エリアの境界から終点まで等の最短ホップツリーを一旦生成し、これらのツリーをつなぎ合わせることにより、始点から各終点までの経路を含む最短ホップツリーを生成する。
【0203】
ステップS46では、制御サーバ1は、経路情報取得部2により、ステップS45で最終的に生成された最短ホップツリー(最適経路ツリー)を参照し、始点から各終点までの経路を取得する。これら各経路は、最短ホップ経路(最適経路)であり、制御サーバ1が必要とする経路情報である。
【0204】
以下、上述した経路情報取得ステップの具体的な処理例として、図12を参照して、K2に示した識別情報の通知を制御サーバ1が受信した時点から続けて説明する。ここで、本実施の形態では、制御サーバ1が必要とする経路情報は「最短ホップ経路」の情報であるものとする。
【0205】
マルチキャストポイント選択処理を起動した制御サーバ1は、CN11の接続するルータ(本実施形態ではRT21)からの始点探索応答の送信を待機し、各管理エリアのLSDBに格納されている情報(LSDB情報)を取得する。すなわち、制御サーバ1は、エリア0のLSDB情報をRT23から(K3)、エリア1のLSDB情報をAR32から(K4)、エリア2のLSDB情報をAR34から(K5)、各ルータに対するLSDB情報送信要求の応答として受信する(図13のS41)。
【0206】
なお、本実施形態においては、制御サーバ1は、全ての管理エリアのLSDB情報を取得するものとしたが、不要な管理エリアのLSDB情報は取得しなくてもよい。
また、制御サーバ1が各LSDB情報を取得する処理は、始点探索応答の受信を待って開始されるものとしてもよい。例えば、始点探索応答によって通知された始点のルータ(RT21)と、K2で通知された終点のルータ(AR33)との関係から、今回のマルチキャストポイント選択に関連しない(始点終点間の最短経路が通過しない。)と判断された管理エリアのLSDB情報を取得しない、という制御を行ってもよい。
【0207】
本実施の形態においては、具体的には、エリア0のLSDBは図14(a)、エリア1のLSDBは図14(b)、エリア2のLSDBは図14(c)のようになっており、接続関係にある項目にのみ値(X1〜X19)が記入されている。X1〜X19の値は、対応する経路及び方向にあらかじめ設定されているコスト値である。制御サーバ1は、S1において、この情報をLSDB情報として取得している。
【0208】
次のステップS42では、制御サーバ1は、ステップS41で取得されたLSDB情報のX1〜X19のコスト値を全て0より大きい同一の値(本実施の形態では“1”)に変更したLSDB情報を作成する。ステップS42で作成された各管理エリア0,1,2のLSDB情報を、それぞれ図15(a),図15(b),図15(c)に示す。なお、このとき、各ルータのLSDBに元々値が記入されていなかった項目(図14に示したX1〜X19以外の項目)に関しては変更はない。
【0209】
一方、MN51からK1の識別情報を受信していたAR33は、制御サーバ1にK2の起動要求を送信すると同時に若しくはその前後に、K1で通知された通信相手であるCN11宛に始点探索要求を送信する(K6)。この始点探索要求には、CN11からのデータ送信先の移動端末であるMN51の識別情報が含まれている。この始点探索要求は、CN11宛にルーチングされるが、RT21は、始点探索要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、始点探索要求がRT21に到達した時点で、始点探索要求を終端する(K7)。
【0210】
RT21は、K7における始点探索要求の終端を契機として、制御サーバ1宛に始点探索応答を送信する(K8)。この始点探索応答には、K6の始点探索要求に含まれていたMN51の識別情報と、探索された始点として自ルータRT21の識別情報とが含まれている。
【0211】
ステップS43においては、制御サーバ1は、始点探索応答の受信を監視するが、本実施の形態では、この時点で既にRT21から始点探索応答(K8)を受信しているものとする。したがって、ステップS45に移行する。
【0212】
ステップS45では、制御サーバ1は、図15に示したLSDB情報を基に、Dijkstraのアルゴリズムによって始点から終点までの最短ホップツリーを生成する。この最短ホップツリーの始点は、始点探索応答K8に含まれていたRT21の識別情報であり、終点は、マルチキャストポイント選択処理の起動要求K2に含まれていたAR32及びAR33の識別情報である。
【0213】
本実施形態における移動通信システム400では、RT21からAR32までの経路はエリア0とエリア1とを跨り、RT21からAR33までの経路はエリア0とエリア2とを跨る。制御サーバ1は、かかる事実と、エリア0とエリア1との境界に位置するルータ(以下、「境界ルータ」と記す。)がRT24であり、エリア0とエリア2の境界ルータがRT25である事実とを予め認識している。このため、制御サーバ1は、エリア0におけるRT21を始点とした最短ホップツリーと、エリア1におけるRT24を始点とした最短ホップツリーと、及びエリア2におけるRT25を始点とした最短ホップツリーとを生成した後に、各ツリーをつなぎ合わせることにより、RT21からAR32、及びRT21からAR33までの最短ホップツリーを生成することができる。
【0214】
すなわち、Dijkstraのアルゴリズムを実行した結果、エリア0(始点はRT21)、エリア1(始点はRT24)、エリア2(始点はRT25)の最短ホップツリーは、それぞれ図16(a),図16(b),図16(c)に示す状態となる。更に、これら3つの最短ホップツリーを、境界ルータであるRT24及びRT25でつなぎ合わせると、所望の最短ホップツリー(図17参照)が生成される。
【0215】
最後のステップS46においては、制御サーバ1は、図17に示したツリーを参照することにより、RT21からAR32までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT24,AR32」であり、RT21からAR33までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT23,RT25,AR33」であるものと判断する。当該判断に係る最短経路及び通過順序が、制御サーバ1の必要とする経路情報に相当し、この経路情報は、図4に示した様に、経路情報テーブル3に格納される。
【0216】
その後経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理は、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理と同様であるので、その図示及び詳細な説明は省略する。
【0217】
以下、図12に示したMN51が、AR32,AR33に加えてAR34を更に使用してデータ受信を行う状態に移行した際におけるマルチキャストポイント選択の様子を説明する。図18は、かかる状態に移行した後に実行される経路情報取得ステップを説明するための図である。
【0218】
(経路情報取得ステップ)
MN51は、使用するアクセスルータとしてAR34が追加されたことに伴うアクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR34)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR32,AR33,AR34)の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報を送信する(図18のL1)。
【0219】
AR34は、L1においてMN51から送信された識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理の起動要求を制御サーバ1に対して行う。当該要求は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報、及びAR32,AR33,AR34,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(L2)。
【0220】
制御サーバ1は、L2の起動要求を受信すると、マルチキャストポイント選択処理を起動する。マルチキャストポイント選択処理の最初のステップとして、まず経路情報取得ステップが、図13に示したフローチャートに従って実行される。以下、この経路情報取得ステップにおける具体的な処理を説明する。
【0221】
マルチキャストポイント選択処理を起動した制御サーバ1は、CN11の接続するルータ(本実施の形態の場合にはRT21)からの始点探索応答の送信を待機し、各管理エリアのLSDBに格納されている情報(LSDB情報)を取得する。すなわち、制御サーバ1は、エリア0のLSDB情報をRT23から(L3)、エリア1のLSDB情報をAR32から(L4)、エリア2のLSDB情報をAR34から(L5)、各ルータに対するLSDB情報送信要求の応答として受信する(図13のステップS41)。
【0222】
なお、本実施の形態においては、制御サーバ1は、経路情報取得ステップにて各管理エリアのLSDB情報を取得するものとしたが、必ずしも経路情報取得ステップが実行される度にLSDB情報を取得する必要はない。管理エリアのLSDBは、管理エリア内のリンクのコスト値の変化やルータの接続関係の変化によって更新されるが、ルータの接続関係に関しては、頻繁に変化するとは考えにくい。このため、制御サーバ1は、必要な管理エリアのLSDB情報を既に確保しており、ルータの接続関係の情報(及び必要に応じてコスト値の情報)も十分に信頼できる(変化していない)と予想されるあるいは保証される場合には、当該LSDB情報を各ルータから再度受信する必要は無く、既に保持しているLSDB情報をもって以降の処理を進めてもよい。この場合には、制御サーバ1は、最短ホップツリー(最適経路ツリー)に関しても生成し直す必要は無く、既に生成済みの最短ホップツリー(最適経路ツリー)を参照して経路情報を取得する。
【0223】
本実施の形態では、制御サーバ1が、各管理エリアのルータからLSDB情報を再度取得したものとして以降の処理を説明する。現時点で、LSDB情報は、図14(a)〜図14(c)に示した状態となっている。
【0224】
制御サーバ1は、図13のステップS42に示した様に、ステップS41で取得されたLSDB情報のX1〜X19のコスト値が全て1に変更されたLSDB情報を作成する。このとき作成された各管理エリア0,1,2のLSDB情報は、それぞれ図15(a), 図15(b),図15(c)に示す内容となる。なお、このとき、各ルータのLSDBに元々値が記入されていなかった項目(図14に示したX1〜X19以外の項目)に関しての変更はない。
【0225】
一方、MN51からL1の識別情報を受信していたAR34は、制御サーバ1にL2の起動要求を送信すると同時に若しくはその前後に、L1で通知された通信相手であるCN11宛に始点探索要求を送信する(L6)。この始点探索要求には、CN11からのデータ送信先の移動端末であるMN51の識別情報が含まれている。この始点探索要求は、CN11宛にルーチングされるが、RT21は、始点探索要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、始点探索要求がRT21に到達した時点で、始点探索要求を終端する(L7)。
【0226】
RT21は、L7における始点探索要求の終端を契機に、制御サーバ1宛に始点探索応答を送信する(L8)。この始点探索応答には、L6の始点探索要求に含まれていたMN51の識別情報と、探索された始点として自らのルータRT21の識別情報とが含まれている。
【0227】
ステップS43においては、制御サーバ1は、始点探索応答の受信を監視するが、本実施の形態では、この時点で既にRT21から始点探索応答(K8)を受信しているものとし、ステップS45に移行する。
【0228】
ステップS45では、制御サーバ1は、図15(a)〜図15(c)に示したLSDB情報を基に、Dijkstraのアルゴリズムによって始点から終点までの最短ホップツリーを生成する。その結果、MN51が図12に示した状態にある場合と同様に、最終的に、図17に示す最短ホップツリーが生成される。
【0229】
ステップS46においては、制御サーバ1は、上記最短ホップツリーを参照することにより、RT21からAR32までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT24,AR32」であり、RT21からAR33までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT23,RT25,AR33」であり、RT21からAR34までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT23,RT25,AR34」であるものと判断する。この判断に係る最短経路及び通過順序が、制御サーバ1の必要とする経路情報に相当し、この経路情報は、図4に示した様に、経路情報テーブル3に格納される。
【0230】
その後経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理は、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理と同様であるので、その図示及び詳細な説明は省略する。
【0231】
以下、図18に示したMN51が、AR32を使用したデータ受信を中止した際におけるマルチキャストポイント選択の様子を説明する。図19は、かかる状態に移行した後に実行される経路情報取得ステップを説明するための図である。
【0232】
(経路情報取得ステップ)
MN51は、AR32の使用が中止された(M1)ことに伴うアクセスルータの使用状況の変化を検知すると、マルチキャストポイント選択処理を起動すべく、現在使用しているアクセスルータの内の何れか(例えばAR34)に対して、現在使用中のアクセスルータ(AR33,AR34)の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報を送信する(図19のM2)。
【0233】
AR34は、M2においてMN51から送信された識別情報を受信すると、CN11とMN51との間の通信経路におけるマルチキャストポイント選択処理の起動要求を制御サーバ1に対して行う。当該要求は、上記識別情報の送信元であるMN51の識別情報、及びAR33,AR34,CN11の識別情報を纏めて送受信することにより行われる(M3)。
【0234】
制御サーバ1は、M3の起動要求を受信すると、マルチキャストポイント選択処理を起動する。かかるマルチキャストポイント選択処理の最初のステップとして、まず経路情報取得ステップが、図13に示したフローチャートに従って実行される。以下、この経路情報取得ステップにおける具体的な処理を説明する。
【0235】
マルチキャストポイント選択処理を起動した制御サーバ1は、CN11が接続するルータ(本実施の形態の場合にはRT21)からの始点探索応答の送信を待機し、各管理エリアのLSDB情報を取得する。すなわち、制御サーバ1は、エリア0のLSDB情報をRT23から(M4)、エリア2のLSDB情報をAR34から(M5)、各ルータに対するLSDB情報送信要求の応答として受信する(図13のステップS41)。
【0236】
ここでも、図18に示した状態の場合と同様に、エリア0,2のLSDB情報が十分に信頼できるものであれば、制御サーバ1は、LSDB情報を改めて取得しなくともよい。かかる場合には、制御サーバ1は、既に保持しているLSDB情報(図14(a)及び図14(c)参照)を基に、図16(a)及び図16(c)に示した最短ホップツリーを生成した後、これらを境界ルータであるRT25でつなぎ合わせて、図20に示す最短ホップツリーを生成してもよい。あるいは、図16(a)及び図16(c)に示した既に生成済みの最短ホップツリーから、図20に示す最短ホップツリーを生成してもよい。
【0237】
本実施の形態では、制御サーバ1が、各管理エリアのルータからLSDB情報を再度取得したものとして以降の処理を説明する。現時点で、LSDB情報は、図14(a)及び図14(c)に示した状態となっている。
【0238】
制御サーバ1は、図13のステップS42に示した様に、ステップS41で取得されたLSDB情報のX1〜X19のコスト値が全て1に変更されたLSDB情報を作成する。このとき作成された各管理エリア0,1,2のLSDB情報は、それぞれ図15(a), 図15(b),図15(c)に示す内容となる。なお、このとき、各ルータのLSDBに元々値が記入されていなかった項目(図14に示したX1〜X11,X16〜X19以外の項目)に関しての変更はない。
【0239】
一方、MN51からM2の識別情報を受信していたAR34は、制御サーバ1にM3の起動要求を送信すると同時に若しくはその前後に、M2で通知された通信相手であるCN11宛に始点探索要求を送信する(M6)。この始点探索要求には、CN11からのデータ送信先の移動端末であるMN51の識別情報が含まれている。この始点探索要求は、CN11宛にルーチングされるが、RT21は、始点探索要求の宛先となっているCN11が自らの配下に接続されていることを予め認識しているので、始点探索要求がRT21に到達した時点で、始点探索要求を終端する(M7)。
【0240】
RT21は、M7における始点探索要求の終端を契機に、制御サーバ1宛に始点探索応答を送信する(M8)。この始点探索応答には、M6の始点探索要求に含まれていたMN51の識別情報と、探索された始点として自らのルータRT21の識別情報とが含まれている。
【0241】
ステップS43では、制御サーバ1は、始点探索応答の受信を監視するが、本実施の形態では、この時点で既にRT21から始点探索応答(M8)を受信しているものとする。したがって、ステップS45に移行する。
【0242】
ステップS45において、制御サーバ1は、図15(a)及び図15(c)に示したLSDB情報を基に、Dijkstraのアルゴリズムによって始点から終点までの最短ホップツリーを生成する。その結果、まず、図16(a)及び図16(c)に示した最短ホップツリーが生成され、最終的に、これらのツリーが境界ルータ(RT25)でつなぎ合わされた図20の最短ホップツリーが生成される。
【0243】
最後のステップS46においては、制御サーバ1は、図20の最短ホップツリーを参照することにより、RT21からAR33までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT23,RT25,AR33」であり、RT21からAR34までの最短経路と通過順序は「RT21,RT22,RT23,RT25,AR34」であるものと判断する。この判断に係る最短経路及び通過順序が、制御サーバ1の必要とする経路情報に相当し、この経路情報は、図9に示した様に、経路情報テーブル3に格納される。
【0244】
その後経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理は、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ及び指示ステップにおいて実行される各処理と同様であるので、その図示及び詳細な説明は省略する。
【0245】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第4の実施形態では、CN11が自網のルータRT21に接続されている場合を想定した。これに対して、本実施の形態では、CN11が他網のルータに接続されている場合を想定する。
【0246】
以下、図21を参照して、第5の実施形態における移動通信システム500と第4の実施形態における移動通信システム400との差異について詳説する。図21は、CN11が他網のルータに接続されている場合におけるマルチキャストポイント選択の一行程を示す図である。図21に示すように、CN11は、他網を構成するルータ網Rに接続しており、RT21は、自網と他網とを接続する自網側のゲートウェイルータの1つである。
【0247】
移動通信システム500は、始点探索要求を終端すると共に始点探索応答の送信元となるルータが、CN11に直接接続されるルータではない点においてのみ、移動通信システム400と相違する。すなわち、移動通信システム500では、自網の最終通過点に位置するルータ(RT21)が、始点探索要求を終端し、始点探索応答を制御サーバ1宛に送信する。
【0248】
本実施の形態においては、MN51がAR32及びAR33を使用して、他網に存在するCN11と通信を行っている際に、AR34の使用を追加する場合を例に採る。まず、図18のL1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR34が追加されたことをMN51が検知すると、現在使用中のAR32,AR33,AR34の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報がMN51からAR34に送信される。
【0249】
その後、AR34からCN11宛に始点探索要求が送信されるが、始点探索要求が自網から他網に送信される場合、自網内の最終通過点となるルータ(RT21)、すなわち自網と他網とを接続する自網側のゲートウェイルータがこの始点探索要求を終端する。なお、ゲートウェイルータが複数存在する場合には、複数のゲートウェイルータの中でも、MN51とCN11とを結ぶ最短経路上に位置するルータ、すなわち始点探索要求がCN11まで最短経路でルーチングされる際にその経路上にあるゲートウェイルータ、が始点探索要求を終端することになる。
【0250】
より詳細には、本実施の形態では、始点探索要求は、図21の矢印N1に示す経路でルーチングされた後、MN51からCN11までの最短経路上に存在するゲートウェイルータであるRT21により終端される(N2)。以降、RT21は制御サーバ1宛に始点探索応答を送信する。該応答を受けた制御サーバ1は、第4の実施形態において詳述した経路情報取得ステップ、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ及び指示ステップを実行する。このように、本発明は、移動端末と通信相手端末とが異なる網に接続している場合にも適用可能である。
【0251】
(第6の実施の形態)
以下、本発明の第6の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第4及び第5の実施形態では、通信相手端末としてのCN11は固定端末であったが、本実施の形態では、CN11が、自網内に存在する移動端末である場合、つまり移動端末同士でデータを送受信する場合を想定する。
【0252】
以下、第6の実施形態における移動通信システム600と第4の実施形態における移動通信システム400との差異について詳説する。図22(a)は、移動端末としてのCN11が自網のルータに接続されている場合におけるマルチキャストポイント選択の一行程を示す図である。本実施の形態では、MN51,CN11が、通信開始当初には、それぞれAR31,AR34のみを使用しており、CN11が2つ目のアクセスルータの使用を追加する前(あるいは、CN11がマルチパスハンドオーバに対応していない場合)に、図22(a)に示す様に、MN51がAR32の使用を追加(P1参照)する場合を例に採る。
【0253】
まず、図18のL1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR32が追加されたことをMN51が検知すると、現在使用中のAR31,AR32の識別情報、及び現在通信中のCN11の識別情報がMN51からAR32に送信される。その後、始点探索要求が、図22(a)の矢印P2に示す経路を通ってAR32からCN11宛に送信され、CN11に接続されているAR34に到達した時点で、AR34により終端される(P3)。
【0254】
以降、AR34は制御サーバ1宛に始点探索応答を送信し、該応答を受けた制御サーバ1は、第4の実施形態にて説明した経路情報取得ステップを実行する。本実施の形態においては、制御サーバ1が必要とする経路情報の始点はエリア2内のAR34であり、終点はエリア1内のAR31及びAR32である。また、始点と終点とを結ぶ経路はエリア2,0,1を跨いでいる。したがって、制御サーバ1が各管理エリアの最短ホップツリーを生成するためには、エリア2についてはAR34を、エリア0についてはエリア2との境界ルータであるRT25を、エリア1についてはエリア0との境界ルータであるRT24を、それぞれ始点としなければならない。これら各ルータを始点として生成されたエリア2,0,1の最短ホップツリーを図23(a)〜図23(c)にそれぞれ示す。制御サーバ1は、これらのツリーを、境界ルータであるRT25とRT24とにてつなぎ合わせることによって、図24に示す最短ホップツリーを生成する。
【0255】
制御サーバ1は、この最短ホップツリーを参照して、必要とする経路情報を取得する。以降、制御サーバ1は、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ、及び指示ステップを実行する。その結果、マルチキャストポイントとしてRT24が選択される。
【0256】
続いて、図22(b)は、図22(a)に示した状態にあるCN11がAR33の使用を追加(R1参照)した際におけるマルチキャストポイント選択の様子を示す図である。まず、図18のL1に示した処理と同様に、使用するアクセスルータにAR33が追加されたことをCN11が検知すると、現在使用中のAR33,AR34の識別情報、及び現在通信中のMN51の識別情報がCN11からAR33に送信される。その後、始点探索要求は、図22(b)の矢印R2に示す経路を通ってAR33からMN51宛に送信される。
【0257】
この時点で、CN11からMN51宛にデータを送信する際のマルチキャストポイントとして、RT24が既に選択されている。このため、始点探索要求自体が、MN51宛のデータと同様に、AR31,AR32の双方に送信されることになり、データの送信制御が複雑になってしまうことが懸念される。そこで、始点探索要求が、その宛先であるMN51にとってのマルチキャストポイントであるRT24で終端(J3参照)されるようにすれば、始点探索応答はRT24のみから送信されることになり、かかる懸念は解消される。
【0258】
以降、RT24は制御サーバ1宛に始点探索応答を送信し、当該応答を受けた制御サーバ1は、第4の実施形態にて説明した経路情報取得ステップを実行する。本実施の形態においては、制御サーバ1が必要とする経路情報の始点はRT24であり、終点はAR33及びAR34である。また、始点と終点とを結ぶ経路は、エリア0,2を跨いでいる。したがって、制御サーバ1は、エリア0におけるRT24を始点とした最短ホップツリー(図25(a)参照)と、エリア2におけるRT25を始点とした最短ホップツリー(図25(b)参照)とを一旦生成し、これらをつなぎ合わせて、図26に示す最短ホップツリーを生成することになる。
【0259】
制御サーバ1は、この最短ホップツリーを参照して、必要な経路情報を取得する。以降、制御サーバ1は、第1の実施形態において詳述した経路情報比較ステップ、及び指示ステップを実行する。その結果、マルチキャストポイントとしてRT25が選択される。このように、本発明は、移動端末間におけるデータの送受信にも適用可能である。
【0260】
なお、上述した第4〜第6の実施形態に記載の態様は、本発明に係る移動通信システムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。例えば、始点探索要求を終端するルータ(RT又はAR)が制御サーバの機能を実現してもよい。この場合、始点探索要求には、移動端末が現在接続中の全てのアクセスルータの識別情報が含まれている。
【0261】
また、第4〜第6の実施形態では、始点探索応答は、アクセスルータからの始点探索要求の受信を契機として制御サーバに送信され、制御サーバは、この始点探索応答から最短ホップツリーの始点を決定するものとした。しかし、以下に説明する手順に従って、最短ホップツリーの始点が決定されるものとしてもよい。すなわち、まず、移動端末が、制御サーバ1又はこれとは別のサーバ装置(以下、纏めて「サーバ装置」と記す。)に対して、マルチキャストポイント選択処理の実行開始を促す通知を行う。続いて、この通知の受信を契機として、サーバ装置は、移動端末の接続するネットワークのトポロジから、通信相手端末の接続するルータを判別し、該ルータを始点に決定する。その後、該サーバ装置が、始点探索応答の受信後に制御サーバ1が実行した処理と同様の処理を実行する。
【0262】
【発明の効果】
本発明によれば、最適なマルチキャストポイントを発見すると共に、マルチキャストポイントを動的に変化させることにより、冗長経路を排除した効率的なリソース使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、従来のUMTSにおけるIntra-RNCハンドオーバを説明するための図である。図1(b)は、従来のUMTSにおけるInter-RNCハンドオーバを説明するための図である。
【図2】図2(a)は、移動端末が2つのアクセスルータに接続された場合に、第1の実施形態における移動通信システムによりマルチキャストポイントが選択されるまでの過程を説明するための図である。図2(b)は、同じくマルチキャストが実行されるまでの過程を説明するための図である。
【図3】制御サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】移動端末が2つのアクセスルータに接続された場合における経路情報テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図5】経路情報比較処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6(a)は、移動端末が使用するアクセスルータが増加した場合に、第1の実施形態における移動通信システムによりマルチキャストポイントが選択されるまでの過程を説明するための図である。図6(b)は、同じくマルチキャストが実行されるまでの過程を説明するための図である。
【図7】移動端末が使用するアクセスルータが増加した場合における経路情報テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図8】図8(a)は、移動端末が使用するアクセスルータが減少した場合に、第1の実施形態における移動通信システムによりマルチキャストポイントが選択されるまでの過程を説明するための図である。図8(b)は、同じくマルチキャストが実行されるまでの過程を説明するための図である。
【図9】移動端末が使用するアクセスルータが減少した場合における経路情報テーブルのデータ格納例を示す図である。
【図10】第2の実施形態における移動通信システムにより経路情報要求が送信される過程を説明するための図である。
【図11】図11(a)は、第3の実施形態における移動通信システムにより、移動端末側の経路情報要求が送信される過程を説明するための図である。図11(b)は、同じく、通信相手端末側の経路情報要求が送信される過程を説明するための図である。
【図12】移動端末が2つのアクセスルータに接続した場合に、第4の実施形態における移動通信システムにより経路情報取得ステップが実行される過程を説明するための図である。
【図13】第4の実施形態における経路情報取得ステップの具体的処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】図14(a)は、第4の実施形態におけるエリア0のLSDB情報を示す図である。図14(b)は、同じくエリア1のLSDB情報を示す図である。図14(c)は、同じくエリア2のLSDB情報を示す図である。
【図15】図15(a)は、第4の実施形態におけるエリア0のLSDB情報のコスト値が全て1に設定された様子を示す図である。図15(b)は、同じくエリア1のLSDB情報のコスト値が全て1に設定された様子を示す図である。図15(c)は、同じくエリア2のLSDB情報のコスト値が全て1に設定された様子を示す図である。
【図16】図16(a)は、図15(a)のLSDB情報をもとに生成された、RT21を始点とした最短ホップツリーを示す図である。図16(b)は、図15(b)のLSDB情報をもとに生成された、RT24を始点とした最短ホップツリーを示す図である。図16(c)は、図15(c)のLSDB情報をもとに生成された、RT25を始点とした最短ホップツリーを示す図である。
【図17】図16(a)〜図16(c)に示した各最短ホップツリーをつなぎ合わせて生成された最短ホップツリーを示す図である。
【図18】移動端末の接続するアクセスルータが増加した場合に、第4の実施形態における移動通信システムにより経路情報取得ステップが実行される過程を説明するための図である。
【図19】移動端末の接続するアクセスルータが減少した場合に、第4の実施形態における移動通信システムにより経路情報取得ステップが実行される過程を説明するための図である。
【図20】図16(a)及び図16(c)に示した最短ホップツリーをつなぎ合わせて生成された最短ホップツリーを示す図である。
【図21】第5の実施形態における移動通信システムにより始点探索要求が送信される過程を説明するための図である。
【図22】図22(a)は、第6の実施形態における移動通信システムにより、移動端末側の始点探索要求が送信される過程を説明するための図である。図22(b)は、同じく、通信相手端末側の始点探索要求が送信される過程を説明するための図である。
【図23】図23(a)は、図15(c)のLSDB情報をもとに生成された、AR34を始点とした最短ホップツリーを示す図である。図23(b)は、図15(a)のLSDB情報をもとに生成された、RT25を始点とした最短ホップツリーを示す図である。図23(c)は、図15(b)のLSDB情報をもとに生成された、RT24を始点とした最短ホップツリーを示す図である。
【図24】図23(a)〜図23(c)に示した最短ホップツリーをつなぎ合わせて生成された最短ホップツリーを示す図である。
【図25】図25(a)は、図15(a)のLSDB情報をもとに生成された、RT24を始点とした最短ホップツリーを示す図である。図25(b)は、図15(c)のLSDB情報をもとに生成された、RT25を始点とした最短ホップツリーを示す図である。
【図26】図25(a)及び図25(c)に示した最短ホップツリーをつなぎ合わせて生成された最短ホップツリーを示す図である。
【符号の説明】
1…制御サーバ、11…CN(通信相手端末)、21,22,23,24,25…RT(中継ルータ)、31,32,33,34…AR(アクセスルータ)、51…MN(移動端末)、100,200,300,400,500,600…移動通信システム

Claims (38)

  1. 複数の中継ルータと、複数のアクセスルータと、サーバ装置とを備えて構成され、
    移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到達するまでの経路上に存在するルータにて、前記データがマルチキャストされる移動通信システムにおいて、
    前記サーバ装置は、前記データがマルチキャストされるルータを、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って動的に変化させる制御を行うことを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記サーバ装置は、
    前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 前記通信相手端末が接続するルータは、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータに向けて経路情報を送信し、
    各経路情報が、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでそれぞれ最短経路でルーチングされ、各経路情報が通過するルータにおいて当該ルータの識別情報が各経路情報に記録され、前記各アクセスルータは、受信された当該各経路情報を参照することにより、始点から終点までの最短経路上のルータ、及び最短経路上の通過順序を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信システム。
  4. 前記サーバ装置の選択手段は、
    前記取得手段により取得された各経路情報を始点から1ホップ毎に順次比較し、
    当該比較対象のホップに関して、全ての経路で通過するルータが同一であれば、次のホップに関する比較を行い、
    同一のルータを通過している経路が他に存在しない経路の1ホップ前のルータを、前記データがマルチキャストされるルータとして選択した後、
    前記経路を除外した上で、比較対象の経路が1以下になるまで、又は、終点のホップの比較が終了するまで、前記比較及び選択処理を繰り返すことにより、前記データがマルチキャストされる別のルータを選択することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  5. 前記サーバ装置の指示手段は、
    前記選択手段により新たに選択された前記ルータに対して、前記データのマルチキャストを開始する指示を行うと共に、
    前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータに対して、前記データのマルチキャストを解除する指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  6. 前記サーバ装置は、マルチパスハンドオーバ状態において前記移動端末が使用するアクセスルータの変更を契機として、前記取得処理、前記選択処理、及び前記指示処理を順次実行することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
  7. 前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータは、前記移動端末が通信を行っている通信相手端末宛に経路情報要求を送信し、
    当該通信相手端末が接続するルータは、前記経路情報要求を終端し、これを契機として、前記ルータから、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している各アクセスルータに向けて経路情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。
  8. 前記経路情報を受信した各アクセスルータは、アクセスルータ自体の識別情報を前記経路情報に記録し、前記サーバ装置宛に当該経路情報を送信することを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
  9. 前記選択手段により新たに選択された前記ルータは、マルチキャスト起動要求を前記サーバ装置から受信し、前記マルチキャスト起動要求内の情報を保持して、前記移動端末宛のデータをマルチキャストし、
    前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータは、マルチキャスト停止要求を前記サーバ装置から受信し、前記データのマルチキャストを停止することを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。
  10. 前記選択手段により新たに選択された前記ルータは、前記移動端末宛のデータを受信した場合に、マルチキャスト先のルータ数分の前記データをコピーし、各マルチキャスト先にデータを送信することを特徴とする請求項9に記載の移動通信システム。
  11. 前記経路情報要求は、当該経路情報要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、前記経路情報の送信先とすべき複数のアクセスルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
  12. 前記経路情報は、当該経路情報の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、前記経路情報が示す経路の始点であるルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の移動通信システム。
  13. 前記マルチキャスト起動要求は、当該マルチキャスト起動要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、マルチキャスト先のルータの識別情報を含み、
    前記マルチキャスト停止要求は、当該マルチキャスト停止要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含むことを特徴とする請求項9に記載の移動通信システム。
  14. 複数の中継ルータと、複数のアクセスルータとに接続され、
    移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到達するまでの経路上に存在するルータに対して、前記データのマルチキャストを指示するサーバ装置において、
    前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段と
    を備えることを特徴とするサーバ装置。
  15. 複数の中継ルータと、複数のアクセスルータと、サーバ装置とを備えて構成され、移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到達するまでの経路上に存在するルータにて、前記データがマルチキャストされる移動通信システムにおけるデータ送信方法において、
    前記サーバ装置が、前記データがマルチキャストされるルータを、前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って動的に変化させる制御ステップを含むことを特徴とするデータ送信方法。
  16. 前記サーバ装置の取得手段が、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を各アクセスルータから取得する取得ステップと、
    前記サーバ装置の選択手段が、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択ステップと、
    前記サーバ装置の指示手段が、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示ステップと
    を含むことを特徴とする請求項15に記載のデータ送信方法。
  17. 前記通信相手端末が接続するルータが、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータに向けて経路情報を送信するステップと、
    各経路情報が、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでそれぞれ最短経路でルーチングされ、各経路情報が通過するルータにおいて当該ルータの識別情報が各経路情報に記録され、前記各アクセスルータが、受信された当該各経路情報を参照することにより、始点から終点までの最短経路上のルータ、及び最短経路上の通過順序を取得するステップと
    を含むことを特徴とする請求項15又は16に記載のデータ送信方法。
  18. 前記選択ステップでは、前記サーバ装置の選択手段は、
    前記取得手段により取得された各経路情報を始点から1ホップ毎に順次比較し、
    当該比較対象のホップに関して、全ての経路で通過するルータが同一であれば、次のホップに関する比較を行い、
    同一のルータを通過している経路が他に存在しない経路の1ホップ前のルータを、前記データがマルチキャストされるルータとして選択した後、
    前記経路を除外した上で、比較対象の経路が1以下になるまで、又は、終点のホップの比較が終了するまで、前記比較及び選択処理を繰り返すことにより、前記データがマルチキャストされる別のルータを選択することを特徴とする請求項16に記載のデータ送信方法。
  19. 前記指示ステップでは、前記サーバ装置の指示手段は、
    前記選択手段により新たに選択された前記ルータに対して、前記データのマルチキャストを開始する指示を行うと共に、
    前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータに対して、前記データのマルチキャストを解除する指示を行うことを特徴とする請求項16に記載のデータ送信方法。
  20. 前記サーバ装置が、マルチパスハンドオーバ状態において前記移動端末が使用するアクセスルータの変更を契機として、前記取得処理、前記選択処理、及び前記指示処理を順次実行するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載のデータ送信方法。
  21. 前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータが、前記移動端末が通信を行っている通信相手端末宛に経路情報要求を送信するステップと、
    当該通信相手端末が接続するルータが、前記経路情報要求を終端し、これを契機として、前記ルータから、前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している各アクセスルータに向けて経路情報を送信するステップとを含むことを特徴とする請求項17に記載のデータ送信方法。
  22. 前記経路情報を受信した各アクセスルータが、アクセスルータ自体の識別情報を前記経路情報に記録し、前記サーバ装置宛に当該経路情報を送信するステップを含むことを特徴とする請求項21に記載のデータ送信方法。
  23. 前記選択手段により新たに選択された前記ルータが、マルチキャスト起動要求を前記サーバ装置から受信し、前記マルチキャスト起動要求内の情報を保持して、前記移動端末宛のデータをマルチキャストするステップと、
    前記ルータの選択に伴いデータがマルチキャストされるルータから除外されたルータが、マルチキャスト停止要求を前記サーバ装置から受信し、前記データのマルチキャストを停止するステップと
    を含むことを特徴とする請求項19に記載のデータ送信方法。
  24. 前記選択手段により新たに選択された前記ルータが、前記移動端末宛のデータを受信した場合に、マルチキャスト先のルータ数分の前記データをコピーし、各マルチキャスト先にデータを送信するステップを含むことを特徴とする請求項23に記載のデータ送信方法。
  25. 前記経路情報要求は、当該経路情報要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、前記経路情報の送信先とすべき複数のアクセスルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項21に記載のデータ送信方法。
  26. 前記経路情報は、当該経路情報の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、前記経路情報が示す経路の始点であるルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項21に記載のデータ送信方法。
  27. 前記マルチキャスト起動要求は、当該マルチキャスト起動要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、及び、マルチキャスト先のルータの識別情報を含み、
    前記マルチキャスト停止要求は、当該マルチキャスト停止要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含むことを特徴とする請求項23に記載のデータ送信方法。
  28. 前記サーバ装置は、
    前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  29. 前記サーバ装置の取得手段は、
    ネットワークの使用するOSPFの各管理エリアに属する少なくとも1つのルータから、当該ルータの属する管理エリアにて作成されているリンクステートデータベース内の情報を取得し、
    当該リンクステートデータベースに記録されている、各ルータ又はアクセスルータ間の全てのコスト値を、必要に応じて、0より大きい同一の値に変更し、
    前記通信相手端末が接続するルータから、当該ルータが経路情報の始点である旨を示す始点探索応答を受信し、
    当該始点探索応答の示すルータを始点として最短パスアルゴリズムを動作させることにより、当該ルータを始点とする最短ホップツリーを生成し、
    当該最短ホップツリーを参照することにより、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでの最短経路上のルータ及びその通過順序を、経路情報として取得することを特徴とする請求項1又は28に記載の移動通信システム。
  30. 前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータは、前記移動端末の通信相手である通信相手端末宛に始点探索要求を送信し、
    当該通信相手端末が接続するルータは、前記始点探索要求を当該ルータで終端すると共に、これを契機として、当該ルータの識別情報が記録された前記始点探索応答を前記サーバ装置に対して送信することを特徴とする請求項29に記載の移動通信システム。
  31. 前記始点探索要求は、当該始点探索要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含むことを特徴とする請求項30に記載の移動通信システム。
  32. 前記始点探索応答は、当該始点探索応答の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、探索された始点としてのルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項29又は30に記載の移動通信システム。
  33. 複数の中継ルータと、複数のアクセスルータとに接続され、
    移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用される各アクセスルータを経由して、通信相手端末から前記移動端末にデータが到着するまでの経路上に存在するルータに対して、前記データのマルチキャストを指示するサーバ装置において、
    前記移動端末又は前記通信相手端末の移動に伴って、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示手段と
    を備えることを特徴とするサーバ装置。
  34. 前記サーバ装置の取得手段が、前記通信相手端末が接続するルータと、前記移動端末によりマルチパスハンドオーバ状態で使用されている各アクセスルータとの間の経路情報を、前記ルータ又は前記アクセスルータから取得された、OSPFのリンクステートデータベース内の情報を基に取得する取得ステップと、
    前記サーバ装置の選択手段が、前記取得手段により取得された各経路情報を比較し、当該比較結果に基づいて、前記データがマルチキャストされるルータを選択する選択ステップと、
    前記サーバ装置の指示手段が、前記選択手段により選択された前記ルータに対して、前記データをマルチキャストする指示を行う指示ステップと
    を含むことを特徴とする請求項15に記載のデータ送信方法。
  35. 前記取得ステップでは、前記サーバ装置の取得手段は、
    ネットワークの使用するOSPFの各管理エリアに属する少なくとも1つのルータから、当該ルータの属する管理エリアにて作成されているリンクステートデータベース内の情報を取得し、
    当該リンクステートデータベースに記録されている、各ルータ又はアクセスルータ間の全てのコスト値を、必要に応じて、0より大きい同一の値に変更し、
    前記通信相手端末が接続するルータから、当該ルータが経路情報の始点である旨を示す始点探索応答を受信し、
    当該始点探索応答の示すルータを始点として最短パスアルゴリズムを動作させることにより、当該ルータを始点とする最短ホップツリーを生成し、
    当該最短ホップツリーを参照することにより、始点としての前記ルータから終点としての前記各アクセスルータまでの最短経路上のルータ及びその通過順序を、経路情報として取得することを特徴とする請求項15又は34に記載のデータ送信方法。
  36. 前記移動端末がマルチパスハンドオーバ状態で使用している何れかのアクセスルータが、前記移動端末の通信相手である通信相手端末宛に始点探索要求を送信するステップと、
    当該通信相手端末が接続するルータが、前記始点探索要求を当該ルータで終端すると共に、これを契機として、当該ルータの識別情報が記録された前記始点探索応答を前記サーバ装置に対して送信するステップと
    を更に含むことを特徴とする請求項35に記載のデータ送信方法。
  37. 前記始点探索要求は、当該始点探索要求の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報を含むことを特徴とする請求項36に記載のデータ送信方法。
  38. 前記始点探索応答は、当該始点探索応答の送信元及び送信先の識別情報と共に、前記移動端末の識別情報、前記通信相手端末の識別情報、及び、探索された始点としてのルータの識別情報を含むことを特徴とする請求項35又は36に記載のデータ送信方法。
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