JP2004166053A - Ipマルチキャスト配信制御システムとipマルチキャスト配信制御方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】IPマルチキャストによる、例えばプリぺイドサービスや上限額設定サービスなどの高度なネットワークサービスの提供も可能とする。
【解決手段】ユーザ端末2に接続されたルータ1に、残度数データベース部3と配信タイマ部4を設け、残度数データベース部3において、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、残度数データベース部3で管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ユーザ端末2に接続されたルータ1に、残度数データベース部3と配信タイマ部4を設け、残度数データベース部3において、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、残度数データベース部3で管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP(Internet Protocol)パケット通信網においてIPパケットを複製して複数の宛先に同一IPパケットを配信するIPマルチキャスト技術に係わり、特に、IPマルチキャストの利用範囲の拡充を図るのに好適なIPマルチキャスト配信制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットでのストリーミング・ビデオなどの提供に、IPマルチキャストを使用することで、サーバ側のオーバーヘッドや帯域幅の逼迫といった問題を解決することができる。
【0003】
このIPマルチキャストにおける配信先を特定する技術として、IGMP(Internet Group Management Protocol)が知られている。このIGMPは、IPマルチキャストで配送を受けるために構成されるホスト(コンピュータ端末)のグループを制御するためのものであり、あるホストがグループに参加・脱退したり、マルチキャストルータ間でグループに関する情報をやり取りするのに用いられ、IPの一部として実装される。
【0004】
このIGMPを基にIPマルチキャストの認証課金を行う技術として、例えば非特許文献1に記載のIGAP(IGMP for user Authentication Protocol)がある。この、IPマルチキャストにおける配信先を特定するIGAPを用いることで、IPマルチキャストの認証サービスおよび課金サービスを行うことができる。
【0005】
【非特許文献1】
”IGMP for user Authentication Protocol (IGAP)”, IETF, draft−andow−igmp−auth−0.1, June.2002
【0006】
図18は、IGAPを用いた従来の認証課金サービスシステムの構成を示すブロック図であり、図19は、図18における認証課金サービスシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0007】
図18に示すように、認証課金サービスシステムは、ルータ181と、認証課金サーバ187と、端末182とから構成され、ルータ181にはマルチキャスト配信部185が設けられている。
【0008】
このマルチキャスト配信部185は、端末182との間のマルチキャストプロトコル処理と、認証課金サーバ187との通信プロトコル処理、およびマルチキャストパケットの端末182への送信処理を行う。
【0009】
図19に示すように、端末182は、受信開始時に、IGAPに基づき、ユーザIDとパスワード、および、要求するグループアドレスを付与したグループ参加要求メッセージをルータ181に送信する(ステップ1901)。ルータ181は、当該メッセージを受信すると、ユーザIDとパスワードおよびグループアドレスを認証課金サーバ187に送信する(ステップ1902)。
【0010】
認証課金サーバ187は、予め登録しておいたユーザIDとパスワードと、ルータ181から受信したユーザIDとパスワードを照合し、一致すれば認証許可を、誤りであれば認証否決を、ルータ181に送信する(ステップ1903)。
【0011】
認証課金サーバ187から認証許可を受信したルータ181は、グループ参加要求メッセージを送信してきた端末182に対して、当該グループアドレスのIPマルチキャスト配信を開始すると共に(ステップ1904)、当該ユーザIDに対する課金開始を認証課金サーバ187に通知する(ステップ1905)。
【0012】
認証課金サーバ187は、当該ユーザIDに対する課金処理を開始し(ステップ1905)、その旨をルータ181に通知する(ステップ1907)。通知を受けたルータ181は、以降、端末182に対するIPマルチキャスト配信を実行する(ステップ1908)。
【0013】
端末182は、受信終了時には、IGAPに基づき、終了要求するグループアドレスを付与したグループ参加離脱メッセージをルータ181に送信し(ステップ1909)、ルータ181は、当該メッセージを受信すると、当該グループアドレスのIPマルチキャストパケット配信を停止し(ステップ1910)、当該端末182に対する課金停止を認証課金サーバ187に通知する(ステップ1911)。
【0014】
通知を受けた認証課金サーバ187は、当該端末182に対する課金処理を停止し(ステップ1912)、ルータ181に応答を返す(ステップ1913)。
【0015】
このようにして、マルチキャストの認証、および課金開始から課金停止までの時間が計数可能となり、時間単位での課金サービスが提供可能となる。
【0016】
しかしながら、このIGAPを用いたIPマルチキャスト認証課金システムでは、課金開始と課金停止のみの情報を収集するだけであり、マルチキャスト配信サービスにおいて、例えば、ユーザが予め金額を支払うプリぺイドサービス、あるいは、ユーザが支払い上限額を設定してその範囲内でサービス提供を受けるといった上限額設定サービス等、予め定めたある一定の時間内に限っての配信サービスには適用することができない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、IPマルチキャストの課金サービスにおいて、IPマルチキャストでの配信を受けるためのグループの参加に伴う課金開始と、グループからの脱退に伴う課金停止を制御することしかできない点である。
【0018】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、IPマルチキャストによる、例えばプリぺイドサービスや上限額設定サービスなどの高度なネットワークサービスの提供も可能とすることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、例えば、ユーザ端末に接続されたルータ1に、残度数データベース部3と配信タイマ部4を設け、残度数データベース部3において、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、残度数データベース部3で管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止する。また、残度数データベース部3(残度数テーブル3b)における受信者識別情報として、端末の識別情報(端末アドレス)と共にユーザの識別情報(ユーザID)を使用する。このことにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。また、残度数データベース部3(残度数テーブル3d)において、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行可能とする。さらに、ルータ1(a)において、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を備えることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供可能とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の構成例を示すブロック図であり、図2は、図1における残度数データベース部の残度数テーブルの第1の構成例を示す説明図、図3は、図1における配信タイマ部の配信タイマテーブルの構成例を示す説明図、図4は、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャート、図5は、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【0022】
図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、IGMPを用いてIPマルチキャストの認証処理および課金処理を行うものであり、ルータ1とユーザ端末(図中「端末」と記載)2をネットワークを介して接続してなり、これらのルータ1、ユーザ端末2のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示装置、入力装置、外部記憶装置等を具備したコンピュータ構成からなり、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより各機能を実装する。
【0023】
本例のルータ1では、残度数データベース部(図中「残度数データベース」と記載)3と配信タイマ部(図中「配信タイマ」と記載)4およびマルチキャスト配信部5の各機能が実装され、残度数データベース部3により認証処理を行い、配信タイマ部4により課金処理を行う。
【0024】
マルチキャスト配信部5は、残度数データベース部3に対する情報の読み書きと、配信タイマ部4に対する設定、起動、解除、参照、および、ユーザ端末2とのマルチキャストプロトコル処理、さらに、ユーザ端末2へのマルチキャストパケット送信を行う。
【0025】
残度数データベース部3と配信タイマ部4は、マルチキャスト配信部5に接続され、このマルチキャスト配信部5には、ユーザ端末2が接続されている。IGMPなどのマルチキヤストプロトコルも、このマルチキャスト配信部5で処理する。
【0026】
本例では、説明の明確化のため、マルチキャスト配信サーバの説明は省略するが、図示していないマルチキャスト配信サーバからのマルチキャストデータが、ルータ1まで配信されているものとして説明する。
【0027】
本例では、ルータ1は、残度数データベース部3において、ユーザ端末2を含む各端末に関して、ユーザが予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶しておき、例えばユーザ端末2が受信可能な残り時間を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、タイムアウト検出することにより、残度数データベース部3で管理している配信度数に基づく配信を停止することができる。
【0028】
このような制御を行うために本例の残度数データベース部3は、図2に示すように、端末アドレスと、残度数で構成された残度数テーブル3aを有する。尚、図2では、端末アドレスの例としてIPアドレス(「192.168.1.1」、「192.168.10.1」、…)を用いているが、端末アドレスとしては、IPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0029】
また、配信タイマ部4は、図3に示すように、端末アドレスと配信タイマ値で構成される配信タイマテーブル4aを有し、この配信タイマテーブル4aにおける端末アドレスと配信タイマ値は、ルータ1によるデータの配信開始動作において設定される。尚、図3の例では、端末アドレスとしてIPアドレス(「192.168.1.2」、「192.168.10.2」、…)を用いているが、端末アドレスとしては、IPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0030】
このような構成とすることにより、本例のIPマルチキャスト認証課金システムでは、IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御する際、配信タイマ部4において、配信先毎に、配信時間をカウントし、この配信タイマ部4のカウント結果に基づき、残度数データベース部3において、当該配信先に対応付けて記憶した配信可能時間を減算し、この配信可能時間がゼロ(「0」)になると、マルチキャスト配信部5において、当該配信先に対するマルチキャスト配信を停止する。
【0031】
本例では、残度数データベース部3に記憶した配信可能時間を読み出して配信タイマ部4において保持し、保持した配信可能時間を所定のカウント量で減算することで、配信タイマ部4のタイムアウト、すなわち、配信可能時間が0になることを検出する。
【0032】
また、このタイムアウト前に配信先からのIGMPの配信停止要求があれば、当該マルチキャスト配信を停止すると共に、配信タイマ部4で保持している残りの配信可能時間で、残度数データベース部3で記憶されている当該配信先の配信可能時間を変更する。
【0033】
また、マルチキャスト配信中の配信先からIGMPに規定されるグループ参加メッセージを予め定められた時間受信しなければ、マルチキャスト配信部5は、当該マルチキャストの配信を停止する。
【0034】
以下、このような構成からなるIPマルチキャスト認証課金システムにおけるルータ1の動作を、図4および図5を用いて説明する。ここで、図4は、ルータ1の配信開始動作を示し、図5は、ルータ1の配信終了動作を示している。尚、IGMP自体の動作については自明でありここでは省略する。
【0035】
図4に示すように、ルータ1は、残度数データベース部3において、端末アドレスと残度数を残度数テーブル3aに予め登録しておく(ステップ401)。尚、残度数は再登録することも可能である。未配信中(ステップ402)、ユーザ端末2は配信要求時に、ルータ1に対して、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信する。
【0036】
ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ403)、当該端末アドレスに関して配信タイマ部4の処理(タイマ処理)が起動中であるか否かを判別し(ステップ404)、起動中でなければ、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3aを参照する(ステップ405)。
【0037】
残度数テーブル3aにおいて、当該端末アドレスが登録されており(ステップ406)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ407)、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始し(ステップ408)、配信タイマ部4を介して配信タイマテーブル4aに端末アドレスと残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4を起動し(ステップ409)、配信中状態となる(ステップ410)。
【0038】
尚、IGMPバージョン2に準じたユーザ端末2では、同一サブネットに同一グループの受信者が存在する場合、グループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するので、ユーザ端末2は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0039】
図5のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ501)、配信タイマ部4における処理でタイムアウトすると(ステップ502)、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3aにおける当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ509)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ510)。
【0040】
また、ルータ1は、配信タイマ部4でのタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ503)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ504)、当該端末(ユーザ端末2)へのマルチキャストデータ配信を停止し(ステップ505)、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3における残度数テーブル3aの当該端末アドレスに対応する残度数に設定し(ステップ506)、配信タイマ部4の動作を解除し(ステップ507)、未配信中状態とする(ステップ508)。
【0041】
このようにして、本例では、残度数データベース部3において、例えばユーザ端末2が受信可能な残り時間を管理し、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、タイムアウト検出することにより、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づく配信停止を制御できる。
【0042】
このような構成のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する受信者識別情報として、端末アドレスと共にユーザIDを使用することにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0043】
以下、このような処理を可能とするIPマルチキャスト認証課金システムについて、図6〜図8を用いて説明する。
【0044】
図6は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベース部における残度数テーブルの第2の構成例を示す説明図であり、図7は、図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャート、図8は、図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【0045】
図6に示す残度数テーブル3bでは、ユーザIDと、端末アドレスと、残度数とで構成される。端末アドレスは、配信開始時に設定され、配信停止時に解除される。尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを記しているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0046】
このような残度数テーブル3bを用いることにより、本例のIPマルチキャスト認証課金システムでは、マルチキャスト配信部5において、このユーザIDを用い、配信先からマルチキャスト配信要求時に、ユーザIDと共に通知されるアドレス情報宛に、マルチキャストを配信する。
【0047】
このような残度数テーブル3bを用いた、本例のIPマルチキャスト認証課金システムにおけるルータ1による配信開始動作を、図7を用いて説明する。
【0048】
IGMPについては、ユーザ端末2が、グループ離脱要求およびQueryに対する応答も含めて、全てのメッセージにユーザIDを付与し、ユーザIDを鍵に配信タイマを起動および解除する第1の動作、あるいは、ユーザ端末2が、配信開始時にのみユーザIDを付与し、端末アドレスを鍵情報に配信タイマを起動および解除する第2の動作が考えられる。
【0049】
ここでは、第1の動作におけるユーザIDを鍵に配信タイマを起動する動作について説明する。
【0050】
図7のルータ配信開始動作においては、まず、残度数データベース部3において図6に示す残度数テーブル3bに、ユーザIDと残度数を予め登録しておく(ステップ701,702)。尚、残度数は再登録することも可能である。
【0051】
ユーザ端末2は、配信要求時、ルータ1に、ユーザIDと端末アドレス、およびグループアドレスを記したグループ参加メッセージを送信する。
【0052】
ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ703)、当該端末アドレスもしくは当該ユーザIDに対応付けられた配信タイマが起動中でなければ(ステップ704)、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3bを参照する(ステップ705)。
【0053】
残度数テーブル3bにおいて当該ユーザIDが登録されており(ステップ706)、かつ、残度数が0でなければ(ステップ707)、ルータ1は、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ708)。
【0054】
そして、残度数データベース部3の残度数テーブル3bに端末アドレスを登録すると共に(ステップ709)、端末アドレスもしくはユーザIDと残度数を配信タイマ部4においてセットして起動する(ステップ710,711)。このとき始めて端末アドレスが鍵情報として固定される。尚、ステップ709での処理は、ユーザIDで実行する場合は不要となる。
【0055】
ここで、ユーザ端末2がIGMPバージョン2を実装している場合、同一サブネットに同一グループの受信者が存在すれば、通常はグループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するため、ユーザ端末は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0056】
図8のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ801)、配信タイマ部4のタイマ処理でタイムアウトすると(ステップ802)、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおける当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ810)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ811)。
【0057】
また、ルータ1は、配信タイマ部4のタイマ処理でタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ803)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ804)、当該端末(ユーザ端末2)へのマルチキャストデータ配信を停止する(ステップ805)。
【0058】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおける当該端末アドレスもしくはユーザIDに対応する残度数に設定し(ステップ806)、配信タイマ部4の動作を解除し(ステップ807)、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおいて当該端末アドレスを削除して(ステップ808)、未配信中状態とする(ステップ809)。
【0059】
尚、ユーザIDを鍵に配信タイマ部のタイマ処理を起動する揚合は、図7のルータ配信開始動作において、注1と注2に示すように、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレスではなくユーザIDを設定して起動する。また、図8のルータ配信停止動作においては、グループ離脱要求の端末アドレスを鍵情報に、停止する配信タイマ部4におけるタイマ処理を決定する。すなわち残度数データべース部3における残度数テーブル3bには端末アドレスを登録・削除しない。
【0060】
このように、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報(残度数テーブル3b)として、ユーザIDを用いることにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0061】
次に、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報(残度数テーブル3b)として、端末アドレスと残度数と共に配信中フラグを用いた場合の、IPマルチキャスト認証課金システムについて、図9〜図11を用いて説明する。
【0062】
図9は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータにおける残度数データベース部の残度数テーブルの第3の構成例を示す説明図であり、図10は、図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャート、図11は、図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【0063】
図9に示す残度数テーブル3cは、端末アドレスと残度数、および、配信中フラグで構成されている。尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを用いているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。また、配信中フラグに関しても、ここでは、「1」でフラグの設定を、「0」でフラグの解除を表すが、その反対であっても良い。
【0064】
このような構成の残度数テーブル3cを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図10のルータ配信開始動作と図11のルータ配信終了動作で説明する。尚、IGMP自体の動作については自明であり省略する。
【0065】
図10のルータ配信開始動作において、図9の残度数テーブル3cには、端末アドレスと残度数を予め登録しておく(ステップ1001,1002)。尚、残度数は再登録することも可能である。また、配信中フラグの初期値は、解除(ここでは「0」)である。
【0066】
ユーザ端末2は、配信要求時、ルータ1に、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信し、このグループ参加要求メッセージを受信したルータ1は(ステップ1003)、残度数データベース部3を介して図9の残度数テーブル3cを参照する(ステップ1004)。
【0067】
この残度数テーブル3cにおいて、配信中フラグが解除(「0」)であり(ステップ1005)、また、当該端末アドレスが登録されており(ステップ1006)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ1007)、ルータ1は、受信したグループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ1008)。
【0068】
そして、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3cにおける当該端末アドレスの配信中フラグを配信中(「1」)に設定し(ステップ1009)、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレスと残度数をセットして配信タイマ部4を起動する(ステップ1010,1011)。
【0069】
尚、ユーザ端末2がIGMPバージョン2を実装していれば、同一サブネットに同一グループの受信者が存在する場合、通常、グループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するので、ユーザ端末2は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0070】
図11のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ1101)、配信タイマ部4のタイマ処理がタイムアウトすると(ステップ1102)、残度数データベース部3における残度数テーブル3cの当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ1110)、配信中フラグを解除(「0」)し(ステップ1111)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1112)。
【0071】
また、ルータ1は、配信タイマ部4のタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ1103)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ1104)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1105)。
【0072】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3の残度数テーブル3cにおける当該端末アドレスに対応する残度数に設定し(ステップ1106)、残度数テーブル3cにおける配信中フラグを解除(「1」→「0」)すると共に(ステップ1107)、配信タイマ部4の動作を解除して(ステップ1108)、未配信中状態とする(ステップ1109)。
【0073】
このようにして、本例では、残度数データベース部3において、配信中フラグを管理する。このことにより、配信タイマ部4を検索することなく、残度数データベース部3を参照するだけで、配信中か否かの判断ができ、処理の高速化を図ることができる。特に、配信タイマ部4において多数のタイマが動作している際に有効である。
【0074】
次に、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報として、端末アドレスの代わりに、あるいは、端末アドレスと共にユーザIDを設け、さらに、オプションとしてグループアドレス範囲と地域および有効期限とを設けて、種々の制限を施す場合のIPマルチキャスト認証課金システムについて、図12および図13を用いて説明する。
【0075】
図12は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベースにおける残度数テーブルの第4の構成例を示す説明図であり、図13は、図12の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【0076】
図12に示す残度数テーブル3dは、ユーザIDと端末アドレスのいずれか、もしくは両方と、残度数の他に、オプションとしてのグループドレス範囲と地域および有効期限から構成されている。これらのオプションとしてのグループドレス範囲と地域および有効期限は、不要であれば設定しなくても良い。設定されていない場合には、各オプションによる制限がないものとして動作する。
【0077】
尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを用いているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0078】
このような構成の残度数データベース部3dを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図13のルータ配信開始動作で説明する。
【0079】
図13のルータ配信開始動作において、図12の残度数テーブル3dに、端末アドレス(もしくはユーザID)と残度数と共に、配信を限定するためのオプションとして、グループ範囲、地域、有効期限を予め登録しておく(ステップ1301,1302)。尚、限定しない場合は、グループ範囲、地域、有効期限のそれぞれは登録しなくても良い。
【0080】
ユーザ端末2は配信要求時に、ルータ1に対して、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信する。ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ1303)、当該端末アドレスに対して配信タイマ部4が起動中であるか否かを判別し(ステップ1304)、起動中でなければ、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3dを参照する(ステップ1305)。
【0081】
残度数テーブル3dにおいて、当該端末アドレスが登録されており(ステップ1306)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ1307)、さらに、残度数テーブル3dにおいて、グループ範囲指定、地域指定、有効期限指定のそれぞれが設定されているか否かを判別する(ステップ1308,1310,1312)。
【0082】
グループ範囲指定が設定されていれば、グループ参加要求に記されたグループが範囲内か否かを確認し(ステップ1309)、地域指定が設定されていれば、グループ参加要求を受信したルータが当該地域内か否かを確認し(ステップ1311)、有効期限指定が設定されていれば、グループ参加要求を受信した日時が有効期限内か否かを確認する(ステップ1313)。
【0083】
それぞれ設定された当該グループ範囲内、当該地域内、当該有効期限内である場合にのみ、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ1314)。
【0084】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレス(もしくはユーザID)と残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4を起動し(ステップ1315)、配信中状態に移行する(ステップ1316)。
【0085】
このようにして、本例では、ルータ1に設けた残度数データべース部3で管理する情報として、端末アドレス/ユーザIDと残度数と共に、オプションとしてのグループアドレス範囲と地域および有効期限とを設ける。
【0086】
このことにより、例えば、残度数データベース部3において、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。
【0087】
具体的には、グループアドレス範囲指定により、当該端末(あるいはユーザID)で見ることができる番組を限定でき、例えば、配信業者が自チャネルだけを視聴提供する場合、チャネル指定で販売する際、未成年の成人番組視聴を規制できる。
【0088】
また、地域限定を付与することにより、使用場所を限定できる。尚、地域とは、物理的なエリアと共に、仮想的なエリアも含まれる。例えば、物理エリア限定としては、自治体や地域スポンサーの一部負担により、自治体内や地域内でのみサービス提供を有効とする場合があり、仮想的エリアとしては、漫画喫茶やカフェなど系列店内でのみサービス提供を有効とする場合がある。
【0089】
また、有効期限の付与により、配信業者が期間限定サービスを提供する場合、あるいは、期間限定のお試しサービスを提供する場合などに有効である。
【0090】
次に、図14〜図17を用いて、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの他の構成例について説明する。
【0091】
図14は、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の構成例を示すブロック図であり、図15は、図14における残度数変換テーブルの構成例を示す説明図、図16は、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャート、図17は、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【0092】
図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ1に残度数変換テーブル部6を設けたルータ1aを具備しており、このルータ1aにおける残度数データベース部3e、配信タイマ部4b、マルチキャスト配信部5aのそれぞれは、図1に示すIPマルチキャスト認証課金システムのルータ1における残度数データベース部3、配信タイマ部4、マルチキャスト配信部5と同じ処理機能を有する。
【0093】
また、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するユーザ端末(図中「端末」と記載)2aは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するユーザ端末2と同じ機能を有し、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムと同様、図1〜図13で説明した各処理と同様の処理も行う。
【0094】
尚、ルータ1a内に設けられた残度数変換テーブル部6は、例えば、ルータ1aに外付けサーバを設ける場合には、この度数変換テーブル部6を、この外付けサーバに備えても良い。
【0095】
マルチキャスト配信部5aは、残度数データベース部3eに対する読み書きと、配信タイマ部4bに対する設定、起動、解除、参照、および、ユーザ端末2aとのマルチキャストプロトコル処理、そして、ユーザ端末2aへのマルチキャストパケット送信といった、図1におけるルータ1に設けられたマルチキャスト配信部5の処理に加えて、度数変換テーブル部6で管理している度数変換テーブル6aを参照する。
【0096】
図15に示すように、この度数変換テーブル6aは、マルチキャストアドレスと、変換係数とから構成される。マルチキャストアドレスと変換係数の関係は予め登録しておく。
【0097】
また、無料のマルチキャストアドレスの場合、例えば、変換係数は「NULL」というようにして、無料を明示して登録する。変換度数は1以上の場合も1以下の場合も有りうる。
【0098】
このような構成の度数変換テーブル6aを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図16および図17を用いて説明する。
【0099】
ここで、図16は、ルータ1aの配信開始動作を示し、図17は、ルータ1aの配信停止動作を示している。尚、IGMP自体の動作については自明でありここでは省略する。
【0100】
図16に示すように、ルータ1aは、残度数データベース部3eを介して端末アドレスもしくはユーザIDと残度数を、また、度数変換テーブル部6を介してマルチキャストアドレスと変換係数を、各々予め登録しておく(ステップ1601)。
【0101】
未配信中において(ステップ1602)、ユーザ端末2aは配信要求時に、ルータ1aに対して、端末アドレスもしくはユーザIDとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信し、ルータ1aは、図4,7,10におけるステップ403〜408、ステップ703〜709、ステップ1003〜1009の各処理と同様の処理を行う(ステップ1603)。
【0102】
例えば、ユーザ端末2aからのグループ参加要求メッセージを受信すると、当該端末アドレスに対応して配信タイマ部4bが起動中であるか否かを判別し、起動中でなければ、残度数データベース部3eの残度数テーブルを参照し、当該端末アドレスが登録されており、かつ、残度数が「0」でなければ、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信を開始する。
【0103】
このようにしてマルチキャストデータの配信を開始した後、配信タイマ部4bの配信タイマテーブルに端末アドレスと残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4bを起動するが、この配信タイマ部4bに残度数を設定する際、本例では、度数変換テーブル部6の度数変換テーブル6aを参照して(ステップ1604)、当該マルチキャストアドレスの変換係数を求める。
【0104】
求めた変換係数が、例えば「free(=無料)」であれば(ステップ1605)配信タイマ部4bを起動せず、また、無料でなければ、残度数データベース部3eの残度数に、求めた変換係数(「2」、「1.5」、…)を乗算した値を設定して配信タイマ部4bを起動し(ステップ1606)、配信中状態に移行する(ステップ1607)。尚、乗算した結果、端数が生じた場合は、切り上げも切り捨ても可能である。
【0105】
図17のルータ配信停止動作においては、ルータ1aは、配信中に(ステップ1701)、配信タイマ部4bのタイマ処理がタイムアウトすると(ステップ1702)、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該端末アドレスもしくはユーザIDの残度数を「0」に設定し(ステップ1711)、当該端末(ユーザ端末2a)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1712)。
【0106】
また、ルータ1aは、配信タイマ部4bのタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2aのグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ1703)、あるいは、ユーザ端末2aからグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ1704)、当該端末(ユーザ端末2a)へのマルチキャストデータ配信を停止する(ステップ1705)。
【0107】
このステップ1705の処理でマルチキャストデータの配信を停止した後、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該端末アドレスに対応する残度数を、配信タイマ部4bの配信タイマテーブルにおける残余時間に変更・設定するが、この残度数テーブルの残度数を変更・設定する際、本例では、度数変換テーブル6を参照して(ステップ1706)、当該マルチキャストアドレスの変換係数を求める。
【0108】
求めた変換係数が、「free(=無料)」であるか否かを判別し(ステップ1707)、無料でなければ、当該変換係数(「2」、「1.5」、…)で、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該残度数を除算し、その値を配信タイマ部4bに対して設定し、その設定値で、残度数テーブルの残度数を変更・設定する(ステップ1708)。尚、除算の結果、端数が生じた場合は、切り上げも切り捨ても可能である。また、無料の場合、残度数を変更しない。
【0109】
その後、および、ステップ1712の処理の後は、ステップ1709の処理に進み、図5,8,11におけるステップ507(配信タイマ解除)、ステップ807(配信タイマ解除),808(残度数データベースの端末アドレスの削除)、ステップ1107(配信中フラグ解除),ステップ1108(配信タイマ解除)の各処理と同様の処理を行い、未配信中状態となる(ステップ1710)。
【0110】
このようにして、本例では、ルータ1aにおいて、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を設けている。このことにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスが提供可能となる。
【0111】
以上、図1〜図17を用いて説明したように、本例のIPマルチキャスト配信制御システムは、IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御するために、配信先毎に、配信時間をカウントする配信タイマ部4と、この配信タイマ部4のカウント結果に基づき、当該配信先に対応付けて記憶した配信可能時間を減算する残度数データベース部3と、この残度数データベース部3に記憶した配信可能時間が0になると、当該配信先に対するマルチキャスト配信を停止するマルチキャスト配信部5とを有する構成とした。
【0112】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先への配信可能時間を記憶し、配信タイマ部4においては、マルチキャスト配信の開始に伴い、残度数データベース3で記憶された当該配信先への配信可能時間を読み出して記憶し、この記憶した配信可能時間をマルチキャスト配信経過時間毎に減算し、そして、マルチキャスト配信部5において、この配信タイマ部4で記憶している配信可能時間が0になれば、もしくは、配信先(ユーザ端末2)からの配信停止要求があれば、当該マルチキャスト配信を停止すると共に、配信タイマ部4で記憶している残りの配信可能時間で、残度数データベース部3に記憶されている当該配信先の配信可能時間を変更する構成とした。
【0113】
また、マルチキャスト配信部5は、マルチキャスト配信中の配信先からIGMPに規定されるグループ参加メッセージを予め定められた時間受信しなければ、当該マルチキャストの配信を停止する機能を有する構成とした。
【0114】
さらに、残度数データベース部3において、配信可能時間に対応付けられる配信先情報として、配信先のユーザIDを記憶しており、配信先からマルチキャスト配信要求時にユーザIDと共に通知される端末アドレス宛に、マルチキャストを配信する構成とした。
【0115】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先に対するマルチキャスト配信を実行中であるか否かを示すフラグを設定し、マルチキャスト配信部5は、残度数データベース3におけるフラグの設定状況を参照して、当該配信先に対して配信タイマ部4を起動中であるか否かを判別する構成とした。
【0116】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する1以上のマルチキャストグループを特定するグループアドレス範囲情報と、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する地域を特定する地域情報、および、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する期間を特定する有効期限情報の各制限情報の少なくともいずれかひとつを設定し、この残度数データベース部3において配信要求元の配信先に対応して設定された各制限情報に基づき当該配信先へのマルチキャスト配信を制限する構成とした。
【0117】
また、マルチキャスト配信対象毎に、配信タイマ部4のカウント量を特定する情報を対応付けて度数変換テーブル6aとして登録する度数変換テーブル部6を設け、配信タイマ部4において、度数変換テーブル部6に登録されたカウント量で、当該マルチキャスト配信時のカウントを行う構成とした。
【0118】
より具体的には、本例のシステムは、IPネットワークにおいて有料のマルチキャスト配信を提供する場合の認証および課金に用いられ、ルータ1,1aにおいては、配信可能な最大時間(残度数)と、ユーザのIPアドレスあるいはMACアドレス(端末アドレス)とを関連付けて記憶しておく残度数データべース部3,3eと、端末アドレス毎に配信タイマ部4,4bを備え、残度数データべース3,3eに端末アドレスと残度数の関係は予め登録しておく。
【0119】
ユーザはマルチキャスト配信を希望するときに、IGMPのグループ参加要求メッセージ(IGMPバージョン2およびバージョン3の場合はMembership Report)に端末アドレスとグループアドレスを記して、ルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信した場合、当該端末アドレスに対応する配信タイマ部4,4bのタイマが起動しておらず、かつ、残度数データべース部3,3eにおけるテーブルにおいて、当該端末アドレスが登録されており、かつ、残度数が0でなければ、当該端末に対して、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を開始する。
【0120】
その際、ルータ1,1aは、当該残度数を読み出し、当該端末アドレスに対する配信タイマに設定して起動する。尚、当該端末アドレスが残度数データべースに登録されていないか、あるいは、当該端末アドレスに対する残度数が0であれば、マルチキャスト配信を開始しない。また、当該端末アドレスに対応する配信タイマが起動していれば、配信を継続する。
【0121】
そして、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、配信タイマがタイムアウトしたら、当該端末アドレスに対するマルチキャスト配信を停止し、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数を0と書き込む。
【0122】
また、ユーザは、配信停止を要求する場合には、端末アドレスとグループアドレスを記したIGMPのグループ離脱メッセージ(IGMPバージョン2の場合はLeave group、バージョン3の場合はMembership Reportである)をルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、IGMPに規定される動作において、グループ離脱メッセージを受信すれば、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止することに加えて、配信タイマの残余時間を、残度数として、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数に書き込む。
【0123】
あるいは、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、IGMPに規定される動作において、ある一定時間、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を要求するグループ参加メッセージを受信しなければ、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数に書き込む。
【0124】
また、残度数データべースにおいては、ユーザを識別する情報(ユーザID)と残度数を関連付けて記憶し、残度数データべースにユーザIDと残度数の関係は予め登録しておき、ユーザはマルチキャスト配信を希望するときに、IGMPのグループ参加要求メッセージに端末アドレスとグループアドレスに加えて、ユーザIDを記して、ルータ1,1aに送信する。
【0125】
ルータ1,1aは、このグループ参加要求メッセージを受信すると、残度数データべースに当該ユーザIDが登録されており、かつ、残度数が0でなければ、当該端末アドレスに対して、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を開始し、残度数データべースに端末アドレスをユーザIDと関連付けて登録し、当該残度数を読み出し、当該端末アドレスに対する配信タイマに設定して起動する。
【0126】
尚、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信した際に、当該IDが残度数データべースに登録されていないか、あるいは、当該IDに対する残度数が0であれば、マルチキャスト配信を開始しない。また、当該端末アドレスに対応する配信タイマが起動していれば、配信を継続する。
【0127】
また、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、配信タイマがタイムアウトしたら、当該端末アドレスに対するマルチキャスト配信を停止し、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数を0と設定する。
【0128】
また、ユーザは、配信停止を要求する場合には、端末アドレスとグループアドレスを記したIGMPのグループ離脱メッセージをルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、グループ離脱メッセージを受信したら、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数に書き込み、端末アドレスを削除する。
【0129】
あるいはルータ1,1aは、IGMPに規定される動作において、ある一定時間、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を要求するグループ参加メッセージを受信しなければ、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数に書き込む。
【0130】
また、残度数データベースにおいて、端末アドレス毎に、配信中フラグを設け、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信すると、端末アドレスに対応する配信タイマが起動しているかどうかの判断の代わりに、配信中フラグを参照し、設定してあれば、配信タイマが起動していると判断し、また配信中フラグが設定していなければ、配信タイマが起動していないと判断し、残度数を読み出し、タイマを設定する時に、配信中フラグを設定し、残度数を書き込む時に、配信中フラグを解除する。
【0131】
また、残度数データべースにおいて、端末アドレス、あるいは、ユーザIDと関連付けて、受信可能な1以上のグループアドレス、受信可能な地域、有効期限のどれか1つ以上、最大全てを予め記憶しておき、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信すると、残度数データべースにグループアドレスが指定されていれば、ユーザから受信したグループ参加要求のグループアドレスが該当する場合にのみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0132】
また、残度数データべースに受信地域が指定されていれば、グループ参加要求メッセージを受信した地域が、残度数データべースに記憶されている受信可能地域に該当する場合のみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0133】
さらに、残度数データべースに有効期限が指定されていれば、グループ参加要求メッセージを受信した時刻が、有効期限以内である場合のみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0134】
また、ルータ1,1aは、マルチキャストアドレス毎に、当該アドレスのマルチキャスト配信を受信するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブルを備え、残度数データべースの残度数を配信タイマに設定する際に、グループ参加要求メッセージに記されたマルチキャストアドレスから度数変換テーブル6を参照し、データべースの残度数を当該倍率で乗算した値を設定して起動する。
【0135】
尚、度数変換テーブルに無料という指定があれば配信タイマを起動しない。また、配信タイマ残度数を残度数データべースに上書きする際には、当該マルチキャストアドレスから度数変換テーブルを参照し、配信タイマの残度数を倍率で除算した値で上書きする。
【0136】
このように、ユーザ端末2,2aに接続されたルータ1,1aに、残度数データベース部3,3eと配信タイマ部4,4bを設け、残度数データベース部3,3eにおいて、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4,4bを動作させ、残度数データベース部3,3eで管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止させることができ、このことにより、マルチキャスト配信サービスにおいて、支払い額上限設定サービス、およびプリぺイド課金サービスの提供が可能となる。
【0137】
また、残度数データベース部3が残度数テーブル3bにおいて管理する受信者識別情報として、端末の識別情報(端末アドレス)と共にユーザの識別情報(ユーザID)を使用することにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0138】
また、残度数データベース部3が残度数テーブル3cにおいて配信中フラグを管理する構成とすることにより、配信タイマ部4を検索することなく、残度数データベース部3の残度数テーブル3cを参照するだけで、当該端末(ユーザ端末2)に対して配信中か否かの判断ができ、処理の高速化を図ることができる。特に、配信タイマ部4において多数のタイマが動作している際に有効である。
【0139】
また、残度数データベース部3で管理する残度数テーブル3dにおいて、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを予め記憶しておく構成とすることにより、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。
【0140】
さらに、ルータ1aにおいて、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を設けた構成とすることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供することが可能となる。
【0141】
尚、本発明は、図1〜図17を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、ルータ1,1aに残度数データベース部3,3eと配信タイマ部4,4b(および残度数変換テーブル部6)を設け、ルータ1,1aにおいてIPマルチキャスト配信制御システムを実現した構成としているが、例えば図1において、ルータ1に外付けサーバを設け、残度数データベース部3のみ、あるいは、残度数データベース部3と配信タイマ部4を、その外付けサーバに設けた構成としても良い。
【0142】
また、本例で用いるコンピュータ構成例としては、キーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いる内容の記載があるが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【0143】
【発明の効果】
本発明によれば、残度数データべースにより、各端末に配信可能な残り時間を管理し、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶しておき、配信開始時に配信タイマを動作させ、タイムアウト検出することにより、前述の配信度数に基づき配信を停止することができ、マルチキャスト配信サービスにおいて、支払い額上限設定サービス、およびプリぺイド課金サービスを提供することが可能となる。また、残度数データべースで管理する情報として、端末アドレスだけでなく、ユーザIDを受信者識別に使用することにより、ユーザは、受信端末を固定することなく、異なる場所、異なる端末で配信を受けることが可能となる。また、残度数データべースで管理する情報として、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。また、マルチキャストアドレス毎に視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブルを備えることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1における残度数データベース部の残度数テーブルの第1の構成例を示す説明図である。
【図3】図1における配信タイマ部の配信タイマテーブルの構成例を示す説明図である。
【図4】図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【図6】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベース部における残度数テーブルの第2の構成例を示す説明図である。
【図7】図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【図9】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータにおける残度数データベース部の残度数テーブルの第3の構成例を示す説明図である。
【図10】図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図11】図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【図12】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベースにおける残度数テーブルの第4の構成例を示す説明図である。
【図13】図12の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14における残度数変換テーブルの構成例を示す説明図である。
【図16】図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャートである。
【図17】図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【図18】IGAPを用いた従来の認証課金サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図19】図18における認証課金サービスシステムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1,1a:ルータ、2,2a:ユーザ端末、3,3e:残度数データベース部、3a〜3d:残度数テーブル、4,4b:配信タイマ部、4a:配信タイマテーブル、5,5a:マルチキャスト配信部、6:残度数変換テーブル部、6a:残度数変換テーブル、181:ルータ、182:端末、185:マルチキャスト配信部、187:認証課金サーバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP(Internet Protocol)パケット通信網においてIPパケットを複製して複数の宛先に同一IPパケットを配信するIPマルチキャスト技術に係わり、特に、IPマルチキャストの利用範囲の拡充を図るのに好適なIPマルチキャスト配信制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットでのストリーミング・ビデオなどの提供に、IPマルチキャストを使用することで、サーバ側のオーバーヘッドや帯域幅の逼迫といった問題を解決することができる。
【0003】
このIPマルチキャストにおける配信先を特定する技術として、IGMP(Internet Group Management Protocol)が知られている。このIGMPは、IPマルチキャストで配送を受けるために構成されるホスト(コンピュータ端末)のグループを制御するためのものであり、あるホストがグループに参加・脱退したり、マルチキャストルータ間でグループに関する情報をやり取りするのに用いられ、IPの一部として実装される。
【0004】
このIGMPを基にIPマルチキャストの認証課金を行う技術として、例えば非特許文献1に記載のIGAP(IGMP for user Authentication Protocol)がある。この、IPマルチキャストにおける配信先を特定するIGAPを用いることで、IPマルチキャストの認証サービスおよび課金サービスを行うことができる。
【0005】
【非特許文献1】
”IGMP for user Authentication Protocol (IGAP)”, IETF, draft−andow−igmp−auth−0.1, June.2002
【0006】
図18は、IGAPを用いた従来の認証課金サービスシステムの構成を示すブロック図であり、図19は、図18における認証課金サービスシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0007】
図18に示すように、認証課金サービスシステムは、ルータ181と、認証課金サーバ187と、端末182とから構成され、ルータ181にはマルチキャスト配信部185が設けられている。
【0008】
このマルチキャスト配信部185は、端末182との間のマルチキャストプロトコル処理と、認証課金サーバ187との通信プロトコル処理、およびマルチキャストパケットの端末182への送信処理を行う。
【0009】
図19に示すように、端末182は、受信開始時に、IGAPに基づき、ユーザIDとパスワード、および、要求するグループアドレスを付与したグループ参加要求メッセージをルータ181に送信する(ステップ1901)。ルータ181は、当該メッセージを受信すると、ユーザIDとパスワードおよびグループアドレスを認証課金サーバ187に送信する(ステップ1902)。
【0010】
認証課金サーバ187は、予め登録しておいたユーザIDとパスワードと、ルータ181から受信したユーザIDとパスワードを照合し、一致すれば認証許可を、誤りであれば認証否決を、ルータ181に送信する(ステップ1903)。
【0011】
認証課金サーバ187から認証許可を受信したルータ181は、グループ参加要求メッセージを送信してきた端末182に対して、当該グループアドレスのIPマルチキャスト配信を開始すると共に(ステップ1904)、当該ユーザIDに対する課金開始を認証課金サーバ187に通知する(ステップ1905)。
【0012】
認証課金サーバ187は、当該ユーザIDに対する課金処理を開始し(ステップ1905)、その旨をルータ181に通知する(ステップ1907)。通知を受けたルータ181は、以降、端末182に対するIPマルチキャスト配信を実行する(ステップ1908)。
【0013】
端末182は、受信終了時には、IGAPに基づき、終了要求するグループアドレスを付与したグループ参加離脱メッセージをルータ181に送信し(ステップ1909)、ルータ181は、当該メッセージを受信すると、当該グループアドレスのIPマルチキャストパケット配信を停止し(ステップ1910)、当該端末182に対する課金停止を認証課金サーバ187に通知する(ステップ1911)。
【0014】
通知を受けた認証課金サーバ187は、当該端末182に対する課金処理を停止し(ステップ1912)、ルータ181に応答を返す(ステップ1913)。
【0015】
このようにして、マルチキャストの認証、および課金開始から課金停止までの時間が計数可能となり、時間単位での課金サービスが提供可能となる。
【0016】
しかしながら、このIGAPを用いたIPマルチキャスト認証課金システムでは、課金開始と課金停止のみの情報を収集するだけであり、マルチキャスト配信サービスにおいて、例えば、ユーザが予め金額を支払うプリぺイドサービス、あるいは、ユーザが支払い上限額を設定してその範囲内でサービス提供を受けるといった上限額設定サービス等、予め定めたある一定の時間内に限っての配信サービスには適用することができない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、IPマルチキャストの課金サービスにおいて、IPマルチキャストでの配信を受けるためのグループの参加に伴う課金開始と、グループからの脱退に伴う課金停止を制御することしかできない点である。
【0018】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、IPマルチキャストによる、例えばプリぺイドサービスや上限額設定サービスなどの高度なネットワークサービスの提供も可能とすることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、例えば、ユーザ端末に接続されたルータ1に、残度数データベース部3と配信タイマ部4を設け、残度数データベース部3において、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、残度数データベース部3で管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止する。また、残度数データベース部3(残度数テーブル3b)における受信者識別情報として、端末の識別情報(端末アドレス)と共にユーザの識別情報(ユーザID)を使用する。このことにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。また、残度数データベース部3(残度数テーブル3d)において、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行可能とする。さらに、ルータ1(a)において、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を備えることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供可能とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の構成例を示すブロック図であり、図2は、図1における残度数データベース部の残度数テーブルの第1の構成例を示す説明図、図3は、図1における配信タイマ部の配信タイマテーブルの構成例を示す説明図、図4は、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャート、図5は、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【0022】
図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、IGMPを用いてIPマルチキャストの認証処理および課金処理を行うものであり、ルータ1とユーザ端末(図中「端末」と記載)2をネットワークを介して接続してなり、これらのルータ1、ユーザ端末2のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示装置、入力装置、外部記憶装置等を具備したコンピュータ構成からなり、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより各機能を実装する。
【0023】
本例のルータ1では、残度数データベース部(図中「残度数データベース」と記載)3と配信タイマ部(図中「配信タイマ」と記載)4およびマルチキャスト配信部5の各機能が実装され、残度数データベース部3により認証処理を行い、配信タイマ部4により課金処理を行う。
【0024】
マルチキャスト配信部5は、残度数データベース部3に対する情報の読み書きと、配信タイマ部4に対する設定、起動、解除、参照、および、ユーザ端末2とのマルチキャストプロトコル処理、さらに、ユーザ端末2へのマルチキャストパケット送信を行う。
【0025】
残度数データベース部3と配信タイマ部4は、マルチキャスト配信部5に接続され、このマルチキャスト配信部5には、ユーザ端末2が接続されている。IGMPなどのマルチキヤストプロトコルも、このマルチキャスト配信部5で処理する。
【0026】
本例では、説明の明確化のため、マルチキャスト配信サーバの説明は省略するが、図示していないマルチキャスト配信サーバからのマルチキャストデータが、ルータ1まで配信されているものとして説明する。
【0027】
本例では、ルータ1は、残度数データベース部3において、ユーザ端末2を含む各端末に関して、ユーザが予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶しておき、例えばユーザ端末2が受信可能な残り時間を管理し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、タイムアウト検出することにより、残度数データベース部3で管理している配信度数に基づく配信を停止することができる。
【0028】
このような制御を行うために本例の残度数データベース部3は、図2に示すように、端末アドレスと、残度数で構成された残度数テーブル3aを有する。尚、図2では、端末アドレスの例としてIPアドレス(「192.168.1.1」、「192.168.10.1」、…)を用いているが、端末アドレスとしては、IPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0029】
また、配信タイマ部4は、図3に示すように、端末アドレスと配信タイマ値で構成される配信タイマテーブル4aを有し、この配信タイマテーブル4aにおける端末アドレスと配信タイマ値は、ルータ1によるデータの配信開始動作において設定される。尚、図3の例では、端末アドレスとしてIPアドレス(「192.168.1.2」、「192.168.10.2」、…)を用いているが、端末アドレスとしては、IPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0030】
このような構成とすることにより、本例のIPマルチキャスト認証課金システムでは、IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御する際、配信タイマ部4において、配信先毎に、配信時間をカウントし、この配信タイマ部4のカウント結果に基づき、残度数データベース部3において、当該配信先に対応付けて記憶した配信可能時間を減算し、この配信可能時間がゼロ(「0」)になると、マルチキャスト配信部5において、当該配信先に対するマルチキャスト配信を停止する。
【0031】
本例では、残度数データベース部3に記憶した配信可能時間を読み出して配信タイマ部4において保持し、保持した配信可能時間を所定のカウント量で減算することで、配信タイマ部4のタイムアウト、すなわち、配信可能時間が0になることを検出する。
【0032】
また、このタイムアウト前に配信先からのIGMPの配信停止要求があれば、当該マルチキャスト配信を停止すると共に、配信タイマ部4で保持している残りの配信可能時間で、残度数データベース部3で記憶されている当該配信先の配信可能時間を変更する。
【0033】
また、マルチキャスト配信中の配信先からIGMPに規定されるグループ参加メッセージを予め定められた時間受信しなければ、マルチキャスト配信部5は、当該マルチキャストの配信を停止する。
【0034】
以下、このような構成からなるIPマルチキャスト認証課金システムにおけるルータ1の動作を、図4および図5を用いて説明する。ここで、図4は、ルータ1の配信開始動作を示し、図5は、ルータ1の配信終了動作を示している。尚、IGMP自体の動作については自明でありここでは省略する。
【0035】
図4に示すように、ルータ1は、残度数データベース部3において、端末アドレスと残度数を残度数テーブル3aに予め登録しておく(ステップ401)。尚、残度数は再登録することも可能である。未配信中(ステップ402)、ユーザ端末2は配信要求時に、ルータ1に対して、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信する。
【0036】
ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ403)、当該端末アドレスに関して配信タイマ部4の処理(タイマ処理)が起動中であるか否かを判別し(ステップ404)、起動中でなければ、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3aを参照する(ステップ405)。
【0037】
残度数テーブル3aにおいて、当該端末アドレスが登録されており(ステップ406)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ407)、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始し(ステップ408)、配信タイマ部4を介して配信タイマテーブル4aに端末アドレスと残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4を起動し(ステップ409)、配信中状態となる(ステップ410)。
【0038】
尚、IGMPバージョン2に準じたユーザ端末2では、同一サブネットに同一グループの受信者が存在する場合、グループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するので、ユーザ端末2は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0039】
図5のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ501)、配信タイマ部4における処理でタイムアウトすると(ステップ502)、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3aにおける当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ509)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ510)。
【0040】
また、ルータ1は、配信タイマ部4でのタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ503)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ504)、当該端末(ユーザ端末2)へのマルチキャストデータ配信を停止し(ステップ505)、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3における残度数テーブル3aの当該端末アドレスに対応する残度数に設定し(ステップ506)、配信タイマ部4の動作を解除し(ステップ507)、未配信中状態とする(ステップ508)。
【0041】
このようにして、本例では、残度数データベース部3において、例えばユーザ端末2が受信可能な残り時間を管理し、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶し、配信開始時に配信タイマ部4を動作させ、タイムアウト検出することにより、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づく配信停止を制御できる。
【0042】
このような構成のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する受信者識別情報として、端末アドレスと共にユーザIDを使用することにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0043】
以下、このような処理を可能とするIPマルチキャスト認証課金システムについて、図6〜図8を用いて説明する。
【0044】
図6は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベース部における残度数テーブルの第2の構成例を示す説明図であり、図7は、図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャート、図8は、図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【0045】
図6に示す残度数テーブル3bでは、ユーザIDと、端末アドレスと、残度数とで構成される。端末アドレスは、配信開始時に設定され、配信停止時に解除される。尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを記しているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0046】
このような残度数テーブル3bを用いることにより、本例のIPマルチキャスト認証課金システムでは、マルチキャスト配信部5において、このユーザIDを用い、配信先からマルチキャスト配信要求時に、ユーザIDと共に通知されるアドレス情報宛に、マルチキャストを配信する。
【0047】
このような残度数テーブル3bを用いた、本例のIPマルチキャスト認証課金システムにおけるルータ1による配信開始動作を、図7を用いて説明する。
【0048】
IGMPについては、ユーザ端末2が、グループ離脱要求およびQueryに対する応答も含めて、全てのメッセージにユーザIDを付与し、ユーザIDを鍵に配信タイマを起動および解除する第1の動作、あるいは、ユーザ端末2が、配信開始時にのみユーザIDを付与し、端末アドレスを鍵情報に配信タイマを起動および解除する第2の動作が考えられる。
【0049】
ここでは、第1の動作におけるユーザIDを鍵に配信タイマを起動する動作について説明する。
【0050】
図7のルータ配信開始動作においては、まず、残度数データベース部3において図6に示す残度数テーブル3bに、ユーザIDと残度数を予め登録しておく(ステップ701,702)。尚、残度数は再登録することも可能である。
【0051】
ユーザ端末2は、配信要求時、ルータ1に、ユーザIDと端末アドレス、およびグループアドレスを記したグループ参加メッセージを送信する。
【0052】
ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ703)、当該端末アドレスもしくは当該ユーザIDに対応付けられた配信タイマが起動中でなければ(ステップ704)、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3bを参照する(ステップ705)。
【0053】
残度数テーブル3bにおいて当該ユーザIDが登録されており(ステップ706)、かつ、残度数が0でなければ(ステップ707)、ルータ1は、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ708)。
【0054】
そして、残度数データベース部3の残度数テーブル3bに端末アドレスを登録すると共に(ステップ709)、端末アドレスもしくはユーザIDと残度数を配信タイマ部4においてセットして起動する(ステップ710,711)。このとき始めて端末アドレスが鍵情報として固定される。尚、ステップ709での処理は、ユーザIDで実行する場合は不要となる。
【0055】
ここで、ユーザ端末2がIGMPバージョン2を実装している場合、同一サブネットに同一グループの受信者が存在すれば、通常はグループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するため、ユーザ端末は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0056】
図8のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ801)、配信タイマ部4のタイマ処理でタイムアウトすると(ステップ802)、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおける当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ810)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ811)。
【0057】
また、ルータ1は、配信タイマ部4のタイマ処理でタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ803)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ804)、当該端末(ユーザ端末2)へのマルチキャストデータ配信を停止する(ステップ805)。
【0058】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおける当該端末アドレスもしくはユーザIDに対応する残度数に設定し(ステップ806)、配信タイマ部4の動作を解除し(ステップ807)、残度数データベース部3の残度数テーブル3bにおいて当該端末アドレスを削除して(ステップ808)、未配信中状態とする(ステップ809)。
【0059】
尚、ユーザIDを鍵に配信タイマ部のタイマ処理を起動する揚合は、図7のルータ配信開始動作において、注1と注2に示すように、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレスではなくユーザIDを設定して起動する。また、図8のルータ配信停止動作においては、グループ離脱要求の端末アドレスを鍵情報に、停止する配信タイマ部4におけるタイマ処理を決定する。すなわち残度数データべース部3における残度数テーブル3bには端末アドレスを登録・削除しない。
【0060】
このように、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報(残度数テーブル3b)として、ユーザIDを用いることにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0061】
次に、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報(残度数テーブル3b)として、端末アドレスと残度数と共に配信中フラグを用いた場合の、IPマルチキャスト認証課金システムについて、図9〜図11を用いて説明する。
【0062】
図9は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータにおける残度数データベース部の残度数テーブルの第3の構成例を示す説明図であり、図10は、図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャート、図11は、図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【0063】
図9に示す残度数テーブル3cは、端末アドレスと残度数、および、配信中フラグで構成されている。尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを用いているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。また、配信中フラグに関しても、ここでは、「1」でフラグの設定を、「0」でフラグの解除を表すが、その反対であっても良い。
【0064】
このような構成の残度数テーブル3cを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図10のルータ配信開始動作と図11のルータ配信終了動作で説明する。尚、IGMP自体の動作については自明であり省略する。
【0065】
図10のルータ配信開始動作において、図9の残度数テーブル3cには、端末アドレスと残度数を予め登録しておく(ステップ1001,1002)。尚、残度数は再登録することも可能である。また、配信中フラグの初期値は、解除(ここでは「0」)である。
【0066】
ユーザ端末2は、配信要求時、ルータ1に、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信し、このグループ参加要求メッセージを受信したルータ1は(ステップ1003)、残度数データベース部3を介して図9の残度数テーブル3cを参照する(ステップ1004)。
【0067】
この残度数テーブル3cにおいて、配信中フラグが解除(「0」)であり(ステップ1005)、また、当該端末アドレスが登録されており(ステップ1006)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ1007)、ルータ1は、受信したグループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ1008)。
【0068】
そして、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3cにおける当該端末アドレスの配信中フラグを配信中(「1」)に設定し(ステップ1009)、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレスと残度数をセットして配信タイマ部4を起動する(ステップ1010,1011)。
【0069】
尚、ユーザ端末2がIGMPバージョン2を実装していれば、同一サブネットに同一グループの受信者が存在する場合、通常、グループ参加要求メッセージが送信抑止されるが、本例では、ユーザ端末毎に配信タイマ動作を実行するので、ユーザ端末2は、グループ参加要求メッセージの送信を抑止しない。
【0070】
図11のルータ配信停止動作においては、ルータ1は、配信中に(ステップ1101)、配信タイマ部4のタイマ処理がタイムアウトすると(ステップ1102)、残度数データベース部3における残度数テーブル3cの当該端末アドレスの残度数を「0」に設定し(ステップ1110)、配信中フラグを解除(「0」)し(ステップ1111)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1112)。
【0071】
また、ルータ1は、配信タイマ部4のタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2のグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ1103)、あるいは、ユーザ端末2からグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ1104)、当該端末(ユーザ端末2)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1105)。
【0072】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aにおける残余時間を、残度数データベース部3の残度数テーブル3cにおける当該端末アドレスに対応する残度数に設定し(ステップ1106)、残度数テーブル3cにおける配信中フラグを解除(「1」→「0」)すると共に(ステップ1107)、配信タイマ部4の動作を解除して(ステップ1108)、未配信中状態とする(ステップ1109)。
【0073】
このようにして、本例では、残度数データベース部3において、配信中フラグを管理する。このことにより、配信タイマ部4を検索することなく、残度数データベース部3を参照するだけで、配信中か否かの判断ができ、処理の高速化を図ることができる。特に、配信タイマ部4において多数のタイマが動作している際に有効である。
【0074】
次に、図1のIPマルチキャスト認証課金システムにおいて、ルータ1に設けた残度数データベース部3で管理する情報として、端末アドレスの代わりに、あるいは、端末アドレスと共にユーザIDを設け、さらに、オプションとしてグループアドレス範囲と地域および有効期限とを設けて、種々の制限を施す場合のIPマルチキャスト認証課金システムについて、図12および図13を用いて説明する。
【0075】
図12は、図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベースにおける残度数テーブルの第4の構成例を示す説明図であり、図13は、図12の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【0076】
図12に示す残度数テーブル3dは、ユーザIDと端末アドレスのいずれか、もしくは両方と、残度数の他に、オプションとしてのグループドレス範囲と地域および有効期限から構成されている。これらのオプションとしてのグループドレス範囲と地域および有効期限は、不要であれば設定しなくても良い。設定されていない場合には、各オプションによる制限がないものとして動作する。
【0077】
尚、ここでは、端末アドレスの例としてIPアドレスを用いているが、端末アドレスとしてはIPアドレスでもMACアドレスでも、あるいは両方でも良い。
【0078】
このような構成の残度数データベース部3dを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図13のルータ配信開始動作で説明する。
【0079】
図13のルータ配信開始動作において、図12の残度数テーブル3dに、端末アドレス(もしくはユーザID)と残度数と共に、配信を限定するためのオプションとして、グループ範囲、地域、有効期限を予め登録しておく(ステップ1301,1302)。尚、限定しない場合は、グループ範囲、地域、有効期限のそれぞれは登録しなくても良い。
【0080】
ユーザ端末2は配信要求時に、ルータ1に対して、端末アドレスとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信する。ルータ1は、ユーザ端末2からのグループ参加要求メッセージを受信すると(ステップ1303)、当該端末アドレスに対して配信タイマ部4が起動中であるか否かを判別し(ステップ1304)、起動中でなければ、残度数データベース部3を介して残度数テーブル3dを参照する(ステップ1305)。
【0081】
残度数テーブル3dにおいて、当該端末アドレスが登録されており(ステップ1306)、かつ、残度数が「0」でなければ(ステップ1307)、さらに、残度数テーブル3dにおいて、グループ範囲指定、地域指定、有効期限指定のそれぞれが設定されているか否かを判別する(ステップ1308,1310,1312)。
【0082】
グループ範囲指定が設定されていれば、グループ参加要求に記されたグループが範囲内か否かを確認し(ステップ1309)、地域指定が設定されていれば、グループ参加要求を受信したルータが当該地域内か否かを確認し(ステップ1311)、有効期限指定が設定されていれば、グループ参加要求を受信した日時が有効期限内か否かを確認する(ステップ1313)。
【0083】
それぞれ設定された当該グループ範囲内、当該地域内、当該有効期限内である場合にのみ、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信開始する(ステップ1314)。
【0084】
そして、配信タイマ部4の配信タイマテーブル4aに端末アドレス(もしくはユーザID)と残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4を起動し(ステップ1315)、配信中状態に移行する(ステップ1316)。
【0085】
このようにして、本例では、ルータ1に設けた残度数データべース部3で管理する情報として、端末アドレス/ユーザIDと残度数と共に、オプションとしてのグループアドレス範囲と地域および有効期限とを設ける。
【0086】
このことにより、例えば、残度数データベース部3において、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。
【0087】
具体的には、グループアドレス範囲指定により、当該端末(あるいはユーザID)で見ることができる番組を限定でき、例えば、配信業者が自チャネルだけを視聴提供する場合、チャネル指定で販売する際、未成年の成人番組視聴を規制できる。
【0088】
また、地域限定を付与することにより、使用場所を限定できる。尚、地域とは、物理的なエリアと共に、仮想的なエリアも含まれる。例えば、物理エリア限定としては、自治体や地域スポンサーの一部負担により、自治体内や地域内でのみサービス提供を有効とする場合があり、仮想的エリアとしては、漫画喫茶やカフェなど系列店内でのみサービス提供を有効とする場合がある。
【0089】
また、有効期限の付与により、配信業者が期間限定サービスを提供する場合、あるいは、期間限定のお試しサービスを提供する場合などに有効である。
【0090】
次に、図14〜図17を用いて、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの他の構成例について説明する。
【0091】
図14は、本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の構成例を示すブロック図であり、図15は、図14における残度数変換テーブルの構成例を示す説明図、図16は、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャート、図17は、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【0092】
図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ1に残度数変換テーブル部6を設けたルータ1aを具備しており、このルータ1aにおける残度数データベース部3e、配信タイマ部4b、マルチキャスト配信部5aのそれぞれは、図1に示すIPマルチキャスト認証課金システムのルータ1における残度数データベース部3、配信タイマ部4、マルチキャスト配信部5と同じ処理機能を有する。
【0093】
また、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するユーザ端末(図中「端末」と記載)2aは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムを構成するユーザ端末2と同じ機能を有し、図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムは、図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムと同様、図1〜図13で説明した各処理と同様の処理も行う。
【0094】
尚、ルータ1a内に設けられた残度数変換テーブル部6は、例えば、ルータ1aに外付けサーバを設ける場合には、この度数変換テーブル部6を、この外付けサーバに備えても良い。
【0095】
マルチキャスト配信部5aは、残度数データベース部3eに対する読み書きと、配信タイマ部4bに対する設定、起動、解除、参照、および、ユーザ端末2aとのマルチキャストプロトコル処理、そして、ユーザ端末2aへのマルチキャストパケット送信といった、図1におけるルータ1に設けられたマルチキャスト配信部5の処理に加えて、度数変換テーブル部6で管理している度数変換テーブル6aを参照する。
【0096】
図15に示すように、この度数変換テーブル6aは、マルチキャストアドレスと、変換係数とから構成される。マルチキャストアドレスと変換係数の関係は予め登録しておく。
【0097】
また、無料のマルチキャストアドレスの場合、例えば、変換係数は「NULL」というようにして、無料を明示して登録する。変換度数は1以上の場合も1以下の場合も有りうる。
【0098】
このような構成の度数変換テーブル6aを用いた本例のIPマルチキャスト認証課金システムの動作を、図16および図17を用いて説明する。
【0099】
ここで、図16は、ルータ1aの配信開始動作を示し、図17は、ルータ1aの配信停止動作を示している。尚、IGMP自体の動作については自明でありここでは省略する。
【0100】
図16に示すように、ルータ1aは、残度数データベース部3eを介して端末アドレスもしくはユーザIDと残度数を、また、度数変換テーブル部6を介してマルチキャストアドレスと変換係数を、各々予め登録しておく(ステップ1601)。
【0101】
未配信中において(ステップ1602)、ユーザ端末2aは配信要求時に、ルータ1aに対して、端末アドレスもしくはユーザIDとグループアドレスとを記したグループ参加メッセージを送信し、ルータ1aは、図4,7,10におけるステップ403〜408、ステップ703〜709、ステップ1003〜1009の各処理と同様の処理を行う(ステップ1603)。
【0102】
例えば、ユーザ端末2aからのグループ参加要求メッセージを受信すると、当該端末アドレスに対応して配信タイマ部4bが起動中であるか否かを判別し、起動中でなければ、残度数データベース部3eの残度数テーブルを参照し、当該端末アドレスが登録されており、かつ、残度数が「0」でなければ、グループ参加要求メッセージに記されたグループアドレスのマルチキャストデータを、当該メッセージを受信したポートから配信を開始する。
【0103】
このようにしてマルチキャストデータの配信を開始した後、配信タイマ部4bの配信タイマテーブルに端末アドレスと残度数をセット(設定)して、配信タイマ部4bを起動するが、この配信タイマ部4bに残度数を設定する際、本例では、度数変換テーブル部6の度数変換テーブル6aを参照して(ステップ1604)、当該マルチキャストアドレスの変換係数を求める。
【0104】
求めた変換係数が、例えば「free(=無料)」であれば(ステップ1605)配信タイマ部4bを起動せず、また、無料でなければ、残度数データベース部3eの残度数に、求めた変換係数(「2」、「1.5」、…)を乗算した値を設定して配信タイマ部4bを起動し(ステップ1606)、配信中状態に移行する(ステップ1607)。尚、乗算した結果、端数が生じた場合は、切り上げも切り捨ても可能である。
【0105】
図17のルータ配信停止動作においては、ルータ1aは、配信中に(ステップ1701)、配信タイマ部4bのタイマ処理がタイムアウトすると(ステップ1702)、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該端末アドレスもしくはユーザIDの残度数を「0」に設定し(ステップ1711)、当該端末(ユーザ端末2a)への当該マルチグループのマルチキャストデータの配信を停止する(ステップ1712)。
【0106】
また、ルータ1aは、配信タイマ部4bのタイマ処理がタイムアウトする前に、IGMP自体の動作によりユーザ端末2aのグループメンバシップインタバルがタイムアウトした場合(ステップ1703)、あるいは、ユーザ端末2aからグループ離脱要求メッセージを受信した場合(ステップ1704)、当該端末(ユーザ端末2a)へのマルチキャストデータ配信を停止する(ステップ1705)。
【0107】
このステップ1705の処理でマルチキャストデータの配信を停止した後、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該端末アドレスに対応する残度数を、配信タイマ部4bの配信タイマテーブルにおける残余時間に変更・設定するが、この残度数テーブルの残度数を変更・設定する際、本例では、度数変換テーブル6を参照して(ステップ1706)、当該マルチキャストアドレスの変換係数を求める。
【0108】
求めた変換係数が、「free(=無料)」であるか否かを判別し(ステップ1707)、無料でなければ、当該変換係数(「2」、「1.5」、…)で、残度数データベース部3eで管理している残度数テーブルにおける当該残度数を除算し、その値を配信タイマ部4bに対して設定し、その設定値で、残度数テーブルの残度数を変更・設定する(ステップ1708)。尚、除算の結果、端数が生じた場合は、切り上げも切り捨ても可能である。また、無料の場合、残度数を変更しない。
【0109】
その後、および、ステップ1712の処理の後は、ステップ1709の処理に進み、図5,8,11におけるステップ507(配信タイマ解除)、ステップ807(配信タイマ解除),808(残度数データベースの端末アドレスの削除)、ステップ1107(配信中フラグ解除),ステップ1108(配信タイマ解除)の各処理と同様の処理を行い、未配信中状態となる(ステップ1710)。
【0110】
このようにして、本例では、ルータ1aにおいて、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を設けている。このことにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスが提供可能となる。
【0111】
以上、図1〜図17を用いて説明したように、本例のIPマルチキャスト配信制御システムは、IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御するために、配信先毎に、配信時間をカウントする配信タイマ部4と、この配信タイマ部4のカウント結果に基づき、当該配信先に対応付けて記憶した配信可能時間を減算する残度数データベース部3と、この残度数データベース部3に記憶した配信可能時間が0になると、当該配信先に対するマルチキャスト配信を停止するマルチキャスト配信部5とを有する構成とした。
【0112】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先への配信可能時間を記憶し、配信タイマ部4においては、マルチキャスト配信の開始に伴い、残度数データベース3で記憶された当該配信先への配信可能時間を読み出して記憶し、この記憶した配信可能時間をマルチキャスト配信経過時間毎に減算し、そして、マルチキャスト配信部5において、この配信タイマ部4で記憶している配信可能時間が0になれば、もしくは、配信先(ユーザ端末2)からの配信停止要求があれば、当該マルチキャスト配信を停止すると共に、配信タイマ部4で記憶している残りの配信可能時間で、残度数データベース部3に記憶されている当該配信先の配信可能時間を変更する構成とした。
【0113】
また、マルチキャスト配信部5は、マルチキャスト配信中の配信先からIGMPに規定されるグループ参加メッセージを予め定められた時間受信しなければ、当該マルチキャストの配信を停止する機能を有する構成とした。
【0114】
さらに、残度数データベース部3において、配信可能時間に対応付けられる配信先情報として、配信先のユーザIDを記憶しており、配信先からマルチキャスト配信要求時にユーザIDと共に通知される端末アドレス宛に、マルチキャストを配信する構成とした。
【0115】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先に対するマルチキャスト配信を実行中であるか否かを示すフラグを設定し、マルチキャスト配信部5は、残度数データベース3におけるフラグの設定状況を参照して、当該配信先に対して配信タイマ部4を起動中であるか否かを判別する構成とした。
【0116】
また、残度数データベース部3においては、配信先毎に対応付けて、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する1以上のマルチキャストグループを特定するグループアドレス範囲情報と、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する地域を特定する地域情報、および、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する期間を特定する有効期限情報の各制限情報の少なくともいずれかひとつを設定し、この残度数データベース部3において配信要求元の配信先に対応して設定された各制限情報に基づき当該配信先へのマルチキャスト配信を制限する構成とした。
【0117】
また、マルチキャスト配信対象毎に、配信タイマ部4のカウント量を特定する情報を対応付けて度数変換テーブル6aとして登録する度数変換テーブル部6を設け、配信タイマ部4において、度数変換テーブル部6に登録されたカウント量で、当該マルチキャスト配信時のカウントを行う構成とした。
【0118】
より具体的には、本例のシステムは、IPネットワークにおいて有料のマルチキャスト配信を提供する場合の認証および課金に用いられ、ルータ1,1aにおいては、配信可能な最大時間(残度数)と、ユーザのIPアドレスあるいはMACアドレス(端末アドレス)とを関連付けて記憶しておく残度数データべース部3,3eと、端末アドレス毎に配信タイマ部4,4bを備え、残度数データべース3,3eに端末アドレスと残度数の関係は予め登録しておく。
【0119】
ユーザはマルチキャスト配信を希望するときに、IGMPのグループ参加要求メッセージ(IGMPバージョン2およびバージョン3の場合はMembership Report)に端末アドレスとグループアドレスを記して、ルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信した場合、当該端末アドレスに対応する配信タイマ部4,4bのタイマが起動しておらず、かつ、残度数データべース部3,3eにおけるテーブルにおいて、当該端末アドレスが登録されており、かつ、残度数が0でなければ、当該端末に対して、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を開始する。
【0120】
その際、ルータ1,1aは、当該残度数を読み出し、当該端末アドレスに対する配信タイマに設定して起動する。尚、当該端末アドレスが残度数データべースに登録されていないか、あるいは、当該端末アドレスに対する残度数が0であれば、マルチキャスト配信を開始しない。また、当該端末アドレスに対応する配信タイマが起動していれば、配信を継続する。
【0121】
そして、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、配信タイマがタイムアウトしたら、当該端末アドレスに対するマルチキャスト配信を停止し、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数を0と書き込む。
【0122】
また、ユーザは、配信停止を要求する場合には、端末アドレスとグループアドレスを記したIGMPのグループ離脱メッセージ(IGMPバージョン2の場合はLeave group、バージョン3の場合はMembership Reportである)をルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、IGMPに規定される動作において、グループ離脱メッセージを受信すれば、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止することに加えて、配信タイマの残余時間を、残度数として、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数に書き込む。
【0123】
あるいは、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、IGMPに規定される動作において、ある一定時間、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を要求するグループ参加メッセージを受信しなければ、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該端末アドレスに対する残度数に書き込む。
【0124】
また、残度数データべースにおいては、ユーザを識別する情報(ユーザID)と残度数を関連付けて記憶し、残度数データべースにユーザIDと残度数の関係は予め登録しておき、ユーザはマルチキャスト配信を希望するときに、IGMPのグループ参加要求メッセージに端末アドレスとグループアドレスに加えて、ユーザIDを記して、ルータ1,1aに送信する。
【0125】
ルータ1,1aは、このグループ参加要求メッセージを受信すると、残度数データべースに当該ユーザIDが登録されており、かつ、残度数が0でなければ、当該端末アドレスに対して、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を開始し、残度数データべースに端末アドレスをユーザIDと関連付けて登録し、当該残度数を読み出し、当該端末アドレスに対する配信タイマに設定して起動する。
【0126】
尚、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信した際に、当該IDが残度数データべースに登録されていないか、あるいは、当該IDに対する残度数が0であれば、マルチキャスト配信を開始しない。また、当該端末アドレスに対応する配信タイマが起動していれば、配信を継続する。
【0127】
また、ルータ1,1aは、マルチキャスト配信開始後、配信タイマがタイムアウトしたら、当該端末アドレスに対するマルチキャスト配信を停止し、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数を0と設定する。
【0128】
また、ユーザは、配信停止を要求する場合には、端末アドレスとグループアドレスを記したIGMPのグループ離脱メッセージをルータ1,1aに送信し、ルータ1,1aは、グループ離脱メッセージを受信したら、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数に書き込み、端末アドレスを削除する。
【0129】
あるいはルータ1,1aは、IGMPに規定される動作において、ある一定時間、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を要求するグループ参加メッセージを受信しなければ、当該端末アドレスに対する、当該グループアドレスのマルチキャスト配信を停止し、配信タイマの残余時間を残度数として、残度数データべースの当該ユーザIDに対する残度数に書き込む。
【0130】
また、残度数データベースにおいて、端末アドレス毎に、配信中フラグを設け、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信すると、端末アドレスに対応する配信タイマが起動しているかどうかの判断の代わりに、配信中フラグを参照し、設定してあれば、配信タイマが起動していると判断し、また配信中フラグが設定していなければ、配信タイマが起動していないと判断し、残度数を読み出し、タイマを設定する時に、配信中フラグを設定し、残度数を書き込む時に、配信中フラグを解除する。
【0131】
また、残度数データべースにおいて、端末アドレス、あるいは、ユーザIDと関連付けて、受信可能な1以上のグループアドレス、受信可能な地域、有効期限のどれか1つ以上、最大全てを予め記憶しておき、ルータ1,1aは、グループ参加要求メッセージを受信すると、残度数データべースにグループアドレスが指定されていれば、ユーザから受信したグループ参加要求のグループアドレスが該当する場合にのみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0132】
また、残度数データべースに受信地域が指定されていれば、グループ参加要求メッセージを受信した地域が、残度数データべースに記憶されている受信可能地域に該当する場合のみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0133】
さらに、残度数データべースに有効期限が指定されていれば、グループ参加要求メッセージを受信した時刻が、有効期限以内である場合のみ、マルチキャスト配信を開始する。
【0134】
また、ルータ1,1aは、マルチキャストアドレス毎に、当該アドレスのマルチキャスト配信を受信するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブルを備え、残度数データべースの残度数を配信タイマに設定する際に、グループ参加要求メッセージに記されたマルチキャストアドレスから度数変換テーブル6を参照し、データべースの残度数を当該倍率で乗算した値を設定して起動する。
【0135】
尚、度数変換テーブルに無料という指定があれば配信タイマを起動しない。また、配信タイマ残度数を残度数データべースに上書きする際には、当該マルチキャストアドレスから度数変換テーブルを参照し、配信タイマの残度数を倍率で除算した値で上書きする。
【0136】
このように、ユーザ端末2,2aに接続されたルータ1,1aに、残度数データベース部3,3eと配信タイマ部4,4bを設け、残度数データベース部3,3eにおいて、ユーザが予め支払った金額あるいは予め設定した上限金額に基づいて設定される当該端末に配信可能な残り時間(残度数)を管理し、配信開始時に配信タイマ部4,4bを動作させ、残度数データベース部3,3eで管理している残度数に基づきタイムアウト検出することにより、当該端末への配信を停止させることができ、このことにより、マルチキャスト配信サービスにおいて、支払い額上限設定サービス、およびプリぺイド課金サービスの提供が可能となる。
【0137】
また、残度数データベース部3が残度数テーブル3bにおいて管理する受信者識別情報として、端末の識別情報(端末アドレス)と共にユーザの識別情報(ユーザID)を使用することにより、ユーザが使用する端末を固定することなく、ユーザは、異なる場所、異なる端末で受信することが可能となる。
【0138】
また、残度数データベース部3が残度数テーブル3cにおいて配信中フラグを管理する構成とすることにより、配信タイマ部4を検索することなく、残度数データベース部3の残度数テーブル3cを参照するだけで、当該端末(ユーザ端末2)に対して配信中か否かの判断ができ、処理の高速化を図ることができる。特に、配信タイマ部4において多数のタイマが動作している際に有効である。
【0139】
また、残度数データベース部3で管理する残度数テーブル3dにおいて、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを予め記憶しておく構成とすることにより、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。
【0140】
さらに、ルータ1aにおいて、マルチキャストアドレス毎に、視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブル部6を設けた構成とすることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供することが可能となる。
【0141】
尚、本発明は、図1〜図17を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、ルータ1,1aに残度数データベース部3,3eと配信タイマ部4,4b(および残度数変換テーブル部6)を設け、ルータ1,1aにおいてIPマルチキャスト配信制御システムを実現した構成としているが、例えば図1において、ルータ1に外付けサーバを設け、残度数データベース部3のみ、あるいは、残度数データベース部3と配信タイマ部4を、その外付けサーバに設けた構成としても良い。
【0142】
また、本例で用いるコンピュータ構成例としては、キーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いる内容の記載があるが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【0143】
【発明の効果】
本発明によれば、残度数データべースにより、各端末に配信可能な残り時間を管理し、予め支払った金額、あるいは予め設定した上限金額に基づいた配信度数を記憶しておき、配信開始時に配信タイマを動作させ、タイムアウト検出することにより、前述の配信度数に基づき配信を停止することができ、マルチキャスト配信サービスにおいて、支払い額上限設定サービス、およびプリぺイド課金サービスを提供することが可能となる。また、残度数データべースで管理する情報として、端末アドレスだけでなく、ユーザIDを受信者識別に使用することにより、ユーザは、受信端末を固定することなく、異なる場所、異なる端末で配信を受けることが可能となる。また、残度数データべースで管理する情報として、端末アドレスと関連付けて、視聴可能な1以上のグループアドレスを、予め記憶しておくことで、ユーザに応じて特定のグループに限定した受信許可を発行することが可能となる。また、マルチキャストアドレス毎に視聴するために必要な度数の倍率を記憶しておく度数変換テーブルを備えることにより、アドレス毎に配信単価が異なるサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1における残度数データベース部の残度数テーブルの第1の構成例を示す説明図である。
【図3】図1における配信タイマ部の配信タイマテーブルの構成例を示す説明図である。
【図4】図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャートである。
【図5】図1におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【図6】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベース部における残度数テーブルの第2の構成例を示す説明図である。
【図7】図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】図6の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【図9】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータにおける残度数データベース部の残度数テーブルの第3の構成例を示す説明図である。
【図10】図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図11】図9の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信停止処理動作例を示すフローチャートである。
【図12】図1のIPマルチキャスト認証課金システムを構成するルータ内の残度数データベースにおける残度数テーブルの第4の構成例を示す説明図である。
【図13】図12の残度数テーブルに基づくIPマルチキャスト認証課金システムの配信開始処理動作例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係わるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14における残度数変換テーブルの構成例を示す説明図である。
【図16】図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第1の処理動作例を示すフローチャートである。
【図17】図14におけるIPマルチキャスト認証課金システムの第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【図18】IGAPを用いた従来の認証課金サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図19】図18における認証課金サービスシステムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1,1a:ルータ、2,2a:ユーザ端末、3,3e:残度数データベース部、3a〜3d:残度数テーブル、4,4b:配信タイマ部、4a:配信タイマテーブル、5,5a:マルチキャスト配信部、6:残度数変換テーブル部、6a:残度数変換テーブル、181:ルータ、182:端末、185:マルチキャスト配信部、187:認証課金サーバ。
Claims (16)
- IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御するシステムであって、
配信先毎に、配信時間をカウントする配信タイマ手段と、
該配信タイマ手段のカウント結果に基づき、当該配信先に対応付けて記憶した配信可能時間を減算する残度数管理手段と、
該残度数管理手段に記憶した配信可能時間が0になると、当該配信先に対するマルチキャスト配信を停止する配信処理手段と
を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を制御するシステムであって、
配信先毎に対応付けて、当該配信先への配信可能時間を記憶する残度数管理手段と、
マルチキャスト配信の開始に伴い、上記残度数管理手段で記憶された当該配信先への配信可能時間を記憶し、該記憶した配信可能時間をマルチキャスト配信経過時間毎に減算する配信タイマ手段と、
該配信タイマ手段で記憶している配信可能時間が0になれば、もしくは、配信先からの配信停止要求があれば、当該マルチキャスト配信を停止すると共に、上記配信タイマ手段で記憶している配信可能時間で、上記残度数管理手段に記憶されている当該配信先の配信可能時間を変更する配信処理手段と
を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1、もしくは、請求項2のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
上記配信処理手段は、マルチキャスト配信中の配信先からIGMPに規定されるグループ参加メッセージを予め定められた時間受信しなければ、当該マルチキャストの配信を停止する手段を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
上記残度数管理手段において上記配信可能時間に対応付けられる配信先情報として、配信先のユーザ識別情報を用い、
配信先からマルチキャスト配信要求時に上記ユーザ識別情報と共に通知されるアドレス情報宛に、上記マルチキャストを配信する手段を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
上記残度数管理手段は、配信先毎に対応付けて、当該配信先に対するマルチキャスト配信を実行中であるか否かを示すフラグを設定する手段を有し、
上記配信処理手段は、上記残度数管理手段で設定する上記フラグを参照して、当該配信先に対して上記配信タイマ手段を起動中であるか否かを判別する手段を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
上記残度数管理手段は、配信先毎に対応付けて、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する1以上のマルチキャストグループを特定する第1の情報と、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する地域を特定する第2の情報、および、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する期間を特定する第3の情報の少なくともいずれかひとつを設定する手段を有し、
上記残度数管理手段において配信要求元の配信先に対応して設定された上記第1から第3の情報に基づき当該配信先へのマルチキャスト配信を制限する
ことを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
マルチキャスト配信対象毎に、上記配信タイマ手段のカウント量を特定する情報を対応付けて登録する度数変換管理手段を有し、
上記配信タイマ手段は、上記度数変換管理手段に登録されたカウント量で、当該マルチキャスト配信時のカウントを行うことを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムであって、
上記残度数管理手段が記憶する上記配信先を含む情報に基づき上記マルチキャスト配信要求元の認証を行う手段と、
上記配信タイマ手段のカウント結果に基づき、当該マルチキャスト配信先への課金処理を行う手段とを有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御システム。 - コンピュータを、請求項1から請求項8のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御システムにおける各手段として実行させるためのプログラム。
- IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を、配信要求元から受信したIGMPのマルチキャスト配信要求メッセージに基づき行うシステムのIPマルチキャスト配信制御方法であって、
マルチキャスト配信先の認証情報を管理する残度数データべース手段において当該配信先毎に、配信可能な最大時間を対応付けて記憶するステップと、
配信要求元から上記マルチキャスト配信要求メッセージを受信すると、該配信要求元の認証を上記残度数データベース手段で行うステップと、
該配信要求元の正当性確認後、当該配信要求元に対する上記残度数データベース手段における最大時間がゼロでなければ、要求されたマルチキャスト配信を開始するステップと、
該マルチキャスト配信の開始に伴い、上記残度数データベースにおいて当該配信先に対応付けられた最大時間を、該配信先に対応付けたタイマ手段に設定して該タイマ手段を起動するステップと、
該タイマ手段がタイムアウトすれば、上記配信先へのマルチキャスト配信を停止して、上記残度数データベースにおいて当該配信先に対応付けられた最大時間をゼロに変更するステップと、
上記タイマ手段がタイムアウトする前に、上記配信先からIGMPに基づく配信停止要求を受信すると、もしくは、上記配信先からIGMPに規定される所定時間毎の上記マルチキャスト配信要求メッセージを受信しなければ、当該配信先へのマルチキャスト配信を停止して、上記残度数データベースにおいて当該配信先に対応付けられた最大時間を、上記タイマ手段の残余時間に変更するステップとを有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - IPネットワークにおけるマルチキャスト配信を、配信要求元から受信したIGMPのマルチキャスト配信要求メッセージに基づき行うシステムのIPマルチキャスト配信制御方法であって、
マルチキャスト配信先の認証情報を管理する残度数データべース手段において当該配信先のユーザID毎に、配信可能な最大時間を対応付けて記憶するステップと、
配信要求元から上記ユーザIDが付与されたマルチキャスト配信要求メッセージを受信すると、該配信要求元の認証を上記残度数データベース手段で行うステップと、
該配信要求元の正当性確認後、当該配信要求元に対する上記残度数データベース手段における最大時間がゼロでなければ、上記マルチキャスト配信要求メッセージで指定された端末アドレス宛に、要求されたマルチキャスト配信を開始するステップと、
該マルチキャスト配信の開始に伴い、上記残度数データベースにおいて当該端末アドレスを上記ユーザIDおよび上記最大時間に対応付け、該最大時間を、当該端末アドレスに対応付けたタイマ手段に設定して該タイマ手段を起動するステップと、
該タイマ手段がタイムアウトすれば、当該端末アドレス宛へのマルチキャスト配信を停止して、上記残度数データベースにおいて当該端末アドレスおよび上記ユーザIDに対応付けられた最大時間をゼロに変更するステップと、
上記タイマ手段がタイムアウトする前に、配信先からIGMPに基づく配信停止要求を受信すると、もしくは、上記配信先からIGMPに規定される所定時間毎の上記マルチキャスト配信要求メッセージを受信しなければ、当該配信先へのマルチキャスト配信を停止して、上記残度数データベースにおいて当該配信先の端末アドレスおよび上記ユーザIDに対応付けられた最大時間を、当該タイマ手段の残余時間に変更するステップと
を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - 請求項10、もしくは、請求項11のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御方法であって、
上記残度数データベースにおいて各配信先に対応付けて、当該配信先にマルチキャスト配信を実行中で上記配信タイマのタイムアウト前であることを示すフラグを設定するステップと、
正当な配信要求元から上記マルチキャスト配信要求メッセージを受信すると、上記残度数データベースにおける上記フラグを参照するステップと、
上記残度数データベースにおいて当該配信要求元に対応して上記フラグが設定されていなければ当該配信要求元に対して上記マルチキャスト配信要求メッセージで要求されたマルチキャスト配信を新規に開始するステップと、
上記残度数データベースにおいて当該配信要求元に対応して上記フラグが設定されていれば当該配信要求元に実行中のマルチキャスト配信を継続するステップとを有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - 請求項10から請求項12のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御方法であって、
上記残度数データベースにおいて各配信先に対応付けて、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する1以上のマルチキャストグループを特定する第1の情報と、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する地域を特定する第2の情報、および、当該配信先へのマルチキャスト配信を許可する期間を特定する第3の情報の少なくともいずれかひとつを設定するステップと、
配信要求元に対応して上記残度数データベースにおいて上記第1の情報が設定されていれば、要求されたマルチキャストグループが上記第1の情報で特定されたものであれば、当該配信要求元への当該マルチキャスト配信を開始するステップと、
配信要求元に対応して上記残度数データベースにおいて上記第2の情報が設定されていれば、配信要求元の地域情報を参照して該地域情報が上記第2の情報で特定されたものであれば、当該配信要求元への当該マルチキャスト配信を開始するステップと、
配信要求元に対応して上記残度数データベースにおいて上記第3の情報が設定されていれば、配信要求された日時情報を参照して該日時情報が上記第3の情報で特定されたものであれば、当該配信要求元への当該マルチキャスト配信を開始するステップと
を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - 請求項10から請求項13のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御方法であって、
マルチキャスト配信の対象毎に、上記タイマ手段のカウント量を特定する情報を対応付けて記憶装置に登録するステップと、
上記マルチキャスト配信の開始に伴い、該マルチキャスト配信先に対応付けて上記記憶装置に登録されたカウント量を参照するステップと、
該参照したカウント量で上記タイマ手段のカウント動作を起動するステップと
を有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - 請求項10から請求項14のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信制御方法であって、
上記タイマ手段のカウント結果に基づき、当該マルチキャスト配信先への課金処理を行うステップを有することを特徴とするIPマルチキャスト配信制御方法。 - コンピュータに、請求項10から請求項15のいずれかに記載のIPマルチキャスト配信方法における各ステップの処理を実行させるためのプログラム。
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